6.雍 也 ようや
ことば--------------------------------------------------------------
力足らざる者は、中道にして廃す。いまなんじは画(かぎ)れり」(12)
「質、文に勝てば野。文、質に勝てば史。文質彬彬(びんびん)として然る
後に君子」(18)
「人の生くるや直し。これなくして生くるは、幸いにして免るるなり(19)
「これを知る者はこれを好む者にしかず。これを好む者はこれを楽しむ者に
しかず」(20)
「知者は水を楽しみ、仁者は山を楽しむ」(23)
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21 なみの能力をそなえている人間なら、これに高等教育を授けることが
できる。しかし、能力の低い人間に対して同じような指導はできない。(孔子)
子曰、中人以上、可以語上也、中人以下、不可以語上也。
Confucius said,
"You can talk about lofty subjects with people above the average.
You should not talk about lofty subjects with people below the average."
【ポストエネルギー革命序論37】
シリコンからハイブリッドへ
日本発のハイブリッド太陽電池が、従来のシリコン系からペロブスカイト─
──結晶構造の一種で。ペロフスカイト構造とも。ペロブスカイトと同じ結
晶構造をペロブスカイト構造と呼ぶ。例えば、BaTiO₃のように、RMO₃ とい
う3元系から成る遷移金属酸化物などが、この結晶構造をとる───有機と
無機化合物からなるハイブリッド系に置き換わるようになるとし、欧州では
ペロブスカイト系太陽電池(ここではハイブリッド太陽電池と呼称)が注目
されている。Smit Thermal Solutions社の責任者は、ペロブスカイト太陽電
池が成熟し、ラボから生産へステップ・アップしつつあると言う。ペロブス
カイトコミュニティ、生産設備サプライヤ、結晶シリコンセルメーカが、ペ
ロブスカイト・シリコンタンデムセルの実装またはスタンドアロンペロブス
カイトモジュール生産について議論への期待が高まっている。
Jun. 20, 2019
ペロブスカイト太陽電池の開発は10年前に始まり、すぐに効率が大幅に向
上し、過去2、3年で、耐久性も向上。ペロブスカイトは薄膜技術のグルー
プに属し、薄膜市場で活躍し、パイロットおよび量産設備を構築している企
業に焦点を当ててきた。これらのシステムは、たとえば、Sollianceと呼ばれ
るアイントホーフェンの研究所で使用されている。Smitによって構築された
ロールツーロールドライヤーシステムは、OPVに使用され現在ではペロブスカ
イトの開発で使用。また、空間ALD [原子層堆積]システムも導入されている。
ペロブスカイトのセル/モジュールの確立は何時
2年以内に、タンデムまたはモジュールレイヤとしての最初の大規模なパネ
ルが市場参入すると予測されているが、ペロブスカイトを十分に安定、同時
に高効率達成材料とカプセル化技術は模索中でもある生産ツール、ライン、
研究開発は並行して行われるべきである。しかし、ペロブスカイトを十分に
安定させ、同時に高効率達成材料とカプセル化技術をまだ模索中にあり、生
産手段、ライン、および研究開発は並行して行われるべきで、一部は並行し
て行われているが、優れた効率性を備えたプロセスをすでに実行する企業も
あり、現在、この大量生産に焦点を当てている。ペロブスカイト層の生産設
備は、真空蒸着技術と、スロットダイコーティングやインクジェット印刷な
どのソリューションベースのアプリケーション向けツールの2つの技術が提
供されている。ところで、効率とコストの面で最も有望なのは、蒸着技術→
真空技術を使用。その中には蒸発技術であり。耐久性と効率性に関する技術
の成功にある。例えば、nTact社は、スロットダイコーティング用のソリュー
ションである。
ペロブスカイトの大きな課題は耐久性が焦点。劣化は水分によって引き起こ
され、カプセル化が大変重要となる。これは有機EL表示装置が選鉱してお
り、ブログの主要課題の「ネオコンバーテック」でもあり、たとえば、ALDテ
クノロジの使用でソリューションでき、カプセル化材として使用できる酸化
アルミニウム層を作製できる。装置に関して、湿気に起因するさまざまな課
題解決策があり、ALDとプラズマの組み合わせを使用した低温処理は、特に
ペロブスカイト処理に役立と考えられている。カプセル化とは、EVAシート
を使用してセル保護するが、カプセル化については、セルに直接堆積する
レイヤーを使用。薄膜技術との類似点については、5ギガワット超の薄膜生
産能力ツールがあり、これらの技術のうち、ペロブスカイトに最も近いもの
は、有機太陽電池だが、ペロブスカイトのソリューションベースのアプリケ
ーションに必要なドライヤーソリューションも使用できる。真空蒸着技術に
関しては、CIGSおよびCdTe蒸着ソリューションとの類似点もある。
結晶シリコンセルの製造では、特定の層にALD、真空技術、PECVDを使用。ペ
ロブスカイトの生産では、温度を150℃以下に保つ必要があり、結晶生産で
は、これは問題とならない。したがって、さまざまな制作アプローチを探す
必要があり、真空システムとプラズマオプション、およびALDと組み合わせ
低温酸化アルミニウム(100℃以下)堆積を実装。空間ALDでは、最初に1つ
の前駆体を適用し、次に2番目の前駆体の次のスロットに素材を移動。前駆
体の1つは、プラズマ使用し化学結合を分解。このプラズマ強化により、温
度を下げることができる。また、薄膜用ツールの市場でパイロットライン開
発投資および企業技術が重要で、実験室から量産へのステップは、今後1年
半で起こる。当初、これは少数企業から始まり、市場は成長し、多くのプレ
ーヤにとって興味深いものになる。生産には、ペロブスカイトおよびカプセ
ル化層の堆積だけでなく、ペロブスカイトに接続する電子および正孔輸送層
の堆積も含まれ、ETLおよびHTL層の場合、酸化スズ、酸化チタン、または酸
化ニッケル堆積できる。プラズマ強化ALDできるが これが適切なプロセスア
プローチには、メーカと調査/議論が必要。ペロブスカイトの生産にはまだ
標準がない、メーカは使用するテクノロジーを決定する必要がある。
大量生産の設定方法について強力な見解を持つパイロット生産を既に実施し
ている組織もあり、大量のペロブスカイト材料を生産する方法と、あらゆる
種類のモジュール設計する方法のアイデアを持っている。大量生産を開始す
る企業もある。また、シリコンペロブスカイトタンデムテクノロジーの使用
を検討のため、オックスフォードPV社があり、ベルリンに近いブランデンブ
ルクのタンデム技術の生産施設に投資。結晶コミュニティはこのトピックに
興味を示している。さらに、中国の結晶メーカは顧客と相談。セル/モジュ
ールのメーカのほとんどがペロブスカイトの開発に関心を持っている。その
他の注目点として、Microquanta社───杭州の中国企業───はペロブスカ
イトの研究開発/パイロット生産がある。
0.47ナノメートル 世界最薄の金
8月6日、リーズ大学の研究グループは、0.47ナノメートルと測定された厚
さわずか2原子の金の新しい形を作製したことを公表。これまでに製造され
た最も薄い無支持金に加えて、より大きな金ナノ粒子よりも触媒基質として
10倍効率が上昇する。2層の原子から構成され、2次元として分類。すべ
ての原子は表面原子なので、表面の下に隠れている「バルク」原子ではない。
医療機器やエレクトロニクス産業の大規模な用途で、幅広い産業プロセスで
の化学反応を加速する触媒としても使用───迅速なピンポイント医療診断
試験や浄水システムなどの人工酵素基礎形成、ある意味、ナノ銀粒子がカビ
の代謝阻害機能するかのように───できる。
可能性を開くだけでなく、材料科学者が他の2次元金属開発できる経路を提
供できた。この方法はナノ材料製造を革新する可能性がある。この研究は、
金ナノシートの合成は水溶液中で行われ、金を含む無機物質である塩化金酸
からスタートし、「閉じ込め剤」の存在下で、金属の形に還元。これは、金
がわずか2原子の厚さのシートとして形成されるのを促進する化学物質。金
のナノスケール寸法により、水中では緑色に見え、葉状の形状の「金ナノ海
藻」で電子顕微鏡から撮影した画像は、原子が高度に組織化された格子構造
を形成しており、表面積対体積比が高いことにより、金は非常に効果的な触
媒性を発揮する。
膵臓癌:毒性が低く、持続性の高い薬効を発揮
他の多くの癌とは異なり、ほとんどの膵臓腫瘍は硬くなる特徴をもち、これ
が、膵臓癌が最も致命的な癌の1つの理由となる。コロンビア大学らの研究
グループは、膵臓腫瘍は、間質と呼ばれる結合組織の厚い層を動員し、腫瘍
を硬化させ、盾のように作用し、化学療法薬が悪性細胞に到達するのを困難
にしている。逆説的には、長寿命であるが毒性は低いが、薬物のほうが効果
であることを示唆する。膵臓がん治療薬が効果は、間質を通り抜けて腫瘍に
蓄積するのに十分な時間保持が前提となるが、血液中に長期間持続する場合、
毒性がない。この薬物は、マウスおよびヒトの膵臓癌細胞で抗腫瘍活性を示
したPTC596と呼ばれる実験化合物で、PTC596は耐久性のある半減期を持って
いる(ほとんどの癌薬の半減期は数分から数時間)。つまり、薬物排出回避
でき、バリアを通過する量の薬物が悪性細胞を標的となることを意味する。
従って、一般的な化学療法に耐性のある膵臓癌の遺伝子組み換えマウスでゲ
ムシタビン(膵臓癌の第一選択薬)と組み合わせてPTC596をテストしたとこ
ろ、2剤併用で治療したマウスは、単一の標準薬剤のみで治療したマウスよ
りも3倍長生。異なる微小管阻害剤を組み合わせることは、それぞれが相乗
効果を生む可能性のあるさまざまな方法で微小管に影響を与える多くの薬剤
があり、腫瘍学の将来において重要な役割を果たす可能性がある。
細胞のDNAを青色、ミトコンドリアを赤色で蛍光染色し
たもの。(左図)通常、HL-60細胞の核は円形である。
(右図)培養条件下で好中球へと分化した細胞では核
が変形する。
ナノ秒オーダーのきわめて短い電気刺激による免疫細胞の活性化
熊本大学の研究グループは、ナノ秒パルス高電界は、ナノ秒オーダーのきわ
めて短い時間に限局して強い電気的な作用を与えることができる技術で、生
命科学をはじめとする様々な分野において新しい物理的手法として注目を集
めている。ナノ秒パルス高電界で免疫細胞に刺激を与えると、細菌に刺激を
受けた時と同様の細胞応答が引き起こされることを公表。血液の細胞分化研
究に使われるヒト培養細胞HL-60に着目。このヒト培養細胞HL-60を白血球の
一つ「好中球」へと分化させ、これにナノ秒パルス高電界を作用させた際に
誘起される細胞の応答反応を解析。
好中球は、細菌に感染した際に細菌を貪食して殺菌することで生体を守る重
要な役割を担っている。好中球は細菌などの刺激によって細胞核の内部から
細胞外へとDNAを放出することが知られ、放出されたDNAは好中球細胞外トラ
ップ(Neutrophil extracellular trap)と呼ばれている。好中球細胞外ト
ラップ形成は感染に対する防御反応の一つと考えられている。好中球にナノ
秒パルス高電界を作用させた結果、細胞からの染色体DNAの放出や、細胞核内
でDNAを巻きつけているタンパク質であるヒストンにシトルリン化と呼ばれる
特殊な修飾反応が生じることを観察しました。これらの反応は好中球へと分
化させた細胞でしか起こらなかったことから、体内に侵入した細菌が好中球
を刺激した際に引き起こされる好中球細胞外トラップ形成と同等の細胞応答
と考える。つまり細菌などを使うことなく、ナノ秒パルス高電界によって好
中球を刺激して細胞応答を引き起こすことができたことを意味する。同研究
グループの矢野憲一教授は、これまでの多くの研究からナノ秒パルス高電界
はガン治療での利用が有望視されてきた。それに加えて、この研究では細胞
を刺激してその機能を引き出すための新手法として幅広い応用の可能性があ
ると話す。
牛乳の賞味期限を従来の4倍伸ばす技術
牛乳の新たな低温殺菌方法が実用化され、従来の低温殺菌方法と比較して牛
乳の賞味期限が4倍に伸びたとが公表された。今回実用化された新技術のも
ととなったアイデアは冷戦下のソ連で開発された。プエルトリコの酪農会社
Tres Monjitasは、次世代の低温殺菌法を開発するMillisecond Technologies
と共同で、低温殺菌方法を開発。同社によると、牛乳に圧力を加えながら低
温殺菌を行うというもの。液体の牛乳に圧力を加えることにより、雑菌など
の微生物を液滴の外縁側に押しやることが可能になり、低温殺菌が効率化さ
れる。この技術は2016年の米インディアナ州パデュー大学の研究を元にして
おり、この論文によると、この低温殺菌技術は牛乳の劣化を引き起こすバク
テリアを効率的に殺菌できる。牛乳の賞味期限は最大で57日間にまで伸びた。
───従来の低温殺菌技術で殺菌した牛乳の賞味期限は14日───で、新技
術で殺菌した牛乳の方が4倍を記録。同研究グループはブラインドテストに
よる牛乳の味の調査も行い、通常の低温殺菌牛乳に味の差はなかった。この
牛乳は2019年10月に発売予定、この牛乳の賞味期限は40日と設定される。
※ The effect of a novel low temperature-short time (LTST) process
to extend the shelf-life of fluid milk
2019年7月は史上最も暑い月または首位タイ
8月1日、世界気象機関(WMO)は、WMOとコペルニクス気候変動プログラム
のデータに基づき、2019年7月の世界の気温は史上最も暑い月であった2016
年7月と同水準か若干上回る見込みだと報告。また2015~2019年は最も暑い
5年間になると予想。19年7月は特にヨーロッパを熱波が襲いパリの42.6℃
を初めとして各地で軒並み史上最高気温を更新。北極圏では森林火災と大規
模な氷の融解が起きている。これまでの過去最高だった2016年7月の高温は
強力なエルニーニョ現象が大きな要因であったが、今年の熱波は強いエルニ
ーニョの影響下で起きたものではない。人間の活動が引き起こす気候変動が
熱波の頻発化、長期化、激甚化に拍車をかけているとの報告が、様々な国や
機関から出されている。WMOは9月の国連気候行動サミットに2015~2019年の
気候の現状に関する報告書を提出する予定で、気温の上昇を抑えるための早
急な行動が必要だとしている。
Henry Mancini "Music of Hawaii" (LSP-3713)