いや、それはならぬ。ヴェニスのいかなる権力といえども、
定まった法を変えることは許されぬ。
シェークスピア 『ベニスの商人』
【世界最大の洋上風力発電の繋留が開始!】
福島県沖で行っている経済産業省の浮体式洋上風力発電の実証研究事業で、発電設備の係留
作業を進めている。世界最大規模の出力7千キロワットの風力発電設備と、総重量が280
0トンとなる8本の870メートルの巨大チェーンを連結し、海底に固定する。世界でも例
のない取り組みに、他の事業で培ったノウハウなどを用いて施工。工期短縮やコスト削減な
どの検証にはいる。7月28日に7千キロワットの洋上風力発電設備を搭載したL字型の浮
体を、福島県小名浜港から福島県楢葉町沖約20キロメートルの海域にえい航。順調にいけ
ば8月9日に作業が完了する。同海域は黒潮と親潮がぶつかり波が荒く厳しい条件にある。
浮体を固定するチェーンは1年前に海底に置き、そのチェーンをウインチで台船に引き上げ
浮体に付随するチェーンと連結する。チェーンの先端には特殊なアンカーが付いており、水
深120メートルの海底に食い込んで浮体を保持する。浮体係留のポイントは、8本の巨大
チェーンをバランス良く均等に張る。特に最初の4本をL字型の浮体に取り付けるまでは、
タグボートを使って浮体を引っ張りバランスを取る。台船を移動して1本ずつ係留する工程
も細かく計算。チェーンがねじれないように引っ張ったり下ろしたりする技術は、海底ケー
ブルの敷設と同じで、別の海洋事業で培ったノウハウを活用(清水建設・新日鉄住金エンジ
ニアリング)。さらに専用機械も開発してチェーンのねじり対策を講じた。今後、洋上風力
発電設備と洋上変電設備をケーブルで連結し、9月下旬に作業を終え10月初旬に発電が始
まるという。
● 新規考案例: 動揺減衰を備えた洋上風力発電用浮体構造
浮体式洋上風力発電用浮体構造物には、図4(上図)のようなセミサブ式、TLP(緊張係
留)式、スパー式などのタイプがある。様々な機器で構成される風力発電機には、振動・動
揺は故障の原因となり、浮体式洋上風力発電では、風力発電機基礎に使用される浮体構造物
の振動・動揺の抑制が重要課題である。
セミサブ式やTLP式は水線面積の小さい半没水型浮体を使用し、波浪による動揺(上下揺
れ・横揺れ・回転)を軽減するタイプ。特にTLP式は浮体を強制的に水中に引き込むこと
で大きな浮力・係留力を作用させ、波浪により荷重の変動が生じても常に浮力・係留力が作
用し、セミサブ式では対応できない上下揺れを軽減できる方式として知られている。
上記のTLP式浮体構造物は、浮体・係留系の固有振動数が波浪の周期(約4~18秒)を
外すよう設計され、特に波力の大きい長周期側を避けて4秒以下に設計されるが、風力発電
機のローターの回転数は通常約10~50回転/分(周期約1~6秒)で、浮体・係留系の
固有振動数と一致して共振する可能性があることから、浮体構造物に風力発電機を搭載する
場合は共振対策が必要である。また、動揺する浮体構造物には付加質量力や造波減衰力が作
用するが、上下揺れのモードでは水線面積の変化が少なく造波減衰力の効果が乏しいため、
風力発電機のローターによる共振を避けたとしても動揺が収まらない問題がある。
風力発電機の起振力抑制に、(1)波浪からの上下揺れ軽減に、洋上風力発電の風力発電機
の基礎浮体構造物の浮力中心とアンカーとを連結し係留する緊張係留索と、浮体構造物と緊
張係留索間に介装され浮体構造物の上下揺れを減衰させる動揺減衰機構を備え (2)また、
浮体と係留系の固有振動数の調整する固有振動数調整機構を備え、(3)さらに、動揺減衰
機構と緊張係留索とを係合して一体化する作動状態と、この一体化を解除する非作動状態と
に切り替え可能なストッパー機構を備え、通常時にはストッパー機構を作動状態にし、一体
化する一方、暴風波浪時や地震時などの非常時にはストッパー機構を非作動状態にし、切
り離し、作用する荷重に応じて調整可能機構を備え、(4)また、カテナリー式で係留する
カテナリー係留索をさらに備えた特徴をもつ。
つまり、洋上風力発電における風力発電機12の基礎として用いられる浮体構造物10で、
浮体構造物10の浮力中心Cとアンカー34とを連結し浮体構造物10を緊張して係留する
緊張係留索14と、浮体構造物10と緊張係留索14との間に介装し浮体構造物10の上下
揺れを減衰させる動揺減衰機構16とを備え、風力発電機による起振力を抑えるとともに、
波浪による上下揺れを軽減できる洋上風力発電用浮体構造物が提案されている。
※ 浮体式洋上風力発電施設の係留システム開発 新日鉄住金エンジニアリング技報 Vol.6
(2015) 2014.12.19
● 新規考案例: 洋上浮体構造物の曳航作業等のサポートシステム
風力発電に関して、海岸の大陸棚の比較的水深の大きい水域に、緊張係留浮体(TLP:テ
ンション・レグ・プラットホーム)を設けて、この緊張係留浮体に風力発電装置等の機器を
搭載する提案――例えば、図9(下図)に示すように、この風力発電装置の台座11を搭載
する浮体12は、この浮体12に取り付けられた1本又は複数本(図9では4本)のテンド
ンと呼ばれる緊張係留索13で海底や湖底や川底等の水底2に設けられたアンカー等の固定
用沈底部材14に係留されている。風力発電装置に限らず、一般的に、図9に示すような緊
張係留浮体1Xの設置は、浮体12のバラストタンクにバラスト水を注入したり、バラスト
を積んだりして、浮体12の喫水を設置状態の時よりも深くして沈めた状態で、予め設定水
域に設置された固定用沈底部材14の上に移動する。移動後、緊張係留索13の上端を浮体
12の上側係留部15cに接合し、緊張係留索13の下端を固定用沈底部材14の下側係留
部14cに接合する。
接合後、上部構造物11を搭載している浮体12の傾斜に注意しながら、バラスト水を排出
したり、バラストを取り除いたりして、浮体12の浮力を予め設定された浮力とする。更に
、緊張係留索13の長さを変更して上部構造物11の傾斜と各々の緊張係留索13の張力T
1~T4の大きさを調整する。この設置では、緊張係留浮体1Xが波浪中においても上下動
揺や横傾斜や縦傾斜をしないように、また、水平方向に移動可能な範囲も許容範囲に入るよ
うに、緊張係留索13に予め設定した初期張力T1~T4を付与して係留する。 また、上
部構造物の搭載に広い面積を必要としない、風力発電装置を搭載するような場合には図10
(下図)に示すような、水面を貫通する柱状体(センターコラム)12aと、下部に接続す
る水没浮力体(ポンツーン)12bとを有する浮体12に、複数本の緊張係留索13の上端
側を固定し、この緊張係留索13の下端側を水底2に設置された固定用沈底部材14の下側
係留部14cに連結して、緊張係留索13に張力を作用させて緊張係留浮体1Yを位置保持
することが提案されている。
水面を貫通する柱状体12aと、接続する水没浮力体12bとを有する浮体12で構成され
る「ミニ・テンション・レグ・プラットホーム(ミニTLP)」と呼ばれる緊張係留浮体で
は、緊張係留索13は水深Dの水没浮力体12bの上側係留部15cに係留されている。
この緊張係留浮体1Yは、設置後は、水面を貫通する部分は柱状体12aのみとなるので潮
位変動や波による水面の上下による緊張係留索13の張力への影響が少なくなる。
しかし、この図9に示すような緊張係留浮体1Xでは、緊張係留索13の上端を固定するた
めの浮体12の下部部分12bや台座11を支持する柱状体(コラム)12a等の没水部分
が非常に大きい。また、図10に示すような緊張係留浮体1Yでは、緊張係留索13の上端
を固定するための浮体12の下部の水没浮力体12bや柱状体12a等の没水部分が非常に
大きいため、没水面積が大きい上に、広い範囲に広がっているので、この没水面積における
耐水性の塗装面が広くなり、塗装作業量や塗料が多くなる問題や、緊張係留後の経年変化に
対するメンテナンス面積が広くなり、保守管理のための作業量が多い問題がある。また没水
面積が大きいので、鋼材重量も増える可能性が高い。
さらに、従来技術の「ミニTLP」では、緊張係留索13の上側係留部15cが水中にある
ため、緊張係留索13の取り付け作業や張力調整作業、保守点検作業等が水中作業となるた
め、作業性が悪く作業時間が長くなるので、これらの作業におけるコストが嵩む。また、設
置後に下側係留部が地震等より不等沈下した場合に、この不等沈下に対して緊張係留索13
の長さを調整する必要が生じるが、この場合にも上側係留部15cが没水しているので、水
中での作業が必要になる問題がある。
また、緊張係留浮体1Yの曳航時や設置時等の緊張係留索13が取り付けられていない状態
では、水面を貫通する部分が柱状体12aしかないため静的復原力が著しく小さく、緊張係
留浮体の安定性能が非常に悪い問題があり、曳航時と設置時には緊張係留浮体1Yの姿勢を
保持するために、クレーンの使用が不可欠となる。この場合に、風力発電装置を搭載するよ
うな「ミニTLP」でも、発電容量が大きなものでは重量で千トンを越えるものもあるので、
使用するクレーンは、大型洋上クレーンとならざるを得ない。この大型洋上クレーンは、市
場での保有隻数が少ない上に、曳航時から設置完了時まで必要になり、大型洋上クレーンの
使用期間が長い。このため、曳航及び設置工事の日程調整が難しく、コストが嵩む。
このように、上部構造物を支持する浮体の水没浮力体を、浮体の傾斜に対する復原力を考慮
せず単に浮力発生形状にし、波の影響を受け難い形状と共に、没水面積が小さい、緊張係留
索の上側係留部を水面上に維持し、緊張係留索の取り付け作業、張力調整作業と保守点検作
業等における水中作業を回避できる緊張係留浮体システムの浮体の曳航作業、設置作業、保
守点検作業、撤去作業作業を行う場合に、一時的に配置される支援用浮体により、緊張係留
浮体の曳航及び設置等の作業が支援できるシステムを用いた浮体の設置方法を提供する。
このように、上図5・6のように、12緊張係留浮体システム1の浮体12を仮係留システ
ム形成し、浮体12の水面上係留部12dに一時的に固定される支援用浮体20の援用シス
テムで、浮体12設置時に、浮体12設置水域で、仮係留システムの緊張係留索13の下端
が係留される固定用沈底部材14を水底2まで沈下させて、支援用浮体20を仮係留した後
緊張係留索13で係留し、この緊張係留索13で係留をした後に、仮係留を解除することで、
緊張係留浮体システムの浮体の曳航作業、設置作業、保守点検作業、撤去作業を行う場合に
一時的に配置される支援用浮体で、緊張係留浮体の曳航及び設置等の作業を十分に支援でき
る支援用システムによる浮体設置方法を提供するものである。
この開発技術は、海洋浮体構造物(海洋浮体空港などハードウエア技術の集約体)で大変な
付加価値を生み出す可能性をもち、また、地球温暖化など大規模気候変動災害などの防災政
策、あるいは安全保障政策とも絡むテーマでもある。ここはしっかりとフォローしていく必
要はあるでしょう。
● 日中食品汚染 18 中国の食品汚染地図
【目次】
第1章 見えない食品の恐怖
第2章 中国の食品汚染
第3章 食品汚染のヒトへの影響
第4章 なぜ汚染連鎖が絶ちきれないのか
第5章 重金属汚染という新たな難題
第6章 日本の食品は安全といえるか
第4章 なぜ汚染連鎖が絶ちきれないのか
3万社を超える食品加エメーカー
だが、こういった食文化も現実的な食生活の変化の波にさらされる面は否定できない。
食生活の変化が結果的に加工食品を増やしていったともいえるのだ。食品加工業が発
展するためには、水の確保、冷凍・冷蔵技術の発達や交通網の整備といった条件が必要
だが、煮る・炒める食品から焼く食品(ステーキやハンバーグ、焼肉や串焼きなど)へ、
そして、生(サラダなど)で食べる機会の増加は、食品加工業の発展がなければありえ
ないことだ。
最近は中間層以上を中心に、食品を安全に保存しようとする意識が高まっている。も
ともと外食依存の強かったところに多様な食品が食べられるようになり、加工食品の需
要がいっそう高まったのだ。さらに中国が、日本や世界の食品供給基地として成長して
きたことも大きな要因として挙げられる。ほとんどの日本の食品加工メーカーが、安い
農産物や魚介類をもとめて中国に八口弁企業を設立し、食品加工工場を設けている。
中国には、ある程度の規模だけでも、食品加エメーカーが3万6千社以上ある(20
11年)。内訳は、農副良品加工業2万3000社、食品製造業8100社、飲料製造
業5600社。外資系企業もかなりの数に上り、全体で約4千社が何らかの食品加工・
製造にかかわっている。
日系企業は2011年では167社(香港を除く)で同じ年に2社が新規に設立13
社が撤退している。日系企業全体の年間売上額は約840億円、売上先は地場企業が多
く、日本向け輸出は13%程度と比較的少ない。しかし地場企業には中国に進出している
日系食品メーカーも含まれ、原材料として販売したものが肖度加エされ、製品化される
などの経路をたどり、付加価値を高め、日本に輸出されていることが特徴のひとつだ。
日系企業がどのような加工食品を作っているのか、詳しいことは公開されていない。
もっとも食品モジュール化が進む現在の食品加工業においては、売上や管理費など金額
に関するデータしか把握できなくとも仕方ない。
たとえば水産品を原材料に作る練りものだけを販売する場合、練りもの原材料製造業
となるが、それをもとに別の形状に加工し、熱を通すと、かまぼこやはんぺんといった
食品名になり、そうしてできたものに、小さく短冊状に切った板のりを巻くと、それは
のり巻き加工品などの商品名となる。しかし食品モジュール表のところで説明したHS
コード上は個別の企業が付ける商品名とは無関係なので、「その他の水産加工品」とし
か分類されない。だから企業も、商品を細かく区分して公表することに熱心ではない。
結局、何が原材料として使われているかわからないのだ。中国の食品加工業の分類を
みるとかなり細かい。まず大きく食糧および飼料加工業、植物油加工業、卵・と殺・食
肉加工業、水産品加工業と4つの区分があり、それぞれに属するものとして精米業、製
粉業、麺・コメ製品業、蛋白飼料製造業、養殖飼料製造業、その他飼料製造業、食用植
物油加工業、非食用植物油加工業、甘藷始業、根菜糖業、加工糖製造業、食肉処理業、
食肉加工業、肉副産物加工業、卵加工業、乾物加工業、水産物漬物業、すり身・すり身
加工業、その他の水産加工業と、全部で19の業師がある。
これらの業師はすべて、分野ごとに与えられる食品加工許可証、および販売許可証を
得て業務を行っている。中国の食品加エ業の基礎は、食品添加物の生産にあるというの
が 中国の専門家の見方だ,現在、認可されている食品添加物は既述のとおり膨大な種
類に上るが、その発展過程で成長したのが食品加工業といえる,
農林畜水産物の原形がなくなり、さまざまな食品添加物が混ざっていく良品加工業で
は、よほどしっかりしないと汚染が生じやすい構造になっていると思われる。
中国最大の食品加工工場
中国系の食品加工工場は、主に東部沿岸地帯に集中しているが、とくに北京、上海、
黒竜江省、古林省、遼寧省、山東省、江蘇省、広東省、河北省あたりに多い。外資系企
業は遼寧省、山東省、江蘇省、上海、広東省などに比較的集中している,中でも山東省
には人手企業が集まっている。中国の上位100社の食品メーカーのうち15社が山東省
に立地しており、有名な巨人企業に、L企業集団がある。
わたしはこの企業の工場見学をしたことがある。小さな工場から出発して、日本向け
の野菜輸出が大当たりして、一気に大企業にのしあがった中国有数の食品総合メーカー
同時に自社農場と契約農家から大量の農産物や畜産物を集める農業経営企業でもある。
集めた農畜産物は、同社が作るあらゆる食品の原材料になる。エ場内は整然としており、
衛生面にさまざまな気を 遣っていることがうかがわれる。
秋深まる中、広大なホウレンソウ畑に案内してもらい、土と畑、それに地下からくみ
上げている水を見せてもらった。わたしは作物学や栽培管理学の専門家ではないが、畑
を見た限りでは、ホウレンソウの生育状況はけっして褒められたものではなかった。
いいホウレンソウというものは、束になった葉が竹笹のように勢いよく伸びている。
ところが、そこでわたしが目にしたものは、収穫の時期がもう少し先ということもあったが、
タンポポの菓の部分のように地べたに張り付き気味で、活きが足りないようだった。理
由として考えられるのは、土壌に有機的な肥沃さが足りないこと、つまり、化学肥料に
依存しすぎていることだ。化学肥料や農薬依存の農法は、農民と土との距離を広げ両者
の間になくてはならない「対話」をなくしてしまう,本来、農民は土の状況を詳しく見
ながら植物を育てるために土が求めている状態を作り出すものだ,
中国の農業の担いfが日増しに企業に移り、農民がただの農作業員と化し、しかも規
模の大きな農業竜頭企業(農林畜水産物から加工食品を生産し、自ら販売も手掛けてい
る企業)が土地を独占するようになって、農民と上との「対話」が途絶え、農地がエ場
の一部のようになっていった。その結果、土づくりがおろそかにされ、ひいては汚染を
放置する事態さえ常態化してしまっているのだ。
ヒントは日系食品メーカーにあリ
構造的な食品汚染から抜け出すためのヒントは、実は日系企業の中にある,
そこで評価の高い日系食品メーカーについて紹介をしておきたい。日本の大企業の出
資や技術移転を受けていることで、中国でも有名になった日系食品メーカーにA社があ
る。食品加工だけでなく、原材料となる農畜産物も自ら作っているという点では農業竜
頭企業といえる企業だ。
この会社は堅実な経営で成長し、日本的な真面目さが現地では受けている。山東省に
設立されて10年になるが、中国の農業竜頭企業にとってもモデルのような存在となった
ことは、ひとりの日本人としても寫ばしい,
この会社は、日本の農場や食品メーカーのいいところだけを収って、中国でも実践し
ている。イチゴ、野菜、トウモロコシ、小麦などの耕種農業のために100ヘクタール、
新鮮で安全な牛乳を市販するための乳牛を約1000頭飼育。牛から出る排泄物は敷地
内に設置した施設ですべてを堆肥化、それを自社農場の畑にすき込むという完全な大規
模有畜農業を行っていた。
この堆肥を使った畑は、遠くからみると薄茶色をした畑とみごとなコントラストを描
き、真っ黒な土壌を大きな四方形に浮かび上がらせている。これこそが中国の農場が学
ぶべき農法である。
また乳牛から搾った原乳は、中国ではA社にしかないという最新設備で加工。日本の
スーパーで売られているのと同じ形の紙パックに入れて、地元のスーパーなどへ高級牛
乳として出荷する。牛乳生産のための原乳は、自社製以外は使用しない。
市販価格は他の牛乳に比べ倍以Lするが、高級品志向の富裕層や日本人家庭を中心に
信頼を集め、今やブランド品として地位を固めつつある。地元のスーパーで買って飲ん
でみると、確かにコクがあり、風味や色は普段、日本で飲む牛乳と変わらないか、それ
以上の品質だ,
自社原乳を自社の設備で加エして販売するので、安全性も保証されているとみてよい。
こうした企業が責任を持って作った製品ならば、中国製であろうとなかろうと消費者は
歓迎すべきだ。中国で事業展開をする口本の食品加エメーカーすべてが、A社のように
問題ないと断言する自信はないが、相対的には安心度の高い企業が多いと思う。
ただ厳密にいうと、安全性について日本メーカーがいくら注意を払っても、すべての
生産資材を自前で調達することは不可能で、配へ目飼料、獣医薬品、農薬、化学肥料な
どは外部から買うしかない。また、勝手にやってくる大気や水の汚染、そして重金属な
どは防ぎようもないことである。
ここまでのところは、とりたててコミットすることはないが、いささか農本主義的なにおい
が気になるところだが、そのことはさておいて次節の「中国で指示される農産物宅配」に進
もう。
この項つづく
さて、昨夜の紀文の「なつおでん」のつづき。材料は4人分で、焼ちくわ11 パック(2本)
/そのまま便利 ごぼう巻1パック(6個)/さつま揚 (巾着) 1パック(7枚)/紀文 つ
みれ1パック(6個)/おでん用昆布(乾燥タイプでないもの)1パック(5本)/結びし
らたき 5個(150g)/なす 2本/さやいんげん 12本(50g)/オクラ 4本/かつおだし汁
1200cc/うす口しょうゆ 大さじ2/酒 大さじ1/みりん 大さじ1/塩 小さじ1/4/生姜
適量/青じそ 適量/すだち 適量。以上「夏野菜の冷やしおでん」だ。履修、ワイン、ビール
が!飲み過ぎは熱中症がきになる? エンヂング・ノートは書いていない?いいじゃない「真
夏の夜の夢」ではないか。