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再時代は太陽道を渡る Ⅹ

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       教育とは、うぬぼれた無知からみじめな曖昧さへの道である。
                   
                             マーク・トウェイン

 

  【形態形成】

   単一の細胞である受精卵は分裂をくり返しながら発生し、機能の異なるさまざま
 な細胞に分北し、それぞれの生物に特徴的な形態がつくられてくる。生物の形態が
 どのようなメカニズムでつくられるかは、現代生物学最大の難問であるが、近年の
 研究により遺伝子発現との対応が徐々に解明されて曙光が見えてきた。

  多細胞生物の形態形成にとって第一に重要なのは、細胞同士が互いに相手を識別
 し、接着すべき細胞同士は接着し、難れるべき細胞とは難れることである。同種細
 胞問接着分子(カドヘリンや N-CAM)や異種接着分子(セレクチンやインテグリ
 ン)はこのメカニズムを作用させるたんぱく質であり、発生に伴ってこれらのたん
 ばく質(をコードしている遺伝子)が発現したり、しなかったりして形態形成は進
 行する。



  次に重要なのは、前後、背腹の体軸を決定するメカニズムである。
  この2つは基本的には卵細胞の中に存在する母性因子のかたよりにより生ずる。
 母性因子が卵や初期胚の中で濃度勾配をなし、それに従って体軸が決まるのである。
  基本的には体軸は胚自身ではなく母親が決定するのである。ただし、両生類の背
 腹は精子の侵入点により決まる。精子の侵入点は腹側になる。

  3番目に重要なのは誘導というメカニズムである。ある細胞群は発生の途中で隣
 接する細胞群に働きかけて特殊化した細胞群に導く。脊椎動物の神経系は形成体に
 より外胚葉から誘導されて、頭から尾までができる。最近、この誘導因子はアクチ
 ビンや FGFというたんぱく質であることが判明した。



  4番目に重要なのは体の各部分の構造や区画を決定するメカニズムである。これ
  は主としてホメオポックス遺伝子により制御される。これは通常、前後の体軸を決
 定する遺伝子に誘導されて発現する。

  最後に最も重要なのはこのような遺伝子の発現バターンと具体的なかたちがどの
 ような関係にあるのかということであるが、それについては何もわかっていない。


                     池田清彦 著『新しい生物学の教科書』

 

 

【超高齢社会論 14: 下流老人とはなにか】  

   【目次】 

  はじめに
  第1章 下流老人とは何か
  第2章 下流老人の現実
  第3章 誰もがなり得る下流老人―「普通」から「下流」への典型パターン
  第4章 「努力論」「自己責任論」があなたを殺す日
  第5章  制度疲労と無策が生む下流老人―個人に依存する政府
  第6章 自分でできる自己防衛策―どうすれば安らかな老後を迎えられるのか
  第7章 一億総老後崩壊を防ぐために
  おわりに   

  第6章 自分でできる自己防衛策―どうすれば安らかな
                    老後を迎えられるのか

    第6章では、自分自身に降りかかる下流老人の問題に対抗するための「自己防衛
 策」を紹介したい。とくに下流老人に陥ってしまった場合の一対策一と、そうなら
 ないための「予防」という2つの観点から見ていく。

  この「予防」と「対策」については、じつはすでにそれなりの制度があるが、あ
 まり知られていないのが実状だ。まずは利用できる制度の存在を知り、理解を深め
 ておくことが大切であ

  【知識の問題(対策編)」……生活保護を正しく知っておく

  生活保護制度の利用を妨げるものに、制度に対する「無理解」があることは、こ
 れまでも述べてきた。そもそも生活保護制度のしくみを正確に理解している人は少
 なく、その他の社会保障制度にいたっては存在自体知られていない,
  もっとも学校などで教えられることもないため、何だかよくわからないというの
 も無理はない。ただ制度をよく理解することが下流化を防ぐ第一歩であることに違
 いはなく、万一貧困に陥った(陥りそうになった)ときに適切な対処を行うには必
 須の知識と言える。

  そこでここでは、生活保護費を受給するまでの基本的な流れと受給要件について、
 一通り説明しておきたい。

 
福祉事務所とは?



  ●生活保護の手続きの流れ

  生活保護制度を利用したい場合、まず住んでいる地城の福祉事務所の生活保護担
 当に申請を行う(最寄りの福祉事務所については、厚生労働省のホームページにも
 住所が掲載されている)。

  福陸事務所では、担i者から生活保護制度についての説明があるとともに、保護
 の申請f続きを行う。ただし当たり前だが、申請したからといって、全国が保護を
 受けられるわけではない。

  保護を受けるには、おもに次のような調査が行われ、保護対象として認定される
 必要がある。

 ・対象者の生活状況などを把握するための実地調査(家庭訪問など)
 ・預貯金、保険、不動産などの資産調査
 ・扶養義務者による扶養の可否の調査(親族からの仕送りなどの可否)
 ・社会保障給付(年金など)や就労収入などの調査
 ・就労の可能性の調査(労働の可否)
  
  各調査内容(受給要件)については、後述する。調査の結果、保護が決定すると、
 厚生労働大臣が定める基準に基づく最低生活費から、年金や収入を差し引いた額が「
 保護費」として毎月支給される。原則として、保護費の受給期限はないが、収入調
 査やケースワーカーによる訪問調査で、保護の必要がなくなったと判断された時点
 で保護は停止または廃山される,なお申請に際して必要な書類はとくにないが、調
 査の過程で預金通帳や給与明細、年金手帳など収入や資産の実態を証明する資料が
 求められることがある,

  また、ありがちな勘違いとして「住民票がないと申請不可」というものがあるが、
 そんなことはない。決まった住所がない場合や路上生活をしていても、最寄りの福
 祉事務所で申請できる。

  ●保護費の支給額と内容

  次に実際に支給される保護費だが、これは年齢や世帯人数、住んでいる地域によ
 って異なる。これもあまり知られていないが、生活保護は世帯単位で行われるもの
 であり、世帯構成員が増えればそれだけ金額も増える。

  また、たとえば東京と沖縄では物価や家賃相場がかなり違うため、住んでいる地
 域によっても支給額の基準は異なる。たとえば都内23区に住む単身の無収入高齢
 者の場合、個人差はあるが概ね支給額は「生活扶助費」が約8万円、「住宅扶助費
 」が約5万円で、合計13万円程度となる。これがつまり、保護対象者が健康で文
 化的に暮らすための「最低生活費」となるわけだ。

  ただし、誰もが一律に最低生活費を満額もらえるわけではない。保護対象であっ
 ても就労収入や年金などの手当、親族からの援助がある場合、最低生活費からそれ
 ら収入の合計金額を引いた差額分が支給される。逆に言えば、労働賃金や年金、援
 助を受けていても、生活保護は利用できる、ということだ。ここもとくに勘違いさ
 れやすい点なので、よく覚えておいていただきたい。

  また、生活保護による扶助にもさまざまな種類がある。先ほど紹介した生活扶助
 や住宅扶助のほかに、必要な医療・介護サービスを受けるための「医療扶助」や「
 介護扶助」もある。これは本人負担なし、つまり保険料を払わなくても無料でそれ
 らのサービスを受けられる。

  ほかにも義務教育年齢の子どもがいる場合は「教育扶助」、妊娠している場合は「
 「出産扶助」なども受けられる。制度利用を考えている方は「自分の収入が最低生
 活費に達しているか、保護に該当するか」、一度調べてみてもいいだろう」


  ●保護の受給要件

  では実際に、生活保護を受けるには、どのような要件を満たす必要があるのだろ
 うか。
  厚生労働省では、保護の要件を「世帯単位で行い、世帯員全員が、その利用し得
 る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用する
 ことが前提でありまた、扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護に優先」する
 としている。

  このままではわかりにくいため、一つずつ紐解いていこう。

  まず前提条件として、保護を受けるためには、月々の収入が先ほど紹介した最低
 生活費を下回っていなければならない。最低生活費については、各地方自治体のホ
 ームページに掲載されている「生活保護基準額表」を参照されたい。
  次に「資産の活用」についてだが、資産とは削貯金のほか、眼や宝石、利用して
 いない不動産、貯蓄性の高い保険(債立型の保険)などを指す。これらを所有して
 いる場合、原則保護を受ける前に売却して生活費にあてることが求められる。

  ただし誤解されやすいが、生活に利用している土地や家屋などを手放す必要はな
 い,つまり、実際に住んでいる家や農業を生業としている方の農業用地などは売ら
 なくてもよいのだ。また、車についても、仕事で使っていたり、通勤・通院に必要
 不可欠と認められた場合は、所有が認められる。要するに処分価値よりも活用価値
 が高い資産は、原則として保有が認められてる。

  続いて「能力の活用」だが、この能力とは「働くことができる状態かどうか」を
 指す,そのため心身が健康で、十分働けるとみなされた場合は保護を受けられない
 が、先述のとおり、働く場所がなかったりその機会に恵まれなかったり、働いてい
 ても病気や障害、そのほかやむを得ない事情で収入が最低生活費に満たない場合は
 保護費の受給も可能だ。
 「あらゆるものの活用一も同様で、年金やその他手当がある場合、それらを先に活
 用する必要があるが、これらも最低生活費に満たない分を保護費として受給できる。
 
  最後に「扶養義務者の扶養」だが、これは親族などからの援助を指す。これにつ
 いては調査の段階で、親族への扶養照会(対象者の生活を援助できるかどうかの問
 い合わせ)が行われ、扶養不可と判断された場合、保護を受けられる。また、親族
 が経済的に扶養不可でなくても、ドメスティック・バイオレンスを受け緊急避難を
 している、のような特別な事情で扶養が見込めない場合も、要件に該当することと
 なる。

  以上が、生活保護制度の大枠になるが、受給内容や要件については、各附帯の事
 情によって差があるため、より詳しく知りたい場へ目は、最寄りの福祉事務所、も
 しくはNPO団体に相談してみてほしい。

                          藤田 孝典 著『下流老人』


ここは、ハウツウ(How- to)あるいは著者のパーソナル・ノウハウ(Know-how)が記
載されているので注釈のみ。次回もこの第6章の"自己防衛策"。

                                    この項つづく

 【 再時代は太陽道を渡る Ⅹ: 最新太陽電池技術 】

  特開2015-153892

● 量子井戸太陽電池の事例

量子井戸(QW)は高度な光学と電子デバイスのキーポイントとなる構造とされ、太陽
電池の、QWはホスト材料のバンドギャップよりも低いエネルギーのフォトンも吸収で
きるので、QWの導入で太陽電池の効率改善が期待されている。QWや使用する材料で
はなくその厚さと障壁高の調節で、吸収フォトンのエネルギーが制御でき、GaAs/
AlGaAs QW太陽電池は、太陽光スペクトルの適合性の良さと、歪のない系の層
構造設計の自由度の大きさから盛んに研究開発されきた。

ところが、GaAs/AlGaAs QWが、直接遷移半導体のため、吸収係数が大き
く、電子とホールが同一層に閉じ込めたタイプI型QW太陽電池は、キャリア再結合が
大きいという好ましくない現象を起こし、再結合キャリアを外部に取り出せないため、
太陽電池性能が低下してしまう。国立研究開発法人物質・材料研究機構から、QW中の
キャリアが容易に外部に取り出される構造を提供することで、フォトンにより生成され
たキャリアの再結合損出を防止し、変換効率の改善方法が提案されている(上図クリッ
ク)。

【要約】

障壁層と量子井戸層を積層構造に設けた量子井戸太陽電池で、kBをボルツマン定数、
絶対温度をTとしたとき、量子井戸層の半導体の伝導帯の基底状態のエネルギー準位と
障壁層の半導体の伝導帯下端のエネルギー準位の差が±3kBT以内とすることで、光
照射により、量子井戸内に生成されたキャリアが、迅速に量子井戸外部に取り出され、
再結合が抑制さる。また、量子井戸に直接遷移半導体を障壁層に使用することで、光吸
収率を改善し再結合ロスをなくすことで変換効率を改善する。

尚、この新規考案の実施例は上図資料を参照のこと。

 

● シリコン系量産太陽電池製造方法の改善事例 

  特開2015-159272

従来、結晶系シリコン基板を用いた結晶系シリコン太陽電池は、(1)拡散による不純
物半導体層を基板受光面側に形成した最も一般的な拡散型の太陽電池、(2)アモルフ
ァスシリコンなどの半導体薄膜で、不純物半導体層が形成されたヘテロ接合型の太陽電
池、(3)基板と同じ導電型と基板と異なる導電型の不純物半導体層が基板の裏面側に
くし型に配置された裏面接合型の太陽電池があり、いずれも量産レベルで製造されてい
る(上図クリック)。

(1)のタイプは、例えば200μm程度のp型結晶シリコン基板を用い、光吸収率を
高める表面テクスチャー、n型拡散層、反射防止膜とペーストの表面電極が基盤受光面
側に逐次形成し、ペーストによる裏面電極がスクリーン印刷で基板非受光面側に形成し
後、800℃程度で高温焼成し拡散型製造されている。この焼成工程で、表面電極と裏
面電極のペーストの溶媒揮発し、基板受光面側の櫛型電極が反射防止膜を突き破り、n
型拡散層に接続し、また、非受光面側では電極部の材料が基板拡散し裏面電界層を形成
するが、この構造は、不純物ドープ層を薄膜形成し不純物ドープ層の濃度分布が自由設
定でき、また不純物ドープ層の薄膜中でのキャリア再結合や光吸収が抑制できる。

(2)のタイプは、結晶シリコン基板と不純物ドープシリコン層との間に挿入した真性
半導体層は、結晶シリコン基板と不純物ドープシリコン層との接合間の不純物拡散を抑
制し、急峻な不純物プロファイル特性を接合形成できるので、良好な接合界面形成によ
り高い開放電圧を得られる。さらに、真性半導体層、不純物ドープ層は200℃程度の
低温形成でき、基板厚が薄い場合に問題となる熱ストレスや、基板の反りを低減でき、
熱劣化しやすい結晶シリコン基板の品質低下が抑制きる。この方式の太陽電池の集電極
は、一般に、スクリーン印刷法で銀ペーストをパターン印刷し形成、集電極は太陽電池
の発電効率を高めるため、遮光損が少なく、配線抵抗が低いことが求められる。

ところが、スクリーン印刷を用いた電極形成方法では、電極を細線化した際の印刷版か
らの(1)金属ペースト吐出不良による断線や、(2)金属ペーストの溶剤や樹脂配合
による導電率の低さが問題となり、遮光ロスが高く、導電率の高い電極が得られず、フ
ィルファクタが低いという問題残る。(3)また、写真製版技術とめっき法を用いた方
法では、電極形状が矩形で、電極上部の入射光の変換効率が低く、高い短絡電流を得ら
れない。さらに遮光ロス減らず細線化には、高アスペクト比のレジストパターンを必要
とし、写真製版技術の難易度が格段高まる。

【要約】

図1のように、pn接合の太陽電池セルと、太陽電池セルの受光面に、一定の間隔で一
方向に伸張し設け、光電変換した電荷を集電する複数のグリッド電極7を備えた受光面
側電極と、太陽電池セルの受光面Aに対向する裏面Bに設けた裏面電極8とを備え、グ
リッド電極7が、太陽電池セルの受光面Aに当接する第1シード面6Aと、この面から
起立し接続された第2シード面6Bと、第1と第2シード面6A,6Bに当接するめっ
き層とで構成することで、遮光ロスの少ない、低抵抗な電極の太陽電池を提供するもの
である。

もっとも、比較データなどは開示されていないので寄与度は推測の域をでないが、大変
面白い提案である。

  ● 今夜の1つのビックデータ

愛知県内で発生した過去10年間(平成17年から平成26年)において発生した死亡事故
を各星座ごとに飲酒・高速道路・自転車・歩行者別の発生状況・月・時間ごとの発生状
況を分析し、注意喚起として広報していることが話題となっているが、カナダでもかっ
て公表されていたりするが、その効果についての追跡データはない。^^;


本当に魚座は交通事故を起こしやすいか?



● 埋まることなき日韓の歴史的わだかまり

中国を訪問中の韓国の朴槿恵大統領は4日午前、上海市内で開かれた「大韓民国臨時政
府」庁の改装記念式典に出席したというが、4日の朴槿恵大統領の支持率が1~3日の
調査で前週から5ポイント上昇し、54%となり、昨年4月の旅客船セウォル号沈没事
故以降初めてと報じられた。先月31日には産経新聞の韓国外交を批判(野口裕之の軍
事情勢、『米中二股 韓国が断ち切れぬ「民族の悪い遺産」』)に憂慮を表明。記事の
削除も要望している。

記事の内容は、「征韓論遺制」とわたし(たち)が批判していたもので"保守反動"の好
戦論調。これでは蟠りはおさまらない。それではどうするのか? しかたがないので、
”月九”は当面見ないようにしよう? そんなわけないか ^^;。ところで、野口裕之なる
ものは、ネット上では、"××な軍事オタク"という記事もあるが?


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