静止せよ 汝ら動きてやまぬ天の球体よ
時か歩みをやめ 真夜中かけっして来ぬように
クリストファ・マーロウ
26 Feb 1564 – 30 May 1593
Stand still, you evcr moving spheres of heave,
That time may cease, and midnight never come.
Christpher Maelowe : Doctor Faustus
※ stand still 「静止する」
that ・・・ may ~ 「・・・が~するように」
【最新ナノ電子工学 2016:最新高効率太陽電池】
● 史上最強?! 黒の太陽電池登場
あの映画『スターウォーズ』のダーティヒーロー?のダース・ベイダーが――シディアスすら超える
潜在能力を持つとされるルーク・スカイウォーカーが現れるまでの長い間、シディアスも新たな弟子
に乗り換えることなく、側近として手元に置いた。帝国の反乱勢力の中にも、長年に渡りベイダーを
倒せるだけの実力者は現れず、オビ=ワンやヨーダすらも“新たなる希望”となり得るルークが成長
するまで隠遁を余儀なくされたという――「デジタル銀河系」(=デジタル革命渦論)は太陽系にや
ってきたのだ、否、米国特許庁で再び公開掲載(下図クリック)されたという話。
Feb. 2, 2016 US 9249016 B2
この新規考案は、p型半導体グラフェン上にn型半導電性グラフェン積層させた異なるバンドギャップ
エネルギーの2つ以上のサブ複数のセルの多接合太陽電池である。多接合太陽電池の一般的なⅢ-Ⅴ
半導体材料でなく、グラフェンベースの多接合太陽電池。この太陽電池はにはいくつかの利点がある。
これらの利点は、(1)半導体グラフェンには、シリコンのような間接バンドギャップ材料に比べ非
常に薄い領域で、(2)より多くの光子を吸収し直接バンドギャップ形成でき、(3)グラフェンの
電子と正孔のキャリア移動度はシリコンや他の材料より2桁程度高い。(4)従って、グラフェン系
太陽電池の内部抵抗は、半導体太陽電池のなかで遙かに小さく、(5)希少ななインジウムとテルル
とは異なり。炭素が豊富であり、高純度のグラフェンを製造するコストは、結晶シリコンの製造コス
トと同等もしくは(量産化によりコストが逓減で)それ以下になると期待できる。尚、関連する構造・
機能・製造方法の詳細は上図をクリックし願参照。
● 半導体ミラー多接合一体型太陽電池
多接合型化合物半導体太陽電池は宇宙衛星用に開発されたが高変換率の地上用太陽電池としても盛ん
に研究開発されてきた。日本ではシャープを中心に研究開発されてきた。下図はその成果として、逆
積格子不整合型Ⅲ-Ⅴ族化合物型多接合一体型太陽電池がある。例えば、3接合セルの場合、全体の電流
は、より小さいミドルセルおよびトップセルの電流値によって制限される。これは、電流バランスか
ら、バンドギャップの組み合わせの最適化が図れて異なためである。より高いエネルギー変換効率の
実現には、3つのセルが発生する電流を等しくなるように電流バランスを図り、電圧を上げる必要が
ある。
そこで、ボトムセルにGeの替わりにバンドギャップが大きいInGaAs(インジウム・ガリウム・ヒ素)
を用いるが、3つのセルで発生する電流が等しくすることで、理想的なエネルギー変換効率を実現す
る。しかし、ボトムセルとなるInGaAsの格子間隔がミドルセルのGaAs、トップセルのInGaPの格子間
隔に比べ大きく、結晶としての連続性が失われる。つまり、"格子不整合"である。このためセル間に
格子間隔調整を施したバッファー層を形成できれば解決するが、Ge基板上に、格子間隔の大きな、
InGaAsをボトムセルとして成長させ、その上に、格子間隔の小さなGaAsをミドルセルとして成長さ
せるとなると、(1)InGaAs層の上下で、2回にわたり、バッファー層を形成し格子間隔を調整する
必要が出てくる。(2)また、バッファー層がうまく形成できないと、性能が低下してしまう。
そこで、バッファー層の形成が1回だけで済むように、基板上にボトム、ミドル、トップの順番に
セルを積む「順積み形成方式」ではなく、基板上にトップ、ミドル、ボトムの順番にセルを積む「逆
積み形成方式」を考案、さらに、基板にはGeではなく、GaAsを採用し、ミドルとトップのバンドギ
ャップを少し大きくしセルの電圧を大きくする。
しかし、太陽光は、トップセルから入射する必要があり3層の太陽電池セルを基板から分離し、ボト
ムセルを基板に転写する方法を開発し、ボトムセルで発生する電圧が向上し、電力を増やす。このよ
うに09年に世界最高記録変換効率35.8%を達成している。ここではトンネル接合層と呼ばれる
層抵抗成分の低減があり、逆積み形成方式による化合物3接合型太陽電池のバッファー層――InGaの
組成比の調整で、格子間隔の異なる複数のInGaP層で構成――でInGaP層の格子間隔を大きくすること
で、バッファー層の中に結晶の乱れを閉じ込め性能向上させ、さらに、11年に、さらなるエネルギ
ー変換効率向上を目指し、3層を直列の"トンネル接合層"の抗成分低減に取り組み、不純物の濃度を
上げ過ぎると、結晶性が悪くなり、かえって変換効率が下がり、さらに、不純物が上下の層に拡散し
てしまう、セル全体の性能が悪化。不純物最適濃度と不純物をトンネル接合層内に封じ込めることで
36.9%の世界最高の変換効率を実現する。
さて、この格子不整合調整として「半導体ミラー」をもうけた多接合一体型太陽電池が10年ほど前
から特許公開されたが再公開されている(下図)。このバッファ機能層は、可飽和吸収ミラー(SAM : Saturable
Absorber Mirror)と呼ぶらしい。実に、あやふやですがね^^;、これは、上図のように、主に分布ブラ
ッグ反射鏡(DBR : Distributed Bragg Reflector)と可飽和吸収体で構成され、DBRは異なった高および低
屈折率材料で構成。図は1064nmで動作する典型的な半導体可飽和吸収ミラー(SESAM : Semiconductor
Saturable Absorber Mirror )の概念図。図のSESAMは、基盤に砒化ガリウム(GaAs )、GaAs/AlAsのDBR
の上に量子井戸の吸収層( InGaAs ,可飽和吸収体)が作成されている。量子井戸の下が厚いのは、格子
不整合を緩和して良質の吸収層を得るためである。
Feb.2, 2016 US 9252313 B2
実績値はわからないが、この方式の特徴は、(1)全体的な厚さをシュリンクし薄くでき、(2)サ
ブセルとの格子整合調整に半導体ミラーは適切な材料選択の設計でき、(3)屈折率の異なる2つ以
上の材料の高い反射率を実現でき、(4)大きなバンドギャップ材料の小さなエネルギー吸収を抑制
し、さらに、(5)半導体ミラーセルの厚さは、サブセルの統合で半分に低減することができるとい
うが、今夜のところは、一知半解ということで残件扱とする。
インタビュー
一日じゆう自分のことをしゃべっているうちに
もうじゆうぶん考え抜いて
今ではかたがついたと思っていたことが
また戻ってくる。その昔僕が
メアリアソン-今ではアソナと
名のっている女に――対して
抱いていた気持ちが。
僕はグラスに水をくみにいく。
窓際にちょっと立っている。
戻ってきたとき
僕らはすっと次の話題に移る。
僕の人生について語り続ける。でも
その思い出は剌みたいに僕にささる。
Interview
● 今夜のアラカルト
昨夜は(とは言え午前2時ごろ)、冴えてなかなか眠れなかったのだが、こんな時は大きな地震が起
きるのだが、暗に、台南で大きな地震があった。なんらかの予知能力があるのかとも思っているが、
そんなことで朝を迎え朝食はカフェオーレネとコーンスープで簡単にすませたのが9時過ぎ。いつも
の室内ウォーキングはそんなわけで忘れていたが、ランチは「ザク切り長ネギのエビ天蕎麦」。ネギ
のとろっとしたのムチン――粘素と呼ばれるアポムチン。コアタンパクが、無数の糖鎖によって修飾
されてできた巨大分子の総称の糖とタンパク質からなる粘質物――がたっぷりで、免疫を高めて、ア
リシン、ビタミンC、カロテンも健康によいし、なによりも身体を暖めてくれると蕎麦と彼女に感謝。