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「まる」と「十勝」

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【新弥生時代 植物工場論】

 

ここ数年新しい農業について考えてきたことを、独自に事業化の基本イメージを確定させておきたいという
思いに駆られ、上記の本をそのたたき台として、時宜、読み進めたいと掲載を開始した。独自の事業化イメ
ージはできあがっている。この本にもすこし紹介されている。時々の気付いた点を添え書きとしてここに記
載していく。通読された方に理解できるだろう。それでは読み進めることに。
 

 「植物工場」とは、光、温度、湿度、二酸化炭素濃度、培養液などの環境条件を施設内で人工的に制御
 し、作物を連続生産するシステムのことで、季節や場所にとらわれず、安全な野菜を効率的に生産でき
 ることから多方面で注目を集めています。その「植物工場」そのものにスポットをあてた本書では、設
 備投資・生産コストから、養液栽培の技術、流通、販売、経営などを豊富な写真や図解を用いて様々な
 角度からわかりやすく解説。また、クリアすべき課題や技術革新などによってもたらされるであろう将
 来像についても、アグリビジネス的な視点や現状もふまえながら紹介、文字通り植物工場のすべてがわ
 かる一書となっています。

                  古在豊樹 監修「図解でよくわかる 植物工場のきほん」より

  【目次】

  巻 頭 町にとけ込む植物工場
  第1章 植物工場とはどういうものか
  第2章 人工光型植物工場とは
  第3章 太陽光型植物工場とは
  第4章 植物生理の基本を知る
  第5章 植物工場の環境制御(光(照明)
  第6章 CO2/空調管理
  第7章 培養液の管理
  第8章 植物工場の魅力と可能性
  第9章 植物工場ビジネスの先進例
  第10章 都市型農業への新展開
  第11章 植物工場は定着するか

 

   巻 頭 町にとけ込む植物工場

  都市のなかでの地産地消

                                    「コメ・スタ」で植物工場をみながら食事

    柏の菜では、植物工場をもつレストランもふたつある。そのひとつが三井ガーデンホテル柏の葉内に
  ある「Comesta (コメ・スタ)」。コメ・スタのランチブッフエの目玉のひとつが、植物工場野菜を利
  用したサラダで、店内の植物工場と株式会杜みらいの柏の葉第2グリーンルームで栽培された野菜が食
  べられる。ロメインレタスとフリルレタスは、みずみずしく、新鮮でおいしいと好評。葉を小さくちぎ
  ったものより、まるごと1枚味わえるものが人気という。サラダ以外の野菜も近隣の農家のものを積極
 的に使っているコメ・スタ。植物 工場のディスプレイがあると、柏の野菜を食べるという店のコンセ
 プトも伝わりやすい。また、目に入るものの成長過程が一目瞭然なことが、客の満足度を高くしている
 ようだ。

 
                                                                                             身近に植物工場のある生活

   「江戸時代には、植物を育てて愛でる文化が当たり前にありました。朝顔、盆栽などの育種も、いま
  でいえばゲームに親しむような感覚でやっていたんです。それは、お年寄りの楽しみだけでなく、家族
  のコミュニケーションツールにもなっていたのです」(古在さん)。現代においてその役割を果たすの
 が家庭用の植物工場だと、古在さんは考える。
  2012年から2013年にかけて、パナソニック株式会社、三井不動産株式会社、株式会社みらい
 千葉大学が共同で、家庭用植物工場ネットワークの社会実験を行った。外見は小型冷蔵庫のようだが、
 栽培の楽しみはもちろん、利用者同士がSNSでつながるなど、双方向のコミュニケーションツールと
 なるのが特徴だ。



ここでは、「コミュニケーションツール」という言葉が「家庭用植物工場」に採用されている。別の角度か
ら、つまり、デジタル革命の基本特性の第2則のダウンサイジング、第3則のボーダレスに通ずるところが
ある。尚、産業論からは、第1則のシームレス(あるいは「融合」)が同時進行することも意味していると
いえる。


  実験では、一般家庭で実際に13種類程度の野菜を栽培。次々と栽培をすすめることで、3人家族で
 は食べきれないほどの野菜が収穫できた。実用化するにはまだ値段が高いのだが、売価を一定の水準に
 設定できれば、一般家庭への片及も現実的になるだろうと予想される。
  また柏の葉には、ららぽ1と柏の葉の屋上農園と、オークヴィレッジ柏の葉という2つのタイプの体
 験農園がある。
  屋上農園は、ショッピングセンター内という立地を活かし、イベントや収穫体験などを中心に、誰で
 も手軽に農娶に親しむことができる。一方のオークヴィレッジは、本格派。柏の葉キャンパス駅から1
 分の包地ながら、6000平方メートルの農地で、有機栽培を実践することができる。柏の葉ではこう
 して、農業に親しむ空間が少しずつ広がりつつある。
  さらに、ららぽ1と内には、みらいが管理する小型植物工場があり、日常の買いものをしながら植物
 の成長を目にする機会も用意されている。また食材売り場には、みらいの柏の菜第2グリーンルームで
 収穫された植物工場野菜のコーナーが設置されていて、毎日でも植物工場野菜を食べることができる。  

 

 

  さまざまなタイプの植物工場が集まる柏の葉



                  研究成果を結集した柏の葉第2グリーンルーム

  株式会社みらいが運営する柏の葉第2グリーンルームは、千葉大学柏の葉キャンパスから車で10分弱
 の場所にあり、2014年6月から本格稼働している。日産1万株もの野菜を生産できるのが最大の特
 徴。グリーンリーフ、ロメインレタス、フリルレタスなどを栽培している。
  見学窓からは、栽培棚ごとに野菜が次第に大きくなっていく様子や、作業をする様子をみることがで
 き、野菜の育つ環境が手に取るようにわかる。その情報を積極的に提供する姿勢は、野菜のパッケージ
 にもあらわれている。カラフルなパッケージには、「野菜工場で採れました!」の文字。ほかにも農薬
 不使用であること、洗わずに食べられること、さらには食べ万の提案など、中身を知ってもらう情報が
 しっかりと記されている。

 

                                                                                                          この項つづく 

 

● ルーフがスライドハウス

イギリスSuffoklに位置するスライドハウス。ソーラーパネルで充電可能な電気モーターを搭載し、屋根と外
壁をスライドすることで、おひさまや風を感じつつ過ごすことができるという。これに注目したのは、農産
物用の温室と住居の間をスライドさせ、昼間はルーフトップ型太陽光で発電させ、住居側の遮光の冷却効果
を利用し、温室側の採光行い温室機能を利用。夜間は、温室側の放熱を防ぎ、放熱を防ぎ保温機能を利用し。
住居側は断熱設計仕様で冬季は保温を、夏季は昼間の断熱効果を利用できるよう設計する。また上図のよう
に、スライドハウスは、テニスコートやプールなどの覆蓋(テラス)などにも使用できる。このアイデアは
未来の完全自給自足型住宅の基礎となるかも知れない。これは面白い。

 

● 「まる」と「十勝」

 

最近はまっていること。それはチーズを肴に日本酒を飲むこと。具体的には、明治の十勝と白鶴のまるを、
作業を終え、寝る前に呑むのが楽しみである。このチーズ食感と日本酒のコラボレーションに目覚めたとい
うわけだ。これはいける。
 

 


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