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葱坊主と愚かな愛

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                     藤房と葱坊主なる海老煎餅の里を帰りなん 




                               われおもふゆゑ十字架と葱坊主    


                                                          石原吉郎

 

ゴールデンウィークを強く意識しているわけではないが、少し出ようというので作業の手をとめ
る近くの多賀サービスエリアのEXPASA多賀店まで出かけるが、真夏日和とのことで少し歩
きはじめ、ドライブ・マイ・カー"のロードスターは駐車場に乗り込みチンチンをものともせず
現場までナビで走り出す。途中工事中もあり余裕なく上り車線側のサービスエリアの駐車場にと
め売り場に行き係員に尋ねると、下り線側にしか、つまり株式会社えびせんべいの里の本社があ
る名古屋方面からしか置いていないとのことの説明を受けるが、半知半解というか、そんな暗黙
の商習慣なるのかと訝しく吹っ切れないまま。それでも陸橋を渡り目的のEXPASA多賀店で
彼女が買い物が終わるまで待ち、ランチ用のサービスエリアの笹寿司などを買ってかえる。

 

駐車場近くの農家の家庭菜園では、藤の木の傍のねぎ坊主が、真夏日和の大空に坊主頭を並べて
いる。溢れる生命感に惹かれ思わずデジカメする。ところで、このごろ物騒なというか、家の周
辺を暴走する車を目撃するなどのことがありバックナンバーを控えるために常備携帯することに
しているのだ。さて、家で買ってきたレモン風味の笹ずしを食べ、夕食前にはビールと烏賊の七
味煎餅を試食するものの、前者は、柿の葉寿司のような酷(深みのある味)がなく物足りないし、
烏賊煎餅はべたつき喉が渇くという具合だが、これも重大なものではない好みの差の話だがそん
な感想をもった。

ところで、巻頭の俳句は、戦後詩の代表的詩人である石原吉郎の作品。「われおもふゆゑ」は、
フランスの哲学者・数学者・物理学者であるルネ・デカルトが1637年にオランダのレイデン
において、著者名なしで初めて公刊した『方法序説』の第4部にある有名な第一原理である。デ
カルトは、数学を除く諸学に失望し、方法的懐疑を通じて哲学の第一原理としての「我思う、故
に我おり」に到達した。すなわちすべての存在を疑ってかかった末に、すべての存在を疑ってい
る「我」の存在について次のように述べているという(柴崎 聰 「石原吉郎の俳句の短歌」日本
大学大学院総合社会情報研究科紀要 No.8, 295-301 2007)。そして「十字架」と「葱坊主」は
「我」ほどに重要な存在ということになる。「葱坊主」とは、「球状についた白い小さな花を坊
主頭に見立てたもの」である。「葱」に宗軟性はないが、「坊主」にかろうじて宗教臭さがある。
坊主頭であった有原自身を「葱坊主」に見立てたのかもしれない。坊主頭に見立てたとするなら
「おもふ」主体と重なってくる。この場合の 「おもふ」は、「信じる」に限りなく近い精神の
働きなのではないだろうかと述べているが、これほどまでに象徴的な暗喩に表現するとは大変な
驚きだ。

● 今夜のアラカルト Cauliflower with Leek "Ash"

牛乳でトリミングしたカリフラワーを茹でパンを加えブレンダー処理しピューレにする。そこに
残りのカリフラワー小花に加え塩で味をつけし柔らかく煮たものを皿に入れ、予めスライスして
おいたカリフラワーを飾り、その上からロースト葱の小片を振りかける。

 

   

朝からは葉刈り剪定で忙し一日だった。 体力の減衰を感じ、俄のローイングを百回やるが持続
させなきゃ駄目と言い聞かせているんだがね。

● デジタル革命は地球をを救えるか : インテルの10ナノメートルチップ

デジタル革命は、高度資本主義社会、電子情報通信技術の進展とともに胎動し産み落とされ、現
代進行中である。しかし、反面急速に膨張した人類の経済活動は、エコロジカル・フットプリン
トでの環境容量を遙かに凌いでしまっている中、端的な例を示せば、2006年の世界のエネルギー
消費量に比べ、通信情報機器の急増により、2025年には9.4倍の4.6兆キロワットアワーに達
すると見込まれている。つまりは、21世紀の最大の課題は「地球環境ガバナンス」であり、地
球環境劣化、人口増加、南北格差拡大等の人類社会の持続可能性(サステナビリティ)の問題を解
決しなければ人類が滅亡するような破局を否が応でも想定しなければならないと、いわれている。

民主的な社会においては、個々の人々がサステナビリティに関する十分な知識を有して、判断し、
行動するのでなければ「地球環境ガバナンス」という目標を達成することは到底不可能。このよ
うな意味で、人々がいつでもどこでも必要な情報にアクセスでき、リスクと便益とを考慮して意
志決定し、行動し、意見を述べ、政策決定に参加し得る高度情報化社会、ユビキタス社会の実現
が、人類社会の持続可能性を高める前提となる。

民主的な社会においては、個々の人々がサステナビリティに関する十分な知識を有して、判断し
行動するのでなければ「地球環境ガバナンス」という目標を達成することは到底不可能だ。この
ような意味で、人々がいつでもどこでも必要な情報にアクセスでき、リスクと便益とを考慮して
意志決定し、行動し、意見を述べ、政策決定に参加し得る高度情報化社会、ユビキタス社会の実
現が、人類社会の持続可能性を高める前提となる。で、その核心をなすのが、科学技術コミュニ
ケーションといわれているが、肝心要の電子情報通信技術等の世界消費エネルギーが「地球環境
ガバナンス」を超えるような事態が各地で生じるとも限らない。

これに答えるように、2010年にインテルは、プロセス技術の今後の進展に備え、量子井戸電界効
果トランジスタ(QWFET:Quantum Well Field-Effect Transistor)の取り組みを前進させる。同社は
2008年に、高速で低消費電力のQWFETを初めて披露していたが、このQWFETは、40ナノメー
トルInSb(インジウム・アンチモン)材料をベースにして、pチャネル型構造を形成したもので、
0.5Vの電源電圧で140GHzの遮断周波数を達成する。このようにSi(シリコン)材料で実現し得
るレベルを超える性能や低消費電力性を達成するための手段として、Ⅲ-Ⅴ族系の半導体材料を使
ったトランジスタを模索する研究が進めてきた。



このように、Intelは10年近くにわたり、量子井戸電界効果トランジスタ(QWFET)の研究を進め
てきた。Intelの10ナノメートルチップは、Ⅲ-Ⅴ族半導体、具体的にはInGaAs(インジウム・ガリ
ウム・ヒ素)とGe(ゲルマニウム)を用いたQWFETになると予測しているが、半導体のアナリス
ト、David Kanterは、自身のWebサイト「Real World Technologies」に投稿した記事の中で、Intelは
10ナノメートルプロセス以降、QWFET(Quantum-Well FET:量子井戸FET)を用いるようになると
指摘。この新たなトランジスタ構造では、2つの新素材――n型トランジスタ向けにInGaAs(イン
ジウム・ガリウム・ヒ素)、p型トランジスタ向けにはひずみゲルマニウム(Ge)――が用いられ
るようになる。

つまり、Kanterの予測が正しければ、Intelは早ければ2016年に、動作電圧が他社に比べて200mV
低い(1Vから0.8Vに低減)トランジスタを10ナノメートルプロセスで製造できる可能性がある。
他のチップメーカーは7ナノメートルプロセスまでIntelの技術に追い付くことができず、少なく
とも2年の後れを取ると見ている。彼はは、自身の予測の信頼度を80~90%とした上で、Intelが
10ナノメートルプロセスに関する計画を明らかにするのは1年以上先になると指摘、この見解
は、Intelが主に「International Electron Devices Meeting(IEDM)」で発表した24本の論文に基づき、
チップの製造に関連するIntelの特許も分析。「私が得た情報は全て、IntelがQWFETを採用すると
いう方向性を指し示しているが、重要なのはQWFETを用いるのかどうかという点ではなく、それ
を10ナノメートルで採用するのか、7ナノメートルで採用するのかという点である」という。
が、これは目が離せない話題だ。



【関連特許例】

・US 8,748,269 B2  Quantum-well-based semiconductor devices 
・US 8,680,575 B2  Semiconductor device and method of fabrication
・US 8,501,508 B2  Method of forming quantum well mosfet channels having uni-axial strains caused by
                                metal source/drains
・US 8,378,334 B2 Low power floating body memory cell based on low-bandgap-material quantum well 
・US 8,344,418 B2   Materials for interfacing high-K dielectric layers with Ⅲ-V semiconductors

  ● 今夜の一曲

Silly Love Songs  
Paul McCartney’s 10 Greatest Songs After The Beatles March 6, 2013 12:00 AM

心のラヴ・ソング (Silly Love Songs) は、1976年に発表されたポール・マッカートニー(Paul
McCartney )率いるウイングス(Wings)の楽曲。アルバム『スピード・オブ・サウンド』から
シングル・カットされ、評論家のリチャード・ゴールドシュタインに「ポールはバラードしか
書けない」と批評された事に対し、ポールが「馬鹿げたラヴ・ソングの何が悪い?」と切り返し
た曲とされる。独特のイントロは、ピンク・フロイドの「マネー」のテープループに触発され
また、イントロは、日本の幼児番組『ひらけ!ポンキッキ』で頻繁に効果音として用いられた。

いま、ポールは来日し公演しているが、今回で公演来日が最後になるかも知れない。暫く、ポールの楽
曲を楽しみたい。


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