彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる "招き猫”と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
成のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクター。愛称
「ひこにゃん」
14 憲 問 けんもん
--------------------------------------------------------------
「士にして居を懐(お)うは、もって士となすに足らず」(3)
「貧にして怨むことなきは難く、富みて馴ることなきは易し」(11)
「古の学者はおのれのためにし、今の学者は人のためにす」(25)
「君子は、その言のその行ないに過ぐるを恥ず」(29)
「人のおのれを知らざるを患えず。おのれの能無きを患う」(32)
--------------------------------------------------------------
32 自分を認めてくれるものがないと、かこつのは筋違いだ。認
められるだけの実力が自分にないことを思うべきである。(孔子)
子曰、不患人之不己知、患己無能也。
Confucius said, "Do not care that the others don't appreciate
you. Care that you don't have ability."
・米男性がコロナ再感染、免疫やワクチンの効果巡り疑念
・フランス 新型コロナで非事態宣言
・英科学誌ネイチャー、バイデン氏支持を表明
・東京都で新たに284人感染 8月20日以来最多
・イーライリリーが新型コロナ抗体薬の治験停止
・米J&J、コロナワクチン治験中断 参加者が原因不明の病気
・・コロナ「野放し」の集団免疫戦略は非倫理的 WHOが警告
・レムデシビルなど4薬効果なし コロナ入院患者に
・アビガンで新型コロナ症状早く改善 承認を申請
図1. (左)開発Mg-Ca 合金材の写真 (中央)開発材の微細組織観察
例 (右)pMg およびMg-Ca材を負極に用いた電池の充放電試験結果。
♞ マグネシウム金属電池の容量を約20%向上
構造材開発の知見を電池に生かす
低コストかつ大容量蓄電池の実現へ前進
9月30日、IMS(物質・材料研究機構)は、従来の材料よりも電気化
学的活性に優れるマグネシウム合金材を開発したことを公表、マグネ
シウム金属電池の容量を約20%向上させることに成功した。
【要点】
1.NIMSは、従来の材料よりも電気化学的活性に優れるマグネシウム
合金材を開発し、マグネシウム金属電池の容量を約20%向上させる
ことに成功した。これまで手付かずだった負極材の開発の方向性を示
したことで、低コストかつ大容量なマグネシウム金属電池のさらなる
性能向上が期待される。
2.風力や地熱、太陽光など再生可能エネルギーや、発電所から生じ
る余剰電力を有効活用するためには、これらのエネルギーを貯蔵し、
必要なときに供給できる大容量の蓄電池が必要。現状のリチウムイオ
電池は、コバルトやリチウムなど希少な金属が使われており、大型化
には膨大なコストがかかる。そこで注目されているのがマグネシウム
金属電池。マグネシウムは地殻埋蔵量がリチウムの1700倍以上である
ため安価で、かつ多くの電気エネルギーを貯蔵できるが、マグネシウ
ムは加工しにくい金属のため、マグネシウム金属が使われる負極に対
する研究はほとんど実施されておらず、マグネシウムの扱いにくさが
電池としての特性向上を妨げる大きな要因となっている。
3.今回、マグネシウム電池電解質開発を専門とする研究者と、構造
材料としてのマグネシウム合金の開発を専門とする研究者が共同研究
を展開し、電池特性を向上させるマグネシウム合金の探索を行った。
その結果、結晶方位を制御し、20 μm程度の微小な結晶粒で構成され
たマグネシウム金属材に、原子濃度0.3%という極微量の異種金属を
添加することで、電気化学的な活性を大きく向上させることに成功す
る。例えば、カルシウム (Ca) を添加した合金材 (Mg-Ca) を負極に
用いた電池を試作しその特性を評価したところ、純マグネシウム金属
を用いた電池と比較して、容量が約20%向上した。これは、マグネシ
ウム金属の合金化と組織制御で電池特性の改善を達成、世界初の成果。
表S1 pMgおよびMg-X合金の初期陽極プロセスで観察された過電圧
(η)のリスト。過電圧は、±0.1 mAcm-2の電流密度が観察された。
4.本研究により、マグネシウム金属電池の電池特性の改善に、冶金
アプローチが有効であることが分かる。マグネシウム金属は、構造材
料分野で精力的に研究されてきた材料です。今後この成果をもとに、
大容量マグネシウム金属電池の実現に向けて、金属組織構造の最適化
に取り組んでいる。
5.本研究は、国立研究開発法人物質・材料研究機構 エネルギー・
環境材料研究拠点の万代俊彦主任研究員および構造材料研究拠点の染
川英俊グループリーダーにより、JST戦略的創造研究推進事業 先端的
低炭素化技術開発・特別重点技術領域「次世代蓄電池」 (ALCA-SPRI-
NG) の一環として行われた。本研究成果は、英国王立化学会誌「Che-
mical Communications」にて現地時間2020年9月25日にオンライン公
開された。また、本成果は10月13日に発刊された雑誌 (vol 56issue
81) の表紙を飾る。
【内容と成果】
単一組成の金属であっても、その物理特性・機械特性は金属組織構造
によって大きく異なります。また 実際の金属材料には、多くの場合
極微量の不純物が混入しており、不純物の種類のみならずその混ざり
方 までもが金属の性質に多大な影響を及ぼします。それは電気化学的
な性質も例外ではない。そこで 本研究では、どのような組織構造のマ
グネシウム金属が、電池材料として最適かを明らかとするため、以下
の3つの点に着目しました。『①結晶方位、②結晶粒の大きさ、そし
て③添加元素の種類』です。まず、①結晶方位とマグネシウム金属の
電気化学的性質がどのように関係しているかを評価するため、結晶方
位の異なる2つのマグネシウム単結晶試料について、電圧電流測定を
実施しました。電圧電流測定では、電圧を時間に対して一定速度で変
化させ、それに対する電流応答を観測します。物質が酸化還元する電
圧(酸化還元電位)はその物質ごとに固有の値をとりますが、電気の
流れやすさ(電流値)には材料 の物理・化学状態が反映される。マ
グネシウム金属は六方晶格子からなり、六方晶格子は底面(0001 面
)の原子配列が稠密な一方、柱面(101 _ 0 面)の原子配列は希薄。
予想通り、これらの試料は底面と柱面 で異なる電気化学的応答を示
し、底面配向の単結晶の方が柱面配向の単結晶よりも電流が流れやす
い、つ まり電気化学的に容易に溶解・析出することが分かりました
(図2)。原子配列が稠密な底面は柱面よりも 電子伝導性が高いこ
とが認知されている、それが関係していると考えられ、金属を負極に
用いた蓄電池では、電池を放電・充電する際に金属電極表面において、
それぞれ溶解・析出が起こす。したがって、溶解・析出がしやすい電
極ほど、電池動作においてエネルギーロスが小さく、有利であると言
えます。続いて②結晶粒のサイズの影響を検討しました。マグネシウ
ム金属における結晶粒のサイズは、圧延や 押出などの加工法や加工
温度によって制御可能です。本研究では、底面が優先的に配向しつつ
も、結晶粒サイズの異なる2 種類の多結晶マグネシウム試料を作製し、
電圧電流測定からその電気化学的性質を評価した。その結果、20ミク
ロン以下の微細な結晶粒からなるマグネシウム材の方が、100ミクロン
以上の粗大粒からなるマグネシウム材よりも良好な応答を示し、単位
面積あたりの電流値(電流密度: mA/cm2) は約3倍となりました(
図2)。このことから、結晶粒サイズの微細化は、マグネシウム金属
の電気化学的 活性を向上させるのに有効な手段であることが分かる。
結晶粒同士が接する界面あるいは隙間を結晶粒界という。
微細粒子からなる金属材はより多くの粒界があるため、電気化学的溶
解析出反応は、粒界の多寡および粒界における自由エネルギーが関係
していると考えられ、結晶粒の電子的性質は粒界の自由エネルギーに
り決定付けられることが、理論的に証明されている。
つまり、粒界の自由エネルギーに摂動を与えることで、金属材の電気
化学的な性質が変化することが予想される。
図2 純マグネシウム材の微細構造と電気化学特性の関係。微細組織
観察にて 赤色および青色の粒子は、それぞれ底面 (0001)および、
柱面(101 _ 0 面)配向を表す。底面配向の微細粒子からなる純マグ
ネシウム材が、最も優れた電気化学特性 を発現(一定電圧において、
大きな電流値を観測)。そこで、極微量(0.3at.%:原子1000 個のう
ち3個)の異種元素(Al, Ag, Bi, Ca, Li, Mn, Pb, Y, Zn)をマグネ
シウム材に添加した微細粒からなる多結晶マグネシウム合金材を作製
し、③どの元素を添加した場合に最も優れた電気化学特性を発現する
か調査しました。極微量としたのは、大量すなわち高濃度の異種元素
を加えることで、マグネシウム金属の性質を喪失してしまうことを避
けるためです。また、本研究では、元素添加の効果を詳細に検証する
ために、マグネシウムに対して0.3 at%以上固溶する元素を選択した。
開発合金材の詳細な微細組織観察から、結晶粒はいずれの合金材にお
いても20ミクロン程度かそれ以下であること、程度の違いはあります
が、底面が優先的に配向していること、添加元素は個々の結晶粒内に
存在しているだけでなく、結晶粒界に偏析(凝集)していることを確
認しています。図3に、純マグネシウム材を含め、10種類の開発材に
おける電圧電流測定結果、および顕著な挙動を示した5種類の開発材
を用いて実施した定電流電圧測定結果を示す。添加元素の効果は顕著
に現れ、Ca を添加した Mg-Ca 合金材は、純マグネシウム材よりも電
流密度にして約3倍という、各段に優れた電気化学特性を発現しまし
た。より実電池動作環境に近い、定電流電圧測定においても、特に
Mg-Ca 合金材は最初期の溶解・析出サイクル以降、極めて安定な溶解・
析出挙動を 80 サイクル以上継続しています。CaはMgよりも結晶格子
が大きいため、CaがMgの結晶粒界に偏析すると粒界近傍に格子歪みが
生じます。格子歪みは粒界破壊を誘起し、その結果粒界が不安定化す
るために、より安定な状態を求めてマグネシウムが溶解しやすくなる
と考えられます。マグネシウムマンガン酸化物MgMn2O4 正極材とした
マグネシウム電池の放充電試験においても、Mg-Ca 材はその溶解析出
特性を反映した優れた特性を発揮し、純マグネシウム材を負極に用い
た場合に比べて、20%も放電容量が向上しました(図1)。正極およ
び電解質材料の研究開発が中心に展開されてきたマグネシウム金属電
池研究において、本研究ではマグネシウム負極に着目し、マグネシウ
ム材の組織構造の緻密な制御により、世界で初めて電池特性を向上さ
せることに成功した。
図3 多結晶マグネシウム合金材における、(左)電圧電流測定およ
び(右)定電流電圧測定結果。Mg-Ca 合金材は少しの電圧を印可する
だけで電流が流れ、定電流条件下では過電圧が最も小さい。
結晶方位結晶粒サイズ電気化学特性析出電流 溶解電流
本研究により マグネシウム金属電池の電池特性の改善に、冶金学的
アプローチが有効であることが分かった。マグネシウム金属は、構造
材料分野で精力的に研究されてきた材料であり、本研究で検討対象と
した材料はその中の一部に過ぎない。未検討のマグネシウム材料には、
本研究成果よりも優れた電気化学特性を有するものもあるかもしれな
い。今後、この成果をもとに、大容量マグネシウム金属電池の実現に
向け、マグネシウム材の金属組織構造の最適化に取り組んでいく。世
界的にも、電池研究に冶金学の要素を取り入れた異分野融合研究は例
がない。新たな潮流の先駆けとして新規材料をいち早く見いだし、本
研究分野を先導していきたい。また、厚さ100 ミクロンのマグネシウ
ム金属を使用し、通電する電気量を約1ミクロン厚の金属溶解析出に
相当する量に規制して(利用率1%)、電気化学特性試験を実施。実
際の電池では、地金に対して半分の厚みを利用しないと(利用率50
%)、電池としては効率が悪く使えない。今回のマグネシウム金属材
を実電池に適用する場合、50ミクロン分のマグネシウムを放電と充
電のサイクル中に溶解・析出させることになる。金属負極やその他の
部材が置かれる電池内部環境が刻一刻と変化する中で、金属組織構造
をどれほど制御できるか、元々の金属組織構造がサイクル後も保持で
きるのかという点は、今後、必ず検証すべき課題。異種元素を添加し
た際の電気化学特性の変化についても、実験的・理論的に要因を究明
することが、マグネシウム金属材の組織構造を最適化する上で、極め
て重要であると考えられた。
⌚ マグネシウム電池は正極、負極および電解質から構成され、電気
化学反応により外部に電気を取り出す電池の一種。身近にあるアルカ
リマンガン乾電池やコイン電池と同じ原理で動作する。マグネシウム
電池は形状(例:単3型)や公称電圧(例:1.5V)が規定されておら
ず。要求に応じた大きさや放電性能を持つ製品が市販されている。
大型のマグネシウム空気電池は非常用発電機としての利用が期待され
るが、ガソリン発電機と異なり騒音を発せず排気ガスも出ないため室
内での利用が可能。市販のマグネシウム電池は充電ができない1次電
池で、電解質や負極の交換による連続運転が可能。また2次電池に向
けた開発も進められている。
📝 二次電池化への取り組みと課題
リチウムと比較すると資源が多いので二次電池として期待されるが単
位質量毎のエネルギー密度はリチウムの42.3 MJ/kgに対してマグネシ
ウムは18.8 MJ/kgで半分以下であるものの、単位体積毎のエネルギー
密度で比較するとリチウムの22.569 GJ/m3に対してマグネシウムはお
よそ.5倍の32.731GJ/m3である。負極にマグネシウムを使用した時には
金属リチウム充電池の開発時に問題になった低電流密度でのデンドラ
イトが生じないので正極に層間化合物によるイオンのインターカレー
ションを利用せずに済むので体積毎の高容量化に有利になる。現時点
では高エネルギー密度の負極材料の開発がボトルネックとなっており、
実用化には至っていない。エネルギー密度が比較的高いため、二次電
池の負極材としてマグネシウムを使用する事は古くから考えられてい
たが複数の理由で実用化には至っていない。以下の原因が考えられる。
①充電時にマグネシウムイオンの還元時に電解質の分解に起因すると
考えられる絶縁性の不動態層が形成されるため、サイクル寿命が下が
る。②マグネシウムはイオンの大きさがリチウムよりも大きく、2価
のイオンであるため、正極に層間化合物を利用した場合、拡散速度が
遅く、電解質内でのイオン移動度が下がる。③マグネシウムイオンに
適した負極材料の開発が進んでいない。(via Wikipedia)
📌 性能はリチウムイオン電池の6倍、マグネシウム“硫黄”二次電
池を開発 - スマートジャパン 2015/12/04
【関連特許事例】
❏ 特開2016-167365 マグネシウム金属電池、交換式電池および電
源装置 株式会社ペガソス・エレクトラ
【概要】
マグネシウムは、豊富な資源量,高エネルギー密度,安全性,環境負
荷,リサイクル性といった観点から、総合的に優れたエネルギー材料
として注目を集めている。マグネシウム金属電池は、マグネシウムか
ら電気エネルギーを取り出す手段として研究開発が進み、実用化も進
んでいる。しかしながら、マグネシウム金属電池は、長時間にわたり
安定的に放電させるためには電流密度を下げなければならず、その結
果、小型電池では出力電流を高くすることが困難であり、電池の高出
力化のためには電池の大きさが大きくなる。そのため、電池が比較的
大きくても問題のない非常用電源や低電流でも駆動できるLED照明
用電源等のアプリケーションに使用が限定されている。また、電池の
高出力化のためには、下記(1),(2)の反応を促進することが必
要になるが、現状では正極の反応が電流量を律速しており、いかに
正極反応を活発化および安定化させるかが重要となる。
正極:O2+2H2O+4e- → 4OH- …(1)
負極:2Mg → 2Mg2++4e- …(2)
全体:2Mg+O2+2H2O → 2Mg(OH)2
マグネシウム金属電池の従来技術として、下記特許文献1には、携帯
型マグネシウム・空気電池が開示されている。この携帯型マグネシウ
ム・空気電池は、表面に凹凸を有する三次元集電体に形成された陽極
を構成するMnO2空気電極、および多孔質空気誘導路を包含したセパ
レータなどで構成され、空気の取り込みを効果的にすることで、上記
の正極反応を活発化および安定化させている。
また、下記特許文献2には、マグネシウムに反応性の高い母相と不活
性な第2相との複相組織を持たせることで、長時間安定的に電気を流
すことが提案されている。また、下記特許文献2には、正極に白金触
媒を用いることで、さらに正極性能を高められることが開示されてい
る。
【特許文献1】 特開2012-256547
【特許文献2】 特開2014-187032
しかしながら、上記特許文献1,2に開示された技術では、正極材料
力電流が低下する。また、白金触媒も、このような状況下では効力を
発揮することができない。これらの事実は、マグネシウム空気電池の
出力安定性を著しく阻害し、利用可能なアプリケーションを限定する
ことになる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、正極反応を促進し、
電流密度を上げることによって、出力安定性および高出力化を実現可
能なマグネシウム金属電池を提供することを目的とする。下図1のご
とく、マグネシウムまたはマグネシウム合金を負極活物質とする負極
1と、吸液性誘電体であるセパレータ2と、親水性を有するカーボン
材料を含む正極層3と、撥水性と導電性を有する材料からなる撥水性
正極層4と、正極集電板5と、を備え、撥水性正極層4は、触媒が正
極層3側に局在するように設けられた触媒担持層を含む。
図1
【符号の説明】
1 負極 2 セパレータ 3,3a 正極層 4,4a 撥水性正
極層 5 正極集電板 6 負極リード線 7 正極リード線 8
固定用絶縁テープ 9 シーラー
【特許請求の範囲】
【請求項1】 マグネシウムまたはマグネシウム合金を負極活物質とす
る負極と、 前記負極の両面に各々接するように配置された吸液性誘電
体であるセパレータと、 前記セパレータに各々接するように配置され
た親水性を有するカーボン材料を含む正極層と、 前記正極層に各々接
するように配置された撥水性と導電性を有する材料からなる撥水性正
極層と、前記撥水性正極層に各々接するように配置された正極集電板
と、を備え、前記撥水性正極層は、触媒が前記正極層側に局在するよ
うに設けられた触媒担持層を含む、ことを特徴とするマグネシウム金
属電池。
【請求項2】 マグネシウムまたはマグネシウム合金を負極活物質と
する負極と、前記負極の両面に各々接するように配置された吸液性誘
電体であるセパレータと、前記セパレータに各々接するように配置さ
れた親水性を有するカーボン材料を含む正極層と、前記正極層に各々
接するように配置された撥水性と導電性を有する材料からなる撥水性
正極層と、前記撥水性正極層に各々接するように配置された正極集電
板と、を備え、前記正極層内に触媒を含む、ことを特徴とするマグネ
シウム金属電池。
【請求項3】前記正極層は、触媒が前記撥水性正極層側に局在するよ
うに設けられた触媒担持層を含む、ことを特徴とする請求項2に記載
のマグネシウム金属電池。
【請求項4】触媒を前記正極層内に一様に分布させる、ことを特徴と
する請求項2に記載のマグネシウム金属電池。
【請求項5】前記正極層は、触媒が前記セパレータ側に局在するよう
に設けられた触媒担持層を含む、ことを特徴とする請求項2に記載の
マグネシウム金属電池。
【請求項6】前記正極集電板には、通気性を有するメッシュ状の材料
を使用する、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の
マグネシウム金属電池。
【請求項7】触媒として白金を使用する、ことを特徴とする請求項1
~6のいずれか1つに記載のマグネシウム金属電池。
【請求項8】請求項1~7のいずれか1つに記載のマグネシウム金属
電池と、前記マグネシウム金属電池のセパレータに接するように配置
されかつ電解液を保液可能な保液部と、前記マグネシウム金属電池の
負極および正極集電板に各々接続された電極と、を備えることを特徴
とする交換式電池。
【請求項9】請求項1~7のいずれか1つに記載のマグネシウム金属
電池と、前記マグネシウム金属電池のセパレータに接するように配置
されかつ電解液を保液可能な保液部と、前記マグネシウム金属電池の
出力レベルを昇圧して出力する電源回路と、を備えることを特徴とす
る電源装置。
【請求項10】電解液を保持するタンクと、 前記タンクに保持され
た電解液を前記保液部に適量供給する電解液供給部と、をさらに備え
ることを特徴とする請求項9に記載の電源装置。
【請求項11】前記電源回路は、前記マグネシウム金属電池の出力レ
ベルおよび出力レベルの時間変化を検出し、当該検出結果に基づいて
前記電解液供給部による電解液供給処理を制御する、ことを特徴とす
る請求項9または10に記載の電源装置。
【請求項12】前記電源回路は、前記マグネシウム金属電池の出力レ
ベルおよび出力レベルの時間変化を検出し、当該検出結果に基の電源
装置。
❏ 特開2020-135981 マグネシウム二次電池用の負極材、マグネシウ
ム二次電池 学校法人日本大学
【概要】
マグネシウム二次電池では、負極として、マグネシウムを含むマグネ
シウム材が用いられている。しかしながら、マグネシウム材の表面は、
酸化物からなる不動態皮膜が形成されやすい。この不動態皮膜は、マ
グネシウム二次電池の充放電時に抵抗となって充電電圧を上昇させる
と共に、放電電圧を低減させて、充電電圧と放電電圧との差(過電圧
)を高くし、放電容量の低下を引き起こす要因となる。
マグネシウム二次電池の過電圧を低くする方法の一つとして、ハロゲ
ン化アルキルマグネシウム(グリニャール試薬)などのハロゲン化物
イオンを含む電解液を用いる方法が知られている。しかしながら、ハ
ロゲン化物イオンを含む電解液は、電極の集電体などの金属材料を腐
食させたり、正極活物質の酸化還元反応の電位程度の電位で酸化分解
を起こしたりすることがある。このため、ハロゲン化物イオンを含む
電解液を使用したマグネシウム二次電池では、電池の作動電圧を2V
以下とすることが必要となる。そこで、ハロゲン化物イオンを含む電
解液を使用しないで、マグネシウム二次電池の過電圧を低くするため
の検討が盛んに行われている。
特許文献1には、マグネシウム材をハロゲン化アルキル溶液に浸漬し
て、マグネシウム材の表面に形成されている不動態皮膜を除去し、そ
の不動態皮膜を除去したマグネシウム材をマグネシウム二次電池の負
極として使用することが記載されている。
特許文献2には、マグネシウム二次電池用の負極として、マグネシウ
ム金属と炭素の同素体とを含み、かつ該マグネシウム金属と該炭素の
同素体とが一部で接触している材料が記載されている。この特許文献
2によると、この材料は、マグネシウム金属が炭素の同素体と接触し
ていることにより、その表面に酸化皮膜が形成されない、若しくは形
成されにくくなるとされている。
【特許文献1】 特開2016-201182号公報
【特許文献2】 特開2013-145729号公報
マグネシウム二次電池の過電圧を低くし、かつ放電容量を向上させる
ためには、長期間にわたって負極であるマグネシウム材の表面に不動
態皮膜の生成を抑制することが必要である。しかしながら、特許文献
1に記載されている方法では、マグネシウム二次電池を長期間にわた
って使用すると、電解液の分解などによってマグネシウム材の表面に
新たな不動態皮膜が生成して、2V程度の過電圧が生じ、マグネシウ
ムを電析させる際の効率が低下することがあった。また、特許文献2
に記載されている負極用の材料は、マグネシウム金属の表面に不動態
皮膜が生成すると、その不動態皮膜を除去することが難しい場合があ
った。マグネシウムは、豊富な資源量,高エネルギー密度,安全性,
環境負荷,リサイクル性といった観点から、総合的に優れたエネルギ
ー材料を提供することにある。
下図1のごとく、マグネシウム二次電池用の負極材10は、マグネシ
ウムを含むマグネシウム材11と、マグネシウム材11の少なくとも
一方の表面を被覆する被覆層12とを有し、被覆層12が、塩素、臭
素およびヨウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種のハロゲンと、
マグネシウムとを表面に有する炭素質材料粒子13を含む。
【符号の説明】
10 負極材 11 マグネシウム材 12 被覆層 13 炭素質
材料粒子 21 正極 22 正極集電体 23 正極活物質層
24 負極 25 非水電解液
【特許請求の範囲】
【請求項1】 マグネシウムを含むマグネシウム材と、前記マグネシ
ウム材の少なくとも一方の表面を被覆する被覆層とを有し、前記被覆
層が、塩素、臭素およびヨウ素からなる群より選ばれる少なくとも1
種のハロゲンと、マグネシウムとを表面に有する炭素質材料粒子を含
むマグネシウム二次電池用の負極材。
【請求項2】前記炭素質材料粒子が、SP2炭素-炭素結合を有する
炭素質材料の粒子である請求項1に記載のマグネシウム二次電池用の
負極材。
【請求項3】前記炭素質材料粒子が、グラフェン構造を有する炭素質
材料の粒子である請求項1または2に記載のマグネシウム二次電池用
の負極材。
【請求項4】
正極と、負極と、非水電解液とを含み、前記負極は請求項1~3のい
ずれか一項に記載のマグネシウム二次電池用の負極材を含み、前記マ
グネシウム二次電池用の負極材は、前記被覆層が前記正極に対向する
位置に配置されているマグネシウム二次電池。
【請求項5】前記非水電解液は、下記の一般式(I)で表されるエー
テルと、前記エーテルに溶解したマグネシウム塩を含む請求項4に記
載のまグネシウム二次電池:
【化1】
ただし、上記の一般式(I)において、R1およびR2は、それぞれ
独立して炭素原子数1~4のアルキル基を表し、aは1~5の整数を
表す。
✔ 実用的には、リチウムの代替あるいは廉価製品として普及されて
いくだろうが当面は研究成果とその派生成果がビュー オブ ポイント。
・感染者の8割「マスクせず」/「飲食」「長時間滞在」も要因
国立感染症研究所(上のロゴクリック、北海道新聞)
・英国の豆腐市場はコロナ禍で43億円規模に拡大
🍴 コロナ禍の欧米で「豆腐」が売れている
英国でもコロナで1800万世帯が「ミートレス」に転向しているという。
米国のデータ測定会社ニールセンによると、英国の豆腐市場はコロ
ナ禍で43億円規模に拡大したという。
たとえば、英国の豆腐市場で46%のシェアを持つヨークシャーベース
の企業「The Tofoo Co」は、コロナを経て100万ポンド(約1億3000万
円)の増収を果たす。従来は、外側にチリペッパーがまぶしてあった
り、クリスピーな衣が着せられていたりするものが人気商品だった。
現在の一番人気は、なんの味もついていない『Naked Tofu(裸の豆腐)』。
コロナ禍のあおりで外食が以前ほどは楽しめなくなり、なにより在宅
の時間が増えたことから、ゼロから調理をしたいという欲求が高まっ
てきたからだと、同社CEOのKnibbsさんは言う。背景には、新型コロナ
ウイルスの感染が、移民労働者が密集して働く食肉加工工場で汚染拡
大がある。ハンバーガー好きで知られるトランプ大統領が4月に「食
肉加工工場を閉鎖するな」との大統領命令を出していたが、それでも
米国内の食肉加工工場は次々と稼働停止となり、加工用の家畜が大量
に屠殺。このため、ミートレスな食生活を余儀なくされた消費者が、
代替タンパク源で、肉よりも安い豆腐に流れる。
1999年に米食品医薬品局(FDA)が「大豆のタンパク質が心臓病のリ
スクを下げる可能性」を指摘、このブログで記載したが欧米での豆腐
需要が高まってきている。米国の豆腐売り上げ78%を占める韓国の
メーカー「Pulmuone」の関係者は、米国内の4つの工場は週6日フル
稼働だという。それでも品不足のため、韓国から豆腐商品を輸入する
必要に迫られている。またビーガン食品のメーカー「Foodies Vegan」
でも、豆腐製品「Pumfu」の売り上げは前年比50%アップしている。責
任者は、この好調が続けば今年はPumfuの売り上げだけで1億ドル(約
106億円)になると語る。その他にも、全米に2800店舗を持つ大手ス
ーパーの「Kroger」は、豆腐の売上げが31月中旬から5月下旬にかけて
9%の増加。また7州で101店舗を持つ「Wegmans」は、3月中旬から
5月下旬の売り上げが昨年比でほぼ倍である。ちなみに米国に2つの
工場を持つ日本のメーカー「ハウス食品」の米国内での豆腐の売り上
げも昨年比で8%増。
冷奴・やっこ豆腐・豆腐革命・惣菜革命
電子オーブン・レンジ1つでOK!料理
冷奴(ひややっこ)は、豆腐を使った料理の一つ。奴豆腐(やっこど
うふ)。主に、酒の肴や夏向きの料理として食べられる。冷やした豆
腐(絹ごし豆腐、木綿豆腐の双方が使用される)の上に薬味を載せた
り、調味料を使用して食べる日本の料理である。豆腐は数センチメー
トル角か、あるいは近年は一人分の大きさの直方体に切る。薬味や調
味料は様々なものが使用され、薬味は刻みネギ、削り節、おろしショ
ウガなど、調味料は濃口醤油、唐辛子味噌、その他のタレなど。豆腐
(とうふ)は、大豆の搾り汁(豆乳)を凝固剤(にがり、その他)に
よって固めた加工食品。また説明も不要だが、東アジアと東南アジア
の広範な地域で古くから食されている大豆加工食品であり、とりわけ
中国本土(奥地を含む)、日本、朝鮮半島、台湾、ベトナム、カンボ
ジア、タイ、ミャンマー、マレーシア、インドネシアなどでは日常的
に食されている。加工法や調理法は各国ごとに異なり、豆腐の起源に
ついては諸説あるが、40年前の中国プラント建設には、現地の豆腐
に閉口していた同邦スーパーバイザーに日本のインスタント豆腐をつ
くり提供していたほど、国内の洗練された豆腐が世界を席巻している
が、加工法1つで何にでも化けるのが大豆タンパク。大豆ゼラチン・
牛乳・チーズのラクト・きな粉にもなり、デンプン・パウダーやボタ
ニック・パウダー、動物タンパクパウダーと配合し、天然由来オール・
ラウンド・ミートとなる。豆腐革命による事業創成時代到来!
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ポストコロナと新しい仕事⑤
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