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ソーラーファサードの風

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          定公4年( -506)~哀公27年( - 468) / 呉越争覇の時代  

                                

           ※  檇李(すいり)の戦い(定公14年):呉が越を攻めたとき、越王勾践は檇
         李檎(呉の地)に陣を張って、これと対峙した。何度か攻撃をしかけたが、
         呉の堅陣はびくともしない。決死隊を二度までくりだして、呉の兵卒を多数
         捕虜にしたが、呉軍はいささかも動揺の色を見せなかった。これはとても一
         筋縄ではいかぬと見た越王は、罪人たちを三組に分け、一組ずつ一列横隊で
         呉の陣営に遣らせた。

         罪人たちは各自剣を抜いて自分の順に押し当て、「呉越二言の合戦を前にし
         て、われわれは軍令に背き、大罪を犯した。もはや死刑は免れぬ身、いっそ
         ここで自決してごらんにいれよう」と言うや、いっせいに自分の煩を刎ねた。
         これにはさすがの呉軍も度肝をぬかれた。そのすきに越軍は呉の陣営に突入
         し、さんざんに呉軍をうち破った。

         越の大夫霊姑浮(れいこふ)は、戈をふりかざして呉王闔廬(こうりょ)に
         襲いかかった。闔廬は足の親指を負傷し、片方の靴を奪われた。そして逃げ
         帰る途中、檇李から七里離れた陘(呉の地)で息をひきとった。それからと
         いうもの、国威の子の夫差は、家臣を庭先に立たせ、自分が出入りするたび
         に(父の霊に代って)こう問わせた。
         「夫差よ、父が越王に殺されたことを忘れはしまいな」
         夫差の答はつねにこうだった。
         「いえ、忘れはいたしません」
         合戦から三年後、夫差はついに越に復讐をとげた。

 No.70

【ソーラータイル事業篇:ソーラーファサードの風】

ドイツなどの欧州では、ゼロ・エネルギービルディング向けのファサード(外装)太陽電池モジュ
ール導入がの実用化がでは10年ほど前から導入されている。「ソーラータイル事業」でも掲載し
てきたように、屋根型パネルと比較して発電効率をはじめとして色々と制約があるが、ファサード
ソーラーパネルは現辞典では高価になるが、通常のファサードよりも塗装等のメンテナンス費用を
削減でき、また、エネルギーを生み出し、直接的な経済効果もあり。従来と比較して売電可能であ
り、何と言ってもゼロ・エネルーギー社会を実現でき、二酸化炭素削減・地球温暖化を防ぐ効果が
最も魅力的であることは言うまでもないだろう(参考:環境ビジネス「ファサードPVモジュールが
ニッチな業界を作り出す」、2017.09.18)。ところで、ソーラーファサードとソーラータイルとの
違いはあるのか?本質的には違いはない、ただ、後者の「タイル」には「敷き詰める」という意味
合いが含まれているので制御工学的側面で広範で深い(より緻密に、設計要求項目多い)。

 Feb. 10, 2015

  Megaslate®Solar facade


Photovoltaik-Fassaden: Jetzt wird’s bunt!


【蓄電池篇:太陽光市場の成長は蓄電池】

北米最大の太陽光発電関連の国際展示会「ソーラー・パワー・インターナショナル(Solar Power International:
SPI) 2017」(2017年9月10~13日)がネバダ州ラスベガスで開催された。今年も昨年と同様、北米最大のエ
ネルギー貯蔵関係の国際展示会「エネルギー・ストレージ・インターナショナル(Energy Storage International :
 ESI)との併催である。今年で14年目を迎えるSPIは 2万人を超える参加者を動員し、大きな賑わいを見せ
る(「米展示会レポート、 太陽光市場の成長は蓄電池が担う!」日経テクノロジーオンライン、2017.09.20)。



従来、太陽光発電はRPS法(再生可能エネルギー導入義務制度)など、公的な政策主導で導入が拡
大してきたが、低価格化が急速に進み、発電コストが従来の電源に匹敵、または勝るようになり、
政策・規制による促進だけでなく、「経済的に」メリットが生じ、企業や電力会社による電力事業
用のメガソーラー(大規模太陽光発電所)の開発が加速。実際、2016年に電力事業用セグメントの
設置容量は10GWを超える。カリフォルニア州やハワイ州では太陽光発電の大量導入に伴い、日中
に需要を上回る太陽光発電の余剰供給となり、系統の安定運用を脅かし、今後のさらなる太陽光の
導入拡大の壁になっている。SPIでは、太陽光発電が昼間に生み出す「過剰」電力量に対応に さま
ざま手法――例えば、❶自産自消モデルを促進するネットメータリング制度の改定、❷時間帯別電
気料金プランの導入、❸デマンドチャージの導入、❹マイクログリッド、電力会社による分散型電
源の統括計画など蓄電池を併用する政策、❺次世代のグリッドなど――がテーマに議論されている。

12日の「ソーラーと蓄電池の交差点」の基調講演で、太陽光パネルは大量生産によってすでに低
価格化した蓄電池の市場動向がについて議論されているが、小規模ではあるが蓄電池市場の成長は
加速してきている――昨年電力会社が207MW(257MWh)の蓄電池を系統に接続したデータが航海
され、電力会社は供給側にグリッド安定用に蓄電池を設置するだけではなく、電力需要側での蓄電
池の設置を促す数々のプログラムに乗り出していると、米スマートエレクトリックパワー協会のジ
ュリア・ハム氏と語る。また、米調査会社のブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス
(BNEF)のヒュー・ブロムリー氏は、太陽光発電市場と蓄電池市場を比較するため、シリコン原
料とリチウムイオン電池の価格推移を公表し、テクノロジーの統合により、太陽電池には異なるタ
イプがあるものの、シリコン結晶系が市場をほぼ独占し、一つのテクノロジーに集中することで、
生産・製造の規模が大でき、価格が大幅下落し1ワット当たり30セント(33円)に達した。蓄
電池は、蓄電池市場は携帯、ラップトップなどの小型民生用、電気自動車(EV)など車載用、そ
して電力需給を調整する定置用蓄電池の3つのセグメントで構成され、太陽光パネルがシリコンテ
クノロジーに集約されるように蓄電池もリチウムイオンに集約され始め、蓄電池市場というゲーム
の勝算は規模にかかっいる。そして、規模はEVの成長にかかっている――EVのリチウムイオン
電池の需要は定置型の約20倍で、民生用の需要は定置型の約30倍になる。



このように、今年EVの販売は世界的に百%増加、2017年は転換点になる。EVの販売が増加し今
年年は始めてEV用のリチウムイオン電池の生産が民生用を抜くとみられている。定置型蓄電池だ
けで、このEVの生産スケールに到達することは難しい。リチウムイオンという同じテクノロジー
を共有することで、定置型蓄電池はEV用のコスト低減の恩恵を受けることになる。BNEFのデー
タは、現在中国が55%のリチウムイオン電池生産の世界シェアを握っており、あと5年後には大
半のシェアを中国が独占すると予想する。数年前、米EVメーカーのテスラは、車載用蓄電池を応
用した定置型蓄電池「パワーウォール・パワーパック」を市場に投入する一方、米住宅・商業用太
陽光発電販売・設置でリードするソーラーシティー社を昨年、買収。こうした先進企業を例にとり、
「太陽光発電、EV、そして定置型蓄電池のテクノロジーは統合している。これらの相乗作用を考
慮した戦略が重要になると考えている。

     

【ZW倶楽部とRE100倶楽部の提携 13】

● カーボンアロイ触媒燃料電池スタックで白金80%削減

9月20日、日清紡ホールディングスは、開発を進めている白金代替触媒「カーボンアロイ触媒」
が、カナダの燃料電池メーカーBallard Power Systems 社の燃料電池スタックに採用されことを発表。
カーボンアロイ触媒は日清紡と群馬大学が2006年から共同で開発を進めているカーボンを主原料と
した白金代替触媒。炭素化工程の最適化と触媒表面の炭素構造を制御することで高い酸素還元活性
を持つ。固体高分子形燃料電池の電極に非白金触媒が実用化は世界初。カーボンアロイ触媒を使用
したBallard社の燃料電池スタックは、今年年12月から販売予定。固体高分子形燃料電池の電極触
媒は、高価で有限資源の白金を使用。発電時に二酸化炭素を排出しない同電池をクリーンエネルギ
ーソースとし、普及拡大させるには、白金に代わる触媒の開発が大きな課題の1つとなっている。
固体高分子形燃料電池の電極は、酸素を還元する空気極と水素を酸化する水素極があり、どちらに
も白金を利用。一方、カーボンアロイ触媒は白金を一切使用せず、工業生産で安定供給が可能なカ
ーボンを主原料とする。今回、Ballard 社の燃料電池スタックの空気極側に、酸素還元能を持つカー
ボンアロイ触媒の採用で、スタック全体の白金使用量を800%削減できる。

 Sep. 12, 2017

Ballard to Offer World’s First PEM Fuel Cell Product Using Non Precious Metal Catalyst

❏ 関連特許:特開2016-165706  ヘテロポリ酸系触媒及びその製造方法
                      並びにこれを用いた電極及び電池

【概要】

現在、多くの化学反応や次世代電池で、白金触媒等の貴金属触媒が使用されているが、貴金属の埋
蔵量に限りがあることや、高価であること、さらには、燃料電池電極触媒には、シンタリング現象
の活性低下が生じ、空気電池触媒には、貴金属が電解質溶液の分解等の化学反応を引き起し、技術
的面でも解決すべき課題が多く、白金等の貴金属を使用しない貴金属代替触媒の開発が進められて
いる。 ここで、例えば燃料電池の原理について見てみると、アノードとカソードの間に電解質膜を挟み、ア
ノードには水素を、カソードには酸素または空気(空気中の酸素)を供給する。それによってアノード側とカ
ソード側でそれぞれ以下の式1及び式2の電気化学反応が起こる。具体的には、アノード側では式1の反応
により発生したH+イオンが電解質膜を通過してカソード側に移動すると共に、電子(e-)が導電回路を経
由してカソード側に移動する。一方、カソード側では供給された酸素(または供給された空気中の酸素)と、
電解質膜を通過して移動してきたH+イオン、そして導電回路を経由して移動してきた電子が式2のとおり
に反応して水が生成する。これら一連の反応によって導電回路に直流電流が発生し起電力が生じる。

     アノード側:  H2  →  2H++2e-                        (式1)
     カソード側:  O2+4H++4e-  →  2H2O            (式2)

ところで、カソード側では式2の反応(4電子反応)だけでなく、下記式3のような2電子反応が起こることが
知られている。

     O2+4H++4e-  →  2H2O          (式2)
     O2+2H++2e-  →  H2O2           (式3)
     H2O2+2H++2e-  →  2H2O      (式4)

上記2電子反応(式3)が起こると過酸化水素(H2O2)が生成する。この過酸化水素は触媒や
電解質膜を劣化させ、燃料電池の耐久性を低下させる一因となっていた。 一方、ヘテロポリ酸は
優れた酸化触媒であることから、主として燃料電池のアノード側触媒として用いられている。この
ヘテロポリ酸が導電体と複合体を形成し電極材に担持された電極をカソード側の電極として使用す
ることも提案されているが、ヘテロポリ酸と導電体を単に混合することによって使用される電極に
おいて、電極を酸素とプロトン伝導体と電子伝導体と触媒とが同時に接触するような特定の構成に
することにより高い出力電圧が得られることは記載されているが、触媒単体としての性能としては
さらなる酸素還元活性の向上が求められていた。

従って、酸素還元活性、過酸化水素還元活性の高いヘテロポリ酸系触媒の提供にあっては、ヘテロ
ポリ酸及び/またはヘテロポリ酸塩と金属酸化物と導電性材料とを含む触媒であって、ヘテロポリ
酸/ヘテロポリ酸塩の金属酸素酸骨格中に金属原子としてモリブデン/バナジウムを有し、および
金属酸化物の金属原子としてモリブデン/バナジウムを有する特徴の触媒を提供する。また、製造
方法は、ヘテロポリ酸/ヘテロポリ酸塩と金属酸化物と導電性材料とを含む触媒の製造方法で、金
属酸素酸骨格中に金属原子としてモリブデンバナジウムを有するヘテロポリ酸と、導電性材料とを
混合し、この混合物を500℃から900℃で熱処理することで触媒を得るものである。


【図8】図8は、比較例4のX線回折図形
【図9】図9は、実施例1~4及び比較例1及び2のサイクリックボルタンメトリーにおいて得ら
    れたボルタモグラム

下表1と下図11より、実施例1~4の触媒を作用電極に用いた場合では、比較例1~3の触媒を
作用電極に用いた場合よりも過酸化水素還元に対する0.1Vの時の電流密度の絶対値が大きく、
過酸化水素還元電流が増加していることが分かる。




さて、順調に定着し、エネルギーフリー社会の早期実現を祈願しておこう。
 


  


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