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Channel: 極東極楽 ごくとうごくらく
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静謐は信なり。

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 【オールソーラーシステム完結論 16】

 ● 三次元量子ドットLED実用化に道!

東北大学・原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)および流体科学研究所(IFS)の寒川誠二教授・
肥後昭男助教グループは北海道大学大学院情報科学研究科の村山明宏教授、東京大学大学院工学
系研究科の中野義昭教授らの研究グループと共同で、バイオテンプレート技術と融合して世界で
初めて高均一・高密度・無欠陥の6層積層した3次元ガリウム砒素/アルミニウムガリウム砒素量子
ドットを作製することに成功。さらにこの量子ドットを用いて発光ダイオード(Light Emitting
Diode:LED)を作製し、電流注入によるLEDからの発光を世界で初めて実現したと公表(2014.09.
04)。尚、この研究グループは、バイオテンプレート極限加工により損傷がなく10倍高密度の量
子ドットの作製発光させ、高速通信用量子ドットレーザー実現に向け前進させている(下図参照)。

 

※ バイオテンプレート

生体超分子を用いて無機材料を配置したり合成する手法。これまでに奈良先端技術大学院大学の
山下教授と寒川教授は生体内で鉄量調整たんぱく質・フェリチンを用いて、光リソグラフィー技
術の限界22ナノメーターより微小なナノ粒子配列を加工マスクとする超微細エッチング加工に
成功している。フェリチンは外径12ナノメーター、内径7ナノメーターで、鉄酸化物ナノ粒子
を持つ。自己組織化能を利用してフェリチンをシリコンあるいは化合物半導体基板上に2次元配
置し、たんぱく質殻部分を熱処理またはオゾン処理で除去すると、2次元配置された7ナノメー
トル径鉄ナノ粒子の分散配列ができる。この鉄ナノ粒子をマスクとして中性粒子ビームエッチン
グ加工すると無欠陥でサイズの揃った高密度で等間隔なナノメートルオーダーの量子ナノ円板構
造が作製できる。今回は開発したバイオテンプレート技術をガリウムヒ素に応用した。

 

ガリウム砒素などの化合物半導体はシリコンに比べて光の発光効率や吸光効率が極めて高く、特
に化合物半導体の量子ドットレーザは、ナノスケールの構造から生じる量子効果によって、(1)
より単色化され(2)高強度な光を(3)低消費電力で温度の影響少なく発光できることが期待
され、その実用化が精力的に検討されているが、(1)従来の加工法では、微細化に限界がある
ばかりではなく、(2)脆弱な化合物半導体では激しく欠陥が生成されるため、発光効率が大き
く劣化する問題点がある。(3)また、損傷を回避するために開発された量子ドット作製法では、
サイズや密度、位置などの制御が難しく、高効率な発光の実現や発光波長の制御が不可能だった。  

鉄などの金属微粒子を内包したたんぱく質が、特殊な処理をした表面に自発的に規則正しく配列
した構造を作る性質を用いて、金属微粒子を化合物基板の上に高密度(面密度:1×1011cm-2)に
等間隔(20ナノメートル)間隔)で配置した。その後、たんぱく質だけを除去して金属微粒子を加工
マスクとして中性粒子ビームによる無損傷エッチングを行うことにより、ナノメートルオーダの
欠陥のないガリウム砒素/アルミニウムガリウム砒素が6層に積層した柱状の構造(ピラー構造)
が20ナノメーター間隔で高密度(6×1011cm-3)に配列した構造を世界で初めて形成した。作製さ
れた高均一・高密度・無欠陥の積層ガリウム砒素/アルミニウムガリウム砒素ピラー構造は、量子
ドットLEDやレーザの量子ドット構造として極めて有望で、従来に比べて10倍以上の発光強
度が期待される。

化合物半導体量子ドットレーザおよび発光ダイオード低消費電力光素子として、また超高速光変
調素子として、飛躍的に高まる通信需要に応えユビキタス情報化社会を支える重要な技術であり、
広く研究されている。これらのデバイスを実現するにはナノメートルオーダでサイズや密度、位
置などの制御された量子ドット構造を作製することが求められているが、従来のトップダウン型
のリソグラフィ技術とエッチング技術に依存した微細加工技術では大きな困難が予想される。現
状のリソグラフィ技術では光源やレンズ系の設計において22ナノメートルよりも微細なパターン
形成することは技術的・経済的に大きな壁がある。また、プラズマエッチングでは、ナノメート
ルスケールの構造形成においてはプラズマからの紫外線照射による表面欠陥生成が大きな問題と
なっている。特に化合物半導体はシリコンに比べて不安定な材料でプラズマに対して脆弱である
ため、プラズマエッチングによる欠陥のないナノ構造作製は不可能であると言われてきた。一方、
ボトムアップ法で量子ドットを形成する手法としては、格子ひずみを利用した自己形成量子ドッ
ト作製法が一般的だが、この手法は寸法のばらつきを十分に抑えることができない、ドットの密
度に限界(109−1010 ?-2)がある、サイズに制限がある(数10ナノメートル程度)、材料を自
由に選択することができない、ひずみに伴う格子欠陥が不可避であるなどの問題がある。そのた
め、十分な性能の量子ドットレーザやLEDの実現には、良好な量子効果を持つナノ構造の再現性の
よい欠陥の発生しない作製技術の確立が急務となっていた。

 

この研究では、バイオテンプレート極限加工法により化合物半導体(ガリウム砒素)の無損傷エ
ッチングを実現することで、室温にて量子効果を示す厚さ数nm、直径10nm 程度のナノピラー構
造を、無欠陥、均一、高密度(1011?-2以上)、等間隔(20ナノメートル)で2次元配置できる
ことを初めて示しました。有機金属気相成長装置(MOVPE)を用いて、GaAs/AlGaAs のウェハを
バイオテンプレートと中性粒子ビームの組み合わせで極限加工することで、GaAs のナノディス
クが積層した高さ100nm 程度のピラーを欠陥なく作製することに成功。さらに、MOVPE 装置を使
ってアルミニウムガリウム砒素バリア層を再成長させ保護膜を形成(パッシベーション)するこ
とで高品質界面の実現に成功し、世界で類をみないトップダウンエッチングで作製した量子ナノ
ディスク構造を内部に持つLED構造の作製に成功。

精密な量子ドットデバイス製造技術が急速に波及していくと、量子ドット型太陽電池が普及し、
30%超の廉価で高高変換効率のソーラーパネルが普及し、持続可能な社会が意外と早く実現で
きると確信している。これは面白いことだが、サムソン電子はいち早く量子ドットディスプレイ
の生産に乗り出すという ^^;。

  

 

 

● 吸引力は他社の20倍 自律型清掃ロボが登場!



 

あのデジタルモーターのサイクロン掃除機がダイソンがやってくれました。高いデザイン性で人
気の英国の家電メーカー、ダイソンが4日、ロボット掃除機を開発したと発表した。来年春、世
界に先駆けて日本で売り出す。米アイロボット社の「ルンバ」を追い日本メーカーも相次ぎ参入
しているが、ダイソンは、独自技術を使った吸引力の強さをアピールする。価格は未定だが10
万円以上になる見込みだ。360度を見渡せるカメラを持ち、家具の配置や段差を自分で把握し
て隅々まで掃除する。同社のこれまでの掃除機と同じように、吸い込んだ空気を竜巻のように回
転させてゴミを分離する、「サイクロン」と呼ばれる技術を使っている。

電池が少なくなると、自らスタンドに帰り、充電が終わると、中断した地点に戻って掃除を再開
する。外出先からスマートフォンで「月曜の午後3時から」などと掃除機に指示も出せる。創業
者のジェームズ・ダイソン氏は「吸引力は他社のロボット掃除機の20倍。しっかり掃除できる」
と話しているが、ジェームズ・ダイソンは、「日本を制すれば世界を制する」をひたすら信じて
いるかのうようだ。 

 




朝からの雨、修理したが雨漏りの心配があるというので彼女は浮かぬ顔。そこで、わたしを信じないさいと諭した
が、結果は上々。" 静謐は信なり。"そんなことを考えていたら、若かりしころは失敗の連続だったが、それでも自
分を信頼し乗り越えてきたことを思い出していた。"若気の至り"とはいえ燃えるような情熱があったればこそと、老
いた自分を叱咤したが、夏の疲れが取れないでいる。                                                             


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