人間、年とるにつれて、万事がまったく同じになってゆくことを発見する。
違うのはかふっている帽子だけである。
英国の劇作家ノエル・カワード/『個人生活』
As one gets older, one discovers everysing's going to be exactly the same ――with
different hats on.
Noel Coward
※ getolder「だんだん年をとってゆく」(「老人になる」とは同じでない)
exactly は the same にかかり「まったく同じ」の意。
with different hats on「ただ、ちがった帽子をかふって」
● 日中食品汚染 21 中国の食品汚染地図
【目次】
第1章 見えない食品の恐怖
第2章 中国の食品汚染
第3章 食品汚染のヒトへの影響
第4章 なぜ汚染連鎖が絶ちきれないのか
第5章 重金属汚染という新たな難題
第6章 日本の食品は安全といえるか
水の利権構造
李はトウモロコシ畑の穴ん中に掘った件.ロに、電動ホン,フを設置して水をくみトげ
る いつも水をかけ流しにしておくわけではなく、必要なとき.電気のスイッチを入れ
るのたという,
「吸い上げた水を駄幹用水路に流すと、この水を貿う農家の畑に流れていく」
この商売はどれくらい利益が上がるのかと水の売値を聞くと「Iキロリットル2元(約
35円)」という答えが返ってきた。井戸水をIキロリットル水路に流すとその値段は2
元、という意味である。北京の上水道並みに高い値段だ。
「畑は年中、水が必要なわけではない。収穫期が迫り、トウモロコシが水を必要としなく
なった時は、野菜畑やリンゴ畑に流す」
水の売り上げが減る時期は、農業資材を売る商売に精を出す。水売り商売の方は1日5
00元、これを年間100目売るだけで、井戸を掘ったコストは簡単に回収できたという。
電気代や水利組合幹部への「心付け」を払っても、かなりうまみのある商売だ。
李のような水売り商売をする者は何人くらいいるか、と聞くと、
「この辺りで俺をいれて5、6人かな。昔、河から水を取っていたころ、水利権は奪い合
いだった。それを調整していたのが水利組ハロだ。今その役目をしているのが俺さ」
水の分配をするには強い権力か村の組織が必要だったが、代わりにその権力を握ったのが李だ。
水の不足が村の権力構造にも影響を与えている事例だ。
一方で塩害は徐々に農地を傷めつけていく。トウモロコシや野菜の収量は確実に落ちて
いく。それを補おうと、農民は化学肥料や農家肥を大量にまき、さらに農薬をまく。なぜ
か? 水不足は汚れた村の水を使う農民を増やし、汚れた土壌にわく害虫を殺す殺虫剤の
量が増えるのだ。しかも、李はいう。
「この地方では深耕(植物の根が深く広く張るように、土壌を深く耕すこと)はしない。
土壌を浅くしか耕さないからますます土壌は空気を失い、悪化の一途だ」
しかし、浅耕はこの地方だけのことではなく、中国全土に広がる問題なのだ。
深刻な黄河の汚染
水の汚染は、李の家の近くを流れる黄河の汚染にも現れている。
表8は省都西安巾から北東へ約100キロメートル離れた涸南市の黄河の汚染状態を示
すものである。化学的酸素消費量とアンモニア性窒素は低いほどよい。前者は水の汚染を
測るための指標のひとつで低下する傾向もみられるが、近年は7~6の間にあり、コイや
フナが生息するためにはかなり厳しい環境とされる。後者は人糞や化学 肥料による汚染
状況を測るための指標で、改善する動きもあるが変動幅は大きくまだ低位安定とはいいに
くい。
こうしたことを勘案して決められる水質の総合的判断は、長期間にわたり「劣V」
という最悪のランクになっている。中国で水質ランクは1~劣Vまであり、Iがもっ
ともきれいな河川である。I(水源区)やH(主に生活用水)ランクの水質を持つ河
川や湖沼は非常に少ない。
あらためて中国全土の水問題の現状をみるとその深刻さが実感できる。中国政府に
よると全土の水質は悪化がやまず、汚染の進んだⅣ類(主に工業用水、直接人体に触
れない娯楽用水区)から劣V類(汚染が激しい水区)まで、つまり悪い水質の河川が
全体の36%にも達している。
また全国の主要な湖471のうちⅣ類から劣V類の占める割合は19%、富栄養化が
進んだ湖が28%というから相当なものだ。汚染の中身はリン、窒素、酸化の強い過
マンガン酸塩、化学的酸素消費量などの数値が高い場合が多い。地下水については汚
染で飲めない水が全体の77%に達し、特に汚染がひどいのは黒竜江省、江蘇省、吉林
省、遼寧省、広東省、寧夏回族自治区などの地下水だ。
水量の減少にも注目する必要がある。この点はとくに北部において深刻で、201
1年の1年間に、地下水だけで23億な方メートル減少した。この量は「湯水のように
」水を浪費する日本の都市が年間に使う水の量が271億立方メートル(2013年
3月)なので、その8・5%にも当たる,中国の国上総面積は日本の26倍だから当の
中国自身にとってはあまり実感できないかもしれないが、量的にはけっして無視でき
るものではない,中国で水汚染が生まれる背景はさまざまだ。解決の決め手はないが、
有望な対策としてまず考えられることは水所有権を自由化することだ。中国水法は水
を国有化しているため質と価格を分断してしまっている。
水の需給を市場原理に任せるようにすれば、質と価格に運動性が生まれ、きれいに
院う者により需要が集まるようになり、経済的利益の獲得機会を増大させることがで
きる,
現在は、水を汚す者にもきれいに使う者に対しても価格は同一だから、きれいに使
おうとする動機が生まれにくい。価格が多少高くともきれいな水を使う者に需要が集
まるようになれば、汚してきた者もきれいにして高く売るようになり、自らもきれい
な承を使うようになる。
水には、「物一価」ではなく市場原理が機能する「一物二価、一仏三価」の体系が
必要だ。
第5章 重金属汚染という新たな難題
土壌汚染は表面化しにくい
土壌汚染の中でも、重金属汚染は農産物や加工食品にまで甚大な影響を及ぼす食品
汚染の元凶のひとつだ。この章では、重金属汚染を集中的に取り上げたい。
2013年の夏、わたしは中国の農地の重金属汚染の実態を知ろうと、指導する大
学院生数人とちょっとした調査旅行に出かけた,北京空港に出迎えてくれた留学生の
父親の親切で、彼の運転する黒塗りの高級車に乗せてもらった。
約束している北京市の農地土壌改良会社を訪問した。その会社のオフィスは北京市
の中心にある大きな貸しビルの一室にあった。そこで、会社を経営する若い社長の
王建中(仮名・35歳)に話を聞くことができた。社員数は少ないが、みな一流大学
の理系を卒業した若者ばかりだ,王はあらかじめ準備していたスライドをスクリー
ンに映しながら、仕事の紹介をしていった。
説明を聞いて、北京近郊の土壌の寄生虫調査などを専門とし、合わせて土壌消毒を
することで利益を出しているベンチャー的な企業であることがわかった。重金属検査
が専門ではないかと思っていたが、追っていたようだ。
中国には、重金属検査会社は少なく、まして土壌検査とその改良を指導する専門の
企業も少ない。王によると、北京には同類の会社は他になく、今のところ独占的な存政であ
る。そこで、なぜこの仕事をすることになったのか、業績はどうなのかなどを聞いてみた。
「北京近郊の土は連作障害(同じ農産物を作り続けると土境内のバクテリアや菌類の
でフェンスが崩れ、病気が発生すること)で線虫や雑菌が繁殖し、根菜類や葉物の収
量が減り、病気の発生がひどいからです。経済的に少し余裕のある農民を相手にこの商
売を始めたのです。業績はまあまあですよ。うちのような事業を行う会社はほかにあ
りません」スライドに映し出された畑には、トラクターくらいの大きさの土壌検査機
械があった。この機械は安くない。きっといい商売になっているのだろう。
農地の重金属検査やそのための土壌改良については、「時間と資金、分析機器類な
どの負担が大きく、うちの会社では、そこまでは無理」という返事だった,たしかに
重金属検査は大学や公立の研究機関でなければできない難しさがある。重金属汚染検
査には設備や技術の制約があるので、残留農薬検査のようなわけにはいかない。事業
として行うには、政府の許可が必要でもある。許可を得る前の申請書類は膨大で、し
かも審査基準は甘くなく、せっかく作った申請書類が無駄になることも覚悟しなけれ
ばならない。王が重金属検査事業をためらう理由であ仕事を通じて持っている農地の
重金属汚染の情報を聞いてみた。
「話には聞くが、農民のほとんどは、よほどの実害が出ない限り関心は薄い。しかし経紀人
(農産物を現金買いするために、トラックで農村を回り歩くブローカー)が神経を使
って、重金属の危険性についての情報を流し歩いているようなところでは関心を持っ
ている。うちでは重金属検査や土壌改良をしないのか、と聞いてくる村の幹部も最近
増えている気がする」
重金属汚染は、大気汚染、化学肥料、地下水汚染、生活汚水など四方ハ方からやっ
てきているのだそうだ。調べられないまま放置されている重金属汚染農地が広がって
いるということだろう。隠れた重金属汚染は少なくないと推測できる。
北京を出たわたしたちは次に河北省唐山市遷安の農村地帯をめざした。高速道路に
乗り、4時間かけて中国のどこでもありそうな地方都市に着いた。広い道路、にわか
づくりの商店街、どことなくしっくりしない街並みを見ながら、こんなところにもP
M2・5は押し寄せているのか、と車の窓に日をやった。ここは北京から約250キ
ロも離れているので大丈夫かと思っていたが、外は100メートル先も見えないほど
霞がかっており、思わず咳き込んだ。自分だけマスクをするわけにはいかない。大気
汚染は、すでに中国全土を覆ってしまっている。クルマを長時間運転してくれた国有
資産督管理委員会に勤める院生の父親は、「こういう状態が毎ロ続くようになった。
日本はどうか?」と聞いてきた。わたしは「日本も診はひどかったが、今はきれいに
なった。中国もそのうちきれいになりますよ」と、なんの根拠もない返事を返すしか
なかった,
鉱山だけではない汚染源
2006年、中国農業部が全国24省320の重度の汚染地区合計548万ヘクター
ルの農地を調査したところ、20%の土壌が汚染され、そのうちの80%が重余属汚染だ
った。ざっと挙げただけでも、カドミウム、亜ナマリ、クロム、マンガン、水銀、ヒ
素、銅、鉄、ナマリ、アルミ、コバルト、バナジウムなどがあり、全部で45腫を数え
た,人体に特に悪い影響をIえる重金属は水銀、カドミウム、ナマジ、ヒ素、クロム
だ。
中国でも、これらはガン、脳細胞障害、肝臓疾患、視力障害、肢体麻疹、精神異常
皮膚異常角質化、高血圧、心臓疾患、腎不全などと関係が深いと危険視されている。
以下、重金属汚染の原因を述べていく。
○大気汚染
空から農地に降り注ぎ、農産物の根や茎、果実にたまる重金属の腫類は多い。PM
2・5のような微粒子が地上に落ちてくる。原因は自動車の排ガス、工場排煙、石炭
排煙などさまざまだ。排ガスの場合、とくにナマリの害が深刻だ。中国の農地のそば
にはたくさんの道路が走っている。道路の両側100メートルはナマリ汚染濃度が集
中的に濃くなる部分で、通常は土壌30センチ深くまで浸透している,その結果、基準
値の6倍以上のナマリが検出される農地が30カ所の観測地点でみられたという。
○工業化による汚染
工業優先政策は重金属を大ほにまき散らしてきた。
銅、カドミウム、水銀、ヒ素は基準値を超え、全体の10%を占めた。重金属は土壌
中で移動し、滞留時間が長く、徹生物のバランスを崩す作用があると同時に、農産物
を経由して人体へ入り込む。
重金属汚染が深刻になった原因のひとつは、急速に進む工業化だった,ゴミの増
加、その焼却による大気汚染は深刻だ。日本のようにゴミ処理施設が普及していない
ことが原因として挙げられる。またエ場・鉱山排水や産業廃棄物工場が所有する石炭
自家発電所などからの煤煙も近くの農地に降り注ぐ。中国では大きなエ場は自前の火
力発電所を持つことが多いが、その煤煙や燃料の石炭灰が地下水や河川を汚すことも
まれではない,
○潅漑水汚染
地域の農・民全員が無償で用水路、排水路、ため池などの雑草や流木を取り除いたり
補修したりする作業は、人民公社が解体された1980年代半ば以降すっかりなくな
った。用水路やため池の多くは荒れ放題に任せている。農民は、作業料をもらえない
仕事にはまったくfを出さなくなった,水田地帯を歩くと、用水路のあちこちの側壁
が崩れ、水を水田ごとに配分する分岐点が埋もれかかっている光景を至る所で目にす
農村の都市化が進み、のどかな農村のイメージを保つところはすっかり減ってしまっ
た。詳細な年代は不明だが、農業部が全国140万ヘクタールの漂流農地について行
った調査によると、水銀、カドミウム、クロム、ナマリなどの汚染が65%に広がり、
そのうち10%は重度の汚染状態にあるとの報告がある,
重金属汚染は近くに鉱山や化学工場などがないところでも発生する。中国科学院は
広西省、雲南省が洪水の被害にあったとき、はるか上流にある鉱山の採鉱現場に含ま
れる屯金属が用水路を通ってド流地帯の農地を襲ったと報告した。
河南省の省都鄙州巾の汚染された濯流地帯ではIキログラム当たり水銀濃度が0・
242ミリグラムに達し、危険値とされるO・194ミリグラムを超えている。省と
同じレベルの直轄巾である重慶市には揚子江が流れるが、農村地帯の土壌検査の結
果、上流の用水路から流れてきたと思われるヒ素、カドミウム、銅、ニッケルが基準
哨を超え、とくにカドミウム汚染の値が最大だったことがある。
潅漑は農地に水を送り、一定の時間が経過してから排水するシステムだが、逆に農
地に重金属を運ぶことにもなる。中国農村で盛んになったビニールハウス栽培では、
ビニール製の細い管で野菜の根元に水を送る点滴潅漑方式をとっている。使われる水
は、地下水がほとんどだ,多くの場ハロ、ビニールハウスには排水路や側溝がないた
め、地下からくみ上げた水に化学肥料や農薬の成分の一部が溶け、地下にしみ込み、
叫びハウスの上に戻ってくるという負の循環構造を作り出してしまっている。
カドミウムは、邑界でも希少な燐鉱石(燐鉱石自体は重金属ではない)に含まれる
が、中国には吸富にある。そのため、燐酸肥料を使いすぎる傾向がある。燐酸はカド
ミウム形成に深く関与するとされており、カドミウム汚染が潅漑施設を通じて自動的
に増えていくことが不可避だ。なぜ、中国の農地にカドミウム汚染が多いのか、理由
のひとつに燐酸肥料のまきすぎがあるというのが専門家の見方である。
中国の大気汚染(PM2・5)は、直接私の気管支と肺に異常を起こすのだ。わたしひと
りまら我慢するだけだが?そんな程度で収まることがないのは中国人も、韓国人も、日本
人もわかっている。国際的な協調体制と行動が必要だ(もっとも、」国内には、プロトニ
ウムと重水素、セシウムの内部被爆問題をかかえたただから他国のことばかりにかかって
いられないのだが、「内部被爆」もまともに理解できていな政治家やインテリにも困った
ものだが)。、
この項つづく
元2階級王者の長谷川穂積(34=真正)が、逆転判定で再起戦2連勝を飾った。WB
O世界スーパーフェザー級5位カルロス・ルイス(22=メキシコ)に3、5回に計2
度のダウンを奪われたが、不屈の闘志でポイントを稼ぎ、3-0の逆転判定勝ちした。
しばらく、何も言えないほど感動する。「歳はただの数字だ」とのアーネストホーネス
トの言葉をかみしめていた。
● 今夜の一品
若い頃は、三十歳過ぎれば「老境」との勝手な思いこみがあったが、それを遙かに超え
ると今度は逆に、テレビ出演している若者をみていても「このおっちゃん」(年格好は
三十から四十頃の若者)は何考えているやろと冷やかし?みることがある(例え、キム
タクでも)。そんなことに気がつくとは、とても不思議な気分だ。そうかと思うと朝日
テレビの「正義のミカタ」で高橋洋一教授が、「最低賃金を時給千円にすべきだと民主
党の枝野の発言を冷やかしていたが」、景気のよしわけと関わりなく、師恩の論理と労
働論理の熾烈な駆け引きできまるものだが、場内平和主義の選挙一辺倒の連合などの限
界を遙か昔に見切っていものにとって、わらず脳天気だねと冷やかし返すほど、世間知
な「おっちゃん」だとあきれる。「おっちゃん」という言葉は使いようにによれば・・・
だと。
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