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死のシルクロード再考

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【新弥生時代 植物工場論 Ⅳ】 

ここ数年新しい農業について考えてきたことを、独自に事業化の基本イメージを確定さ
せておきたいという思いに駆られ、上記の本をそのたたき台として、時宜、読み進めた
いと掲載を開始した。独自の事業化イメージはできあがっている。この本にもすこし紹
介されている。時々の気付いた点を添え書きとしてここに記載していく。通読された方
に理解できるだろう。それでは読み進めることに。


 「植物工場」とは、光、温度、湿度、二酸化炭素濃度、培養液などの環境条件を施
 設内で人工的に制御し、作物を連続生産するシステムのことで、季節や場所にとら
 われず、安全な野菜を効率的に生産できることから多方面で注目を集めています。
 その「植物工場」そのものにスポットをあてた本書では、設備投資・生産コストか
 ら、養液栽培の技術、流通、販売、経営などを豊富な写真や図解を用いて様々な角
 度からわかりやすく解説。また、クリアすべき課題や技術革新などによってもたら
 されるであろう将来像についても、アグリビジネス的な視点や現状もふまえながら
 紹介、文字通り植物工場のすべてがわかる一書となっています。

          古在豊樹 監修「図解でよくわかる 植物工場のきほん」より 

 

 人工光型植物工場に高まる期待

                                          いのちを育てる「工場」として

 「植物工場」の意味合いは語られる場によってさまざまだが、最近の定義としては
 「 植物の生育環境を制御して栽培を行う園芸施設のうち、環境および生育のモニタ
 リ ングを基礎として、高度な環境制御と生育予測を行うことにより、野菜などの植
 物の周年・計画生産が可能な栽培施設」(農商工連携研究会報告書、2009)が
 ある。この定義に習えば、「自動化・無人化」は植物工場の要件とはされていない。

  工場というネーミングが無機質で暗い印象を与えることもあり、植物工場にはネ
 ガティブなイメージをもつ人もいる(工場一般が暗いイメージをもつのであれば、
 それは改善すべきである。そこで働く人々も、明るい職場で明るく働きたいのだか
 ら)。しかし、植物工場は生きものを育てる点で、無機物を製造する工場とは異な
 っている。植物工場の働きは「製造」ではなく「生産・育成」であり、植物を生み
 出し、育む機能があることを覚えておきたい。将来的には、製造工場も「育てる」
 感じの工場にしたいものである。

                                 期待が高まる社会的背景

 かつて、SFのような話として認識されていた植物工場。しかし20頁で挙げたよう
 な地 球規模の課題や私たちのライフスタイルの変化によって、認知度と需要は上が
 り続けてい る。植物工場への期待が高まっている理由について、より具体的にみて
 みると、以下のようなことが挙げられる。

  ①市民の安全・安心・高品質および安定価格志向が高まっていること。②露 地
  野菜とは異なり、人工光型植物工場では、年間にわたって品質が一定の野菜を供給
  することが可能であること。③市民の健康志向の高まりに関連し、機能性野菜が受
 け入れられつつあること。④高齢者、障がい者、失業者の就業機会の増大要求。⑤
 外食・中食産業が、人工光型植物工場から野菜を仕人れる際、品 質と量の確保が容
 易であること。

    ⑥寒冷、熱帯、乾燥地域における周年安定的な植物生産需要の増大。⑦乾燥地域
 における節水栽培需要の増加。⑧光源空調、断熱、情報設備のコストパフォーマン
 スが、過去15年間で2倍以上向上したこと。⑨農商工連携、6次産業化、地域おこ
 し、街づくりにおける核となることへの期待。⑩ライフスタイルとしての街中植物
 工場への需要が増加。⑨空き 建物、 日陰地などの遊休空間の有効利用。⑩人工光
 型植物工場の市街地への設置で、生産地と消費地が至近距離となり、長距離輸送の
 ためのエネルギーコストと包装コストを削減。

  人工光型植物工場による多様な課題の解決は、いまだ発展途上のものも多く今後
 の技術 革新が期待されている。

 

 植物工場はエコといえるか

               環境制御で最適な生産システムをつくる

  植物工場の利点は、外部からの影響を軽減、もしくは受けずに植物の生産が可能
  な点にある。とくに人工光型植物工場においては、植物生産システムにとって最適
  な環境をつくりだすことができる。
 植物生産システムにとっての最適とは、次の4点である。

  ①そのシステムが持続可能な生産システムである。
  ②高収量・高品質と省資源・環境保全との両立がされている。
  ③経営的に健全である。
  ④作業者に働きがいを与える。

 とくに、持続可能性や省資源・環境保全に関しては、消費者からの期待と関心も高
 い。

※ここでは、④のなかで、重労働からの解放の意義を強調しておきたい。


                      投入資源の利用効率は抜群に高い

  植物生産システムにおける必須投入資源は、光、二酸化炭素、水、肥料、種子(
 苗)である。これらの資源をいかに効率よく利用できるかが、植物工場がエコかど
 うかの判断基準のひとつになる。
  露地、園芸施設、人工光型植物工場の役人資源利用効率を比較してみると、植物
 工場の利用効率が抜群に高い(次頁)。利用効率をみる場合には、土地面積当たり
 ではなく、土地生産性(価値創出量)当たりのコストをみることで、社会における
 実質的な効率を考えることができる。
  たとえば必須投入資源の水についてみると、人工光型植物工場と通常の園芸施設
 の投入量は大きく違ってくる。田畑や温室でかん水した場合には、蒸散・蒸発した
 水蒸気は回収できない。一万、閉鎖型の植物工場では、水蒸気を除湿して再び利用
 することが可能だ。そのため通常の温室の48分の1ですむという実証実験もなさ
 れている。

                                                       社会的視点も踏まえた「省エネ」効果

   人工光型植物工場には必ず光源ランプが必要なので、電気の消費量が大きく、電気代が
 高いことは省エネヘの壁ではある。ただし光源についても研究がすすみ、LEDの普及や
 より効率よく植物を育てられる光源の開発や照明システムの改善などによって、次第にエ
 ネルギー効率は向上している。
  また、植物の生産に直接関わる部分ではない省エネの要素も、植物工場には多々ある。
 消費者にとっては、洗わなくても食べられることで節水になるし、捨てる部分が少ないの
 もゴミの削減につながる。消費地に近い場所での生産が可能な点も、フードマイレージの
 縮小に一役買っている。

 

 

  人工光型植物工場は日本が先進国

               人工光型植物工場研究の礎を築いた日本

  太陽光型の植物工場や施設園芸については、オランダが先進地といわれるが、人
 工光型植物工場については、日本の研究が最先端を走ってきた。
  日本での人工光型植物工場の研究開発は、1970年代半ばにはじまり1990
 年代以降は、日本生物環境調節学会と日本植物工場学会(2007年に日本生物環
 境工学会として統合)、日本養液栽培研究会、園芸学会などが中心になり研究が継
 続されてきた。2009年には、農林水産省と経済産業省による植物工場補助事業
 が開始され、現在も継続されている。

                    全国に広がる植物工場研究

  国のバックアップを受けるかたちになり、日本の大学や農水省系公的研究機関に
 おける人工光型植物工場の研究は活況となった。企業の開発研究も盛んである。現
 在の日本は、そのころにはじまった研究の成果もあり、第3次植物工場ブームの様
 相を呈している。今回は、一時的なブームで終わらないと予想されている。

  経済産業省、農林水産省それぞれの事業の目標は、単位生産量当たりの生産コス
 トを30%以上削減すること。この研究10拠点の研究機関が名を連ね、目標を達
 成し、さらに別事業による研究も全国各地でスタートしていった。
  2010年にはNPO法人植物工場研究会も発足。研究開発事業、拠点事業のサ
 ポート、人材育成など、植物工場の発展に寄与する活動の拠点に位置づけられた。

                 海外の植物工場開設へ技術を輸出 

  日本の人工光型植物工場は、近年海外への広がりをみせている。国内の植物工場
 で実績を上げた日本企業は、海外からの引く手数多の状況だ。シンガポール、タイ、
 香港などに日本製の工場が進出、および進出を予定している。またロシア各地やモ
 ンゴルなど、野菜の周年栽培がむずかしい土地柄の国では、小型、中型の日本製植
 物工場が稼働している。
 
  日本に次いで植物工場数が多いのは台湾で、約42の植物工場が稼働中だ(20
 14年7月現在)。台湾に次いで、韓国や中国といった日本の隣国でも、日本企業
 との共同案件を含めて、数が増えているようだ。
  アメリカ、カナダでも大小合わせて10工場以上が稼働している。また、世界的
 規模の協議会も発足し、植物工場への関心の高まりは、いよいよ勢いを増している。

 

  野菜工房は、キューピー(株)で野菜工場に携わった前社長が「これからの地域
 社会には、定年退職した高齢者や障がい者が地域のなかで働く場所が必要」という
 考えから、経験もいらず、身体への負担も小さい「ユニバーサルワーク」として事
 業化した。キューピーの支援を受けながら独自技術を開発。現在はリーフレタスの
 ほか、サラダ菜、フリルアイスなどを栽培している。
  2008年の創業当初から、地域における安定雇用を第一に考え、同業他社に勝
 つのではなく、品質や生産技術の高度化により差別化を図っている。
  農薬を全く使用していないのはもちろんのこと、硝酸塩の濃度を低く抑えるなど、
 高品質・高付加価値野菜の開発に力をいれており、将来的には、特定の栄養素を多
 く含む、健康促進効果のある野菜の実現をめざしている。

 

ここでのチャレンジキーワードは、「高付加価値野菜」。 これを可能とする人工光型植物工場を
アジアの新興国の主要都市に無償贈与できれば、燎原の火のごとく普及、成長していくこと間
違いない!これは積極的平和主義のコア政策だとわたし(たち)は考えている。

尚、これを実現するソフト・ハードのインフラ整備の概要は残件扱い。

                                  この項つづく 

 

● 日中食品汚染 Ⅷ 第1章 見えない食品の恐怖

                     

                        地上と地下から汚染される

  生産、加工、流通、貯蔵のうち、食品汚染の原囚が特に集中するのは生産過程であ
 る。図2で示したように、耕土作物が根を張り養分を吸いトげるための土壌)、濯漑
 水、人気といった地下と地トからの汚染が、農産.物を汚染しやすい構造を作リてい
 る。耕土は地表に近いため、酸性雨、PM2・5、エ場や石炭火力発電所の煤煙、ク
 ルマの排気ガス、採鉱排水、廃棄ゴミなどの直撃を受けやすい,漂流用水はこのほか
 に汚染地f水、塩害、水不足に悩まされる。大気は耕土と同様の汚染要因を持ち、農
 産物を汚し、収量を減らす。

  まずは、青果物からみていこう。青果物とは野菜と果物を指しての言葉だ。日本の
 最大の青果物輸入相手国は中国だ。現地の農民は、自分の作っている青果物が日本へ
 輸出されることを自慢し誇りにも思っている。日本は野菜のほとんどの品目を中国か
 ら輸入しているから、中国農業と日本とのつながりが深いことも知っている。中国人
 が食べる習慣のないゴボウ、枝豆、コンニャク、マツタケなどは、日本へ高値で輸出
 されていることも知っている。中国からコンニャク芋でなくコンニャクが輸入されて
 いるのは、日本のコンニャク芋の主産地である群馬県に対する農水省の配慮だという
 ことは誰もが知っている。コンニャク芋は農産物でコンニャクは加工食品と、形態が
 違うので輸入しても問題ないのだ,





  青果物汚染の主な原因は、一般に化学肥料(硝酸塩増加など)、農薬、有害大気、
 汚水そして重金属だ。中でも最近注目を集めている硝酸塩問題は、野菜栽培のための
 化学肥料のまきすぎに最大の理由があると考えられている,硝酸塩は、通常摂取する
 程度では人体に有害なものではないが、体内で還元され亜硝酸塩に変化すると、メト
 ヘモグロビン血症や発ガン性物質のニトロソ化合物の生成に関与する恐れがあるとい
 う化学物質だ。
  
  日本の農水省は人体には影響がないと結論付けているが、学者の意見は分かれる,
 専門家の意見が分かれるものを非専門家が大丈夫というのはどうかと思うが、これが
 日本の食品安全問題に関する姿勢だ。中国では、この硝酸塩汚染が、野菜に深刻な影
  響をもたらしているという査読付きの研究論文が多数公表されている。
  2013年10月21日、「アメリカ科学アカデミー紀要」(PNAS)は硝酸塩が数
 十年間にわたり、土壌や地下水に汚染の後遺症を残す可能性があるとする研究論文を
 掲載した。これは、従来考えられていた以上に硝酸塩が消滅せず、生態系に大きな影
 響を及ぼす恐れがあるとの指摘だ。
  硝酸塩が心配ではないという人は、さっそくこの論文を読んでみるべきだ。もっと
 深刻なのは農薬汚染だ。たまたま手にした「斉魯晩報」という夕刊紙は、2013年
 9月6日付で、青島市がスーパーなどで行った野菜の残留農薬サンプル検査の結果を
 大きく報じている。最近中国の新聞は食品問題に正面から切り込むようになった,4
 段抜き見出しには"あるスーパーのチングン菜の残留農薬、基準値の6倍を超す"とあ
 った。キュウリ、ニラ、ホウレンソウ、セロリ、チングン菜の5腫煩に検査不合格が
 みられ、売り場の形態に応じて、不合格率が棒グラフで掲げてあった。

  内訳は、農産物集荷市場(主に郊外にあり、農家が自分で作った農産物を直接運ん
 で顧客に販売する市場)3%スーパー6%、卸売市場6%、露天市場14%というから、
 日本では想像できない不合格率の高さだ。その理由について担当の記者は、今年は例
 年になく病害虫の発生が多かったことにあると解説した。

  それはともかく、スーパーや卸売市場で扱われる農産物は、あらかじめスーパーや
 市場で検査を受けているはずなのに、これだけの不合格率が多くの品目に出ることに
 驚かされる。いかに農薬汚染が深刻か、そしてしっかりと行われていると政府が豪語
 している検査が、いかにずさんだったかを証明している。

                                  「神農丹」ショック

  中国では、汚染野菜はほとんどの品目におよび、とくに大きな問題になった野菜に
 生姜、もやし、落花生、トマト、ナスなどがある。生姜には「神農丹」(日本名メチ
 ルカルバモイルの一種。劇物指定の殺虫剤で最も危険な農薬)という銘柄の農薬が浸
 透し大問題となった。この農薬の致死量は、50ミリグラムで体重50キログラムの大が
 死ぬ。主に生姜、キュウリなどウリ科の植物に使われ、中国でも危険度がもっとも高
 い劇薬に指定されている。ある生姜産地ではこの農薬を使ってできた生姜や農作物が
 
  テレピ放送され話題になったが、当の農民は食べない。その訳は、農薬の袋に「神
 農丹を野菜に院ってはならない」と注意書きされているからだ,取材に対しては、こ
 れは売るために作ったもので、農民が食べるものではないから使ったのだ」と答えた
 という。恐らく安くてよく効くから使っているだけのことだろう。

  多くの吸物、とくにブドウには二酸化硫黄(亜硫酸ガス)が、鮮度や色彩維持のた
 めに日常的に使われている。食品添加物としても使用は許されているが、正体は有毒
 なガスだ。最近、地方政府が経営に関わっている2000ヘクタールの大きなブドウ
 農場を訪ねた際、若く美しい経営責任者が話してくれた。収穫したブドウを二酸化硫
 黄の袋に入れ2ヵ月侍つと市場価格が2・5倍に跳ね上がるので、その時明を待って
 すべて売りきるのだという。
  利口なやり方だが、消費者にとっては危険きわまりない。2ヵ月間にわたって二酸
 化硫黄がブドウの皮に浸み込むわけだから、皮ごとブドウを食べる習慣のある中国人
 にとって、人体にいいはずはない,
 
  最近、中国でも多くの店舗に並ぶようになってきたネ-ブルオレンジ。その人気を
 悪用して、染色剤に浸し、皮だけでなく身まで鮮やかなオレンジ色に染めたものを作
 り、大量に売りさばいていた業者が摘発された,農薬ではないが、違法な染色剤の活
 用も青果物では一般的で、キュウリ、トマトなどでも問題となった。
  ところで、中国の農薬メーカー数は約100.この中にはデュポンの現地工場など
 外資系も含まれるが、最大級の中国農薬メーカーは瑞沢、江山、克勝、紅太陽などあ
 る。政府が認可している農薬の数は約3万銘柄に及ぶ(農業部資料)。50グラムや
 百グラム小瓶、小箱、ビニール小袋入りとして売られているが、使用方法や希釈倍率
 などの肝心な文字は蟻の目玉よりも小さいので読む農民はほとんどいない。

  中国は農薬を極毒、劇毒、中等毒、低毒、実際無毒、無海の6種に等級分けしてい
 る(WHOは5分類)。中国ではよく「毒もやし」とか「毒生姜」といった呼び方が
 使われるが、その「毒」とは、農薬の危険度からきている。急性の海性を表すのに「
 半数致死量」(ある動物に与えるとその半数が死亡する量)という指標があるが、極
 毒の場合、小ネズミ半数致死量は1ミリグラム未満、劇毒は1~50ミリグラム、中
 等毒は51~500ミリグラム、低毒501~5000ミリグラム、実際無毒5001~
 1万5000ミリグラム、無毒1万5000ミリグラム超とされている。農薬の危険
 度をわかりやすくするために、農民向けに作った簡便法だと思うが、実際のところこ
 んな区分法を知っている農民はほとんどいない。

                        高橋五郎 箸 『日中食品汚染』

 

ここで触れられていない「死のシルクロード」のこと――福島第一原発による放射性物質
汚染量を遙かに超える複合汚染の影響の――がとても気になるところだ。もしかすると漢
民族は既に滅ぶことが予定されているのか誰も分からない。

              
    Where there is no vision, the people perish...   聖書 箴言29章18節


                                                     (この項了)

  

 




   生まれた事 知らせた声

   どこまでも遠く 全部を抱きしめた...

                                     作詞/作曲  藤原基央

 


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