Quantcast
Channel: 極東極楽 ごくとうごくらく
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2435

変容するコロナウイルス

$
0
0



                  

                                                           
13 子 路  し ろ
------------------------------------------------------------
「その身を正す能わざれば、人を正すをいかんせん」(13)
「近き者説べば、遠き者来たらん」(16)
「速やかならんと欲すれば、達せず。小利を見れば、大事成らず」
(17)
「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」(23)
「剛毅木訥(ごうきぼくとつ)、仁に近し」(27)
------------------------------------------------------------
7 魯と衛とは兄弟の国だというが、政治の状態もまったくよく似
ている。(孔子)

★魯を開いた周公且と、衛を開いた康叔とはともに武王の弟である。
このことばは、両国とも由緒正しい国でありながら、政治が乱脈を
きわめている現状に対する孔子の苦々しげなつぶやきであろう。

子曰、魯衛之政兄弟也
Confucius said, "Politics of Lu and Wei are similar like bro-
thers."


事例研究:新型コロナウイルスが脳にまで影響を与える
先日、脳への感染は看られないと掲載したやさき、新型コロナウイ
ルス感染症(COVID-19)は軽症時は発熱・体の痛み・疲労感・喉の痛
みなどを引き起こし、重症時には呼吸困難などを引き起こすことが
知られているが、これらの症状に加え、新たに、感染者の3分の1
以上が「神経症状を発症している」という研究が報告され、新型コ
ロナウイルスが脳にまで影響を与えるという可能性を指摘されてい
るという事例掲載があった。(新型コロナウイルスが脳にまで影響
を与えるという可能性 - GIGAZINE、2020.04.27)☈
------------------------------------------------------------
⛨ 2019年、中国武漢でのコロナウイルス病入院患者の神経学
的症状;Neurologic Manifestations of Hospitalized Pati-
ents With Coronavirus Disease 2019 in Wuhan, China、Gl-
obal Health、JAMA Neurology、JAMA Network、2020.04.10.
➲2019年コロナウイルス疾患の患者214人のうち、神経症疾患36.4%
で、急性脳血管障害、意識障害を及び筋肉損傷が含まれ、神経学的
症状が顕著である。
⛨ Neurologic Features in Severe SARS-CoV-2 Infection:重度の
SARS-CoV-2感染における神経学的特徴,Global Health、JAMA Neuro-
logy、JAMA Network、2020.04.15
⛨ The neuroinvasive potential of SARS‐CoV2 may play a role
in the respiratory failure of COVID‐19 patients:SARS-CoV2の
神経侵襲能力はCOVID-19患者の呼吸不全に役割を果たすかもしれな
い、Li - 2020 - Journal of Medical Virology、Wiley Online Li-
brary、2020.02.27
【要約】重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)と中東
呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)に続いて、SARS-CoV-2と
いう別の高病原性コロナウイルスが2019年12月に中国の武漢で出現、
そして急速に世界中に広がっています。このウイルスは、SARS-CoV
と非常に相同性の高いシーケンスを共有し、SARS-CoVおよびMERS-C
oVについて報告されているものと同様の臨床症状を伴う、急性で非
常に致命的な肺炎コロナウイルス疾患2019(COVID-19)を引き起こ
す。COVID-19患者の最も特徴的な症状は呼吸困難であり、集中治療
室に入院したほとんどの患者は自発的に呼吸することができず、さ
らに、COVID-19の一部の患者は、頭痛、吐き気、嘔吐などの神経学
的徴候も示す。増加する証拠は、コロナウイルスが常に気道に限局
しているわけではなく、神経疾患を誘発する中枢神経系にも侵入す
る可能性があることを示している。SARS-CoVの感染は、患者と実験
動物の両方の脳で報告されており、脳幹が著しく感染していた。さ
らに、いくつかのコロナウイルスは、シナプス接続経路を介して、
肺および下気道の機械受容器および化学受容器から髄質呼吸器中心
へと伝播することが証明されている。SARS-CoVとSARS-CoV2の類似性
が高いことを考慮すると、SARS-CoV2の潜在的な浸潤がCOVID-19患
者の急性呼吸不全の原因の一部であるかどうかはまだ明らかではな
い。このこと踏まえSARS-CoV-2誘発性呼吸不全の予防と治療に重要
な役割を果たすだろう。
⛨ Coronavirus: many patients reporting neurological symptoms
コロナウイルス:神経症状を訴える多くの患者、The Conversation:
In-depth analysis, research, news and ideas from leading aca-
demics and researchers、2020.04.24:COVID-19の症例数は世界中
で増加し続け、神経学的症状の報告が増加し始めている。一部の研
究では、患者の3分の1以上が神経学的症状を示していると報告し
ており、ほとんどの場合、COVID-19は呼吸器感染症であり、発熱、
痛み、疲労感、喉の痛み、咳、さらに深刻な場合は息切れや呼吸困
難を引き起こすが、COVID-19は気道外の細胞にも感染し、胃腸疾患
(下痢や吐き気)から心臓の損傷や血液凝固障害まで、さまざまな
症状を引き起こす可能性があり、加えて、神経症状もこのリストに
追加する必要がある。
最近のいくつかの研究では、COVID-19症例における神経症状の存在
を確認。これらの研究のいくつかは、症状が個人で観察される症例
報告である。ギラン・バレー症候群を患っているCOVID-19患者につ
いていくつかの報告では、ギラン・バレー症候群は、免疫系が感染
症に反応し、誤って神経細胞を攻撃して、最終的には筋力低下と麻
痺を引き起こす神経障害。他のケーススタディでは、重度のCOVID-1
9脳炎(脳の炎症と腫れ)と、他の点では軽度のCOVID-19症状を持つ
健康な若者の脳卒中について説明する。中国とフランスの大規模な
研究でも、COVID-19患者の神経障害の有病率が調査されている。こ
れらの研究は、患者の36%が神経学的症状を持っていることを示し
ている。これらの症状の多くは軽度であり、強い免疫反応によって
引き起こされる可能性のある頭痛やめまいなどが含まれる。他のよ
り具体的で重度の症状も見られ、においや味の喪失、筋力低下、脳
卒中、発作、幻覚が含まれる。これらの症状は重症の症例でより頻
繁に見られ、重症の症例の46~84%が神経学的症状を示すと推
定されています。見当識障害、不注意、運動障害などの意識の変化
も重症の場合に見られ、回復後も持続することがわかった。

血液脳関門を越える
COVID-19を引き起こすコロナウイルスであるSARS-CoV-2は、脳に直
接感染するか、または免疫系の強力な活性化の結果として、神経障
害を引き起こす可能性がある。☈最近の研究により、COVID-19の
致命的な症例の脳に新しいコロナウイルスが発見された。鼻の嗅覚
ニューロンの感染により、ウイルスが気道から脳に広がる可能性が
あることも示唆される。人間の脳の細胞は、その表面にACE2タンパ
ク質を発現する。 ACE2は血圧調節に関与するタンパク質であり、ウ
イルスが細胞に侵入して感染するため使用する受容体である。ACE2
は血管を裏打ちする内皮細胞にも見られる。内皮細胞の感染により、
ウイルスが気道から血液へと通過し、血液脳関門を通過して脳に到
達する可能性がある。いったん脳に入ると、ウイルスの複製が神経
障害を引き起こす可能性がある。SARS-CoV-2感染も、免疫系による
非常に強い反応を引き起こす。この免疫反応は、ギラン・バレー症
候群の形で直接神経障害を引き起こす可能性があるが、脳の炎症は、
脳の腫れなどを通じて間接的に神経学的損傷を引き起こす可能性も
ある。また、必ずしも原因とは限らないが、アルツハイマー病やパ
ーキンソン病などの神経変性疾患に関連する。
------------------------------------------------------------
☈それによると、中国・フランスの研究チームが発表した研究結果
は、「新型コを引き起こす事例が知られていることから、脳に感染
する可能性のあるウイルスは新型コロナウイルス以外にも多数ロナ
ウイルスは神経症状を引き起こす」という、「神経症状」は、め
まい・頭痛・意識障害・急性脳血管障害・運動失調・発作な
どの中枢神経系症状や、味覚障害・嗅覚障害・視覚障害・神
経痛などの末梢神経系症状や、錯乱・せん妄・昏睡などの意
識障害などを指す。華中科技大学医学部の研究グループが行
った調査では、新型コロナウイルス感染者214人のうち78人(
36.4%)が神経学的症状を呈し。多くの症状は軽度で、強い免
疫反応が引き起こす可能性のある頭痛やめまいなども含まれ、
味覚障害や嗅覚障害、筋力低下脳卒中、発作、幻覚などの重
度症状も見られる。また、フランスのストラスブール大学病
院の研究チームも「COVID-19による急性呼吸不全で入院した
重症者58人の84%が何らかの神経症状を見せた、と同様の報
告を行っている。重篤なケースでは、急性虚血性脳卒中や
当識障害
、注意力喪失、運動障害などが見られ、これらの症
状はCOVID-19から回復した後も残っていた。アメリカでは30
代と40代の若いCOVID-19患者に前触れのない脳卒中が見られ
るという報告が相次いだ。一連の報告によって、新型コロナ
ウイルスは脳に直接感染するか、免疫系に与える影響から、
神経障害を引き起こすと示唆されている。「新型コロナウイ
ルスが脳幹から発見された」という事例もすでに報告されて
おり、「鼻の嗅覚ニューロンを経由して脳に感染が広がる」
という可能性がある。ウイルスの専門家であるケント大学の
ジェレミー・ロスマン氏は、「血管や脳細胞の表面には新型
コロナウイルスが標的とするアンジオテンシン変換酵素2が
発現しているため、新型コロナウイルスは血管脳関門を通過
して引き起こしている可能性があると指摘。世界中で世界中
で何百万ものCOVID-19感染者が存在することを考えると、新
型コロナウイルスが神経症状を引き起こす可能性を認識する
ことが重要だ。なお、インフルエンザウイルスや麻疹ウイル
ス、MERSウイルスやSARSウイルスは脳や中枢神経系に感染し
て深刻な神経障害存在すると指摘しており、その感染症候群
は、極めて広範に及んでおり要注意。断念!

BCGワクチンは新型コロナウイルスに効果があるのか?
相次ぐ研究発表と臨床試験への期待
BCGワクチンの「COVID-19」の取組み経過が掲載されているの
でお復習いしておこう。新型コロナウイルスに対して結核ワ
クチンのBCGが有望かもしれないと話題になっている。1920
年代に開発されたこのワクチンの接種に新型コロナウイルス
予防との間で強い相関関係がある可能性が、複数の査読前論
文で示されているのだ。すでにオーストラリアとオランダの
研究者が医療従事者を対象に臨床試験を始めており、その進
捗に世界が注目。だが、楽観視すべきではないと専門家は言
う。BCGワクチンは新型コロナウイルスに効果があるのか
相次ぐ研究発表と臨床試験への期待|WIRED.jp2020.04.27
MON 08:00)



新型コロナウイルスの感染者は世界で約300万人、死者は20
万人を超えた。世界は感染拡大を抑えようと必死に闘ってい
る。新型コロナウイルス感染症「COVID-19」に対するワクチ
ンの実用化には1年以上かかり、いま臨床試験が進められて
いる治療薬の効果が実証されるまで数カ月はかかる。科学者
が競って新型コロナウイルスの治療法を探し求めているなか、
古くからある結核ワクチンのBCGが有望かもしれないと話題と
なる。BCGワクチンは、細菌性の肺感染症である結核を予防す
る目的で1920年代に開発された安価で安全なワクチン。開発
者の名前を冠した菌「Bacille Calmette-Guerin(カルメット-
ゲラン桿菌)」を利用したワクチンで、結核への感染率が低
下して集団予防接種が不要になった2005年まで英国の学校で
はすべての子どもたちが接種していた。現在、BCGは発展途
上国を中心に結核がまだ蔓延している国で主に使用されてお
り、毎年1億3,000万人以上の新生児がBCGの接種を受けてい
る。日本ではBCGワクチンによる結核予防接種が1949年に法
制化免疫システムの能力を高める?この 100年前に開発され
たBCGワクチンが、最近になって再び脚光を浴びている。医
学分野のプレプリントサーヴィス「medRxiv」で多くの研究
が発表され、メディアが注目する。

接種と新型コロナウイルス予防との間の強い相関関係が示さ
れている過去10年間に収集された証拠から、BCGワクチンの
集団接種が「オフターゲット効果」をもたらし、特に幼児期
に結核を引き起こすヒト型結核菌以外の病原体と戦う免疫シ
ステムの能力を高める可能性があることがわかっている。11
年に発表された西アフリカのギニアビサウ共和国で実施され
たランダム化比較試験の報告では、BCGを接種した新生児は、
接種していない新生児よりもほかの呼吸器感染症で死亡する
可能性が40パーセント低いことが示された。BCGの予防効果
は時間とともに弱まるが、初期の膀胱がんの治療で免疫療法
として使用されている。問題は、この小児期ワクチンが新型
コロナウイルス感染症に対しても効果があるか否かだ。特に
重症化しやすい大人や高齢者に対する効果が問題になる。

結核と新型コロナウイルス感染症は大きく異なる疾患だ。結
核は細菌によって引き起こされ、新型コロナウイルス感染症
はウイルスによって引き起こされる。3月28日にプレプリント
が発表されたある研究では、新生児がBCGワクチンを定期接
種する国は、国策としてのBCGワクチン接種を中止した国や
BCGワクチン接種を実施したことのない国と比較して、報告
されている新型コロナウイルスの感染者数と死者数が少ない
ことが指摘されている。例えば、乳児のBCGワクチン接種を
義務づけているポルトガルでは、確認された新型コロナウイ
ルス感染者のうち死亡例は3.2パーセントである。これに対
して隣国のスペインでは、10.5パーセントが死亡している。

過去のデータ頼みの本質的な限界
しかし、BCGワクチンが新型コロナウイルスによる危機を解決
する特効薬だと、誰もが確信しているわけではない。BCGワク
チン接種との相関を指摘する新たな研究の多くが分析の根拠
としているのは、約10年前に結核研究者のマドゥカー・パイ
が同僚とともに作成した、予防接種の政策と実施に関するオ
ンラインデータベース「BCG World Atlas」だ。カナダのマギ
ル大学国際結核センターで所長を務めるパイは、次のように
語る。「報道が過熱して、あらゆる分野の研究者、データサ
イエンティスト、および人工知能(AI)専門家が2次データ
を精査して、BCGワクチンの予防接種政策と新型コロナウイ
ルス感染症発生率の関係を見出そうとしています」さらに、
このような生態学的研究では、取得した各国の集計データか
らそこに住む個人について推論するため、本質的に限界があ
るとパイは説明する。国家レヴェルで見られる相関関係は、
若者が圧倒的に多い低所得国に住んでいる裕福な大人に必ず
しも当てはまるとは限らない。世界保健機関(WHO)が4月12
日に発表した科学的な概要説明でも、BCGに関する新しい研究
に対して注意を促す。このような生態学的研究では、国内の
人口構成や疾病負担の違い、新型コロナウイルス感染症の検
査率、パンデミックの段階の差異などの多くの交絡因子から
バイアスが起きやすい」と指摘している。実際に一連の分析
がオンライン投稿されて以来、新生児にBCGワクチンの定期
接種が実施されている多くの低所得国では、大規模な新型コ
ロナウイルスのアウトブレイク(集団感染)が起きている。

始まった臨床試験
相関関係は因果関係を意味するものではない。BCGと新型コ
ロナウイルス感染症の因果関係を実際に検証する唯一の方法
は、臨床試験の実施だ。オーストラリアとオランダの研究者
は、感染予防を個人防護具(PPE)だけに頼っている状況の
医療従事者を対象に、BCGワクチン接種の効果を臨床試験し
ている。BCGワクチンが自然免疫システムを改善し、結果的
に成人の新型コロナウイルス感染率の低下または疾患の重症
度の軽減が起こるかどうかを調査しているのだオーストラリ
アでこの臨床試験を実施しているマードック児童研究所とメ
ルボルン大学の感染症臨床医および研究者であるナイジェル・
カーティスは、何年も前に接種したBCGに何らかの予防効果
があるのかという疑問と、いまBCGを接種すると自然免疫の
訓練強化に役立つかという疑問はまったく異なるもの。後者
がわたしたちが関心をもっていることであり、今後数カ月で
効果が現れる可能性がありますこの臨床試験への参加を志願
する病院職員は、季節性インフルエンザと結核の予防接種を
受けるグループとインフルエンザの予防接種のみを受けるグ
ループにランダムに振り分けられる。参加者の約40パーセン
トが小児期にBCGワクチンを接種していることから、2回目
の接種で免疫システムが強化されるかどうかをこの研究で実
証できる可能性がある。BCGワクチン接種では小さな傷痕が
残り、接種グループが一目瞭然になることから、この臨床試
験ではプラセボワクチンは使用されない楽観視すべきではな
い進行中の厳密な臨床試験を、結核研究者ののパイは歓迎し
ている。個人レヴェルのデータが得られ、交絡因子を減らす
からだしかし、結果が発表されるまで、どの国もBCGが新型
コロナウイルス感染症の予防に役立つかもしれないと楽観視
すべきではない。そして子どもを結核から守るため、そして
膀胱がん患者のために必要なワクチンを買いだめすべきでは
ないと、パイは強調するBCGに効果があるなら、(新型コロナ
ウイルス感染症に対する)ワクチンが手に入るまでの応急処
置になるかもしれない。でも繰り返しになりますが、過度の
期待を寄せる前に、まずは臨床試験のデータを待つと言う。


図2.NFVおよびCEPの抗ウイルス作用機序
(A、B)SARS-CoV-2ライフサイクルのステップを調べるため
の追加分析の時間。(A)は、添加分析時の模式図を示しす。
化合物は異なる時間に追加されました(a、全体、b、エント
リー、またはc、エントリー後):(a):1時間のウイルス
接種ステップ中の提示で、24時間の感染期間(ライフサイク
ル全体)にわたって維持。(b)1時間のウイルス接種ステッ
プ中に存在し、さらに2時間存在し、その後除去される(侵
入)。または(c):接種ステップの後に追加され、残りの
感染の22時間存在する(エントリー後)。実線と破線のボッ
クスは、それぞれ治療ありとなしの期間を示します。 (B)
では、さまざまなプロトコル下での各化合物の抗ウイルス活
性は、接種後24時間での分泌されたウイルスRNAのレベルを
定量化することにで推定される。(C)NFVのSARS-CoV-2メイ
ンプロテアーゼへの予測される結合。 SARS-CoV-2の主なプ
ロテアーゼ(緑色)、NFV分子(シアン色の棒)、およびNFV
の4Å以内のプロテアーゼ結合部位の残基(表面表示)を示す。
(D)ウイルス細胞付着アッセイ。 VeroE6 / TMPRSS2細胞を、
ウイルス(MOI = 0.001)と一緒に4℃で5分間、指示された
化合物の存在下でインキュベートし、内部移行のないウイル
ス細胞の付着を可能にした。十分に洗浄した後、細胞表面の
ウイルスRNAを定量化。背景には、細胞が存在しない場合の
残留ウイルス接種が示す。 (E)SARS-CoV-2 Spikeタンパク
質へのCEP分子の予測結合。スパイクタンパク質、CEP分子、
およびCEP周辺の4Å以内のタンパク質結合部位の残基は、それ
ぞれオレンジ色、緑色の棒、および表面表現で着色された漫
画表現で示す。 CEPを備えたACE2のオーバーラップビューは、
シアンで着色された半透明の漫画で表示。

COVID-19に対する
ネルフィナビルとセファランチンによる多剤治療
2019年に出現したコロナウイルス病(COVID-19)を標的とし
た抗ウイルス治療が緊急に必要。重度の急性呼吸器症候群コ
ロナウイルス2(SARS-CoV-2)の細胞培養モデルで既に承認済
みの薬物のパネルをスクリーニングし、2つの新しい抗ウイ
ルス剤、HIVプロテアーゼ阻害剤ネルフィナビルと抗炎症薬セ
ファランチンを同定。インシリコモデリングは、セフィラン
チンがウイルスの付着と細胞への侵入を阻害する一方で、ネ
ルフィナビルがウイルス複製の阻害と一致するSARS-CoV-2メ
インプロテアーゼに結合することを示す。それらの異なる作
用機序と一致して、インビトロアッセイは、SARS-CoV-2の増
殖を制限するためのこの併用治療の相乗効果を強調している。
これらの薬物の既知の薬物動態学と相まってin vitro抗ウイ
ルス活性の数学的モデリングは、ネルフィナビルがウイルス
のクリアランスを促進すると予測。ネルフィナビル/セファラ
ンチンを組み合わせると、ウイルスの増殖を抑制し、疾患の
進行と伝染のリスクの両方を改善するという予測された有効
性が向上した。要約すると、この研究はCOVID-19の新しい多
剤併用療法を特定する。

新型コロナウイルス治療薬候補となる既承認薬の発見 
結果:ネルフィナビルとセファランチンの抗SARS-CoV-2活性
細胞ベースの薬物スクリーニングシステムを確立して、SARS-
CoV-2誘発細胞病理から細胞を保護する化合物を特定し(図1A)
:VeroE6 / TMPRSS2細胞は、SARSの臨床分離株の接種中に1
時間化合物で処理された CoV-2(Matsuyama et al。、2020)。
感染多重度(MOI)0.01。 非結合ウイルスを洗浄により除去
し、細胞を化合物で48時間処理して、細胞生存率を評価した
(図1A)(方法)。VeroE6 / TMPRSS2でのSARS-CoV-2複製は
細胞変性効果を誘発し、アッセイを検証するために、SARS-Co
V-2感染を阻害すると報告された2つの化合物、LPVとCLQを示
す(Wang、M. et al。、2020 )、ウイルス誘発性細胞変性を
減少させた(図1B、bとc、dを比較)。


考察:承認された医薬品のパネルをスクリーニングすること
で、SARS-CoV-2に対する強力な抗ウイルス活性を持つ2つの
薬剤、NFVとCEPが特定した。 NFVはSARS-CoV-2の複製を阻害
し、我々のモデリングデータは、これがウイルスにコードさ
れた主プロテアーゼとの直接的な相互作用を介して媒介され
ることを示唆する(図2BおよびC)。最近の研究では、CEPが
抗SSAR-CoV-2活性を示したと報告されており(Fan et al,20
20)、CEPが侵入段階とウイルス複製段階の両方を標的とし
たと推測。しかしながら添加実験の時間はCEPがウイルスの
侵入を主に阻害することを示唆し(図2B、レーン14)。さら
に、ウイルス細胞付着アッセイとドッキングシミュレーショ
ンにより、CEPが標的細胞へのウイルス付着を阻害すること
が確認(図2DおよびE)。SARS-CoV-2でエンコードされたス
パイク糖タンパク質(Thanh Le et al.、2020)を標的とす
るCOVID-19ワクチンの生成に重要な世界的な取り組みがあり
、感染細胞の受容体ACE2の粒子結合に必要である。CEPがワ
クチン誘発抗S抗体応答と相乗用する可能性があると予測し、
実験は将来の調査に値する。これらの化合物の提案された作
用機序を確認に、さらなる機構研究が必要となる。ただし、
NFVとCEPがウイルスのライフサイクルの異なるステップを対
象とするという私たちの観察は、COVID-19を治療するための
多剤併用療法の開発をサポートする。数学的モデリング研究
は、抗SARS-CoV-2薬物候補がウイルス増殖を抑制し、ウイル
ス排除を促進する方法を評価する(図4)。臨床用量では、N
FVは長期間にわたって強力な抗ウイルス効果を維持できるた
め、SARS-CoV-2 RNAの負担を軽減でき、感染の解消に必要な
時間を短縮できる。対照的に、経口または静脈内点滴で投与
した場合、生体内での濃度が低いため、CEP単剤療法は中程
度の抗ウイルス効果があると予測されている。ただし、比較
的安全な毒性プロファイルに基づき、高用量のCEPを使用す
ると、臨床現場での薬効が向上する可能性がある。 CEPとNF
Vを組み合わせると、累積ウイルス量がさらに減少し、ウイ
ルスの排除が促進されたことは注目に値。患者の累積ウイル
ス量は疾患の進行と新たな感染のリスクと密接に関連してい
る可能性が高いため、このような多剤治療は臨床転帰を改善
し、エピデミック。抗ウイルス効果を増強することに加えて、
多剤治療は、コロナウイルスなどのRNAウイルスで頻繁に報
告されるウイルス薬物耐性の出現を制限することができる。

薬効のモデリングの1つの制限は、生体内感染モデルを使用
した確認なしで、細胞培養感染システムから派生した生体外
データの使用。最近、フェレットを使用してSARS-CoV-2感染
システムが報告されたが、このモデルが抗SARS-CoV-2薬の評
価に有用であるという証拠はまだない。問題の緊急性を考え
ると、このin vivo試験の欠如は、新しい抗ウイルス剤の評
価を妨げるべきでない。承認された医薬品のスクリーニング
により、NFVとCEPが潜在的な抗SARS-CoV-2剤として識別でき
る。 NFVとCEPの両方が現在の多くの薬剤候補と比較して優
れた抗ウイルス活性を示すため、これらの薬剤はCOVID-19
と戦う有望な新しい多剤治療を提供。

展望:このように今回の結果は、ウイルス感染実験、インシ
リコ解析、数理解析など様々な技術を用いることにより、CO
VID-19に対する新たな治療法を提案し、ウイルスの新規伝播
の抑え込みに有用な知見を提供する。
------------------------------------------------------
⛨ 臨床試験について
 第1相: 少人数の健常者で少量から少しずつ投与量を増や
して安全性・毒性について調べたり,血液や尿などの濃度を
測定して吸収や代謝をみる。.

 第2相 効果を示すと予想される比較的少人数の患者で,有
効性・安全性,投与量・投与間隔・投与期間などをどうした
らよいか、といったことを調べるフェーズ.通常いくつかの
投与量を用いて比較検討しますが,その際にプラセボといっ
て何も効果のないものを比較対象に加えるのが一般的.また
現在使われている標準的な薬剤がある場合には、それと比較
することもある。

 第3相 多数の患者さんで第2相試験の結果から得られた薬
剤の有効性・安全性・投与方法を最終的に確認する。現在使
われている標準的な薬剤がある場合にはそれとの比較、標準
的な薬剤がないならばプラセボ(効果も害もない薬剤)との
比較が中心になる。
------------------------------------------------------


最大1万変数・全結合の複雑問題が解ける
コロナ対策を支援、D-Waveが量子システムを無料提供
4月1日(現地時間)、量子コンピューティングシステムを手
掛けるカナダD-Wave Systems(以下、D-Wave)は新型コロナウ
イルス(COVID-19)対策などに取り組む人々を対象に、量子ク
ラウドサービス「Leap」を通じ、同社の量子システムへの無料
アクセスを提供するプロジェクトを発表した。COVID-19に対す
るソリューション開発を支援することを目的とするこのプロジ
ェクトは、カナダ政府が各業界に対し、パンデミックへの対処
法を求めたことにより発足。Leapサービスへのアクセスが可能
な北米、欧州、アジアの35カ国で、COVID-19の対応に取り組む
人々に対し、即時に提供される。

具体的には、D-Waveが2020年2月に発表したばかりの最新サー
ビス「Leap 2」への商業契約レベルのアクセスを無制限で利用
できるようになる。Leap 2には、量子および古典的なコンピュ
ーティングリソースの両方を活用できるように設計された「ハ
イブリッドソルバーサービス(Hybrid solver service)」が
組み込まれていて、最大1万の変数・全結合を使い複雑な問題
を素早く解くことができるという。COVID-19への対処としては、
新しい診断法の分析、ウイルス拡散のモデリング、病院のロジ
スティクスの最適化、物資の分配、医薬品の組み合わせといっ
た領域に、貢献できるとD-Waveは述べている。今回のプロジ
ェクトには、デンソーや京セラ、東北大学、NECソリューション
イノベータ、シグマアイなどの日本企業を含む、D-Waveのパー
トナーや顧客企業が多く参画している。これらの企業は、プロ
ジェクトを通じて量子コンピュータの使い方や実装方法などの
知見を提供する。東北大学の准教授でシグマアイの代表取締役
でもある大関真之氏は、D-Waveのリリースで、実際に、医療崩
壊を防ぐべく、重症患者をどの病院に割り振るかという計画を
最適化する定式の構築を開始している。この定式はほぼ完成し
ており、現在評価を行っている。Leapへの無料アクセスに関す
る詳細は、D-WaveのWebサイトに掲載されている。



国内最小規模のウイスキー蒸留所「長濱蒸溜所」(滋賀県長
浜市朝日町)はこのほど、医療機関や高齢者福祉施設などで
消毒に役立ててもらおうと、消毒にも使える高濃度アルコー
ルのスピリッツ「NAGAHAMA Distillery Alc75%」を製造し、
長浜保健所に寄贈した。消毒用のアルコールが品薄になって
いる現状を憂い、少しでも地域に貢献しようと取り組んだ。
 ウイスキーの原料であるモルトを醸造したもろみを、通常
ウイスキーを造る時より1回多い、計3回の蒸留を繰り返し、
アルコール濃度を75%まで高めた。消毒用と同程度のアル
コール分を含んでおり消毒に使えるが、本来は飲料のためウ
イスキー特有の香りは残っている。少量の製造のため、全て
を贈ったことが話題となっている。実はわたしも、消毒用の
アルコールが購入できないので、ウオツカの購入を考えた程。
消毒剤は家庭用の漂白剤でつくって使っているぐらいだし、
化学は専門分野だからすぐに対応可能できる。しかし、70
~80%のエタノールのお酒も店頭から、マスクと同じで入
手困難、家庭用の洗剤もコロナ対策となるとそんなことを考
えながら、今日もあわただしかったが、脳疲労が激しく、キ
ーボードの打ち込み中眠気の波状攻撃におそわれていた。

                       






Viewing all articles
Browse latest Browse all 2435

Trending Articles