彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる "招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん 」
シャーベット状の氷の中に入れることわずか20秒余り。取り出したブ
リは見事にカチコチに凍っている。マイナス21.3度の高濃度塩水氷「
ハイブリハイブリッドアイス」は魚介の急速冷凍を可能にした。ほぼ
瞬間冷凍に近いともいえる。従来の冷凍技術と比べ、熱を奪うスピー
ドは20倍以上。ハイブリッドアイスは、不凍液とも言われていた23.5
%の高濃度塩水をドラム型の製氷機でマイナス65度の物質にぶつけて
生み出す新しい冷凍技術だ。しかも使うのは塩と水と電気だけ。空冷
装置やアルコールを冷媒に使う従来の冷凍技術より製造コストが格段
に安く済み、なおかつ、魚介類のロスをなくためSDGsの整合性を実
現。このハイブリッドアイスを生み出したのがブランテックインター
ナショナル。ブランテックはフランス語で白いを意味する「ブラン」
と技術の「テック」を合わせた造語。(➲食塩水氷で魚介類を急速
冷凍、生鮮物流を革新:日経ビジネス電子版、2019.5.10)、このハイ
ブリッドアイス法は「氷水を使った解凍方法」としても応用でき、液
体は空気よりも熱伝導率が高いので、氷水解凍は冷蔵庫解凍よりも早
く解凍することが可能。氷水は1℃くらいに保つ性質があるので、食品
が溶けるギリギリの温度で効率よく解凍できる。特に鮮度が落ちやす
いカニ、刺身用の魚介類の解凍にお勧めです。水に触れると風味が落
ちてしまうので、密閉できる袋に入れて解凍る。
【連続式海水シャーベット氷製造機】
本発明は、海水の性状変化(温度、塩分濃度等)を具有する各種制御
機器を有機的に統合してリアルタイムで追従し、最適性状の海水シャ
ーベット状氷を短時間で、かつ長時間連続的に安定して製氷する装置
である。予冷機に供給する原水塩分濃度、温度を予め設定された時間
毎に計測し、それに対する原水と冷媒の流量をCPUで記憶する。原水の
塩分濃度、温度の変化に応じて理論的に制御する。製氷機では予冷機
から内円筒内に供給された原水は、内円筒と外円筒との間に供給された
冷媒により冷却され氷を生成する。生成された氷は回転駆動するスク
レーパーで掻き取られ、短時間で良好な海水シャーベット氷ができる。
漁船に搭載できるので、出漁時の氷積載作業が不要になり、船舶の燃
費が低減、氷購入費用のコスト削減になった。また漁獲直後からの鮮
度保持が可能になり、漁場から水揚げまで鮮度が持続し商品の高付加
価値化を実現した。
❏ 特許第6114978号 シャーベット氷製造方法
【概要】
夏野菜(キャベツ、レタス等)を収穫するとき(7、8、9月)に
は、涼しい朝に収穫するが、それでも、野菜は収穫前に外気温の影響
でその個体は20℃程度の温度になり、また、収穫されると根からの
水分供給が絶たれるため、収穫のその瞬間から、20℃程度の野菜個
体の劣化が始まる。例えば、大きなキャベツ畑であると収穫に3時間
程かかる場合があるため、最初に収穫されたキャベツ個体は3時間程
度待機されることになり、特に影響が大きい。キャベツ等の野菜は、
収穫後20℃から速やかに0℃に冷却することが劣化を防ぐため最適
である。但し、野菜を凍らせてはいけない(細胞外水が先に冷凍し細
胞を破るため大幅な劣化を招く)。このため、収穫後、大型冷蔵庫に
収納して0℃まで冷却することが行われている。
キャベツ等の野菜は、収穫後20℃から速やかに0℃に冷却するこ
とが劣化を防ぐため最適である。但し、野菜を凍らせてはいけない(
細胞外水が先に冷凍し細胞を破るため大幅な劣化を招く)。このため、
収穫後、大型冷蔵庫に収納して0℃まで冷却することが行われている。
❏ 特開2021-108556 冷却方法及び冷却装置
【概要】
図1のごとく、水を冷凍させた空隙率20%以上の氷に水を混合した
略0℃の氷スラリーをプールに入れ、当該氷スラリー中に被冷却物(
野菜)を漬けることにより、被冷却物を0℃近傍まで冷却する、冷却
方法。-20℃以下に冷却可能な金属板と、金属板に水を噴霧する水
噴射装置と、水噴射装置による水の噴射により金属板の表面に生成さ
れた雪状氷を掻き落とすワイパー装置とを備え、空隙率20%以上の
雪状氷を生成する人工雪製造装置200と、人工雪製造装置200で
生成された雪状氷に水を混合した略0℃のスラリーを収納でき、その
中に冷却する野菜を配置できる冷却プール6とを備える、冷却装置1。
で、野菜等の被冷却物の出荷に際して、被冷却物を凍らせてしまうこ
となく適切に急速冷却することができる冷却方法及び冷却装置を提供
する。
【符号の説明】 1 冷却装置 6 冷却プール 200 人工雪製造装置
【請求項目】
1.水を冷凍させた空隙率20%以上の氷に水を混合した略0℃の氷ス
ラリーを冷却プールに入れ、当該冷却プール内の氷スラリー中に被
冷却物を漬けることにより、前記被冷却物を0℃近傍まで冷却する
冷却方法。
2.前記氷スラリーは、-20℃以下に冷却した金属版に水を噴霧し
ワイパーで掻き取ることによって製造される請求項1に記載の冷却方
法。
3.前記氷スラリーに混合される水は、塩素濃度が0.1ppm未満
である請求項1又は請求項2に記載の冷却方法。
4.前記被冷却物は、樹脂袋内に収容された状態で前記プール内の氷
スラリーに漬けられる請求項1から請求項3のいずれか1項に記載
の冷却方法。
5.前記被冷却物は、樹脂袋内に収容された状態で前記プール内の氷
スラリーに漬けられる請求項1から請求項3のいずれか1項に記載
の冷却方法。
6.前記プール中で前記氷スラリーを循環させ、循環している前記氷
スラリー中に前記被冷却物を漬ける請求項1から請求項5のいずれ
か1項に記載の冷却方法。
7.前記氷スラリーによって0℃近傍まで冷却した野菜を箱詰めし、
箱内の隙間に水を冷凍させた空隙率20%以上の氷を挿入する請求
項1から請求項6のいずれか1項に記載の冷却方法。
8.-20℃以下に冷却可能な金属板と、該金属板に水を噴霧する水
噴射装置と、前記水噴射装置による水の噴射により前記金属板の表
面に生成された雪状氷を掻き落とすワイパー装置とを備え、空隙率
20%以上の雪状氷を生成する人工雪製造装置と、前記人工雪製造
装置で生成された雪状氷に水を混合した略0℃のスラリーを収納で
き、その中に冷却する被冷却物を配置できる冷却プールとを備えた
冷却装置。
9.前記人工雪製造装置から前記冷却プールまで雪状氷を運搬する空
気圧送装置を更に備えた請求項8に記載の冷却装置。
10.前記人工雪製造装置と前記冷却プールが搬送可能なモバイル式装
置である請求項8又は請求項9に記載の冷却装置。
従来より、冷凍された生鮮海産物等を解凍するためには、室温ある
いは冷蔵庫等によって自然解凍する手法や、冷凍された生鮮海産物等を
冷水又は氷水に漬けて解凍する手法や、電子レンジによって解凍する手
法等が用いられている。
ただし、自然解凍や、冷水又は氷水による解凍の場合、冷凍された
生鮮海産物等と熱媒体(室温の空気、冷水、氷水)との温度差が小さ
いため、解凍時間が長くなってしまい、生鮮海産物等の品質が低下す
る可能性がある。逆に、解凍時間を短くするために温水を用いて流水
解凍を行うと、生鮮海産物等の細胞が破壊される可能性がある。
そこで、上記の問題を解決するため、特許文献1には、シャーベッ
ト氷を解凍媒体として使用した凍結食品解凍法が記載されている。具
体的には、特許文献1には、シャーベット氷(微細流動氷)に真空パ
ック状態で冷凍された魚を投入し、魚の温度と氷水温度の温度差に従
って熱を魚から水氷側へ移動させて魚を解凍する手法が提案されてい
る。
❏ 特開2018-191591 解凍装置及び解凍方法
【概要】
図5のごとく、凍結した状態にある対象物101と氷スラリーとを接
触させることにより対象物101を解凍する解凍装置1において、冷
熱吸収部11は、魚101と氷スラリーとを所定の相対速度で接触さ
せることにより、氷スラリーに魚101の冷熱エネルギーを吸収させ
る。氷スラリー供給部12は、冷熱吸収部11に対し、氷スラリーを
供給する、解凍方法で、冷凍された対象物の表面部に氷(霜)を形成
させることなく、当該対象物を低コストかつ短時間で効率良く解凍す
るための手法の提供。
【符号の説明】
1:解凍装置、11:冷熱吸収部、12:氷スラリー供給部、13:
氷スラリー循環部、14:フレークアイス抽出部、15:氷スラリー
製造部、21:ドラム、22:回転軸、23:噴射部、23a:噴射
孔、24:剥取部、25:ブレード、26:フレークアイス排出口、
27:上部軸受部材、28:噴射制御部、29:防熱保護カバー、
30:ギヤードモータ、31:ロータリージョイント、32:内筒、
33:外筒、34:冷媒クリアランス、38:ブッシュ、39:冷媒
供給部、40:ブライン貯留タンク、41:ポンプ、42:ブライン
配管、43:ブラインタンク、44:フレークアイス貯留タンク、
45:冷媒配管、46:凍結点調節部、51:対象物固定部、52:
スクリューコンベア、101:魚、200:フレークアイス製造装置、
300:フレークアイス製造システム、S:氷スラリー、W:真水が
凝固した氷の膜
【請求範囲】
1.冷凍された対象物と氷スラリーとを接触させることにより前記対
象物を解凍する解凍装置であって、前記対象物と前記氷スラリーと
を所定の相対速度で接触させることにより、前記氷スラリーに前記
対象物の冷熱エネルギーを吸収させる冷熱吸収手段と、前記冷熱吸
収手段に対し、前記氷スラリーを供給する氷スラリー供給手段と、
を備える解凍装置。
2.前記氷スラリーを前記冷熱吸収手段に送給すると共に、前記冷熱
吸収手段から排出された前記氷スラリーを前記冷熱吸収手段に送還
することにより前記氷スラリーを循環させる氷スラリー循環手段を
さらに備え、前記冷熱吸収手段は、前記氷スラリー循環手段により
前記冷熱吸収手段に送給された前記氷スラリーを所定の相対速度で
前記対象物に接触させる、請求項1に記載の解凍装置。
3.前記冷熱吸収手段は、さらに、前記対象物を振動又は搖動させる
対象物搖動手段を備える、請求項1又は2に記載の解凍装置。
4.前記氷スラリー供給手段は、さらに、前記氷スラリーを構成する
フレークアイスを製造するフレークアイス製造手段と、前記フレー
クアイス製造手段により製造された前記フレークアイスとブライン
とを所定の比率で混合させて前記氷スラリーを製造する氷スラリー
製造手段と、を備え、前記フレークアイス製造手段は、製氷面と、
前記製氷面を冷却する製氷面冷却手段とを有し、冷却された前記製
氷面に前記ブラインを付着させて凍結させた前記ブラインの氷を剥
ぎ取ることにより前記フレークアイスを製造する、請求項1乃至3
のうちいずれか1項に記載の解凍装置。
5.前記氷スラリーに含まれる前記フレークアイスを抽出し、当該フ
レークアイスを、前記氷スラリー製造手段に対し、前記氷スラリー
の製造に用いられる原料として提供するフレークアイス抽出手段を
さらに備える、請求項4に記載の解凍装置。
6.冷熱吸収手段において、冷凍された対象物と氷スラリーとを接触
させることにより前記対象物から冷熱エネルギーを吸収する解凍方
法において、前記対象物と前記氷スラリーとを所定の相対速度で接
触させて前記対象物から冷熱エネルギーを吸収する冷熱吸収工程と、
前記冷熱吸収手段に対し、前記氷スラリーを供給する氷スラリー供
給工程と、を含む解凍方法。
現在食品を解凍する方法には主として(1)自然解凍法(室温、冷蔵
庫)(2)流水解凍法(3)氷水解凍法(4)電子レンジ解凍法など
があるが、いずれも時間がかかる、品質が低下する、細菌が繁殖する、
ドリップが発生する等の問題点を抱えており、これらを解決できる新
しい方法の開発が待たれている。そこで、上記4つの方法の中でも品
質的にもっとも優れた解凍が可能といわれる氷水解凍法の一例を図1
に示す。図1において1は氷水を収容する解凍容器、2は水に投入さ
れた砕氷、3は水、4は真空パックに収納された凍結魚である。次に
動作について説明する。まず解凍容器1に水3と適当な割合(例えば
50:50)の砕氷2を入れる。つぎに真空パック状態で凍結された
魚4を容器1の氷水(砕氷2と水3の混合物)に投入する。魚4の温
度(-20~-60℃)と氷水温度(例えば上層0℃、下層4℃)の
温度差に従って熱は魚4から水氷側へ移動し、最終的には氷結状態が
解除されて解凍状態となり水氷と同じ温度(例えば上層0℃、下層4
℃)になる。
❏ 特開2016-154453 シャーベット氷を使用した凍結食品解凍法
【概要】
図3のごとく、凍結食品から熱を奪う解凍媒体として塩水を使ったシ
ャーベット氷を使用することで、解凍媒体の温度を凍結食品の氷結点
レベル付近まで下げてその温度差を最小化し、かつシャーベット氷の
氷濃度を調整してより多くの微細氷を凍結食品と接触熱交換させるよ
うにして熱交換速度を高めて解凍中の細胞内氷結晶の粗大化を阻止す
るようにした。このため解凍時間が早く、ドリップ発生のきわめて少
なく、かつ食中毒菌繁殖の起きない温度レベルでの高品質解凍を実現
し、凍結食品の解凍時、細胞膜の破壊、ドリップの発生、冷凍食品の
解凍後品質を低下させない解凍方法を提供する。
【請求範囲】
1.シャーベット氷を解凍媒体として使用した凍結食品解凍法
✔ 食品のロスレスで急速冷凍・冷却できる技術が注目されているが、
その手法は様々である。
✺ ウォルマートが垂直農法に投資
⧉ 再エネ融合室内垂直型型農法時代到来か ?!
カリフォルニアの垂直農法事業の「Plenty Unlimited」は、ウォル
マートや他の投資家との主要な新しい資金調達契約を公開した。シリ
ーズEの資金調達ラウンドで、Plenty Unlimitedは4億ドルを確保した
と見られている。屋内農業会社にとってこれまでで最大の投資。ウォ
ルマートと既存の投資家であるソフトバンクに加え、新しいパートナ
ーであるワンマディソングループとJSキャピタルもこのラウンドに参
加した。Prenty社は、2020年10月15日にも、Plenty Unlimited(プレ
ンティ・アンリミテッド:"欲するままに”とはふざけた、否、挑発的
なネイミングだが)は、米国内でより多くの垂直農園建設資金として
新たに1億4000万ドル(約147億円)を調達している。☈
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❏ インドア農業のPlenty(プレンティ)とは、2017.11.20 ビジネス+IT
❏ プレンティ(企業):Wikipedia
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to Video
室内農業セクタは刺激的な転換点にあり、伝統的な農業が困難な地
域でも、一年中新鮮で栄養価の高い食品へのアクセスを提供するとい
う重要なニーズに対応する新しい資産クラスとしての可能性を最大限
に発揮する準備ができていると、ワンマディソングループのオマール・
アサリ会長兼最高経営責任者が述べ、多くの人が屋内農業の技術と経
済学について真に『コードを解読した』と。世界中の小売業者、生産
者、政府に新鮮で持続可能な農産物を届けることができる革新的でス
ケーラブルなモデルを開発し。その建築は温室や他の屋内農場とは完
全に異なると数多くの人が主張。その垂直タワーとインテリジェント
なプラットフォームにより、1つのプラットフォームで複数の作物を
一貫して優れた風味と収量で栽培できる唯一の垂直農法会社である。
従来の農場やその他の屋内農業ソリューションは、スペース、作物の
バリエーション、自然、収穫量の限界に対抗するが、Plentyの革新的
なモジュラーシステムにより、パートナーや消費者のニーズに合わせ
て農場を拡張できる。
Plenty社は、パートナーが独自の環境目標を達成するのに役立ち、
より持続可能な農業モデルの作成を目指す。多くの垂直農法は、従来
の農業に必要な土地のわずか1%を使用し、1エーカーあたり推定150
~350倍の収穫量を向上させる。より多くのPlentyファームがグローバ
ルに展開されると、輸送時間が短縮され、輸送によるコストと環境へ
の影響が削減されると同時に、Plentyの無農薬農産物が店の棚や顧客
の家でより長く新鮮に保たれるようになる。☈
☈
この取り組みに加えて、Plentyはウォルマートと戦略的商業契約を締
結し、新しいカテゴリーの生鮮食品をリードし、Plentyファームをウ
ォルマートの顧客に近づけて、無農薬で持続可能な農産物を一年中提
供している。パートナーシップは、2022年にウォルマートのカリフォ
ルニアの250店舗すべてにコンプトンファームからプレンティの葉物野
菜を調達することから始まる。コンプトン施設が完全に稼働した後、
プレンティはその存在を東海岸に拡大したいと考えている。同社はま
た、2023年にイチゴとトマトの栽培と顧客への販売を開始する予定で
ある。また、ソフトバンクの投資責任者のアンドリュー・ズロト氏は、
一流の小売業者や生産者からのサポートと、パートナーに直接農場を
販売することに新たな焦点を当てることで、Plenty社は業界全体に永
的な影響を与える重要な転換点にあると信じています。彼らが屋内で
の成長のためにプレイブックを革新し、書き直し続けているので、彼
らをサポートし続けられることを喜んでいると話す。
✔ 『市言主義とBES』のオランダを拠点とし、照明機器を提供す
るシグニファイの事例のように、「プランター菜園」あるいは「ベラ
ンダ菜園」の栽培装置(及び什器ハード)を各家庭にリースし、パー
トナーから、種・苗・肥料等のソフトを供給し"分散型室内菜園システ
ムモデルもあるので事業戦略の差別化も検討に値する。
【ポストエネルギー革命序論 404: アフターコロナ時代 214】
現代社会のリスク、エネルギー以外も「分散時代」
書籍:大豆と人間の歴史
著者:クリスティン・デュボワ
【内容概説】
人類が初めて手にした戦略作物・大豆。その始まりは、日本が支配し
た満州大豆帝国だった。サラダ油から工業用インク、肥料・飼料、食
品・産業素材として広く使われ、南北アメリカからアフリカまで、世
界中で膨大な量が栽培・取引される大豆。大豆が人間社会に投げかけ
る光と影、グローバル・ビジネスと社会・環境被害の実態をあますと
ころなく描く。
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序章 隠された宝第
第2節 さまざまな工業製品への利用
序章では、あまり注目されていない大豆の重要性について、わずかに
表面をなぞったにすぎない。のちほど、諸大陸での大豆生産の隆盛、
第二次世界大戦中の大豆の利用、家畜の「工場式畜産経営」、生態学
および栄養学上の影響力、大豆の遺伝子組み換え、世界貿易上の役割
そして燃料への転換について、順次見ていく。以降の章では、宗数的
な運動、絶対的指導者の軍事支配、無謀な起業家精神、情熱あふれる
科学的探究、さまざまな特徴を持った非凡な人々、激しい批判を浴び
た企業や契約、驚くほど創造的な大豆の利用法など、そのすべてが一
箱になって小さな豆を感動的な物語の焦点にすえるのだ。物語の始ま
りは偉大な発明家、中国の黄河と満州の名もない農民たちだ。まず彼
らの話から始めよう。
この項つづく
植物の地下での情報のやりとりを発見②
2月4日、名古屋大学などの研究グループは、地下茎で繁殖するイネ
科植物が、地下茎を介した情報のやりとりにより、不均一な窒素栄養
環境に巧みに応答して成長する仕組みを新たに発見した。植物の中に
は種子による繁殖ではなく、竹や芝のように地下茎の分枝・伸長によ
り繁殖する種が存在。このような植物の群落では、成長する幾本もの
株(ラメットは、地下の地下茎で繋がっているが、このラメット間の
地下茎を介した情報のやりとりの実体は不詳であったという。
【要点】
1.不均一な窒素栄養条件では、窒素不足側からの情報を受けて、豊
富側ラメットで窒素の吸収・同化に関わる一連の遺伝子の発現が相
補的に上昇する。
2.窒素豊富側から不足側への窒素の分配は限定的で、豊富側ラメッ
トの成長が優先される。
3.2種類の情報分子「サイトカイニン」と「CEP1ペプチド」が、こ
の制御機構に協調的に関わっている。
【概要】
ワイルドライスであるOryzalongistaminataは、根茎によって接続され
たラメットからなるネットワーク化されたクローンコロニーを栄養繁
殖させて形成します。水、栄養素、およびその他の分子は根茎を介し
てラメット間で移動できるが、空間的に不均一な窒素の利用可能性に
応じたラメット間の通信はよく理解されていない。各ラメットの根を
異なる条件にさらすことを可能にする分割水耕栽培システムを使用し
て、不均一な窒素の利用可能性に対するラメットペアの応答を研究。
ラメットペアの根がアンモニウムの十分な条件と不十分な条件にさら
されたとき、アンモニウムの取り込みは十分な側の根で代償的に増強
された。トランスクリプトームの比較分析により、効果的なアンモニ
ウム同化とアミノ酸生合成のための遺伝子調節ネットワークが十分な
側の根で活性化されていることが明らかにされた。吸収された窒素の
窒素が十分なラメットから不足しているラメットへの割り当てはかな
り制限されていた。窒素は、十分な側のラメットで新しく成長する腋
芽に優先的に使用された。サイトカイニンであるトランスゼアチンの
生合成は、窒素供給に応答してアップレギュレーションされたが、ト
ランスゼアチンは代償性の調節を標的にしていないようである。我々
の結果はまた、イネ(Oryza sativa)のC末端にコードされたペプチ
ド1(OsCEP1)のO. longistaminata推定オルソログが、ラメット間コ
ミュニケーションにおける窒素欠乏シグナルとしての役割を果たし、
窒素同化遺伝子の代償的なアップレギュレーションを提供することを
示唆した。これらの結果は、アンモニウムイオンの分布が空間的に不
均一である地域で成長する無性生殖植物の効率的な成長戦略の分子基
盤への洞察を提供する。
【成果の意義】
複雑な環境下で生き延びる植物の振る舞いの一端を明らかにできた。
これまで,地下茎で連結された植物株間での情報のやりとりを研究。
例はなく、本研究成果は、植物の栄養環境に応答した、成長制御機構の
多様性の理解に大きく貢献できる。ロンギスタミナータや竹など、地
下茎により繁殖する植物の多くは、非常に生育が旺盛であり、施肥管
理による植物バイオマスの生産性向上への応用が期待されている。
✔ 制御能別機能性地下茎を苗木に接ぎ木し生産力の付加価値を高め
る従来ビジネスの拡張アイテムとして魅力のあるものだと考えられる。
面白い!