正直言って原発をどうするか、ちゃんとした議論ができるにはまだ時間がかかるでしょう。
原発を改良するとか防御策を完璧にするというのは技術の問題ですが、人間の恐怖心がそれ
を阻んでいるからです。反対に、経済的な利益から原発を推進したいという考えにも私は与
しない。原発の存否を決めるのは、「恐怖心」や「利益」より、技術論と文明論にかかって
いると考えるからです。
『「吉本隆明」2時間インタビュー「反原発」で猿になる!』
Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar, 2012
※ 3・11の原発事故は、彼の言う「元個人」とわたしの「元個人」との間の隔たりの大きさを認
識させることとなった。実際にリアルな事故が今も進行しているのだから、そこから学び結論を
だすには「まだ、まだ」なのだとだけ言っておこう。
● 熊本地震速報
【食品工学革命:プロテアーゼファミリ】
鶏の胸肉が好物なわたしにとってはこれは朗報である。それが味の素株式会社の「お肉やわらかの素」である。もともと食品
二次加工工程内で使用していたタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)などを一般家庭商品として開発発売したもので、従来の
食品添加物、例えば重合リン酸塩による副作用(骨粗鬆症)もなく、パイナップル酵素のプロメライン、アミラーゼ、リハー
ゼなどの天然由来酵素など配合し最適化したもの。下図「特開2015-12858 食肉単味品調理品の製造方法及び食肉単味品調理
用粉体組成物」――プロテアーゼとアルギニンならびに澱粉を粉体状態にて食肉原料に添加する食肉単味品調理品の製造方法。
食肉原料100gあたりプロテアーゼの添加量が10~100000U、アルギニンの添加量が0.0001~10g、澱粉の
添加量が0.001~10gである食品単味品調理品の製造方法。食肉原料100gあたり0.0001~10gの食塩をさ
らに添加する食品単味品調理品の製造方法。澱粉が米澱粉、もち米澱粉、タピオカ澱粉より選ばれる1種以上である食肉単味
品調理品。豚肉又は牛肉又は鶏肉を材料として用いる焼成品又は炒め品又は油ちょう品である食肉単味品調理品で構成――で
物性と食味を改善した食肉単味品調理品の製造方法、食肉単味品調理用粉体組成物として開発されたもの。つくづく、日本っ
て不思議でクール?ジャパンだと思う。
※ 特開2015-12858 食肉単味品調理品の製造方法及び食肉単味品調理用粉体組成物
● アルギニンとトランスグルタミナーゼ・パワー
畜肉加工食品では、例えば、絹挽きソーセージのようにしっかりとした歯ごたえや弾力が求められ、ハンバーグのような粗挽
き肉では肉粒感が求められ、から揚げや豚カツのような一枚肉を用いた加工品は柔らかさや自然な繊維感が求められ、かつ、
全てに共通し、歩留まりやジューシー感の向上が求められて多くの改質技術が用いられてきた。特に重合リン酸塩は非常に効
果的であり、畜肉加工食品の製造過程汎用使用されているが、(1)多くのニーズを実現できる一方で、(2)肉粒感や繊維
感が低下する欠点、(3)また、リン酸塩は生体内のカルシウムとリンのバランスを崩す――重合リン酸塩はその強力な金属
封鎖能でカルシウムを不溶化させその吸収を阻害――リン酸塩の多用下で栄養学的にリン酸塩の過剰摂取が問題となり、重合
リン酸塩を使用しない改質技術が注目されている。
効果は高いが、強アルカリのため、酸性静菌剤の使用が困難。 ハムに対しトランスグルタミナーゼと塩化マグネシウムを併用するという方法は、ハムの硬さや結着性で非常に高い効
果を発揮するものの、歩留まりに課題を残す。 酵素と塩類の組み合わせた接着成形食品の製造においてトランスグルタミナーゼと塩化カルシウムまたは塩化マグネシ
ウムを使用する方法で、接着強度や外観に特化したているが食感改質効果については言及されていない。 トランスグルタミナーゼとアルギニン及びカルシウム塩またマグネシウム塩を併用した例はなく、これらの組み合わせ
による効果が単純な相加効果ではない。 酵素以外の食肉改質方法では、例えば塩化ナトリウムと共に塩化カルシウムと塩化マグネシウムを併用する方法は、弾
力や結着性の改質効果が不十分である。 アルギニンなどの塩基性アミノ酸を用いる方法は、効果的でありアルギニンとタンパク加水分解物などを併用する――
アルギニンなどの塩基性アミノ酸と油脂および乳化剤からなる乳化液を用いる――方法は。いずれにおいても高い改質
効果は得られるが、リン酸塩の利点を代替し、かつリン酸塩の欠点は克服できていない。 アルギニンと焼き塩、グルタチオン、糖アルコール、加工澱粉などを併用する方法は、高い効果を発揮するが加工澱粉
は沈殿が生じハンドリング向上が必要。 トランスグルタミナーゼとアルギニンを併用した例はなく、これらの組み合わせによる効果が単純な相加効果ではない。
アルギニン高含有タンパク質であるプロタミンとトランスグルタミナーゼを併用で食品保存性が向上するが、抗菌性に
関する評価が中心であり食感や歩留まり、アルギニンとの比較などの評価データがない。
● 発明の開示
アルギニンまたはその塩とトランスグルタミナーゼを用いることを特徴とする畜肉加工食品の製造方法。 アルギニン又はその塩の添加量が、アルギニン換算で畜肉原料1gあたり0.000001g~0.1gであり、トランスグルタミナーゼの添加量が畜肉原料1gあたり0.0001U~100Uである(1)記載の方法。 アルギニン又はその塩の添加量が、アルギニン換算で畜肉原料1gあたり0.00001g~0.05gであり、トランスグルタミナーゼ
の添加量が畜肉原料1gあたり0.001U~10Uである(1)記載の方法。 さらに、カルシウム塩又はマグネシウム塩を用いる(1)記載の方法。 アルギニン又はその塩の添加量が、アルギニン換算で畜肉原料1gあたり0.000001g~0.1g、トランスグルタミナーゼの添加
量が畜肉原料1gあたり0.0001U~100Uであり、カルシウム塩の添加量がカルシウム換算で畜肉原料1gあたり0.000001
g~0.05g、又は、マグネシウム塩の添加量がマグネシウム換算で畜肉原料1gあたり0.000001g~0.05gで
ある(4)記載の方法。 アルギニン又はその塩の添加量が、アルギニン換算で畜肉原料1gあたり0.00001g~0.05g、トランスグ
ルタミナーゼの添加量が畜肉原料1gあたり0.001U~10Uであり、カルシウム塩の添加量がカルシウム換算で
畜肉原料1gあたり0.00001g~0.02g、又は、マグネシウム塩の添加量がマグネシウム換算で畜肉原料1
gあたり0.00001g~0.02gである(4)記載の方法。 カルシウム塩が塩化カルシウム、又は、マグネシウム塩が塩化マグネシウムである(4)記載の方法。 アルギニン又はその塩とトランスグルタミナーゼを含有する畜肉加工食品改質用の酵素製剤。 トランスグルタミナーゼの含有量が、アルギニン換算でのアルギニン又はその塩1gあたり、0.1U~100000
0Uである(8)記載の酵素製剤。 トランスグルタミナーゼの含有量が、アルギニン換算でのアルギニン又はその塩1gあたり、1U~100000Uで
ある(8)記載の酵素製剤。 さらに、カルシウム塩又はマグネシウム塩を含有する(8)記載の酵素製剤。 トランスグルタミナーゼの含有量が、アルギニン換算でのアルギニン又はその塩1gあたり、0.1U~100000
0Uであり、カルシウム塩又はマグネシウム塩の添加量がそれぞれアルギニン換算でのアルギニン又はその塩1gあた
り、カルシウム換算で0.0001g~1000g、マグネシウム換算で0.0001g~1000gである(11)
記載の酵素製剤。 トランスグルタミナーゼの含有量が、アルギニン換算でのアルギニン又はその塩1gあたり、1U~100000Uで
あり、カルシウム塩又またはマグネシウム塩の添加量がそれぞれアルギニン換算でのアルギニン又はその塩1gあたり、
カルシウム換算で0.001g~500g、マグネシウム換算で0.001g~500gである(11)記載の酵素製
剤。 カルシウム塩が塩化カルシウム、またはマグネシウム塩が塩化マグネシウムである(11)記載の畜肉加工食品改質用
の酵素製剤。
P5811098 / 2 Oct, 2015
このように、上表15に示す通り、3つの食品系において、アルギニン(ARG)とトランスグルタ,ミナーゼ(TG)を併用
することでコントロールに対し優れた食感になることが明らかされている。中でも、挽き肉を用いた食品系における効果が特
に優れ、表示していないが、挽き肉を用いた食品系で、アルギニンとTGを併用により「保汁感」や「肉々しさ」が付与され
ている。ARGやTGの単独添加では付与することのできない新規の効果がある。尚、「保汁感」とは、ハンバーグ等をカッ
トした際に肉汁が溢れ出る「しずる感」とは異なり、噛んだ際に初めて肉汁が染み出してくる感覚であり、しずる感と保汁感
を併せジューシー感と規定している。また、「肉々しさ」とは、肉粒感を持ちながらそれぞれの肉粒の中に繊維感をしっかり
と感じる肉そのものの存在感であり、挽き肉を用いた系でこの食感を付与できることは新しい技術である。以上の結果より、
畜肉加工食品に対してARGとTGの併用の発明は汎用的に使用可能である。
● クーロンカウンタ
「ナショトレ・アプリの全貌Ⅰ」(2016.04.19)で掲載したようにスマートホンの利用方法は様々に応用展開・進化している。
例えば、位置情報としては、GPSだけでなく緻密気圧センサで標高位置も判明できる。また、トランシーバー機能を付加す
ることで、GPSと自律的にリンケージできグループないでの位置情報の確認と無線通話が可能となる。そうすると問題が出
てくる。消費電力が大きくなるという問題。それが先回提案した、自律的ワイヤレスソーラー充電システムで、移動中も無線
給電・充電・残量検出――音声出力させトレッキングなどの移動中もハンズフリーに確認するシステムである。これは、水上
スポーツや空中スポーツ中でも々である。ところで、『ちょっとっだけ量子ドット工学講座 6』「経験則を超えた熊本地震」
(2016.04.20)で紹介した「クローンカウンタ」(US 931669 B2 Semiconductor device)の方式の特徴について触れておこう。
この半導体エネルギー研究所の特許は、動作状況の解析が容易な蓄電装置の提案で計測エラーがでないシステム――二次電池
に、測定手段であるセンサと、判定手段であるマイクロコントローラユニットと、記憶手段であるメモリを付加。センサによ
り二次電池の電池残量、電圧、電流、温度などの状態を測定でき、マイクロコントローラユニットが、測定結果を演算処理し
二次電池の動作状態を判定でき、マイクロコントローラユニットでは、二次電池の動作状態に応じ、測定結果をメモリに記憶
―――の提案である。
「携帯型電子機器の高性能化も着実に進み性能が高まれば消費電力は増えるが、電池駆動時間をいかにして延ばすか」が大き
なテーマであるがなかなか難しい。そこで、電池残量計技術が重要になる。この技術を使い、残量を高い精度で表示すれば、
携帯型電子機器がいきなり使えなくなる事態を防止するのだが、4つの方式がある。
放電が進めば進むほど端子電圧が低下する。この特性を利用して残量を求める。その特徴は、端子電圧の測定というシ
ンプルな構成で電池残量を把握できるが、精度がかなり低い。 クーロン・カウンタ方式は、電池セルに流入した電流と、流出した電流を測定することで残量を求めるもの。具体的に
は、電流検出抵抗を使い充電時に蓄えられた電流量を積算し、放電時に出ていった電流量を求めることで、電池に残さ
れたエネルギー量を算出する。電圧測定方式に比べると精度が高いが、動作温度や経年劣化による電池セルの特性変化
が考慮できず、オフセット・ドリフトが発生し、中途半端な充放電を繰り返すことで誤差(オフセット)が積み上がり
高い精度は得られない。 電池セル・モデリング方式は、使用する電池セルの放電特性や温度特性を測定してデータベースを構築し、電池残量計
ICの内部に格納しておく方法。これと3のクーロン・カウンタ方式を組み合わせことで、動作温度や経年劣化による
電池セルの特性変化も考慮でき、クーロン・カウンタ方式の弱点を補え高い精度が得られるものの電池セルの個体差ま
では考慮できないことになる。、 インピーダンス・トラック方式。現時点において最も高い精度が得られ、電池セルのインピーダンスを捕捉するもので、
どのような電池セルでも、使えば使うほどインピーダンスが高くなりエネルギー容量は減る。インピーダンスが高くな
る要因が、経年劣化だけではなく、温度が低くなったり、放電電流が大きくなったりしても、一時的にインピーダンス
が高くなり、一時的な現象と経年劣化を区別しと高い精度の残量算出を行う。使用する電池セルの放電特性(無負荷時)
や温度特性などの測定データをリファレンス・メモリに格納。稼働時中の電圧と電流、温度をモニターすることで電池
セルのインピーダンスを常時捕捉して、データを更新することで、経年劣化でインピーダンスが高くなったのか、一時
的なものか判定、また測定によりデータ更新するため電池セルの個体差も対応できる。
ということで、ここでも『デジタル革命渦論』が応用展開されているのだ。
● 今夜の一曲
最近まで滞っていた『我が家の焚書記』中、沢山の領収証類の処分している棚の中から、銀行のキャッシュ封筒に数枚の写真
を発見。南京は中山陵(公園)?での写真。季節は早春で寒い日。左から同僚の海川氏、本人、当時、日商岩井の通訳の山口
の奥さん。処分するには惜しいので一枚だけアップすることに。一見すると、三人ともシャープで美男美女の集合写真として
収まってみえる?せっなさがこみ上げる"一期一葉”である。