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キンタ・ラス・カブラスの錨銲効果

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                   およそ国の亡ふるや、その長ずるものをもってなり。
                   人の自ら失うや、その長ずるところのものをもってなり。

                         「枢言」 / 管子


        ※ 凡國之亡也,以其長者也。人之自失也,以其所長者也,
          故善游者死于梁池,善射者死于中野。

          国は長所が徒となり滅び、人はそ特技が徒となって身
          を滅ぼす。泳ぎの名人は溺れ、弓の達人は弓で殺され
          るようなものだ。と説く。          


          

                                                                                                  
                                                                                
                                                    管子 Guan-zi   720–645 BC

 

 


【表面錨銲工学:リチウムイオン電池寿命を12倍に 新正極加工法】

22日、エンジン部品や工作機械、電池製造などを手掛ける安永はリチウムイオン電池の正
極板製造に独自技術を導入し、電池寿命を同社の従来製品比で12倍以上に向上に成功した
と発表。微細加工技術を用い、正極板の集電体と活物質の結合力を改良することで実現。電
池反応の中心的役割を担い、電子を送り出し受け取る酸化・還元反応を行う活物質。この活
物質と集電体(電極)は、一般にバインダーなどの結着材の力で面結合している。しかし、
セル製作時の曲げ応力や、充放電による活物質の膨張収縮などによって徐々に剥離していく。
そしてこの剥離が電池の寿命に大きく影響する。

※ 錨銲(びょうかん)とは、。

  電極表面に微細な溝を形成

 

そこで、株式会社 安永は この活物質と集電体の結合力向上に取り組んだ。独自の微細金型
形成技術を用い集電体に微細な特殊加工を施し、電極表面に規則正しい幾何学模様の微細溝
を形成。これにより電極表面積が拡大し、さらに活物質層に対してのアンカー効果で剥離を
抑制することに成功した。さらに集電体への微細加工時に形成される貫通穴が、両面からの
活物質同士の結合による剥離耐性の向上と、電解液の偏在防止という相乗効果を生むことも
分かった。

次に、この正電極を用いた試作セルで、第三者による充放電サイクルの耐久試験評価を行っ
た。初期容量から70%に減る時点までを寿命とする。すると従来品は5千サイクルで容量
が70%にまで減少したのに対し、開発した正電極を用いたセルでは6万サイクルを必要と
した。つまり、寿命が約12倍に向上したことになる。なお、試作したセルは500mAh(
ミリアンペアアワー)のラミネートセルで、正電極材料にはリン酸鉄リチウムを、負極は被
覆天然黒鉛電極を使用している。

同社によれば今回の微細加工による集電体と活物質の剥離抑制技術は、特に導電性の低いリ
ン酸鉄リチウムやチタン酸リチウムなどに対し、抵抗低減効果による高速充放電性能の向上
に有効だという。今後はリチウムイオン電池を長寿命化できるメリットを生かし同技術を電
気自動車(EV)や モバイル機器などさまざまなアプリケーション向けに展開していくとの
こと。


ここでは、同社の独自の「微細金型形成技術」や製造条件、例えば、プレス条件などの詳細
は不詳(直接メーカに問い合わせればよいが、想像はつくので是非に及ばず)であるが、正
極材である「リン酸鉄リチウム」や正極の構造や製造法がこの種のイオン電池の特性を決定
するものであることが了解できる。なので、下記に関連するとおもわれる特許技術事例を掲載
しておく。

※ 参考特許:



【概要】

冷媒が蒸発する際の気化熱を利用して熱源を冷却する装置として、例えば、ヒートポンプ、
冷凍機等の熱交換器。また、熱源を利用して液体を気体に変換することによるガスの体積膨
張や圧力増加を利用する装置に、火力発電、原子力発電、地熱発電、又は海洋温度差発電等
の各種発電に用いられる発電機がある。これらは、熱伝達効率を向上させるために、伝熱面
積の増大、及び冷媒又は液体の核沸騰促進する方法の研究及び開発が行われている。

しかし、伝熱管は、伝熱管の外表面に複雑な機械加工が施こされ、多孔質層などは、金属粒
子を成形し焼成され加工される。このため、伝熱管は、既存の設備、装置等への追加・改造
が困難である。さらに、複雑な機械加工によって伝熱管を形成する場合、その加工性の制約
等から材質が制限される。

この特許技術(上図)は、熱交換器の放熱面に設置する箔状の伝熱部材で、放熱面に沿い配
置される平坦部と、少なくとも一方の面側に突出する複数の突出部の構成・構造をもち、突
出部の先端に第1開口と平坦部側の第2開口を形成することで空隙を備えることで、装置等へ
追加・改造等を容易に行うことができる伝熱部材及びその製造方法を提供する(上図の記号
Sは断面積である)。

 タップ密度計

正極活物質を含むスラリーを正極板に塗布及び乾燥して正極を作製する際、乾燥時間を速め
る観点から、正極材料のタップ密度――粒状の物体を一定容積に容器に規定条件で詰めた嵩
密度のこと――を高める試みがなされ、例えば70℃~250℃の大気中でスラリーを噴霧
及び乾燥させるスプレードライ法があるが均質にタップ密度を大きくすることが難しい。こ
のため、三井造船株式会社は、リチウム原料と、鉄原料と、リン原料との混合物を焼成して
リン酸鉄リチウムの一次粒子を調製する一次焼成工程(ステップS102)と、一次焼成工
程で得られたリン酸鉄リチウムの一次粒子と、クエン酸とを含む混合物を焼成して、炭素被
覆したリン酸鉄リチウムの二次粒子を調製する二次焼成工程(ステップS106)とで、タ
ップ密度を従来よりも簡便に高めることができるリチウム二次電池の正極活物質の製造方法
が提案されている(下図参照)。

  Aug. 18, 2016

非水電解液二次電池として、正極電極部材、負極電極部材、及び電解液を備えたものが知ら
れている。また、正極電極部材は、正極集電体と、該集電体上に積層された正極活物質層と
を備え、前記負極電極部材は、負極集電体と、該集電体上に積層された負極活物質層とを備
えている。また、正極電極部材と負極電極部材は、通常、セパレータを介して隔てられてい
る。

この種の非水電解液二次電池として、正極活物質がリン酸鉄リチウム化合物といった鉄を含
有する化合物であるものが知られている。かかる非水電解液二次電池は、自動車に装備され
たり、高温環境下で放置されたり使用されたりする場合がある。このような場合、非水電解
液二次電池内部が高温となり、正極活物質中に存在している鉄(Fe)が電解液中に溶出す
るおそれがある。そして、溶出物が負極電極部材の表面で析出し、析出物が該表面を被覆す
ることによって、耐久性の低下や容量の低下が生じるという問題がある。

そこで、このような正極活物質からの鉄の溶出が抑制された非水電解液二次電池が提案され
ている。例えば、活物質または活物質を構成する原料中のFe不純物を、磁力発生装置によ
って除去し、Fe不純物が除去された活物質を用いて製造された非水電解液二次電池が提案
されている。

しかし、正極活物質中の不純物は除去されても、正極活物質構成成分の鉄が含まれ、不純物
を除去しても、高温環境下で放置されたり使用されたたときに、耐久性の低下や容量の低下
が依然として生じる。このため、正極集電体と、集電体上に塗布された正極活物質を含む正
極電極部材と、負極電極部材と、電解液とを含み、正極活物質は、少なくとも鉄含有する正
極活物質とこの酸化物とから構成され、酸化物が、正極活物質の集電体側よりも反対側に多
く含有されることで、高温環境下で放置や使用された場合でも、容量の低下や耐久性の低下
が十分に抑制された非水電解液二次電池の提案がなされている(下図)。

Apr. 21, 2014

 

【こんな技術紹介:深穴90度曲げ放電加工】

岡山大学大学院自然科学研究科の岡田晃教授らのグループは、深穴加工の方向を90度曲げ
られる放電加工技術を開発した。球状電極をワーク(加工対象物)に近接させて金属を溶か
す。金型の冷却用流路などの加工用として利用を提案している(「日刊工業新聞」2016.08.
29)。株式会社 安永の記事を深掘りしていたら、新聞ではなく旧聞なのは、個人的な思い入
れがあるため―――20数年程前金属に直径で50ミクロンを金型の枘穴(ほどあな)加工を
エッチングできない検討したことを突然思いだした(上写真)。

この方法は、球状電極を導電性のワイヤやテープ材でつり下げ、そこにワークを近付けて放
電を起こす。球状電極の自重を利用するため電極の下方向に穴があく。ワークを傾けること
で穴の方向を変える。テープ材がたわんで変形するため、曲がった穴の中でも球状電極に給
電できる。テープ材は周囲を絶縁膜で覆い、テープ材とワークとの間の放電を防いだ。ワー
クをわずかに振動させて加工粉を排出し、通電によるショートを防いだとのこと。

それで、加工性というと、アルミ合金でU字状の深穴を加工できることを確認。球状電極の
直径は5・5ミリメートルで、ワークは0・05ミリ―0・18ミリメートルの振幅で振動
させる。加工の位置精度は約0・5ミリメートルで、金型冷却用の流路には十分な精度とい
う。放電加工はこれまで、穴の形状に応じて専用の電極を用意する必要があった。新手法は
一つの電極で深穴の曲率を変えられる。今後は加工が難しい超硬合金などにも利用していく
とのこと。


 

 

【我が家の焚書顛末記 25:中国思想 管子】        

 

   枢  言  ―― 名言抜粋 ――


  理路整然とした論文も大事であるが、なにげなく述べられた短いことぱの中にも、見
 逃すことのできないような深い意味がかくされていることがある。本篇は、管子の重要
 な短言を集めたものである。「言々これ珠玉」といえるであろう。

  ことば ------------------------------------------------------------------

 「民と地とを先にするときは得、貴と驕とを先にするときは失う」
 「これを量るに少多をもってせず、これを称るに軽重をもってせず、これを度るに短長
 をもってせず」
 「愛は憎しみの始め、徳は怨みの本なり」
 「およそ国の亡ふるや、その長ずるものをもってなり。人の自ら失うや、その長ずると
 ころのものをもってなり」

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  「治者はその名をもってす」

  最高の原題である道は、天にあっては太陽、人にあっては心である。万物は、「気」
 があれば生存し、なければ死滅する。生存できるのは、「気」があるからだ。
  政治のうえで「気」に当たるのは「名分」である。「名分」さえ正しければ治まる。
 国が冶まるのは「名分」が正しいからだ。

 -----------------------------------------------------------------------------

 管子曰:「道之在天者日也,其在人者心也。」故曰:「有氣則生,無氣則死,生者以其
 氣。有名則治,無名則亂,治者以其名。」

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  名君の心得

 「人民を没する、人民に利益をもたらす、人民の役にたつ、人民を安心させる」
  これは退を実践する者のみがなしうることだ。帝王がすなわちそれである。帝王こそ
 は政治のうえでなにを優先し、なにを後回しにするかを心得ていた。土地や人民の利益
 を優先させれば必ず成功するが、貴族や高官の利益を優先させれば必ず失敗する。だか
 らこそ、昔の名君は、なにを優先し、なにを後回しにするか、とくに慎重を朗したので
 ある。

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 樞言曰:「愛之利之,益之安之。」四者道之出。帝王者用之而天下治矣。帝王者,審所
 先所後,先民與地,則得矣。先貴與驕,則失矣。是故先王慎貴在所先所後。

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  貴族、人民、金持の扱い方

  君主は、貴族、人民、金持の扱い方には慎重でありたい。貴族の扱いを沼気にすると
 は家柄にとらわれずに賢人を抜擢することである。人民の扱いを慎重にするとは役人を
 おいて監視させることである。金持の扱いを慎重にするとは生産を奨励し、かれらに富
 を独占されないようにすることである。
  君主が臣下から侮られるか尊敬されるかは、この三者をいかに良うかにかかっている。
 その扱いはよほど慎重にしなければならないわけだ。

  -------------------------------------------------------------------------------

  人主不可以不慎貴,不可以不慎民,不可以不慎富,慎貴在舉賢,慎民在置官,慎富在務
 地。故人主之卑尊輕重,在此三者,不可不慎。國有寶有器有用,城郭險阻蓄藏,寶也。
 聖智,器也。珠玉,末用也。先王重其寶器,而輕其末用。故能為天下生而不死者二,立
 而不立者四。喜也者、怒也者、惡也者、欲也者、天下之敗也。而賢者寶之,為善者非善
 也故善無以為也,故先王貴善。王主積于民,霸主積于將戰士,衰主積于貴人,亡主積于
 婦女珠玉,故先王慎其所積。

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                                  この項つづく

 

 

【今宵も  ホットウィスキーとひとり鍋:ブリとトマトの野菜鍋】

材 料:ブリ 一切れ、豆腐 1/2丁、エノキダケ 50グラム、水 2カップ、野菜
    150グラム(水菜、白菜、ホウレンソウなど)、トマトソース(市販品)100
    グラム、醤油 大さじ2
作り方:鍋に水、トマトソース、醤油を入れ、ひと煮立ちさせ、ブリ、豆腐、エノキダケ、
    野菜を加え加熱(塩分0.1グラム、400カロリー)。 

     

昨夜は、前の職場のOB会の定期総会と工場見学あり出席し帰りに近くのセブンイレブンで
「キンタ・ラス・カブラス / カベルネ・ソーヴィニヨン2014」(チリワイン)とビー
フジャーキーを買う。それにしても、ワン・コインで買えるんだと感心しつつ頂く。同席し
ていた大橋富造現多賀町議員が、あそこで仕事をしていたんだねと元実験室と検査室を指さ
しそう言うので、目をやり仰ぎ見る。たくさん仕事をしたもんだと、俄に思い出したかのよ
うにそう応えた。

「酒に対して当(まさ)に歌うべし 人生幾何(いくばく)ぞ 譬(たと)えば朝露の如(ご
と)し 去る日は苦(はなは)だ多し 慨(がい)して当に以(もっ)て慷(こう)すべし
幽思(ゆうし)忘れ難」である。瞬く間の半世紀、人生いまだ語らずだと、強がりながら、
酸味のきいたカベルネを飲み干すこと美味し。


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