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Channel: 極東極楽 ごくとうごくらく
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エネルギ-と環境 ㊱

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彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-。

【季語と短歌:10月17日】



       宵の秋決まらぬ職の諍いや           
                     高山 宇 (赤鬼)                 

 

⬛ 最新ペロブスカイトペロブスカイト太陽電池製造方法

1. 特開2024-11974 ペロブスカイト太陽電池およびその製造方法 国立
 研究開発法人物質・材料研究機構 ②
【詳細な説明】
【発明を実施するための形態】
(実施の形態1) 実施の形態1のペロブスカイト太陽電池101aの構造
は、従来の4端子タンデムと同様に各セルの電流マッチングの制約が緩和
され材料の設計自由度が大幅に向上する利点を有する。 ペロブスカイト太
陽電池101aは、各サブセルが電気的には結合していないため、各サブ
セルの電流マッチングが不要である。2端子タンデム構造のペロブスカイト
太陽電池では、太陽光入射とは反対側(ボトムセル側)のペロブスカイト
層のバンドギャップを1.3eVと仮定した場合、効率よく高い出力を得
るためにはトップセル側のペロブスカイト層のバンドギャップを約1.8
eVにする制約がある。一方、実施の形態1のペロブスカイト太陽電池
101aでは、トップセル側のペロブスカイト層のバンドギャップを1.5
~3.0eVという幅広い選択肢の材料にて高い効率が得られる。また、
透明基体(ガラス基板)はモノリシック2端子タンデムと同様に1枚であ
るため、従来の4端子タンデムの課題である基板が2枚という基板コスト
の問題を解決できる。
さらに、従来の4端子タンデムのもう一つの課題である2個の太陽電池の
機械的接合の難しさ(接合コストと光学的損失の増大)についても、1枚
のガラス基板の上下に成膜終了と同時に接合も完了するため、解決される。 
第1のペロブスカイト太陽電池セル32および第2のペロブスカイト太陽
電池セル33はともに、電子輸送層、ペロブスカイト層およびホール輸送
層を有し、ペロブスカイト層はその一方の主表面で前記電子輸送層に接し
、他方の主表面で前記ホール輸送層に接する構造を有する。すなわち、第
1のペロブスカイト太陽電池セル32は、第1の電子輸送層、第1のペロ
ブスカイト層および第1のホール輸送層が順次積層配置された構造を有し
、第2のペロブスカイト太陽電池セル33は、第2の電子輸送層、第2の
ペロブスカイト層および第2のホール輸送層が順次積層配置された構造を
有する。

図2.本発明の4端子タンデム型ペロブスカイト太陽電池101の構造を示
 す模式図

 ここで、第1のペロブスカイト太陽電池セル32および第2のペロブスカ
イト太陽電池セル33はともに、ホールブロッキング層を有することが好
ましい。すなわち、第1のペロブスカイト太陽電池セル32は、第1の端
子電極に電気的に接続する第1の透明電極層12a、第1のホール輸送層
13、第1のペロブスカイト層15、第1の電子輸送層16、第1のホー
ルブロッキング層17、前記第2の端子電極に電気的に接続する透明電極
18および第1の電極19を有し、第2のペロブスカイト太陽電池セル
33は、第3の端子電極に電気的に接続する第2の透明電極層12b、第
2のホール輸送層21、第2のペロブスカイト層22、第2の電子輸送層
23、第2のホールブロッキング層24および前記第4の端子電極に電気
的に接続する第2の電極層25を有することが好ましい(図2参照)。  
ホールブロッキング層を備えることにより、ホールの逆流がより一層抑制
されて光電変換効率が改善され、出力が高まり、経時安定性も向上する。
 さらに、図2に示すように、第1のホール輸送層13と第1のペロブスカ
イト層15の間に表面補償帯14が形成されていることが好ましい。表面
補償帯14は、第1のホール輸送層13および第1のペロブスカイト層15
の空乏(Vacancy)を抑えてペロブスカイト太陽電池101の光電
変換効率を向上させる層であり式(1)記載のX-nPACzからなる。
ここで、式(1)中、XはORまたはRで、Oは酸素、Rは炭素数が1以
上12個以下の直鎖の炭化水素基を表し、nは2以上12以下の整数を表
す。【化1】
・・・(1)  
次に、本発明のペロブスカイト太陽電池を構成する各層について説明する。
【0024】  透明基体11は、太陽光を透過させ、所定値以上の剛性を
持つものであれば特に限定されない。石英ガラス、フリントガラスやソー
ダ石灰フロートガラスなどの各種のガラス(白板ガラス)を好んで用いる
ことができるが、アクリルやポリカーボネートなどの透明なプラスチック
なども用いることができる。ガラスは、太陽光に対して透明度が高く(透
過率が高く)、十分な剛性をもち、また耐光性、耐候性に優れるという特
徴をもつ。プラスチックは、容易に自在な形状に加工が可能であり、また
柔軟性を付与させることができるため、曲面状の太陽電池を作製したり、
太陽電池を柔軟に曲げて使用したりする上で好ましい。
第1の透明電極層12aおよび第2の透明電極層12bの材料は、インジ
ウムスズ酸化物(ITO)が好ましい。この膜は、耐光性を向上させる観
点からスパッタリング法で成膜することが好ましい。具体的には、ターゲ
ットをITO、スパッタリングガスをアルゴン(Ar)ガスやクリプトン
(Kr)ガスなどの貴ガスとしたRFスパッタリングが好ましい。基板温
度は室温でよいが、室温に限るものではない。また、ITO成膜後150
℃以上の熱処理を加えると、太陽光透過率の向上と電気抵抗の低抵抗化が
図れるので好ましい。一方で、300℃を超える熱処理は、逆に電気抵抗
が上がるため好ましくない。
  ITOは透明度が高く、透明性導電膜としては比較的電気抵抗率が低い
という特徴がある。さらに、インジウム(In)やスズ(Sn)が酸化さ
れて固定化されるため、これらの金属は拡散しにくく、耐光性向上に必要
な相互拡散防止機能を有する。
  第1の透明電極層12aおよび第2の透明電極層12bのITOの膜厚
は、薄いほど高まって好ましい透過率と厚いほど下がって好ましい膜抵抗
のトレードオフ関係により、150nm以上500nm以下が好ましい。
ITOの膜抵抗は低いほど良く、15Ω/sq以下であることが好ましい。
第1の透明電極層12aおよび第2の透明電極層12bの抵抗を下げるた
めに、ITO膜と透明基体11との間に金属リード線を加えてもよい。金
属リード線の材質としては、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、銅
(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)等
を挙げることができる。金属リード線は、透明基体11上にスパッタ法ま
たは蒸着法等で形成し、その上にITO膜を形成することが好ましい。た
だし、金属リード線を設けることにより、入射光量の低下を招くので、金
属リード線の太さは、0.01mm以上3mm以下であることが好ましい。
 第1のホール輸送層13は、スパッタリング法などのPVD(Physi
cal  Vapor  Deposition)法で形成された無機のNiOx
膜が好ましい。第1のホール輸送層13を無機のNiOx膜(0<x≦4)
で構成することによって、ピンホールやクラックが少ない大きい面積の層
を形成することができ、また、光照射耐性が高くなる。
  第1のホール輸送層13の厚さは、4nm以上50nm以下であること
が好ましく、4nm以上18nm以下がより好ましい。第1のホール輸送
層13の厚さをこの範囲にすると高い光電変換効率を得ることが可能にな
る。さらに、第1のホール輸送層13の厚さを15nm以上18nm以下
とすると、高い長期信頼性を兼ね備えることが可能になる。これは、Ni
Ox薄膜のピンホールが抑制されることに起因する。  第1のホール輸送層
13の導電性を向上させるため、NiOx膜にNi以外の金属イオンをド
ーピングすることも好ましい。金属イオンとしては、アルカリ金属、アル
カリ土類金属、遷移金属等のイオンが挙げられる。具体的な金属イオンは、
Li+、Na+、K+、Mg2+、Cu2+、Fe2+、Mn2+、および
Zn2+から選ばれる少なくとも一種であり、さらにより好ましくはLi
+およびMg2+から選ばれる少なくとも一種である。Li+とMg2+
を同時に使用してもよい。ドーピング濃度は、0.5mol%以上50m
ol%以下が好ましく、2mol%以上30mol%以下がより好ましい。
これらの金属イオンは、例えばスパッタリングを行うときのターゲット材
料に含有させておくことにより、第1のホール輸送層13に導入すること
が可能である。
 第2のホール輸送層21としては、PEDOT:PSS、NiOx、Sp
iro-OMeTADおよびP3HTを挙げることができる。この中で、
PEDOT:PSSは狭バンドギャップのペロブスカイト太陽電池と相性
がよく、狭バンドギャップのペロブスカイトから高い効率で安定的にホー
ルを輸送することを可能にする。
 表面補償帯14は、前述のように、前記式(1)記載のX-nPACzか
らなる層である。表面補償帯14は、PVD法によって形成されたNiOx
が第1のホール輸送層13に用いられる場合に特に大きな効果が得られる。
 ここで、式(1)中のnは2または4がより好ましく、式(1)中のXが
OCH3で、nが2、すなわち式(2)に示されるMeO-2PACz(
[2-(3,6-ジメトキシ-9H-カルバゾール-9-イル)エチル]
ホスホン酸)であることが、Vacancyの形成がより抑制され、光電
変換効率がより高まるので、さらに一層好ましい
【化2】
・・・・・(2)
表面補償帯14により、第1のホール輸送層13との界面、特に第1のホ
ール輸送層13として用いられたNiOx膜との界面、および第1のペロ
ブスカイト層15の空乏(Vacancy)が抑えられて、ペロブスカイ
ト太陽電池101の光電変換効率が向上する。ここで、Vacancyは
、沃素(I)、塩素(Cl)または臭素(Br)などのハロゲン化物イオ
ンの空乏を指す。
この表面補償帯14の効果は、単体のペロブスカイト太陽電池でも高い効
果を発揮するが、トップ側ファースト(太陽光入射側の太陽電池セルを最
初に作る方法)で作製されるタンデム型のペロブスカイト太陽電池の場合、
特に大きな効果を発揮する。この表面補償帯14は、タンデム型のペロブ
スカイト太陽電池作製の熱処理による悪影響抑制から、PVD法形成のN
iOxによる第1のホール輸送層13とともに、第1のペロブスカイト太
陽電池セル32を作製する際に形成しておくのが好ましい。


図9 本発明の4端子タンデム型ペロブスカイト太陽電池の製造工程を示
したフローチャート図

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AI・戦争・災害・パンデミック――世界の知性が語る地球規模の未来予測 イアン・ブレマー 著 / フランシス・フクヤマ 著 / ニ―アル・ファーガ
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----------------------------------------------------------------------------------- ISBN:9784022952622 定価:957円(税込) 発売日:2024年3月13日
ウクライナ戦争や中東での衝突など世界は不透明度を増している。ポピュ
リズムのさらなる台頭、災害やパンデミックという不測の事態、AIの利用
などをめぐって世界はどう変わっていくのか。かつてない民主主義の危機
に今、世界で最も注目される知性の言葉からヒントを探る。聞き手・大野
和基氏。
● 今夜の寸評:憲法九条と民主主義
衆議院選挙がスタ-トした。今回は早い時期から現政権を見放し、政権交
代を望んでいた(少ないながらも「多面的な政策対応の悪さ」を」コミッ
トしこのブログ折々に掲載)。

■ 民主主義の暗黒時代

ダロン・アセモグル氏ら3人の研究者が今年のノーベル経済学賞を受賞。
ポピュリズムのさらなる台頭、災害、AIの利用で世界はどう変わるのか。
アセモグル氏が民主主義と経済の関係について語っており、時宜を得てい
るのでその要旨を掲載する。
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※聞き手・ジャーナリスト 大野和基:朝日新書『民主主義の危機』から
抜粋。『民主主義の危機』では、ダロン・アセモグル氏インタビュー全文
のほか、世界の知性たちが語る未来予測を読める。 ダロン・アセモグル/
1967年、トルコ生まれ。経済学者、マサチューセッツ工科大学教授。専門
は政治経済学、経済発展、成長理論。ノーベル経済学賞にもっとも近いと
言われるジョン・ベイツ・クラーク賞を2005年に受賞。著書に『国家は
なぜ衰退するのか 上下』(ロビンソンとの共著、鬼澤忍訳)、『マクロ
経済学』(レイブソン、リストとの共著、岩本康志・岩本千晴訳)、『自
由の命運:国家、社会、そして狭い回廊 上下』(ロビンソンとの共著、
櫻井祐子訳)など。近著にサイモン・ジョンソンとの共著『技術革新と不
平等の1000年史 上下』(鬼澤忍・塩原通緒訳)。
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国家権力と社会の力の関係について見ていきましょう。歴史家のーアル・
ファーガソン氏は自著の中で、格差を生むのは帝国主義でも地理的要因で
も国民性でもなく、私とジェイムズ・A・ロビンソン氏が言及している「
制度と規範」にあると主張しています。そもそも「規範」とはどのように
人々をまとめ、「制度」を維持するのに役立つものなのか。制度と規範は
分離できないものです。ある意味で、我々が今、アメリカで目の当たりに
しているのは、民主主義の深刻な弱体化です。政治家が積極的に噓をつき、
自分たちにとって邪魔となるであろう制度を骨抜きにしようとする行動と
結びついています。実際に複数の制度が覆されています。ドナルド・トラ
ンプを例として挙げるのは簡単です。トランプこそ、制度転覆の真犯人で
す。しかし私は、共和党と民主党の双方がアメリカの民主主義システムの
制度上の健全さをむしばんでいると思います。 同じことは他の多くの国で
も見られます。ですから今は民主主義の暗黒時代といえます。民主主義は
いろいろなチャレンジに耐えて生き延びる強さを持っていると思いますが、
今は民主主義にとって危険な時期です。 厳密に言えば、民主主義という言
葉を簡単に使うべきではないのかもしれません。「すべての人が参加でき
る政治制度」(inclusive political institutions)という言葉のほうが、「民
主主義」という言葉よりも適切な言葉だと思います。民主主義は参加する
人の価値観を育てる政治システムにとって必要条件ですが、十分条件では
ありません。多くの国にとって、自国の体制は民主主義的だと言います。
選挙も実際に行われています。しかしそれだけでは十分ではありません。
競争のない状況で選挙が行われると、特定の有名人が政治を支配して、健
全な市民社会はできません。さきほど「今は民主主義が危険な時期である
」と言いましたが、人々は民主主義について懐疑的になっています。実際、
多くの批判的な声があります。

多くの民主主義国には欠点がたくさんありますが、それでも民主主義は経
済成長にとって望ましいのです。教育や子どもの健康にとっても望まし。
現代において成功した社会では、民主主義によってそれはもたらされてい
ます。そのほかの代替システムと比べると民主主義の方がはるかに優れて
います。しかし問題は、民主主義は世界中で後退している状態にあること
です。それは2000年代のはじめくらいから起きています。

■ 軽罪経済成長できた中央ヨーロッパ  
意外に聞こえるかもしれませんが、民主主義は貧困層にとって望ましいと
いう事実は、必ずしもすべての人が民主主義を追い求めることにはつなが
りません。民主主義が弱体化することから恩恵を受ける人がいますが、そ
れは皮肉にも独裁主義的傾向があるパワフルなリーダーです。しかも実際
にそれが中央ヨーロッパで起きました。ポーランド、チェコ共和国、スロ
バキア、ハンガリーを見ると、経済的には成功しています。多くの人が抱
いていた懸念に反して、これらの国々の経済は見事に回復しました。  

しかし、そのことがむしろ多くの弱点を残し、そこに付け込むのは簡単な
ことでした。つまりこういうことです。  西ヨーロッパにおいて政党やメ
ディアなど市民社会が参加する民主主義的な構造は、何世紀にもわたる長
い時間をかけて進化してきたものです。一方、中央ヨーロッパにおいて民
主主義という実験は、ごく最近なされたものです。ですから、多くの弱点
を残しています。それはさきほど言ったように独裁主義的傾向があるリー
ダーが、その弱点をさらに弱体化させました。それは世界中で見られる現
象です。 良い制度と経済成長の関係について説明しましょう。 重要な要
素は三つあります。  

まず安定を作り出す制度は、個人が投資や契約など経済取引の行為などに
携わる権利を確保します。これは繁栄が共有されるようになるだけではな
く、テクノロジカルな変化や生産性にとって重要です。  
これは私の著書『国家はなぜ衰退するのか』(原題“Why Nations Fail”)に
おいて、「あらゆる層に開かれた経済的制度」(inclusive economic instit
utions)と私が呼んでいるものです。安定した環境は、人が投資をしたり
自らを向上させたり、新しい問題や既存の問題にアプローチする新しい方
法を見つけ出すためのインセンティブになります。と同時に、社会の広範
囲における機会の平等も重要です。そうでなければ非常に不公平な設定に
なってしまいます。

■ 政治権力が広く分散されなければならない
二つ目に重要なことは、そういう経済的要素は、政治的・社会的要素とは
切り離せないことです。権力が、一人やごく少数の人に集中する独裁主義
になれば、経済を良くするために正しいことをしてくれるだろうと考える
のは間違いです。それがうまくいくことはまずありません。 その理由は、
経済的制度は政治的制度と社会における政治権力の分散によって形作られ
るからです。実際のところ、この関係は有機的で相互関連性から切り離せ
ないので、政治制度や政治体制が排他的である場合、経済的な制度がイン
クルーシビティ(何者も排除しないこと)を維持するのはほとんど不可能
です。政治権力が広く分散されていなければ、より広い政治的機会、政治
参加、社会参加を作り出しません。  

三つ目は最も難しいものですが、制度を設計するということです。これは
本当に難しい。制度について話すとき、一つの単純な解釈は「憲法のよう
なものである」というものです。これは優れた憲法を設計する賢人がいれ
ば、準備万端であるという考え方です。しかし、私の制度に対する見方は
違います。制度は進化するもので、歴史的なプロセスから生まれるもので
す。制度は政治と規範の双方向性から生まれるものです。制度は人々が政
治にいろいろな形で参加することから生まれるものです。だから、憲法の
条項を変えるだけでは制度を変えることはできません。制度の設計はそう
簡単にできるものではないからです。部分的にはボトムアップ・プロセス
でなければなりませんが、純粋な進化のプロセスというだけではありませ
ん。人々が異なるビジョンを持って政治に参加し、より成功したケースか
ら学び、異なる制度の選択がどういう結果をもたらすかを理解することは、
そのプロセスの重要な部分です。
                           この項つづく


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