Quantcast
Channel: 極東極楽 ごくとうごくらく
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2435

流れは変えられたか

$
0
0



                  

                                                           

13 子 路  し ろ
------------------------------------------------------------
「その身を正す能わざれば、人を正すをいかんせん」(13)
「近き者説べば、遠き者来たらん」(16)
「速やかならんと欲すれば、達せず。小利を見れば、大事成らず」
(17)
「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」(23)
「剛毅木訥(ごうきぼくとつ)、仁に近し」(27)
------------------------------------------------------------
8 孔子が衛の公子荊をこう批評した。
「かれの蓄財法は立派である。財産がいくらか出来たときには『な
んとか間に合う』、かなり出来たときには『どうにかここまで来た
』、そして、あり余るほどになったときにも『やっと余裕が出来た
』。こうして、終始ひかえめな態度をくずさなかった」

子謂衛公子荊、善居室、始有曰苟合矣、少有曰苟完矣、富有曰苟美
矣。

Confucius said about young lord Jing of Wei, "He is good at
accumulation of wealth. He said, 'I can manage to make ends
meet somehow.' when he began to accumulate. He said, 'I am
somehow prepared.' when he had some wealth. He said, 'I've
got sufficient property somehow.' when he had plenty of
wealth."

   
【ポストエネルギー革命序論172】


リチウムイオン二次電池の
高性能化につながる新しい負極の実現へ
リチウムイオン二次電池は、正極、負極、電解質およびセパレータ
の主要4 部材から構成されており、リチウムイオンが正極と負極間
を移動することで充放電が行われ、負極は、充電時に正極から移動
してきたリチウムイオンを取り込む役割を果たしています。現在の
負極は炭素系材料が主流ですが、電池のさらなる高容量化のために、
炭素系材料に比べて3~10倍のエネルギーを蓄えられるシリコンの
ほか、スズやアルミニウムなどの金属系材料の使用が期待されてい
るが、それらの材料は、多くのリチウムイオンを取り込み大きなエ
ネルギーを蓄えられる反面、充放電時に2~4倍も膨縮するため内
部の電極構造が崩れやすい点が、実用化の課題となっていた。
4月27日、東北大学と住友化学の研究グループは、高純度アルミ
ニウム箔の硬さを最適化することにより、課題であった充放電時の
体積膨縮の制御が可能なことを見いだす、東北大学金属材料研究所
の物質・材料に関する科学の力と、住友化学が長年にわたり高純度
アルミニウム事業で培ってきた技術の融合により解明が出来た。一
体型アルミニウム負極の実現により、従来のリチウムイオン二次電
池に比べて、電池製造のプロセスを大幅に簡素化でき、製造工程に
おける環境負荷の低減とともに、高容量化や軽量化、低価格化など
も期待でき、また次世代電池として注目される全固体電池にも、研
究成果を適用できる可能性がある。
【要点】
①炭素系負極に比べて数倍のエネルギーを蓄えられるアルミニウム
負極について、課題であった充放電時の体積膨縮を、高純度アルミ
ニウム箔使用により制御できることを見いだし、その機構を解明した
②さらに、従来の負極は、リチウムイオンを蓄える機能の炭素系材
料と、電流を集め基材の機能も果たす銅箔の積層構造とする必要が
あったが、高純度アルミニウム箔の使用により双方の役割を両立す
る「一体型負極」となることを突き止めた。
③これらの成果は、電池の製造工程の大幅な簡素化と高性能化に貢
献する。


図1:最初のリチウム化後の様々な金属箔の構造安定性
a 5 mAh cm−2のリチオ化後のさまざまな金属箔の写真。各フォイル
の平均ビッカース硬度(HV)が上のグラフに示されている。リチウ
ム化は、Li金属対電極を使用して、0.5 mA cm-2の電流密度で行わ
れた。各フォイルの元の厚さとリチオ化率も前面の写真に示されて
いる。各サンプルのリチウム化のパーセンテージ図は、箔の厚さに
応じて各アノードの総容量に基づいて表示される。Znに関しては、
Li金属はLi-Zn合金の形成ではなく主に表面に堆積するため、パー
センテージは示されていない➲補足図1cも参照。圧延されたまま
のAl(99.99%)フォイルは、表面に均一なリチオ化を示し、裏面に
は十分に保持された安定したAlマトリックスを示した。bそれぞれ
の箔について得られたSEM写真から合理的に推論されたリチオ化プ
ロセスの概略図➲補足図1を参照。


ポーランドの会社Saule Technologiesは、柔軟なペロブスカイトの
インクジェット印刷(写真:Saule Technologies)

ペロブスカイトの週
世界中の主要な研究所での研究の焦点として、ペロブスカイト分野
の開発は益々速くなっています。ナノスケールでのX線観察から資
金調達や大量生産の計画まで、pvマガジンは最近の数週間で最もエ
キサイティングな開発研究をまとめている。まず、ロシアの極東連
邦大学の研究グループは、ナノ構造をペロブスカイト層にエッチン
グするレーザープロセスを実証実験。これは、材料の熱伝導率が低
く、材料処理中の損傷の可能性がある(Light‐Emitting anophot-
onic Designs Enabled by Ultrafast Laser Processing of Halide
Perovskites
:ハライドペロブスカイトの超高速レーザー加工によ
り可能になる発光ナノフォトニック設計)


同グループは、フェムト秒レーザーパルスを使用して、ヨウ化メチ
ルアンモニウム鉛の層にナノ構造をスクライブ(切断加工)。この
レーザープロセスでの実験は、ジャーナルSmallで 発行された論文「
Halide Perovskites の 超高速レーザー処理によって可能になる発
光ナノフォトニックデザイン」に記載されている。250 ナノメート
ルの狭いナノホールとストリップ、および 500ナノメートルの薄い
ナノワイヤーレーザーを製作。

ペロブスカイトの不十分な熱伝導率は、レーザーによって生成され
た熱が材料にさらに広がりを防ぎ、正確なパターンのスクライブの
実現に重要であった。強力なパルスレーザーを使用してヒ化ガリウ
ムなどの従来の半導体をナノ構造化することは非常に困難。サンク
トペテルブルクのITMO大学のルゲイマカロフと話す。すべての方向
に分散され、すべての薄く鋭いエッジはこの熱により、単純に歪め
られる。微細な構造のミニチュアタトゥーに似ているが、皮膚の下
に絵の具が広がるため、醜い青の斑点が発生。レーザー加工を使用
し、材料追加せずにペロブスカイトの色を変えることができ、太陽
電池を異なる色で生産できことも発見している



リードを切り取る
ペロブスカイトが商業生産に近づくにつれて、有毒な鉛への依存の
問題がしばしば提起される。ペロブスカイト結晶構造では、鉛を他
の金属に簡単に書き換えられるが、鉛フリーのペロブスカイトは、
太陽電池の性能にこれまでのところ遅れをとっている。オランダの
フローニンゲン大学の研究グループは、スズベースのペロブスカイ
トホルムアミジニウムヨウ化スズ(FaSnI3)を使用。以前の研究で
は、FaSnI3結晶を他の有機材料であるフェニルエチルアンモニウム
(PEA)と混合すると、材料の安定性は向上するが、光起電力効率
は低下。フローニンゲンの別のグループは、フランスのグルノーブ
ルにある欧州シンクロトロン施設に向かい、X線を使用してスピン
コーティングプロセスでのペロブスカイトフィルム形成を観察た。
それらの結果は、先進機能材料の論文「Ruddlesden–Popper Snベー
スのペロブスカイトにおける結晶形成のメカニズム」に掲載される。
フローニンゲンチームは、PEA添加剤が絶縁層を形成し、添加剤をよ
り高い濃度での使用に、太陽電池の性能を劇的に低下させているこ
とを発見。同グループは、層形成を回避することが安定したスズベ
ースのペロブスカイトを製造の鍵であり、効率を低下させることな
くより高濃度の PEAを可能にする添加剤プロセスへのさらなる微調
整を調査することを計画している。

ソーラーでリード
pv誌は、UPイニシアチブの一環として、c-Siモジュールでの鉛の使
用を検討するために10月から12月を費やしまた。トピックには、ペ
ロブスカイトでの鉛の使用と代替鉛が含まれていた。



柔軟なペロブスカイトモジュール
ポーランドのテクノロジー企業 Sauleは、モノのインターネットア
プリケーション向けの柔軟なペロブスカイトソーラーモジュールの
量産に、国の国立研究開発センタから  435万ユーロを受領。 パイ
ロットラインの立ち上げで最初のプロジェクトを成功裏に完了した
ことで、優れたチームとテクノロジーが認められた。この機会を利
用して、デバイスの量産に突入している。Saule Technologiesは、
2014年以来、柔軟なペロブスカイトソーラーモジュール生産めに、
インクジェット印刷プロセスに取り組んできた。この技術により、
モジュール形状、色、オンディマインドに適合させることができる。
モジュールは安定し、耐水性を発揮、建物の外装のどこに設置でき
る。


酸化物イオン伝導率
東京工業大学の研究グループは、高い酸化物イオン伝導率を示す層
状ペロブスカイトを発見。この材料で作られた酸化物イオン導体は、
水素などのクリーンな燃料を電気エネルギーに変換する燃料電池や、
CO2回収に使用できる酸素分離膜で使用できる。
【概要】
酸化物イオン伝導体は、固体酸化物形燃料電池、酸素分離膜、触媒
およびガスセンサーなどに幅広く応用できる材料である。高い酸化
物イオン伝導度は、特定の結晶構造においてのみ発現するので、今
まで酸化物イオン伝導体の報告がない新しい結晶構造グループに属
する高酸化物イオン伝導体を発見すれば、酸化物イオン伝導体の革
新的な応用につながると期待される。Dion-Jacobson相は、層状ペロ
ブスカイトの一種であり、様々な電気的特性、物理的特性、化学的
特性を示すことが報告されている。ペロブスカイトおよび層状ペロ
ブスカイトには多くの酸化物イオン伝導体の報告があるので、Dion--
Jacobson相も酸化物イオン伝導性を示すと期待されるが、Dion-Jac-
obson相の酸化物イオン伝導体はこれまで知られていなかった。
研究グループは今回、Dion-Jacobson相としては初めての酸化物イオ
ン(O2−)伝導体CsBi2Ti2NbO10−δを発見した(図1a)。ここでδは
酸素欠損量であり、定比組成CsBi2Ti2NbO10の酸素量は10であるのに
対し、酸素が欠損したCsBi2Ti2NbO10−δの酸素量は10−δである。
この新型高酸化物イオン伝導体の発見にあたっては、結晶構造デー
タベースと結合原子価法を用いた高速スクリーニングと、「Cs+のサ
イズが大きいこととBi3+の変位によるイオン伝導度の向上」という
新概念からなる、新型高イオン伝導体の新設計法を適用した(図1b)。
さらに、結晶構造解析から示された、酸素原子の大きな異方性熱振
動、酸素空孔および酸化物イオン伝導層の存在が、高イオン伝導度
発現の原因であることを明らかにした(図1c)。(中略)
【今後の展開】
高い酸化物イオン伝導度を示す新型酸化物イオン伝導体CsBi2Ti2Nb-
O10−δの発見により、Dion-Jacobson型酸化物イオン伝導体という研
究分野が生まれると考えられる。また、新たな応用に向けた道を切
り開くと期待される。具体的には、固体酸化物形燃料電池や酸素濃
縮器の高性能化や、新しい酸化物イオン伝導体や電子材料の開発を
促進すると考えられる。また、本研究で提案した新概念「大きなサ
イズのイオンとイオンの変位によりボトルネックが広がり、高い酸
化物イオン伝導度を実現する」および結合原子価法によるスクリー
ニングという新手法により、今後他の新酸化物イオン伝導体が発見
されると期待される。


青色光
フロリダ州立大学の研究グループは、金属ハロゲン化物ペロブスカ
イト用の中空ナノ構造を作製。量子サイズ効果をもつ金属ハロゲン
化物ペロブスカイトを使用。発光ダイオードやレーザーなどの光子
関連技術に繋がると期待されている。
✔ このように看ると、「金属ハロゲン化物ペロブスカイト」のナ
ノスケールの表面構造解析は、「21世紀の錬金術」事業開発研究
の深耕と新規物質の創製に大きく貢献しているようだ。これは興奮
する。

ITRPVロードマップ
太陽光コストは引き続き低下する見込み
ソーラ価格の下落と効率の改善を追跡するドイツの文書の第11版は、
より大きなウェーハがコスト削減において果たしている役割を考慮
ドイツの太陽光発電の国際技術ロードマップ(ITRPV)は、太陽光
発電の価格の下落と変換効率の上昇を追跡することを目的に、11回
目の更新を受けている。エンジニアリング協会のVerbandes Deut-
sches Maschinenbau Anlage(VDMA)のレポートでは、昨年、650
GW以上の太陽電池発電容量が供給されたと言う。太陽光発電の学習
率、つまりテクノロジーのより広範な導入により、価格の下落が加
速する速度は、2019年に23.5%に達し。最新のITRPVでは、PVの学
習率が今後数年は同様の速度で継続し、より優れた大きなソーラー
ウェーハの使用などで、さらなる価格の低下につながると予測。


フロントセルとリアセルの最適化
モジュールのレイアウト・両面セル展開・新型電池型・;改良モジ
ュール技術
最新のITRPVでは、世界中に200 GWを超える太陽電池モジュールの
生産能力を推定、引き続き上昇すると予想する。ロードマップの更
新では、単結晶製品と多結晶製品の両方で、モジュールのコストが
昨年10%減少及びセルコストが20%減少したと試算。単結晶ソーラ
ーモジュールの平均価格は、2018年のワットピークあたり0.39ドル
から今年は0.24ドルに下落。多結晶製品は0.31ドルから0.21ドルに
下落。この調査では、単結晶モジュールは今年の世界市場の75%を
供給し、マルチ製品が20%を占め、2030年までに5%まで落ちると
予測する。標準の156.75 x 156.75 mmのウェハフォーマットは、16
6mm²の「M6」および210mm²の「M12」製品に置き換えられると予測
している。効率的なPercセルおよびハーフセル製品の人気の高まり
は昨年も続いたが、ウエハが大きくなるとモジュールも大きくなり、
パフォーマンス比較が混乱することを避け、モジュールのパフォー
マンスを製品のサイズ(平方メートル)で割ることを提案。このこ
とで、単結晶のpタイプPercモジュールは今年平均203 W /m²を生成。
パフォーマンスは2030年までに、225 W/m² に上昇すると予測。nタ
イプの同等品の場合、平方メートルの出力が、208 Wから230 Wに増
加すると予想。ヘテロ接合製品は現在平均210 W/m²を提供し、ほぼ
240 W/m²まで高める。

♥ 流線型のホイップが美しい、トゥルビヨン



コロナウイルス・パンデミックは心理的な圧迫と「自棄食い」に追
い立て、常に空腹感を抱え、深夜でも小腹にぶっ込む(アルコール
も含む)ようになる。そんなとき、ローソンの「ショコラ トゥル
ビヨン」が眼に入る(¥450/370kcal)----ウチカフェの代
名詞ロールケーキとGODIVAのコラボ商品。チョコムースをチョコ生
地で巻き、渦(トゥルビヨン)のようなダークチョコクリームとミル
クチョコクリームを絞りました----と。へぇーそうなんだ。





【ウイルス共生描論18:変異とワクチンⅨ】
人間の免疫細胞が
「これまで感染したことのない細菌やウイルスの記憶」を
持っているようだ
細菌やウイルスに対抗する人間の免疫系は、過去に感染したりワク
チンを打たれたりした際の「記憶」により、次に感染した時は効果
的に病原体を排除する仕組みを持つ。しかし、近年の研究から、一
部の免疫細胞は「これまで感染したことのない細菌やウイルスの記
憶」を持っている可能性が示唆されています。細胞表面にCD4抗原を
発現しているCD4陽性T細胞(ヘルパーT細胞)は、血液やリンパ組織な
どに侵入した微生物やウイルスの一部(エピトープ)を認識し、ほか
の免疫細胞に攻撃命令を送る役割を持っている。


【要点】
☈健康な成人には、露出していない外来抗原に特異的な記憶細胞が
る。☈成人に存在する既存の記憶表現型細胞は、新生児には存在し
ない。☈HIV-1およびインフルエンザ特異的T細胞は、微生物ペプチ
ドと交差反応する。☈インフルエンザワクチン接種は交差反応を誘
発、T細胞の拡大する。
-------------------------------------------------------------
ヘルパーT細胞は、一度何らかの病原体と接触すると「メモリーT細
胞」となってそれを記憶し続けており、同じ病原体が再び侵入して
きた場合、すぐに対応してほかの免疫細胞を刺激。一方、まだ抗原
と接触していない「ナイーブT細胞」も、新たな病原体が侵入してき
た時に備えている。ナイーブT細胞が未知の病原体と遭遇した場合、
免疫系が病原体と戦うために動員されるまで数日~数週間ほどかか
るが、メモリーT細胞は数時間で本格的な免疫反応を引き起こすこと
が可能。スタンフォード大学免疫学者のマーク・デイヴィス博士の
研究グループは、2013年の研究で、26人の成人と2人の新生児から免
疫細胞が豊富な血液サンプルを採取し、さまざまなウイルス株が持
つエピトープにさらすという実験を行った。エピトープに対するヘ
ルパーT細胞の応答を調べた結果、成人から採取されたサンプルのほ
ぼ全てがヒト免疫不全ウイルス(HIV)、単純ヘルペスウイルス、 サ
イトメガロウイルスといったウイルスに反応を示した。 ヘルパーT
細胞がこれらの病原体に反応すること自体は不思議ではなかったが、
驚くべきことに平均して約半数のサンプルで、ヘルパーT 細胞がウ
イルスの「記憶」を持っているメモリーT 細胞であったことがわか
つた。高感度の臨床試験では、サンプルを採取された成人はこれら
のウイルスに感染した経験がないと示されたことから、ヘルパーT
細胞は「実際には接触していないウイルスの記憶を持っているケー
スがある」と判明した。また、成人から採取されたサンプルの5分
の1において、有害なウイルスや細菌だけでなくほかの無害な環境
微生物にも反応する交差反応性のメモリーT 細胞があることもわか
った。たたとえば、HIVに反応することが確かめられたメモリーT細
胞は、3つの腸内細菌や土壌に生息する細菌など、多数の一般的な
環境微生物にも反応することが明らかになった。なお、新生児のヘ
ルパーT細胞は全てナイーブT細胞の状態だった。
続けて行われたインフルエンザワクチンを5年以上接種していない
成人を対象にした実験では、予防接種を受けた成人の体内ではメモ
リーT 細胞が増加し、インフルエンザウイルスだけでなく、いくつ
かの異なる細菌や微生物のエピトープも「記憶」されていることが
確認された。以上の研究結果から、人々が身の回りに存在するさま
ざまなウイルスや微生物に触れることで、人間の免疫は「交差反応
性」を持ったメモリーT細胞を 獲得し、これまで遭遇したことがな
いウイルスへの「記憶」を持って戦っている可能性があると示され
た。
生まれて間もない新生児は日常生活で触れてきた抗原が少ないため、
交差反応性を持ったメモリーT 細胞が少なく、感染症になりやすい
可能性があるとのこと。また、メモリーT 細胞が多様な抗原に対す
る交差反応性を獲得できることから、特定の病気にかからないこと
を目的にしたワクチンを接種することで、標的以外の病原体への抵
抗性を高める可能性も示されている。デイヴィス博士は、これはな
ぜ子どもが土を食べるのかという謎について、進化的な側面から手
がかりを提供するかもしれない。私たちの免疫システムがこれまで
に見たこともない危険な病原体への免疫記憶を獲得しているのは、
土壌や食物、肌、ドアノブ、電話、イヤホンなどの至る所に存在す
る、ほとんど無害な微生物への絶え間ない接触が原因となっている
可能性がありると話す。また、新たに生まれてきた新生児が病原体
の「記憶」を獲得する過程で、重要な役割を果たす可能性がある「
出産」である。母親の産道を通って生まれてきた人は、帝王切開で
生まれてきた人と比較して免疫系の疾患になりにくいことが、1977
年~2012年に生まれた200万人のデンマーク人を対象にした調査で判
明している。詳しい原因は不明だが、帝王切開で生まれた人は産道
に存在する多様な微生物に触れなかったことで、交差反応性を持っ
たメモリーT細胞が獲得できていない可能性があるという。
⛨Cesarean Section and Chronic Immune Disorders | American
Academy of Pediatrics
https://pediatrics.aappublications.org/content/135/1/e92
⛨Giant study links C-sections with chronic disorders
https://sciencenordic.com/birth-c-section-children/giant-
study-links-c-sections-with-chronic-disorders/1411238



【抗体技術の基本原理】
抗原と抗体の相互作用とは
免疫化学を活用した抗体技術は、ライフサイエンス研究の多くの分
野において必要不可欠なツールとなっています。免疫化学の基本原
理は「特異的な抗体が、特定の抗原と結合し、ユニークな組み合わ
せの抗原抗体複合体を形成する」ことである。
✔ 多変量解析とそのベースの数理モデルを考えると「デジタル革命
渦論」の成熟が必要なのだと再確認する。しかし、「帝王切開」「
自然分娩」の違いがどの程度の影響もつのかと、次々と疑問が湧く。


唾液一発で、CRA検査完了?!
米Rutgers大学は2020年4月13日、米食品医薬品局(FDA)から、同
大関連でバイオバンクを運営するRUCDR Infinite Biologics(RUC
DR)とその共同研究者に対し、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
の一次スクリーニング向けの唾液の新たな採取法について、緊急時
使用許可(EUA:emergency use authorization)が得られたと発表。

紫外線マーカでCRA検査を迅速化
国立大学法人 長崎大学と伝子増幅法である蛍光LAMP法を用いた「新
型コロナウイルスRNA検出試薬 Genelyzer KIT」(注2)を開発し、こ
れを用いた迅速遺伝子検出システムが、この度、厚生労働省及び国
立感染症研究所による「臨床検体を用いた評価結果が取得された2019
-nCoV遺伝子検査法について」2020年3月26日版において、陰性一致
率100%、陽性一致率90%以上として結果公表された。➲15ウイル
スコピー/反応以上の陽性検体は10分程度で100%検出する性能を有
し、前処理の時間を入れて検査結果を得るまで最短40分と、従来の
遺伝子検査法に比べて迅速な検査を実現、国立大学法人 長崎大学と
もに、遺伝子増幅法である蛍光LAMP法を用いた「新型コロナウイル
スRNA検出試薬 Genelyzer KIT」を開発。
 
●今夜の寸評:流れは変えられたか
緊急事態宣言で揺れ動く新コロナウイルス・パンデミック。この先
1カ月で何とかなるのだろうか。何ともならないと国民の殆どがそ
う思っている。なぜなら、米国が世界最多の感染数をカウントした
からだ。因みに、死者は6万人を超えている。日本は経済政策を誤
り、感染症を災害と評価せず過小評価した。これは、福知山線脱線
➲ 事故福島原発事故 ➲新コロナウイルス・パンデミックのいずれ
も「過ぎたる新自由主義経済政策」の負の側面である。さて、日本
は、世界の流れを変え得るだろうかと反質する。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2435

Trending Articles