彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」。
【今日の電子でちんランチ】
降雪除去処理で町内はくたくた。そこで、暖かいそばを彼女に注文す
ると、エビ天蕎をだしてくれるというので、丸餅を焼いて「勝っちん」
仕立てにと注文(贅沢だね)。しかし、これが短時間でできあり、本当!
日本って素敵ですよね。
● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング
廃プラスチックを直接プラスチックの原料に
「マイクロ波で急速加熱」(オール・バイオマス・システム '23)で
掲載しているように、マイクロ波の化学プラントの実用化が本格化し
ている。東京工業大学の和田雄二教授によると(「高度炭素・水素循
環に資する革新的反応・分離のためのCxHyOz制御科学」)、①反応速
度を10倍にできれば反応容器の大きさは1/10にできる可能性があり、
従来の化学工場のサイズを大幅に小さくでき、②エネルギー消費が減
らせ、③太陽電池から直接電源供給できるようにしたいとかたり、震
災時の様に、緊急に燃料製造が必要な場合には、大がかりに燃料を持
ち込むのではなく、食用油があってメタノールがあってそれを処理で
きる太陽光パネルが乗った反応炉があれば、現地調達でバイオディー
ゼルを製造する事ができる。マイクロ波装置は、そのような小型オン
サイトの装置としての役割を担うことができるし、そのポテンシャル
を持っていると離している(「マイクロ波を語る/ナノ粒子~マイク
ロ波の可能性」)。
【関連特許技術】
❏特許 第6404523B1号 銀ナノ粒子の製造方法
【概要】
近年、金属微粒子を含有する導電性インクを基材上に印刷して焼成、
極めて微細な電子回路やデバイスを形成するプリンテッドエレクトロ
ニクス技術が注目。導電性インクに用いられる金属微粒子は、従来か
ら知られた導電ペースト中の導電フィラーよりもはるかに小さいナノ
メートルサイズの粒子であるため、ナノ粒子特有の融点降下により低
温で焼結させることができ、かつ金属箔に近い高い導電性を実現でき
るという特徴がある。このような導電性インクに用いられる金属の種
類としては、銀、金、銅等があるがその技術事例としていかのような
ものがある。
1.シュウ酸銀と、オレイルアミンとを反応させて少なくとも銀とオ
レイルアミンとシュウ酸イオンとを含む錯化合物を生成し、生成し
た錯化合物を加熱分解して銀超微粒子を生成する方法
2.金属ナノ粒子の製造方法に関し、カルボン酸ニッケル及び1級ア
ミンを含む混合物を100〜165℃の範囲内の温度に加熱して錯
化反応液を得た後、錯化反応液をマイクロ波照射によって170℃
以上の温度に加熱して錯化反応液中のニッケルイオンを還元し、1
級アミンで被覆されたニッケルナノ粒子のスラリーを得る方法。
3.金属酸化物や金属水酸化物を分散した有機溶媒にマイクロ波を照
射して加熱することにより金属微粒子を製造する方法
4.金属ナノ粒子を溶液中で化学反応によって形成する金属ナノ粒子
の作製方法において、溶液に金属源である無機化合物の粉末を分散
させる工程と、分散剤を添加する工程と、熱及びキャビテーション
の少なくとも一方を照射し、無機化合物を還元する工程を含むこと
を特徴とする金属ナノ粒子の作製で熱の照射方法としてマイクロ波
が挙げられている。
【課題解決】
シュウ酸銀−アミン錯体から銀ナノ粒子を得る方法に着目し、アルキル
アミン及びアルコキシアミンのマイクロ波吸収性が良いことを見出し、
アルキルアミン及びアルコキシアミンの少なくとも一方とマイクロ波
照射により加熱とを組み合わせて還元を行なえば、僅か数分で銀ナノ
粒子を合成できることを発見、続いて。アルキルアミン及びアルコキ
シアミンの少なくとも一方とマイクロ波照射による加熱とを組み合わ
せて還元を行なえば、僅か数分で銀ナノ粒子を合成できることを発見。
【発明の効果】
粘性の高いシュウ酸銀−アミン錯体から粒度分布の狭い銀ナノ粒子を短
時間で大量に製造できる。
※上表1から分かるように、実施例1〜5では、マイクロ波を用いる
ことで急速加熱することができ、合成時間を大幅に短縮することがで
きた。また、マイクロ波加熱によれば、反応容器の壁面近傍と中心部
を同時に加熱し、粘性のある混合液をムラなく加熱することができた
ので、分散メジアン径の小さい銀ナノ粒子を製造することができた。
更に、実施例1〜5において得られた銀ナノ粒子は、分散性及び希釈
性が良好であり、低温(120℃)で焼成したときの体積抵抗値が低
いものであった。
【最新人工光合成技術】
光合成は、植物が光エネルギーを使って水と空気中のCO2から酸素と
デンプンなどの糖類を生産する営みとしてよく知られる。植物は、光
エネルギーを使って葉緑体の中にある膜に並んだタンパク質複合体が
水を酸化し、そこで得られたエネルギーでCO2を分解して糖類を生産
している。この方法は水素を使わないが、太陽光エネルギー変換効率
が0.2~0.3%程度と低く、事業化には程遠い効率である。一方、人工
光合成では、タンパク質複合体の代わりに光触媒を使う。光触媒を使
って水を水素と酸素に分解、その後、水素だけを分離膜を使って取り
出し(ソーラー水素)、CO2と合成触媒を使って反応させて有機化合
物を生産する仕組み。 この人工光合成では太陽光エネルギー変換効
率を飛躍的に高められるが、一方で多くの技術課題が残っている。特
に、光触媒と分離膜、合成触媒の3つが実用化に向けたキーポイント
となる。
❏特開2021-63246 還元反応用電極、還元反応用電極の製造方法、お
よび還元反応用電極を用いた反応デバイス
【要約】Ru錯体ポリマーを用いた大面積化、高出力化が可能な還元
反応用電極、その還元反応用電極の製造方法、およびその還元反応用
電極を用いた反応デバイスを提供する。
【解決手段】基材12と;炭素繊維と炭素との複合基材と、Ru錯体
モノマーとN,S,Bのうち少なくとも1つを含む5〜9員環構造を
有する複素環式芳香族化合物とを含んで構成されたRu錯体ポリマー
と、を含む触媒層16と;を有し、触媒層16におけるRu錯体ポリ
マー中のRu錯体モノマーの含有量は、3.35×10−6mol/c
m2を超え、6.70×10−6mol/cm2未満の範囲であり、複
素環式芳香族化合物の含有量は、1.32×10−6mol/cm2を
超え、2.64×10−6mol/cm2未満の範囲である、還元反応
用電極10である。
【発明の効果】Ru錯体ポリマーを用いた大面積化、高出力化が可能
な還元反応用電極、その還元反応用電極の製造方法、およびその還元
反応用電極を用いた反応デバイスを提供することができる。
図1.本発明の光触媒材を示す模式断面図
【符号の説明】 100 光触媒材 1 光触媒層 11 凸部
11S 凸部の頂点又は頂上部 12 凹部 12B 凹部の底点又は
底部 2 絶縁性の基板 3 光触媒粒子 4 親水性バインダー 5
水 6 細孔 T11 凸部11の厚さ T12 凹部12の厚さ D1 光
触媒層における凸部と凹部との高低差 D2 基板2における凸部と凹
部との高低差
❏特許7202527光触媒材及びその製造方法 徳留弘優 中村俊夫
【概要】
光触媒を用いた水分解による水素製造技術として、光触媒粒子を基板
に固定化した膜(光触媒層)の開発が進められてきている。例えば、
特開2012-187520号公報(特許文献1)には、基材上に光
触媒層を有する水分解用光触媒固定化物であって、光触媒層が窒化物
又は酸窒化物である可視光応答型光半導体と、可視光応答型光半導体
に担持された助触媒と、親水性無機材料とを含む、光触媒固定化物が
例示されている。特許文献1によれば、親水性無機材料粒子を共存さ
せることによって、光触媒層内に水が浸入し易くなり、光触媒層の内
部においても光水分解反応を生じさせることができ、また、親水性表
面によって生成ガスが光触媒層に付着し難くなる結果、生成ガスの気
相中への拡散が促進されるため、反応効率が向上したとされている。
WO2014/046305号公報(特許文献2)には、基材と、基
材に固定化されてなる光触媒層とを含んでなる光触媒材であって、光
触媒層が、一次粒子径が100nm以下である水素発生用可視光応答
型光触媒粒子と、酸素発生用可視光応答型光触媒粒子とを含むものが
例示されている。この例では、水素発生用可視光応答型光触媒粒子と
酸素発生用可視光応答型光触媒粒子とが互いに接触している。 特開
2017-124393号公報(特許文献3)には、基材と、基材に
固定化されてなる光触媒層とを含んでなる光触媒材であって、光触媒
層が、水素発生用可視光応答型の第1の光触媒粒子と、酸素発生用可
視光応答型の第2の光触媒粒子と、特定のエネルギー準位を有する導
電性粒子とを含むものが例示されている。この例では、光触媒層にお
いて、導電性粒子が第1の光触媒粒子と第2の光触媒粒子とに接続さ
れるように配置され、導電性粒子により電気性に接続された第1の光
触媒粒子および第2の光触媒粒子は高い光触媒活性を発現することが
可能とされている。
図2 本発明の光触媒材の一実施形態を示す模式断面図
特開2017-155332号公報(特許文献4)には、基板である
第1導電体と、第1導電体上に配置された複数のピラー構造体を含み、
かつ透明である第2導電体と、ピラー構造体の表面上に配置された、
可視光光触媒を含む光触媒層とを含む光電極が例示されている。この
例では、光電極を水分解の電極として利用する場合、光電極の光触媒
層側の面がピラー構造体の形状を反映した凹凸形状を有することによ
り、水分解反応によって発生した気泡(水素又は酸素)が光電極外へ
放出しやすいため、水分解反応の効率を高めることが可能とされてい
る。しかしながら、この例では、光触媒層を担持するピラー構造体の
凹凸形状を光触媒層に反映することにより、光電極構造中にマクロ的
に凹凸形状の光触媒層を形成しているに過ぎない。つまり、この例で
は、光触媒層自体が凹凸形状を有しているわけではなく、また光触媒
層の膜厚は一定である。
票1.
※水素発生用可視光応答型光触媒粒子
水素発生用可視光応答型光触媒粒子は、光学的バンドギャップを有す
る半導体粒子である。水素発生用可視光応答型光触媒粒子が可視光を
吸収することで、水素発生用可視光応答型光触媒粒子におけるバンド
間遷移等の電子遷移により、伝導帯あるいはバンドギャップ内に存在
する電子アクセプター準位に励起電子を生じ、かつ価電子帯あるいは
バンドギャップ内に存在する電子ドナー準位に励起正孔を生じる。水
素発生用可視光応答型光触媒粒子とは、この励起電子および励起正孔
のそれぞれが反応対象物を還元および酸化することが可能な光触媒材
料である。つまり、水素発生用可視光応答型光触媒粒子は、例えば、
可視光線を照射することで生成する励起電子が、水を還元して水素を
生成可能な光触媒材料である。水素発生用可視光応答型光触媒粒子の
伝導帯あるいはバンドギャップ内に存在する電子アクセプター準位は、
例えば、水の還元電位(0V vs.NHE(標準水素電極電位)a
t pH=0)よりも負な位置にある。また、水素発生用可視光応答
型光触媒粒子の価電子帯あるいはバンドギャップ内に存在する電子ド
ナー準位は、例えば、第2の光触媒粒子の伝導帯位置よりも正な位置
にある。
水素発生用可視光応答型光触媒粒子の好ましい例としては、Rhドー
プSrTiO3(SrTi1-xRhxO3:x=0.002~0.1)、
IrドープSrTiO3(SrTi1-xIrxO3:x=0.002~
0.1)、CrドープSrTiO3(SrTi1-xCrxO3:x=
0.002~0.1)、Cr及びTaドープSrTiO3(SrTi1
-x―yCrxTayO3:x=0.002~0.1、y=0.002~
0.1)、La及びRhドープSrTiO3(Sr1-xLaxTi1―
yRhyO3:x=0.005~0.2、y=0.005~0.2)等
の遷移金属あるいは貴金属の少なくとも1種類がドープされたペロブ
スカイト型SrTiO3、Cu2O、CuO、CaFe2O4、NiO、
Bi2O3、BiOX(X=Cl,Br,I)、GaN-ZnO固溶体、
LaTiO2N、BaTaO2N、BaNbO2N、TaON、Ta3-
N5、Ge3N4等の遷移金属あるいは典型金属を含有する酸窒化物あ
るいは窒化物、CuGaS2、CuInS2、Cu(Ga,In)S2、
CuGaSe2、CuInSe2、Cu(Ga,In)Se2、Cu2
ZnSnS4(CZTS)、Cu2ZnSn(S,Se)4等のGa、
In、Al等の典型金属を含む銅複合硫セレン化物、La5Ti2Cu
S5O7、La5Ti2AgS5O7、La5Ti2CuSe5O7、La5
Ti2AgSe5O7等の酸硫セレン化物からなる群から選択される1
種以上が挙げられる。
※酸素発生用可視光応答型光触媒粒子:
酸素発生用可視光応答型光触媒粒子は、光学的バンドギャップを有す
る半導体粒子である。酸素発生用可視光応答型光触媒粒子が可視光を
吸収することで、酸素発生用可視光応答型光触媒粒子におけるバンド
間遷移等の電子遷移により、伝導帯に励起電子を生じ、かつ価電子帯
に励起正孔が生じる。酸素発生用可視光応答型光触媒粒子とは、この
励起電子および励起正孔のそれぞれが反応対象物を還元および酸化す
ることが可能な光触媒材料である。つまり、酸素発生用可視光応答型
光触媒粒子は、例えば、可視光線を照射することで生成する励起正孔
が、水を酸化して酸素を生成可能な光触媒材料である。酸素発生用可
視光応答型光触媒粒子の価電子帯は、例えば、水の酸化電位(+1.
23V vs.NHE(標準水素電極電位)at pH=0)よりも正
な位置にある。また、酸素発生用可視光応答型光触媒粒子の伝導帯は、
例えば水素発生用可視光応答型光触媒粒子の価電子帯位置よりも負な
位置にある。
酸素発生用可視光応答型光触媒粒子の好ましい例としては、BiVO4、
XドープBiVO4(X:Mo,W)、SnNb2O6、WO3、Bi
2WO6、Fe2TiO5、Fe2O3、Bi2MoO6、GaN-Zn
O固溶体、LaTiO2N、BaTaO2N、BaNbO2N、TaO
N、Ta3N5、Ge3N4等の遷移金属あるいは典型金属を含有する
酸窒化物あるいは窒化物からなる群から選択される一種以上が挙げら
れる。 光触媒層中に含まれる固形分全体に対する光触媒粒子の含有
割合は、1wt%以上99wt%以下であることが好ましく、光触媒
粒子の種類、形態などに応じて適宜決定すればよい。例えば、一段階
励起により水を水素と酸素に光分解できる光触媒粒子の含有割合は5
0wt%~90wt%であることが好ましく、二段階励起により水を
光分解し水素あるいは酸素を生成できる光触媒粒子の含有割合は30
wt%~90wt%であることが好ましい。
※光触媒粒子の助触媒
本発明において、光触媒粒子の表面に助触媒を担持させることができ
る。これにより、水の還元および酸化反応が促進され、水素および酸
素の生成効率が向上する。水素発生用可視光応答型光触媒粒子の助触
媒としては、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム等の金属粒子、
これら金属粒子の酸化物または水酸化物、これら金属酸化物または水
酸化物とCr、Zr、Ta、Ti、Siとの複合体を用いることがで
る。助触媒を光触媒粒子1の表面に担持させることにより、水の還元
反応における活性化エネルギーを減少させることが可能となるため、
速やかな水素の発生が可能となる。酸素発生用可視光応答型光触媒粒
子20の助触媒としては、Mn、Fe、Co、Ir、Ru、Ni等の
金属、これらの金属を混合させた金属酸化物、金属水酸化物もしくは
金属リン酸塩からなる粒子を用いることができる。本発明において、
光触媒粒子の表面に助触媒を担持させることができる。これにより、
水の還元および酸化反応が促進され、水素および酸素の生成効率が向
上する。水素発生用可視光応答型光触媒粒子の助触媒としては、白金
、ルテニウム、イリジウム、ロジウム等の金属粒子、これら金属粒子
の酸化物または水酸化物、これら金属酸化物または水酸化物とCr、
Zr、Ta、Ti、Siとの複合体を用いることがでる。助触媒を光
触媒粒子1の表面に担持させることにより、水の還元反応における活
性化エネルギーを減少させることが可能となるため、速やかな水素の
発生が可能となる。酸素発生用可視光応答型光触媒粒子20の助触媒
としては、Mn、Fe、Co、Ir、Ru、Ni等の金属、これらの
金属を混合させた金属酸化物、金属水酸化物もしくは金属リン酸塩か
らなる粒子を用いることができる。助触媒の平均一次粒子径は、光触媒
粒子の平均一次粒子径の測定方法と同様の方法で求めることができる。
すなわち、助触媒の平均一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(例えば、
SU-8220、日立ハイテク製)を用いて、倍率2000倍、2μ
m角の視野で二次電子像を観察した際の結晶粒子20個の円形近似に
よる平均値として求めることができる。助触媒の濃度は、光触媒に対
して、重量当たりの濃度(重量パーセント)として、0.01~5重
量%が適している。助触媒の濃度をこの範囲内とすることで、助触媒
としての効果が望ましく発揮され、あるいは、光触媒粒子の表面に助
触媒が適量担持されているため、助触媒により光触媒の光吸収が阻害
されるリスクが無い。
※親水性バインダー
光触媒層1は親水性バインダー4を含む。親水性バインダー4は、光
触媒粒子3を結着して、光触媒層1、ひいては光触媒材100の耐久
性を向上させる。さらに、親水性バインダー4は、その親水性により、
光触媒層1の内部で生成された水素ガス及び/又は酸素ガスの気泡の
光触媒層1表面への移動を助ける。光触媒層1の表面に到達した水素
ガス及び/又は酸素ガスの気泡は、上述したとおり、光触媒層1が有
する特別な表面構造により、すなわち凹凸形状の傾斜面または垂直面
により、気泡が成長する前に表面からスムーズに放出される。このよ
うに、本発明の光触媒材にあっては、光触媒層に含まれる親水性バイ
ンダーによる作用と、光触媒層の特定の表面形状による作用とが相ま
って発揮され、高い効率で水を光分解することが可能となり、高い水
素発生能を有する。光触媒層1は親水性バインダー4を含む。
親水性バインダー4は、光触媒粒子3を結着して、光触媒層1、ひい
ては光触媒材100の耐久性を向上させる。さらに、親水性バインダ
ー4は、その親水性により、光触媒層1の内部で生成された水素ガス
及び/又は酸素ガスの気泡の光触媒層1表面への移動を助ける。光触
媒層1の表面に到達した水素ガス及び/又は酸素ガスの気泡は、上述
したとおり、光触媒層1が有する特別な表面構造により、すなわち凹
凸形状の傾斜面または垂直面により、気泡が成長する前に表面からス
ムーズに放出される。このように、本発明の光触媒材にあっては、光
触媒層に含まれる親水性バインダーによる作用と、光触媒層の特定の
表面形状による作用とが相まって発揮され、高い効率で水を光分解す
ることが可能となり、高い水素発生能を有する。親水性バインダーは、
Si、Ti、Zr、Ta、Nb、Fe、Sn等の金属を含む酸化物、
水酸化物または複合酸化物であることが好ましい。親水性バインダー
は、光触媒層1が基板2に密に固定化された場合において、光触媒層
表面の水接触角が20度以下となるような親水性を有することが好ま
しい。
親水性バインダーはいかなる形状であってもよく、例えば、粒状ある
いは被膜状であってよい。ここで、親水性バインダーが被膜状である
とは、光触媒粒子表面上に、明確な粒界を有する粒子としてではなく、
無定形の連続的な被膜として親水性バインダーが担持されている状態
を表す。ただし、光触媒全面を親水性バインダー被膜が覆うと、光触
媒活性表面が失われてしまうことから、親水性バインダーに被覆され
ていない光触媒表面も有することが重要である。光触媒粒子に担持さ
れた親水性バインダーが被膜状の場合、その厚さは1nm以上100
nm以下であることが好ましい。厚さは、たとえば、被膜表面を透過
型電子顕微鏡観察にて観察した際の10点の平均値として求めること
ができる。親水性バインダーが粒状の場合、その平均一次粒子径は1
nm以上10μm以下であることが好ましい。平均一次粒子径は、例
えば、粒状物または被膜状物を、走査型電子顕微鏡(例えば、SU-
8220、日立ハイテク製)を用いて、倍率20000倍、200n
m角の視野で二次電子像を観察した際の結晶粒子10個の円形近似に
よる平均値として求めることができる。 (後略)
【発明の効果】光触媒材によれば、水分解反応によって発生する水素
又は酸素を、逆反応を抑制しながら効率的に採取することが可能であ
り、とりわけ水素発生能が高められた光触媒材を得ることができる。
✔ 次回も人工光合成の最新技術に触れ、中核になる関係技術事例と
開発研究・展望を調査する。
新・国債の真実―99%の日本人がわかっていない
目次
はじめに
1章 まず「これ」を知らなくては始まらない―そもそも「国債」っ
て何だろう?(企業は金を借りて運営する、国も同じ;政府は予算
を立て、「足りない額の国債」を発行する ほか)
2章 世にはびこる国債のエセ知識―その思い込い込みが危ない(
何の知識もなく語っている人が多すぎる;「倹約をよしとする」と
「借金は悪」となる ほか)
3章 国債から見えてくる日本経済「本当の姿」―「バカな経済論」
に惑わされないために(なぜ財務省は「財政破綻する」と騒いでい
るのか?;財務省ロジックに乗っかる人々もいる ほか)
4章 知っているようで知らない「国債」と「税」の話―結局、何を
どうすれば経済は上向くのか(経済を「道徳」で考えると、大きく
見誤る;政府がお金を使うということは、国内にお金を巡らせるこ
と ほか)
5章 「国債」がわかれば、「投資」もわかる―銀行に預けるくらい
なら国債を買え(国債は金融商品の「プレーンバニラ」;低金利下
では、国債が最強の金融商品 ほか)
------------------------------------------------------------
日銀は民間金融機関から買った
「国債の代金」としてお金を刷る
「政府が発行した国債は民間金融機関が買う」と間いて、こんな疑問
が浮かんだ人もいるのではないだろうか。
政府の銀行、日銀は何をしているのか、と。
じつは、日銀が直接政府から国債を買うことも、なくはないいこれ
がいわゆる日銀引受けである。マスコミでは禁じ千と識者が語るが、
毎年行われている。しかし限定的である。
では日銀は何をするかというと、民間金融機関がもっている国債を
時価で買うのである。
日銀は知ってのとおり、「お金を刷ることができる唯一の銀行」だ。
ただ、必要なつど、単にお金を刷ることはできない,
私たちが何も受け取らずにお金を払うことがないように、日銀だっ
て、つねに何かを受け取るのと引き換えにお金を刷る。その「何か」
が、民間金融機関が政府から買って保有している「国債」というわけ
だ。
この売買は、日銀が金融緩和政策の一環として行ない、いわゆる「
買いオペレーション」「量的緩和」と呼ばれる。
これをすると世の中にお金がより多く出回ることになり、景気回復
の糸口となる。
ざっとそのメカニズムを説明しておこう。
日銀が民間金融機関から国債を買うと、その「代金」は民間金融機
関が日銀にもっいる「日銀当座預金」に振り込まれる。
ただ、日銀当座預金に置いたままでは、お金は「ただのお金」だ。
だから、民間金融機関は、お金を、「利子収入を生むお金」に変え
るために、企業などに積極的に貸そうとする。
すると金利が下がる。より低金利でお金を借りられるとなれば、企
業も積極的にお金を借りようとする。
その結果、世の中に出回るお金が増える。 物価は「物の量」と
「お金の量」のバランスで決まる。お金がより多く出回れば、以前と
比べて相対的にモノよりお金のぱうが多くなるから、インフレとなる。
デフレ 不況のもとでは、これが景気回復につながる。
こうした「風が吹けば桶屋が儲かる」式の連鎖反応によって、日銀
が民間金融機関 から国債を買いお金を刷ることで、より多くのお金が
世の中に出回ることになるのだ。
日銀は「国債で得た利子収入」を
政府に上納している
国債は政府の借金であり、借金には当然利子がつく。
政府は国債を買った民間金融機関に、一定の金利で利払いをする。
日銀が民間金融機関から国債を買うと、「貸し手」が変わったこと
になり、国債の利子は政府から日銀に支払われることになる。
ここで押さえておきたいポイントは、日銀と政府の関係性だ。日銀
には政策の独立性があるが、政府がとる大きな方針に従って金融政策
を行なう。
また、国民が使う通貨を発行したり、旧債の入札や発行にかかる手
続きをしたりなど、政府の財務処理の「事務方」としての役割もある。
日銀のトップ人事は、国会の同意を得て政府が行なう。予算も政府
が握っている。
要するに日銀は、日本政府の「子会社」といえるのだ。会計的にも
政府が日銀の過半数の出資証券の所有者であり、まさに日本政府の子
会社になっている。
これは、どの国の政府と中央銀行の関係においてもまったく同じで
ある。子会社から親会社には、上納金(出資に対する配当)が収めら
れるものだ。日銀もしかりである。
前項で説明したように、日銀は民間金融機関から買った国債の代金
としてお金(目鍛券)を刷る、目銀からすれば、国債を買い通貨を発
行することで利子収入ができる。
そのため、日銀が得る国債の利子収入を「通貨発行益」と呼ぶ。国
債の利子収入は通貨を発行することで生じる利益といえるからだ。
日銀はその通貨発行益を丸々国に納める。これを「国庫納付金」と
呼ぶ。
政府から見れば、これは税収以外の収入だから「税外収入」と呼ぶ。
この話は、国の財政をちゃんと理解するうえでかなり重要だから、
ここでしっかり覚えておいてばしい。
もう一つ、のちのち重要になる知識を、ここで示しておきたい。
利子収入をもたらす国債は、日銀にとっては「資産」である。
一方、日銀が発行する通貨(日銀券)は、日銀にとっては「負債」
だ。
ピンとこない人が多いだろうから、説明しておこう。日銀券は、民
間金融機関の日銀当座預金と代替できる、つまりイコールだ。
正確にいえば、日銀は国情の代金を日銀当座預金に振り込む。これ
を、民間金融機関が、個人口座からの現金引き出しや、企業などへの
融資の際に引き出し、形のある日銀券(紙幣)として、実際に世の中
に出回らせるのだ。
日銀券の価値を保証する義務を負うのは、もちろん日銀である。
ここでちょっとしたマメ知識になるが、もともと日銀券は、金本位
制だった時代に、金や銀に交換できる「証文」として発行されたのが
始まりだ。
日銀は、つねに日銀券の発行額に見合う金や銀を、保有しておかね
ばならなかった。
「日銀券の価値」=「金や銀の価値」たったわけだ。
いい換えれば、日銀は金や銀を国民から預かっているようなもので、
日銀券は、その金や銀への交換を保証する「債務証書」だったといえ
る。
今は金本位制ではないから、そのような日銀券の役割は失われてい
る。
ただ、「価値」を保証するという意味では変わらない。
つまり日銀券は、今も日銀が発行する「債務証書」のようなものな
のだ。だから、日銀券は日銀の「負債」として計上されるのである。
「負債」というからには、利子がかかりそうなものだが、日銀券には
本来利子はつかない。「本来」といったのは、白川日銀総裁時代に、
日銀当座預金にO・1%の利子をつけることが常態化してしまい、日
銀券は当然無利子であるが、日銀券と代替する日銀当座預金は、完全
無利子の状態ではなくなっているからだ。
民間企業が民間金融機関にもっている当座預金は、法令で「無利子
」と決められている。
それは、終戦後に制定された臨時金利調整法に基づく財務省・金融
庁告示によるもので、民間金融機関への国民の当座預金は無利息とさ
れている。
なお、今や金利自由化の時代なので、臨時金利調整法そのものが不
要であると私は思うが、民間金敵機閉の当座預金だけは無利子とする
ためだけに、この法律が存在しているようだ。
それなのに民間金融機関が日銀に行なう、日銀当座預金には利子が
つくというのは、非常におかしな話だ。
2016年1月、日銀当座預金の超過準備金(個人の口座からの現
金引き出しなどに備えて、日銀当座預金に最低限、入れてねかなくて
はいけない法定準備預金額を超える金額)の一部にマイナス金利が課
せられることになった(マイナス金利付き量的・質的金融緩和)。
超過準備金に対しては、逆に民間金融機関のほうが、利子を払わな
くてはいけなくなったのだ。
導入された際に、民間金融機関は大騒ぎしたが、本来、得るべきで
はない利子を得てきたのだから、私にいわせれば、妥当な政策である。
これまで甘い汁を吸ってきたのだから、少しは還元してもよかろう、
という話だ。
しかも、マイナスO・1%の金利になったのは日銀当座預金のごく
一部であり、大部分についてはまだO・1%の金利がついており、ほ
んの少しだけ還元しただけだ。
こんな背景があるため、奥歯にものがはさまったようないい方になっ
てしまったが、元をただせば日銀券は無利子の負債である。
日銀は、国債を買った額だけの日銀券を発行する。今、説明したよ
うに日銀券は無利子だが、国債には利子がつく。
というわけで、国債の利子収入は丸々日銀の収入となり、最終的に
は国庫納付金として政府の税外収入になるわけだ。
✔ なんともややこしい話であり、簡単に素人には飲み込めない"処理"
である(「日銀」の「独立」させる属性の表出である)。
この項つづく
風蕭々と碧い時代