彦根藩二当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる招き猫と井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時
代の井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと
)と兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。
【季語と短歌:3月11日】
春の雨福島禍根いまもなお
高山 宇(赤鬼)
これって、マウスなの?
作品七首+エッセイ
川又和志(1955年生・心の花・二〇三八短歌会)
欲望のみかん
写楽って呼ばれた人がいたらしい残念ながら歌人じゃないんだ
休だけ先に送られすぐにでも心が届くと信じていたころ
地球にも臍はあるだろぼくはそのヘソのあたりで嚏をしてた
降りてきた鳩にまざってあのハトがどの鳩なのかもうわからない
ヒトになる理由はあったが今はもうその理由さえ冬のかみなり
ああそれは暫くみない欲望のかわりに置かれたぼくのみかんだ
考える人の像には目立たぬようふつうの位置にふつうのペニス
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今大事にしたい歌
雨は「わたくし」をきき入れ呉れしかばお
のづからわれ濡れつつ行けり
岡井隆『人生の視える場所』
記号が挿入された短歌、一字アキ、破細字足
らず、言いっぱなし、下句への意味なき繋が
り、つふやき。返歌はどこへいくのだろう。
「落ち着け、落ち着け。技巧を駆使するのはこ
のあたりまでに収めておけ。」
そんな囁きが聞こえてくる。私には今も新鮮な
歌艇の中の、大事な一首だ。
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🪄視力が衰えているわたしにはこれが限界。
✳️低コスト・大量生産可能な水蒸気ウルトラハイバリア
構造 ~ペロブスカイト太陽電池や有機ELディスプレイな
どのバリア膜への応用に期待~
【概要】山形大学有機エレクトロニクスイノベーションセンターの硯
里善幸教授、孫鶴プロジェクト助教、宋侣洋プロジェクト研究員は、
溶液塗布可能なポリシラザン(PHPS)をコートし、高強度の真空紫
外光(VUV光)を照射することで緻密なSiN(窒化ケイ素)を形成し
た。この膜を用いたバリア構造は、溶液プロセスで得られる水蒸気バ
リア膜の世界最高性能を更新(水蒸気透過度 WVTR=1.8x10-5g/m2/
day)した。加えてWVTR 10-5g/m2/dayオーダーのバリア構造をPH
PS 1層あたり、わずか10秒の光照射プロセスで達成した。すなわち言
葉を本研究では溶液プロセスによる世界最高の水蒸気バリア性能とプ
ロセス時間の超短時間化を同時に達成している。本成果は、Wiley社が
発行するAdvanced Materials誌(IF=14.3)に掲載された。
【背景】 有機EL(OLED)やペロブスカイト太陽電池(PSC)、有機薄
膜太陽電池(OPV)などの次世代太陽電池などの有機エレクトロニク
スデバイスは、フレキシブル化や溶液プロセス(印刷・塗工)で作製
できるといった特徴がある。フレキシブル化による柔軟・軽量といった
価値向上に加え、溶液プロセスによるデバイス作製には、真空プロセ
スに比較して、大量生産による低コスト化が可能なうえに、低炭素プ
ロセス(エコフレンドリー)といった付加価値がある。これらデバイ
スを形成する基板として、柔軟かつ軽量で安価な樹脂フィルムを使用
することが望まれるが、OLED、PSC、OPVデバイスは、特に大気中の
水蒸気に対して敏感に性能劣化を伴うため、デバイス部を保護する必
要がある。例えばすでに普及が始まっているフレキシブルOLEDディス
プレイ(スマートフォン等)では、樹脂フィルム上に緻密な無機膜(
SiN:窒化ケイ素)を水蒸気バリア層として真空プロセスで製膜するこ
配布先:文部科学記者会・科学記者会・山形県政記者クラブ とで、こ
の問題を解決している。しかしながら真空プロセスによる無機成膜で
は、生産性が低く、コスト高であることから、溶液プロセスによる無
機バリア膜形成が望まれている。当研究室では、これまでにSi-N結合
を主鎖骨格に持ち、溶液に溶解可能なポリシラザン(PHPS :perhyd
ropolysilazane )注1を溶液塗布(コート)し、紫外線の一種である
真空紫外光(VUV光:波長=172nm)注2を照射することで、高い水
蒸気バリア性能注3を達成した。
バリア層/平坦化層を1ユニットとし、3ユニット(計6層)のバリア構
造を形成することで、水蒸気透過度(WVTR)注4は5x10-5g/m2/day
であり、溶液プロセスで形成する水蒸気バリア膜の世界最高性能を記
録した(Adv. Mater. Interfaces, 2201517 (2022))。
しかしながら、VUV光の照射時間は1層あたり約2.5分を要すること、
OLEDに必要なバリア性能にはまだ不十分であること、本光反応機構の
詳細が不明であるといった課題があった。
【研究手法・研究成果】
本研究では、VUV光照射源であるXeエキシマランプの光強度依存性に
よる反応機構の解明と、光照射時間の短縮化、バリア性能向上を目指
した。ランプ強度を 103~309mW/cm2と変化させ反応機構の解明を
行った結果、VUV光によりPHPSから水素が脱離する①光脱水素反応と
膜組成に変化はないもののVUV光により高密度化する②光緻密化反応
の二つの反応機構があることが分かった(図1)。①光脱水素反応では
光強度によって反応速度の加速は無いことから 1光子反応過程であっ
た。一方で②光緻密化反応では、光強度に対して緻密化の加速が見ら
れたことから多光子的な反応であった。このことから高強度のVUV光
照射条件下では、PHPS膜の光緻密化反応が加速的に進行することで、
光照射時間の大幅な短時間化と、高い水蒸気バリア性能を同時に達成
できる可能性がある。
図1 PHPSのVUV光による光反応(①光脱水素反応、②光緻密化反応)
そこで、ランプ強度103、309mW/cm2に焦点を絞り、膜質と水蒸気
バリア性能評価を行った。膜質は屈折率評価から行った。PHPS薄膜で
は光照射側の表面で大きなVUV光の吸収があることから、膜内の屈折
率は一様ではなく、表面で高い屈折率を有する(図2)。そこで本研究
では、特に水蒸気バリアとして機能していると考えられる表面側30nm
(図2のTop層)の屈折率に着目した。ランプ強度103、309mW/cm2
のどちらの条件においても、積算光量が増えるごとに屈折率は増大し
た。ここで屈折率の増大は大きな組成変化が無いことから密度上昇に
基づくものであると考えている。特に興味深いのはランプ強度103m
W/cm2にて12J/cm2を照射した屈折率(n=1.75)よりも、ランプ強
度309mW/cm2にて3J/cm2を照射した屈折率(n=1.76)のほうが高
いことである。
すなわち光強度が高いランプを用いる事で積算光量は1/4で同等以上
の光緻密化が進行することを意味する。
図2 各VUV光強度(103、309mW/cm2)と積算光量(3、6、12J/cm2
)におけるPHPS膜の屈折率分布
そこで、バリア層/平坦化層を3ユニット(計6層)形成したバリア構造
にて、水蒸気透過度(WVTR)の測定を行った(図 3)。ランプ強度
309mW/cm2を用い、積算光量 6J/cm2 を照射したバリア膜で、最小の
WVTR=1.8x10-5g/m2/dayを得た。これは、溶液プロセスで形成する
水蒸気バリア構造の世界最高値を2.8倍、更新する性能である。更に興
味深いことに積算光量 3J/cm2を照射したバリア膜においても、WVTR=
3.8x105g/m2/day のバリア性能を得ている点である。積算光量3J/cm2
の光照射時間は、わずか10秒であり超短時間化も成功した。従来は約
2.5分程度の光照射時間が必要であったことから、大幅な光照射時間の
短縮(およそ1/15)を達成した。これらは高強度ランプを用いる事に
より、光緻密化が加速的に進行し薄膜の密度が向上したことによるも
のであると推測している。 本研究の成果は、NEDO GI基金(JPNP21
014)等の支援により実施された。
【結果と考察】
1 .PHPS系バリアフィルムの形成と安定性に及ぼすVUV光強度の影響
PHPSの反応機構を解明するために、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)
を用いて、様々な真空紫外光(波長=172nm)の照射下におけるPHPS膜
中のSi─H結合とN─H結合の減少とSi─N結合の形成を追跡した。
PHPSフィルムは、その10%ジブチルエーテル溶液から作られた。次
に、溶液を空気中のシリコンウェーハ上にスピンコーティングし、さ
まざまな強度(103、229、および309 mW cm−2)でVUVを照射しまた
窒素下。フィルムは、サンプルから2mmの位置にエキシマランプを配
置したVUV照射装置にセットされました。ランプの電力は、エキシマ
ランプから2mmの位置に設置された電力計を用いて測定。これは、実
際の使用時と同じ距離である。
103 mW cm−2未満のPHPSのFTIRスペクトルの変化の結果時間の経過
に伴う照射は、図1aに例として示されている。最初に、未照射のPHP
Sのスペクトル(図の黒色のスペクトルは、3375cmと1180cm−1のN─
H結合の伸張と曲げのピークを示している、Si─H 結合の伸張ピークと
曲げピークは 2163 cm と 920 cm−1 にある。N─H 結合と Si─H 結合
の独立ピークは、1180 cm と 2163 cm でモニターしたそれぞれ。こ
れらのピークはVUV照射直後に急速に減少し、Si─N結合への形成が
進行したことを示す。一方、初期の幅広のSi─Nピークは800〜1000
cm−1の範囲ですは、さまざまな成分に起因し、VUV照射により低波数
シフトした。この変化は、SiNの形成を示唆しているのような画像。
Si─Nピークのフィッティングは複雑であるため、図S1〜S3(補足情報
)に示すように、微分スペクトルが連続的に変化するように見える範囲
内のピーク面積を推定した。
a) FTIR spectra changes of PHPS film irradiated by 103 mW cm−2
VUV light. Normalized change in the ratio of b) Si─H, c) N─H,
and d) Si─N bonds as a function of dose amount under different
VUV light intensities.
照射したPHPSフィルムのFTIRスペクトル変化a) 103 mW cm照射し
たPHPSフィルムのFTIRスペクトル変化−2VUVライト。異なるVUV光
強度下での線量量の関数としてのb)Si─H、c)N─H、およびd)Si─N
結合の比の正規化された変化。VUVライト。異なるVUV光強度下で
線量量の関数としてのb)Si─H、c)N─H、およびd)Si─N結合の比の
正規化された変化。
未満のPHPSのFTIRスペクトルの変化の結果103 mW cm未満のPHPSの
FTIRスペクトルの変化の結果−2時間の経過に伴う照射は、図1aに例と
して示されています。最初に、未照射のPHPSのスペクトル(図の黒色
のスペクトルは、3375cmと1180cmのN─H結合の伸張と曲げのピー
クを示しています−1、Si─H 結合の伸張ピークと曲げピークは 2163
cm と 920 cm にあります−1それぞれ。N─H 結合と Si─H 結合の独
立ピークは、1180 cm と 2163 cm でモニターしました−1それぞれ。
これらのピークはVUV照射直後に急速に減少し、Si─N結合への形成
が進行したことを示しています。一方、初期の幅広のSi─Nピークは
800〜1000 cm−1の範囲は、さまざまな成分に起因し、VUV照射によ
り低波数にシフトした。この変化は、SiNの形成を示唆している画像。
Si─Nピークのフィッティングは複雑なため、図S1〜S3(補足情報)に
示すように、微分スペクトルが連続的に変化するように見える範囲内
のピーク面積を推定した。時間の経過に伴う照射は、図1aに例として
示される。最初に、未照射のPHPSのスペクトル(図の黒色のスペクト
ルは、3375cmと1180cm−1のN─H結合の伸張と曲げのピークを表示、
Si─H 結合の伸張ピークと曲げピークは 2163 cm と 920 cm にある。
N─H 結合と Si─H 結合の独立ピークは、1180 cm と 2163 cm−1 でモ
ニターしましたそれぞれ。これらのピークはVUV照射直後に急速に減
少し、Si─N結合への形成が進行したことを示す。一方、初期の幅広の
Si─Nピークは800〜1000 cm−1の範囲ですは、さまざまな成分に起因
し、VUV照射により低波数にシフト。この変化は、SiNの形成を示唆
する画像。Si─Nピークのフィッティングは複雑であるため、図S1〜
S3(補足情報)に示すように、微分スペクトルが連続的に変化するよう
に見える範囲内のピーク面積を推定した。
図3 各VUV光強度(103、309mW/cm2)と積算光量(3、6、12J/cm2
における水蒸気透過度(WVTR 縦軸は10-4 g/m2/day)
【今後の展望】
溶液プロセスによる世界最高の水蒸気バリア性能と超短時間化を同時に
達成した。この技術が有機ELや、ペロブスカイト太陽電池を含む次世
代太陽電池だけでなく、その他のエレクトロニクス分野や包装分野(
食品・医療等)など、バリア技術が必要な産業に広く寄与できるよう
に研究を進めたい。特に光照射時間の短縮化は、ロールto ロールによ
る大量生産にも適合性が高い。今後、バリア構造の層数削減等、更に
研究推進する予定である。
【雑誌名】
論文タイトル: Polysilazane-Coated Films Achieving Record-High
Moisture Barrier Performance with Sub-10
Seconds Densification Using High-Power VUV Irradiation
著者: Luyang Song, He Sun, Yoshiyuki Suzuri
雑誌: Advanced Science 2415721(2025)
DOI: 10.1002/advs.202415721
https://doi.org/10.1002/advs.202415721
※用語解説
注1 PHPS(Perhydropolysilazane): Si-N を主鎖骨格として持つ無
機高分子の一種である。有機溶剤に溶解し、コーティング材料やセラ
ミックス前駆体として用いられる。本研究では置換基が全て水素であ
るパーヒドロポリシラザン(PHPS:Perhydropolysilazane)を用い
ている。
注2 真空紫外光(VUV光:Vacuum Ultraviolet): 紫外線の一種であ
り、波長が10~200nmもしくは100~200nmの範囲の電磁波(光)の
ことをいう。本研究ではXe エキシマランプを用いており波長は172nm
である。Xeエキシマランプは、各種の表面改質等のランプとして用い
られている。
注3 水蒸気バリア: ガスや液体、イオン、ウィルスなど対象物を遮断
する特性のことをバリアと総称しており、本研究においては特に水蒸気
(気体)に対するバリア性能の研究を行っている。
注4 水蒸気透過度(WVTR:Water Vapor Transmission Rate): 樹脂
フィルム等の水蒸気の透過を表す指標である。WVTRの単位はg/m2/
dayなどを用い、g/m2/day では1日あたり1m2の面積で透過する水蒸
気量(g)を表している。従って、WVTR値は小さい値であるほど、高
いバリア性能を示している。
注5真空プロセスによる無機薄膜: 真空プロセスによる無機薄膜の製膜
は、真空蒸着法やスパッタ法、CVD法(Chemical Vapor Deposition)
などが知られている。特に水蒸気に対するバリア性能が高いSiN(窒化
ケイ素)膜においては、スパッタ法やCVD法が用いられる。
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🪄山形大は米沢は、有機ELで出張。半固体リチウム電池開発、水蒸
気ウルトラハイバリア構造の開発と素晴らしいですね(羽曳野の城戸教
授、豊中の故加古隆の大阪出身で思い出深い)。
✳️ 変換効率2.47%の光触媒システムを開発
名古屋大学,信州大学/東京大学,中国山東大学は,高効率かつ実用的
な水分解光触媒反応システムを開発。光触媒を利用した水分解反応は
太陽エネルギーを水素という貯蔵可能な形に変換する手段として注目
を集めている。Zスキーム型光触媒システム(水素発生光触媒と酸素発
生光触媒を組み合わせ,自然界の光合成と類似したメカニズムで水を分
解するシステム)では,異なる2種類の光触媒を組み合わせ,それぞれ
の光触媒が水素と酸素の生成を促進する。(3月11日、オプトロニクス)
正味の反応は、I3−/I−酸化還元シャトルによって媒介される水の分解によるH2とO2の生成。
HERは水素発生反応を表します。OERは酸素発生反応を表す。NiFe-LDH/BiVO4は、NiFe層
状複水酸化物で修飾されたBiVO4を表す。FPBI/MoSe2は、モリブデンセレンを充填した
ⓩFAPbBr3-xIx(FPBI、FA = CH(NH2)2+)を表します。CCはカーボンクロス、FTOはフッ
素ドープ酸化スズコーティングガラスを表す。
【概要】光触媒を利用した水分解反応は太陽エネルギーを水素という
貯蔵可能な形に変換する手段として注目を集めている。Zスキーム型光
触媒システム(水素発生光触媒と酸素発生光触媒を組み合わせ,自然
界の光合成と類似したメカニズムで水を分解するシステム)では,異
なる2種類の光触媒を組み合わせ,それぞれの光触媒が水素と酸素の生
成を促進する。
このシステムでは,光触媒間の電子移動を促進するために電子伝達材
(I3−/I−,Fe3+/Fe2+)が使用されているが,従来のZスキーム型光触
媒システムでは,電子伝達材の副反応と水分解反応が競合するため,
太陽エネルギーから水素への変換効率(STH)が1%未満に制限されて
いた。
さらに,水素と酸素が同じ反応セル内で生成されることで,水素と酸
素の再結合による逆反応が発生し,効率が低下するという課題もあっ
た。これらの問題を解決するために,水素と酸素を分離して生成でき
る新たな光触媒システムの開発が求められていた。研究グループは,
水素発生セルと酸素発生セルを分離し,両者をI3–/ I–電子伝達材で連結
させた新しい光触媒システムを開発した。水素生成セルには,セレン化
モリブデン(MOSe2)を担持したハロゲン化ペロブスカイト(CH(N
H2)2PbBr3-xIx)を導入した。
この光触媒は,I–を I3–に酸化しながら水を還元し,水素を生成する。
一方,酸素発生セルでは,ニッケル-鉄層状複水酸化物(NiFe-LDH)を
担持したバナジン酸ビスマス(BiVO4)光電極を使用した。この光触媒
電極上で水の酸化反応により酸素が発生し,連結されたカーボンクロス
(CC)上でI3–が I–に還元される。
図 3: バンドアライメントとキャリアダイナミクスの調査。
a FAPbBr3-xIx (FPBI) と MoSe2 の XPS 価電子帯 (VB-XPS) プロット。価電子帯の最大値対
標準水素電極 (EVBM、NHE) は、式 EVBM、NHE = φ + EVB − 4.44 に従って計算できる。
ここで、φ は機器の仕事関数 (4.20 eV) 。したがって、FPBI の EVBM、NHE、および MoSe2
は、それぞれ 1.04 eV と 1.11 eV と計算される。b FPBI と MoSe2 の Tauc プロット。FPBI と
MoSe2 のバンドギャップ (Eg) は、それぞれ 2.05 eV と 1.14 eV と決定される。それらの伝
導帯最小値 (ECBM) は、式 ECBM = EVBM – Eg を使用して、FPBI と MoSe2 に対してそれ
ぞれ -1.01 eV と -0.03 eV として推定される。c FPBI のバンド構造と酸化還元反応の電位の
模式図。FPBI (d) と MoSe2/FPBI (e) の単一粒子 PL イメージ。FPBI と MoSe2/FPBI のフォ
トルミネッセンス スペクトル (f) と時間分解フォトルミネッセンス (TRPL) スペクトル (g)
曲線 1~6 は、d と e で示された粒子にマークされた点に対応す。(a、b、f、g) の「a.u.」
は「任意単位」を表す。
図 4: 光触媒 HI 分解の性能評価。
a MoSe2 の負荷量が 1、1.5、2、2.5 wt% と異なる FPB、FPBI、MoSe2/FPBI の光触媒 H2
発生活性。実験は、模擬太陽光照射 (1 太陽、AM1.5G、100 mW cm-2、照射面積 π cm2) 下
で、FPBI で飽和した 10 mL HBr/HI 溶液に分散した 100 mg の粉末サンプルを使用して実
施。エラーバーは標準偏差に対応します (n = 3 の独立した測定)。ソースデータは、ソース
データファイルとして提供される。b 光触媒 H2 発生反応における 2 wt% MoSe2/FPBIの波
長依存の見かけの量子効率 (AQE)。AQE 値は、「方法」セクションに詳述されている式を使
用して計算され、計算結果は補足表 5 に示されています。「a.u.」は「任意単位」を意味する。
c 代表的な光触媒活性を持つ2重量% MoSe2/FPBIサンプル(100 mg)を使用した周期的光
触媒H2生成試験。データは1回の太陽照射(AM 1.5 G、100 mW cm−2)下で取得されま
した。各サイクルは3時間。
この設計により,水素と酸素を別々に生成でき,水素と酸素の混在に
よる逆反応を完全に回避するとともに,電子伝達材の副反応を完全に
抑制することで,実用化の目安とされる目標値5%に向けた,STH2.47
%を達成することに成功した。さらに,ペロブスカイト光触媒をアクリ
ル基板上に固定化し,NiFe-LDH/BiVO4//CCシステムと統合したパネ
ル型リアクターを開発した。5つのリアクター(692.5cm2)を組み込
んだシステムを構築し,自然太陽光条件下で1週間の連続運転を行なっ
た。その結果,水素と酸素の安定した分離生産が確認され,システム
全体として平均1.21%のSTHを達成した。
研究グループは,この研究の成果は,光触媒を用いた水素製造技術の
発展に新たな指針を示し,今後の大規模な水素生産への応用が期待さ
れるとしている。
【掲載誌】 A scalable solar-driven photocatalytic system for separated
H2 and O2 production from water.
Nat Commun 16, 990 (2025).
https://doi.org/10.1038/s41467-025-56314-x
🪄大規模な水素生産の実用化に弾み!🎈記憶に残る映像楽曲
● 今日の言葉:さて、詳細考察過程に!
PS.中西様お疲れ様でした。感謝✨
春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
春だというのに自然は沈黙している。
レイチェル・カーソン 『沈黙の春』