5割の確率でやるのは愚か。9割の成功率が見込めるようなものは
もう手遅れだ。7割の成功率が予見できれば投資すべきだ。
大事なことは、誰がなんと言おうと、一直線に志に向かっていくこと。
事を起こすのが起業家、事を成すのが事業家、事を治めるのが経営者。
孫 正義
【量子ドット工学講座 22:量子ドット電子デバイス事例】
● 量子光デバイスの製造方法
量子光学アプリケーションは、量子暗号、量子コンピューティングや他のフォトニック系技
術を含む。量子光デバイスは、(1)光子生成が起こる第1セクションと、(2)光子操作
が起こる第2セクションと、(3)光子検出が起こる第3セクションを含むものと考えられ
ている。集積光学回路は、セクション間で光子を輸送(transport)手段をもつ単一の光学チッ
プでの複数のセクションを具備し、より低いコストで、簡略化された集積光学回路を生産す
ることが要求されている。
上図の株式会社東芝の「特開2016-164971 光デバイスおよび光デバイス製造方法」では、セ
クション間で光子を輸送の手段をもつ単一の光学チップでの複数のセクションを、より低い
コストでの製造方法を提供する。それによると、第1材料と第2材料と第3材料で構成され
た光デバイスで、第1材料の層として非ドープのGaAs層109とnドープされたGaAs
層107はフォトニック結晶スラブを構成する。非ドープのGaAs109層は、中間に低
密度InAs量子ドット(QD)の層をもち、第2材料は硬化した流動可能酸化物で、第2
材料は、第1材料と異なる屈折率を有する。第3材料はITO層117であり、フォトニッ
ク結晶スラブ(床構造)の欠陥部分にのみ電気的に接続される。
このデバイスの製造方法は、下図の流れ図に示されている。この方法では、層構造は、基板1
01上に形成され、その後光デバイスを形成のために処理。非プロセス構造は、適切な基板1
01上のエピタキシャル方法で成長する。層は、分子線エピタキシーを用いて成長する。図
に記述される製造方法は、多くの量子ドットを備える層を有するデバイスを製造するもので
ある。
ここで、ステップS203は、「QD層を有する非ドープのGaAs層をnドープされたG
aAs層上に形成する」である。非ドープのGaAs305の層は、非ドープのGaAs層
305の中間で成長した、低密度InAs量子ドット(QD)の層とともにnドープされた
GaAs層303上で成長する。 一実施形態では、ストランスキー・クラスタノフ成長モ
ード技術がQDを形成するために用いられる。nドープされたGaAs層303が成長した
後、非ドープのGaAs305の成長が開始する。非ドープのGaAs層305の成長の中
点では、成長が止まり、InAsの薄層が堆積する。言いかえれば、一旦非ドープのGaAs
層305が所望の厚さの半分まで成長したならば、非ドープのGaAsの成長が止まり、
InAsの薄層が堆積する。その後、残っている非ドープのGaAsが堆積する。InAs
層におけるQDのひずみ誘起による形成がある。QDを形成する他の方法が用いられる。
また、ステップS204は、「メサを形成する」である。このステップで、nドープされた
GaAs薄層303までのリソグラフィおよびウェットエッチングは、フォトニック結晶デ
バイスを含むであろう1つ以上のメサを定義するために用いられる。一実施形態では、例え
ば50x50μmの面積を有する数マイクロメーターの面積を備える1つ以上のメサが、標
準フォトリソグラフィおよびエッチング技術を用いて定義される。メサは、垂直p-i-n
ダイオードが作成され、フォトニック結晶構造をホストする領域を定義する。メサを形成す
るステップは、いくつかの段階を包含する。第1にポジ型フォトレジスト、例えばMicroposit
(登録商標)S1813(登録商標)は、ウェーハの上部でスピンされ、一実施形態では、
レジストの厚さは約数百ナノメータである。次のステップは、例えばS1813レジストに
関するMF319(登録商標)デベロッパーを用いる、紫外線照射および現像である。現像
中に、レジストの露光された領域、すなわち、メサ領域の周囲は除去される。これらの領域
はその後、ウェットまたはドライエッジングを用いてエッチングされる。GaAs系メサの
ウェットエッチングに関しては、H2SO4-H2O2-H2O(硫酸-過酸化水素-水)の混
合物が用いられる。ドライエッジングに関しては、四塩化ケイ素または塩素ガスに基づく
プラズマが用いられうる。エッチングデプスは、スラブの厚み、すなわち非ドープのGaA
s層305の上部からnドープされたGaAs層303の上部までの距離によって定義され
る。nドープされたGaAs層303に到達するとき、エッチングが停止される(以下略)。
また、
● 量子ドット太陽電池の製造方法
光電変換層をp型の量子ドット層とn型の量子ドット層との積層構造とするものが開示され
ている。例えば、株式会社ブイ・テクノロジーの「特開2012-004251 太陽電池」では、次の
ように開示されている。
量子ドットは、約10nm以下の領域に電子を閉じ込め、電子の量子力学的な波の性質を利
用。量子ドットは、サイズに応じ吸収波長が変化(し量子サイズ効果)、小さい量子ドット
は短波長の光(青色光)を吸収し、大きな量子ドットは長波長の光(赤色光)を吸収する。
量子ドットを並べるとその相互作用により新しい光吸収帯形成し光吸収する波長のを広げる。
このように、極めて高い変換効率の太陽電池を得るために、均一な大きさの量子ドットを3
次元的に規則正しく高密度で並べることで可能となる。下図は、量子ドット太陽電池の構造
を示す。
特開2012-004251 太陽電池
上図では、半導体基板100の裏面に裏面電極101が形成され、半導体基板100上にn
(n型半導体)層102が形成されている。このn層102の上に、i(真性半導体)層
103が形成され、このi層の上に、p(p型半導体)層104が形成されている。このp
層の上に格子状のグリッド電極106が形成され、このグリッド電極の開口部に透明な反射
防止膜105が形成される。太陽光は、このグリッド電極の開口部の反射防止膜を透過し、
p層、i層及びn層に入射する。尚、下図はそのエネルギバンド図を示す。
また、i層は、量子ドット層107と中間層108とを交互に積層したもの、この量子ドッ
ト層の間に挿入される中間層の厚さが厚いと、エネルギバンド構造は、下図(a)に示すよ
うになる。太陽光の吸収により励起された電子は、光励起又は熱励起により量子ドットの井
戸から抜け出し、電流として取り出される。このとき、電子の非発光再結合及び発光再結合
が生じ、エネルギの損失が生じる。一方、中間層の厚さを数nm程度まで薄くすると、上図
(b)に示すように、量子ドット間にミニバンドが形成され、太陽光の吸収により励起した
電子及び正孔は少ないエネルギ損失で移動することができ、このi層で生成する電流は多い。
このように、量子ドット層によりi層を構成することで、ミニバンドが形成されるので、太
陽光で電子及び正孔を励起するエネルギは小さくてすみ、少ない吸収エネルギで電子及び正
孔を励起、効率よく電流が生成し、変換効率が高い。また励起した電子は、ミニバンドを伝
導して、n層に至るが、励起した電子は、n層に移る際に、ミニバンドから伝導帯まで障壁
を乗り越える必要があり、従来の量子ドット太陽電池では、取り出せる電流に限界がある。
i層にて太陽光で励起された電子や正孔の流れを、n層やp層に移行する際の障壁を小さ
くして、電流をミニバンドから取り出しやすくした太陽電池を提供するために下図のように
改良する。
上図のn層12と、このn層の上に形成されたi層13と、このi層の上に形成されたp層
14に対し、太陽光が入射する。i層は真性半導体層であり、n層及びp層は夫々n型とp
型の半導体層であるが、いずれも、量子ドット層である。従って、i層で励起された電子は
、n層も含めて、量子ドット層のミニバンドを伝導して、電極に流れる構成、構造にするこ
とで、i層にて太陽光により励起された電子の流れを、p層またはn層に移行する際の障壁
を小さくし、電流をミニバンドから取り出しやすくした太陽電池を提供させている。この事
例の量子ドット層の粒子構造は下図(a)のような模式図が提示され、i層は粒子径が5~
1000nmの多数のシリコン(Si)粒子と、粒子径が5~1000nmのAg(銀)粒
子からなるベース構造をもち、Si粒子とAg粒子とが規則的に配置。また、p層は、同様
に、粒子径が5~至1000nmの多数のシリコン(Si)粒子と、粒子径が5~1000
nmのAg(銀)粒子とが規則的に配置、p層においては、Si粒子にB(ボロン)等のp
型不純物がドープされている。更に、n層12は、同様に、粒子径が5乃至1000nmの
多数のシリコン(Si)粒子と、粒子径が5~1000nmのAg(銀)粒子とが規則的に
配置、n層においては、Si粒子にAs(砒素)等のn型不純物がドープされている。なお、
これらのドープ元素は、上記各元素に限らず、公知のp型ドープ元素とn型ドープ元素を使
用でき、各ドープ元素の量を調整することでp層とn層のフェルミ準位をコントロールする。
尚、ベース構造のAg粒子は、その間隔が一定に規則的に配列され、このベース構造の量子
ドット層の形成方法の一例図示の粒子構造は、ナノ粒子のSi粒子が面心立方格子の格子点
の位置に存在し、面心立方格子の一面において、その3軸が直交する位置にあり、4個のSi
粒子が面心の位置にあるAg粒子に接触する(例えば、インジウム(In)、タンタル(Ta
)、タングステン(W)等のレア・メタルのナノ粒子、金(Au)等の貴金属のナノ粒子も
使用できる)。
この下図a)に示す粒子構造のベース構造は、下図b)ように、Ag粒子とSi粒子(真性
半導体、p型半導体とn型半導体のSi粒子)とを均一分散させた溶液6を、容器5内に貯
留。この溶液6の溶媒は水を使用。基板7は支持部材8に吊り下げ、この支持部材は昇降装
置9により上下動可能になる。昇降装置により支持部材を介し基板を下降させ、基板を溶液
内に浸漬する。これにより、この基板の表面に溶液の層が付着、昇降装置で、基板を引き上
げると基板表面に付着した溶液層は、乾燥過程で、表面張力で縮み、溶液内の粒子のうち、
大径の粒子が最密充填の位置に位置し固化。これにより、最密充填の結晶構造が面心立方格
子の場合には、図示すように、大径のSi粒子が面心立方格子の格子点に位置し、面心位置
にAg粒子が位置し、これらのSi粒子とAg粒子とが配置される面心立方格子の結晶構造
(粒子の配置構造)が3次元的に形成される。尚、基板の引き上げ速度は、数百nm/s~
数十μm/病。基板材質は、ガラス、鉄板やアルミニウムホイル等が使用する。
しかし、これに対し、下図の京セラ株式会社の「特開2016-162886 光電変換装置」では、
前出の事例では、光電変換層を上述のようにp型およびn型の量子ドット層によって形成し
ても、キャリアの移動度が低く、未だ、光電変換効率が低いという問題があると指摘し次の
ような改良提案――n型の成分をドープ成分として含む第1の量子ドット層と、p型の成分
をドープ成分として含む第2の量子ドット層とが積層されている量子ドット集積部を備える
}光電変換装置であって、第1の量子ドット層におけるn型の成分の単位体積当たりの原子
数が、第2の量子ドット層におけるp型の成分の単位体積当たりの原子数よりも多いもの―
に改良する。
JP 2016-162886 A 2016.9.5
【符号の説明】
1、11 量子ドット集積部
1a、11a n型の成分を含む第1の量子ドット層
1b、11b p型の成分を含む第2の量子ドット層
3、5、13、15 導体層
ここで、上図(a)に示した本実施形態の光電変換装置を構成している量子ドット集積部1
は、量子ドット集積部1を構成すn型の成分をドープ成分として含む第1の量子ドット層1a
とp型の成分をドープ成分として含む第2の量子ドット層1bとの間で、第1の量子ドット
層1aにおけるn型の成分の単位体積当たりの原子数が、第2の量子ドット層1bにおける
p型の成分の単位体積当たりの原子数よりも多くなっている点が、上図(b)に示した従来
の光電変換装置を構成している量子ドット集積部1と相違する。
こうすることで、キャリアの移動度が高く、これにより光電変換効率を高めることのできる
光電変換装置を提供する。つまり、上図のように、n型の成分をドープ成分として含む第
1の量子ドット層1aと、p型の成分をドープ成分として含む第2の量子ドット層1bとが
積層される量子ドット集積部1を備え、第1の量子ドット層1aにおけるn型の成分の単位
体積当たりの原子数が、第2の量子ドット層1bにおけるp型の成分の単位体積当たりの原
子数よりも多いもので、このとき、第1の量子ドット層1aにおけるn型の成分の単位体積
当たりの原子数が、第2の量子ドット層1bにおけるp型の成分の単位体積当たりのp型の
成分の原子数の10倍以上である構造・成分を提案する。
くどいようだが、n型の成分を含む第1の量子ドット層1aとp型の成分を含む第2の量子
ドット層1bとの間で、n型の成分の単位体積当たりの原子数をp型の成分の単位体積当た
りの原子数よりも多くしたことにより、第1の量子ドット層1aにおける伝導帯のエネルギ
ー準位(EC)と第2の量子ドット層1bにおける伝導帯のエネルギー準位(EC)とのエネ
ルギー差を従来の光電変換装置よりも大きくできる。これは、ドープした成分の単位体積当
たりの原子数が少ない方(この場合、p型の成分を含む第2の量子ドット層1b)にp/n
接合界面に形成される空乏層Ldの領域がドープした成分の単位体積当たりの原子数が多い
方(この場合、n型の成分を含む第1の量子ドット層1a)側よりも広がる。従って図(a)
では、p型の成分を含む第2の量子ドット層1b側の空乏層Ldの幅Wdpがn型の成分を
含む第1の量子ドット層1a側の空乏層Ldの幅Wdnよりも大きくなる。
これにより量子ドット集積部1における拡散電位(Vd)を従来の光電変換装置に比べて大き
くすることができ、また、光電変換装置としての開放電圧VOCを大きくできる。その結果、
第1の量子ドット層1aと第2の量子ドット層1bとの間に、キャリア(電子e-およびホ
ールh+)の移動度が向上し光電変換効率を向上する。この場合、第1の量子ドット層1a
のn型の成分の単位体積当たりの原子数が、第2の量子ドット層1bのp型の成分の単位体
積当たりの原子数の10倍以上が望ましく、第1の量子ドット層1aのn型の成分の単位体
積当たりの原子数と第2の量子ドット層1bのp型の成分の単位体積当たりの原子数との差
を10倍以上に大きくすると、量子ドット集積部1における拡散電位(Vd)と開放電圧VOC
をさらに向上できる。
さらには、第1の量子ドット層1aのn型の成分の単位体積当たりの原子数を1×1019
atom/cm3以上とすると、第2の量子ドット層1bにおけるp型の成分の単位体積当
たりの原子数を1×1017 atom/cm3未満とするのが良い。また、n型の成分の単
位体積当たりの原子数の好適な範囲は、2×1019~9×1019 atom/cm3、第2
の量子ドット層1bのp型の成分の単位体積当たりの原子数の好適な範囲としては、1×
1016~8×1016 atom/cm3が好ましい。
また、これらの材料を適用した場合、量子ドットQDのサイズ(平均粒径)は1~10nm
特に2~7nmが良い。n型の成分の単位体積当たりの原子数の範囲を2×1019~9×
1019 atom/cm3に、一方、第2の量子ドット層1bにおけるp型の成分の単位体
積当たりの原子数を1×1016~8×1016 atom/cm3にすることが容易となる。
また、上記した量子ドットQDにおいては、電子の閉じ込め効果を高められるという理由か
ら量子ドットQDの表面に障壁層(バリア層)を有していてもよい。障壁層は量子ドットQ
Dとなる半導体材料に比較して2~15倍のエネルギーギャップをもつ材料が好ましく、エ
ネルギーギャップ(Eg)が1.0~10.0evが好ましい。障壁層の材料としてはSi、
C、Ti、Cu、Ga、S、InやSeから選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物(
半導体、炭化物、酸化物、窒化物)が好ましい。
Utada Hikaru - Sakura Nagashi (Evangelion 3.33 Soundtrack)
Beautiful World (Planitb Acoustica Mix) - Credits song of Evangelion 2.22
今日は、11時より宗安寺で母の三回忌を行う。これで精神的に安定するだろうか?そんな
ことを考える。息子たちとわかれ、敬老の日で客でごった返す、中薮の和食麺処「サガミ」
で彼女と二人で、昼食をとり帰宅。
※ サガミ「鴨汁ざるそば」をはじめて注文するが、これはおすすめ。ただ、冷たいざるそ
ばは鴨汁の温度を下げるので、1皿だけ、もう1皿は普通のざるそば汁と分けた方が
良い(残念)。