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Channel: 極東極楽 ごくとうごくらく
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ネット・ゼロ・エネルギーハウスを語る。

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       僖公二十七・八年:城濮(じょうぼく)の戦い / 晋の文公制覇の時代  

 

                            


    ※ 楚、宋を囲む:僖公二七年(-633)―中原進出をねらう南万の新興国楚、
            むかえうつ中原の雄晋、両者の決戦は、宋をめぐる争いに端を発した。話
            はまず楚の働静からはじまる。
      【経】二十有七年冬、楚人・陳候・蔡候・鄭伯・許男、宋を囲ひ。十有二
      月甲戌、公、諸侯に会して宋に盟う。

    ※ 楚の令尹・子玉 楚の成王は宋を攻めようとし、その準備のために子文に
      命じ、睽(けい)の地で演習を行なわせた。子文は午前中で簡単におわら 
      せ、兵士か一人も処罰しなかった。日をあらため、令尹の子玉(成得臣)
      も蔿(い)で演習を行なった。午前午後を費やして入念に行ない、鞭打た
      れた兵士三人、耳を破る刑に服した兵士七人、合わせて十人の処判者を出
      す厳しさであった。子玉の指揮ぶりを見て、楚の有力者たちはすっかり感
      服し、かれを令尹に推挙した子文のもとにお祝いに集まった。子文はかれ
      らに酒をふるまってもてなした。その席に、若輩の蔿買(孫叔敖の父)だ
      けが、遅く来たうえに祝いの言葉一つ述べようとしなかった。子文がそれ
      をなじると酉貿は、「わたくしには何で祝うのか、わけがわかりません。
      あなたが子玉を令尹に推挙されたのは、わが楚国の安定を願えばこそのこ
      とでした。それには内政の安定だけでは不十分です。どんなに内政が安定
      したところで、戦に敗れたのでは元も千もなくなってしまいます。もし、
      子玉が戦に敗れたとすれば、かれを推挙したあなたの責任になります。国
      を敗北に導くような推挙を、何で祝うことができましょう。

      それというのも、子玉がひとりよがりで礼をわきまえぬ男だからです。あ
      の男には人心を把捉することができません。統率力に欠けているのです。
      戦の指揮をとるにしても、率いる軍勢が兵車三百を越えれば、かれには統
      率できません。無事に帰還することは不可能でしょう。祝うとすれば、帰
      還を見とどけてからでも遅くはございません」

    ※ 〈子文〉闘穀於菟、宇は子文、楚の前令尹。その誠実な人柄を孔子も賞め
      ている(『論語』公冶長)。 

 

 No.37

 【RE100倶楽部:ゼロ・エネルギ-・ハウス篇】

今夜は、「発電する超高層ビルディング」(2017.06.05)のソーラータイル事業、あるいは、「ソー
ラーペイント事業を語る。」(2017.06.15)にひきつづき、政府がすすめている、ZEH(ゼッチ)(
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)――住宅の高断熱化と高効率設備により、快適な室内環境と大
幅な省エネルギーを同時に実現した上で、太陽光発電等によってエネルギーを創り、年間に消費する
正味(ネット)のエネルギー量が概ねゼロ以下となる住宅政策(下図ダブクリ参照)と関連する事例
研究を俯瞰し未来の住宅及びビルディング事業プラットフォームを俯瞰する。 

 

● ZEHの利便性と課題

2015年、フランス・パリで開催されたCOP21で、日本は家庭部門の二酸化炭素排出量を2030年までに
4割削減する目標を掲げている。そこで、注目されているのが ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス。国
のエネルギー基本計画では、「2020年までに標準的な新築住宅でZEHを実現」、「2030年までに新築住宅
の平均でZEHを実現」といった目標が設定されている。省エネ基準を強化した高断熱基準をZEH基準と
し設定。経済産業省の資料では、「高断熱基準、設備の高効率化で省エネ基準の20%以上の省エネを満
たした上で、太陽光発電等でエネルギーを削ることにより正味でゼロ・エネルギーを目指す」となって
おり、正味で75%省エネを達成したものをNearly ZEH、正味で100%省エネを達成したものをZEHと
定義。一般消費者に対する啓蒙、普及に当たっては、「光熱費削減」や「エネルギー自立による防災性能
の向上」、「快適性・健康性の向上」など、ZEHに住むことのメリットを広報する必要があり、認定低炭素
住宅、スマートウエルネス住宅、ライフサイクルカーボンマイナス住宅等、類似する住宅指標との違
いの明示も重要である。また、現状では、ZEHは一般住宅に比べ割高だという問題もある。ハウスメ
ーカーやに務店がZEH普及の自社目標を設定し、大量生産化・低コスト化に向けて産業発体で価格を下
げていく。それを後押しするための国の補助も重要だと解説されていが、これを強力に推進するため
には、中央政府が国土計画法、建築基準法の法整備――2015年7月、建築物のエネルギー消費性能の向
上に関する法律(建築物省エネ法)が国会で成立。適合義務・届出等の規制的措置については2017年4月、
表示制度等の誘導的措置については2016年4月から施行。表示制度については、ガイドラインの第三者
認定制度(BELS)を位置づけ、対象建築物を住宅に拡充する等の改正。また、ZEHのブランド化向け「Z
EHマーク」や「ZEHビルダーマーク」も開発。現在、全国で約5500社がZEHビルデーに登録。2016年度の
ZEH支援事業の申請件数は過去最多の9993件を達成――と「ネット・ゼロ・エネルギー国債」などの財
政的な担保(信用創出)が喫緊課題となる。

また、住宅のスマート・ウエルネスを目指した研究では、築20~35年の住宅について、生活スタイルの
変化や中古住宅流通を契機とした省エネ改修を想定し、ケーススタディを実施。BEST住宅版を用いた
シミュレーションで省エネ性、健康性の改善効果を評価。国がCOP21で掲げた家庭部門の二酸化炭素
排出量削減目標達成には、今後、戸建てに加え集合住宅、新築に加えストック住宅の性能向上が重要
になる。 

● 最近の最終エネルギー消費の推移と目標

民生部門(業務・家庭)のエネルギー消費は著しく増加し、現在では、全エネルギー消費量の3分の1を
占めている。パリ協定に先立ち、国が国連気候変動枠組条約事務局に提出した約束草案の「エネルギー
起源二酸化炭素の各部門の排出量目安」で2030年度までに「業務その他部門」で40%、「家庭部門」で
39%の削減が位置づけられている。このような状況から、住宅・建築物における省エネ対策の抜本的
強化が必要不可欠となっている。住宅・建築物の省エネ施策は、①規制的措置、②省エネ性能の表示・
情報提供、③インセンティブの付与といった分野で施策が講じる。①規制的措置は、2015年7月、建築
物の省エネ性能の向上を図る目的で建築物省エネ法を制定し、従来から求められていた届出義務に加え、
一定規模以上の住宅以外の建築物に対する省エネ基準への適合義務を創設した。具体的な手続きは、省
エネ基準適合を確認する適合性判定を受けることを求め、建築確認、完了検査といった建築基準法に基づ
く規制と連動させることで、非常に強い規制となっている。



省エネ性能の表示・情報提供については、従来から実施していた住宅性能表示制度やCASBEEに加え、昨
年4月より、建築物省エネ法の表示のガイドラインに基づく第三者認証制度「BELS」がスタート。 今年
年4月現在で既に2万件を超える住宅・建築物がBELSの認証を受けている。消費者が省エネ性能を児て
物件を選ぶような社会の実現を目指し、国としても引き続き省エネ性能の見える化を推進。 ③インセ
ンティブの付与に間しては、「融資」、「脱」、「補助」の様々な支援策が講じられている。融資としては、住
宅金融支援機構の「フラット35S」で、省エネ性能の高い認定低炭素住宅等について、当初10年間の金利
を引き下げられるなど、省エネ性能に応じたインセンティブが盛り込まれている。税制についても、新
築の認定長期優良住宅や省エネリフォームに対する所得税、固定資産税等の特例措置が講じられており、
省エネ性能の高い住宅の供給及び省エネリフォームの推進を図る。補助事業は、地域における木造住宅
の生産体制強化の観点から、中小工務店が建設するゼロエネルギー住宅等の省エネ性能の高い住宅に対
して支援。また、宵エネ・省二酸化炭素の観点から先導的なプロジェクトを支援し、先導的な技術の普及・
波及を推進。さらにスマートウェルネス住宅等推進事業として、「断熱改修等による居住者の健康への影
響調査」を支援。本年1月には、中間発表として、省エネ(断熱)改修の健康影響に関する調査結果されて
いる。 

● 地方創成とインセンティブ付与策

2016年から始まった電力の小売前面自由化は、エネルギー関連業界だけでなく、建築業界にも大きなイ
ンパクトを与えた。約10兆円の家庭部門におけるエネルギー市場を形成は、建築業界に大きなチャンス。
電戸建住宅が年間で使用する電力は約5千キロワット。ZEHなら、理論的には年間のエネルギー量はゼ
ロになる。ZEHや省エネ住宅かなか浸透しない理由は、新築時のコストにある。住宅購人後に発生する
電気コストまで見込めば、普通の家も省エネ住宅もコストの差はなくなる。コストに差がない状態で選
ぶなら、環境にも人にも優しく、長持ちする省エネ住宅を選ぶ人は多くなる。後払いのエネルギーコス
トは意外と高い。向こう30年で計算すれば、約750万円との試算がある。例えばハウスメーカーや工務店
が消費電力3分の1のエコハウスを提案した場合、エネルギーコストとして電力会社へ行くはずだった
3分の2のお金は、ハウスメーカーや工務店、地域の建材屋、職人の手に渡り、地域経済の循環を生み
出す。エネルギーシフトは地方創生の基本だととらえる考え方が重要でエコハウスを提案し、お金の流
れを変えることで地域経済が循環する。



省エネ、高断熱の点において、日本の住宅はかなり遅れている。遅れた理由は、他の国に比べ明らかに少
ない暖房エネルギーにある。ちなみにパリ、ロンドン、東京の冬の気温を比較した場合大差はない。こ
の暖房エネルギーの差は、国民が寒さを我慢してたたき出した省エネと言える。日本の平均的な家庭の
寝る前の室温は14~15℃。朝起きた時には10℃まで下がっている。問題は、これが非常識な環境だとい
うことに気づいていないことにある。 -40~-50℃の極寒で暮らす北米の狩猟民族が住むイグルー(雪の家)
でも、室温は13~15℃に保たれている。“冷えは万病のもど'と言うが、寒さは体に悪い。省エネ性能、
断熱性能の低い家が蔓延しているうえ、寒さを我慢する国民性がある。浴槽での脳卒中などによる溺死
だけで年間4千人、後遺症を抱えている人はさらに多いと考えられる。こうした現状を踏まえた上でも
省エネ・高断熱の整った長期優良住宅、ZEH、エコハウスなどの提案は、ますます重要になる。電力やガス
の自由化による家庭部門10兆円の市場は、エネルギー会社だけのビジネスではない。省エネハウスを
提案できる建設業界にとっても、新たに出現した大きな市場である。  

● 注目 三菱電機のENEDIA(エネディア)戦略とは

2016年度の日本の新築戸建建築戸数は、約40万戸だった。そのうちZEH(ゼッチ:ネット・ゼロ・エネ
ルギーハウス)は約5万戸。これを経産省は2020年には新築住宅の“過半数"をZEHと提言している。
今後、ZEHの市場が盛り上がってくる。それを見越し神奈川県の大船にある「三菱電機の「ENEDIAハ
ウス大船」には、ユニット工法の二階建て住宅(居住面積:約168平方メートル)。屋上には太陽光
発電パネル、ガレージにはEV用パワーコンディショナ、宅内には次の機器が三菱HEMS(ホーム・エネ
ルギー・マネジメント・システム)に繋がっている。そして、エネルギー負荷(テレビ2台+ルームエア
コン2台+電動窓シャッター3台+エコキュートバス乾燥暖房換気システム+ハウジングエアコン+
冷蔵庫+IHクッキングヒーター+カウンターアローファン+計測機能内蔵分電盤+HEMS情報収集ユ
ニットなど)が配置されており、❶三菱製の太陽光発電システム(PV)、❷電気自動車(EV)用のパワコ
ン、❸エコキュートの3システムで、「快適に生活できる住まいの実現」させる。電気とガス併用の
一般住宅(床面積120平方メートル)の1か月の光熱費を21,000円程度だと仮定した場合、同条件で
ZEHの光熱費は3,000円程度と算定した上に三菱HEMS導入のZEHの光熱費は1,600円程度、毎月19,400
円も安く、約92%削減を達成(メーカ試算)。尚、このシステムの特徴は、✪自然災害に強靱である
こと、それを担保しているのが、EV(電気自動車)用のパワーコンディショナ「SMART V2H」(スマート・
ヴイッーエイチ)の独自の技術――2014年7月31日に世界に先駆け、EV×PV×系統電力3つを混合使用
する。簡単に言うと「停電しない住居空間の実現」、✪2つめがEVでエネルギーの貯蔵――電気自動
車の充電量は一般的には3キロワットっだが倍の6キロワット、✪3つめがタブレットやスマホで「見
える化」――間取りコントローラで直感的な操作やカレンダー機能でスケジュール管理、室内のにシャ
ッターを自動開閉を実現、✪4つめは、カウンターアローファンで空気を循環――双方向に動く送風
機。風の方向は同じだが回転が逆の2枚のプロペラを使用し送風を行うが、1階と2階の間にダクト
とカウンターアローファン設置――で冬場は暖かい空気を下に、夏場エアコンで冷えた空気を上にあ
げ冷暖房の負荷軽減し、省エネを実現する仕組みである4つの特徴を発揮する。

   June 7, 2017

● 世界の電気自動車(EV)普及台数は前年比60%増の200万台

国際エネルギー機関(IEA)は、2016年の世界の電気自動車(EV)普及台数は前年比60%増の2百
万台に達したと報告した。中国は世界のEV販売台数の40%以上を占め、引き続き最大の市場となっ
ており、同国と米国、欧州の三市場で、EV販売台数全体の90%以上を占めるという。世界の普通乗
用車におけるEVのシェアは0.2%に過ぎないが、国内でのEVの比率が高い国として、ノルウェー(
29%)、オランダ(6.4%)、スウェーデン(3.4%)等が挙げられる。EVは今後約10年で一
般普及段階に入ると見込まれ、IEAは、2020年までに900万~2000万台、2025年までに4000万~7000万
台のEVが普及すると試算。ただ、パリ協定の気候目標を達成するには2040年までに6億台のEVが必要
であり、大気汚染の緩和、運輸部門のエネルギー多角化の観点からも、EVの普及拡大に向けた強固な
政策支援が求められているという。IEAは、EVの導入に積極的な都市の事例や、まとまった数の車両
を保有する自治体や事業者等におけるEV導入の効果、電気自動車イニシアチブ(EVI)の取組等も報
告している。

以上、ZEHの環境問題への中央政府の政策と事例研究を俯瞰してきたが、実現可能にするためには「財
政論」は大前提となることは言うまでもない。「ロスト・ダブルスコア」の最大要因もここにあった。
これを抜きにして語れない。『教育投資の財源は「こども保険」より「教育国債」の筋がいい』(ダイ
ヤモンドオンライン「高橋洋一の俗論を撃つ!」2017.04.29)でおなじみの高橋洋一近著をたたき台に
財政論争に終止符を打つことに。後日掲載する。

 

 

 

  


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