宋人、章甫(しょうほ)を資として越に適く。越人は断髪文身、これを用うるにところなし
役に立たぬ商品 /「逍遙遊」(しょうようゆ)
※ 宋の国のある男が、章甫の冠をしこたま仕入れて、越の国へ行商に出か
けた。ところが、越の人は、髪はザンバラ、からだにはいれずみをして
いる。文明国の冠など見向きもされなかった。
※ 〈章甫の冠〉 章甫は冠の名。殷代に制定されたものというが、代表的
な常用の冠として後世まで用いられた。上下・善悪が逆になり、区別の
ないことのたとえで、孔子が頭にかぶるものを靴にして履いたことに由
来し、有能な人物をつまらない仕事に使うことを意味する。
冷蔵庫を開けると株式会社明治の電子レンジ用ピッツァ&ピッツァ(加工材料は残念ながら国産でな
いから安全・安心評価点では10点満点中、≦5点になる)が2分20秒(5百ワット)で食感・風
味評価点で≧8点)と高評価に入る。価格は、≦150円/枚(税抜き)。販売開始時期は2014年頃
(想定)だから、この分野での加工食品の進歩は眼を見張るものがある(村上春樹は食べないようだ
が)。ただし、今日のランチは、定番の「キャベツのザク切り豚ロースのソテー/蒸し煮アリーオー
レ添え」なし。そこで、いつものように技術背景をリサーチすることに。
まずはピザ生地術:パン類の風味を改良方法の一つに発酵種製法があり、具体的には、小麦粉やライ
麦粉に乳酸菌や酵母などの微生物を自然発酵させ、発酵種調製し、これをパン生地に練り込み、発酵
させ、酸味や香味に優れたパンなどをつくる。この発酵種製法では、小麦粉やライ麦粉に元から存在
する発酵用の微生物を使用し、その微生物の種類や活性は小麦粉毎やライ麦粉毎に異なり、品質が安
定しない。また、小麦粉やライ麦粉には発酵用の微生物だけでなく、その他に雑菌なども存在し、発
酵種やパン類を発酵させる際に必然的に増殖しやすく品質が安定しない。
この問題解決法として、発酵用の微生物を事前に単独で培養させる発酵種調製法と、その発酵種を使
ったパン類の製造方法が提案されている。❶例えば、生米等の乳酸菌発酵物を磨砕した乳液状の発酵
種を、パンの第一次原料粉に添加混捏し、イースト菌の不存在下で、乳酸発酵のみを先行させ、生地
中に重量比で0.5% 以上の乳酸を生成させた乳酸生地の製造法がある。このの乳酸生地に、第二次
原料粉、イースト砂糖、食塩、油脂等のパン生地に必要とする原料を所定量で加え、本練りし、パン
生地を調製し、以降、常法の通り、イースト発酵を主とする発酵、分割、ねかし、整型、焼成等する
サワーブレッドの製造方法の提案がある。また、❷サワー種生地製造で、37~43℃に最適生育能
を有するラクトバチルス デルブルッキー 亜種 ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp.
bulgaricus)やストレプトコッカス サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)等の所謂、ヨーグル
トなどの乳製品から分離された乳酸菌や、食品に含まれるか、若しくは食品製造に使用される、高温
生育能を有する乳酸菌を使用する、サワー種生地の製造法が提案されている。ここで、❶では、生米
等の乳酸菌発酵物のみでパン生地(乳酸生地)を調製する専用の工程追加が必須となり、全体として
工程が煩雑となり、この方法では、乳酸菌のみでパン生地を発酵し、イースト菌などの酵母を使用し
ておらず、風味や物性の観点から十分でない。
乳酸菌と酵母について、乳酸菌は原核微生物であるのに対し、酵母は真核微生物であり、微生物学的
に分類が異なっている。また、乳酸菌は通性嫌気性菌であり、好気性の条件下及び嫌気性の条件下で
共に生育できるのに対し、酵母は好気性菌であり、嫌気性の条件下では生育しないことも知られてい
る。このような状況に対し、本発明では、乳酸菌と酵母(パン酵母)の共存下において、ピザ生地(
パン生地)を安定して発酵させられる発酵種の調製方法を提供すると共に、この発酵種を使用した、
風味と食感に優れたピザクラスト(パン類)の製造方法を提供することを課題とする
本件では乳酸菌入り乳性食品、パン酵母を穀類粉、水とを混合・混練してから発酵させることで、煩
雑な工程を必要とせずに、新規な発酵種を調製(開発)できることを見出し、さらに、この発酵種を
ピザ生地(パン生地)と混合・混練してから発酵させることで、煩雑な工程を必要とせずに、新規な
ピザクラスト(パン類)を製造(開発)できることを見出し、このとき、乳酸菌とパン酵母の菌叢の
バランスなどが崩れることなく、一定の品質のピザクラスト(パン類)を商業的に安定して製造でき
ることも見出している。
そして、このピザクラストに各種の具材などをトッピングしてから、そのピザをそのまま加熱調理(
オーブン、電子レンジなど)するか、若しくは、そのピザを冷蔵や冷凍で保存した後に、加熱調理し
たところ、ピザクラストが適度な焦げ目の付いた良好な焼色を呈し、香ばしくて、芳醇で良好な風味
と、しっとりとして、もちもちとした食感を有することを見出す。
【特許請求範囲】
することを特徴とするピザクラストの製造方法。 乳酸菌入り乳性食品が発酵乳であることを特徴とする前記1.1.記載のピザクラストの製造方法。 穀類粉が小麦粉/ライ麦粉であることを特徴とする1./2.記載のピザクラストの製造方法。 モルトエキス/糖類を配合することを特徴とする1.~3.の何れか記載のピザクラストの製
造方法。 ピザ生地における穀類の固形分のうち2~80重量%を発酵種の固形分で置換することを特徴
とする1.~4.の何れか記載のピザクラストの製造方法。 乳酸菌入り乳性食品及びパン酵母を穀類粉に配合してから発酵させることを特徴とする発酵種
の調製方法。 乳酸菌入り乳性食品/パン酵母を同時に穀類粉に配合し発酵させることを特徴とする発酵種の
調製方法。
本件では、乳酸菌と酵母(パン酵母)の共存下で、ピザ生地(パン生地)を安定して発酵させられる
発酵種の調製方法が提供できる。つまり、本家では、乳酸菌入り乳性食品/パン酵母を穀類粉及び水
と混合・混練してから発酵させることで、煩雑な工程を必要とせずに、新規な発酵種を調製して提供
している。
● 特開2016-135150 硬質または半硬質ナチュラルチーズ及びその製造方法
つぎに、現在、様々なナチュラルチーズが市場に流通し、それぞれ特徴のある品質をもつ。また、市場拡大を
目的に消費者の要望に応じた品質を有するチーズが開発されているが、そのような食品素材としてのナチュ
ラルチーズの品質は、❶風味と❷加工調理特性とに大別される。チーズ品質を構成する風味には、フレッ
シュ(非熟成)タイプのチーズにおいては「新鮮な乳の風味」や「さわやかな発酵風味」が主立った
もので、熟成タイプのチーズにおいては「旨味成分や香りからなる熟成風味」として知られている。
ここで「熟成風味」は、チーズカードを構成する乳脂肪や乳タンパク質が原料乳中の酵素、凝乳酵素
有用微生物由来の酵素等の働きにより分解され、様々な呈味物質や芳香物質の変化で生じる。有用微
生物には、乳酸菌、カビが例示されているが、多くのナチュラルチーズに共用される乳酸菌の酵素が、
チーズの風味形成に果たす役割は特に重要である。
一般に、熟成に関与するペプチダーゼなどの酵素の種類は、乳酸菌の種類により異なり、また、その
1菌体あたりの酵素量は、同じ菌種であっても株によって異なっている。従って、所望のチーズ風味
を短期間で発現し、チーズ製造者は乳酸菌の種類や株を選択してチーズ製造に使用、例えば、チェダ
ーチーズやゴーダチーズのような硬質・半硬質チーズの製造に最もよく使用される乳酸菌スターター
は、ラクトコッカス・ラクティス、優良株を選択して使用することで4から6ヶ月の間に十分に熟成
されたチーズを製造できる。
従来のゴーダチーズやチェダーチーズの製造の際に用いられてきたラクトコッカス・ラクティスは、
原料乳中の乳糖を資化する際に、その構成糖であるグルコースとガラクトースの双方を利用するため、
これらのチーズでは、焼き目の原因といわれる所謂メーラード反応を起こさないことを発見したこと
で、ペプチダーゼ活性をもちながらも、ガラクトース資化性しない乳酸菌を選択て――ペプチダーゼ
活性を有し、ガラクトース資化性をもたないラクトバチルス・ブルガリカスを原料乳に添加すること
を含む、加熱調理により少なくとも一部/全部に焼き目を生ずる硬質または、半硬質ナチュラルチー
ズ――を製造する方法 チーズの製造に使用すれば、既存のアジャンクトスターター用乳酸菌と同様
のチーズの熟成促進効果ばかりでなく、熟成風味が強く、また加熱調理時に焼き目の付く硬質または
半硬質ナチュラルチーズが得られる。
以上、2つの特許技術などを背景として、商品化されていることがわかる。
この様に電子レンジ用ピザが販売できているのだが、上写真の白磁のプレート/シャーレも工夫が欲
しくなる。例えば、❶料理の保温、❷軽くて、❸割れなくて、❹フォークやナイフがカチャカチと音
がしない、電子レンジ用白磁のプレート/シャーレが欲しい。例えば、木質バイオマス由来の保温/
吸音材を内包した艶やかな白磁/白磁もどきの食器ができればその需要は相当大きなものとなるだろ
うと(この件は継続事案扱い中)。
● コンタクトレンズ型バイタルセンサで健康診断
ある日、糖尿病Ⅰ型患者が、コンタクトレンズ上の透明なセンサを介し、血糖値を監視しインスリン
注入をコントロールするだろうとオレゴン州立大学の研究グループはこのように話す。このセンサは、
目の涙液などの生理学的緩衝溶液中の微妙なグルコース変化を検出することができるナノ構造トラン
ジスタ、具体的には、日本の細野秀雄東京工業大学元素戦略研究センター長が発明したアモルファス
酸化インジウムガリウム電界効果トランジスタ(IGZO FET)を使う。
FETの密集した六角形のナノ構造ネットワークは、安価な製造が可能な補完的パターニング技術の成
果。これらの技術には、❶コロイドナノリソグラフィーと❷電気流体力学的印刷、❸またはインクジ
ェットと類似した、はるかに細かい液滴サイズを作り、インクではなく生物材料で作業するe-jetがあ
り、青少年糖尿病研究財団の資金提供で開発される。グルコースモニタ用コンタクトレンズを開発し
てきた。開発担当者は、❶アンペロメトリックセンサで、コンタクトレンズの側面配置させ、❷信号
がセンササイズに依存し、信号を検出限界まで小さくする必要がある。 FETセンサを使用すれば、実
際にはこれを小さくし、信号出力を向上できる。この研究は、ポンプからインスリンを投与用のカテ
ーテルの周りに巻き付可能になグルコースセンサを開発研究に基づく。
現在、糖尿病患者は、皮下に埋め込んだ電極で血糖値を継続的にチェックしているが、このようなモ
ニタリングは痛みを伴い皮膚の炎症や感染を引き起こす恐れがあるが、使い捨てのバイタルセンサ用
コンタクトレンズは、より実用的で安全で、はるかに身体への侵入性の少ない手段であると Gregory
Herman オレゴン州立大学教授らの研究グループはこのように話す。また、2,500以上のバイタルセン
サがIGZO FETのコンタクトレンズの1平方ミリのパッチとして埋め込まれ、それぞれが異なる身体
機能を測定する設計を想定しているという。
Youtube Apr. 4, 2017
涙には、チェックできる情報量がかなりあり、グルコースだけでなく、乳酸(敗血症、肝臓病)、ド
ーパミン(緑内障)、尿素(腎機能)、それにタンパク質(癌)もある。目標は、単一のセンサから
複数のセンサにまで拡大することにある。現在のモデルではグルコースの検査しかできないが、この
技術が他の化学物質を嗅ぎ当てるために活用できるかどうかは、今後の課題となる。こちらのセンサ
はまだ開発段階にあり、コンタクトレンズには組み込まれていない。ゆくゆくはこの装置の改良版で
無線周波数(RF)を介し受信機にデータを送信すると語る。現状では、プロトタイプはセンサの外部
にデータを送信せず、人力で装置の電流を測定して値を読み取っている。
● 世界初 光子一つが見える「光子顕微鏡」ついに実現
通常、試料をカラー観測する際には、白黒画像しか得られない電子顕微鏡ではなく、光学顕微鏡が用
いられる。光学顕微鏡は、試料からの光をレンズで集光してCMOSカメラなどの光検出器で観察する。
しかし、試料からの光が極めて弱くて光検出器の検出限界を下回ると観測できない。産総研は、超伝
導現象を利用した超伝導光センサーの開発を進めきているが、これまでに、光の最小単位である光子
を1個ずつ検出し、光子の波長(色と関係している)も識別できる光センサーを実現。今回、この超
伝導光センサを顕微鏡の光検出器として用いて、従来の光学顕微鏡の検出限界を大幅に超える「光子
顕微鏡」を開発、光子数個程度の極めて弱い光でカラー画像の撮影に世界で初めて成功する。
待
今回開発した顕微鏡を用いて、❶生体細胞の微弱発光の観察や❷微量化学物質の蛍光分析など、医療・
バイオ分野や半導体分野における研究開発・製品開発での利用が期待される。光の最小単位は光子で
あり、それ以上分けられない最小のエネルギーを持つ。このように光子は粒子の性質を持つが、同時
に波動性も持つため固有の波長も持っている。アインシュタインの光量子説では、光子のエネルギー
と波長には相関性があるため、光子のエネルギーを測定すればその波長も識別できる。産総研が開発
した超伝導光センサーは、超伝導薄膜からなる光検出部と、光を閉じ込めるための誘電体多層膜から
なる。極低温に保持された光検出部に光子が入射すると、光子のエネルギーによって一時的に超伝導
状態が壊れ、電気抵抗が変化する。その抵抗変化の大きさから光子のエネルギーが分かるので、光子
の波長を識別できる。
今回、この超伝導光センサーを光学顕微鏡の光検出器に用いた光子顕微鏡を開発(上図)。まず、観
察する試料のある場所からの極微弱光をレンズ系で集光し、光ファイバーで冷凍機内の超伝導光セン
サーへと光子を導く。超伝導光センサーは、冷凍機内で温度100 mKに維持されている。到達した光子
を超伝導光センサーで1個ずつ分離検出してそのエネルギーを測定し、ある一定の時間内に到達した
光子の数とそれぞれのエネルギー(波長)から、測定場所の試料の色を識別する。試料を走査して、
場所ごとにこの測定を繰り返すことで、カラー画像が構築できる。
光子顕微鏡の性能を実証するため、カラー印刷したテストパターンを極微弱光で照らし、反射光を、
カラーCMOSカメラを用いた一般的な光学顕微鏡と、今回開発した光子顕微鏡でそれぞれ撮影して比
較した。試料からの反射光の光強度が微弱だと、光学顕微鏡では色を見分けることが困難(上図2(a))
であったが、光子顕微鏡では同じ光強度でも、赤、黄、青の各色を明瞭なコントラストで識別できた(
図2(b))。この測定では1測定点あたりの光子数は、平均して20個程度(露光時間50 ms)であり、
これは0.16 fW(フェムトワット)程度の極微弱な光強度に相当する。これほどの極微弱光で鮮明なカ
ラー画像が得られたのは世界初となる。
図2(b)では、波長400 nm~700 nmの可視光領域の光子だけから画像を構築したが、今回光子顕微鏡に
用いた超伝導光センサーは、波長200 nm~2 µmの紫外光や赤外光領域も含む広範な波長領域の光子を
識別でき、スペクトル測定も可能である。光の反射・吸収の波長や、発光・蛍光の波長は物質により
異なるが、広い波長領域で光子を検出できる今回の光子顕微鏡によって、さまざまな物質からの光子
を、その物質に特徴的な波長から識別できるので、複数の物質を同時に高感度観察できることが期待
されている。
♘ Titol: Few-photon color imaging using energy-dispersive superconducting transition-edge sensor spectrometry
Kazuki Niwa, Takayuki Numata, Kaori Hattori & Daiji Fukuda, Scientific Reports 7, Article number: 45660
(2017), doi:10.1038/srep45660, Published online:04 April 2017 ♞
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アモルファス化合物半導体(IGZO FET)のバイタルセンサ開発で、細野秀雄東京工業大学元素戦略研
究センター長(初めてお会いした時は東工大教授の肩書きで、今はなき宇井純東大教授とのエピソード
が印象的に残っている。現在ではノーベル賞受賞候補者の筆頭に位置する方である。勿論、事業開発
のリサーチ活動の一齣である。いかに構想を画けるかで決まる世界。半導体。ディスプレイなどの製
造ラインを持っていなければ応用展開できないことは決定されたようなもの、「千三つ以下の世界」
である。しかし、コンタクレンズ型バイタルセンサ(バイオセンシング)システム事業とは面白い。
これの実現に一番近いのが日本人っだと確信している(開発企業体が欧米などの外国であったとして
も)。
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「常在戦場」がことごとく現実に起きてきている。シリアにおける、サリン・テロ、それに対応し、
米国の巡航ミサイルによる報復攻撃。暴力/武力のテロでは解決できないことは自明なのだが、世界
は愚かである。話は変わる。中世ヨーロッパを下地にした「剣と魔法の世界」を舞台に、身の丈を超
える巨大な剣を携えた剣士ガッツの復讐の旅を描いたダーク・ファンタジーのアニメ「ベルセルク」
の放送が始まる。1989年に創刊され今年で27年の大作である。深夜2時過ぎMBSで放送される。
そういえばノルウェイでは完全電動フェリーの就航が話題となっているが、ベルセルク(異能の戦士
)はひょっとすると、ここに一人いるのではないか。
Apr. 4, 2017
♘ Pining for cleaner air in the Norwegian fjords - BBC News