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続・引き寄せられる混沌Ⅰ

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5.公冶長  こうやちょう
ことば---------------------------------------------------------------------
- 全28章のほとんどすべてが人物批評である。  
人に禦る(あたる)に口給をもってすれば、しばしば人に憎まる」(5)
「道行なわれず、俘 (いかだ)に乗りて海に浮かばん」(7)
「回や一を聞きてもって十を知る。賜や一を聞きてもって二を知る」(9)
「われいまだその過ちを見て、内にみずから訟むる者を見ず」(27)
----------------------------------------------------------------------------
23 伯夷や、叔斉は他人の仕打ちをいつまでも根にもつことはなかった。だからこ
そ人の恨みを買うこともめったになかった。(孔子) 

(伯夷、叔斉〉 紀元前十二世紀、孤竹国の公子、兄弟で国を譲りあい、ともに国を捨
てて周に身を寄せた。武王が天子たる股の討王を討とうとした際、馬前に諌めたが容
れられず、股が滅びた後は周の禄を食むことを恥じて首陽山に隠れ、わらびを採って
露命をつないでいたが、ついに餓死した。

子曰、伯夷叔齊、不念舊惡、怨是用希。

 Confucius said,
"Bo Yi and Shu Qi did not blame the people for old errors even though they
were honest. So few people had a grudge against them."


【災害時用コンテナ収容型太陽光発電・給湯ユニット開発 金工大】

金沢工業大学は株式会社アクトリー(石川県白山市)と東京大学先端科学技術研究セ
ンタ、石川県工業試験場と連携して、コンテナ収容型太陽光発電・給湯ユニットの事
業化に向けた実証検証を開始。金沢工業大学からはロボティクス学科の土居隆宏准教
授(専門 多脚ロボット)が参画し、太陽の動きを完全追尾できる2軸追尾システムの
構築に取り組みます。これにより、広く採用されている架台式シリコン系発電システ
ムに比べ、年間発電量が最大2倍近く得ることが可能となる。

この研究開発は株式会社アクトリーが公益財団法人石川県産業創出支援機構(ISICO)
の平成30年度事業化促進支援事業の採択を受けて2年計画で事業化に取り組むもので、
「iU-SOALA Wilsom(インテリジェンスユニット・ソアラ ウィルソン)」という製品
名で令和2年度の発売開始を予定。このユニットはコンテナタイプで、搬送・移設が
容易なため、自然災害時の電力供給や給湯対策や野外イベントでの需要等が期待され
ている。

   June 10,  2019 


2018年に新たに肺がんと診断された患者は世界で200万人を数え、同年に180万人が死
亡したと推定される。肺がん患者の約15~20%を占める小細胞肺がんは手術が困難で、
日本での5年生存率は10%未満と低い。発症リスクは喫煙や微小粒子状物質「PM2.5」
で高まる。たんぱく質の「SRRM4」が関わってがん細胞が増殖し、抗がん剤に対する
耐性を持つなど悪性化することが知られている。耐性を持つと治療法がなく、完治が
困難になる。

肺がんの中でも進行が早くて治りづらく、再発率も高い「小細胞肺がん」で、増殖に
関わるたんぱく質の合成を抑制する物質を開発したと、大阪大などの研究チームが英
科学誌で発表した。人の肺がん細胞を移植したマウスに投与し、がん細胞が死滅する
ことを確認した。チームは治療薬開発に向け、大型のラットで効果と安全性を確認す
る。

【難治性肺がんの増殖抑える物質「完治に期待」】

このたんぱく質の合成の前に作られる伝令RNA(mRNA)に結合し、分解を促す物質(核
酸)を作製。マウスの実験では、がん細胞を8割程度死滅させられた。投与量を増や
せば、全てのがん細胞を死滅させることも可能だ(研究チーム。大阪大の下條正仁特
任准教授(創薬科学)は「大気汚染がひどい地域などで、早期発見をして投薬治療で
きれば、高い確率での完治が期待できる。一部の乳がんや前立腺がんでも、同じ効果
が見込めると、話す。



【環境化学物質によるタンパク質脱イオウ化が心不全リスク増大の原因】

心不全の新たな予防・治療薬の開発へ

九州大学と生理学研究所は、筑波大学、東北大学および国立医薬品食品衛生研究所と
の共同研究は、メチル水銀(MeHg)の低濃度曝露が心不全の病態を悪化させる分子機構
を解明したと発表。有機水銀の過剰摂取や体内蓄積など、疾患発症の「環境要因」が
問題視されているが、個別の疾病におけるリスク増大のメカニズムは未解明な点が多
かった。

同研究グループは、心不全の増悪につながる「心筋細胞の早期老化現象」と、その引
き金となる「ミトコンドリアの異常分裂」に着目し、低濃度MeHg曝露マウスを作製し、
心臓のストレス抵抗性や心機能低下(心不全)などを評価するとともに、心筋組織にお
いて起きている分子メカニズムの詳細解析を行った。その結果、MeHgがミトコンドリ
アの分裂を促進するタンパク質を「脱イオウ化」し、ミトコンドリア分裂と圧負荷に
よって誘発された心不全の悪化を誘発することが明らかとなった。タンパク質ポリイ
オウという物質量を指標───MeHgはミトコンドリア分裂促進タンパク質Drp1のシス
テインポリイオウ鎖と反応し、脱イオウ化することでミトコンドリア過剰分裂を誘導
すること、ポリイオウ鎖の保護によりMeHg心毒性を軽減できる───とする、心不全
の予防・治療法の開発に寄与する成果となる。

すごいですね。




【ジョージ・ソロスら 米国政府は富裕税制の導入を!】

米国で最も富裕な人々の間から、連邦富裕税の導入を求める声が上がっている。この
新税導入を唱えているのは、著名投資家のジョージ・ソロス氏、富豪一族のレーガン・
プリツカー氏とアビゲイル・ディズニー氏、フェイスブック共同創設者のクリス・ヒ
ューズ氏ら。所得格差に対処するとともに、気候変動や公的保険に関連した問題への
対策資金捻出のためこの税が必要だと主張。匿名の1人を含む19人の個人は6月24日、
インターネットで署名入りの書簡を公開。共和党であれ民主党であれ全ての大統領候
補者に、米国人のトップ0.1%に相当する最富裕層、つまりわれわれの資産に適度
な富裕税を課すことを支持するよう呼び掛ける、とし、新たな税収源は米国の中所得
層や低所得層ではなく、最も資金的に恵まれた層からであるべきだと訴えた。

   

【続・引き寄せられる混沌Ⅰ:7040問題を考える】

21世紀初頭の日本の政治課題と言えば「将来の不安」に集約されるらしい。しかし、
50年前のわたし(たち)も「将来の不安」はあったのので、現在のそれは「贅沢な
不安」であり、「貧困と格差」は実体は異なっていても当時もあった、が。信じられ
ないほどの「長寿社会」「急速な少子化」「技術革新─急速なデフレ・労働環境急変・
生活環境の激変或いは欲望の膨張と疎外感の蔓延─高度資本主義・消費社会の欲望」
による。

このように、現在日本は、恣意的自由が保障され、就労した職場がある大卒の非正社
員が、結婚せず親の家で)"パラサイト"或いは"引きこもり"しながら、年金積み立て
振り込み親にさせている(両親がいない、欠けている─尤も、裕福な家庭の実子/養
子などは例外)。さらには、幼い頃から高度な職業訓練教育を受けられない障害者や
社会的弱者が生涯にわたり最低限度の経済的保障を受給し全うできるような安心でき
る将来像をもてずいることは容易に想像できる。そこで、「将来不安はどこからくる
のか」と「問題解決が可能か}を自問し、鬱蒼とした現在の暗部に踏み入れよとした
ものの、いかんせん、目先の課題に没頭するあまり、暗中模索状態にあり、まずは、
吉本隆明著『貧困と思想』(青土社、2008.12)を水先案内に手にする。

 Aug. 4, 2008.

今の日本は4~5年前から第二の敗戦期とも呼べるような状況になってきたんじゃな
いか、と。食うや食わずの貧しい時代が近づいている感じがする、と。同時に親子・
家族間の殺人事件が目立って増えてきたが、これは資本主義勃興期に肺結核が国民病
となったように、高度な資本主義社会となった日本の社会から受ける無形の圧迫によ
って、鬱病が増えてきたからだが、今の大衆は本当の飢えを知らない。貧困の中での
子育ても知らない。まだ比喩的な要素が強いが、プアだということに文句を言っても
らえる労働組合もダメになってしまっていることも大きな問題だし、ワーキングプア
の現状が打破できない絶望感が蔓延している。そんな中で斡旋屋に引っ張り回される
『蟹工船』に共感していると。プロレタリア文学の小林多喜二の作品の中で最も良い
作品が『蟹工船』で、作品自体としてみた場合、珍しい主題で面白く書いたという域
は出できず、世界的なレベルの作品、例えば定年の年齢に差し掛かった団塊の世代を
中心に読まれきずていて80万部も売っている新訳の『カラマーゾフの兄弟』なんか比
べると落ちる。この本がが読まれるのも、おなじような将来に対する不安があるから
だが、今の若者にとって、同時代の作家で村上春樹の作品よりも小林多喜二の方が切
実なのは事実かもしれない。グローバル化の問題のひとつは中国政府が疎開政策をと
っていて、安い賃金で中国労働者を先進国の企業に提供して、上前をハネているとい
う巨大な斡旋屋となっているが、『蟹工船』や『カラマーゾフの兄弟』が読まれてい
るのはなんかの変化の兆だろうと述べ、吉本の言語論が展開する。曰く、沈黙。ネッ
トやケータイでいくらコミュニケーションをとったって、ホンモノの言葉を捕まえた
という実感は持てないんじゃないか。若い詩人や作家の作品を読んでそれを感じる。
そして、言語はコミュニケーションの手段や機能ではない。それは枝葉の問題であ
って、根幹は沈黙。沈黙とか、内心の言葉を主体として、自己が自己と問答するこ
と。自分が心の中で自分に言葉を発し、問いかけることが、まず根底にあり、友人
同士でひっきりなしにメールで、いつまでも他愛のないおしゃべりを続けてていも、
言葉の根も幹も育たない。それは貧しい木の先についた、貧しい葉っぱのようなも
のなの。本質は沈黙にあるということ、そのことを根底的に考えること。だと述べ
ている。

  


わたし(たち)は、新自由主義の考察と批判とポスト・ケインズ主義政策の考察と
その出口戦略「双頭の狗鷲論」をブログ掲載している。貧困の考察には次のな書籍
があるが、ここでは、まず新自由主義とは何だったのかをおさらいする。



ケインズ主義と新自由主義の対比、新自由主義に襲われた国では、新自由主義的蓄
積の矛盾は財政危機となってあらわれる。前章までにみた日米欧における財政危機
は、このことを物語るものであった。この財政危機は、ケインズ主義が支配的であ
ったときのそれとは違った性格をもって進行しているものである。本章では、まず
この点に目を向けるところから、もっか最大の争点である消費税増税問題を検討し
ていくことにしたい。財政危機とは、さしあたり、財政の収支ギャップが拡大し、
国家財政が赤字に陥るところから生まれる。収支ギャップの拡大という点に注目し
ていうと、ケインズ主義の時代の財政危機は、主として財政支出の膨張に起因する
ものであった。これとは対照的に、新自由主義が財政危機を深化させる主要因は、
収入(歳入)面に求められる。よく知られたイメージでいえば、ケインズ主義は財
政支出の拡大を許容して「大きな政府」を呼び起こすが、新自由主義はケインズ主
義を批判して、「小さな政府」を志向する。「小さな政府」化はまず公共部門の縮
小や財政支出の抑制によって進められる。そこで、新自由主義が支配的になると、
仮に収支ギャップが拡大し、財政赤字が増えることになったとしても、それは支出
の膨張を主たる要因とするものではなくなる。むしろ、税収(歳入)不足の方か問
題になってくるのである。
 
ケインズ主義が財政支出の膨張を呼び起こすのは、恐慌、不況、失業、貧困等の経
済・社会問題にたいして、過剰な生産能力にたいする民需の不足を公需(公共部門
の有効需要)によって補う方向で対処しようとしたからであった。恐慌・不況期と
は、過剰設備・資金が遊休状態のまま放ったらかしにされている時期にあたる。こ
のとき、ケインズが着眼したのは、公共部門が過剰資金を公債発行で吸い上げ、そ
れを再び民間市場に投入してやれば、過剰設備・労働力が再稼働しはじめ、不況を
脱出することができる、というルートであった。このルートは、ただし、赤字公債
の発行に道を開き、財政インフレを呼び起こす。一度財政インフレに火がつき、イ
ンフレがインフレを呼ぶという悪循環が開始するや、財政支出は税収増を上回るス
ピードで膨張する。これがケインズ主義的財政危機の構造であった。だが、新自由
主義は公共部門そのものを市場原理の妨害物とみなすから、財政支出の膨張には強
力な閂をかける。市場原理にたいするフェティシズム(物神崇拝主義)を出発点に
した新自由主義は、市場原理とは異質な公共原理を敵視する。公共部門とは市場機
構にたいする異端、邪魔者、妨害物、百歩譲っても必要悪のものにすぎない。なぜ
なら、公共部門の存続を支える租税がそもそも財産権の侵害だからである。近代市
場社会のもとでの租税とは、所得税にせよ資産税にせよ、いずれも私的所有(財産
権)を侵害するものにほかならない。市場原理の守護神役としての新自由主義に課
せられた歴史的使命は、この租税を可能な限り縮小・制限・限定することにある。
こうして、ケインズ主義が 有効需要に着眼していわば財政支出第一主義に向かった
のにたいして、新自由主義は、市場原理に適合的な税制改革第一主義に走る。とこ
ろが、市場原理に適合的な新自由主義的税制改革は、近代の租税国家原則の壁にぶ
つかる。

                    二宮厚美著『新自由主義からの脱出』
                    第三章 はじめに─租税国家の危機

「消費税=社会保障目的現化」のもとでは、社会保障財源に所得・資産現等の一般
財源があてられる場合とは違って、大衆課税としての消費税だけが充当されるため
に、社会保障の理念・制度に変質が進行する。なぜなら、泊費税は社会の構成員す
べてが貧富の差なく、消費に比例する水平的公平方式で負担するものだからである。
ここでは、たとえば累進所得税を財源にした社会保障とは異なる社会保障像があら
われる。念のために指摘しておくと、野田政権が進める消費税増税は、完全な「消
費税=社会保障目的税化」路線上で進められているのではない。社会保障目的とは
単に飾りとしてその言葉が使われているだけで、実際には、「消費税=社会保障目
的税」の定式は潰え去ったとみてよい。その理由は、次の四点による、

①そもそも消費税の社会保障目的鋭化には原則上の無理があったこと、
②谷消費税=社会保障目的税」化の延長線上では早々に消費税率の二〇%台への引
 き上ヒが避けられなくなること、
③当面予定される五%の消費税率引き上げだけでは緊急に必要とされる杜海保障財
 源すらまかなえな いこと、
④消費税引き上げ分にたいする分捕り合戦が政権内、国・地方間、省庁同等で進ん
 だことである。

これらによって、完全な「消費税=社会保障目的税」はいったん破綻した。この点
を確認したうえで、いまここで重要なことは、新自由主義義路線上では、民主党政
権であろうと他のいかなる政権であろうと、社会保障財源には消費税が最も適切で
あり、また消費税財源しかありえない、とする方向になお向かわざるをえないとい
うこと、つまり「社会保障財源=消費税]という形式だけは残り続けるということ
である、この場合の消費税とは、国民すべてが負担する税金とされ、これによって
担われた社会保障は国民すべてが負担を分かち合うものとなる。では、国民のすべ
てがその負担を分かち合う社会保障とは、いったいいかなるものか。それは、平た
くいえば。「みんなのためにみんなでっくり、みんなで支えていく」社会保障像と
いうことになるだろう。この社会保障像は、実は、一九九五年の社会保障制度審議
会「社会保障体制の再構築(勧告)」(九五年勧告)が描き出したものである。同
勧告は、「社会保障制度は、みんなのためにみんなでつくり、みんなで支えていく
もの」と説明した。みんなで負担する消費税が担う社会保障像とは、まさに、この
「九五年勧告」が描写した社会保障、すなわち「社会連帯としての社会保障」にな
るのである。「一体改革」は、「みんなのためにみんなでっくり、みんなで支えて
いく消費税]と「みんなのためにみんなでっくり、みんなで支えていく社会保障]
とを直結させたのである。いま注意しなければならないことは、この「九五年勧告
」は、戦後日本の社会保障制度審議会「社会保障純度に関する勧告」([五〇年勧
告])以来の社会保障像を転換したものであった、ということである。「五〇年勧
告」は、憲法の生存権保障規定にもとづき「生活保障の責任は国家にある」、また
社会保障制度については「国自らの責任において、この制度の実施に当ることを原
則とする」と述べ、一言でいえば「人権としての社会保障」の理念をうちだしたも
のであったが、「九五年勧告」はこれを「社会連帯・互助としての社会保障」に切
りかえたのである。「社会保障・税一体改革」は、「九五年勧告」を起点にしたこ
の「連帯・共助・互助としての社会保障」像を継承し、それを裏打ちする財源とし
て「社会保障目的税としての消費税」をあてた、といってよい。たとえば、「一体
改革」に向けて厚労省が提出した文書「社会保障制度の方向性と具体策(ニ○一一
年五月)は、社会保障制度の考え方を説明して、次のように述べている。「①自ら
働き、自らの生活を支え、自らの健康は自ら維持するという「自助』を基本とする
こと。②生活や健康のリスクを、国民間で分散する『共助』が補完すること。③『
自助』や「共助』では対応できない困窮に直面している国民に対しては、一定の受
給要件の下で、公的扶助や社会福祉などを『公助』として行う。」この文書にそく
していえば、社会保障とは「自助」を補完する「共助」にもとづくものというのが
厚労省の見解である。したがって、この見解にそくしていま求められる課題とは、
「共助を重視した社会保障の機能強化」にならざるをえない。ここから、「一体改
革」では、「消費税=社会保障目的税化」と一体になった「共助としての社会保障
の機能強化」が打ちだされる。その具体策は、❶社会保険方式による社会保障と、
税方式による社会保障(ここでは租税だけでは担いきれないとして、❷「新しい公
共=市場化」が用意される)との二系列にそって提示される。

社会保険分野における保険主義の強化

第一系列は、「消費税=社会保障目的税」があてられる社会保険分野における共助
機能重視路線である。社会保険における共助機能重視とは、社会保険に潜む保険原
理の強化、すなわち保険主義化にほかならない。というのは、そもそも保険一般が
市場社会における共助・連帯の産物にはかならないからである。保険一般は、社会
保険であれ民間の生命・損害保険であれ、確かに「みんなのためにみんなでっくり
、みんなで支えていくもの」という性格をもって生まれたものである。その限りで、
「一体改革」がいうように、そもそも保険はすべて、共助・連帯の産物にほかなら
ない。そこでいまやその保険に内在する原理が強化されなければならない。通常、
保険原理と呼ばれるものには、

①拠出主義原則(保険料を拠出しない者は排除する)、
②収支 相等の原則(保険財政全体で収入と支出のバランスをとる)、
③給付・反対給付均等の原則(保険料の負 担額に見合って保険金を給付する)、
④保険技術的公平の原則(保険料はリスクの高低を反映させて個別的 に決める)

の四つがあるが、社会保険の保険主義化で特に問題になるのは、前二者の「拠出主
義」と「収支均等原則」である第一の拠出主義とは、国保科未納者から保険証を取
りあげる例が示すような、保険料を支払わない者を社会保険から排除することであ
る。これが強化されると、保険料を支払わない者は、医療・介護・年金等のいずれ
の社会保険を問わず、そこから排除される。

第二の収支相等原則とは、保険財政全体において「保険料収入」を「保険金支出」
に合わせること、収支のバランスをとることである。端折っていえば、赤字をださ
ないということである。したがって、この原則が強化されれば、赤字をださないた
めに保険料を上げるか、もしくは保険給付水準を引き下げるか、そのいずれか、ま
たは両者が同時に進むことにならざるをえない。「消費税=社会保障目的税化」が
付けくわえることは、社会保険の収入が「保険料プラス消費税」になり、支出面に
おいて保険給付がその「保険料プラス消費税」の枠内に封じ込められることになる、
という違いでしかない。つまり、当面、医療・年金・介護の社会保障給付は「保険
料プラス消費税」の壁のうちに封じ込められるということである。ここでは、国民
内に「低水準の社会保障でがまんするか」、それとも「高い保険料・消費税をがま
んするか」のがまん比べ競争が組織化され、社会保障拡充の期待に冷水が浴びせか
けられることになろう。

                    二宮厚美著『新自由主義からの脱出』
          第四章「消費税=社会保障目的現化」による社会保障の変質

今回は上記二ヵ所を抜き書き掲載することで、「租税国家の危機」と「社会保障制
度の変質」をピックアップすることで「格差拡大社会」の特徴を炙り出してみた、
財政運営の指標の「目標インフレ率」のように「ジニ係数」のように日本独自の「
目標格差係数」など編み出すことも”デジタル制度評価”として毎年測定すること
も有効だろう。
                               この項つづく                            


                      


【アラスカを覆う異常気象、アンカレジで31℃を記録】

米大陸北部のアラスカ州アンカレジで独立記念日の4日、観測史上最高となる。
31.6℃を記録。国立測候所によると、この気温はアンカレジの空港で観測された。
1969年6月14日の記録を上回る同州史上最高の暑さとなる。年を上回る暑さは
来週いっぱい続く見通し。国立測候所アンカレジ支部によると、先月の平均気温は6
月としては観測史上最高の15.8℃を記録、同地で観測を始めたのは65年前の19
54年。平均気温は6月までの16カ月連続で平年を上回り、6月の30日間は全日、
平年を超えている。同州は6月、記録的な乾燥にも見舞われ、雨量は平年のわずか6
%にとどまり、このため州内各地で山火事が相次ぎ、州消防当局は一部の地域で花火
の販売や使用を禁止。雷が原因で6月5日にスワンレイクで発生した火災では、大量
の煙や雲が発生し、今週に入ってアンカレジなどにも影響が及んだ。火は今もくすぶ
り続けており、週末にかけても影響が続く見通し。異常気象は乾燥や猛暑にとどまら
ない。アラスカ気候評価政策センターによると、例年であれば5月下旬までアラスカ
全土を覆う氷は、今年は3月に消失。国際北極研究センターによると、ベーリング海
では南風で氷が急速に解けて気温が上昇。この地域で海上の気温がこれほど高くなっ
たことはなく、アラスカ北部や西部では、気温が上昇して6月の記録に近付いている。

 

ソニーから新しい完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM3」が発表。もちろん、ノイズキ
ャンセリング搭載です。ソニーならではのノイキャンや音質も気になりますけど、そ
れだけじゃ決められないのが完全ワイヤレス。マルチメディア(視覚×聴覚)のトッ
プランナーは健在だ!

 竹内まりや - ラスト・デイト

ロッカバラードナンバーは竹内まりやのメイン名ストリーム。打ち込みまれた歌詞は
タイトル通り最後のデートについて語られている。

●今夜の寸評:温暖化が進むと切れやすくなる?

韓国への輸出規制発動、国際捕鯨委員会脱退は政府のミスリード。そのうち関係国で
親衛隊が組織化され出口なき経済戦争(ブロック経済)→武力戦争と発展するかも。

   


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