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どうする人類③

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彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」。



「蛇行剣」「盾形銅鏡」発掘の現場が一般公開 
多くの人が訪れる 奈良・富雄丸山古墳(2023年1月29日) 




いそがしさにかまけていると重大な情報を取り逃がしてしまう。1月
28日は発掘現場が一般公開され、鏡や剣の現物は保存処理中のため
展示はなかったが、貴重な発見の現場をひと目見ようと大勢の人が集
まったというこの奈良市の富雄丸山古墳は第6次の発掘調査で、盾の
形をした青銅鏡や、同時代の東アジアの鉄剣としては最大である全長
2m37cmの蛇行剣が発掘。いずれも古墳時代の金属工芸の水準の
高さを示す傑作とされていた。この場所は、出生地の生駒市高山は、
くろんど池より少し南で山中伸弥教授でおなじみの奈良先端技術大学
より西で郡山城近くの古墳は北側に位置する近鉄「富雄駅」周辺であ
る。


類例のない鼉⿓⽂盾形銅鏡&日本最大の蛇行剣が出土 Giazine

 
●  技術的特異点でエンドレス・サーフィング
</spa

● ペロブスカイト表面修飾で高効率高耐久達成
スズ-鉛混合系ペロブスカイト薄膜を効果的に表面修飾する手法(パ
ッシベーション法)を開発
京都大学らの研究グループは、スズ-鉛混合系ペロブスカイト薄膜を
効果的に表面修飾する手法(パッシベーション法)を開発。ペロブ
スカイト薄膜の表面をピペラジン(PP)などのジアミンで処理するこ
とで、表面でのプロトン移動反応によりジアンモニウムで構造修飾す
ることが可能であり、さらにフラーレンのトリカルボン酸誘導体(C
PTA)を塗布することで、ペロブスカイト薄膜表面のスズ上に選択的
に配位結合できることを発見。これらを組み合わせた相乗的表面修飾
法により、スズを含むペロブスカイト太陽電池で22.7%の光電変換効
率を達成するとともに、窒素ガス雰囲気下で>2000時間、空気中でも、
450時間でも90%以上の出力を保つ高い耐久性を実現。


図 本研究で開発した相乗的ペロブスカイト表面パッシベーション法
 の概要図:(1)FA+やMA+(ホルムアミジニウムやメチルアンモニウ
 ム)からピペラジン(PP)へのプロトン移動、(2)CPTAがSn2+に結
 合、(3)PP2+がペロブスカイトのグレイン界面に浸透、(4)アンモニ
 ウムからPPへのプロトン移動、(5)グレイン界面でもCPTAがSn2+に
 結合、(6)CPTAとPP2+ が水素結合で隣り合ってペロブスカイト表面
 を構造修飾(パッシベーション)する。
【成果】
表面修飾を施したペロブスカイト半導体を用いて、太陽電池(FTO/PE
DOT:PSS/ペロ ブスカイト/C60/BCP/Ag)を作製し、特性を評価。ジア
ミンだけで処理をした場合、20.8%の光電 変換効率が得られ、表面処
理により開放電圧のが 40 mV 向上。しかし、その一方で、J-V 曲線に
は大きなヒステリシスが残ることもわかった。これに対して、CPTA
とジアミン(PP)の混合溶液で、処理することで、ヒステリシスがな
くなり、開放電圧がさらに向上するとともに、曲線因子(FF)と短絡
電流密度も向上し、22.3%の光電変換効率(VOC = 0.88V, JSC = 31.2
mA cm–2 , FF = 0.81)を与えることがわ かりました。本手法を用い
ることで、再現性よく高効率の太陽電池の作製を可能にし、三ヶ月間
にわたり 作製した太陽電池セルの各月の光電変換効率の平均値は、
21.10±0.67%、20.07±0.72%、21.61±0.40%を 記録し、最大で 22.7
%の光電変換効率が得られました。また、得られた太陽電池は高い耐
久性を示し、不 活性ガス雰囲気下で保存したセルは、ジアミンのみの
処理の場合では初期の特性の 69~83%にまで低下し た一方で、CPTAと
ジアミンを組み合わせた処理を行なったセルは2000時間後でも96%の特
性を保持し、 連続光照射条件下でも、>450 時間でも 90%の特性を保
持しました。 本研究では、XPS 測定の結果と理論計算に基づいて、ピ
ペラジンと3つのカルボキシル基をもつフラ ーレン誘導体 CPTA が
、ペロブスカイト半導体薄膜の表面でどのように相乗的に機能し、効
果的なパッ シベーションを実現しているかの詳細を明らかにするこ
とに成功する。
【展望】
スズー鉛混合型だけでなく、スズ系ペロブスカイト半導体 3-5)の表
面修飾にも適用可能 なものであり、今後、鉛フリー型のペロブスカ
イト太陽電池のさらなる高性能化も加速するものと期待 されます。
本研究成果は、京大発ベンチャー「(株)エネコートテクノロジーズ」
(注 1)にも技術移転し、 高性能のペロブスカイト太陽電池の実用
化に向けた開発研究を展開していく予定。



✺ マイクロソフト 25年に再エネ100%実現
Microsoftは2025年までに電力消費を再生可能エネルギーで100%カバ
ーすることを目指し、再生可能エネルギーの導入を進めている。今回
の戦略的提携はその動きの一環で、エネルギーを調達する企業がソー
ラーサプライヤーと直接協力して大規模な再生可能エネルギーを取り
入れる初の事例となる。大手ソーラーパネルメーカーのQセルズと戦
略的提携を締結したことを発表。これにより、少なくとも2.5ギガ
ワット分、一般家庭だと40万世帯に供給するのに十分なだけの電力が、
Microsoftと協力する開発者に提供される。
なお、ニュースサイトのThe Vergeは、世界のソーラーパネルの約 80
%は中国で製造されていて、サプライチェーンの問題やウイグルでの
労働虐待の申し立てから、アメリカ全体でソーラーエネルギーの展開
が難しくなっていることを指摘。韓国が拠点のQセルズと提携するこ
とでボトルネックを解消しようとする試みだと述べている。


❏ 特許5757558 家畜飼料の製造方法及び家畜飼料
【概要】
牛の畜産において生産効率を上げるために濃厚飼料依存型の飼育方式
が主流になっている。しかしながら、この濃厚飼料依存型の飼育方式
は、牛等の反芻動物の生理を無視することになる。このため、濃厚飼
料依存型の飼育方式は、ルーメン(第一胃)機能異常にともなうルー
メンアシドーシス等の消化器病を中心とした代謝性疾病発生の原因に
なっている。ルーメン機能異常の主な原因は、ルーメン液のpHが中
性域に維持できず5.5以下まで低下し、ルーメン内に生育する微生
物の恒常性が破壊されることにある。この現象は、濃厚飼料の主要な
エネルギー源であるデンプン等の易分解性炭水化物が消化され、揮発
性脂肪酸や乳酸が短時間に生成されることにより起こる。特に、ルー
メン機能の安定化に重要な役割を果たしているプロトゾア(原生動物)
はpH6.0以下の状態が長く続くとルーメンから消失する。このpH
の低下を抑制するためには、牧草などの粗飼料の給与を増やすことが
求められている。しかしながら、粗飼料の生産には広大な農地と労働
力を要するため、北海道を除いては慢性的な不足を来たしている。

ここで、牧草と主要な成分が同じである木材は反芻動物の粗飼料とし
て注目されている。従来の木材を用いた反芻動物の粗飼料として、特
許文献1を参照すると、飼料成分として鋸屑(オガコ)等の木材チッ
プと、微生物培養液で処理され黒酵母菌を含有する発酵生成物とを配
合または混合させたことを特徴とする牛用飼育餌が記載されているが、
木材では、構成成分であるリグニンが、飼料になる栄養成分であるセ
ルロースやヘミセルロースのような糖質を覆い、消化を阻んでいる。
リグニンは、高等植物の木化に関与する高分子のフェノール性の生体
高分子化合物であり、高度に重合して、巨大な三次元網目構造を形成
している。また、リグニンは、反応性が乏しい難分解性の化合物であ
り、反芻動物のルーメン内の通常の微生物では消化できず、通常の酵
母でも分解できない。このため、従来技術1の牛用飼育餌中の木質成
分は、実際には、ほとんど消化されない。よって、当該木材チップの
給与は、主にルーメンを刺激する効果が期待できるのみであった。

そこで、従来の木材を用いた反芻動物の粗飼料として木材より得られ
るチップ原料を加圧条件下で蒸煮し、次いで得られた蒸煮物を擂り潰
し、繊維状とすることを特徴とする家畜粗飼料の製造方法が記載され
ている。一般に木材を高温・高圧の水蒸気で蒸煮するとヘミセルロー
スに含まれるアセチル基が遊離して酢酸が生成し、酸性状態になる。
この酸性下でヘミセルロースの一部が加水分解し、低分子化して水に
可溶になる。また、リグニンも可塑化して、有機溶媒やアルカリで抽
出が可能になるとされている。この状態の家畜粗飼料は、ヘミセルロ
ースが水に溶けて流出し、更に木材の細胞壁構造が破壊されているの
で、消化酵素が侵入しやすくなる。よって、セルロースやヘミセルロ
ースが、栄養として消化されるようになる。実際に、蒸煮法で製造さ
れた木質飼料は、牛を対象にした野外実証試験で、通常飼料を与えた
牛と成長状態に差がないことが実証されている。

【課題解決手段】
粉砕媒体質量が17.9G以上の加速度で木質原料に高衝撃力を付加
する乾式の粉砕装置により、木材から得られる含水率20%以下の木
質原料のリグニン構造を粉砕して微粒子化し、前記微粒子化された微
粉末を反芻動物の飼料として用いることを特徴とする。家畜飼料の製
造方法は、前記微粒子化は、前記微粉末の平均粒径が10μm〜50
μmになるように微粒子化することを特徴とする。更に、前記微粉末
を、圧縮成型機で成型加工することを特徴とする。家畜飼料の製造方
法は、前記木質原料は、間伐材をチップ化することで得られる含水率
100%以下の木材チップを衝撃式粉砕機で含水率を20%以下に調
整し、500μm程度の粒径にして用いることを特徴とする。家畜飼
料の製造方法は、前記木質原料は、杉間伐材を皮つきのままチップ化
して用いることを特徴とする。食品副産物又は食品廃棄物を含むこと
を特徴とする。食品副産物又は食品廃棄物は、ふすま、米糠、醤油粕、
おから、ビール粕、焼酎粕、酒粕、廃糖蜜のいずれかであることを特
徴とする。

【発明の効果】
含水率20%以下の木質原料を高衝撃粉砕装置によりリグニン構造を
粉砕して微粒子化することで、木質原料から、安価で、栄養価が高く、
安全性の高い反芻動物用の家畜飼料を提供することができる。



新・国債の真実―99%の日本人がわかっていない
目次
はじめに
1章 まず「これ」を知らなくては始まらない―そもそも「国債」っ
 て何だろう?(企業は金を借りて運営する、国も同じ;政府は予算
 を立て、「足りない額の国債」を発行する ほか)
2章 世にはびこる国債のエセ知識―その思い込い込みが危ない(
何の知識もなく語っている人が多すぎる;「倹約をよしとする」と
「借金は悪」となる ほか)
3章 国債から見えてくる日本経済「本当の姿」―「バカな経済論」
 に惑わされないために(なぜ財務省は「財政破綻する」と騒いでい
 るのか?;財務省ロジックに乗っかる人々もいる ほか)
4章 知っているようで知らない「国債」と「税」の話―結局、何を
 どうすれば経済は上向くのか(経済を「道徳」で考えると、大きく
 見誤る;政府がお金を使うということは、国内にお金を巡らせるこ
 と、ほか)
5章 「国債」がわかれば、「投資」もわかる―銀行に預けるくらい
 なら国債を買え(国債は金融商品の「プレーンバニラ」;低金利下
 では、国債が最強の金融商品 ほか)
--------------------------------------------------------------
日銀が国値を買うと「円安」になる  

 政府は国債を発行する。  
 民間金融機関は政府から入札で国債を買う。  
 日銀は民間金融機関から国債を買い、その利子収入を政府に納める。
 
 国債を巡るこんな関係性が、すでにはっきりとわかったと思う。  
 最後に触れておきたいのは、日銀が民間金融機関から国債を買う影
響だ。これが、「買いオペレーション」「量的緩和」と呼ばれる金融
緩和策であることは、すでに説明した。  
 国債を買うことで、日銀が民間金融機関に資金を出し、民間金融機
関から民間企業などへの融資や投資が活性化するように誘導する。  
 また、民間金融機関から国債を買うことで利子収入(通貨発行益)
が生じ、それを政府に納める(通貨発行益が国庫納付金となる)。  
 すると政府が使えるお金が増え、公共投資などが増え、結果的仁雇
用剔出となって失業者が減る。  
 金融緩和策とは、こんなふうにして世の中に出回るお金を増やして
やろう、というものだ。 この日銀による金融緩和策は、為替にも影響す
る。結論からいえば、日銀が国債を買うと「円安」になるのだ。  
 はたして読者のなかに、為替がどうやって決まるかをちゃんと説明
できる人は、どれくらいいるだろうか。というのも、日本のマスコミ
が為替について説明する際には、ほとんどが「誰かの発言がきっかけ
で円安に動いた」程度であり、為替が決まるメカニズムにまで言及す
ることは少ないからだ。
エコノミストが出てきて解説する場合でも、せいぜい日米の金利がこ
うなったから為替が動いた、などと説明するだけだ。

 では為替が決まるメカニズムは何かというと、「2つの通貨の交換
比率」だ。つまり、通貨の「量」の比率で決まるのである。
 たとえば、日本の円がアメリカのドルよりも相対的に多くなると、
円の価値が下がり、円安になる。
 非常にざっくりとした印象をもったかもしれないが、これは国際金
融理論においても正当とされる説明なのだ。

2章 世にはびこる国債のエセ知識 その思い込みが危ない
何の知識もなく語っている人が多すぎる
 ざっと国債の概要がわかったところで、さらに踏み込んでいこう。
 「国債とは何か」といえば、前章の説明でだいたい話が済んでしま
う。勘のいい人なら、前章の内容さえちゃんと理解できれば、世には
びこる暴論、珍論に惑わされることもないだろう。
 ところが、不思議なことに「国債とは何か」がわかっていてもなお、
おかしなロジックを垂れ流す人たちがいる。
 経済は本質がわかれば、じつにシンプルで公明正大な世界だ。国債
も同じである。
 つまるところ、おかしなロジックを並べる人たちは、国債の本質を
本当には理解していないか、あるいは何か裏の思惑があるか、そのど
ちらかなのだろう。
 私に批判的な人たちのことだけをいっているのではない。「高橋洋
二‥tいいことをいう」といっている人たちでさえ、「本当にわかっ
ているのかな」と首をかしげざるをえないことが多々あるのだ。
 たとえば、「国債は政府の借金だが、政府は返す必要がない」なん
てことをいう人がいる。まったく呆れるしかない、トンデモ論だ。

「借りたものを返す」----これはいうまでもなく、世の中の道理だ。
 政府も例外ではなく、「借金はきっちり返さなくてはならない」と
いうのは、法律でも定められている。もし、返さないと政府がいった
ら、それはデフオルト(債務不履行)官菅になってしまって、国債は
暴落して国民経済は大変なことになる。
 かといって、よく聞く「国債発行額が膨れ上がっているのは、将来
世代に負担をかけることだからよくない」というのも見方によっては
誤りだ。
 国債の本質がわかっていれば、「国債は借金だから全額返す義務が
あるが、きちんとバランスシートなどで国の財務状況を見れば、現在
の国債発行額には何も問題がない」ということがわかる。
 ちやんとした知識もないのに、どうしてわかったようなことをいえ
るのか。
 私には不思議でならないが、そういう人が多いのは紛れもない事実
である。
 経済の素人のみならず、多くの人が「正しい」と思っているマスコ
ミですら、似たり寄ったりなのだから、余計にたちが悪い。

 おかしな論調に流されないためにも、しっかり、リテラシーを磨い
ておいたほうがいい。おかしな論調に流されないためにも、しっかり
リテラシーを磨いておいたほうがいい。
 これから、世にはびこるエセ知識の何か間違っているのかも見なが
ら、さらに国債の知識を深めていこう。

「倹約をよしとする」と「借金は悪」となる 
 経済学には「合成の誤謬」という言葉がある。簡単にいえば、個人
レベルで見れば正しいことでも、同じことをみんながやったら困る、
という話だ。

 日々倹約して、お財布のなかにあるお金だけで、何とかやりくりし
< なくてはならない。
 これは、個人としては当たり前の感覚だろう。そうでなくては、生
活費を借金することになってしまう。それはそれでけっこうなのだが
、こういうミクロの話をそのままマクロに当てはめると、たちまち問
題が生じる。
 私は、よく「半径1メートルの思考で、世の中全体を見てはいけな
い」といっているが、倹約志向にも同じことがいえるのだ。 仮に国
民全員が倹約しだしたら、どうなるか。
 消費が落ち込み、企業の業績が悪化し、給料が下がり、悪くすると
失業してしまう。
 経済では、何事も表裏一体だ。自分はお金を使う側であると同時に、
受け取る側でもある。
 自分も含めて、みんながお金を使わなくなれば、当然、自分か受け
服る額も小さくなり、その結果、世の中は不景気となってしまうのだ。
個人レベルで倹約をして、お給料に見合った生活を送ろうとすること
は、何も否定しない。家計が毎月赤字で大の車となっては大変だ。私
だって、日々、無駄遣いをしないように気をつけている。
 ただ、それと同じ視点で世の中全体を見るのは間違っているのだ。
 「倹約をよしとする」のは、散財を重ねて借金をするといった事態
を防ぐためには、必要な感覚だろう。
 しかし、それが行きすぎて「倹約は絶対善」とすると、「借金は絶
対悪」となってしまう。こうなるともう、借金のすべてを敵視するこ
とになり、企業の借金も国の借金も全部ダメ、という短絡思考に陥って
しまうのだ。たとえば、経営難に陥った会社があるとする。負債が何
億、何百億にも膨れ上がっていると、そこにばかり目が行き批判しが
ちだが、本当の問題は「莫大な借金があること」そのものではない。「
借金を返せるだけの資産がなかったこと」だ。
 つまり、借金に見合うだけの資産がある限り、じつはどれほど借金
が積み重なってもかまわないといっても過言ではない。
 単純な倹約思考で断じるのは、間違っているのだ。 
 そういう意味でいえば、個人レベルでも「借金=絶対悪」とするの
はおかしい。
 たとえば、連日、豪遊するためにお金を借りていれば、ただただ借
金がかさむだけだ。これはもちろん論外だが、一方、お金を借りて家
を買ったとしたら借金の裏側に不動産という資産ができることになる。
 実際にローンを組むかどうかは個々の価値観だろう。ただ、こうい
う借金を否定する人はいないはずだ。特に企業であれば、借金して設
備投資をしなければ会社の発展は望めない。まったく同様のことが、
国債にもいえる。
 マスコミも財務告‥も、なぜか「目本政・府は旧情をこんなに発行
している」「また増えた」と騒いでいるが、これは企業や個人の借金
の額だけを見て騒いでいるようなものだ。
 だが、当然ながら国には負債もあれば資産もある。国債発行だけを
見て問題視するのは、経済のプロであれば決してしない、一面的な見
方なのである。
 結局は、財務宮原や経済記者といえども、経済のプロではないとい
うことだ(財務官僚は、その上うに装っている可能性もあるが)。
 半径Iメートルでしか考えることができず、マクロでは考えられな
い、そういう人たちに、惑わされてはいけない。

「借金をなくせ」で国債がなくなったら、大変なことになる
 「国債は政府の借金であり、増えれば増えるほど国民の負担が増す
」という論調は、いまだ根強い。
 そこまで国債を悪者扱いしたいのなら、本当に国債がなくなったら
どうなるか考えてみればいい。
 はたして国の借金がなくなり、国民はいっさいの負担をのがれ万々
歳となるか。
 いや、そうはならない。
 この点をしっかり理解するには、「金融市場における国債」という
国債のもう1つの顔を理解しなくてはいけない。

 国債は政府の借金だが、同時に金融市場にはなくてはならない「商
品」でもあるのだ。金融市場では、国債以外にも株や社債といった金
融商品が取引されているが、基本は「国債と何か」という取引だ。
 つまり、国債と株、国債と社債を交換するという取引が基本である。
 たとえばAさんが、白分かもっている○社の株を△社の社債と交換
したいと思っても、「こんな株はいり・ません」と拒否されたら交換
することができない。
 でも、株と国債の交換なら簡単にできる。だからAさんは株と国債
を交換し、さらにその国債を欲しかった△社の社債と交換する。
 これは、物々交換とお金を介した売買の比較で考えると、わかりや
すいだろう。
 たとえば、大根3本をジャガイモー袋と交換したくても、それがい
くらお買い得であろうと、相千加大根を欲しがっていなければノ取引
は成立しない。
 でも、大根3本を500円と交換すれば、それでジャガイモー袋加
買える。
 ここで、もしお金が存在しなかったら、どうなるか。大根とジャガ
イモの取引か、つねに成立するとは限らないから、取引は激減するだ
ろう。
 今の話の大根とジャガイモが金融市場における株と社債、お金が金
融市場における国債に当たる。お金がなくなったら大根とジャガイモ
の淑引か激減するように、国債がなくなったら社債や株の寂引か激減
する。
 企業は銀行からの融資のはかに、社債や株で資金を得ているから、
たちまち資至難に陥ってしまうだろう。
 このように国債は、金融市場において「お金」、あるいはかつての
「コメ」のような役割を果たしている。これが、「政府の借金・国債」
のもう1つの顔だ。
 とにかく、すぐに他の商品と交換できる、非常に使い勝手のいい金
融商品なのである。

 ここで「お金と同じ役割なら、お金だけもっていればが出るかもし
れないから、一応説明しておこう。いいではないか」という意見 お
金はお金としてもっている限り、利益を生まない。でも、国債は国の
借金であり、利子がつく。金融市場は、利払いのやりとりを通じて、
経済を動かしているといえる。そのなかで、利益を生まないお金をも
っていては、とてもやっていけない。ちょっとの利払いでも得ていか
なくては商売を続けられないという、シビアな世界なのだ。
 国債は金融市場をこんなふうに根っこから支えている。その国債が
なくなっては、金融機関は商売ができない。ひいては、現在、私たち
が生きている金融資本主義社会の発展も望めなくなってしまう。
 金融マンなら、「国債は政府の借金だからないばうがいい」なんて
絶対にいわないはずだ。国債がなくなれば、金融機関の仕事は大幅に
縮小し、失業しかねないからだ。
 アメリカのニューヨーク市場、イギリスのロンドン市場など、金融
資本主義が発展している他の国の金融市場でも、国債を介した取引が
一番多い。
 国債の発行額は国によって違うが、国債がなくては金融市場が成り立たないという
点では変わらない。
 唯一、先進国のなかで、あまり国債を発行していない国はドイツだ。
 第一次世界犬戦後のドイツでは、生産性がガタ落ちになった。モノ
が減れば、相対的にお金がだぶつく。物価はモノとお金のバランスだ
から、第一次世界犬戦後のドイツではハイバーインフレが起こった。
つまり、ありえないくらい大足に、「お金が余った状態」になったの
である。
 そのトラウマが根強く、ドイツはインフレを起こすような政策には
消極的だ。国債の発行は、お金を世の中に出回らせてインフレを誘導
する。だからドイツは、国債をあまり発行しないというわけだ。
 フランクフルト市場も、東証やニューヨーク市場、ロンドン市場に
比べれば小規模である。
 こういう例外的な国はあるが、国債には金融市場の「コメ」「必須
商品」としての重要な役割がある。
 「国債の借金だからダメこというのが、いかに無知からくる見方か
ということが、ここでもよくわかるだろう。
                         この項つづく

 風蕭々と碧い時代







曲名: ロマンスの神様(1993年12月) 唄: 広瀬香美

● 今夜の寸評:(いまを一声に託す)どうする人類


 


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