7.述 而 じゅつじ
ことば------------------------------------------------------
「道に志し、徳に拠り、仁に依り、芸に遊ぶ」(6)
「一隅を挙げて三隅をもって反らざれば、復せざるなり」(8)
「不義にして富みかつ貴きは、われにおいて浮雲のごとし」(15)
「子、怪、力、乱、神を語らず」(20)
「三人行えば、必ずわが師あり」(21)
-------------------------------------------------------------
26 孔子は一本釣りはやったが、網はかけなかった。また、網は
かけなかった。また弋(いぐるみ;弓の一種)で烏を射おとしたが、
寝鳥はねらわなかった。
子釣而不綱、弋不射宿。
Confucius enjoyed fishing, but not used a net.
He enjoyed hunting, but not shot birds in a nest.
ノーベル化学賞に「リチウムイオン電池」開発の吉野彰氏
ことしのノーベル化学賞の受賞者に、スマートフォンなどに広く使わ
れ、太陽発電や風力発電などの蓄電池としても活用が進む「リチウム
イオン電池」を開発した、大手化学メーカー「旭化成」の名誉フェロ
ーの吉野彰さんら3人が選ばれた(わたしと同い年生まれ)。日本人
がノーベル賞を受賞するのは、米国籍を取得した人を含めて27人目、
化学賞では8人目となる。ことしのノーベル化学賞に選ばれたのは、
吉野彰氏)、テキサス大学教授のジョン・グッドイナフ氏、 ニュー
ヨーク州立大学のスタンリー・ウィッティンガム氏の3人。吉野氏は
大阪府吹田市出身歳。京都大学の大学院を修了後、旭化成に入社し、
電池の研究開発部門の責任者などを務めたほか、おととしからは名城
大学の教授も務めている。「充電できる電池」の小型化と軽量化を目
指し、開発に取り組みノーベル化学賞の受賞者、白川英樹さんが発見
した電気を通すプラスチック、「ポリアセチレン」を電極に利用す
る研究をしていた。今回、一緒にノーベル化学賞を受賞するジョン・
グッドイナフ氏の研究成果に注目し、「コバルト酸リチウム」の電極
と、炭素繊維の電極を組み合わせて昭和60年、現在の「リチウムイオ
ン電池」の原型となる新たな電池の開発に成功する。小型で容量の大
きいリチウムイオン電池は、今ではスマートフォンやノートパソコン
といったIT機器には欠かせないものとなる。また、大容量の電気を
ためることができることから、電気自動車への利用や太陽光発電や風
力発電など、自然エネルギーの電気をためる蓄電池として利用が広が
るなど、化石燃料を使わない社会の実現を可能にする地球環境にやさ
しい技術として高く評価されている。こうした業績により、吉野さん
は2004年に紫綬褒章を受章したほか、2006年に「工学分野のノーベル
賞」とも呼ばれるアメリカの「チャールズ・スターク・ドレイパー賞」
を、ことしはヨーロッパの特許庁が主催する「欧州発明家賞」を受賞
した。
関連特許
特開平07-176303 二次電池電極の製造方法 旭化成工業株式会社
正電極、負電極、セパレーター及び非水電解液を有する二次電池であ
って I:層状構造を有し、一般式AxMyNzO2(但しAはアルカリ金
属から選ばれた少なくとも一種であり、Mは遷移金属でありNはAl,
In,Snの群から選ばれた少なくとも一種を表わし、x,y,zは
各々0.05≦x≦1.10、0.85≦y≦1.00、0.001
≦z≦0.10の数を表わす。)で示される複合酸化物を正電極の活
物質として用いることを特徴とする新規な小型、軽量二次電池の提供。
【ポストエネルギー革命序論64】
脳損傷後に新たに形成される神経路
脳の変化を適切に促すことで運動機能が回復する可能性
【要点】
①脳機能回復時に損傷を逃れた脳の領域から新たな神経路が形成
②損傷前とは異なる代償的な運動出力路を形成した可能性
③脳の変化を適切に促す効果的なリハビリや機能回復技術の開発につ
ながる成果
10月7日、産業技術総合研究所らの研究グループは、脳損傷後に新
たに形成される神経路を発見。モデル動物を用いて、大脳皮質の第一
次運動野に永続的な損傷を作成した後、運動機能の回復過程で生じる
脳の神経路の変化を調べた結果、回復時に、損傷により失われた第一
次運動野の機能を代償する損傷周囲領域である「運動前野腹側部」と、
滑らかな運動を行うために重要な役割を果たす小脳からの出力を担う
「小脳核」との間に新たな神経路が形成されることを発見。この成果
は、脳損傷後に、適切な脳の変化を促すことで機能回復を目指すニュ
ーロリハビリテーションの技術開発の鍵となる。
脳卒中などで脳に損傷を受けた後、リハビリテーションを受けても後
遺症が残ることが多いため、脳の損傷は発症後に介護を必要とする最
大の疾病原因の一つである。これは高齢化社会における深刻な問題の
一つであり、機能回復を目指すリハビリの高度化が喫緊の課題となっ
ている。一方、脳の回復メカニズムに基づいた新しいリハビリである
ニューロリハビリテーションが注目を集めている。ニューロリハビリ
テーションは、従来法よりも脳損傷後の機能回復を促進させる可能性
を持つと期待されているが、回復をもたらす脳の変化の理解自体が進
んでおらず、効果的な回復ができていないという課題がある。効果的
なニューロリハビリテーション技術が開発されれば、患者や家族の身
体・金銭的負担や医療や介護の社会負担が減り、脳損傷経験者が元気
に暮らせる社会の実現につながる。
図1(左)BDA注入位置と陽性軸索終末の例、(右)健常個体と脳損傷
個体の機能回復時の左図に示した断面でのBDA陽性軸索終末の分布 機
能回復時の脳損傷個体にだけ小脳核にBDA陽性軸索終末が観察された。
脳機能の回復は、それを支える神経路の変化があって成立する。その
ため、第一次運動野が担っていた運動機能を運動前野腹側部が代償す
ることの背景として、リハビリ期間中に新しい神経路が形成された可
能性がある。特に運動前野腹側部は、健常時には第一次運動野を介し
た運動出力を行っているため、第一次運動野の損傷後に運動前野腹側
部からの情報を伝えるために、どのような神経路の変化が生じている
のかに着目。第一次運動野損傷後に運動前野腹側部で生じる神経路
の変化を観察するために、ビオチン化デキストランアミン(Biotynil-
ated Dextran Amine、BDA)と呼ばれる解剖学的トレーサーを用いた組
織化学的解析を行った。BDAは神経細胞(ニューロン)の細胞体に取り
込まれ、軸索内を移動しその終末に至る。今回、BDAを運動前野腹側部
に注入し、1ヶ月程度経過して神経細胞の終末に至った時にBDAを含む
軸索終末(BDA陽性軸索終末)の分布を観察した。これにより、運動前
野腹側部が直接軸索を送って神経路を形成している領域を同定(図1
左)。
BDA陽性軸索終末の分布を、脳損傷を受けていない個体(健常個体)と、
第一次運動野に損傷を作製して手の運動機能が回復した個体(脳損傷
個体)とで比較した。健常個体では存在しないが脳損傷個体には存在
する神経路は、脳損傷後の機能回復過程で形成されたと考えられる。
比較の結果、小脳からの出力を担う小脳核と呼ばれる領域でBDA陽性軸
索終末の分布に差が見られ、健常個体の小脳核ではBDA陽性軸索終末が
見られなかったのに対し(図1中央)、脳損傷個体の小脳核では BDA
陽性軸索終末が観察された(図1右)。脳損傷個体の小脳核で見られ
たBDA 陽性軸索終末は、脳損傷後の機能回復過程で新たに形成された
神経路と考えられる。脳損傷個体の小脳核で見られた BDA陽性軸索終
末が機能的なシナプスを形成しているのかを検証するために BDAとシ
ナプスの構成タンパク質の多重蛍光染色を行った。その結果、小脳核
の神経細胞にBDA陽性軸索終末が結合する様子が見られ、BDA陽性軸索
終末の一部はシナプス構成タンパク質を発現することが明らかになっ
た(図2)。シナプス構成タンパク質はシナプスで情報伝達の役割を
果たすため、この結果は、脳損傷後の機能回復過程で運動前野腹側部
から小脳核に情報伝達可能なシナプスが形成されたことを示唆する。
8 「東京一極集中」で何か起こるのか
【要点】
①政治・経済・文化・人口など日本社会における資本、資源、活動が
東京圈、特に東京に集中する状態。
②地価や物価が上昇し、それに伴い生活コストが増大。
③地方には「仕事がない」のではなく、「就きたい と若者が考える
仕事がない」。
1 東京一極集中現象とは
東京一極集中とは、政治・経済・文化・人口など日本陣会における資
本、資源、活動が東京圈(東京・神奈川・埼玉・干葉)、特に東京に
集中する状態を言います。東京圈への人口集中が経済成長を牽引する
潜在的メカニズムとして、企業立地や大学集積、人間の知識の交流を
通じたイノベーションの促進が集積を高めました。東京圈の人口は、
経済成長とともに人口増加が続きました。これは、地方の団塊財代の
多くが、進学・就職を機に三大都市圈に移り住んだ時期と符号。東京
圈の人口シェアの拡大テンポは、1970年代前半のオイルショック
で鈍化したあと、80年代後半のバブル期に加速し、90年るバブル
の崩壊とともに叫び鈍化し、2000年代に入り勢いを取り戻し、2
000年後半のリーマンショックで再び鈍化という過程を辿っている。
一方、13年度に東京の名目県内総生産(国内総生産に相当)は93
兆1280億円、同年度の日本全体のGDPは、482兆4000億
円であり、GDPの約5分のIに相当。人口が10分の1で、GDP
は5分の1ですから、東京の生産性は非常に高いことになります。
2 東京一極集中の何か問題なのか
東京一極集中がが進展する中で、地方の人口減少が著しく、仕事を求
める人が東京圈に移動するという構造的な問題があります。特に経済
格差が広がると、長閲的にも高い所得を求めて束京圈への人口流人が
上昇すす、人口が過度に集中すると「東京の過密」問題が生じます。
①自然災害やテロなど、不測の事態が生じた時、被害が甚大となり、
あらゆるリスクに対して脆弱な状態となる。②全国か人を集めておき
ながら、人口の再生産は大変低く、過度な若者の集中は少子化を加速
する、③東京一極集中が進行すると、地価や物価が上昇し、それに伴
い生活コストが増大し、居住環境や生活水準の悪化を招くなど、問題
が生じる。
3 東京一極集中の是正は可能か
東京一極集中の要因は、首都圈の人口シェアと経済成長との相関がき
わめて高く、首都圏の経済が人目集積のメリットを活かしながら、日
本経済をリードしてきたことの証です。首都圏の人口シェアの上昇は
今後も続くことが椎察されまる。2050年には我が国全休の人口の
32・5%が東京圈に集中し、束京一極集中が今後も続くと推察され
る。経済成長時代は、企業などの利益が東京圈に集中し、その富を国
が税金として集め、地方に「地方交付余や補助金」として再配分する
構図が、地方との格差を是正してきた。東京一極集中の要要因は、
雇用環境の違いである。地方には「仕事がない」のではなく、「就き
たいと斡者が考える仕事がない」(?根拠は)のある。地域にある仕事
と若者の就業意向とのミスマッチが起きている。束京一極集中の是正
は永遠の課題であり、古くて新しい政策テーマである。
キーワード 東京は出生率がもっとも低い/東京圏は高齢者現像
この項つづく
【ゼロウエスト実践編:除草とゴミ回収袋を考える②】
生け垣のトリミングや周辺の除草(これはやっかいで、除草剤を使わ
ずバーナーによる燃焼除草つまり局所的な"野焼き"と除草を組み合わ
せ)を行ったが、この刈り取った廃棄物の回収は通常、直接、「指定
の燃えるゴミ袋」にいれるのだが、大量で、枝などがあり、①入れ難
い、②破れる(必ず→やんわり入れるとそれは回避できるが、回収量
が極端に減っていまう)。そこで「やわらかゴミ入れ」を物色したわ
けだが、少量ならこれよいが役に立たない。そこで、ガーデンバケツ・
ガーデンバックとなるが、指定袋に入れ替える手間がいるというわけ
で、簡単なプレス器機、あるいは、パッケージング器機が要るが、結
局は、簡単なディスポーザ(破砕機)が欲しいというが、非常に高価
(2万~10万円)。これは残件扱いですね。
【ぬか漬けプロセス事業開発】
糠漬けは、米糠を使い、乳酸菌発酵させて作った糠床の中に野菜など
を漬け込んで作る糠味噌漬け、どぶ漬け、どぼ漬けとも呼ばれるもの
と、大根を漬けた沢庵や糠ニシン、糠サンマのように材料に塩と糠を
まぶして漬けたものの双方をさす。糠床で作る糠漬けでは、胡瓜、茄
子、大根といった水分が多い野菜を漬け込むことが多い。このほかに
も肉、魚、ゆで卵、蒟蒻など多様な食材を利用。あまり漬かっていな
いものは「浅漬け」「一夜漬け」と呼ばれ、長く漬かったものは「古
漬け」「ひね漬け」などと呼ばれるが、これが大化けしそうだ。最近
では、パウダータイプの無添加ぬか漬けキットなど製造・販売されて
いて、安全に、即席に、簡単に一般家庭でつくれるようになり、「腸
活」健康食品と見直され周知されている。
ところが、スターターとしての乳酸菌の機能性は「ゼロ・ウエスト」
の主役として、あるいは前駆剤として応用展開事業として期待できそ
うで、食品・医薬品だけでなく、バイオマスの燃料・ガス化、あるい
はネグロマス(生ゴミ)の廃棄物処理→堆肥化や廃棄物の減容化の
「バイオ叩解剤」として利用できる。例えば、①ディスーポーザ(粉
砕機)→②スーパー酵素パウダーによる「バイオ叩解」→③前行程で
発生する熱による熱電変換発電→④発生残渣の水溶性化あるいは堆肥
化し、終末処理場へ放流あるいは堆肥液として回収する。①の粉砕物
の回収とリサイクル(生分解性プラスチック原料などとして)すれば、
ほぼ「ゼロ・ウエスト」となるこのプラットフォームとして事業提案
できる。
関連特許:特開2013-22008 魚類の塩糠漬けから分離した乳
酸菌、その培養物及びその利用 石川県公立大学
この発明は、抗酸化作用、またはアンジオテンシン変換酵素阻害活性
能を有する乳酸菌の培養物、該培養物を生成する乳酸菌、及びこれら
の利用に関し、乳酸菌またはその培養物を含有するアンジオテンシン
変換酵素阻害剤、抗酸化剤、該乳酸菌を利用する魚類の塩糠漬けの製
造方法等に関するものである。石川県能登及び加賀地域は、農産資源
水産資源が豊富。年間を通じて豊かで良質な水に恵まれ、高品質なコ
メが産出される。発酵醸造の源である米麹の生産に適し、それを用い
各種発酵食品の製造に適す。また、夏は高温多湿であり塩漬けの発酵・
熟成が促進される。この地方ではこのような状況を活かし、発酵食品
が伝統的に多種多様生産され。その中の一つが、この地方でコンカ漬
けと呼ばれる魚類の塩糠漬けである。
コンカ漬けは、まず、イワシ、サバ、ブリ、フグなどの魚のはらわた
を除いたものを、魚体に対し30~35重量%の塩とともに1~2週
間漬けた(塩蔵)のち、水切りをする。得られた塩漬けの魚を、樽の
中に麹と唐辛子を混ぜた糠(ぬか)とともに積み重ねる。その上に重
石をし、1日ぐらい置いたのちに、ふたの上まで、先の塩蔵時の漬け
汁を注ぎ込み、6か月~1年間常温で置き、発酵熟成させる。このよ
うなコンカ漬けの発酵は魚の酵素による自己消化と乳酸菌による乳酸
発酵によるもので、これによって保存性が付与され、特有の風味が醸
される。図9のBに、一例として一般的なイワシ糠漬け(コンカイワ
シ)の製造方法を示す。
JP2013202008A Lactic acid bacteria separated from fish pickled
in salted rice bran, cultured productd product of the same, and
utilization of the same
乳酸発酵とは、乳酸菌が糖を代謝(発酵)してその大部分を乳酸に変
える反応である。高塩濃度下での乳酸発酵には、好塩性乳酸菌と呼ば
れる乳酸菌がしばしば関与している。好塩性乳酸菌は、10~30%の塩
濃度下でも生存可能であり、漬物や魚醤或いは塩糠漬けなどに存在し、
それらの主発酵菌である。そのような乳酸菌としてよく知られている
種の1つに、テトラゲノコッカス・ハロフィルス(Tetragenococcus
halophilus)がある。乳酸菌は古来より醸造食品や漬物中に多く含ま
れ、その乳酸発酵により食品に風味を付与してきた。酒、味噌、醤油
等のいわゆる醸造食品の他に、かぶらずし、なれずし等の多くの固有
の伝統発酵食品に乳酸菌が関与している。乳酸菌が関与する発酵食品
中には、様々な生理活性を有する機能性物質が含まれ、乳酸菌が作り
出す機能性物質、及びその機能が明らかにされている。
しかし、魚類の塩糠漬けであるコンカ漬けは、昔からの経験に基づき
製造されてきたが、その発酵に半年~1年という長期間を有すること、
また、発酵が時に不安定で常に良い品質の製品が得られるとは限らな
いなどの課題を有し、安定した品質のコンカ漬けを、より短期間で製
造できる技術の開発が望まれている。したがって、コンカ漬けに含ま
れる機能性を有する乳酸菌またはその培養物、抗酸化作用及びアンジ
オテンシン変換酵素(ACE)阻害作用のいずれかの機能をもつ乳酸
菌の培養物、このような培養物を生成する乳酸菌、並びにその用途、
コンカ漬けの短期速醸法、ACE阻害剤、抗酸化剤、ACE阻害作用
及びまた抗酸化作用が強化された飲食品等を提供する。イワシ、サバ、
ブリ、及びフグからなる群より選択される少なくとも1種の魚の塩糠
漬けより分離された乳酸菌である高温耐性好塩性菌株テトラゲノコッ
カス・ハロフィルス(Tetragenococcus halophilus)をスターターと
して加え、塩漬けした魚、糠、麹、及び水を添加した発酵原料を、嫌
気性の条件下、温度30~50℃で発酵させる高温発酵工程を含む魚
類の塩糠漬けの製造方法を提供し、優れた ACE阻害作用及びまたは抗
酸化作用を有する医薬、飲食品等を製造でき、この発明のスターター
乳酸菌の添加、真空条件下の発酵、高温条件での発酵、を行うことに
より、従来の半年から1年間を要した魚類の塩糠漬けの発酵熟成期間
を2カ月程度に短縮可能とし、有機酸やアミノ酸の生成量が従来法の
場合と変わらない魚類の塩糠漬けを製造できる。
イワシの塩糠漬け試験発酵中の乳酸菌生菌数の推移を示す図----高温
処理の微生物に与える影響/高温処理が塩ぬか漬けの微生物叢に与え
る影響を明らかにするため、さらに耐塩性乳酸菌の温度耐性を明らか
にするため、従来より小さいスケールで耐塩性乳酸菌テトラゲノコッ
カス・ハロフィルス(Tetoragenococcus halophilus)を糠1gあたり
10の3乗個になるように添加して仕込みを行い、塩ぬか漬けのぬか部分
の耐塩性乳酸菌数を経時的に調べた。発酵温度は、35℃とし、それ
を13日間続けてそのあとは25℃に保った場合(■)と35℃を6
5日間続けた場合(▲)を比較した。その菌数増殖曲線(生菌数の推移)
を図1に示した。この図から明らかなように、高温(35℃)で13
日間保ったサンプルでは、その後も耐塩性乳酸菌数を保持できたが、
65日間保ったサンプルでは菌数の減少が認められた。このことから、
高温(35℃)での保持期間(発酵期間)は13日程度が適当である
ことが分かり、この塩濃度で増殖が可能であり発酵が進むことを確認。