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吾が家はまだワイヤード

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      僖公二十七・八年:城濮(じょうぼく)の戦い / 晋の文公制覇の時代    

                             

  ※ 論功行賞:城凛の戦いのさなか、晋の中軍は谷合いで突風に吹きまくられ、大将の
    大旗と左側の旗印を吹き飛ばされた。旗手であった祁瞞が車令にもとづいて死刑を
    宣告され、司馬(官名、軍律をつかさどる)が処刑して軍中に罪をふれた。旗はあ
    たりの草で作って間にあわせた。晋軍が本国に引きあげようとし、黄河の渡河点に
    達したとき、戎右(兵車の右に乗る役、車右と同じ)の舟之僑がひとりで先に引き
    あげた。そこで、士会を戎右の代理とした。

    秋七月丙申の日、行軍は楽を鳴らして本国に凱旋した。戦利品の数々を廟にそなえ、
    先士たちは斬りとった耳(首級のかわりとする、この数をもって功をはかる)を、
    係りの役人に手わたし、廟前で祝宴を開いて、功績をたたえた。また、諸侯に会盟
    のため集合を命じ、従わぬ者を討伐することにした。同時に、軍令を無視した舟之
    僑を処刑し国中にその罪をふれた。人民はすっかり文公に心服した。時の識者は言
    った。「文公の処置に誤りはない。三人を処分しただけで、人民が帰服したのだ。
    都を治め おのずから 四方の国々を従わす」と、詩(大獄、民労)にあるが、こ
    れは賞罰を正しく用いよということなのだ」

    〈三人を処分〉 僖負羈(きふき)顚の家を焼いた顚頡(てんけつ)、旗を失った
            祁瞞(きまん)、勝手に帰国した舟之僑(しゅうしきょう)。 

 

 July 5, 2017

【防災工学講座Ⅰ:グレンフェル・タワー火災】

6月14日午前1時20分ごろ(日本時間14日午前9時20分ごろ)、ロンドン西部に立つ高層公営住宅「グレ
ンフェル・タワー」で火災が発生。火元は居住フロアの4階(地上8階に相当)とみられている。消火
活動には約40台の消防車と、約200人の消防士が動員された。約120 世帯が入居する公営住宅では
6月30日までに死者・行方不明者79人、重傷者約20人が確認。現地報道によると、スプリンクラー
は非設置。被害者が増えた背景には「タワーの空間構成が関係している」との見方が多いなか。平面図
から、火災発生時の避難の危うさがしてきされている。居住フロアは6室がエレベーターホールを囲む
コア型の配置とり、各住戸にバルコニーは見当たらない。避難はコア内にある階段からのみ可能で、2
方向避難はできない構造。炎が外壁から室内に侵入した経路については検証が必要だが、建物内部では
避難経路となるコアまで煙が充満し、現地報道が伝えた15階に住むた男性が「げようとしたが熱い黒
煙に覆われて呼吸ができなかった。視界を奪われ、死体につまずきながら避難階段を探したと証言。

玄関扉の防火性能の不備、扉を開放したままの避難で、コアへの炎や煙の侵入を許し住民が逃げ場所を
失った可能性もある。エレベーターの昇降路や階段室に防火区画の有無は分かっていない。炎や煙がそ
れら垂直方向に建物をつなぐ空間に入り込みめば、煙突効果で上層階に広がる。ところで、グレンフェ
ル・タワーは、1974年に竣工した。2016年5月に外断熱の外装材を取り付ける改修を終えm英政府は17年
6月25日、同国内にある高層住宅の緊急点検を実施。60棟が検査基準を満たしていない、いずれもグ
レンフェル・タワーと同様の外装材を使っている。外装に断熱材を設置する改修は外壁の作業で、施工
中に住人が移動する必要がない。そのため、英国では過去20年ほど公営住宅で装用の同様の改修を進
めてきている。また、老朽化した高層住宅には、エレベーターホールを中心に持つコア型の空間構成が
多い。英国では老朽化した公営住宅を改修する際に防犯性を重視した。外廊下の建物を解体して低層住
宅に建て替える。一方、コミュニティーが形成できるグレンフェル・タワーのようなコア型の高層マン
ションを残し、選択的に改修してきたと、現地を視察した東京大学生産技術研究所の野城智也教授が指
摘する。


● 大規模改修が消火作業のあだ

改修の目玉だった外装部分が火災の被害を拡大させたと分析する研究者は多いなか、外壁などを含む大
規模改修があだになったと、東京理科大学大学院国際火災科学研究科の小林恭一教授は分析する。その
理由の1つに消火活動を困難にした点がある。グレンフェル・タワーの既存外壁は厚さ250㎜のコンク
リートだ。16年までの改修では外壁に厚さ150㎜の断熱材を張り付け、厚さ3㎜の金属パネルを化粧用に
覆った。断熱材と金属パネルの間には50㎜の通気層を設けた。この通気層に入り込んだ炎によって、断
熱材が急速に燃え広がった可能性が高い。消防隊は通報から6分で火災現場に到着した。放水は火元に
届く距離だったが、断熱材が燃えていたのだとすると、外から水をかけても外装の金属パネルが邪魔を
して消火できない。また、パネルはいずれ燃えて脱落するため、燃焼している断熱材がむき出しになっ
た部分に放水できるが、そのころにはさらに上層階が燃えており、延焼が止められなかったと同教授は
このように推測する。このように柱を覆う外装材が延焼を加速させた一因になった可能性もあり、外周
の南北面に5本、東西面に44本設けた柱には、外壁と同様に断熱材(厚さ100㎜)と金属パネルが設置
されていた。断熱材には難燃性が高いとされるポリイソシアヌレートフォームが使われているが、金属
パネルと断熱材の隙間にある通気層が「煙突効果」を助長して、上層階に延焼が急拡大する要因になっ
た可能性があり、さらには、外装材を扱う建築関係者は、壁材、柱材ともに通気層には延焼を防ぐファ
イアストップがあったとみているが、断熱材を燃やしながら通気層を通過する炎は止められず、加えて、
柱を伝って燃え上がる炎が壁材との継ぎ目から横に燃え広がったとの見方も多いと言う(出典:日経ア
ーキテゥチュア「ロンドン火災、惨事の原因」2017.07.05)。  

 No.42

 【RE100倶楽部:環境配慮エネルギー事業篇Ⅳ】

 ●  建造物のエネルギータイリング市場

先回(同シリーズNo.41)では、航空機(あるいは飛行体)のソーラータイルの概念をイメージ・アップ
し、その事業規模を超概算した。今回は、建造物といっても、『発電する高層ビルディング』(2017.06.
05、No.30)で掲載しているがここでは、建造物として、そして、3つタイル別に俯瞰することとする(
(下表参照)。そこで、これらソーラー、サーモ、ピエゾの3つのタイリング可能量(単位面積当たり)
とそのエネルギー発電量、そしてその市場規模を見積もり試算してみよう。



❏ タイリング可能面積の設定から市場の計算

日本の国土は南北2,000kmに細長い形状で、その中央部を急峻な山脈が縦断。国土の大部分を山地が占め
居住可能な平野部は小さく分散しており、国土面積に占める可住地面積(領土面積から森林面積を引い
たもの)の割合は27%、と欧州の70%に比べるとはるかに少ない。ここで、地球の表面積は約5億
1千万キロメートルで陸地面積は29.2%の約1億5千万平方キロメートル、因みに日本は、国土面積
が37.9万平方キロメートルで、可住面積は10.4万平方キロメートル。これを元に下表のように年
間発電量(億kW/年)を計算しているが、あくまでも荒削りなもの。❷❸の可住面積はには森林面積を
除外したもので世界平均の可住面積率は、仮定の数字で各国の国土面積及び面積率のデータの積和から
求める必要がある。また、❹の被覆係数は、2次元の可住面積に3次元展開の被覆面積を考慮し上、さ
らに、設置可能な面積を考慮する必要があるが、ここは単純に1/10として仮定。❺の発電効率も、
❹と同様に、上表のソーラーを百パーセントとし従って変換率も20%と設定するが、サーモとピエゾ
の変換効率について見通しなど小考する。従って、❻❼❽はソーラーを基準に計算する。従って、❾❿
のように、国内の新規事業でのエネルギー創製量は、日本の昨年の石油消費量より12%程大きい数値
となる。なお、弧内の%は世界の創製量に対する国内の割合であり千分の1程度になる、また、昨年度
の石油消費量のそれは、4百倍程大きい数値となり、世界のソーラーを中心とした新エネルギーの発電
量可能量が大きくなる。

次に、これをもとに「エネルギータイリング市場(建造物部門事業 )」を10万円/キロワット=1平方メートル当た
り、50万円/キロワット、保証期間10年として(※1)試算すると、。国内市場は、✪10.4兆円で、1兆4百万円
/年)、✪世界市場は、1京1250兆円で、1,125兆円/年となる超巨大市場となる。こんな数字をはじき出すな
ど経験したことない。

※1 経験から量産効果を考えると、プリンタブルなペロブスカイト系製造プロセスを前提にすれば(シリーズNo.40
  2017.07.03、参照)、 10~20年程度で1キロワット当たり10万/円から1千円程度、つまり百分の1まで
   急速に逓減するだろう。何せ、市場規模が大きすぎるから予想を超えることもあり得る)。

❏ 事例研究 サーモタイリングの製造技術

● 課題耐熱性:特開2017-050325  熱電変換素子とその製造方法

熱電変換素子は、無次元性能指数(ZT)をはじめ、優れた各種の熱電変換特性を有すことが要求され
るが、実用化には長期高温耐久性が必要。多結晶性マグネシウムシリサイドをはじめ、様々な熱電変換
材料を用いた多くの熱電変換素子は、含有させるドーパントの種類を選択して高温耐久性の向上を図っ
ているが、稼働温度域(約600℃程度の高温領域)において長期高温耐久性が不充分なため、耐久性
の改善が必要。下図は、熱電変換部用の代表的材料の多結晶性マグネシウムシリサイドの焼結体にアン
チモンを0.5at%ドープしたものを試料とし、大気雰囲気中で約600℃に加熱し、10時間、百
時間、千時間の各経過時点で観察。その結果、焼結体表面の酸素濃度が高くなることを確認、また焼結
時の粒界を起点に表面全体に黒い粒が生成し酸化進行も確認し、この熱電変換部の表面を保護する必要
があることを認識している。それによると、熱電変換部を備える熱電変換素子であって、熱電変換部が
酸化物結晶化ガラスによって被覆される熱電変換素子とすることで、長期高温耐久性に優れた熱電変換
素子およびその製法で実現する考案である。

   Mar.9, 2017

● 課題耐熱性:WO2013/047678 微細粒子製造方法

従来、焼結体や塗工材の粒子は、その粒径がサブミクロンの範囲に収まっているほど、焼結性や塗工性
が向上する。例えば、シリコンを材料のセラミックス焼結体やシリコン粒子塗工材は、原料シリコン粒
子径がサブミクロンで特性向上。あるいは、シリコン粒子のリチウムイオン二次電池の負極材料にも同
様に品質向上、またマグネシウム・シリサイドやマンガン・シリサイドのシリコン合金を熱電素子のシ
リコン合金粒径がサブミクロンの範囲にまることで熱電性能の向上が見込まれているが、機械的手段(
ブレイクダウンの方法)のサブミクロン粒径の平均値とする正規分布の微細粒子ができ、コスト的に優
れ工た微細粒子製造方法(下図)のように、砥粒が固着された固定砥粒ワイヤ(2)と、被加工物(1
0)を支持する支持ユニット(8)と、クーラント液を供給するクーラント液供給ユニット(9)とを
備えた切削又は磨砕装置(1)を用い、クーラント液を供給しながら固定砥粒ワイヤ(2)又は被加工
物(10)を相対的に往復又は旋回運動させて被加工物(10)を切削又は磨砕する微細化工程と、被
加工物(10)の切削又は磨砕により微細粒子(11)を形成し、クーラント液とともにスラリーとし
て回収する回収工程と、このスラリーからサブミクロンを粒径の平均値とする正規分布を有する微細粒
子を取り出す取り出し工程とを備えることで実現する特許が提案されている。

  Apr. 4, 2013

【符号の説明】

1  切削または磨砕装置 2  固定砥粒ワイヤ 3  ワイヤ保持ローラ 4  スラリータンク 5  装置本体 6  ワイヤ
7  砥粒 8  支持ユニット 9  クーラント液供給ユニット 10  被加工物 11  シリコン微細粒子

❏ 事例研究 ピエゾタイリングの製造技術

振動式発電方式には1つは電磁誘導方式、2つめは圧電素子方式があるが、ここでは次の理由から後者
を採用している。✪1ストロークによる瞬間発生する電力は、電磁誘導の方が大きい一方、✪トータル
で発生する電気エネルギーは、圧電崇子の方が大きい――圧電素子複数並列に並べた場合は個数倍の電
気エネルギーが得られる――という特徴があり、1ストロークには,圧電素子の方が電磁誘導に比べて
圧倒的に効率的である。このような理由より足踏みの動きを電気エネルギー変換には圧電素子の方が効
率よく変換できる(「圧電素子と電磁誘導で得られる電気エネルギーの比較研究」高橋優大,2013.02.
06)。

● 課題耐久性:特開2017-108596  発電装置

従来から、道路、橋、建築物等の構造体の振動、自動車、鉄道車両等の移動体の振動、人の運動による
振動及び波力、風力による振動のエネルギーを電気エネルギーに変換して有効利用する技術が提案され
ている。例えば、振動により動く硬質の球状体を圧電セラミック板の圧電素子に衝突させて発電する発
電装置があるが、✪硬質の球状体が繰り返し衝突すると衝撃により圧電素子が早期に破損・劣化し発電
量が大幅に低下、✪圧電素子保護に、圧電素子の裏面側にクッション材を設け、硬質の球状体が衝突す
る部分に薄肉のプロテクタを設けて衝撃を減じると発電量の低下する。これに対し、下図の発電装置は
変形し発電する素子と、振動で素子に接する移動部材との構成で、電極とこの電極と異なる他の部材と
で講師し、且つ、移動部材が接したとき変形し元の状態に戻す弾性をもつ。下図発電装置1は、密閉さ
れた箱形状で変形し発電する素子2と、素子2内に転動可能に設けた外部から受ける振動で動き素子2
に衝突する球状の移動部材3から構成/構造体――素子2は、箱形状を規定するフレームと、最内面に
配置された第2の電極、中間層、第1の電極、柔軟性を有するカバー部材をこの順でもつ。移動部材3
が素子2の或る内面に衝突すると、柔軟性を有するカバー部材が変形するとともに、第1の電極、中間
層及び第2の電極が変形し衝撃吸収され発電し、移動部材3が他へ移動し変形は元に戻る。これにより  
移動部材の繰り返しの衝突による素子劣化が抑制でき、長期に亘り良好な発電能力を維持できる発電装
置を実現するという提案である。

  June 17, 2017
【符号の説明】

1  発電装置 2  素子  3、11  移動部材  5  カバー部材  6  電極としての第1の電極
7  他の部材としての中間層  8  電極としての第2の電極  F  変形付与力としての加圧力

                                                                            この稿つづく
     

  ● 今夜の一品

我が家はまだワイヤード! 簡単便利なUSB3.0リンクケーブル

なかなか通信ケーブルや給電ケーブルあるいはコネクタ、アダプタがなくらなし、廃棄も、ワイヤレス
化も進まないでいる。スマホなどの普及につれ徐々になくなっていくとは思うが、この「リンクケーブル」の仕様
(上写真ダブクリック参照)を満たすワイヤレス化周辺器機は当面我慢するしかないだろう。

    


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