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氷蒟蒻ブームと食感工学

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はじめて目耳した「氷こんにゃく」に驚く。単純にこんにゃくを凍らせたものだが、
解凍後は「まるでお肉のような食感がする食材」へと大変身を遂げるという。普段の
料理でお肉の代わりに使えばカロリーも大幅に削減できるダイエット食材としてブー
ムになっている(朝日放送『おはよう朝日です』2014.12.02)。このブームは今年3
月に『橋爪佐和子の氷コンニャク・レシピ』(健康雑誌「安心」)で掲載された、6
月に『やせる!若返る!美肌になる!「氷コンニャク」超美味レシピ』(マキノ出版)
が発売に始まる。火付け役の橋爪佐和子は、1982年生まれ。大学卒業後、専門学校で
学び、鍼灸あんまマッサージ師の資格を取得し、2011年、女性専門の鍼灸院「四次元
堂」を開業。日本古来の鍼灸指圧術と民間療法や自然療法を取り入れたセルフケアを
女性誌などで提唱。料理は趣味というより生きがいで、ヒマを見つけてはオリジナル
レシピをコンテストに応募経歴をもつ。

     Frozen konjac recipes

そのマキノ出版社の本によると「氷コンニャクは、コンニャクを冷凍し解凍して水切
りするだけで作れます/氷コンニャクは肉のような食感が特徴です。ですから普段の
料理に使う肉を氷コンニャクに置き換えるだけで、自然とカロリーが減っていきます
/氷コンニャクなら、肉を食べているような満足感を味わいながらダイエットできま
す/さらに、氷コンニャクを使った和風、洋風、中華風、デザートなどバラエティに
富んだレシピを紹介/そして、実際に氷コンニャクを食卓に取り入れて、「やせた!」
「美肌になった!」「便秘が解消した!」などの体験談も掲載しています/氷コンニ
ャクは、その切り方次第で無限の可能性を秘めた食材です」と紹介されている。

 

ところで、「ドイツで独自に豆腐料理が展開」(『ハイウェイからフリーウェイへ』)
で掲載したように、豆腐ソーセイジや豆腐ジャム、豆腐チーズとして日本の豆腐が世
界的に健康食品として認知されてきているように、日本の蒟蒻も世界的に認知される
可能性を秘めていることをこのブログでも健康食品として取り上げてきたが、まさか
冷凍コンニャク(蒟蒻)としてブームになっているとは気がつかなかった。そのレシ
ピも豊富で、唐揚げ、ステーキ、蒲焼き、焼き鳥、焼き肉、カレー、パスタなど急速
に創作拡大している。

   
 

特に、今朝のテレビではパスタ(下写真)料理で、蒟蒻ラザニアが紹介されていたの
が印象的だった。それにしても冷凍→解凍→脱水・乾燥することでお肉のような食感
になるのかよく分からず――冷凍し解凍することでスポンジ状になることはわかって
いるが――観ていた。つまり、"食感説明パラメーター"が、例えば、スポンジ構造に
関わる空間パラメーターや強度、弾性値、固有振動数などの食肉との比較データが揃
っていないようにみえる(その実はいまも密かに食感工学分野の研究開発が進行して
いるのかも知れないが)。それが明らかになれば、次の研究開発課題は、他の食品と
のブレンドやそのレシピ開発となる。いずれにしても、低カロリーで大豆タンパク同
様に健康食品としてでなく、牛食肉偏重による地球環境劣化防止を兼ねた素晴らしい
食品として、この極東日本から世界へ貢献、贈与していくことになるだろう。これは
面白い。

 

  
  


先進国において、カロリーの摂取過多による肥満・病気が問題になっている。そこで
カロリーがほとんどなく、また、コンニャク主成分のグルコマンナンに摂取した糖分
を体内で包み込む、という作用が認められる為に、糖尿病対策にもコンニャクや精製
グルコマンナン入りの食品が従来より種々考案されている。従来からは以下の製法が
用いられてきた。

(1)グルコマンナンを主成分とするコンニャク粉に水を加えて膨潤させて得たゾル
化物質を、2~3時間の後、アルカリ性凝固用物質を添加して得たゲル化物質を、そ
のまま使用するか、30~40分間、放置してから70℃~80℃の湯で15分間位
茹でて、それを食用コンニャクとして一般市販するか、他の食品素材と混合・混練・
結着・包含、によりグルコマンナン入り加工食品を得る方法。

(2)コンニャク粉、又は、精製グルコマンナンと水から成るゾル化物質と他の食品
素材を混合・混練・含浸・溶解・結着、によりグルコマンナン入り加工食品を得る方
法。

(3)第三の方法として、第一の方法で得た、コンニャク粉、また、精製グルコマン
ナンのゲル化物質を、他の食品素材と混合した後、冷凍、または、乾燥させて得た加
工食品、また、前記ゲル化物質を冷凍した後、10~15%以下に乾燥、または脱水
する方法。

これに対し下記、新規考案※は、コンニャク芋の製粉、または、精製グルコマンナン
のゾル化物質に凝固用アルカリ物質を加えて得たゲル化物質を冷凍・解凍・脱水の後
に、押圧、を一回以上加えることにより、押圧なしでは著しく食感が劣り、現実の商
品としては流通・販売の不可能な食品素材の食感の大巾に改善でき、他の食品素材と
の混合その他の方法で、良質で食感の良い健康的なファーストフードや一般加工食品
の製造が可能なるというものである。


WO2005/065466 コンニャク粉、又は、精製グルコマンナンのゲル化物質由来の食
   品素材


  Lasagne: So wird sie perfekt

冬季、こんにゃくを屋外に晒すことによって、凍結・融解処理を繰り返され、こんに
ゃくは乾燥したスポンジ様となる。これは、北関東その他各地における保存食として
知られており、また乳児の産毛取り用具として使用されていたことも知られている。
スポンジ様のこんにゃく、いわゆるこんにゃくスポンジは近年、その優れた弾力性や、
海綿・ウレタンゴム製のスポンジと比較して遙かに優れた肌触りの良さという特性が
着目され、乳児のみならず敏感肌の女性、あるいは乾皮症等の高齢者を初めとして、
洗浄用具としての使用が普及拡大してきた(下記、新規考案※)。

それ以外に、ゲル化した寒天やゼラチン等を泡形成用ゲル粒としてコンニャク粉の溶
液に混合してコンニャクを形成し、凍結処理、熱湯洗浄による泡形成用ゲル粒の溶解
除去処理に供するという技術、こんにゃく粉を水に溶解しぺースト状物を得る工程→
加熱によりぺースト状物を成形器内で凝固させこんにゃくを得る工程→こんにゃくを
セルラーゼで処理した酵素分解こんにゃくを得る工程→酵素分解こんにゃくを20℃
以下の水中で熟成する工程→凍結-解凍処理に供して乾燥させ工程から、表面のスキ
ン層が部分的に除去され、内部が均一なこんにゃくスポンジを得られる。清潔な状態
で使用できるこんにゃくスポンジの提供が目的として掲げられており、デヒドロ酢酸
ソーダ0.05~0.5重量%を溶解した水溶液を10~30重量%を含浸させるこ
とで微生物抵抗性を付与する技術、さらに、抗菌剤のブリードを可能にした5~100
μmの樹脂粒子を、0.1~10%の乾燥重量比でアクリル系樹脂液およびエポキシ系
架橋剤を用いて練り込み、定着させたこんにゃくスポンジなどの食品以外の製造など
も考案されている。

特開2014-147302 こんにゃく粉製素材、その製造方法、スポンジ状素材製造方法、ス
  ポンジ製品および食品

 

【オールバイオマスシステム完結論 Ⅳ】 

● ゴミ焼却からの回収CO2で野菜栽培 佐賀市で実証スタート

ゴミの焼却で発生した二酸化炭素(CO2)を回収し、野菜の栽培に使う実証事業が佐
賀市で始まった。CO2を貯蔵せずに利用できればCO2回収にメリットが生まれる。
すでに佐賀市にはCO2の利用を希望する企業が名乗りをあげており、地域産業振興の
役割も期待できそうだ。

 

 


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