荘公二十八年:晋の驪姫(りき)の禍 / 斉の桓公制覇の時代
※ 現在の山西宵一帯にさかえた晋(しん)は、姫姓、侯爵の国。
第十九代目の当主、献公(名は詭諸)は、治政二十六年の間に、
着々と勢力を伸長し、周囲の諸小国を併呑した。その子、文公
の代になって天下に覇をとなえる基礎は、ここにきずかれたと
いってよい。だが、献公は晩年、驪姫の愛に溺れて、お家騒勣
の端を開く。
※ 武公の子の献公の時代に、献公の寵姫である驪姫が自らの息子
を跡継ぎにしようと画策(驪姫(りき)の乱(中国語版))し
たため、太子である申生(英語版)(しんせい)は自殺を強い
られ、公子の重耳と夷吾は国外に逃亡した。驪姫の息子以外の
公子はほとんど殺され、また驪姫も息子と共に反対派に殺され
た。その後、諸国を放浪していた重耳が戻り晋公(文公)とな
ると、周室の内乱を治めたり、城濮の戦い(紀元前632年)で楚
を破るなど強大になって覇者となり天下を経営した(Wikipedia)。
● デジタル地震予知工学時代ナウ
【RE100倶楽部:太陽光発電篇】
● ZEB用外壁ソーラーパネル技術課題
● ジェイアール東日本の5番目のエコステ・モデル小渕沢駅
今月18日、小淵沢駅が「エコステ」モデル駅として17年7月3日に生まれ変わると山梨県北杜市
とジェイアール東日本が発表(上図)。駅舎とホーム全てにLED照明を導入。ホーム上屋に108枚、駅
舎屋根上には40枚の太陽光パネルを設置。年間発電量の試算は5万3137kWh(キロワット時)の発電量
となる。公表によると、地域の人々や観光客に親しまれ、記憶に残るような駅舎を心掛けたと話す。
北杜市を囲む八ヶ岳や南アルプスの山々、山岳から湧き出る清流は重要な自然遺産――このような山
岳と清流による風景を駅舎のデザインに取り込むため、カラーデザインは周辺環境に調和するようブ
ラウン系を基調とし、一部に木材を活用。八ヶ岳や甲斐駒ヶ岳、日本三大巨峰などを堪能できる「屋
上展望デッキ」も設置する。
このように、ジェイアール東日本が12年から推進する「エコステ」は、➊最初のモデル駅(12年
3月)となったのは、中央線四ツ谷駅。計17個のエコメニューが実施。例えば点灯時間の長いホーム、
コンコースのLED導入では、年間約113万トンの二酸化炭素削減に貢献。屋上や壁の緑化活動も進めて
いる。また、四ツ谷駅では、全体の二酸化炭素排出量を08年度比で40%削減を目標に設定、既
に14年度二酸化炭素排出量では41%削減を達成する。❷13年9月に2番目のモデル駅の京葉線
海浜幕張駅は、太陽光発電パネルや風力発電機を設置。太陽光を高架下に伝送する光ダクトや、地中
熱を利用した換気システムも導入し「創エネ」メニュー」を達成。➌15年4月、4番目のモデル駅
東北本線福島駅では、軽量型太陽光パネルや有機薄膜太陽電池を活用、「福島県再生可能エネルギー
推進ビジョン」を推進中、➍17年4月に6番目のモデル駅の南武線武蔵溝ノ口駅は、省エネのLED
照明や高効率空調機器、壁面緑化システムを導入した他、環境価値を駅のデジタルサイネージも設置。
さらに、❺東北本線平泉駅、➏常磐線湯本駅に、今回の小渕沢駅を加え計7つの「エコステ」のモデ
ル駅となる。
● ソーラーパネルの最終課題
オールソーラーシステムの中核であるソーラーパネルの課題を考えてみて、✪都市部のビルディング
の外壁(❶窓ガラスは解決済み)が最後の課題になる。この場合、❷住宅用のソーラールーフは解決
済み扱いとなる。建造物は✪耐久性が課題となり、仮に建造物の耐久性を百年として、パネルの耐久
性が10年であれば10回、20年で5回の更新が必要となりこれは高層ビルでは相当の費用を要す
ことになるだろう(技術開発が進化しても)。✪さらに、意匠性が問だとなる、例えば、ペロブスカ
イトハイブリット太陽電池、あるいは化合物半導体太陽電池は、❶耐久性、❷変換効率、❸意匠性に
いずれも問題がある。例えば、表面や背面に質感や色彩を加工を加えると❷は低下もしくは犠牲する
必要があり、変換効率としては加工後も20%は維持したい。それ以外の技術課題は、経済性(市場
ベース)を織り込んでも解決できると考えている。これらが解決できれば、「再生可能エネルギーに
によるエネルギーフリー社会」は世界でいち早く日本に到来すると考えている。尚、これらの小考え
に下記の特許を参考としたので掲載しておく。
✓ 特開2011-038384 屋根用パネル及び屋根用パネルの取り付け構造 株式会社カナメ
✓ 特開2007-243166 屋根用発電システム 株式会社NTTファシリティーズ
【革新的な家庭用発蓄電酸化還元システム】
先月6日、ニューキャッスル大学らの研究グループが公表した 酸素または水素を生成できのオンディ
マンドでエネルギー供給できる化学ループ空気分離システム(CLAS:Chemical Looping Energy-on-Dem-
and System)が話題となっている(上/下図ダブクリ参照)。このシステムで1つで、暖房、冷房の空
調、発電、蓄電でき近い将来家庭什器として普及しているかもしれない。
天然ガス、石炭などの化石燃料やバイオマス燃料などのエネルギー源で電力を発生させ、またはグリ
ッドや再生可能エネルギーを、マンガン、コバルト、銅の金属酸化物の酸化還元反応(反応ループ内
部で、酸素、水素が生成している)を利用し蓄えることができる。現在のシステムはかなり大きいが
将来は冷蔵庫サイズまでコンパクト化し、24キロワット/日の発電能力、約4500ドル/台の廉価
な標準化をめざし開発中である。いまのところ心臓部の酸化還元反応カセットを定期的に交換する(交
換周期は6ヶ月~2年/価格は未定)。このほか、例えば、化石燃料を原料とする場合、排出二酸化炭
素量は1/3まで削減でき、また、余剰電力、あるいは酸素、水素を貯蔵し販売することもできる。こ
れは、技術ハードルも多いだろうが、面白い発明である。
May 24, 2017 inhabitat
図2 高純度酸素製造化学ループ空気分離プロセス(CLAS)の概略図(US 9346023B2)
図3 典型的な酸素燃料石炭火力発電所の概略図(US 9346023B2)
図24 化学ループ式燃焼システムの二重管反応器(酸素接触)の概略図
30.そういうのにはたぶんかなりの個人差がある
わりに最近になって二度ばかりその高校時代のガールフレンドの夢を見た。ひとつの夢の中で
我々は夏の夕方、大きな川の畔を並んで散歩していた。私は彼女にキスをしようとした。でも彼
女の顔の前にはなぜか長い黒髪がカーテンのようにかかっていて、私の唇は彼女の唇に触れるこ
とができなかった。そしてその夢の中で彼女は今でも十七歳なのに、私の方はもう三十六歳にな
ってしまっていることに、私はそのとき突然気がついた。そこで目が覚めた。それはとても生々
しい夢だった。私の唇にはまだ彼女の髪の感触が残っていた。彼女のことなんて、もうずいぷん
長く考えたこともなかったのに。
「それで、妹さんは先生よりいくつ年下だったの?」とまりえはまた急に話題を変えて尋ねた。
三歳下たった」
「十二歳でなくなったのね?」
「そうだよ」
「じやあ、そのとき先生は十五泉だったんだ」
「そうだよ。ぼくはそのとき十五歳だった。高校に入ったばかりだった。彼女は中学校に入った
ばかりだった。君と同じで」
考えてみると、今ではコミは私よりもう二十四泉も年下になっている。彼女が亡くなってしま
ったことで、当然ながら我々のあいだの年齢差は年ごとに開いていく。
「わたしのお母さんが死んだとき、私は六識だった」とまりえは言った。「お母さんはスズメバ
チに身体を何カ所もさされて死んだの。この近くの山の中を一人で散歩をしているときに」
「気の毒に」と私は言った。
「生まれつき体質的に、スズメバチの毒に対してアレルギーがあったの。救急車で病院に運ばれ
たんだけど、そのときにはもうショックでシンパイ停止になっていた」
「そのあとで叔母さんが一緒におうちに住むようになったの?」
「そう」と秋川まりえは言った。「彼女はお父さんの妹なの。わたしにもお兄さんがいたらよ
かったんだけどな。三歳くらい年上のお兄さんが」
私は一枚目のデッサンを終え、二枚目にかかった。私はいろんな角度から彼女の姿を描いてみ
たかった。今日一目はそっくりデッサンに当てるつもりだった。
「妹さんとケンカはした?」と彼女は尋ねた。
「いや、喧嘩をした記憶がないんだ」
「仲がよかったのね?」
「そうだったんだろうね。仲が良いとか悪いとか、そういうのを意識したことすらなかったけれ
ど」
「ほとんど独身って、どういうこと?」と秋川まりえが尋ねた。またそこで話題が転換したわけ
だ。
「もうすぐ正式に離婚することになる」と私は言った。「今は事務的な手続きを進めている最中
だから、ほとんどというわけだよ」
彼女は目を細めた。「リコンってよくわからないな。わたしのまわりにはリコンしたひとって
いないから」
「ぼくにもよくわからないよ。なにしろ離婚するのは初めてだから」
「どんな気持ちがするもの?」
「なんだか変てこな気持ちがするっていえばいいのかな。今までこれが自分の進だと思って普通
に歩いてきたのに、急にその道が足元からすとんと消えてなくなって、何もない空間を方角もわ
からないまま、手応えもないまま、ただてくてく進んでいるみたいな、そんな感じだよ」
「どれくらい結婚していたの?」
「ほぼ六年間」
「オクさんはいくつなの?」
「ぼくより三つ歳下だよ」。もちろん偶然だが、妹と同じだ。
「その六年間って、ムダにしたと思う?」
私はそのことについて考えた。「いや、そうは思えないな。無駄に費やされたとは思いたくな
い。楽しいこともけっこういっぱいあったし」
「オクさんもそう考えている?」
私は首を振った。「それはぼくにはわからない。そう考えていてほしいとはもちろん思うけど」
「訊いてみなかったの?」
「訊いてみなかった。今度、機会があったら訊いてみるよ」
Big breasts, little breasts
我々はそれからしばらくのあいだまったく口をきかなかった。私は二枚目のデッサンに意識を
集中していたし、秋川まりえは何かについて――乳首の大きさだか、離婚のことだか、スズメバ
チだか、あるいはほかの何かについてI真剣に考え込んでいた。目を細め、唇をまっすぐ結び、
両手で左右の膝を掴むようにして、思考に深く身を沈めていた。彼女はそういうモードに入って
しまったようだった。私はその生真面目な表情をスケッチブックの白い紙の上に記録していった。
そして作業を切り上げた。それまでに私は三枚のデッサンを描き上げていた。どれもなかなか興
味深い造形だった。それらは来るべき何かをそれぞれに示唆していた。一日ぷんの仕事にしては
悪くない。
秋川まりえがスタジオの椅子に座ってモデルをつとめた時間は、全部で一時間半強というとこ
ろだった。初日の作業としてはそれが限度だろう。馴れない人が――とくに育ち盛りの子供が、
――絵のモデルをつとめるのは簡単なことではない。
秋川笙子は黒総の眼鏡をかけ、居間のソファに座って熱心に文庫本を読んでいた。私か居間に
入っていくと眼鏡を取り、文庫本を閉じてバッグにしまった。眼鏡をかけていると彼女はずいぶ
ん知的に見えた。
「今日の作業は無事に終わりました」と私は言った。「よかったらまた来週、同じ特間にいらし
ていただけますか?J
「えええ、もちろん」と秋川笙子は言った。「ここで一人で本を読んでいると、なぜかとても
気持ちよく読めるんです。ソファの座り心地が良いからかしら?」
「まりえさんもかまわないかな?」と私はまりえに尋ねた。
まりえは何も言わずこっくりと肯いた。かまわない、ということだ。叔母の前に出ると、彼女
はさっきまでとは打って変わって寡黙になった。あるいは三人でいることが気に入らないのかも
しれない。
そして二人は青いトヨタ・プリウスに乗って帰って行った。私はそれを玄関で見送った。サン
グラスをかけた秋川笙子は窓から手を出して、私に小さく何度か手を振った。小さな白い手だっ
た。私も手を上げてそれに答えた。秋川まりえは顎を引いて、ただまっすぐ前方を見ていた。車
が坂を下って視界から消えてしまうと、私は家に戻った。二人がいなくなると、家の中はなぜか
急にがらんとして見えた。当然あるべきものがなくなってしまったみたいに。
不思議な二人組だ、と私はテーブルの上に残された紅茶のカップを眺めながら思った。でもそ
こには何かしら普通ではないところがある。しかし彼女たちのいったいどこが普通ではないのだ
ろう?
それから私は免色のことを思い出した。まりえをテラスに出して、彼が双眼鏡で彼女をよく見
ることができるようにしてやるべきだったのかもしれない。しかしそれから考え直した。どうし
て私がわざわざそんなことをしなくてはならないのだ? そうしてくれと頼まれてもいないのた。
いずれにせよ、これからまだ機会はある。急ぐことはない。たぶん。
31.あるいはそれは完璧すぎたのかもしれない
その日の夜に免色から電話がかかってきた。時計はもう九時をまわっていた。運い時刻に電話
をかけたことを彼は詫びた。つまらない用事があって、今までどうしても手があかなかったのだ
と彼は言った。まだしばらくは眠らないから、時刻のことは気にしなくていいと私は言った。
「どうでしたか、今朝のお仕事はうまく運びましたか?」、彼は私にそう尋ねた。
「まずまずうまく運んだと思います。まりえさんのデッサンをいくつか仕上げました。来週の日
曜日、また同じ時刻に二人はここにやってきます」
「それはよかった」と免色は言った。「ところで、叔母さんはあなたに対して友好的でしたか?」
友好的? その言葉には何か奇妙な響きがあった。
私は言った。「ええ、なかなか感じの良い女性に見えましたよ。友好的と言えるかどうかまで
はわかりませんが、とくに警戒的な様子もありませんでした」
そしてその日の朝に起こったことをかいつまんで説明した。免色はほとんど息を詰めて私の話
を聞いていた。そこに含まれた細かい具体的な情報を、ひとつでも多く有効に吸収しようとして
いるようだった。ときどきちょっとした質問をする以外、ほとんど口をきかなかった。ただじっ
と耳を澄ませていた。彼女たちがどんな服を着て、どんな風にしてやってきたか。どんな風に見
えて、どんなことを口にしたか。そしてどのように私は秋川まりえをデッサンしたか。私はその
様子を免色にひとつひとつ教えた。しかし秋川まりえが自分の胸が小さなことを気にしていると
ころまでは言わなかった。そういうことはたぶん、私と彼女とのあいだに留めておいた方がいい
はずだ。
「来週私がそちらに顔を出すのは、きっとまだ少し早すぎるでしょうね?」と免色は私に尋ねた。
「それは免色さんが決めることです。ぼくにはそこまでは判断できません。ぼくとしては、来週
お見えになってもとくに問題はないような気はしますが」
免色はしばらく電話口で黙っていた。「少し考えなくちやならない。ずいぶん微妙なところで
すから」
「ゆっくり考えてください。絵を描き上げるまでには、まだしばらく時間はかかりそうですし、
機会はこれから何度もあると思いますよ。ぼくとしては来週でも再来週でも、どちらでもかまい
ません」
免色がその上うに思い惑うのを前にするのはそれが初めてだった。私がそれまで見たところ、
たとえどの上うなことであれ、決断が速く迷いのないところが免色という人物の持ち昧だったの
だが。
私は免色に今日の朝、双眼鏡でうちを見ていたのかどうか尋ねようかと思った。秋川まりえと
その叔母の姿はちゃんと観察できたのかと。しかし思い直してそれはやめた。彼の方から言い出
すのではない限り、その話題は持ち出さない方が賢明だろう。たとえ見られているのが私の往ん
でいる家であったとしても。
免色は私にあらためて礼を言った。「いろいろと無理なお願いをして、申し訳なく思っています」
私は言った。「いえ、ぼくにはあなたのために何かをしているというつもりはありません。ぼ
くはただ秋川まりえの絵を描いているだけです。描きたいから描いているだけです。表向きも実
際にも、そういう話の流れになっているはずです。とくにお礼を言われるような筋合いはありま
せん」
「それでも私はあなたにずいぷん感謝しているんです」と免色は静かに言った。「とてもいろん
な意味で」
いろんな意味というのがどういうことなのか、私にはよくわからなかったが、それについてあ
えて質問はしなかった。もう夜も遅い。我々は簡単におやすみの挨拶をして電話を切った。しか
し受話器を置いたあと、免色はこれから眠れない長い夜を迎えるのかもしれないと、私はふと思
った。彼の声にはそういう緊張の響きが聞き取れた。きっと彼には考えを巡らさなくてはならな
いたくさんのものごとかおるのだろう。
この項つづく
【進撃の人工知能】
最近、コンピューターゲームの人工知能が世界的プロの棋士を撃破し話題となっている。今月23日、
Googleグループの人工知能研究所DeepMindが開発したAlphaGo(アルファ碁)と、中国の最強棋士の柯潔
(かけつ)九段との試合で、以前、AlphaGoはイ・セドル(韓国の世界トップ棋士)に勝てても私には勝
てないと発言していた柯九段が、第1戦目に対局は接戦したものの、半目差でAlphaGoに負けた。Deep
Mindのデミス・ハサビスCEOは「偉大な対局を行った柯潔氏に敬意を表します。非常に接戦した、興
奮する対局。柯潔氏がAlphaGoの限界を押し上げたことにも敬意を表す。囲碁は可能性に限界がほとん
どない、すばらしい題材。AlphaGoは、囲碁棋士、囲碁コミュニティーを真の囲碁へと連れ出し、より
多くを発見できるツールだと考えている。囲碁棋士たちは昨年の対局を楽しんでくれたものと思うが、
この偉大なるゲームの理解につながったることを願うとコメントしている。 いまや、人工知能進化はと
どまるところを知らない。
因みに、アチキは、囲碁、将棋、チェスのトライアスロンにチャレンジ。結果は、ボロボロ。脳疲労で
アルコール度数は上がり放し。