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時代は太陽道を渡る 20

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       いま善を求むる者寡なし、強めて人に説かざれば、人これを知るなし  /    墨子

  公孟 -儒者との対話-

● 沈黙は美徳か

 「万事ひかえ目にして、問われなければ沈黙をまもり、問われたときにはじめてこたえる人物、これ
 が君子です。君子はちょうど鍾のようなものです。たたけば鳴り、たたかなければ鳴らない」
  墨子がこたえた。
 「それについては、三つの場合を考える必要がある。あなたがいうのは、そのひとつの場合にすぎな
 い。しかも、あなたはその意味さえわかっていない。
  暴虐非道な政治が行なわれている場合には、君主を諌めたところで、不遜な者とみなされてしまう。
 たとい側近をつうじて諌めたところで、優越な者とみなされるのがおちである。君子はどうしてよい
 かわからなくなるから、沈黙を守る。たたかれなければ鳴らないというのは、こういう止かを得ない
 場合なのだ。

  しかし、君主の失政により、国が戦争や内乱の危機に直面した場合には、君子はすすんで諌言する
 必要がある。その諌言が君主に利益をもたらすことがわかれば、君子は必ずきき入れるだろう。した
 がって、こういうさいには、君子は、たたかれなくとも鳴る必要がある。
  また、君主が義に反した計画を採用して戦争をはじめる場合もある。どんなに巧妙な作戦計画を立
 てたところで、この戦争の目的は、罪のない他国の領土を侵略し、物資や財産を奪うことにほかなら
 ない。こんな戦争をはじめれば、君主は天下の笑い者となる。不義の戦争は、攻める側にも攻められ
 る側にも、利益をもたらさない。この場合にも、君子はたたかれなくとも鳴る必要がある。

  それに、あなたは先ほど、君子を鍾にたとえて、たたけば鳴り、たたかなければ鳴らないのが君子
 のとるべき態度だといった。しかし、あなた自身はどうか。わたしがたずねもしないのに、話を持ち
 出したではないか。つまり、たたかれないのに鳴ったのだから、あなたの論法にしたがえば、あなた
 は君子ではない」

※ 公孟子

 孔子門下七十子のひとりであるといわれているが、明らかではない。墨子が孔子の直弟子である子夏
 の弟子だちとかなりの交渉があったことからみて、あるいは、子夏の弟子かも知れない。いずれにせ
 よ、最も墨子と交渉の深かった儒者であることは確かである。

 美徳の功罪 「問わなければ沈黙をまもり、問われたときにはじめてこたえる」という態度は、君子
 の美徳として、儒家が積極的に主張した態度である。だが、墨子は、君子にとってあえて発言しなけ
 ればならない場合があることを強調する。万事、控え目な態度がよしとされる社会が、どんなに沈滞
 した空気を醸し出すか、われわれ現代人にとっても、思い当るふしがあるのでなはいか。また、この
 一節は、教条を鵜呑みにする画一主義にたいする批判でもある。

 

 

 


【時代は太陽道を渡る 20】

 ● メタル・ラップ・スルー裏面接続太陽電池(MWT)で世界一の変換効率達成

長州産業株式会社は、ECN――The Energy Research Centre of Netherlands(オランダ・エネルギー研究所
――と共同してシリコン・ヘテロ接合太陽電池セル技術をメタル・ラップ・スルー型のバックコンタク
ト太陽電池構造に応用する実験を実施。同社はヘテロ接合太陽電池に関して世界でもトップレベルの技
術力を保有する。この共同実験の結果、これまで同型太陽電池での世界最高記録の20.3%の変換効率
を更新し、21.5%の効率を確認。また、ヘテロ接合太陽電池は、三洋電機(現パナソニック)により
発明された技術。この技術は(1)高効率で、(2)夏季の高温時にも性能低下が少ないことなどの理
由から次世代太陽電池として非常に高い注目が寄せられている。

MWT太陽電池は、通常の太陽電池構造(業界ではH型パターンと呼ばれている)と比較し、多くのメ
リットを持ち、例えば、(1)集電配線によって生じる影が少なく高い電流が得られ、(2)寒暖によ
る気温の上下動に対し耐久力を持ち、(3)基板の薄型化が容易になり、(4)低コスト高性能が得ら
れる。また、H型パターンを持つSヘテロ接合太陽電池の製造工程に対し、比較的簡単な変更を加えるこ
とでMWT-SHJ型J太陽電池が量産できる。同社とECN研究所の技術融合により、国内の住宅屋根
用太陽電池次世代技術として高性能でコストパフォーマンスは、競合他社との差別化を実現しうるもの
と期待されている。


※ 長州産業の関連特許事例

太陽電池モジュールでは、限られた設置面積で効率よく太陽光を電力に変換する高い発電効率(光電変
換効率)が求められている。このため、シリコン系の太陽電池素子では、ヘテロ接合を有する太陽電池
素子が注目されている。ヘテロ接合を有する太陽電池素子では、例えばn型結晶シリコン基板とp型ま
たはn型非晶質系シリコン系薄膜層との間に、真性非晶質系シリコン系薄膜層を積層し、真性非晶質系
シリコン系薄膜層によりキャリアの再結合を抑制し、太陽電池素子における高い開放電圧を実現してい
る。

また、太陽電池素子の発電効率は、短絡電流(Isc)、開放電圧(Voc)及び曲線因子(FF)の
積で算出される。ヘテロ接合を有する太陽電池素子の開放電圧及び曲線因子は、非晶質系シリコン系薄
膜層を厚くすると増大する傾向にある。一方、非晶質系シリコン系薄膜層を厚くすると、この非晶質系
シリコン系薄膜層による太陽光の吸収量(遮断量)が増加し、外部量子効率の低下、短絡電流の低下が
生じる。このため、ヘテロ接合を有する太陽電池素子では、短絡電流を大きく低下させないために、非
晶質系シリコン系薄膜層の厚さに制約が生じ、高い開放電圧の実現と高い短絡電流との実現を両立させ
ることができないという本質的な問題が存在している。

 
そこで、上図1のように、表面側が光入射面となるヘテロ接合を有する太陽電池素子14及び太陽電池
素子14を封止する封止材13を備える太陽電池モジュール10において、太陽電池素子14の開放電
圧が720mV以上であり、封止材13は、太陽電池素子14の表面側に配設される波長変換層27を
有し、波長変換層27は、励起光スペクトルのピーク波長が380nm以上450nm以下、蛍光スペ
クトルのピーク波長が480nm以上である波長変換剤26を含むことで、高い開放電圧と高い短絡電
流を両立させて出力特性の向上を図ったヘテロ接合を有する太陽電池素子を用いた太陽電池モジュール
の提案がなされている(詳細は、上図クリック)。

尚、図7は、膜厚測定方法を示す模式図である。また、図3は、実施例1の太陽電池モジュールと太陽
電池素子のIsc、Voc、FF及びEffを示すグラフ。さらに、図4は、製造例で得た各太陽電池
素子の波長と外部量子効率との関係の表面側非晶質系シリコン系薄膜層依存性を示すグラフである。

 Mohammed bin Rashid Al Maktoum Solar Park

● ドバイで世界最大3ギガワット太陽光発電所入札実施へ

アラブ首長国連邦の大手電力事業者であるドバイ電気・水道局(Dubai Electricity and Water Authority:D
EWA)は10月21日、同社が開発するメガソーラー(大規模太陽光発電所)に関し、95件の入札意
思表明を受けたと発表。15年9月8日~29日に募集していた。ドバイ電気・水道局は現在、提案依
頼書を作成中とし、入札意思を表明した企業に対し、11月に見積もりを依頼し、年内に入札を実施す
る予定。ドバイ電気・水道局が開発しているのは、「Mohammed bin Rashid Al Maktoum Solar Park」。ド
バイ南部にあるSeih Al Dahalに立地する。Mohammed bin Rashid Al Maktoum Solar Parkは、30年までに
合計出力3千メガワット(3ギガワット)の太陽光発電システムを導入する計画。

 Seih Al Dahal

1カ所に建設するプロジェクトとしては、世界最大規模。世界最安となる5.4米セント(6.5円)/キ
ロワット時の発電コストの実現を目標に掲げ。17年4月までに稼働させる第2期分の出力を、当初の
予定から2百メガワットに拡大。第3期も、当初の予定を拡大し8百メガワットとする。なお、メガソ
ーラーだけでなく、技術開発拠点なども整備。この拠点では現在、大手太陽光パネルメーカー各社の2
5品種のパネルを設置するなど、アラビア湾(ペルシャ湾)沿いの気候に最適な製品や技術を検証する。
それにしてもスケールが大きい。細かい心配事はあるが、原油の値段は、太陽光発電(再生可能エネル
ギー)の普及で下落安定が確定。『デジタル革命』は太陽道(サン・ロード)を亘である。


 

● 燃料電池“自転車”が登場

空気を取り込んでペダルをアシスト

燃料電池や水素インフラなどの開発を積極的に推進するドイツの化学工業メーカーLinde Group(リンデ
グループ)は、新たな持続可能なモビリティとして、燃料電池を採用した電動アシスト自転車「Linde H2
bike」を開発し話題を呼んでいる。新開発した電動アシスト自転車には、通常の電池に代わり、燃料電池
を搭載。搭載した燃料電池は周囲の空気から得た酸素とシリンダー内の水素によって発電。シリンダー
内の34グラムの水素で百キロメートル以上でのぺダリングをサポートすることが可能で、特別に開発
した水素補給システムでは、6分以内でシリンダーに水素を補充できる。

    

今回の燃料電池自転車は限定的なプロトタイプとして開発されたものだが、この水素自転車の開発に、
最初のアイデアからプロトタイプを製作するまでわずか3カ月で実現。燃料電池車同様に、燃料電池自
転車は長距離での走行が可能である点と、短い時間での補給ができるという利点を持つ。さらに、充放
電サイクルなどにより電池交換する必要がばいメリットがあり、電池搭載の電動アシスト自転車よりも
優れているのが特徴。欧州では自転車が人気だが、日本でも普及する可能性が大きいと考えられる。こ
れは面白い。

 

※ 燃料電池式電動アシスト自転車特許事例:松下電器産業


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