ナトリウムが消費され、海を介し私に戻ってってくる。亜鉛電池の2倍
のもパワーもつナトリウム電池は発揮できることが派遣されているのだ。
ジュール・ヴェルヌ 『海底二万海里』
Jules Gabriel Verne(8 February 1828 – 24 March 1905)
Only the sodium is consumed, and the sea itself gives me that. Beyond this, I’ll
mention that sodium batteries have been found to generate the greater energy, and
their electro-motor strength is twice that of zinc batteries.
【デクスマニーの強襲Ⅰ:ナノホーラスに注目】
● 着実に太陽道を亘った15年
師走、そして迎える雪降るクリスマス・イブ、そして、見えない深淵をのぞく込むように
締めの晦日を迎える季節。 ヒデオ君元気そうだね。安心したよ、そしてユウジ君も元気だ
よと伝えてくれて有り難う。クリスマスイブはいつものようにヒルトンホテルで「飛び切り
すてきなランチ?」をいただきながら馬鹿話などしよう。
ところで。届いた『環境ビジネス』を呼んでみて面白い事業を行っている。小田原市で11
月13日14日の両日「市民・地域共同発電所全国フォーラム2015小田原大会」で開催。
主催は、市民・地域共同発電所全国フォーラムin小田原2015、創発的地域づくり連携推進
センター酒匂川流域小田原支部。なかでも。開成町あさ公園発電所 あじさい公園東側の
農業用水路内に設置された開放型らせん水車―― 「開成町あじさい公園発電所」と呼び、
酒匂川から取水する文命用水の支流・武永田(ぶえいだ)用水を利用。高低差1・19メ
ートルの斜面に長さ4・6メートル、直径1メートルの開放型らせん水車を町が約350
0万円をかけ設置。県企業庁が技術支援した――事例だ。これをみて、兵神装備株式会社
の「ヘイシンモーノポンプ」を思い浮かべた。勿論、このように位置エネルギーがあれば
発電できる。もっとフレキシブルな軸心を開発し「潮流力」「波力」などの大きな湖沼や
海岸など回転エネルギーを電力変換も可能だと閃いた(構造特許とその変換効率が焦点)。
● リチウムより豊富なナトリウム 世界初のナトリウムイオン電池
ナトリウムはリチウムに比べて地球上に極めて豊富に存在し、コストが非常に安いメリッ
トがある。先月末、フランスの研究チームが、ノート型パソコン向けリチウムイオン電池
で標準の18650型(直径18mm、長さ65.0mm)と同じサイズのナトリウムイオン二次電池を開
発。標準形状のナトリウムイオン二次電池は世界初となるこの電池を2年がかりで開発し
たのは、フランス国立科学研究センター(CNRS)とフランス原子力・代替エネルギー庁(
CEA)、およびフランス電気化学エネルギーデバイス研究ネットワーク(RS2E)に所属す
る6つの大学・研究機関。電池1キログラム当たり90ワット時のエネルギー密度を持ち、
初期のリチウムイオン二次電池と同程度の性能という。充放電の回数も、性能が大幅低下
する前に、2千サイクルを超えた。
18650 Sodium-Ion Battery Developed At RS2E
電極の正極はナトリウムとしながらも、負極の活物質は「企業秘密」。申請特許によれば、
負極はチタン酸ナトリウム(Na2Ti3O7)をベースにした層状の構造と?している。電極素材
の最適化や信頼性の向上を進めとしているが、(1)テスラモーターズの電気自動車(EV)
が18650の汎用リチウムイオン電池を何千個も使っているのに対し、今回のナトリウムイオ
ン二次電池の試作品は、EVで使える二次電池のエネルギー密度には及ばず低い。(2)電
荷担体(キャリア)としての効率でもリチウムに劣り、電圧が0.3ボルト低い。(3)
そのため、コストの安さや拡張性を生かし、主に再生可能エネルギー用の蓄電池としての
用途を見込むとのこと。
※ Vanadium-based polyoxometalate as new material for sodium-ion battery anodes
DOI: 10.1016/j.jpowsour.2015.04.009
※ Na2Ti3O7: an intercalation based anode for sodium-ion battery applications
DOI: 10.1039/C2TA01057G
※ Nanocrystalline FeWO4 as a pseudocapacitive electrode material for high volumetric energy dens-
ity supercapacitors operated in an aqueous electrolyte Doi:10.1016/j.elecom.2015.05.007
● 世代リチウム二次電池(シリコン‐硫黄電池)の開発に成功
● 世代リチウム二次電池(シリコン‐硫黄電池)技術を開発12年前後のの特許公開より9年後株式会社、GSユアサは、金属リチウムの負極材料と「硫黄
‐多孔性カーボン複合体」正極材料とを備えるリチウム‐硫黄電池の充放電サイクル性能を飛躍的
に高めることに成功(下図)。今回のリチウム‐硫黄電池におけるサイクル性能向上の達成
は、従来のリチウムイオン電池の3倍のエネルギー密度を持つシリコン‐硫黄電池 ※の実用
化に向けて、大きく前進。今後は、負極にシリコン系材料を用いることで、そのサイクル性
能をさらに高めたシリコン‐硫黄電池の実用化技術開発を進めという。
正極材料に用いる硫黄は、低コスト、資源的に豊富、および環境有害性が低いことに加えて、
その理論容量(1675 mAh g-1 注2))は、従来のリチウムイオン電池用正極材料のものに
比べて非常に高いことから、次世代リチウム二次電池の正極材料として期待されています。
しかし、正極の放電反応により生成する反応中間体(多硫化物)の電解液への溶解度が高い
ために、正極から多硫化物が容易に溶出することと、その溶出した多硫化物が正負極間で酸
化還元反応を繰り返すために、自己放電が生じることから、充放電サイクルにともない容量
が大きく低下するので、実用化に至らない。
GSユアサは、電解液添加剤により多硫化物の溶出を抑制するとともに、カチオン交換膜を
セパレータに用いることによって、多硫化物の正負極間の移動に起因する自己放電を防止し
た結果、硫黄‐カーボン複合体正極材料あたりの容量を損なうことなく、この材料を用いた
リチウム‐硫黄電池の充放電サイクルにともなう容量低下を止めること、つまり、充放電サ
イクル性能を飛躍的に高めることに成功する。
同社は、従来のリチウムイオン電池用電極材料に比べて、8倍の容量(注1)をもつ「硫黄-多
孔性カーボン複合体」正極材料、および高い容量をもつシリコン系負極材料を備える次世
代リチウム二次電池の放電に成功した(下図1)。この電池の放電特性から、正負極材料質量
あたりのエネルギー密度(注2)は、従来のリチウムイオン電池(注3)のものに比べて3倍であ
ることがわかkつた。このことは、この電池を電気自動車に使用すれば、その走行距離が
大幅に延びることを意味します。今後は、シリコン系負極の耐久性能を高めたのちに、こ
の電池の実用化技術開発を進め、20年のサンプル出荷を目指す。
注1)「硫黄‐多孔性カーボン複合体」正極材料::従来のリチウムイオン電池用正極材料に
比べて、8 倍の容量(1000 mAh g-1)をもつ正極材料 また、容量とは1g の電極材料から
取り出すことのできる電気量
注2) mAh g-1(ミリアンペアアワーパーグラム) 容量の単位で、mAh/g とも表記する。
注3) カチオン交換膜:カチオン(Li イオンなどのように、正の電荷を帯びた原子)を選
択的にとおす高分子膜
注4) 正負極材料質量あたりのエネルギー密度:電池を構成する電池ケース、集電板、セパ
レータ、および電解液などの部材を除き、電極材料のみの質量から計算したエネルギー密
度普及での使用等,今後の環境・エネルギー問題の解決に向けて大きな役割を果たすと期
待されている。
『参考』
● リチウムイオン二次電池における空間・時間階層に基づく反応機構解明
リチウムイオン二次電池の反応場は図2 に示す電極・電解質界面である.電極・電解質界面
においては,電極の内部ポテンシャルと電解質の内部ポテンシャルの差によって決まる電位
(平衡電極電位)がかかっており,電荷分離が起こる.この電位差により,電極/電解質界
面の電解質側においては,電位勾配をもつ電気二重層と呼ばれる領域が存在する.この電気
二重層が反応場となり,イオンの移動と脱溶媒和,電極構造の変化等が起こっている.一方
で,電極側においても,電極・電解質界面の情報を得ることは,今後の蓄電池の発展にお
いて非常に重要である.電気化学計測による交流インピーダンス法は,電極・電解質界面に
おける現象解明に対して比較的簡便で強力なツールであるが2,界面の具体的な構造に関す
る情報は得られない.それ故に,電極・電解質界面を直接観察できる新しい手法の開発が
求められている.近年では,薄膜モデル電極を用いて,X 線反射率(XRR) 法による電極・電
解質界面のその場観察を行った例3,また,フーリエ変換型赤外分光(FT-IR) 法による電極・
電解質界面のその場観察の報告例がある4.XRR 法からは,電極表面の密度や粗さに関する
情報を得ることができ,またFT-IR 法からは電極表面に形成される有機物被膜に関する情報
を得ることができる.これらの解析手法は界面研究にとって重要であるが,リチウムイオン
二次電池における電極・電解質界面は未だにブラックボックスな面が多い.本研究では,電
極・電解質界面をその場観測する手法として,放射光X 線を用いた全反射蛍光X 線吸収分光
法(XAS) に注目している。
● 高エネルギー密度リチウムイオン電池用SiO 高容量負極の劣化メカニズム
充放電サイクルの経過にともなうSiO/Graphite 負極の外観の変化を調べた.BET 比表面積
の変化を下図3 に示す.図から,BET 比表面積は50 サイクル経過時までは初期と同程度で
あるが,その後増大することがわかる.この変化をさらに詳細に調べるために,細孔径分
布を測定した結果,サイクル試験前の電極と比較して初期容量確認試験後には全領域の細孔
が増加していること,さらに50 サイクル後には2 nm 前後の細孔が増加する一方で,3 nm
以上の細孔が若干減少すること,150 サイクル後には2 nm 前後の細孔は変化しないものの
3nm 以上の範囲の細孔が増加することを確認している.
SiO を負極に用いた電池の充放電サイクル試験における劣化要因を明らかにするために,負
極にSiO/Graphite,正極にLi(Ni, Co, Mn)O2 を用いた充放電サイクル数の異なる電池を解
体し,取り出した負極について詳細に調べた結果,電池容量は50 サイクルまでは急激に減
少し,その後穏やかに低下するのに対して,負極の容量は50 サイクル後には微増し,150
サイクル後には低下することがわかった.この負極の変化をSiO に着目して調べた結果の概
要はつぎのとおりである。
(1) 充放電サイクル初期における電池容量の低下は,負極容量の低下ではなく,負極の体
積変化にともなって,被膜が崩壊しながら形成される不可逆な 電気量によるものと考え
られる.
(2) SiO 粒子中のSi は,初期の充放電によってa-LixSiの網目構造を形成する.その構造は,
充放電を繰り返すことによっても維持されるが,その充電状 態に形成されるa-LixSi は,
充放電の繰り返しによって結晶化し,Li15Si4 に変化する。
(3) SiO 粒子は,充放電の繰り返しにより,粒子の表面から内部に向けて微細な'割れ' が
生じる結果,粒子表面の大きな亀裂を形成する.
(4) SiO 粒子に生じる'割れ' の発生はSiO 中にLi15Si4が形成されることに起因する.
ここで話をかえてみたい。量子サイズ・ナノサイズ加工技術が20年前より格段に進歩した
ことだ。この大本には『ムーア法則の限界』への挑戦があることは言うまでもない。また、
カーボンナノチューブ製造技術の進展も見逃せない。ナノグラフェン・ナノホーラスは電極
界面の確信に欠かせないどころか、電気配線が銅などの貴金属やアルミなどの軽金属にとっ
変わる寺内にきていることだ(最近事例では、ゼオン社カーボンのナノグラフェン・ナノち
チューブ・ナノワイヤの量産化が着実に進んできていることがわかる)。
20年前塩化第二鉄の再生を実現できなければ、シャッドウマスク製造事業は成り立たない
ところまで追い込まれつつあり、しかし、電力独占・ソーダー生産の副産物としての塩素と
コスト的に成り立たない。高価な白金などはつかえない。ならば黒鉛(グラフェン)しかな
いということで、堺化学などの協力を、実用性を確認することに成功する。しかし、ながら
経営環境の悪化は避けられず頓挫する。炭素繊維の日本の技術力と生産供給力は世界一レベ
ルにある。
この結論は決まっている。「安・軽・可撓・導電性・高機能性」のこの5つはもはやだれも否定できない
だろう。実に面白いことになる。「接合」「複合化」のこの2つの技術が確立ですれば「鉄は国家なり」
という言葉は死語となる運命にあるとは言い過ぎだろうか?どうだろう?以下、特許事例を掲載しておく。
とくに、1つめの「色素増感太陽電池」はいかにも現在的でユニークな提案だと思う。
15年はペロブスカイトではじまりペロブスカイトでおわったといっても過言でないだろう。
科学技術振興機構と京都大学は1日、「ペロブスカイト太陽電池」と呼ばれる高効率太陽電
池の不安定性を改善し、理論限界への設計指針を発見したと発表。ペロブスカイト太陽電池
は、材料となる溶液を印刷することで容易に作製でき、製造コストを大幅に低減できる太陽
電池として期待されている。20%以上の変換効率が報告されるようになり、次世代の太陽
電池として注目を集めた。 その決め手は、「トラップの密度を一定以下に減す」ことで電
流が発生する効率はほぼ百%で、電圧も理論限界――ペロブスカイト結晶の粒径が大きくな
るほど、短絡電流密度(JSC)、開放電圧(VOC)、曲線因子(FF)のいずれも大きな値を示
し、エネルギー変換効率は、粒径が最も大きな500nmの時に、世界最高レベルの19.4%を
示す―――まで向上する可能がある。
● ガスから作る太陽電池、効率23%でコスト半減
製造時に原料が無駄になり、消費電力も大きい。現在主流の結晶シリコン太陽電池の「弱点」
だ。長州産業は米Crystal Solarと共同でこの問題を解き、製品に直結する成果を得た。現在
最高水準にある製品と同等の変換効率23%を実現し、コストを半減できるという。シリコン
ウエハーを「ガス」から直接作り上げることで実現。「HIT太陽電池と同程度の23%という
セル変換効率を実現し、コストは従来の2分の1という高効率太陽電池を開発した。この太陽
電池が普及すれば、多結晶シリコン太陽電池の存在を脅かすことになるだろう」(長州産業)。
多結晶シリコン太陽電池は、HIT太陽電池のように単結晶シリコンを用いる太陽電池と比較し
て性能は幾分劣る。しかしながら、製造コストが低いために太陽電池市場の過半数を占めて
いる(下図)。太陽電池産業に与える影響が大きいという。ふぉうなるんでしょうね。「再
エネ百パーセント時代」は目の前にsまりつつあるようだ。
【量子・ナノサイズ太陽電池時代: テッペンを取りに行く】