10 郷 党 きょうとう
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他の篇と追ってことばの記録ではなく、公生活、私生活における孔
子の具体的行勣のひとつひとつを記録したものである。これらは、
とりもなおさず礼のエキスパートによる礼の実践の記録であって、
これによって当時の礼の規定の具体的内容をうかがい知ることがで
きる。事実、この篇のすべてが孔子についての記述であるわけでな
く、礼の一般的規定を述べた部分が多いとする説もある。
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25 しかしつぎのような場合には、改まった態度をとった。まず
喪に服している友人に会ったとき。相手がどんなに心やすい間柄で
も、きっとそうした。つぎは礼装した役人、および盲人に会ったと
き。やはりいくら親しくてもそうした。つぎは、車上で喪中の人と
行き会ったとき。その際には、車の横きも同様、感謝を顔いっぱい
に表わし、立ち上がって敬意を表した。それから、雷鳴が鳴ったと
き、暴風が吹くとき、そうしたときにも必ず居ずまいを正した。
〈敬意を表した〉 このあと原文には「式負販者」という句があり、
解釈がわかれているが、ここでは、注が本文にまぎれこんだという
祖往説に従って省略した。
子見齊衰者、雖狎必變、見冕者與瞽者、雖褻必以貌、凶服者式之、
式負版者、有盛饌必變色而作、迅雷風烈必變。
Confucius always straightened up when he saw a person wearing
mourning, even if the person was his friend. He always strai-
ghtened up when he saw a person wearing full dress or a blind
person, even if the person was his friend. He saluted a person
wearing mourning. He also saluted a person who held a book of
family register of the dead. He always stood up and expressed
his gratitude when he was treated. He always straightened up
on the day of thunderstorm.
【ポストエネルギー革命序論126】
12月23日、イリノイ大学の研究グループは、リチウムイオン電
池は、電池の液体電解質内部で電気的短絡が発生し、爆発や火災を
引き起こす可能性を自動制御できる、電極損傷後に自己回復できる
固体ポリマーベースの電解質の開発したことを公表。これにより、
過酷な化学物質や高温を使わず材料を循環再生----リサイクル可能
な自己修復型の市販二次電池の製造するのに役立つ(上図)。リチ
ウムイオン電池の充電と放電を繰り返すことにより、樹状突起(マ
イグレーション)と呼ばれる固体リチウムの小さな枝のような析出
成長させる。これは、①電池寿命を縮め、②ホットスポット(熱だ
まり)、③短絡を引き起こし、内部部品に穴を開けるほど大きくな
り、電極と電解液間で爆発的な化学反応を引き起こす。リチウムイ
オン電池の液体電解質をセラミックやポリマーなどの固体材料に置
き換えられているが、従来の材料の多くは硬くて脆く、電解質と電
極の接触が悪くなり、導電性が低下する。固体イオン伝導性ポリマ
ーは、非液体電解質の開発の選択肢の1つだが、電池内部の高温状
態はポリマーを溶かす可能性があり、これが樹状突起と破損をもた
らす。
この問題に対処するために、同グループは、架橋点が交換反応を受
け、ポリマー鎖を交換できるネットワークポリマー電解質を開発。
線形ポリマーとは対照的に、これらのネットワークは実際に加熱す
るとより硬くなり➲樹状突起の問題を潜在的に最小限に抑えるこ
とができる➲さらに、損傷後に簡単に分解してネットワーク構造
に再固化➲自己回復し損傷後、導電性を回復出来るようにした。
❏リサイクル可能な自己修復性固体高分子電解質の無触媒動的ネッ
トワーク:Catalyst-Free Dynamic Networks for Recyclable,
Self-Healing Solid Polymer Electrolytes
【要約】
動的共有結合架橋を持つポリマーネットワーク(動的機能網)は、
固体機能を示すす反面、高温で流動する。これらは持続可能な自己
修復材料として広く研究されているが、固体電解質としては限定的
であった。これは、イオン輸送と機能網の動態に対する塩の影響の
了解に、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(
LiTFSI)の量が異なるポリ(エチレンオキシド)ベースの動的機能
網の研究成果報告である。動的機能網の導電率は、最適なLiTFSI濃
度で①最大3.5×10^–4S/cmに達することを見出した。レオロジ (
流体学)的測定により、②せん断係数が1〜10 MPaで変化し、応力
緩和の2桁変化には、LiTFSIの量が機械的特性に大きく影響。さら
に、これらの機能網は、純粋なモノマに効率的に溶解、回復し、損
傷後に導電性が回復することを見出した。これは、持続可能な固体
電解質としての動的機能網の可能性を示唆する。
【実験方法】
❶材料:無水トリエチレングリコール(3EG)、ホウ酸(B(OH)3)、
およびLiTFSIはすべてミリポアシグマ。トリエチレングリコールは、
<0.5 ppm O2および<0.1 ppm H2Oに維持されたArグローブボックスに
保管。CR2032コインセルコンポーネント(ケース、スプリング、ス
テンレススチールスペーサー)はMTI Corporation。メタノール(
MeOH)は Macron Fine Chemicals。 速乾性の銀塗料は Ted Pella
Inc。厚さ2ミルのKaptonテープはTape Masters。
❷動的ネットワーク合成:モノマーをシュレンクフラスコで、計算
量のLiTFSIと溶媒としてのMeOH約5 mLとともに混合➲混合物を油
浴で60℃に加熱しホウ酸とLiTFSIを溶解し、透明で均一な溶液を得
る➲次に、窒素フローをシュレンクフラスコに接続し、ベントポー
トから連続的注入➲80℃で2時間、120℃で2時間、150℃で一晩
➲段階的に加熱して透明な粘性流体を形成。❸次にシュレンクフ
ラスコを移し、真空オーブンに入れ、120℃で一晩保持した後、活栓
と隔膜ですばやく密閉、➲ < 0.5 ppm O2 および <0.1 ppm H2Oに
維持されたアルゴングローブボックスに入れる。
❸コインセルの準備:Arグローブボックス内のCR2032コインセルで
サンプルを準備しました。 すべてのコインセルコンポーネント(ケ
ース、スプリング、厚さ200μmのディスク)はステンレス製で、MTI
Corpから購入。サンプルは、厚さ〜 160μm コインセルコンポーネ
ントは、ボトムケース/スプリング/ディスク/サンプル/ディスク/ス
プリング/トップケースの順序で組み立てられ。 MTI Corp. MSK-160
Eクリンパを使用して、〜9 psiの圧力でコインセルを完全に組み立
てる。
❹11B固体NMR(11B-ssNMR):11Bスペクトルは、参照としてNaBH4
を使用して較正されたVarian Unity Inova 300 MHz分光計を使用し
収集。 サンプルは、Arグローブボックス内のセラミック4 mmロー
ターに詰め。 各サンプルは、静的モード(回転なし)で5000回の
スキャンで測定。 次に、MNOVAソフトウェアを使用してスペクトル
を分析し、化学シフト値を抽出。
❺自己修復デモンストレーション:カスタム装置は、40 mm x25 mm
x 1 mm(長さx幅x厚さ)のガラスベースを使用して製造。次に、2
つのガラス片を40 mm x 5 mm x 1 mmの寸法にカットし、スペーサー
の役目をするベースの上部の端で接着➲3層の銅テープに包まれ
た2つの15 mm幅のAl箔を電極として使用し、銀塗料を使用しベース
に接着。➲スペーサーの高さまでスペースを埋めるため過剰な銀
塗料を使用。➲装置の中央の10 mm x 15 mmの領域に、グローブ
ボックス内部の動的ネットワーク電解質を充填し、2つの電極を接
続。➲装置を60℃のホットプレート上に置き、BiologicSP-300ポ
テンシオスタットを使用して2Vの交流電圧を印加することで、電流
を経時的に監視。➲損傷は、カミソリの刃を使用して電解質の幅
全体(15 mm)に沿って切断することにより行われた。 治癒を促進
するため、損傷部位の上に1 kgと2 kgの重りを置く。
❻ATR-FTIR:白金-ATR QuickSnapサンプリングモジュールを備えた
Bruker ALPHA FT-IR分光計を使用し、IRスペクトルを収集(図S1お
よびS2)。 すべての測定は、合計32回のスキャンで400 cm-1から
4000 cm-1までスキャンにより、グローブボックスで実行。 固体サ
ンプルは十分な接触を確保するためにダイヤモンド ATR結晶に固定
し、液体サンプルはそのままにする。
たFTIRスペクトルは、〜3400 cm-1のOHピークの消失と〜1300 cm-1
のB-Oピークの出現を示す。
スペクトル。〜3400 cm-1のOHピークは、LiTFSIが追加されるにつれ
て強度が徐々に増加。これは、OH基の一部が反応するのを防ぐBとの
TFSI調整が原因の可能性がある。
Tgは、中間点での中点法を使用して抽出。
熱重量分析(TGA):すべての劣化測定はTA Instruments Q50で行
った。 サンプル容器は、白金パンと密閉Tzeroパンで構成、どちら
も測定前に風袋引き。 サンプルは、異質なTzeroパンにサンプルを
15〜20 mg封じて、Arグローブボックスで準備(図S4およびS5)。
各テストを実行する直前に、22ゲージの針を使用してパンの蓋に穴
を開ける。 サンプルを10℃/ minの速度で500℃まで加熱。 等温実
験は、TA Instruments Discovery Mass Spectrometerに接続された
進化型ガス炉を備えたTA Instruments Q500で実行。サンプルは、
Q50での測定用に同じプロトコルを使用し準備。
図S4。 LiTFSIの濃度を変えた動的ネットワーク電解質のTGA曲線。
Tdは、塩の量が増えると単調に減少。
図S5 (a)動的ネットワークの等温TGA r = 0.085、150℃で12時間
保持。(b)H2O(17および18 m / z)およびAr(40 m / z)を検出
するように設定された等温TGAの関連質量スペクトル。
広角X線散乱(WAXS):動的ネットワークの形態はWAXS測定を使用
して特徴付ける。 セットアップはXenocs GeniX3D CuKαX線源を使
用(1.54Å)ピラタス2D検出器付き。 ロッドビームストップが検出
器の前に配置されて減衰。一次ビーム。 サンプルから検出器までの
距離を較正するために、ベハン酸銀粉末が使用されましたすべての
サンプルは、材料を4 mm厚の石英毛細管に詰めてArグローブボック
スで準備しました。次に、マリンエポキシを使用してキャピラリの
開口部を密閉。 すべてのサンプルのスペクトルは、60分間の暴露時
間で周囲条件下で収集。FIT2Dソフトウェアを使用して2D回折データ
を分析し、強度対散乱ベクトルqのプロットを得る。
図S6 さまざまなr値で動的ネットワークについて収集されたWAXSス
ペクトル。 q〜5 nm-1の弱いピークは、イオン凝集ピークに対応す
る塩を含むすべての動的ネットワークで観察される。 LiTFSI濃度が
増加すると、陰イオンと陰イオンの相関に対応する〜10 nm-1のピー
クが表示される。
❼電気化学インピーダンス分光法(PEIS):インピーダンス測定は、
制御環境サンプルホルダーと中間温度システムアクセサリを備えた
Biologic SP300ポテンシオスタットで実施しました。 高周波数から
低周波数(1 MHzから100 mHz)に20 mVのAC電位を印加して、インピ
ーダンススペクトルを収集。 実際の伝導率(𝜎 ')は、文献のプロ
トコル2に従って、複素インピーダンス𝑍∗ =𝑍' + 𝑖𝜔𝑍 ''から計算
される。
ここで、𝑙およびtheは、それぞれイオンダイナミックネットワーク
の厚さと面積です。上記の手順に従って準備したCR2032コインセル
を使用し、すべてのサンプルを測定しました。 温度に依存する測
定値を図2bに示し、適合パラメーターを表S1に示す。
表1 動的機能網型電解質のVFT適合パラメーター:VFT fit
parameters for dynamic network electrolytes
レオロジー:レオロジー測定は、平行プレート形状を使用した環境
テストチャンバーアクセサリを備えたTA Instruments DHR-2レオメー
ターで行う。サンプルをArグローブボックス内で円形の形状にプレ
スし、140℃に予熱したレオメーターにロード。サンプルを140℃で
2時間加熱して、サンプルの移動中に吸収される可能性のあるH2Oを
除去。このサンプルはすでに合成で加熱手順(一晩150℃、一晩真
空下で120℃を含む)を受け、レオメーターでのこの乾燥は、グロー
ブボックスからレオメーター〜1000 umのサンプル厚がすべてのサン
プルに使用され。温度勾配は、r = 0.02、0.067、0.085および0.1の
動的ネットワークに25mmの平行板を使用、0.5 Hzで1000〜4000 Paの
応力を加えながら、5℃/ minの速度で140℃から0℃に冷却すること
で実施。r = 0 のダイナミックネットワークの場合、8 mmの平行平
板を使用して0.5 Hzで6000〜12000 Paの応力を加え、5℃/ minの速
度で140℃から0℃に冷却することで、温度ランプを実行。 r = 0.1
を除くすべてのサンプルで 8 mmの平行平板を使用し、それぞれの変
位を入力することで、適用されるひずみを0.4%から80%の範囲で冷
却しながら、応力緩和測定を140℃から0℃で20℃間隔での実施図3b
では、25 mmプレートを使用。
title="">
図S7(a)すべての温度で0.1〜100 Hzの周波数範囲で0~140℃の温
度ウィンドウから測定された動的ネットワーク r = 0の非シフト周
波数スイープ。(b)動的ネットワークr = 0.085の非シフト周波数
掃引は、0〜140℃の温度ウィンドウで測定。0.1~ 100 ヘルツの周
波数範囲は、100℃~140℃と0℃〜80℃で0.1〜101ヘルツで実施。
図S8(a)表S2にあるシフト係数を使用して構築された動的機能網
r= 0の時間温度重ね合わせマスターカーブ。(b)表S2にあるシフ
ト係数を使用して構築された動的機能網 r = 0.085の時間温度重ね
合わせマスターカーブ。
表S2 r=0 およびr=0.085 の動的ネットワークのシフト係数(aT)、
水平シフトのみ。
データがシフトされたデータは、恒久的なネットワークに予想され
るように、温度とともにゴム状プラトーが増加していることを示す。
ネットワークトポロジが効いているており、また、図S9と表S3に示
す垂直シフト係数を用いデータ移動する。
図S10 (a)140℃ に加熱されたレオメータープレート上の動的機
能網 r = 0.085 の破壊と回復を示す画像。(b)60˚Cでのオリジナ
ルおよびヒーリングダイナミックの周波数掃引。(c)0℃での元の
動的機能網を修復した周波数掃引。
☈ ナノ以下の領域の観測(観察)が容易に行える時代(➲ネオコ
ン領域)を向え新規な材料が続々誕生しているが、リチウムイオン
電池の非触媒系全固体化技術が加速する研究事例を俯瞰した。今年
早々、わくわくさせてもらっている。頑張ろう!
【世界の工芸: #CraftsOfTheWorld#JunkichiKumakura 】
熊倉順吉
KUMAKURA, Junkichi
風人’67(左)
Sprit of Wind ’67
1967/昭和42
37.0×50.0×48.0cm
BLACK WOMAN
1984/昭和59
30.5×27.0×18.0cm
熊倉順吉は、大正 9年8月8日京都市東山区に生まれ、1985年11月10
日-1985年11月10日没、享年65。前衛陶芸集団「走泥社」同人とし
て活動。京都高等工芸学校(現・京都工芸繊維大学)で室内装飾を
学んだ熊倉は、1945年の終戦後に復員して京都に戻り、国立陶磁器
試験所の伝習生となった。翌年に、陶芸家・福田力三郎に師事。福
田の兄が経営する松斎陶苑で陶技修得に励むなか、富本憲吉と出会
い、指導を受けた。陶芸を志して以来、器物制作に勤しみ、絵つけ
によって新しい陶芸をつくり出そうとした熊倉。その関心はやがて
かたちに向かい、彫刻的な作品を経て、土の塊としての性格が強く
表現された作品、肉体の部分をかたどった作品、ジャズをテーマと
した作品、金彩を特殊処理した作品と多彩に展開をしていった。
(熊倉順吉展(岐阜県現代陶芸美術館)、(美術手帖、2019)