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ゾンビなトライアングル

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    匠人の削りて能わざるも、その縄を排するなきがごとし。 /   墨子



      ※ ここでの「縄」とは「墨縄」のこと、「原則」の暗喩。

 

 

【時代は太陽道を渡る 19】

● 界面依存なペロブスカイト太陽電池

瀬川浩司東京大学教授らの研究グループは、ペロブスカイト太陽電池のヒステリシスが生じる原因が
「酸化チタン/ペロブスカイト」界面における格子のミスマッチが主因であると結論た。前回につづ
き今回はそれを裏付ける「等価回路」を提案し、界面接合の不完全接触により誘起されるキャパシタ
(電気容量)成分が IーV曲線の分裂を計算機上で再現し検証。
このことから、(1)メチルアンモニウムイオンのダイポールモーメント(双極子モーメント)が原
因説や(2) ペロブスカイトの誘電性説、(3)イオンのマイグレーションなど諸説あるが、こうし
た材料そのものの性質には起因せず、単に層間の接合の善し悪し(デバイスの出来不出来)がヒステ
リシスの多寡に影響を与えることを意味する。

有機金属ハロゲン化物ペロブスカイトに基づく効率的なハイブリッド型太陽電池はI-Vヒステリシ
スの起源が大きな問題となり議論されている。今回、異なる等価回路モデルの模擬I-V曲線は、逆
スキャン(開放回路→短絡回路)と順スキャン(短絡回路→開放回路)で18.0%と8.8%の変換
効率のペロブスカイト太陽電池平面のIV曲線で、二重ダイオード、コンデンサ、シャント(回路の
電流を検出する)抵抗器シリーズと単一直列抵抗器シリーズとで構成する等価回路モデルを使い模擬
IV曲線を生成させ、大きなヒステリシスを実験観察し検証する。このように、酸化チタン/CH3NH3
PbI3 とCH3NH3PbI3 /spiro-OMeTAD 界面での格子不整合欠陥により生成した電気容量がペロブスカイ
ト太陽電池のヒステリシス(塑性変形)の起源とする。

そこで、環境管理が徹底できれば、日本発の太陽核融合エネルギー変換デバイス(=太陽電池)の爆
発的普及が想定され、これは面白くなりそうだ。




※ シャント抵抗器とは(下図)



※ Determination of Chloride Content in Planar CH3NH3PbI3-xClx Solar Cells by Chemical Analysis 15.05.21
     http://doi.org/10.1246/cl.150385

 

 

※  ペロブスカイト太陽電池とは

『ペロブスカイト太陽電池』と称する特殊な結晶構造を持つもので、現在主流のシリコン系に比べ、
格段に安く太陽電池を作れる。炭素などの有機物、鉛などの金属、ヨウ化物や塩化物といったハロゲ
ン化物で構成する“有機無機ハイブリッド型”簡単に製作でき、高い発電効率が得られることで注目
される。シリコン系に必要な高温加熱や高真空プロセスが要らず、基板の上で多孔質の酸化チタンに
溶液を塗布して乾かすだけで作製できる。1平方メートル当たり150円程度の原材料を塗るだけで
発電できる特徴がある。そもそも『ペロブスカイト太陽電池』は09年に桐蔭横浜大学 宮坂力教授ら
のチームがペロブスカイト結晶の薄膜を発電部に使用、太陽電池として動作することを突き止る。当
初は発電効率が低く注目されなかったが、12年に米科学誌『サイエンス』の“10.9%”の発電効
率を実現したニュースことで注目を浴びる。 

その後、世界各国から高効率化したとの成果が次々と発表され、14年にシリコン系と比べてもヒケ
を取らない約20%の変換効率を達成。物質・材料研究機構(NIMS)の開発チームがペ、ロブスカイ
ト太陽電池の製造プロセスで製品バラつき原因の水分や酸素を排除することで、理想的な半導体特性
を実現。また東京大学の瀬川浩司教授は壁や人が発する赤外光を吸収して発電する“色素増感型”太
陽電池を『ペロブスカイト太陽電池』と組合わせることで、シリコン系を超える発電効率の高い太陽
電池の開発に成功。『ペロブスカイト太陽電池』は今や世界中が注目、日本発の画期的な発明(もう
1つノーベル賞候補)だけに国家レベルで実用化を後押しすべきであろう。




● ナスの受粉作業が省ける遺伝子の発見

農研機構とタキイ種苗株式会社が共同で、ナス、トマト、ピーマン等のナス科野菜に単為結果性 (受
粉させなくても果実が着果・肥大する性質) をもたらす新しい遺伝子を発見し、国際特許出願 (出願
番号PCT/JP2015/ 051239) 。タキイ種苗株式会社が育成いた単為結果性のナス系統「PCSS」を調査、
この系統にはひとつの遺伝子に突然変異があること、果実の成長に必要な植物ホルモンであるオーキ
シンがこの変異で増えること――単為結果性の原因であることを明らかにする。この成果で、同株式
会社は「PCSS」の強い単為結果性を持つと同時に収量性や果実品質にも優れたナスの実用品種を育成
中で近く発表するとのこと。さらに、トマトやピーマンにも同じ働きを持つ類似の遺伝子があり、ナ
スと同様に単為結果性品種の開発に利用できることも明らかにする。他のナス科野菜での単為結果性
品種の開発にもつながり、国内生産現場における生産性向上や栽培の省力化に大きく貢献できるとみ
られている。

 WO/2015/108185

※ コドン:遺伝暗号の単位

一般に、ナスの通常型遺伝子Pad-1と比べて、PCSS系統の変異型遺伝子pad-1ではタンパク質のコー
ド領域のうち後半部分から最終末端(終止コドン)までが完全に失われる。このような大規模な欠失
が起き、変異型のpad-1から作られる遺伝子産物(タンパク質)は正常な機能をほぽ完全に失ってい
ると考えられている。なるほどと思うかたわらで、大きな欠失にもかかわらず、何故、茄子の形がた
もっているのか素人には不思議でたまらない。が、先をすすめよう。

 

上図では、開花時の子房ではPCSSの内生オーキシン(LAA)含量は通常型(一般のナス)の約3倍の
高い値を示し、これが単為結果が誘導される原因と考える。茎頂(茎の先端)では IAAの内生量には
大きな違いがないため、pad-1に生じた変異のオーキシン含量への影響は子房に限定的と考える。

また、上図の、トマト、ピーマンにおけるPad-1 直系遺伝子の機能概説によると、トマトでは遺伝子
組換え、ピーマンでは人為突然変異により、Pad-1 直系遺伝子の働きを抑制し、果実肥大の有無を調
べると、一般のトマト(a)とピーマン(d)では、未受粉条件で果実の肥大が全く認められず、一方、遺
伝子を抑制した個体では、未受粉でも果実の明瞭な肥大が認めらる(トマト;b,c、ピーマン;e)。
受粉なしで、果実内部には完全な種子なしとなっている。

このように、低温期におけるナスの促成栽培では、果実の確実な着生と肥大を促すため、マルハナバ
チ類等を用いる受粉促進や着果促進剤の施用が広く行われているが、マルハナバチ類の利用する場合、
(1)一定の導入経費を必要とする。(2)また、マルハナバチ類のうち、外来種は利用に法令上の
制限があることなどの問題点がある。(3)さらに、着果促進剤の施用は全労働時間の約330%を
要する重労働であり、その軽減策が求められている。

このような背景のもと、着果促進対策を必要としない単為結果性をもつ品種の開発には大きな期待が
寄せられてきた。これまでにナスのDNAマーカー連鎖地図の構築など、分子遺伝学の手法を用い品種
改良技術の高度化に取り組んむ。一方、タキイでは強い単為結果性を示すナス系統「PCSS」が育成さ
れ、11年より共同で「PCSS」のもつ単為結果性遺伝子の単離とその作用機作の解明による新しい育
種技術の開発に着手してきた。今回下記の4つの成果をえる。

1)ナス系統「PCSS」の単為結果性は第3染色体上にある変異型遺伝子pad-1(仮称)によりもたら
 されること、この遺伝子は通常型の遺伝子pad-1が自然突然変異により機能を失ったものであるこ
 とが明らかにされた。
2)「PCSS」の開花時の子房5)では、普通のナスに比べてオーキシン(IAA)の含量が約3倍から5
 倍程度高いことが明らかになる。オーキシンはナスやトマトの着果促進剤として広く用いられてい
 ることから、子房のIAA濃度が高いことが「PCSS」の単為結果性の原因であると推定される。
3)通常型のPad-1遺伝子は子房のIAA含量を低く保つ働きをもつ酵素をコードしていることがわかり
 変異型のpad-1持つ遺伝子を持つ「PCSS」ではその機能が失われれ、子房のIAA含量が上昇してい
 ると考えられる。
4)トマトおよびピーマンにおいてPad-1の直系遺伝子(オルソログ)の働きを妨げると、ナスと同様
 に、IAA含量が向上するとともに単為結果性が確認された。このことから、Pad-1の機能が抑制する
 ことで、単為結果性となる現象は、ナス、トマト、ピーマンに共通であることがわかった。

以上だが、ナス、トマト、ピーマンは大量に広範に消費されている現状から、"この差" の影響は大き
いと思われる。

 

 

 ● 今夜の一曲

 

米国防当局者は米国時間26日、米海軍のミサイル駆逐艦「ラッセン」が、南シナ海で中国が造成し
た人工島から12カイリ(約22キロ)の境界に接近しており、12カイリ内に数時間とどまる見通
しだと明らかにした。米国防当局者はロイターに対し、「オペレーションが始まった。数時間以内に
完了するだろう」と述べた。

太平洋戦争前、執拗に米国は日本の「侵略」を咎め、ABCD包囲網を敷いた。いままさに、CをJ
に置き換え包囲網を敷く。軍と軍が向かい合えば、"鳥の羽音"での開戦もありうる。いままさに、
「パリは燃えている」と誰かが電話をかけているかもしれない。

 

  ハロウイン

【ゾンビなトライアングル】

● ハロウィン-ゾンビ-放射能汚染(突然変異)

日本でハロウィンのイベントを楽しむようになり、ゾンビっぽい仮装が目立つ昨今。米国人は何でもゾンビ化さ
せるのかと不思議に思う。そもそも、ハロウィンまたはハロウィーン(Halloween)とは、毎年10月31日の夜
におこなわれる西洋の年中行事で、古代ケルト人のドルイド教――その司祭をドルイド(Druide)といい、
占いを行い、生活面でも指導者である。霊魂の不滅を信じ、主神を中心にし系統づけられた動植物や
天空の自然神を崇拝宗教。ドルトイは、宗教者にとどまらず、政治指導したり、争い事の調停を行う、
ケルト社会の重要面で役割を果たす司祭――が起源とされている収穫祭のこと。

万聖節(諸聖人の日:11月1日)の前夜祭にあたり「諸聖人の日(All Hallows)」の「前夜(eve)」である「Hallows
eve」訛り「Halloween」 となった。もともとは秋の収穫を祝い、悪霊――人間は霊魂と肉体との結合より
なとみなし、霊魂は肉体が滅びたあとも永遠に存在し、未来の生活をもつという説で不死説の一種。
神話的、原始的霊魂観として一般的で、祖先崇拝、輪廻転生説などに発展。宗教の源泉とみなされて
いて、その霊魂こと霊の仲の悪しき霊を――追い払う宗教的な意味合いの行事。現代ではで米国で民
俗行事として定着。米国などでは宗教的な意味合いが薄れ、カボチャをくりぬき、中にロウソクを立
てた「ジャック オー ランタン(Jack-o’-lantern)」を飾り、幽霊や魔女に仮装した子供たちが、近
所の家を訪問してお菓子をもらう風習が定着する。ハロウィンの言葉で有名なのは、「トリックオア
トリート(Tric or Treat)」。このトリックオアトリートは、ハロウィンで仮装した子供たちが、近所
の家を訪問してお菓子をもらう時に使う決まり文句(「お菓子をくれないと悪戯するぞ」との意)な
ので、言われた方は「Happy Halloween!」と答えて、お菓子をあげるのが習わし。そのときの子供の
行動規範は、①団体行動する(一人は絶対ダメ)、②知らない家は訪問しない、③蛍光色など目立つ
色のものを身に着ける、④ランタンや懐中電灯を持参する、⑤もらったお菓子は保護者がチェックし
てから食べる。⑥銃を持ち歩かない(発砲しない)――いや、⑥は冗談です。



それじゃ、仮装のテーマがゾンビ(英語: Zombie)――何らかの力で死体のまま蘇った人間の総称で
ホラーやファンタジー作品などによく登場し、「腐った死体が歩き回る」という描写が多い――にな
った起源は何だろう?ネット上で検索してもよくわからない。お化けを好むのは洋の東西問わずあり
がちなことだが、どうも、ホラー映画やカプコンのゲーム・シリーズの影響と思うが、欧米や日本の
ホラー映画の「サバイバルホラー」が起源かもしれない。この言葉は96年に発売された『バイオハ
ザード』――バイオハザード (biohazard)とは、 生物災害。病原体や細菌の実験や研究などで人体・
自然の生態系に生じる危険のことで、いまだに解明されていない病気(釘宮病他)や抑えきれない衝
動の解放(変態など)によって引き起こされる未曽有の災害―――のことだが、それ以前のゲームの
『アローン・イン・ザ・ダーク』はこのジャンルの先駆け。この言葉は『バイオハザード』以前に発
売された同種のゲームにもよく現れている。 

ゾンビといえば、このところ、日本では原発の再稼働やその審査許可が続き、フェード・アウトどこ
ろか、死者が黄泉がえっているから皮肉な話で、内部被爆の実態もわからないのに、無謀にも動かす
という反社会的行為を公権力が行うのだから「最高の道徳」も地に落ちたもの。それほどミュータン
トの仮装を楽しみたいというなら、"美し国”の他でやってくれないかなとハロウィンを前にして思
ったりする。

黄昏のワルツ

 


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