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量子ドットとグラフェンの強襲

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   体をくねらせて滑らかに這うヘビの驚くべき秘密が明らかになった。
     ウロコの表面が極めて薄い潤滑油でコーティングされていたのだ。 

               ナショナル ジオグラフィック日本版 12月14日                                             

             

 

【悲願: 北陸新幹線「新三都物語」】

 

余談だが、朝鮮半島には地下資源が豊富に存在するがネオジムだけはなぜかなかった(昨夜
調べ)。その代わりモンゴル→朝鮮半島→敦賀のコースは有力だ(超伝導貨物列車)で輸送
か\可能だろうと誇大妄想。

 






 

【最新事例: 量子ドットを用いた電子装置】

従来、複数個配列した半導体量子ドット構造を用いて、多量子ビットを形成して量子計算を
行う方法が考案されているが、この半導体量子ドットを用いて多量子ビットを形成するため
の方法は、電子スピンを用いる方法が提案されている。強磁場下で電子スピンは本質的な2
準位系であり、電子スピン上向き、電子スピン下向きの2状態を1ビット状態に対応させる。
また、ビットの操作として電子スピン共鳴 (ESR) を利用する方法が提案されている。強
磁場下で高周波磁場を照射しESR制御で電子スピン状態を確定した後、量子ドット間相互
作用を変え量子演算をすることが提唱されている 。

特許5397905 量子ドットを用いた電子装置  

上図1は従来の量子ドットを用いた電子装置の上面図を示す。図2にはその電子装置の側面
概略図を示す。これらの図に示すように、ガリウムヒ素 (GaAs) 結晶基板11上にアル
ミニウム・ガリウム・ヒ素(AlGaAs)結晶層12をエピタキシャル成長させると、両
結晶のヘテロ接合界面に10nm程度の厚さの2次元電子ガス層(2DEG層)13が形成
される。この2DEG層13はAlGaAsエピタキシャル層であるAlGaAs結晶層12
表面より約100nmの位置にある。AlGaAs結晶層12上にはゲート電極2,3,4,
5(量子ドット結合制御電極2、右側量子ドット形成電極3、左側量子ドット形成電極4、
中央ゲート電極5)が形成される。これらのゲート電極2,3,4,5に負の電圧を印加す
ることにより、ゲート電極2,3,4,5直下より空乏層が伸びる。この空乏層が2DEG
層13まで伸び、さらにゲート電極2,3,4,5に印加する負電圧を増大させると、空乏
層が到達した部分より2DEG層13は電子キャリアを無くして行く。さらに負印加電圧を
増大してゆくと、2DEG層13に電子キャリアが島状(ほぼ円盤状) に取り残される。こ
れが量子ドット8,9である。さらに、半導体結晶基板1上面にカリックスアーレン絶縁膜
14を塗布する。このカリックスアーレン絶縁膜14上に高周波マイクロコイル34のパタ
ーンを電子ビーム真空蒸着してゲート電極2,3,4,5の表面から90nm離れた位置に
形成する。ゲート電極2,3,4,5への印加電圧を調整することで、両量子ドット8,9
には電子が1個のみ存在するようにすることができる。電子スピンのエネルギー状態を固定
するために外部磁場17を印加する。

 この電子装置を用いて量子ビットを形成するため、まず、全量子ドットの電子スピン情報を
初期化(イニシャライズ) した後、ESR操作を用いて最初の量子ドットに情報を書き込む
(A)。図1,図2に示された高周波マイクロコイル34に高周波電流を流し、高周波磁場
を誘起する。そして、量子ドット8中の電子スピンをESR操作する。このESR操作を、
図3に示すエネルギーダイアグラムに即して説明する。図3の(a)~(c)は、ESR操
作に伴い経時変化した状態を示している。ここで、35はドレイン電極のエネルギー状態を
、36はソース電極のエネルギー状態をそれぞれ示しており、塗りつぶした部分は電子が詰
まっているため上端面以下のエネルギー状態の電子は流れない。37はトンネル障壁で、38
は上向きの基底状態の電子スピン、39は下向きの励起状態の電子スピンを示す。

まず、左側の量子ドット8に電子を電極操作により入れる。十分長い時間(1ミリ秒~1秒) 待つと両
方の量子ドット8,9で電子スピンが揃い、パウリ原理により電流が流れなくなる。図3(a)において、
40は量子ドット8,9間に電流が流れなくなったことを示しており、電子スピン情報が初期化されたこ
とを示している。その後、高周波磁場を与えESR操作をする。図3(b)に示すように、ESRにより電
子スピン39が反転する。さらに、量子ドット間のトンネル確率が十分高ければ、ESR操作が行われ
たことが量子ドット間電流16の流れとして観測される〔図3(c)〕。このようにESR操作により電子ス
ピンの状態が変化することが分かる。

この電子装置を用いて、多量子ビットを作製するには、各量子ドット間の電子スピン結合
状態の精密制御と各量子ドット内の電子スピンの高速制御が必要である(B)。電子スピン
間の結合状態を制御する方法を図4に示す。デバイスは図1,図2とほぼ同じものであるの
で同じ図を用いて説明する。まず、図4(a)に示すように、初期状態で2つの電子スピン
38,39が逆向きであるものとする。上記記載の(A)とは異なり、電子スピン38,3
9のエネルギー状態はドレイン電極・ソース電極のエネルギー状態35,36よりも低く電
流は流れていないものとする。緩和して電子スピン38,39がそろい電子スピンブロック
が起きる前に、図4(b)に示すように、左側量子ドット形成ゲート電極4への印加電圧を
電荷の移動がない程度に少しだけ強めるか、もしくは相対的に中央ゲート電極5の下の空乏
層を弱めることにより、電子スピン間の相互作用20を強めることができる。その後、図4
(c)に示すように、電子スピンは相互作用し向きの揃った状態となる。このように電子は
相互作用し向きの揃った状態、逆向きの状態を往復運動する。相互作用の時間を一定にする
ことで電子の向きを始めの状態とはいつも逆向きにすることができる。この作用は、NOT
操作を表している。上記(A)と(B)とを組み合わせれば、量子ビット、量子計算は一見
容易なように考えられる。

以上、この装置は 多量子ビットの各々に個別にしかも省電力な方法でESR制御を行い量
子計算を実現するための強磁性体微小磁石を有する量子ドットを用いた電子装置を提供する。
複数個配列した半導体量子ドットの各量子ドット8,9近傍もしくは強磁性体微小磁石10
を配置した構造の電子装置であって、強磁場を印加して電子スピン共鳴(ESR)を生じさ
せ、強磁性体微小磁石10の配置を変えることにより、各量子ドット8,9の共鳴周波数を
制御できる。この各量子ドット8,9の共鳴周波数を制御した状態で、各量子ドット8,9
間の電子スピンのスワッピングを行い、量子計算に必要な量子ビット(QUBIT)を作る
ことで、 従来技術では困難であった量子ビット列からなる多量子ビットの各々に個別にしか
も従来の方法よりも省電力な方法でESR制御を行い量子計算を実現でき、強磁性体微小磁
石を有する量子ドットを用いた電子装置を提供することができる新規技術である。

 ※ 、ESR(Equivalent Series Resistance)と呼ばれる抵抗成分の低い積層セラミックコンデンサ

【最新事例: 二層グラフェンでバレー流の生成/検出に成功】

 

東京大学の大学院工学系研究科の樽茶清悟教授らの研究グループは15年11月、電気的に
反転対称性を破った二層グラフェンにおいて、バレー流の生成/検出に初めて成功したと発
表。電荷の流れを伴わないバレー流は、エネルギー消費を伴わない情報媒体になると期待さ
れる。このため、同研究結果は、二層グラフェンによるバレー流を用いた低消費電力エレク
トロニクスの開発に貢献する。

ところで、バレーとは、電子を区別することができる結晶の性質のことを呼ぶ。固体結晶中
の電子はスピン自由度に加えて異なる特性を持つ場合がある。電子は粒子としての性質を持
つと同時に、量子力学的な電子の波の性質も示すことだ。電子の波は一般的にさまざまな波
長や方向を持つが、一部の固体結晶中において安定な状態となる。この特定の波長や方向に
より結晶中の電子を区別することができ、その性質をバレーと呼んでいる。

バレーはスピン流と同様に電荷の流れを伴わず、エネルギー消費のない情報媒体として期待
されているが、スピン自由度と比較するとバレー自由度は制御が難しいという課題があった。
グラフェン中の電子もバレー自由度を持つことが知られており研究が進められていたが、エ
ネルギーギャップを制御することができず、電子密度のみを制御していたため、変換効率の
制御性には限界があった。

同研究グループは、二層グラフェンの電場での制御性に着目した。単層グラフェンのままで
は垂直電場により結晶の反転対称性を破ることはできない。二層グラフェンは上下の層にエ
ネルギー差ができるため、結晶の反転対称性を破ることができる。二層グラフェンは単層グ
ラフェンと同様に、幾何学的位相を持つため、結晶の反転対称性を破り、バレーホール効果
を誘起することができる。エネルギーギャップを垂直電場により制御することで、バレー流
への変換効率も広範囲で制御できる。

※ 幾何学的位相:電子がエネルギー的に安定な状態に従って変化する際に、電子の波の位相に生
  じるずれのこと。

 

 

 【最新事例:GaNの「最小」ACアダプター】 

● GaNの「最小」ACアダプター、充電時間も1/3に

富士通研究所は15年15月9日、窒化ガリウム(GaN)高電子移動度トランジスタ(HEMT)
パワーデバイスを用いて、モバイル端末などの急速充電を可能にする12ワット出力の小型
交流アダプターを開発。ACアダプターを高効率/小型化/高出力化するためには、スイッチ素
子のオン、オフの動作回数を増やしたスイッチングが求められる。スイッチ素子として、オ
ン、オフを決める閾値(しきいち)電圧が小さく、メガヘルツ駆動が可能なGaN-HEMTが適し
ている。 GaN-HEMTはシリコン(Si)半導体の10倍の周波数で動作し、動作抵抗も1/10以下
と高性能である。しかし、現状ではスイッチ素子の動作を制御するICでは、GaN-HEMTの性能
を最大限に引き出すことができていなかったという。同製品は、周辺回路を工夫してスイッ
チ素子に動作抵抗の小さなGaN-HEMTを使用可能にした。

 

今回、2次側の制御ICとGaN-HEMTの間に、新しくタイミングを制御する回路を導入。制御IC
が生成する電圧の波形を調整することで、高速動作による損失電流発生を抑制でき、GaN-H
EMTの低い動作抵抗を生かしながら、適切なタイミングで電流を出力できるという。これに
より、ACアダプターの効率を高め、小型/高出力化を実現している。さらに、GaN-HEMTの特
性を生かしたことで無駄な電力を削減。米国エネルギー省が16年2月に施行する外部電源
(EPS)の効率基準「Level-VI」にも対応可能になるという。二酸化炭素排出量が削減され、
環境負荷低減にも貢献するとしている。

 

 【最新事例:二層グラフェンでバレー流の生成/検出に成功】 

● 原理的には室温動作も可能

東京大学の大学院工学系研究科の樽茶清悟教授らの研究グループは15年11月、電気的に
反転対称性を破った二層グラフェンにおいて、バレー流の生成/検出に初めて成功したと発表。
電荷の流れを伴わないバレー流は、エネルギー消費を伴わない情報媒体になると期待されて
いる。そのため、同研究結果は、二層グラフェンによるバレー流を用いた低消費電力エレク
トロニクスの開発に貢献する。

ところで、バレーとは、電子を区別することができる結晶の性質のことを呼ぶ。固体結晶中の電子は
スピン自由度に加えて異なる特性を持つ場合がある。電子は粒子としての性質を持つと同時に、量
子力学的な電子の波の性質も示すことだ。電子の波は一般的にさまざまな波長や方向を持つが、一
部の固体結晶中において安定な状態となる。この特定の波長や方向により結晶中の電子を区別す
ることができ、その性質をバレーと呼ぶ。

しかし、バレーはスピン流と同様に電荷の流れを伴わず、エネルギー消費のない情報媒体として期待
されているが、スピン自由度と比較するとバレー自由度は制御が難しいという課題があった。グラフェ
ン中の電子もバレー自由度を持つことが知られており研究が進められていたが、エネルギーギャップ
を制御することができず、電子密度のみを制御していたため、変換効率の制御性には限界があった
という。

同研究グループは、二層グラフェンの電場での制御性に着目した。単層グラフェンのままで
は垂直電場により結晶の反転対称性を破ることはできない。二層グラフェンは上下の層にエ
ネルギー差ができるため、結晶の反転対称性を破ることができる。二層グラフェンは単層グ
ラフェンと同様に、幾何学的位相を持つため、結晶の反転対称性を破り、バレーホール効果
を誘起することができる。エネルギーギャップを垂直電場により制御することで、バレー流
への変換効率も広範囲で制御できる。

※ 幾何学的位相:電子がエネルギー的に安定な状態に従って変化する際に、電子の波の位相に生
  じるずれのこと。

 今回、上下ペアの電極を用いることで二層グラフェンの電子密度を制御すると同時に、垂直
電場を制御。この系でバレーホール効果によりバレー流を電気的に生成し、電流の漏れ出し
の寄与を無視できる3.5マイクロメーターの長距離にわたり伝送した後、逆バレーホール
効果によりバレー流を電圧に変換することで検出した。グループは、検出した電圧と注入し
た。電流の比を非局所抵抗として、バレー流の伝送の指標として評価。垂直電場で反転対称性
を破ったときに、巨大な非局所抵抗が出現することを発見する。

 

尚、同研究グループは、「今回は、ゲート絶縁層を破壊しない程度の大きさで垂直電場を制
限したため、室温での動作は実証できていない。しかし、加える垂直電場を増大すれば変換
効率はさらに向上し、原理的には室温での動作が可能になる」と語る。バレー流を生成する
ときに流れる電流のエネルギー消費も、変換効率の向上で改善できると考えられ、低消費電
力エレクトロニクスの実現が期待されるとしている。

 

10.1038/nphys3551

量子ドット・ナノカーボンがもたらす革命(強襲)は、すさまじいスピードで社会を変えていく可能性を
孕んでいる。わが『デジタル革命渦論』はいよいよ大爆発をもたらす。これは面白くなってきた。

 
 


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