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再エネ百%のハワイ

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  人間は考える葦である / ブレーズ・パスカル


【学習能力に長ける米国 : 再エネ立国にチェンジ!】

さすが米国と感心する。福島第一原発事故を目のあたりし米国人は考えた。それまで消極的だっ
た地球温暖化問題への取り組みと脱原発から再エネへの取り組み。その象徴的な2つの話題が、
ハワイとニューヨークから届いている。また、下段に「今夜の一品」で高効率な携帯用太陽光調
理器(GoSun Stove社)紹介掲載しているので参考に。

その1つが、日本と同様に電力の9割を化石燃料に依存してきた米国ハワイ州が再生可能エネル
ギーの拡大に意欲的に取り組んでいる。2030年までに省エネの効果と合わせて再エネの比率を70
%まで高め、さらに2045年に百%を達成する法案が州議会で可決されたというもの。再エネを主
体にした電力の安定供給にも挑むというニュース。

ハワイ州の電源構成は日本の離島と同じように石油火力が主体だ。2012年の時点で石油が7割以
上を占めるほか、石炭も155%にのぼり、化石燃料が9割近くに達する現在の日本と変わらな
い状況と同じ。大きな違いは再生可能エネルギーの発電量が急速に伸びている点。その発端は、
2008年に開始した「ハワイ・クリーン・エネルギー・イニシアチブ」だ。2030年までに再生可能
エネルギーの拡大と省エネルギーの効果によって、電力の70%を再生可能エネルギーで供給す
る目標を州政府が設定したことに始まる。


さらに2015年5月5日に、全米50州の先頭を切って2045年までに再生可能エネルギーを百%に
到達させる法案が議会で承認。5月15日までに州知事が拒否権を行使しなければ正式な法律とし
て成立する。これから30年間のうちにクリーンエネルギー百%の島に生まれ変わることとなる。
ハワイ州が再生可能エネルギーの拡大に積極的に取り組むのは、地球温暖化対策のほかに州特有の
理由として2あり、1つは自動車を含めて燃料の主力になっている石油輸入依存し、州の生活と経済
が石油の価格と調達量に大きく左右される。もう1は、電気料金が米国本土と比べて3倍以上の
水準になっている。2014年の時点で電力1キロワットアワーあたりの平均価格は34セント。1ド
ル=120円で換算で40円を超え、日本の家庭向けの単価も大幅に上回る。再生可能エネルギー
を導入することで、企業も家庭も電気料金を削減することが可能にする。因みに、日本の太陽光
発電の現状は下図の料金状況に想定されている。

 

ハワイ州の試算では、2030年に再生可能エネルギーの比率を70%まで高めまれば、州全体の石
油の輸入額を年間に51億ドル(約6,1000億円)も削減できる見込み。石油の消費量を削減ため
に、ガソリン車から電気自動車へ移行を進める一方、バイオ燃料も増やし、2030年には自動車に
よる石油の消費量の70%削減目標を設定している。



ただ、太陽光や風力などの再生可能エネルギーが増えると、天候による出力の変動によって電力
の供給が不安定になとなる。日本でも九州などの離島で問題が生じ始めている。この点でもハワ
イ州は世界で最先端の技術を開発・導入する計画で、日立製作所などが参画して「スマートグリ
ッド実証事業」が2013年12月から始まっているという。

 

もう1つは、米国ニューヨーク市の名物である屋台が環境志向の店舗に進化させていくというニ
ュース。屋台の屋根に太陽光パネルを搭載して、天然ガスと組み合わせたハイブリッド発電シス
テムで調理や冷蔵が可能。最新鋭の屋台5百台を無償で提供する先行プログラムが5月11日に始
まる。メリットは3つある。(1)排気ガスを削減――有害な窒素酸化物を95%、二酸化炭素な
どの温室効果ガスを60%削減できる。(2)従来の発電機が発生するチェーンソーのような騒音
がハイブリッド車と同様に静粛性をもつ。(3)ベンダーにはエネルギーコストの低減にもつな
る。

そこで、その効果予測では、ニューヨーク市の屋台では1日に120万食も売られるほど人気が高
いが。エネルギーの将来動向を調査・分析する非営利団体の米Energy Visionによると、ニューヨ
ーク市内の屋台がMRV100に置き換わり、燃料の天然ガスに食品廃棄物などから生成したRNG
(Renewable Natrural Gas、再生可能天然ガス)を利用すると、年間に1,500万リットルのガソリンと
2万トンの二酸化炭素排出量を削減できる見込み。

10数年前、会社をやめてニューヨークにでて、おでん&ラーメン屋台(和風ポトフ屋台)を世
界展開する計画を立てたこともあったが、彼女の協力が得られなかったら断念したこともあった
が、そのことはさておいて、屋台には固定式のキッチンや流し台、冷蔵庫、POS(販売時点情報
管理)システムまで装備でき、1台の価格は1万5,000~2万5,000ドル(日本円で180万~300万円
)程度だというから、300万円/台m3年償却として、1ヵ月あたり8万6千円以下となる。
MOVE Systems社は発売に先がけて500台を無償で提供するパイロット・プログラムを5月11日に
開始。ニューヨーク市からMFV(Mobile Food Vendor)のライセンスを取得しているベンダーが対
象になるとうことだがら、先を越された恰好になった。

※ その当時は太陽光発電や電気自動車(ハイブリッド車)は考えていなかったが、実行してい
  たらこんなところでブログを打ち込むこともなく、ビジネスマンとして有名になり『ニュー
  ヨーク・タイム』の表紙を飾っていただろう。^^;。

   ● 和風ポトフ

 

  ● 今夜の一品

太陽光だけで調理を可能なソーラークッカー「GoSun」。短時間(太陽光を2時間で蓄熱)で290
℃の高温にまで達し、蒸し焼き、天火焼き、炒めなどのクッキングを楽しむことができ、燃料も
電源も必要なくなり、数秒で組み立て分解でき、環境にやさしくて使いやすい。太陽光を効率良
く集めることができるため曇りの日でも調理されていて便利で2年間の保証付き。僻地や、災害
現場で威力を発揮しそうな一品だ。

 

 

 

   

 【日本の政治史論 Ⅶ:政体と中枢】  

「古賀の乱ってなんだ  "I am not ABE"」(『進撃のヘーリオス Ⅱ』2015.04.04)で、触発され
るように、積んでおいた本を取り出し読みはじめた。そして、この国の政体を考えみよう。その
結果、どのようになろうとも未来志向できる手がかりを明らかにしたという動機から掲載してい
きたい。まずは第5章から読み進める。 

  福島のメルトダウンは必然だった…政府閉鎖すら起こる2013年の悪夢とは!?家族の
 生命を守るため、全日本人必読の書。「日本の裏支配者が誰か教えよう」。経産省の現役幹
 部が実名で証言。発電会社と送電会社を分離する発送電分離。このテーマについて本気で推
  進しようとした官僚が何人かいた。あるいは核燃料サイクルに反対しようとした若手官僚も
  いた。しかし、ことごとく厚い壁に跳ね返され、多くは経産省を去った。私も十数年前、発
 送電分離をパリのOECDで唱えたことがあるが、危うく日本に召喚されてクビになるとこ
 ろだった。その理由とは何だったのか――。(「序章」より)。改革が遅れ、経済成長を促す
 施策や産業政策が滞れば、税収の不足から、政府を動かす資金すらなくなる。そう、「政府
 閉鎖」すら起こりかねないのだ。いや、そうした危機感を煽って大増税が実施され、日本経
 済は奈落の底へと落ちていくだろう。タイムリミットは、ねじれ国会を解消するための参議
 院議員選挙がある2013年、私はそう踏んでいる。(「まえがき」より)


                           古賀 茂明 著『日本中枢の崩壊』

   目 次

 

  序 章 福島原発事故の裏で
  第1章 暗転した官僚人生
  第2章 公務員制度改革の大逆流
  第3章 霞が関の過ちを知った出張
  第4章 役人たちが暴走する仕組み
  第5章 民主党政権が躓いた場所
  第6章 政治主導を実現する三つの組織
  第7章 役人―その困った生態
  第8章 官僚の政策が壊す日本
  終 章 起死回生の策 

  第6章 政治主導を実現する三つの組織 

 
                     内閣予算局ができても財務省は困らない

  政策と予算は.体なので、財務省は政界への影響力も強い.自民党時代、財務省以外の省
 庁も自民党議員と深い関係にあるとはいっても族議限に限られていたのに対し、財務省は与
 野党を問わず、広く太いパイプを持っていて、自民党の事務局職員にまでがっちり食い込ん
 でいた。
  力関係も明らかに財務省がトだった。.部の大物議員を除き、地元や支持団体に予算をつ
 けて欲しい議員は、わざわざ財務省に足を運び、T王計官に頭を下げて陳情していた。

  民主党政権になって、政治家の霞か関への陳情は民1党幹事長室を通すようシステムが改
 められ、直接、財務省の役人と一議員か陳情のために接触することは禁じられたりしたが、
 それでも国会議員にとって財務省の意向は無視できない。
  先ほど触れたように、官邸を牛耳っているのも財務省だ。官房副長官袖が財務省の牙城に
 なっているだけでなく、総理や官房長官の秘書官にも、財務省出向名の指定席が用意されて
 いる。

  総理や閣僚には、複数の省庁から出向した役人が、秘書官としてつく。、総理の場合、財
 務省、経度省、警察庁、外務省から送り込まれるのがこれまての慣例だったが、現在は厚生
 労働省からも一人、また、2010年秋に尖閣諸島で中国漁船衝突事件が起きたこともあり、
 防衛省からも秘書官が出向することになって、政務秘書官も入れてレ]大でチームか組まれ
 ている。

  外務省の秘書官は外交、厚労表は社会保障、警察庁と防衛省の秘書官は特殊な役割なので、
 実質、総理の内政の片腕を務めろのは、財務省と経産省から出向した秘書官であることが多
 かった。経度省は最近とみに力が落ちているが、財務省の秘書官は内政全般にわたり引き続
 き大きな発言力を持っている。

  四六時中、総理と行動をともにする秘書官か与える影響は非常に大きい。財務省は秘書官
 を通じて総理をコントロールしている。これは官房長官以ド、多くの特命担当大臣にしても
 同様で、財務省は内閣を支配する力を有しているのだ。
  事実、財務表に逆らい、行革や公務員制度改革を進めた橋本龍太郎内閣や安倍音三内閣は、
 財務省頂点とする霞が関に打倒されてしまった。

  他にも国税庁など財務省のスーパーパワーの源泉はいくつもあるが、予算編成権こそか財
 務省パワーのベースであり、それを取り上げるとなると、相当手ごわい抵抗が予想されるの
 で、あえて政治家は棚上げにしている。
 しかし、実は民主党政権の誕生が濃厚になった時点で、財務省のなかには予算局の設置を覚
 悟した官僚もいたようだ。

  2003年の民や党のマニフェストには、「内閣財政局」の設置が明記されていた。政治
 主導を旗印として政権に就いた鳩山内閣が、この政策を持ち出してくる可能性は十分あった。  
  無論、財務省からしてみれば、予算編成権は何かあっても死守したい。しかし、もし、民
 主党政権が強硬に推進しようとした場合、ギリギリのところで妥協できるラインだと考えて
 いたようである。予算局の設置を阻止するために、民主党政権打倒に勤くかというと、この
 点に関しては、そこまで単純ではなかったのではないか。

  なぜ、虎の子を取り上げられる危機なのに、財務省の抵抗感がさほど強くなかったかとい
 えば、これは少し考えれば分かる。たとえ内閣官房ないし内開府に予算局が設置されたとこ
 ろで、予算編成は誰でもできるという類の仕事ではなく、財務省の協力がなければ一歩も進
 まない。現実的には、内閣官房に予算編成権が移されようとも、予算局に横滑りした財務官
 僚か、財務省出身の官房副長官補の主導の下で予算をまとめ上げることになり、財務劣の権
 限は実質、損なわれることはない。

  こういう読みと自信があったからこそ、財務省のなかには、内閣予算局の設置くらいなら、
 容認できる範囲だと考えている官僚がいたのだ。
  しかし、財務省の思惑はどうであれ、内開府に予算編成機能が移され、総理直轄で予算が
 組まれる仕組みに変わる意味は大きい。とりわけ、予算の優先順位を大きく見直して予算の
 組み替えを行おうと思えば、その仕組みは不可欠だろう。
  政治主導を目指す政権にとって、国家戦略スタッフ、内閣人事局、内閣予算局をすべてに
 先がけて創設することが必要なのだ。 
  民主党政権は、このすべてを先送りした。いや、諦めてしまったのではなかろうか。
  次の章では、真の政治主導を確立するために、役人たちのその行動原理を紹介しよう。私
 が取り組んできた独占禁止法の改止、あるいはガソリンスタンドでのセルフ給油の自由化、
 またクレジットカードのスキミング対策の確立などに際し、省益を守るため、役人たちはど
 う動いたか――。

 


  第7章 役人―その困った生態

 

                           不磨の大典「独禁法九条」

  私は通商産業省(当時)に入って以来、20のポストを経験した。その時々でおもしろい
 仕事ができたこともあれば、そうでないこともあった。ただ、残念なことが一つあるとすれ
 ば、同じ公務員でありながら、国民のため、という基準ではなく、自分の所属する役所のた
 め、という基準を優先する官僚たちの行動を常に□撃し、多くの場面でそれと戦わざるを得
 なかったことである。

  経済企画庁への出向、大臣室、外務省に出向しての南アフリカ共和国の領事、産業政策立
 案の要である産業政策局産業構造課、基礎産業局総務課、大臣官房会計課などでの業務を経
 て、1994年6月、私は産業政策局に戻った。ポストは産業組織政策室の室長であった。
 産業組織政策室は、名門の部署ではあるが、難解な法律を扱うため、政策のプロといわれる
 若手が登用されることが多いポストだ。所帯は10人ほどの小さな組織。私にとっては初め
 ての管理職ポストだが、担当分野も限定されていて、より具体的な政策を求められる。主な
 分野としては、競争政策、特に独占禁止法や規制改革、そして企業法制、特に会社法などか
 挙げられる。

  私が戻った頃、ちょうど二年前に産業構造部で後任に託した産業構造審議会総合部会基本
 問題小委員会という通産省の審議会での検討結果がまとまり、報告書として日本経済の課題
 がズラリと書かれていた。数ある課題のなかで、私が注目したのは「純粋持ち株会社の解禁
 』だった。

 日本は自由主義経済を基本としているから、企業の活動は自由だ。しかし、何でも自由だと
 いうことにしておくと様々な弊害か生じる。たとえば、強い企業かどんどん勝ち続け、ある
 商品を生節できる会社が一つになると、不当に高い値段をつけても、消費者は他に代わりが
 ないのでその値段で買わざるを得なくなる。あるいは、その商品を生産する会社が3社あっ
 たとしても、この3社が相談して値段を不当に吊り上げれば同じことになる。

  そのような独占的な状況になることや、独占的な地位を利用して最終的に消費者の利益を
 損なうことがあっては困る。そこで、自由主義経済の国では必ず独占禁止法という法律を作
 って規制し、対応している。最近では中国でも独禁法が作られ運用されている。
  日本の独禁法九条では「純粋持ち株会社の禁止」が定められていた。純粋持ち株会社とは、
 簡単にいえば、自分ではほとんど事業を行わず、もっぱら子会社の株を持って支配し、その
 子会社を通じて事業を行う会社のことだ。戦前の日本では、少数の財閥か独占的な地位を利
 用して経済、そして社会全体を牛耳っていたことが戦争の一つの原因だ、そう考えたGHO
 は戦後財閥解体を実施した。「経済民主化」の柱の一つである。

  財閥は持ち株会社を中心として運営されていたので、肖領が解けた後も財閥が息を吹き返
 さないように、独禁法9条を作って持ち株会社を作れないようにしたのだ。 
  もちろん、どこの国でも、独禁法は経済法規のなかでももっとも重要な法律だと考えられ
 ている。しかし、日本では、財閥解体、経済院主化というスローガンと.体となって、経済
 法といっても極めて政治色の強い法律になってしまった。社会党をはじめとする左派の人々
 は、独禁法を経済の憲法とし、とくに九条は戦争放棄を定めた憲法九条と並ぶ「もう一つの
 九条」と呼ばれ、絶対に手をつけてはならない聖域扱いだった、そのため、経済界の不満の
 声をよそに、憲法九条同様、改正議論さえもタブーという空気が長らく支配していた。

  私は、農業問題も似たところがあると思っている。つまり、農地解放で、大地主から小作
 農に土地を分けて農業が小規模化した。その結果を固定しようと戦後の農地法か作られて、
 農地の移転に厳しい制約を課したため、農地の集約化による効率化が胎まれ、農業発展の足
 かせになっているのだ。

  独禁法九条は、これまで本格的に法改正をやろうという話が一度もなかった困難なテーマ
 ある。私は、着任してからずっと、なんとかこの問題にチャレンジできないかと考えていた。
  いうまでもなく、財閥を復活させたいと考えたわけではない。産業構造部で勉強して感じ
 たのは、一つは、日本企業の経営の甘さだった。日本の企業のなかには、ほとんど儲からな
 い事業なのに、なかなか撤退せず、横並びで事業を続けているところがたくさんあった。
 
  たとえば、日立や日本電気、冨土通といった電機メーカーは、多角化して様々な分野に進
 出していたか、どこかがいつも赤字で、利益率も高いとはいえないうえ、どんぶり勘定にな
 りやすかった。
  経営者も日本型経営の欠陥をよく認識していて、事業部制や社内分社化といったアイデア
 で、事業ごとの収支を明らかにjる工夫をしていた。しかし、事業部制や分社化には限界が
 あった。同じ社内、同じ労働組合なので、たとえその事業が赤字でも、給与を抑えることも
 できない。どう工夫しても財務はいい加減になってしまう。

  子会社は当時でも認められていたか、子会社の資産が全体の半分以上を占めてほならない
 など制約が多く、すべての事業を1会社化して独以採算を徹底させろのは不可能だった。
  もう1つ、純粋持ち株会社の解禁が必、葡だと考えたのは、その頃から世界中でM&A(
 企廻の合併・買収)が非常に盛んになっていたことかある。選択と集中という概念もようや
 く日本で広まり姶めた頃だ。.

  各社はこれから本格的に戦略的な事業再編に着手するだろう。そのとき、日本の企業だけ
 持ち株会社という経営形態を封印されていては、自由に事業ごとのM&Aや再編を行うこと
 ができない。そういう思いが極めて強かった、ただ、その後の推移を見ると、産業ではその
 時、そこまでの覚悟を持っているところは極めて少数だったようだ。


                     大蔵省が連結決算を嫌がった理由

  純粋持ち株会社を解禁すれば、一つひとつの事業がガラス張りになり、経営効率化に極め
 て有効だ。しかも、M&Aで不採算の関連会社を売ったり、新たな事業に進出するためによ
 その会社を買収するといったことも可能になり、戦略的な経営がやりやすくなる。
  当時、純粋持ち株会社を禁止していたのは、われわれの知る限り世界ではたった2ヵカ国、
 日本と韓国しかなかった。いまは韓国のほうが法整備でも先を行っているが、当時は、何で
 も日本の後追いだったので、韓国も日本の法制をまねて遅れていた。

  日本の独禁法に禁止を入れさせたアメリカももちろん、純粋持ち株会社を認めている。世
 界の常識とはかけ離れた状況になっているのだから、法改正すべきだった。
 こういった趣旨で、純粋持ち株会社の解禁に取り紺もうと考えたのだか、実現までにはいく
 つも障害があった。
 
  まず、税制の問題。連結決算に関する税制度か必要だが、当時はなく、大蔵省(当時)は
 法改正に難色を小していた.
  大蔵省か首を縦に振らない理由は2つあった。連結決算は読み解くのが難解で、大蔵省に
 はそれか分かる人間が.3人しかおらず、人材育成もたいへんだし、税の徴収も面倒になる
 という理由か一つ。財界中で普及していた制度なのに、なんというお粗末な話だろうか。官
 僚は優秀でもなんでもないことを示す典型だ。

  2つ目は、連結納税を認めると、実質減税になってしまうという理由である。非常に単純
 化していえば、同じ額の赤字と黒字の2社の子会社かあったとしよう。単独で税をかければ、
 赤字の会社は税金を払わずに済むか、黒字の会社は法人税を納めなければならない。ところ
 がこれを連結納税にすると、黒字と赤字で差し引き利益は相殺され、税金を納めなくて済む。
 連結納税はかように減税効果があるので、大蔵省は嫌がるのだ。

  さらに、企業をいっぺんに複数の子会社に分割した後に統括する持ち株会社を作るための
 会社法の規定が整備されていない。しかも、その課題の整理すらされていない状況だった。
 これらは法務省の所管だ。

                                                      この項つづく 

   ● 今夜の一曲

Let Me Roll It 
Paul McCartney’s 10 Greatest Songs After The Beatles March 6, 2013 12:00 AM


   You Gave Me Something
   I Understand,
   You Gave Me Loving
   In The Palm Of My Hand

   I can't Tell You How I Feel
   My Heart is Like A Wheel 
     
   ※

    Let Me Roll It
   Let Me Roll It To You
   Let Me Roll It
   Let Me Roll It To You

   I Want To Tell You
   And Now's The Time
   I Want To Tell You That
   You're Going To Be Mine

   I Can't Tell You How I Feel
   My Heart Is Like A Wheel.

   ※ Refrain

レット・ミー・ロール・イット(Let Me Roll It)は、1973年にポール・マッカートニー&ウイン
グス(Paul McCartney & Wings)が発表した楽曲。アルバム『バンド・オン・ザ・ラン』に収録。
タイトなロックンロールのスタイルが特徴的な人気のナンバーのひとつで、シングル「ジェット」
のB面としてリリースされ、リリース当時からポールのライヴの中心として演奏されてきた。

この曲はジョン・レノンのサウンド、特にリフとボーカルのテープ反響部分を模倣した物と見な
されたが、ポールはこの曲がジョンの作品を模倣したと言わず、その声が「ジョンのようだ...
僕はジョンのように歌ったとは意識していない」と否定。歌詞は当時仲の悪かったジョン・レノ
ンに和解を呼びかけたものとして話題になったものの、当時ポールは否定していたが、最近にな
って「この曲はジョンとやりたかった」と語っているから面白い。

 

 

  


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