羿(げい)の彀(こう)中に遊ぶに、中央は中(あた)るの
地なり、然り而して中らざるものは命なり
徳充符(とくじゅうふ)
※ 宰相と兀者: 考えてみれば、この現実の中で生きている人間はみな、弓
の名人羿(げい)の矢ごろの中におかれているようなものだ。真正面に立
っていながら矢にあたらずにすむ者もいよう。だがそれは、その人の運命
としかいいようがないではないか。矢にあたるも、あたらぬも、人それぞ
れの運命にすぎぬ――申徒嘉(しんとか)は兀者(ごつしゃ)である。か
れと鄭(てい)の宰相子産(しさん)とは、ともに伯昏無人(はつこんぶ
じん)のもとに学ぶ同門の間がらにもからかわらず、子産は兀者の申徒嘉
といっしょに帰ることを嫌った差別行為を諭す場面。
☑ 高品質の白色光源開発のコア素材
照明に用いられる、高品質の白色光源としての白熱光電球は、低効率/短寿命のため始終から消滅
しつつある。実際に、政府は白熱光電球の販売を禁止する規準を通過させているが、代替技術の開
発が求められている。その中で、固体素子照明(SSL)――発光ダイオード(LED)―――は、
主としてLED技術が成熟し、高効率と長寿命の両方もち急速普及展開している。これらの固体素
子光源、例えば、色変換媒体を有するブルーまたは紫外(UV)光源、RGB3色白色光源、ブル
ー-イエローの2色白色光源があり、これらは、LED、有機発光ダイオード(OLED)、およ
び量子ドット(QD)OLEDまたはその組み合わせを用いられている。最も広く用いられる白色
LED技術は、例えば約450nmの波長で発光するブルーLEDチップによりポンピングされた
セリウムドープYAG:Ce(イットリウムアルミニウムガーネット:セリウム)ダウンコンバー
ジョン蛍光体が用いられ、LEDからのブルー光とYAG蛍光体からの広いイエロー発光の組み合
わせにより白色光が得られる。この白色光は色調指数(Color Rendering Index、CRI)70~80
を与え、いくらかブルーに見える。
しかし、高いCRI、すなわち、85より高くさらに90よりも高いCRIを有する光源は、一般
の照明用で、より豊富な色空間(color space)をもつディスプレイ用のバックライトに相応しい。写
真/映画写真などの他の特殊な用途に対しては、さらに高いCRIを有する白色光源が相応しく、
さらに、科学研究用の、黒体放出される光に近い品質の光を放出し特定の色温度を有する光源が求
められている。つまり、理論的に、最適な白色光源はいわゆる黒体であり、白熱光電球を除き、人
工の白色光源は黒体から発する光に匹敵する品質をもつ光とはならない。、約3200℃の白熱光
電球は低い色温度をもち、太陽光は6500℃であり、さらに、照明用途のために白熱光電球およ
び/または、太陽光を用いることは、UV部分とIR部分を含むスペクトルになり、人間の目のた
めに無用/または望ましくない。したがって、エネルギーの損失を意味する。したがって、望まし
い照明光源は人間の目が感じるスペクトルを制限している。
✪技術的な観点から、数十年の開発の後、蛍光体材料は既に成熟し、効率が高く、耐久性があり、
用途が広い。✪経済的な観点から、蛍光体材料は非常に安価であり、したがって、競争力があるが、
蛍光体だけがダウンコンバーターとして用いられるとき、CRIは低く、これは白色の品質を低く
する。したがって、既存システムの改善によって、高品質、例えば、高いCRIを有する白色を得
ることが非常に要求されているが、この発明目的は高品質=高いCRIを有する白色光を得るため
に、組成物を備える組成物/アレイを提供にある。 驚くべきことに、非常に高いCRIを有する白
色光を得るために、✪フォトルミネセント化合物と共に、✪量子ドット(quantum dot)を使用でき
ることが見出された。❶量子ドットは容易に製造することができ、❷有機蛍光体またはリン光体化
合物比べて狭い発光スペクトルをもち。❸それらは、量子ドットの最大発光を決定する寸法(=光
閉じ込め効果に完全依存)に関し微調整することが可能であり、❹高いフォトルミネセント効率も
量子ドットで得ることができる。❺さらに、その発光強度は用いられるその濃度によって微調整で
きる。❻さらに、量子ドットは多くの溶媒に可溶であり、❼または一般的な有機溶媒に容易に可溶に
でき、広範囲のプロセス方法、特にスクリーン印刷、オフセット印刷、およびインクジェット印刷
などの印刷方法が可能である(下記/下図参照)。
☑ 特許事例:特開2017-62482 ダウンコンバージョン
【要約】
【解決手段】i×jのアレイ要素aijを備えるアレイAijであって、前記アレイAijが、1
つ以上のアレイ要素aijの中で局在化された少なくとも1つの量子ドットを備える少なくとも1
つの組成物を備え、iは行インデックスであり、jは0よりも大きな列インデックスであり、i=
j=1の場合、アレイ要素a11は少なくとも2つの量子ドットと、少なくとも1つのフォトルミ
ネセント化合物を備えることを特徴とするアレイで、高い色純度を有する白色光を発生するのに用
いることができるアレイおよび装置の提供。
● 太陽光と「恵みの雨」で、卸電力価格「0ドル」下回る
☑ 水力発電の増加で余剰電力が生じ「ネガティブプライス」に
米国カリフォルニア州は、長期間にわたり干ばつに悩まされてきた。だが、一転して昨年末から豪
雨と降雪が続き、記録的な降水量となっている。大雨と春先の雪解け水が今まで枯渇していたダム
に流れ込み始めた。ダムの貯水量は満タン状態を超え、放水する大量の水で州内の水力発電がフル
稼働となる。本来なら、「恵みの雨」に、もろ手を挙げて喜ぶところなのだろうが、太陽光発電事
業者にとっては、ちょっと状況が違うというのだ(日経テクノロジーオンライン 2017.04.24)。
☑ 電源構成の4割がメガソーラー
今年3月11日、カリフォルニア独立系統運用機関(CAISO)内で午前11時から午後2時の間に
供給された電力の40%がメガソーラー(大規模太陽光発電所)から送電された。電源構成に占め
る太陽光発電の比率が、ここまで高くなったは初めてという。ちなみにこの日の太陽光発電からの
ピーク電力供給は8784メガワット(8.784ギガワット)に達す(下図参照)。同州では、
空調がなくても過ごしやすい冬の終わりから春先にかけ、昼間の電力需要が年間で最も低い「昼間
軽負荷期」となる。一方でこの時期、日が伸びるにつれ太陽光の発電量が伸びてくる。そこに、豊
富な水力発電が加わり、電力供給が過剰となっている。こうした需給のゆるみを反映し、卸電力市
場の前日市場・リアルタイム市場では、過去3カ月間の中で最も低い価格で取り引するという経験
することになる。
♞ カリフォルニア独立系統運用機関(CAISO)内での今年3月11日における再生可能エネルギー
による時間帯別電力供給量(オレンジ色が太陽光発電)
つまり、2013年~2015年の3月における午前8時から午後2時の間のメガワットアワー当たりの卸
価格は、約14~45ドルであったが、今年3月の同時間帯におけるメガワットアワー当たりの卸
価格は0ドルを下回る「ネガティブプライス」を付けたことが何回か経験する。 「ネガティブプ
ライス」は、稼働停止、または再稼働にコストのかかる発電所を運営する事業者が、技術的に許容
される最低の設備利用率以下に稼働率を下げない、または完全な稼働停止を避けるための手段とし
て使われるという状態――発電設備の稼働率を維持するために「お金を払って発電する」というこ
とになる(下図)。
☑ お金を払って発電する
♞ CAISOでのリアルタイム市場平均取引価格(1月,2月,3月の電力平均取引卸価格、青線が2017年
の価格)
CAISOは、電力の需給バランスを調整する責任事業者、または系統運用者として、地域内の高圧送
電を運用・制御しつつ、需給バランスを維持し、系統電力の周波数を安定化する。現在、カリフォ
ルニア州の電力供給量の80%以上を供給、総延長2万6024マイルの送電線を通じ、3千万の
電力需要家に対し、年間2億6千万メガワットアワーの電力を送電する。現在CAISOの送電網に接
続されている発電設備の容量は計71.74ギガワット。うち、再生可能エネルギーは28.5%を
占め、太陽光発電はさらにそのうち約50%を占める(下図)。近日の水力と太陽光発電の拡大に
より、大規模な「出力抑制」が必要になると予想(6千~8千メガワット相当の出力抑制対象)。
☑ 水力と太陽光の「出力抑制」へ
♞ 上図は時間帯別ネット電力需要(2017年3月11日)、赤線は総電力需要を示し、緑線は総需要
から大規模太陽光発電と風力による電力供給量を差し引いたネット需要、下図は、時間帯別風
力・太陽光発電供給量、青線は風力、オレンジ線は太陽光発電
さらに、CAISOが数年前に提示した「ダックカーブ」の到来が早くなると予想。「ダックカーブ」
とは、太陽が照る日中は見かけ上の電力需要が低くなり、太陽の沈む頃から需要が急激に増え、さ
らに、太陽光発電の供給と需要のギャップが太陽光の導入が拡大するとともにさらに広がり、昼間
には供給過剰が生じる。出力抑制は一般的には最終手段とされ、通常、供給が需要を超えると、電
力取引価格が下がり、対応として、✪発電調整の効く発電事業者は発電量を減らせるが、✪柔軟性
に欠ける再エネ発電所が問題となり、さらにネガティブプライスも引き起こすためCAISOは強制的
な出力抑制がが発生する。あるいは、需要側からの調節対応するが、しかし、再エネの「出力抑制」を
防ぐには、逆にオフピーク時の昼間の電力消費を促し、供給余剰を吸収する必要があり、該当時間
帯の別電気料金制度での対応もある。✪それ以外にも、中・大規模の圧空電池などの電力貯蔵・蓄
電を設備を保有することで、需給バランスをとることで調整できる。これらによりエネルギーに依
存しない「エネルギーフリー社会の実現」が、この地方が先駆事例となることを示唆している。こ
れは、実に心強い。
☑ 圧縮空気エネルギー貯蔵 さあ!出番だ。
☑ GaNだから小型、高効率
Transphorm(トランスフォーム)は2017年4月19~21日の会期で開催されている展示会「TECHNO-
FRONTIER 2017」(テクノフロンティア2017)で、量産出荷しているGaN(窒化ガリウム)を用いた
HEMT(高電子移動度トランジスタ)製品の採用事例を公開。Transphorm製GaN HEMTが採用されて
いるのは、送電側本体の先端部に取り付けられたPFC(力率改善)ユニット部分。ワイヤレス充電シ
ステムの開発は、GaN HEMTをPFCユニットに採用した理由として、❶シリコンのパワートランジス
タに比べ、GaNは高速スイッチングが行えるのでPFC回路を小型化できることと、❷変換効率が高い
ことの2つを挙げている。
PFCユニットは、容量250W(最大出力電流0.7A)で、サイズは100×90×38.5mm。PFCユニットの効率は
AC200V入力、DC360V出力時の変換効率は96%を誇る。ワイヤレス給電部分も高効率という特長があ
り、ワイヤレス給電システム全体での変換効率は90%。シリコンパワートランジスタを使用すると、
全体の変換効率は良くて80%台で、せっかくの高効率ワイヤレス給電技術の意味がなくなってしまう。
この他、Transphormブースでは、逆回復時間の短いGaN HEMTの利点を生かしブリッジダイオードを
使用しないトーテムポール型PFC回路を採用した電源製品やGaNを採用したサーボモータ製品などの採
用事例を紹介。新電元工業と共同開発を進めているハーフブリッジモジュール(下図)の参考展示など
も実施されている。
18.好奇心が殺すのは猫だけじゃない
私は白分から家の外に出て免色を迎えた。そんなことをするのは初めてだったが、とくに何か
理由があって、その目に限ってそうしたわけではない。外に出て身体を伸ばし、新鮮な空気が吸
いたくなっただけだ。
空にはまだ円い石盤のような形の雲が浮かんでいた。海の遥か沖の方でそんな雲がいくつもつ
くられ、それが南西からの風に乗って、ひとつひとつゆっくりと山の方に遥ばれてくるのだ。い
ったいどのようにして、そんなに美しい完璧な円形が、おそらくはこれという実際的意図もなく
次々に自然につくり出されていくのか、それは謎だ。あるいは気象学者にとっては謎でもなんで
もないのかもしれないが、少なくとも私にとっては謎だ。この山の上に一人で往むようになって
から、私は様々な種類の自然の驚異に心を惹かれるようになっていた。
免色は襟のついた、濃い臙脂色のセーターを着ていた。上品な薄手のセーターだ。そして青が
かすれて今にも消えそうなほど淡い色合いのブルージーンズをはいていた。ブルージーンズはス
トレートで、柔らかな生地でできていた。私が見るところ(あるいは私の考えすぎなのかもしれ
ないが)、彼はいつも白髪がきれいに際だつ色合いの服を意識して身につけているようだった。
その脱脂色のセーターも白髪にとてもよく似合っていた。その白い髪は、いつものようにぴった
り適度の長さに保たれていた。どのように処理しているのかはわからないが、彼の髪はそれ以上
長くなることもなければ、それ以上短くなることもないようだった。
「まずあの穴に行って、中をのぞいて見てみたいのですが、かまいませんか?」と免色は私に尋
ねた。「変わりはないか、ちょっと気になるもので」
もちろんかまわない、と私は言った。私もあれ以来、あの林の中の穴に近寄ったことはなかっ
た。どうなっているのか見てみたい。
「申し訳ないのですが、あの鈴を持ってきてくれませんか」と免色は言った。
私は家に入り、スタジオの棚の上から古い鈴を持って戻ってきた。
免色はジャガーのトランクから、大型の懐中電灯を取りだし、それをストラップで首からかけ
た。そして雑木林に向かって歩き出した。私もそのあとについていった。雑木林はこの前に見た
ときより、いっそう濃く色づいているようだった。この季節には山は、一日ごとにその色を変化
させていく。赤みを増す木があり、黄色に染まっていく木があり、いつまでも縁を保つ木がある。
その取り合わせが美しかった。しかし免色はそんなことにはまったく関心を持たないようだった。
「この土地のことを少し調べてみました」と免色は歩きながら言った。「これまでにこの土地を
誰が所有していたか、何に使われていたか、そういうことです」
「何かわかりました?」
免色は首を振った。「いいえ、ほとんど何もわかりませんでした。以前、何か宗数的なものに
関連した場所ではないかと予想していたのですが、私の調べた限りではどうやらそういうことも
なさそうです。どうしてここに祠やら石塚やらかつくられていたのか、その経緯はわかりません。
もともとは何もないただの山地であったようです。そこが切りひらかれ、家が建てられた。雨田
典彦さんがこの地所を家付きで購入したのは、一九五五年のことです。それまではある政治家が
山荘として所有していました。たぶん名前はご存じないでしょうが、戦前には大臣までつとめた
人です。戦後は引退同然の暮らしを送っていました。その人の前に誰がここを所有していたか、
そこまでは辿れませんでした」
「こんな辺鄙な山の中に政治家がわざわざ別荘を持つなんて、少し不思議な気がしますが」
「以前このあたりにはけっこう多くの政治家が山荘を持っていたんです。近衛文麿の別荘も、た
しか山をいくつか隔てたところにあったはずです。箱根や熱海に向かう道筋にあたるし、きっと
何人かで巣まって密談をおこなうにはうってつけの場所だったのでしょう。東京都内で要人が顔
をあわせると、どうしても人目につきますから」
我々は蓋として穴に被せてあった何枚かの厚板をどかせた。
「ちょっと底に降りてみます」と免色は言った。「ここで待っていてくれますか?」
待っていると私は言った。
免色は業者が置いていってくれた金属製の梯子をつたって下に降りた。一段足を下ろすごとに
梯子が軽い軋みを立てた。私はその要を上から見下ろしていた。被は穴の底に降りると、懐中電
灯を首からはずしてスイッチを入れ、時間をかけてまわりを子細に点検した。石壁を撫でたり、
拳で叩いたりした。
「この壁はずいぶんしっかり、緻密に造ってありますね」と免色は私の方を見上げて言った。
「ただ井戸を途中まで埋めたというものではないように思えます。井戸ならおそらくもっと簡単
な石積みで済ませるはずです。これほど丁寧に手をかけてこしらえたりしない」
「じやあ、何か他の目的のために造られたということなのでしょうか?」
免色は何も言わずに首を振った。わからない、ということだ。「いずれにせよ、この壁は簡単
には登れないようにできています。足をかけるような隙間がまったくありませんから。穴の深さ
は三メートルもありませんが、上までよじ登るのはむずかしそうだ」
「簡単に登れないようにこしらえてあるということですか?」
免色はまた首を振った。わからない。見当もつかない。
「ひとつお願いがあるのですが」と免色が言った。
「どんなことでしょう?」
「手間をとらせて申し訳ないのですが、この梯子を引き上げて、それからできるだけ光が入らな
いようにぴたりと蓋を閉めてくれませんか?」
私はしばらく言葉が出てこなかった。
「大丈夫です。何も心配することはありません」と免色は言った。「ここに、この真っ暗な穴の
底に、一人で閉じ込められているというのがどういうことなのか、自分で休験してみたいだけで
す。ミイラになるつもりはまだありませんから」
「どれくらい長くそうしているつもりなんですか?」
「出してほしくなったら、そのときは鈴を振ります。鈴の音が聞こえたら、蓋を外して梯子を下
ろしてください。もし一時間たっても鈴の音が聞こえないときには、そちらから蓋を外してくだ
さい。一時間以上ここにいるつもりはありませんから。私がここにいることを、くれぐれも忘れ
ないように。もしあなたが何かの加減で忘れてしまったら、私はそのままミイラになってしまい
ますから」
「ミイラとりがミイラになる」免色は笑った。「まさにそのとおりです」
「まさか忘れたりはしませんが、でも本当に大丈夫ですか、そんなことをして?」
「ただの好奇心です。しばらく真っ暗な穴の底に座っていたいんです。懐中電灯はそちらに渡し
ます。そのかわりに鈴を持たせてください」
彼は梯子を途中まで登って拡に懐中電灯を差し出した。拡はそれを受け取り、鈴を差し出した。
彼は鈴を受け取って、軽く振った。くっきりとした鈴の音が聞こえた。
私は穴の底にいる免色に向かって言った。「でももし、ぼくが途中で凶暴なスズメバチの群れ
に刺され意識を失ってしまったら、あるいは死んでしまったら、あなたはこのままここから出ら
れなくなってしまうかもしれませんよ。この世界では、何か起こるかわかったものじやありませ
んから」
「好奇心というのは常にリスクを含んでいるものです。リスクをまったく引き受けずに好奇心を
満たすことはできません。好奇心が殺すのは何も描だけじやありません」※
「一時間経ったらここに戻ります」と私は言った。
「スズメバチにはくれぐれも気をつけて下さい」と免色は言った。
※ 英国のことわざ(Curiosity killed the cat)の訳。英語に「Cat has nine lives.」(猫に九生あり・猫
は9つの命を持っている/猫は容易には死なない)ということわざがあり、そんな猫ですら、持ち前
の好奇心が原因で命を落とす事がある、という意味。転じて、『過剰な好奇心は身を滅ぼす』と他人
を戒めるために使われることもある。
この項つづく