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Channel: 極東極楽 ごくとうごくらく
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暗号通貨行動主義

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  速いね、一週間が....

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる "招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」


【ポストエネルギー革命序論 437: アフターコロナ時代 247】
  現代社会のリスク、エネルギー以外も「分散時代」





【ウイルス解体新書 116】


序 章 ウイルスとは何か
第1章 ウイルス現象学 
第2章 COVID-19パンデミックとは何だったのか
第3章 パンデミック戦略「後手の先」
第1節 新型コロナパンデミックから生まれたもの
1-1 進化する感染判定方法
1-1-1 汗から感染症を検出するウェアブルセンサ


河出書房新社(2021/09発売)
サイズ 46判/ページ数 320p/高さ 20cm
商品コード 9784309228303 NDC分類 345.1 Cコード C0022
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第15章  労働の未来

          人びとの雇用を奪うロボットには課税するべきだ。
                               ビル・ゲイツ(2017年)



ロボットはわれわれの雇用を奪うのか
たとえば、運転手である----タクシー、バス、トラックの運転手、さ
らには旅客機のパイロットもそうだ。自動運転の車両や航空機が主流
になれば、彼らの需要はだんだん減っていく。運輸業界は変わりつつ
ある。この変化はしばらく前からのことだが、自動運転システムを実
際に採用するとなれば、それはあっという間のことだろう。おもな障
壁は規制量であると思われる。だが、そのインパクトは絶大だろう。
現在、アメリカの労働者のおよそ3%----440万人以上がなんらかの
運転手として慟いているのだ。
 同じような大変動にさらされるセクタはほかにもある。飲食店はウ
ェイタのかわりにタブレットを設置するようになった。これを使えば、
メニューの内容や、おすすめの料理を教えてもらえる。私などは、つ
いこのあいだ東京でバーテンダーロボットに給仕してもらった。商店
は店員のかわりにセルフレジを置くようになった。なかには、店頭で
商品を選び、そのまま店を出れば、自動的にアカウントに代金を請求
されるシステムを導入しているところもすでにある。米軍は世界最大
の雇用者である。一般の兵士からパイロット、監視担当士官、爆発物
処理班兵士まで、人間のかわりにロボットが使われている例は多い。
倉庫業や製造業も大きく変化している。すでに自動車の80%はロボ
ットによって組み立てられている。健康管理、データ入力、法律事務、
税務書類作成、経理、銀行取引、資金運用、金融取引は、すべてロボ
ットのほうがうまくできるようになっている。すでにAIは、翻訳、
顔認証、運転、記事の執筆、金融商品の取引、がんの診断において、
人間を上回る成果を上げている。
 ロボットはミスが少ない。機械知能はたいへん優秀で、自分の試行
錯誤からばかりか、他人の失敗からも学ぶほどである。ロボットは人
間よりも長時間働ける。手当、休暇、保険を必要としない。病気で、
あるいは無断で欠勤することもない。家庭問題にも、精神的な病にも
かかわりがない。人間らしい弱点に悩むこともない‥だからロポット
の利川が増えているのももっともである。
 しかし、新しい仕事もいくつか生まれるだろう。それらは、いまの
ところどんなものかが不明なので、列挙することは難しい。またそれ
らは、どこに生まれるかも不明である----たとえば、オクラホマのみ
で雇用が剔出されるとすれば、ニサーカッスルの人びとにはたいして
うまみがないということになる。
 一方、多くの仕事とそれに付随する義務は、たんに変化するのみだ
ろう。軍人という職業はなくならないだろうが、前線で戦闘に従事す
る人びとはもっと少なくなるかもしれない。経理係もなくならないが、
データの人力や処理は機械が行なうことになる。今後、輸送される人
も商品もますます増えるだろうが、運転手の仕事は少なくなると思わ
れる。ギグエコノミーの拡大とともに、フルタイム従業員として働く
のではなく、いくつかの小さい仕事を請け負う人びとが多くなるかも
しれない。
 2016年、総合コンサルティング会社のプライスウォーターハウスク
ーパースは、イングランド銀行と同様に、労働者の今後をたいへん悲
観的にとらえていた。AIの導入により、イギリスの労働者の約30%
が失業する、というのが同社の予測だった。だが2018年、同社はこの
見方をやわらげた。業務は、全体の20%が影響を受けるものの、消滅
したのと同じくらいの数が新たに剔出されるというのである。イギリ
スの雇用に対する全体的影響は、「概して中立」であるという。
 労働者を自動化の波から守る手段を講じても、解決にはならないだ
ろう。近年、そういう手段が裏目に出ている。労働者の権利を求める
声が高まったことで、自動化がいっそう運んでいるのである。
 人員削減によって所得税が取れなくなった分、ロボットに税金をか
けようと主張しているのは、ビル・ゲイツを始めとする人びとだ。い
いアイデアのように思えるが、これには実務上の難しさがある。
  ロボットの定義がはっきりしないのだ。タスクを実行する、実体の
ある機械? データを分析するアルゴリズム? それでは、機械はどこ
にある? IPはどこに? 生命のない物体から税金を取る方法は?  税
額の評価基準は? 稼働時間? 生産力? つての誰かの稼ぎを基準にす
ることはできない。仕事の性質がすでに変わっているからだ----馬車
をあやつる御者の稼ぎを基準に、自動車に税金をうなものなのである。
 たぶん、ロボットの名目上の賃金を計算し(それ自体が難題である
が)、企業がその金額に対応する税金を納付することになるのだろう
が、それが世界的規模で行なわれるのでないかぎり、企業はたんに、
合、外国に移すわけにいかない所有するロボットを、ロボット税の安
い国や地域に移転させるだろう。ロボット税制を機能させるには、政
治的意思のみならず、多くの手立てが必要になる。ところが、ことが
すんなり運ぶとはかぎらない。労働よりもむしろ資本にかかる税金で
あることから、なんらかの提案がなされても、それに反対する企業が
さかんにロビー活動を行なうために、なかなか前に進まないかもしれ
ない。
 それでも、国内にあることが明白であるロボットには、いまに税金
をかけられることになるだろう。たとえば、自動運転車(ロボットと
いえるのだろうか?)への課税はほぼ不可避である。自動運転車の場合
外国に移すわきにはいかない----IP(通信規格)ならばそれが可能
だろうが。だから、課税のターゲットになりやすい。私の予想では、
一種の走行距離税が導入されるのではないだろうか。都市、とりわけ
都市中心部での走行では単位当たりの税額が高くなる。走行距離はリ
アルタイムで測定され、税額は自動引き落としされるのかもしれない。
地方当局によって徴収されることも考えられる。
 この経済の大変動において確実といえることは数少ない。だが、間
違いないのは政府の最大の収入源である所得税が影響を受けることで
ある。

第16章 暗号通貨----税務署職員の悪夢
 いまは2018の冬。私はロジャー・ヴァーと夕食をとっている。彼は
初期のビットコインの推奨者としてもっとも有名な人物ではなかろう
か。この新しいテクノロジーを熱心に売りこんだことで「ビットコイ
ン・ジーザス」と呼ばれている。そして、抜け目なくこの分野に投資
したことで億万長者どころではない犬富豪になった。いまやFROF・
8ヨのCEOである。私は、これから「デジタル・ノマド」の労働人
口がぐんと増えることを彼に強く印象づけようとしている。また、そ
れによって政府の収入源がダメージを受けるということも。だが、そ
れは釈迦に説法といったところである。
 「いわれなくても知っているよ。毎日目にしているからね」と彼は
いった。「僕はそういう人たちに仕事を与える側だから」
 「bitcoin.com」で働いている人は何人いるんです?」と私はいった。
 「たぶん130人、140人かな。ともかくも、その全員がノマドだ。彼
らの多くは、どこにいるのかわからない。リスボンか、チェンマイか、
来週にはメデジンに移っているかも」
「彼らの出身地は ? 」
「いやあ、いろいろだよ。アメリカ人もいるし、ヨーロッパ人やアジ
ア人----中国人、韓国人、日本人、インド人、インドネシア人----そ
れに南米人も。少なくとも20カ国はある」
「賃金の支払いはどうやって?」
「ビットコインキャッシュだ」と、彼は即答した(ビットコインキャ
ッシュとはビットコインから分岐した仮想通貨で、よりすばやく受け
渡しできるようになっている)。「実務上、一人一人の母国の通貨で
支払うのは厄介だし、金がかかる。彼らはボーダーレスなデジタルサ
ービスを提供している。そして、われわれはボーダーレスなデジタル
通貨を支払うんだ。これしかうまくいかない。ともあれ、彼らはビッ
トコインキャッシュでの支払いを望んでいる。だからこそうちで働き
たがっている」
 仮想通貨は価格が乱高下することで知られる。「価格変動リスクに
ついてはどうなんです?」
 「彼らはそういうリスクを喜んで引き受けている。受けとってすぐ
母国の通貨に交換することもできるが、僕の知るかぎり、ほとんどの
者はそうしない。彼らはビットコインキャッシュを信頼している。こ
れにできるだけ多くの注目を集めたいと思っている」
 「税金については? 」
 「いやあ、それぞれの国の税制に応じて税務手続きをするとか、専
門家を雇うとか、社員の誰がパートタイムで、誰がフルタイムかとか
----今後どうなるのか、考えたくもないな。彼らはノマドだからね。
9時5時で働いていない。自分のスケジュールを自分で組んでいる。税
金の手続きも自分でやる」
「全員が納税していると思いますか? 」
「 それは彼らに訊いてみてくれ。それは彼らの責任だから----彼ら
と彼らの国の政府とのあいだのことだから。まあ、納税している者も
いるだろうが、何年も帰国していない、帰国するつもりもない者もい
るから。母国の政府を支持していないんだ。政策が気に入らないわけ
だだから、納税して政府に資金を供給することに反対しているんじゃ
ないかな。それから、ほら、彼ら白身は義務を果たしたい、法律を守り
たいと思っていても、税法に彼らの勤務形態の規定がないって場合も
ある。勤務状態がはっきりしないから、当局はわずらわしく思うのか
もしれない。たいてい、棚上げにするほうが楽だってことになる」
急増するこの労働人口は国境をまたいで仕事をするが、彼らが使う通
貨も国境をまたいでいる従来の銀行業の外にある非法定通貨なのだ。
こういう通貨の場合、取引を監視することも、監督することも、そこ
から徴税することも困難である。
 デジタル・ノマドは2030年までに10位人に達するというピーター・
レフェルスの予測を位えているだろうか? 披は「知り合いのノマドの
半数以上が仮想通貨経済で働いている」という。現在のトレンドが継
続したならば、法定通貨をいっさい使わずにすませる人びとの数は、
2035年までに5億人に達することになる。馬鹿馬鹿しく思えるかもし
れないが、実状に通じた仮想通貨の推奨者だちならば、もっとすっと
もっとずっと多いけずたというだろう。

クリプトアクティビズム
政府の収入を脅かしつつあるもののなかでも、暗号資産テクノロジー
はもっとも大きな脅威かもしれない。
 20世紀の「大きな政府」モデルは法定通貨と一体だった。実際、
このモデルは法定通貨によって可能になるものなのだ。政府は管理通
貨制度によって強大な力を得た。資金がもっと必要になれば----闘費
調達などのためだが、近年には金融セクター救済を目的とする例もあ
った----通貨をもっと発行すればいいのである。非法定通貨の流通は
その力を弱めてしまう。政府は管理外の通貨の価値を引き下げられな
い----つまり、インフレ税を取ることができない。源泉徴収、VAT、
売上税あるいは取引税を徴収することと、それらを監視することも困
難になる。代替通貨、とりわけオンラインと海外に置かれたそれを使
う人びとが増えれば増えるほど、それだけ税金を取るのが難しくなる
のだ。ビットコインなどの仮想通貨を理解していない、あるいは理解
したくない人びと----高名な経済学者(ポール・クルーグマンからヌ
リエル・ルービニまで)や銀行家(ジェイミー・ダイモン)も含まれ
る多くは、たんにそういうものを念頭から排除している。だがそうす
ることで、おそらくインターネット以来となる著しいテクノロジーの
進歩を拒絶している。そして、彼らの意見にしたがう人びとは、今後
いっさい訪れそうにないほど大きな金儲けのチャンスをふいにしてい
る。最初の価格は2009年10月の0.001309ドルだったが、2017年12月に
約2万ドルの高値をつけたビットコインは、1500倍以上も値上がりし
たことになる。その間、80%以上の暴落が少なくとも5回あった。ビ
ットコインがいつか廃れるというならば、すでに何年も前に廃れてい
てもおかしくなかった。ところが、むしろ一兆ドル近い産業に成長し
ている。この科学技術の新しい可能性に、世間は熱狂している。1990
年代のインターネット登場以来の大騒ぎである。
 通貨制度とテクノロジーはともに進歩してきた。一方がもう一方を
後押しするのだ。古代メソポタミアでは、粘土を焼いてつくったトー
クンで借金の額を記録していたが、やがて粘上板に絵を刻みつけるそ
れが人類史上もっとも古い文字の始まりとなった。金属の含有力を一
定に保つことが吋能な鋳造という方法で硬貨がつくられるようになる
と、貝殻、クジラの歯などの原始的な貨幣は廃れていった。印刷機の
登場で紙幣がつくられるようになると、貴金属を便った貨幣は使われ
なくなった。
 銀行業務が電子化されると、小切手が廃れていった。ただし、小切
手の使用状況は国によって異なるデメリカなどでは現在も広く使われ
ている)。今日では、非接触型決済の普及によって不便になりつつあ
る現金が、やはり廃れつつある。市場においては、たいていは利便性
が勝つ。通貨は科学技術である。
 ビットコインやそこから分岐した仮想通貨はその進歩の最先端であ
り、インターネット専用のキャッシュとして設計されている。一般の
人びとの大半がスーパーでの買い物にビットコインを使う日がやって
くるとは思えないが、オンライン取引での仮想通貨の使用は今後いっ
そう広がっていくだろう。
 利便性を念頭に、仮想通貨の多くは特定の目的のために設計されて
きた。たとえば、持つもの(モネロ、グリン)、決済スピードが重視
されたもの(ライトコイン、ダッシ言乙金な匿名性を、チップなどの
小目の支払いに特化しかもの(ステラ、ド-ジコイン)、アプリ構築
用につくられたもの(イーサリアム、カルダノ、イオス)などがある。
現金の代替となるアルトコインはすでに3000種類以上ある。法定通貨
が時代遅れに思えるほどである。遠くない未来に、PCやスマートフ
ォンに複数のウォレットを入れておくことが一般的になるだろう。
 それぞれのウオレットには、特定の目的に応じた仮想通貨がしまっ
てある気に入ったブロダ記事や動画へのチップの支払いから、株・貴
金属・債券の取引、さらには非合法市場からの商品の購入まで。
 政府は、プライバシーを侵害することなくこういう取引のすべてを
監視し、適正に課税するための効果的かつ効率的な手立てを講じられ
るだろうか?
 非法定通貨である仮想通貨は体制を打倒する可能性を含んでいるが、
実は意図的にそのようにつくられている。仮想通貨のテクノロジーを
生みだしたのは、1990年代に出現した反体制的なプログラマー集団、
サイファーパンクたった。彼らが団結するに至った原囚は、インター
ネットという新技術への懸念だった。彼らは、インターネットに潜在
する可能性を認めつつも、企業や国家がそれを利用することで、個人
のプライバシーが侵害されるのではないかと考えた。彼らはそれを強
く恐れた----そして、それ以降に起こったことを考えれば、まさに彼
らの危惧したとおりになった。そこで彼らは、プライバシーの保護の
ため、オープンソースのテクノロジー、とりわけ暗号技術の開発に乗
り出した。
 サイファーパンクの動機となった考え方は、アナーキズムではない
にせよ、まさしくリバタリアニズムたった。彼らは国家に大きな不信
を抱いていた。この集団の創設者はカリフォルニア州在住のコンピュ
ーター科学者で、名前をティム・メイといった。彼は1988年にクリプ
ト・アナーキスト宣言を著し、暗号技術の進歩は「法規制の性質も、
情報保護の能力も、さらには信頼や評判の性質までも一変させるだろ
う」と述べた。
 そして、つぎのように続けた。「活版印刷技術は中世のギルドの力
を弱め、社会の権力構造を変えた。暗号技術にしても、経済取引にお
ける企業および政府の干渉の性質を根本から変えるだろう。このとこ
ろ新しく出現した情報市場とともに、クリプト・アナーキーは文字と
画像に置き換えることのできるありとあらゆる了アリアルを扱う、流
動性の高い市場をつくりだすだろう」
 サイファーパンクの夢を実現するためのカギは、匿名性の高いイン
ターネットキャッシュのシステムだった----つまり、仲介者(たいて
い銀行)による取引処理なしに、金額の大小を問わず、AからBにじ
かにオンライン送金できるシステムである。しかし、ティム・メイを
始めとするサイファーパンクたらの勇ましい言葉とはうらはらに、あ
る技術ueの問題がその実現の妨げになっていた。これは二重支払い、

  

 

 

風蕭々と碧い時代


Jhon Lennone Imagine


Their Greatest Hits (1971–1975)




● 今夜の寸評: 蓋のないパンドラの箱



 


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