彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる "招き猫”と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
成のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。
18 微 子 び し
--------------------------------------------------------------
「子曰く」「孔子曰く」で始まる章がなく、孔子の行動の記録、およ
び孔子以外の人物についての記述が多い。とくにいわゆる隠者と孔子
とを対比させた章が、興味をひく。「滔滔たるもの、天下みなこれな
り。而してたれとともにかこれを易えん」(6)
われこの人の徒とともにするにあらずして、たれとともにせん」(6)
「君子の仕うるや、その義を行なわんとなり。道の行なわれざるはす
でにこれを知れり」(7)
--------------------------------------------------------------
4.斉は魯の弱体化をはかる謀略から、八十人編成の女歌舞団を魯君
のもとに贈りとどけた。魯の実権を握っていた季桓子はすっかり夢中
になって、朝廷にも出仕しなくなった。さすがの孔子も、ついに魯を
去る決心をした。
〈さすがの孔子も〉 子路はこのとき辞職をすすめたが、孔子は「ま
もなく郊祭がある。そのときいけにえの肉を大夫に分けなかったら辞
職しよう」と答えた。祭りが終わっても、魯公は肉を分けなかった。
孔子はついに失望して、魯を去った。(『史記』による)斉の景公が
孔子を召し抱えようとして、任用の条件を示した。
齊人歸女樂、季桓子受之、三日不朝、孔子行。
Qi sent female band and dance troupe to Lu as a gift. Ji Huan Zi
accepted it and did not attend the palace for three days.
Confucius was disappointed by that and left Lu.
【ポストエネルギー革命序論 291:アフターコロナ時代 101】
現代社会のリスク、エネルギー以外も「分散の時代」
● 環境リスク本位制時代を切り開く
【どこでもソーラー事業】
✺ マイナス環境にも対応したIoTデバイス向け自立型電源
5月13日、株式会社リコーは、室内照明のような微弱な光におい
ても高い発電性能を発揮する固体型色素増感太陽電池モジュール
「RICOH EHDSSCシリーズ」の新製品を2021年 5月下旬から提供開
始。新製品は、最大出力を従来製品の約20%向上させたほか、
マイナス30℃までの低温環境下でも対応可能。照明機能の付いた
冷凍用の倉庫やショーケース内のセンシングをはじめとする多種
多様な環境で使用することがでる。IoTデバイスの自立型電源と
して、製造・物流、スマートオフィス/ホーム、介護・医療(医
薬品の保管)など向けに、IoTデバイスを供給する事業者様に提
供。新製品は、3種類のラインアップやサイズは従来のままで、
製品評価用として3種類のモジュールがそれぞれ3個入った
Evaluation Setを有償(オープン価格)にて新たにご提供。すべ
てのモノがインターネットにつながるIoT(Internet of Things
)社会では、モノに取り付けられた各種センサの情報をインター
ネット経由で収集しモノの状態や位置などを把握することで、快
適な生活を可能にしていく。
今後、さまざまなモノへのセンサー搭載拡大が予想されるなかで、
それらのセンサーを常時稼働させる自立型電源として、身のまわ
りにある光や熱、振動などから発電するエネルギーハーベスト(
環境発電)が注目されている。
リコーの固体型色素増感太陽電池は、リコーが複合機の開発で培
った有機感光体の技術を応用して開発したもの、従来の液体型色
素増感太陽電池における電解液を有機半導体材料等で構成してお
り、電解液を用いる電池が抱える液漏れや腐食といった安全性や
耐久性に対する課題を解決。また、室内光源波長に適した有機材
料の設計および、デバイス構造の最適化を実現することにより、
倉庫などの明るさの十分でない場所でも高効率の発電を実現。
【ウイルス解体新書㉗】
序 章 ウイルスとは何か
第1章 ウイルス現象学
第1節 免疫とはなにか
1-5-1 特許事例:免疫応答を高める方法
第2節 感染症法での取扱い
第3節 水際検査体制(未然感染防止)
第4節 自国のワクチン及び治療薬開発体制
4-1 国産ワクチン開発:新型コロナウイルス
4-1-1 予算も研究開発活動も限定的
コロナワクチンの開発で日本が出遅れた背景
4-1-2 国産ワクチン実用化の壁
4-1-2-2 規制の弾力的運用を
第5節 感染パンデミック監視体制<
第6節 エマージェンシーウイルスの系譜
第7節 嗅覚障害
第8節 新型コロナ
9-1 検査方法・装置設備
9-2 ワクチン
9-2-1 変異ウイルスとワクチン
9-2-2 ファイザー社製中和作用型ワクチン
9-2-2-1 日本国内での接種効果
1.2回接種、9割に変異株抗体 ファイザー製ワクチン
9-2-3 ワクチン製造技術最前線
米ファイザーと独ビオンテックのmRNAワクチンは、昨年12月に英国、
米国、欧州などで承認(緊急使用許可や条件付き承認を含む)され、
これまでに40カ国以上で承認を得ています。米モデルナのワクチンも
昨年12月に米国で緊急使用が認められ、今年1月には欧州でも承認を
取得。英アストラゼネカのワクチンは、英国やインド、欧州などで承
認を取得。
注.WHOの5月4日時点のまとめによると、現在、臨床試験に入っている
COVID-19ワクチン候補は96種類。このほかに184種類が前臨床の段階。
日本では、2月14日にファイザーとビオンテックのワクチンが特例承認
を取得。同17日から医療従事者への接種が始まる。2月5日にはアスト
ラゼネカが、3月5日にはモデルナのワクチンを日本で供給する武田薬
品がそれぞれ承認申請を行っており5月にも承認される見込み。ファイ
ザー/ビオンテックとモデルナのワクチンは、いずれも数万人規模で行
われた臨床試験で95%前後の予防効果を示した。英アストラゼネカと同
オックスフォード大が共同開発しているウイルスベクターワクチンも、
2レジメンの平均で70%の有効性が確認されたとするP3試験の中間解析
結果を発表。
● 「ファイザー」ワクチン
アメリカの製薬大手ファイザーはドイツのバイオ企業、ビオンテック
と共同でワクチンを開発し、2020年12月からイギリスやアメリカなど
で接種が始まる。日本国内では2021年2月12日に承認され、2月17日か
ら医療従事者を対象にした先行接種が始まり、4月12日からは各地で高
齢者の接種が始まる。政府は年内に7200万人分の供給を受ける契約を
結んでいて、さらに2500万人分の供給を受けられるよう調整を進めて
いる。接種の対象は16歳以上だが、アメリカでは食品医薬品局が2021
年5月10日、緊急使用の許可の対象を12歳から15歳にも拡大。
mRNAワクチン
このワクチンは、遺伝物質のメッセンジャーRNAを使い、メッセンジャ
ーRNAワクチン、もしくは頭文字をとって「mRNAワクチン」と呼ぶ。新
型コロナウイルスが細胞に感染するときの足がかりとなるスパイクた
んぱく質を作るための遺伝情報を含む物質、「mRNA」を投与する仕組
み。「mRNA」はいわば設計図のようなもので、体内の細胞によりスパ
イクたんぱく質が作られ、その後、免疫の仕組みが働き、ウイルスを
攻撃する抗体を作るよう促します。実際のウイルスは使っておらず、
ワクチンを接種することで新型コロナウイルスに感染することはない。
特徴
☑接種方法:回数:接種方法は筋肉注射で、皮下脂肪の奥にある筋肉
に打つ注射の方法で、肩に近い腕の部分、上腕部に注射針を直角に刺
して接種。1回目の接種のあと、通常3週間あけて2回目の接種を受ける。
☑保管方法:接種方法は筋肉注射で、皮下脂肪の奥にある筋肉に打つ
注射の方法で、肩に近い腕の部分、上腕部に注射針を直角に刺して接
種する。1回目の接種のあと、通常3週間あけて2回目の接種を受ける。
☑保管方法:ファイザーのワクチンは当初、マイナス90度からマイナ
ス60度の超低温の冷凍庫での保管が必要とされてきたが、現在は、マ
イナス25度からマイナス15度の状態で最長で14日間保管する方法が認
められている。接種前に解凍すると、2度から8度の冷蔵庫で保管し、
5日以内に使い切る必要がある。
☑有効性は:このワクチンは、臨床試験だけでなく、実社会での接種
の有効性も示されている。▼臨床試験の結果をまとめた論文によると
ま発症を予防する効果が95%で▼接種が速いペースで進むイスラエル
での接種の結果をまとめた論文によると、▽発症を予防する効果が94
%、▽重症化を防ぐ効果が92%、▽無症状の人も含めて感染を防ぐ効
果が92%だった。また、ファイザーとビオンテックは2021年4月1日に
プレスリリースを出し、接種から6か月たった時点で解析した発症を防
ぐ効果は91.3%で、重症化を防ぐ効果は100%である。
☑変異ウイルスに効くか:日本国内でも広がってきているイギリスで
見つかった感染力の強い変異ウイルスには高い有効性が見られている。
ファイザーとビオンテックなどが発表した論文によると、ファイザー
のワクチンは細胞レベルでの実験では、イギリスやブラジルで見つか
った変異ウイルスに対しては、働きを抑える効果が従来のウイルスと
ほぼ変わらなかったほか、南アフリカで見つかった変異ウイルスに対
しては、効果は低かったものの十分だった。また、イギリスで見つか
った変異ウイルスが流行していたイスラエルでは高い有効性が確認さ
れている。
☑副反応は:2021年4月30日にワクチンの副反応の専門部会で示された
厚生労働省の研究班の資料によりますと、ファイザーのワクチンは2
回目の接種を終えた時点で▼けん怠感が出た人は1回目の接種後は23.2
%、2回目の接種後は69.6%、▼頭痛が1回目の接種後は21.2%、2回目
の接種後は53.7%、▼37度5分以上の発熱が1回目の接種後は3.3%、2
回目の接種後は38.4%などとなっている。(2021年5月11日時点)
❏ EP0640096A1 ユニバーサルコロナウイルスワクチン ファイザー・インク
【概要】異なる宿主種および異なるコロナウイルスに対する防御免疫
応答を誘発する普遍的なワクチンが開示されている。コロナウイルス
Sタンパク質のC末端部分に見られる相同配列に対する防御抗体を誘発
するポリペプチドが開示されている。 ポリペプチドまたはポリペプチ
ドをコードする核酸のいずれかを含むワクチンも開示されている。コ
ロナウイルス感染から宿主を保護する方法が開示されている。
【特許請求範囲】
1.コロナウイルスまたはその免疫原性フラグメントまたは誘導体の普
遍的な保存ドメインを含むポリペプチド;前記Sタンパク質の完全なア
ミノ酸配列未満を有する前記ポリペプチド。
2.薬学的に許容される担体または希釈剤、およびコロナウイルスの普
遍的な保存ドメインまたはその免疫原性フラグメントまたは誘導体を
含むポリペプチドを含むワクチン。前記Sタンパク質の完全なアミノ
酸配列未満を有する前記ポリペプチド。
3.コロナウイルスの普遍的な保存ドメインまたはその免疫原性フラグ
メントまたは誘導体を含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配
列を含む核酸分子。前記Sタンパク質の完全なアミノ酸配列未満を有
する前記ポリペプチド。
4.核酸分子を含む組換えワクチンであって、コロナウイルスの普遍的
な保存ドメインまたはその免疫原性フラグメントまたは誘導体を含む
ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む前記核酸分子。前
記Sタンパク質の完全なアミノ酸配列未満を有する前記ポリペプチド。
5.コロナウイルスの普遍的な保存ドメインまたはその免疫原性フラグ
メントまたは誘導体を含むポリペプチドを投与することを含む、コロ
ナウイルスから動物を保護する方法。前記Sタンパク質の完全なアミ
ノ酸配列未満を有する前記ポリペプチド。
6.コロナウイルスの普遍的な保存ドメインまたはその免疫原性フラグ
メントまたは誘導体を含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配
列を含む核酸分子を投与することを含む、コロナウイルスから動物を
保護する方法。前記Sタンパク質の完全なアミノ酸配列未満を有する
前記ポリペプチド。
注1.❏BNT162b2ワクチン誘発血清によるN501Y変異SARS-CoV-2の
中和 doi: https://doi.org/10.1101/2021.01.07.425740
【概要】英国と南アフリカで発生したSARS-CoV-2の急速に広がる変異
体は、スパイクN501Y置換を共有する。これは、細胞侵入のためのウイ
ルス受容体結合部位に位置し、受容体への結合を増加させるため、特
に懸念される( アンジオテンシン変換酵素2)。 同質遺伝子のN501お
よびY501SARS-CoV-2を生成した。以前に報告されたmRNAベースのCOVI
D-19ワクチンBNT162b2の試験に参加した20人の血清は、N501および
Y501ウイルスと同等の中和力価を示した。
注2.❏COVID-19に対するワクチンのウイルス標的:Nature Reviews
Immunology volume 21, pages 73?82 (2021)
【概要】ワクチンは、コロナウイルス病2019(COVID-19)のパンデミ
ックを制御し、パンデミック前の正常な状態に戻るのを助けるために
必要とされる。非常に多くのワクチン候補が開発されており、そのう
ちのいくつかは後期臨床試験を完了し、肯定的な結果を報告している。
この進捗状況の記事では、ここでは、COVID-19ワクチン候補で使用さ
れているウイルス要素、それらが免疫系の優れた標的として機能する
理由、および防御免疫への影響について概説されている。
図 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)には、4つ
の主要な構造タンパク質が含まれる。ビリオン表面に埋め込まれてい
るスパイク(S)、膜(M)、エンベロープ(E)タンパク質、およびヌ
クレオカプシド(N)タンパク質です。これは、ビリオン内のウイルス
RNAに結合する。融合前のコンフォメーションのSタンパク質三量体が
示す。 Sタンパク質は、S1サブユニット(N末端ドメイン(NTD)と受
容体結合ドメイン(RBD)を含む)(RBD内の受容体結合モチーフ(RBM)
もラベル付けされる)とS2サブユニット(融合ペプチド(FP)、接続
領域(CR)、ヘプタッドリピート1(HR1)、ヘプタッドリピート(HR2)、
中央ヘリックス(CH)が含まれる。 SARS-CoV-2 Sタンパク質は、RBD
を介してその宿主受容体である二量体のヒトアンジオテンシン変換酵
素2(hACE2)に結合し、S1サブユニットを解離する。S1?S2とS2 'の両
方の部位での切断により、ウイルスと宿主の膜融合に必要なS2サブユ
ニットの構造的再配列が可能となる。融合後の配置のS2三量体が示さ
れている。 RBDは魅力的なワクチンターゲットである。 RBDダイマー
またはRBDトリマーの生成は、RBDベースのワクチンの免疫原性を高め
ることが示される。 C末端の三量体タグで示される安定化されたS三量
体はワクチンの標的。融合前のSタンパク質は、一般にin vitroでの調
製中に準安定であり、融合後のコンフォメーションに変化する傾向が
ある。 2つの残基(K986およびV987)をプロリンに変異させると、Sタ
ンパク質(S-2P)が安定し、融合前から融合後の構造変化が防止され
る。(後略)
● 「モデルナ」ワクチン
⛨ アメリカの製薬会社、モデルナのワクチンは、2020年12月以降、
アメリカなどで接種が始まる。日本国内では製薬大手の武田薬品工業
が行った臨床試験の結果に基づいて現在、承認に向けた審査が行われ
ていて、厚生労働省は2021年5月20日に承認の可否を判断する方向で最
終調整。日本政府は2021年9月までに2500万人分のワクチンを供給する
契約を交わしている。接種の対象は18歳以上となっていて、政府は東
京と大阪での開設を目指している大規模な接種センターで使用するこ
とを検討中である。
mRNAワクチン
このワクチンは、ファイザーのワクチンと同じタイプで、遺伝物質の
メッセンジャーRNAを使い、メッセンジャーRNAワクチン、もしくは頭
文字をとって「mRNAワクチン」と呼ばれています。新型コロナウイル
スが細胞に感染するときの足がかりとなるスパイクたんぱく質を作る
ための遺伝情報を含む物質、「mRNA」を投与する仕組み。「mRNA」は
いわば設計図のようなもので、体内の細胞によってスパイクたんぱく
質が作られ、その後、免疫の仕組みが働き、ウイルスを攻撃する抗体
を作るよう促す。実際のウイルスは使っておらず、ワクチンを接種す
ることで新型コロナウイルスに感染することはない。(「モデルナ」
のワクチンとは? 新型コロナ、NHK)
特徴
☑接種方法、回数:接種方法は筋肉注射で、皮下脂肪の奥にある筋肉
に打つ注射の方法で、肩に近い腕の部分、上腕部に注射針を直角に刺
して接種します。1回目の接種のあと、通常4週間あけて2回目の接種を
受ける。
☑保管方法:モデルナのワクチンは、アメリカのCDC=疾病対策センタ
ーによりますと、マイナス50度からマイナス15度の冷凍庫で保管し、
医療機関では2度から8度の冷蔵庫で30日間保管できるということです
。接種を行うときには室温などで解凍し、未開封の場合は8度から25度
の室温で使える状態を24時間保つことができます。
☑有効性は:臨床試験の結果をまとめた論文によると、発症を防ぐ効
果が94.1%だった。また、モデルナとアメリカの国立アレルギー感染
症研究所などが2021年4月6日に発表した論文によると、初期の臨床試
験に参加した人のうち、33人について2回目の接種から6か月後に抗体
の働きを示す数値を測ったところ、▼18歳から55歳、▼56歳から70歳、
▼71歳以上のいずれの年代でも抗体の量は減少したものの、十分あっ
たとのこと。
☑変異ウイルスに効くか:モデルナなどが発表した論文によると、細
胞を使った実験で▽イギリスで見つかった変異ウイルスに対しては、
効果に目立った変化はない、▽南アフリカで見つかった変異ウイルス
に対しては、抗体の働きを示す値がおよそ6分の1に、▽ブラジルで見
つかった変異ウイルスに対してはおよそ3分の1になったす。ただ、会
社では抗体の働きを示す値はいずれの変異ウイルスに対してもワクチ
ンとして必要なレベルは上回っていたとしている。
☑副反応は:アメリカのCDCによりますと、臨床試験のデータでは18歳
から64歳の人で▼けん怠感が出た人が1回目の接種後は38.5%、2回目
の接種後は67.6%、▼頭痛が1回目の接種後は35.4%、2回目の接種後
は62.8%、▼発熱が1回目の接種後は0.9%、2回目の接種後は17.4%な
ど。(以上は、2021年5月11日時点)
--------------------------------------------------------------
❏ US10272150B2 組み合わせPIV3/hMPVRNAワクチン モデルナ・インク
【概要】呼吸器ウイルスリボ核酸(RNA)ワクチンおよび混合ワク
チン、ならびにワクチンおよびワクチンを含む組成物を使用する方法
に関する。
【特許請求範囲】
1.対象に呼吸器ウイルスワクチンを投与することを含む方法。
(a)抗原性ヒトパラインフルエンザウイルス3型(hPIV3)融合(F)
タンパク質をコードするオープンリーディングフレームを含む単離さ
れたメッセンジャーリボ核酸(mRNA)ポリヌクレオチド;そして
(b)抗原性ヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質をコード
するオープンリーディングフレームを含む単離されたmRNAポリヌクレ
オチド、20~60%のイオン化可能なカチオン性脂質、5~25%の非カチ
オン性脂質、25~55%のステロール、および0.5~15%のPEG修飾脂質
のモル比を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子で処方され、
ここで、(a)の単離されたmRNAポリヌクレオチドおよび(b)
の単離されたmRNAポリヌクレオチドは、自己複製RNAではなく、
ワクチンは、対象において免疫応答を誘導するために有効量で対象に
投与される。
2.(a)および/または(b)の単離されたmRNAポリヌクレオチ
ドが、5 '末端キャップ、7mG(5')pp(5 ')NlmpNp
をさらにコードする、請求項1に記載の方法。
3.(a)および/または(b)のオープンリーディングフレーム中の
ウラシルの少なくとも80%が、N1-メチル-シュードウリジンま
たはN1-エチル-シュードウリジンから選択される化学修飾を有す
る、請求項1に記載の方法。
4.化学修飾がウラシルの5位にある、請求項3に記載の方法。
5.ワクチン接種された対象におけるワクチンの有効性が、ワクチンの
単回投与後、ワクチン接種されていない対象と比較して少なくとも60
%である、請求項1に記載の方法。
6.ワクチン接種された対象におけるワクチンの有効性が、ワクチンの
単回投与後、ワクチン接種されていない対象と比較して少なくとも73
%である、請求項5に記載の方法。
7.クチンの単回投与後、ワクチン接種された対象におけるワクチンの
有効性が、ワクチン接種されていない対象と比較して少なくとも80%
である、請求項6に記載の方法。
8.ワクチン接種された対象におけるワクチンの有効性が、ワクチンの
単回投与後、ワクチン接種されていない対象と比較して少なくとも90
%である、請求項7に記載の方法。
9.有効量が、ワクチンの少なくとも1回の用量でワクチン接種された
対象の血清において測定される、検出可能なレベルのhPIV3 Fタ
ンパク質および/またはhMPV Fタンパク質を生成するのに十分で
ある、請求項1に記載の方法。管理。
10.有効量が、ワクチン接種された対象の血清中で測定される、抗原性
hPIV3 Fタンパク質および/または抗原性hMPV Fタンパク
質に対する中和抗体によって生成される1,000~10,000中
和力価を生成するのに十分である、請求項1に記載の方法。投与後1~
72時間で少なくとも1回のワクチン投与。
11.前記hPIV3関連および/またはhMPV関連疾患の抗体依存性
増強(ADE)の非存在下で、1,000~10,000の中和力価
が生成される、請求項10に記載の方法。
12.hPIV3関連および/またはhMPV関連疾患が間質性肺炎の間
質性肺炎である、請求項11に記載の方法。
13.前記ワクチンの少なくとも1つの用量でワクチン接種された対象に
おいて産生された抗hPIV3 Fタンパク質抗体力価および/または
抗hMPV Fタンパク質抗体力価が、対照は、対照が、hPIV3お
よび/またはhMPVに対するワクチンを投与されていない対象にお
いて産生された抗hPIV3 Fタンパク質抗体力価および/または抗
hMPV Fタンパク質抗体力価である。
14. 少なくとも1用量のワクチンでワクチン接種された対象において
産生された抗hPIV3 Fタンパク質抗体力価および/または抗hM
PV Fタンパク質抗体力価が、対照と比較して少なくとも2倍増加す
る、請求項1に記載の方法。ここで、対照は、hPIV3および/ま
たはhMPVに対するワクチンを投与されていない対象において産生
された抗hPIV3 Fタンパク質抗体力価および/または抗hMPV
Fタンパク質抗体力価である。
15.有効量が25μg~200μgの総用量である、請求項1に記載
の方法。
16.有効量が25μg~100μgの総用量である、請求項15に記
載の方法。
17.イオン化可能なカチオン性脂質が以下の化合物を含む、請求項1
に記載の方法:
18.抗原性hPIV3 Fタンパク質が、配列番号13によって同定さ
れるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ
酸配列を含む、請求項1に記載の方法。
19.抗原性hPIV3 Fタンパク質が、配列番号13によって同定さ
れるアミノ酸配列を含む、請求項18に記載の方法。
20.抗原性hMPV Fタンパク質が、配列番号5によって同定される
アミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配
列を含む、請求項1に記載の方法。
21.抗原性hMPV Fタンパク質が、配列番号5によって同定される
アミノ酸配列を含む、請求項20に記載の方法。
22.(a)の単離されたmRNAポリヌクレオチドが、配列番号64に
よって同定されたRNA配列に対して少なくとも90%の同一性を有
するヌクレオチド配列を含むオープンリーディングフレームを含む、
請求項1に記載の方法。
23.(a)の単離されたmRNAポリヌクレオチドが、配列番号64に
よって同定されたヌクレオチド配列を含むオープンリーディングフレ
ームを含む、請求項22に記載の方法。
24.(b)の単離されたmRNAポリヌクレオチドが、配列番号57に
よって同定されたRNA配列に対して少なくとも90%の同一性を有
するヌクレオチド配列を含むオープンリーディングフレームを含む、
請求項1に記載の方法。
25.(b)の単離されたmRNAポリヌクレオチドが、配列番号57に
よって同定されたヌクレオチド配列を含むオープンリーディングフレ
ームを含む、請求項24に記載の方法。
❏ US10703789 分泌タンパク質の産生のための修飾ポリヌクレオチド
モデルナ・インク
【概要】平均粒子サイズが80nm~160 nmであり、ポリペプチドをコー
ドする修飾mRNAを含む複数の脂質ナノ粒子を含む医薬組成物。リピド
ナノ粒子には、カチオン性脂質、中性脂質、コレステロール、および
PEG脂質が含まれます。 mRNAは、5 'キャップ、5'-UTR、N1メチルシュ
ードウリジン、3'-UTR、および少なくとも100個のヌクレオチドとポリ
A領域を含む。
この項つづく
9-3 治療薬
9-4 中和抗体/抗ウイルス薬
9-4-1 バムラニビマブ/エテセビマブ
新型コロナウィルス感染症の新しい治療方法が開発された『抗体治療』
使用する抗体製剤は、『バムラニビマブ』と『エテセビマブ』。2つ
の抗体製剤を組み合わせることで、体内の新型コロナウィルスの量を
減らすことに成功。これらの製剤は、米国イーライリリー社が開発。
(via 新型コロナウィルス治療の新しい薬、バムラニビマブとエテセ
ビマブ、佐藤脳神経外科)
9-5 「ワンヘルス」にもとづく発生監視
9-6 生物兵器対策
9-6-1 脅威に懸念 防御後手
全世界で既に335万人以上の死者を出した新型コロナウイルスは悪意
のもとに作られたものではない。ゲノム解析によって、他の新型の病
原体の多くと同様、人間の手で合成されたのではなく、自然淘汰の末
に発生したものと考えられている。だがたとえ悪意ある者が意図的に
合成し世界にばらまいたものだとしても、結果は現状とさして変わら
ないだろう。米ミドルベリー国際問題研究所のリチャード・ピルチ氏
は「新型コロナの感染拡大により生物学的な脅威に対して米経済と世
界経済が脆弱なことが明らかになった。このことはもし生物兵器によ
る攻撃を受けたら、その打撃はとてつもなく大きくなることを示して
いる」と言う。(via.生物兵器、脅威に懸念 防御後手(The Economist):
日本経済新聞、2020.5.5)
9-6-2 2001年米国の炭疽菌事件
アメリカ炭疽菌事件(2001 anthrax attacks, FBIファイル名:Amer
ithrax)は、2001年9月18日と10月9日の二度にわたり、アメリカ合衆
国の大手テレビ局や出版社、上院議員に対し、炭疽菌が封入された容
器の入った封筒が送りつけられたバイオテロ事件である。この炭疽菌
の感染により、5名が肺炭疽を発症し死亡、17名が負傷した。 同時
多発テロ事件の7日後に発生したこの事件はアメリカ全土を震撼させ、
事件の捜査はFBI曰く「アメリカの司法史上最も大規模かつ複雑なも
ののひとつ」となった。だが今、こうした懸念から生物兵器の脅威に
対する関心が再び高まっている。
注1.Timeline: How The Anthrax Terror Unfolded : NPR、2011.2.15
注2.COVID-19 vaccine: Lessons from 2001's anthrax attacks -
ABC News、2020.10.14
生物兵器は理論上は禁止されている。平和的利用目的以外のあらゆる
生物剤の生産や貯蔵を禁じる1975年に発効した生物兵器禁止条約(BWC)
にはほとんどの国が加盟している。だが、生物兵器の製造を秘密裏に
進めたり、いつでも製造に移せる態勢を整えたりしている国はあると
米国は、北朝鮮が生物兵器を攻撃に使う計画を継続していると非難し、
中国やイラン、ロシアは軍事利用にも転用できる研究に手を染めてい
ると主張する。リシンなどの猛毒物質は、通常の方法ではアクセスで
きない闇サイト群「ダークウェブ」上で売買されているという。
新型コロナ感染拡大から得られた教訓は単純明快ではないが、生物兵
器による脅威への対策が今後重視されることは間違いなさそうだ。米
国土安全保障省は、過激集団(編集注、米国の白人至上主義者やネオ
ナチの集団と報道されている)がこの新型コロナを意図的に拡散させ
ようとしたと警告。件のピルチ氏は新型コロナが「生物兵器にどんな
生物剤を使うかに関する長年の常識を変えつつある」と指摘する。も
っとも生物兵器に使われる病原体の多くは、呼吸器系ウイルスとは複
数の重要な点で異なる傾向があるという。
9-6-3 米ロ、今も根絶した天然痘ウイルスを保有
炭疽菌のような細菌は耐久性が高い芽胞を形成するので、スプレーな
どで飛散させられるが、人から人に感染しないため攻撃側が負うリス
クを最小限に抑えられる強みがある。つまり生物兵器の大半は、新型
コロナとは異なり限られた場所でしか効力を発揮しないが例外として
天然痘ウイルスがある。天然痘は1979年に根絶されたが、当時のソ連
が米国への攻撃(だが欧州は対象外)を想定して保持し、今では米国
とロシアの研究所2カ所のみがウイルスを保有する。
今回のパンデミックへの各国政府の対応の遅れや場当たり的な対応は、
各国政府のウイルス感染拡大への体制がいかに脆弱かを露呈した。米
ジョージメイソン大学のグレゴリー・コブレンツ准教授は、今回の染
拡大で生物兵器による攻撃への対応に必要な要素はほぼ全てはっきり
した。だが我々が目にしているのは、公衆衛生インフラのあらゆる部
分が崩壊しているか、限界に直面しているという事実だという。同氏
は、米国の生物攻撃監視体制の中核を担う迅速な検査のための研究所
ネットワークが機能していない上、マスクの国家備蓄もこの10年ほと
んど補充されていなかったと指摘する。
9-6-4 ゲノム編集可能になり生物兵器も新世代に
各国政府は新たな世代の生物兵器による脅威への懸念も募らせている。
米情報機関は2016年、ゲノム編集を国家安全保障の脅威に初めて指定
した。その2年後、科学、技術、医学分野の全米アカデミーは、様々
な臓器をつくり出したり、人工的に作り替えたりするのを可能にする
一連の合成生物学の手法が、いずれ天然痘のようなウイルスを再び創
成したり、既存の病原体を抗生物質が効かないもっと危険なものに変
える強力な技術になり得るとして警鐘を鳴らした。
2012年5月2日、東京大学医科学研究所の河岡義裕教授らは、強毒性の
鳥インフルエンザウイルス「H5N1」が哺乳類同士でも感染する仕組み
を解明した。将来大勢の死者を出す懸念がある新型インフルエンザの
病原体になる可能性を示す成果で、論文が3日、英科学誌ネイチャー
(電子版)に掲載。世界的な大流行(パンデミック)を回避する予防
ワクチン開発に道を開く。同論文を巡っては、米政府が生物テロに悪
用されかねないとして、掲載前、出版元に内容の一部削除を求め、論
争を巻き起こしている。河岡教授らは、イタチの一種で哺乳類のフェ
レットで実験をした。遺伝子操作で感染に関わる2つのアミノ酸を改
変したH5N1をフェレットに投与、鼻の粘膜で増えることを確認した。
さらに、感染したフェレットとそうでないフェレットとを狭い空間で
一緒に飼育すると、飛沫感染することが判明。ウイルスを採取して調
べると、アミノ酸が4つ変異しており、このわずかな変化で、哺乳類
同士で感染すると結論づけた。H5N1はこの十数年、主にアジアや中東
地域で散発的に鳥の間で流行している。濃厚接触によって鳥から人に
うつる例も報告されており、致死率は約60%。ただ、人から人へ感染
するかどうかは意見が分かれており、ウイルスにどのような変異が必
要なのかも、よく分かっていない。哺乳類同士でも感染することが今
回明らかになり、人への脅威にもなりうることが分かった。河岡教授
によると、4つの変異のうち、すでに2つは、最近エジプトで鳥から
見つかったH5N1で確認されているという。「エジプト株を参考にした
ワクチン製造、備蓄を急ぐ必要がある」と話す。
オランダ政府はこれに関連する論文を同国の輸出管理法の対象にして
いる。また、今年1月には、米バイオ企業から資金援助を受けたカナ
ダの研究チームが、ドイツから得た合成DNAを使い天然痘ウイルスに
深く関係する病原体の合成に成功し、ウイルスの合成がいかに簡単か
を示した。ピルチ氏は悪意ある人間が新型コロナを使って生物兵器を
作ろうとすれば、今なら世界中の研究所でウイルスそのものを入手で
きるし、最初から作り出すためのウイルスの設計図も科学論文に公表
されていると指摘する。
9-6-5 国連の原因不明の生物学的事象担当者はゼロ
ホワイトハウスで生物兵器担当顧問を務めたダン・カゼタ氏は、問題
は、生物兵器による攻撃に対する防衛の進歩のペースが遅すぎるこを
指摘し、化学兵器の脅威を検知して兵士にガスマスクを着用するよう
警告する小型の装置は以前からあるが、炭疽菌などスプレーでまくこ
とができる病原体を検知するものは存在しないとし、炭疽菌なのか樹
木花粉かは数秒で見分けられるものではないと。国際的にこの問題に
はあまり注意は払われてこなかった。大量破壊兵器の攻撃や事故防止
に取り組む米NPO、核脅威イニシアチブ(NTI)のベス・キャメロン副
総裁は「甚大な被害をもたらす原因不明の生物学的事象を担当する人
が国連組織内には一人もいない」と指摘する。また生物兵器禁止条約
は「乏しい予算」で運営される現状を吐露する。新型コロナとの闘い
には各国の軍事研究所が既に深く関わっているが、政府予算の規模は
民間がウイルス対策に投じる巨額の資金に比べわずか。それでも、も
っと優れた検査体制とワクチンの開発を短期間で達成させようとする
ことで、新型コロナだけでなく幅広い生物剤にも有用な基盤技術を生
み出せるかもしれない。例えば炭疽菌のワクチンは存在するが、5回
の接種が必要であり煩わしい。自然発生でも合成でもウイルスに有効
な広範囲に適用できる抗ウイルス剤やワクチンの開発こそが「目指す
べき究極の目標」だという。
9-7 公衆衛生
第10節 ウイルスとともに生きる
10-1 バイオハザード対策の発展史
10-2 高度隔離施設の現場へ
10-3 病原体の管理基準
10-4 根絶の時代から共生時代
この項つづく
風蕭々と碧い時代;
● 今夜の寸評: