Quantcast
Channel: 極東極楽 ごくとうごくらく
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2435

超刺激的な毎日⑦

$
0
0

 ここは休息がいる...か。

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる "招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん 」

 

【男子厨房に立ちて環境リスクを考える:アサリ偽装篇】
熊本産アサリ出荷停止、異例の“即断”の背景

8日から大量の外国産輸入アサリが「熊本県産」に偽装されている問
題県産アサリの出荷が停止される。蒲島郁夫知事が流通を止めるとい
う異例の対応に踏み切った背景には「水俣病の教訓」があった。生活
の根幹を支える「食」。行政の初期対応の遅れで被害拡大を招いた
“失態”を繰り返さないため即断したという(➲熊本産アサリ出荷
停止、異例の“即断”の背景にあった教訓、西日本新聞、2022.2.7)。
また、これに先だつ、3日には、テレビ朝日系では「熊本産アサリ”
偽装は『かなり前から…』業者が告白」との情報が公開、水俣病の公
式確認は1956年。当時、国は「全ての魚介が有毒化しているとは認め
られない」として、漁獲禁止の措置を見送った。蒲島氏も度々「魚を
取ることを禁止しておけば多くの方が苦しまなかった」などと語る。
 


大量の外国産アサリが「熊本県産」に偽装されていた問題の背景の一
つに、海の異変がある。最盛期には全国のアサリの4割を占める一大
産地だった有明海・八代海に、当時の面影はなく、2020年の漁獲量は
わずか21トン。「本当は違法行為なんてしたくない」。偽装根絶で、
再び生活の糧を失う漁協や漁民は、声にならない悲鳴を上げる。アサ
リの産地偽装はたびたび発覚。国や県が指導し、警察が摘発しても根
絶には至らなかった。中国や韓国から輸入された生鮮アサリは一定期
間、蓄養され海で蓄養するには漁業権が必要で、漁民でつくる組合が
請け負う。組合側は漁協に「漁場代」を支払う。ここまでは合法だ。
蓄養されたアサリは業者が市場に卸す。この養殖場と市場をつなぐ業
者の段階で産地がすり替わる。これが消費者の信頼を裏切る違法行為
に当たる。食品表示法には、原産国表示を原則とする一方、2カ所以
上で成育した場合は期間が長い方を原産地と表示できるルールがある。
県北部の漁協の男性組合長は「アサリの生育期間は1年半。ここで1
年蓄養すれば県産を名乗れるが、そのペースでは利益が出ない」と明
かす。蒲島郁夫知事は、この表示ルールそのものの見直しを国に要請
する。偽装横行の背景には、貝の成育環境の悪化も影響している。県
によると、県内のアサリの漁獲量の最盛期は1977年の6万5732トン。だ
が、近年のピークは2011年の1922トン。19年は339トン、20年には21ト
ンに下落した。県内の組合長は「業界は変わるべき時に、変われなか
った」と悔やむ。別の漁業関係者は問い掛ける。「気候変動の大雨で
大量の淡水やヘドロが流れ込み、大型公共工事や事業所が海を汚す。
私たちからアサリを奪った責任はないのか」と話す。


図 シジミ類ミトコンドリアDNA分析(ヤマトシジミ)

畜養場と市場をつなぐブローカーとは
ここで、畜養と市場をつなぐ業者(ブローカー)とはにどんなもの少
し考えてみよう。介在する独立した第三者として他人間の商行為の媒
介を業とする者で、仲立人ともよばれ、特定の商人に従属していない
点で代理商と異なる。自由に市場を往来し、買い手のために売り手を
探し、売り手のために買い手を探すところに特色がある。媒介が成立
したときには、ブローカレージ(brokerage)とよばれる仲立手数料を受
け取る。法律上は売り手と買い手の双方が受益者であり、均分して仲
立手数料を負担することにしているが、実際には、売却もしくは購入
を先に依頼した側が取引金額の一定歩合を支払うのが普通。

 しかし、元請け、下請け、孫請け、それぞれの企業に管理部門が存
在しており、その分だけ人件費が余計にかかる。各企業は利益を上げ
る必要があることから、再委託されるたびに業務の付加価値は減って
いく。例えば、システム開発を(1人のシステムエンジニアが1カ月で
行う作業量の対価として)150万円で顧客が発注しても、元請け企業が
40万円を中抜きすれば下請け企業には110万円しか渡らない。さらに
下請け企業が30万円を中抜きすると孫請け企業は80万円で仕事を受け
ることになるため、最終的には単価が半分近くになってしまう。

 流通でも似たような現象が起きている。日本の流通コストは諸外国
よりも高いとされるが、その理由は販売会社の数が多過ぎ、多くのム
ダが発生しているからである。中抜きを排除するなど産業構造をシン
プルにするだけで賃金は大幅に上昇し、余剰となった労働力が他の生
産に従事すれば、GDPの絶対値も増える。  


図 中国産アサリの迅速判別法

 こうした産業の合理化は失業を増やしたり、中小企業の経営を圧迫
するとの見方があるがそうではない。確かにアメリカは日本よりも人
口当たりの企業数が少ないが、アメリカと同レベルの生産性を誇るド
イツは日本並みの企業数で、中小企業の比率も高い。だがドイツの中
小企業の利益率は大企業と同等か、むしろ高くなっており、中小企業
=低付加価値にはなっていない。日本の問題は付加価値の低い中小企
業が多いことであり、その原因の1つがこうした産業構造にあると考
えられる。政府の事業はもちろんのこと、民間でも再委託の慣習は可
能な限り排除していく必要があると指摘されている(➲日本人を貧
しくする商習慣「中抜き」がヤバい訳、ニューズウィーク日本版、2020.
8.4)。
 このように違法はヤバイが、儲けも多い。だから「シロアリ」のご
とく業者が集まり、「産地偽装犯罪」が蔓延り、根本的な問題解決の
本筋から外れていくのだろう。



序章 隠された宝
第1節 大豆と競争
マーガリンを作る
んぱく質はアジアの伝統的な大豆食品の主材料だ。豆腐や豆乳、枝豆
としてよく知られている早採り大豆、味噌、醤油、インドネシアのテ
ンペなどがそうだ。



【ポストエネルギー革命序論 403: アフターコロナ時代 213】
現代社会のリスク、エネルギー以外も「分散時代」
環境リスク本位制時代を切り開く










河出書房新社(2021/09発売)
サイズ 46判/ページ数 320p/高さ 20cm
商品コード 9784309228303 NDC分類 345.1 Cコード C0022
------------------------------------------------------------
第9章 戦争、借金、インフレ、飢饉、そして所得税

ナポレオン打倒のための課税

       ナポレオンとの戦争の際に「イギリスによって」集め 
       られた一人当たりの税金額は、ヒトラーとの戦争のと
       きよりも多かった。

           アンドリュー・ランバート、歴史家(2005年)
               Andrew McKelvey (Oct 13, 1934 – Nov 27, 2008)

 ウイリアム・ビット(小ビット)が政権を掌握したのは1783年で、
この年の税収は約1300万ポンドだった。国の借金は2億3,400万ポンド、
その利息は800万ポンドにのぼった。
 その十年後フランスとに戦争に突入すると、闘いの規模はだんだん
と拡大していった。小ビットは理想上、フランスの革命運動には反対
の立場だった。暴動がイギリスにまで波及することを恐れ、そうはさ
せまいと心に決めていた。彼は、ヨーロッパ諸国の革命政府との戦い
を支援するため、大陸に資金を投入した。これは「聖ゲオルギウスの
黄金の騎兵隊」と呼ばれた。イギリスから送ったギニー金貨に聖ゲオ
ルギウスの肖像が刻まれていたからである。
 1793年から1798年までの五年間における小ピット政権の支出のほと
んどは、借入金を財源にしていた。1798年、国の借金はすでに4億
1,300万ポンドに達し、年間の支払利息は2倍以上になっていた。イ
ギリスに融資した人びとのなかには、のちに世界一の大富豪になるネ
イサン・メイヤー・ロスチャイルドも含まれていた。
 事態は差し追っていた。
 イングランド銀行は、初めのうちは利息を四半期ごとに金銀で支払
っていたが、毎年の返済額が増えたため、手形を用いるようになった。
やがて、額面金額の少ない手形をたくさん発行するようになった。
トマス・ペインによれば、イングランド銀行は「実際のところ、一ポ
ンドにつき半クラウン(八分の一ポンド〕の利息を支払いきれなかっ
た……。そして、この弱々しい小枝には、資金調達という重荷がそっ
くりぶら下がっていた」。貴金属は通貨としての額面価格よりも地金
としての価値のほうが高くなっており、貨幣を溶かして塊にし、地金
として大陸に持っていく人びとは多かった。金銀の蓄えが不足してき
たことを認識していたイングランド銀行は、手形の返済に金銀を用い
ずにすむよう、新たな法律を制定してほしいと小ピットに訴えた。小
ピットはこれを受け入れた。通貨の交換性が失われたイギリスは、事
実上、金本校訓を廃削したのだった。結果、戦争が進むにつれてイン
フレも進み、物価上昇率は『英国市民の人生において先例を見なかっ
たほどだ」たった。パン、食肉、ビールの価格は50%以上、乳製品は
75%、塩はなんと270%の上昇となった。家賃は76%上昇した。だが、
賃金はおおむね変わりがなかった。つまり、一般市民が貨幣の価値低
下のつけを払わされたわけだった。1801年から1802年にかけての凶作
もあいまってインフレが加速すると、やがて暴動が発生するようにな
った。
 負債、それに通貨発行を背景にする財政の逼迫に対して打った手が、
1799年の所得税導入だった。
海車は反乱を起こし、陸軍は飢えに苦しんでいた。小ピットは「戦争
遂行のための援助金および献金」を必要としていた。
 当時のイギリス政府については、「なんであれ目についた物品があ
れば、それに税金をかける」などといわれていた。四輪馬車、四輪荷
馬車、二幅荷馬車、大型荷車に税金がかけられていた。男性使用人に
税金がかけられていた。レンガ、ガラス、窓、壁紙、馬車馬、乗馬馬、
競走馬、それに狩猟にも税金がかけられていた。1795年、小ピットは
髪粉に税金をかけた。1796年、犬の飼い土に税金をかけた。1797年、
置時計と腕時計に税金をかけた。1798年、馬車、印章、印章つき指輪
などについている紋章、あるいは身につけている紋章にも税金をかけた。
 さらには、トリプル・アセスメントという税を創設した。それによ
り、国民はそれまでの財産の評価額から算出された税額の三倍から五
倍を支払うことになった。それまでの税額20ポンドだった場合60ポン
ドを支払うわけである。だがもう一つ選択肢があって、年間所得を申
告し、その10%を納付することもできた。この税で、年間 1,000万ポ
ンドの税収が見込まれていた。だが実際はそれより40%少なかった。
小ビットは「恥ずべき税逃れ」「けしからぬ不正」を嘆いたが、実は
この税の設計にこそ問題があった。

税をうまく機能させるには----源泉徴収
 1802年に講和条約が結ばれると、小ピットのあと首相に就任したヘ
ンリー・アディントンは所得税を廃眼しか。ところが、その一年後に
またもフランスと敵対関係におちいると、まもなく所得税を再導人し
た。だが、アディントンはその根本的な部分のいくつかを改正した。
 ビットの所得税にあったおもな難点は、国民の私生活に踏みこまざ
るを得ないところだった。アディントンはこの税制の全体を一新した
が、そのおもな目的は二つあった。立ち入った訓告を避けること、そ
して不正行為を防ぐことである。彼は所得を5つのシェジュールと呼
ばれる種別に分類した。この分類は、今日もある程度存続している。
 アディントンは優れた新機軸を打ち出した。源泉徴収である。ピッ
トの税制では、納税者は税金を支払う責任を負っていた。だが、アデ
ィントンの改正により、所得発生時に税金を納めることが可能になっ
た。銀行は、公債保打者に利子を支払うとき、利子にかかる税金分を
あらかじめ差し引いた。また、企業の株主に配当金を支払うときにも、
配当金にかかる税金分を差し引いてからそうした。公的機関から支払
われる俸給と年金も、同じように源泉徴収された----この源泉徴収方
式は二十世紀後半、より広い雇用に導入されるようになり、今日では
匪界の大半の国で採用されている。
 アディントンが再導入した所得税は、国民の不評を買いはしたもの
の、ピットが失敗したところをうまく修正していた。税率は最大5%
(当初)たったが、最大10%たったピットのときと比較して、税収は
50%増㈲した。新しい制度がずっとうまく賎能したことを考えれば、
さまざまな意味で、現代の所得税の創始者と呼ぶべきなのはビットで
ではなくアディントンたろう.ただし、方針を定めるうえで参考にな
ったという点で、ビットの失敗はは必要たったのかもしれない。ワー
テロの戟いの翌年にあたる1816年、すでにフランスとの戦争が終結し
ていたころに、所得税についての嘆願はおよそ379件にのぼっていた。
財務大臣にそのまま継続したいと考えていたが、庶民院はそうではな
く、再度の廃止が決議されていた----このとき「雷鳴ののような拍手」
が「数分続いた」という所得税導入によるプライバシー侵害が国民の
不評をかっていたことから、すべての記録は細かく切り刻まれ、煮溶
かされた その一部は財務大臣の手で、公衆の面前で燃やされた。
 しかし、それらの写しはすでにに王室収入徴収官に提出され、理由
は今後も明らかにならないたろうが、破棄されずに保管されていたも
っと重要なことに、所得税が政府の収入を増やす有効な手段灯である
ことは証明済みとなった。政府はこういう経験をけっして忘れていの
である。
                        この項つづく

風蕭々と碧い時代

 

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2435

Trending Articles