● 三次元風力マップ 「3D風見鶏」
いつも湖岸を走るとき気づくのだが、滋賀県草津市のランドマークとして知られる琵琶湖岸の風力発電機「くさつ
夢風車」が停止していることだ。同市の説明では2013年4月から停止したままになっている。京都府伊根町などの
事故を受けた安全点検に加えて、保守管理業者が指名停止処分を受け、修繕工事が進まないためという。昨年3月
以降、伊根町や北海道、三重県で風力発電機の事故が相次いだため、経済産業省が全国の施設に一斉点検するよう
通知した。くさつ夢風車も同年4月16日に停止。国が事故防止対策をまとめた12月から本格的な点検作業に入
り、当初は今年4月の再稼働を目指していた。しかし2、3月の調査で、ブレード(羽根)の先端にある避雷器3
個がすべて焼け焦げていたことが分かった。東京電力グループの電気設備会社「関電工」(東京都)に修繕工事を
発注しようとしたが、同社は送電ケーブル工事に関する独占禁止法違反で4月25日から60日間、国土交通省か
ら営業停止処分を受けた。市も5月22日から6カ月間、指名停止処分にある。
関電工は、夢風車の建設工事に関わり、以降も随意契約で保守管理を請け負っている。市は別の業者に委託するこ
とも検討したが、「ドイツ製で特殊な機器のため、管理は同じ業者が継続した方がいい」(市環境課)と判断。今
後、関電工の指名停止の解除を受けて、修繕の見積もりや工事に取りかかる。ただ海外の技術者に依頼する可能性
もあり、工期の見通しは立っていない。本年度当初予算で修繕費680万円を計上しているとまでは京都新聞のニ
ュースで分かっていることなのだが、本当にそれだけだろうかと疑問に思い帰ってきている。というのも、当初の
設計と異なり、風力不足だということを琵琶湖博物館での講演に参加した折り、耳にしたことがあったためだ。一
般的に、最低風速は「 カットイン風速 」毎秒3~5メートル(毎時約10~18キロメートル)を下回ると停止
する。周知の通り、発電量は一般的に「 風車の直径の2乗・風速の3乗に比例する」。寿命は15~20年程度で、E
PT(エネルギーペイバック)は半年から1年未満とされている。そこで考えられることが大きく2つある。その
1つが「カットイン風速」を毎秒3メートルを3分の1の1メートル以下の風力発電システムを開発することで、
もう1つは、設置前の風力の三次元マップ化する――これを仮に「"3D風見鶏"事業」と呼称しよう――ことで設
置場所が決定されれば、たちどころに風向、風力のデータが入手でき、それを三次元表示できるマップシステムで
ある。前者は研究開発を集中させれば即座に解決できそうだし、後者は、現在進められている気象観測の三次元計
測とその可視化とリンクさせることで実用化できそうだ。それじゃ、誰がやるのか?それは、現段階でわたしでな
いことだけは断言できる!^^; 。
● 政府の2020年ZEH目標を66%の新築住宅で達成!
積水化学工業株式会社は、「太陽光発電システム+ホームエネルギーマネジメントシステム搭載住宅の電力量収支
実邸調査(2014)」を実施結果を公表。それによると、2013年1月~12月の間にご入居済みセキスイハイムの内、
3,545邸の2014年1年間の消費電力量・発電電力量・電力量収支について、設置されているコミュニケーション型
HEMS「スマートハイム・ナビ」のデータを活用し分析した結果、2014年のZEH達成邸は家電込みで17%
(前年度13%)、平成26年度ZEH補助金の要件【家電の消費電力を除いたゼロエネルギー評価、以下、ZEH
(家電抜き)】による試算では約49%(同46%)を記録。
※ ZEH:ネット・ゼロ・エネルギー住宅の略、オール電化住宅の場合:消費電力量<発電電力量
※ ZEH補助金:住宅・ビルの革新的省エネ技術導入促進事業費補助金(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業)
つまり、調査の結果分かったことは大きく3点。第1にゼロエネルギーを達成できた住宅は全体の約17%。これ
は前年よりも約4ポイント増加した(上図参照)。図で青く示した部分。政府は補助金事業として2014年度に「ネ
ット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業」を進めているがこの条件に当てはまるのが、青色と黄緑色の部分。黄
緑色の部分は家電の消費電力を差し引いてゼロエネルギーになっている住宅をあらわす。
第2にゼロエネルギーを達成できた住宅の光熱費収支は約11万5千円(10年で115円)の黒字だったこと。
第3にゼロエネルギーを達成できた住宅は、小家族の場合が多く、寒冷地では少ないという傾向がわかった。
また、調査結果から分かった光熱費の収支を下票に示す。全住宅の売電金額と買電金額を見ると、年間の光熱費収支は
1万7127円の黒字。従って、ゼロエネルギーを実現できていなかったとしても、経済的なメリットは大きい。
ゼロエネルギー住宅の真の強みは売電単価が例え買電単価と同じまで下がったとしても黒字を維持できること。固
定価格買取制度(FIT)が終了したとしても経済的に成り立つという点である(下表参照)。
個人的には、改善のために(1)太陽光パネルの変換効率を25%を最優先課題にすること。(2)雪国対策として、バ
イオマスボイラー(温水利用)・バイオマスガス燃料電池発電の併用を組み込むことなどが大切だろうと考える。
● 永続敗戦論と長髄彦考 Ⅱ
「永続敗戦」それは戦後日本のレジームの核心的本質であり、「敗戦の否認」を意味する。国内およびアジアに対
しては敗北を否認することによって「神州不滅」の神話を維持しながら、自らを容認し支えてくれる米国に対して
は盲従を続ける。敗戦を否認するがゆえに敗北が際限なく続く――それが「永続敗戦」という概念の指し示す構造
である。今日、この構造は明らかな破綻に瀕していると主張する白井聡――日本の政治学者。文化学園大学助教。
専門は、政治学・政治思想。早稲田大学総長を務めた白井克彦の子として1977年東京都に生まれる。2001年早稲田
大学政治経済学部政治学科卒業。2003年一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。2006年一橋大学大学院社会学
研究科博士課程単位修得退学。2010年2月一橋大学博士(社会学)。論文の題は「レーニンの政治思想 比較思想の
試み(The political thoughts of Lenin : toward comparative inquiries of ideas)」。日本学術振興会特別研究員、多摩美術大
学非常勤講師、高崎経済大学非常勤講師、神奈川大学非常勤講師、早稲田大学非常勤講師、文化学園大学服装学部
服装社会学科助教(民族文化論、哲学担当)を経て、2015年京都精華大学人文学部総合人文学科専任教員に就任予
定。2013年『永続敗戦論――戦後日本の核心』で第4回いける本大賞、第35回石橋湛山賞、第12回角川財団学芸賞
を受賞――の主張と昨日講演内容は了解できた(彼に工学的教養が備わっているためだろうと憶測している)。従
って、興味を引いたのは岸信介とCIAとの公開文書――巣鴨プリズンを釈放された岸信介(後に首相)は、「強
い男」として米国保守派に見いだされ、同組織のの庇護を受け続けていたが、資料はわずか5枚で岸の政治的プロ
フィルの紹介ばかりで、岸については暗号名すらわかっていない(週刊朝日 2013年05月24日号 )――がないこと
の1点だけであった。
「戦後の終わり」がついに来た、となぜ言えるのでしょうか。それは端的には、戦後とは「平和と繁栄」の時
代であるというこれまで多くの日本人が支持してきた物語がはっきりと失効してしまった、という事実に求め
られます。バブルの崩壊と冷戦崩壊以降、いわゆる「失われた二〇年」の時代が始まり、新世紀とともに「格
差社会」や「地方の疲弊」が誰の目にも明らかになってきました。こうした「悪い流れ」の総仕上げが東日本
大震災と福島第一原発の事故であったと私は考えます(※わたしは第三の敗戦と考えている――これは池上彰
とも共有する)。とりわけ原発事故は、この国とその社会が抱えてきた暗部をさらけ出す出来事になりました。
国家権力は腐敗していた、大資本は腐敗していた、そして市民社会もまた腐敗していた。「戦後民主主義」な
るものは本当は幻だったことがはっきりしました。ゆえにいま、一種の開き直りとして、排外主義や歴史修正
主義、平和の価値の否定といった傾向が前景化しています。「恥ずかしい国へ」まっしぐらです。私たちは、
このような正真正銘の悪夢のなかを生きています。この悪夢は一体どこからやって来たのか? もちろんそれ
が天から降ってきたわけはありません。それは、「平和と繁栄」と呼ばれてきた世界の只中から姿を現したは
ずです。だからこそ、私たちはいま、「戦後とは何だったのか」ということをあらためて考え直さなければな
らない、そのような歴史的時点に立たされています。
"白井聡さんエッセイ「さあ、「戦後」を終わらせよう!」"より
「市民社会が腐敗していた」との表現は直ちに賛同できるものではないが、また、市民の「平和ぼけ」を叱責する
ほどの自惚れ?も持ち合わせていない。「永続敗戦」それは戦後日本のレジームの核心的本質であり、「敗戦の否
認」を意味するが、国内およびアジアに対しては敗北を否認することにより「神州不滅」の神話を維持しながら、
自らを容認し支えてくれる米国に対しては盲従を続ける。敗戦を否認するがゆえに敗北が際限なく続く―それが「
永続敗戦」という概念の指し示す構造である。今日、この構造は明らかな破綻に瀕している。1945年以来、わ
れわれはずっと「敗戦」状態にある。「侮辱のなかに生きる」ことを拒絶せよ!との主張に、これまでの国家権力
に対抗する大衆の歴史もまた永続的敗北――抵抗なくして自由なし――であった(「永続敗戦論と長髄彦(ナガス
ネヒコ)考」)ことや45年前に独自に考え出した「自立民主制」「創憲論」の必然性を再確認した上で、傾聴に
値すると考えている(これって、やゝこしい言い回しになるねぇ)。
● 軍事的解決のオバマ vs 外交的解決のメルケル
オランド大統領とメルケル首相は、「ウクライナ危機を外交的(非軍事的)に解決するためにあらゆる可能性の利
用」を望んでいると強調した。オバマは武器供与を主張したのに対しメルケルは軍事的解決を主張したことが印象
的である(Ukraine crisis: Obama 'may supply weapons to Ukraine' - latest 2015.02.12 The Telegraph)。
● 原発依存に舵取る中国、原発輸出したがるロシア
中国政府は今年、福島第一原発の事故で凍結した新規の原発建設を本格化させる構えだし、エジプトに原発輸出を
図るロシアがニュースになっている(高浜原発は、原子力村が「合格証」を発行)。過去のもとなった20世紀の
物理学を推進する国はどうみても、先進国とはいえませんねぇ ^^;。