滕文公(とうのぶうんこう)篇 / 孟子
※ めまいを起こさぬ薬では、飲んでも病はなおらない: 滕の文公がまだ太
子だったころ、楚を訪れる宋に立ち寄った。宋に滞在していた孟子に教え
を乞うためである。孟子は、"人の本性は善である”と主張し、堯と舜の
道にならうよう、くりかえし説くのだった。文公は、楚からの帰途、ふた
たび孟子に会いに行った。孟子は言った。「あなたは、ためらうのですか。
太子よ、道というものは1つしかないのです。成覵(斉の勇者)は、斉の
景公にこう言いました。『かれも男、わたしも男、なんて恐れることがあ
ろうか』 また、顔淵(孔子の弟子)も言っています。『舜も人間、わた
しも人間、なんのちがいかおるものか。意欲さえあれば、舜と同じになれ
るのだ』公明儀(魯の賢人)も言ったではありませんか。『わたしは、文
王を師と仰ぎ、周公の言葉を信じて疑わぬ』太子よ。あなたの国は、五十
里四方はありましょう。立派な国をつくるのに、十分な条件がそなわって
います。なにをためらうのですか。書経にもありましょう。『めまいを起
こさぬ薬では、飲んでも病はなおらない』と」
〈滕の文公〉 滕は、斉と楚にはさまれた小国(現在の山東省滕県)。
文公はのちに、孟子を招いて改革をはかったが、孟子が去ってまもなく、
斉(宋ともいう)に滅ぼされた。
〈宋〉 おなじく斉と楚にはさまれた小国(河南省邱県)。春秋時代に
は栄えたが、戦国時代に入って次第に衰退した。王偃は一時、斉、楚の
地を侵したが、乱行で人気を失い、斉の酒王に殺され、国土は斉・楚・
魏に三分された。孟子がなぜこの順に滞在したかはわからない。しかも、
かれは王偃には会っていない。
【解説】孟子の説は、戦国の諸侯にとって、めまいのするようなものであ
ったのだろう。だが、孟子は賢人の言を次々に引用して、堯・舜はけっし
て凡人の及びえない存在ではない、努力しだいで堯舜の道が実現できるの
だと主張する。
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【デジタルグリッド篇:電力リアルタイムプライシング設計】
11月22日、名古屋大学らの研究チームは、世界初の電力のリアルタイムプライシングの
安定性を保証する設計条件を解明したことを公表。従来の電力システムでは、電力の消費量
に合わせるように電力供給(発電)を制御してきた。一方、ピークカットのために、また、
発電量の調節が容易ではない再生可能エネルギーの大量導入に向けて、電力消費の方も制御
することが望まれている。リアルタイムプライシングは、電力価格を調節することで電力消
費の抑制・促進を促す方法を意味する。スマートグリッドの実現における中核的技術の1つ
と位置付けられている。
従来の電力システムでは、電力の消費量に合わせるように電力供給(発電)を制御していた
が、その一方、ピークカットのために、また、発電量の調節が容易ではない再生可能エネル
ギーの大量導入に向けて、電力消費の方も制御することが望まれている。電力消費を制御す
る方法(上図参照)の1つとしてリアルタイムプライシング(Real Time Pricing:リアルタ
イム料金)がある。これは電力価格の調節によって電力消費の抑制と促進を促す方法であり、
スマートグリッドにおける中核的な技術と位置付けられている(下図1)。リアルタイムプ
ライシングは、電力消費量から電力価格を定め、その価格に応じて電力消費量が変化すると
いう「電力消費量」と「電力価格」の間の相互的な作用が基本となります。このような相互
作用は、制御工学において「フィードバック構造」と呼ばれ、フィードバック構造を構成す
ると、常に「不安定化」と呼ばれる悪循環に陥る可能性が生じる。リアルタイムプライシン
グにおいて、不安定化が起こると停電に陥る可能性があるため、不安定化は絶対に避けなく
てはならない事象。
この一方で、国内外においてリアルタイムプライシングの実験が実施されているが、現状で
は基礎的な検証を目的としているため、フィードバック構造の安定性を保証するという点ま
で踏み込んではいない。また、電力消費量の総量の情報を得るために必要な時間に比べ、電
力消費量を緩やかに変化させるような場合、本質的に不安定化が起こりにくいことが知られ
ているが、たとえばアンシラリーサービスのために不可欠な、応答時間の速いリアルタイム
プライシングを考えた際は、不安定化の可能性が一気に高まることになるが、そのようなリ
アルタイムプライシングの安定性研究が少ないのが現状で、特に、この研究で分散推定と呼
ばれる電力消費量の総量の推定機構が組み込まれたリアルタイムプライシングを対象とした
もはない。このため、リアルタイムプライシングを「フィードバック構造を有するシステム」
と捉え、不安定化が絶対に起こらないことを保証する、安定性を保証する設計理論が必要と
なる。
この研究では、フィードバック制御理論に基づき、リアルタイムプライシングの安定性を保
証の設計条件を世界で初めて解明――特に、需要家に備えられたスマートメータから収集し
た情報の結合と、価格への反映の観点から設計条件の導出に世界で初めて成功。主要成果は
以下のようにまとめられている。
1)リアルタイムプライシングのモデルの提案
リアルタイムプライシングにおいては、空間的に分散している需要家の電力消費量をスマー
トメータによって測定し、それを収集して情報処理し、電力消費量の総量の情報を得る必要
がある。この際、需要家の数は一般に膨大で、各需要家の消費量をどこか一か所に集めて計
算するのは、通信量や計算量点から現実的ではない。そこで、スマートメータの情報を局所
的なアクセスポイントに集め、アクセスポイント間で情報交換を行いながら電力消費量の総
量計算を実施するアプローチを考える。
ここでは、このようなアクセスポイント間で実施する分散型情報処理で、時々刻々と変化す
る消費量に対応できるダイナミックコンセンサスアルゴリズムを採用。また、電力価格決定
法として、電力消費量の総量の「現在の値」と「過去の値」をある割合で足し合わせて行う
――制御工学の分野でよく知られている比例積分型制御の応用――この研究でのリアルタイ
ムプライシングでは、ダイナミックコンセンサスアルゴリズムにより、アクセスポイントに
分散している情報から電力消費量の総量を推定し、その推定情報の現在値と過去の履歴を用
いて、電力価格を決定している(下図2)。このようなモデルは、将来リアルタイムプライ
シングが実施される環境の特徴を適切に捉えことができ、現段階で最も実用的なものだと考
えている。尚、上述のアクセスポイントは、論文中では電力推定器と呼び、分散電源に備え
られていると仮定したが、❶必ずしも電源に備えられる必要はなく、❷アクセスポイント自
身で独立している場合や❸スマートメータ自身がアクセスポイントの役割を演じる場合もあ
る。
2)安定性を保証する設計条件の解明
上述のようにモデル化されたリアルタイムプライシングは、多数のシステムが複雑に接続さ
れており、どのパラメータがシステム全体の安定性に影響を及ぼすのかが明らかでない。こ
のためシステム全体から安定性に影響を及ぼすブロックを抽出する相似変換を考案し、リア
ルタイムプライシングの安定性が、主に、次の3つのパラメータの関係によって定まること
を発見する。
a) アクセスポイント間の情報の交換経路(ネットワーク構造)
b) アクセスポイントに分散している情報を統合し、電力消費量の総量の情報が得られるま
での速度(コンセンサスゲイン)
c) 情報の電力価格への反映度合い(制御ゲイン)
さらに、リアルタイムプライシングの安定性を保証する3つのパラメータの範囲を表現する
不等式を導出。この不等式は、制御工学の分野で知られている、システムが安定か否かの規
範となる固有値と呼ばれる数値が安定領域に存在することを表し、これを満足するように上
述の3つのパラメータを選択(設計)すれば、安定保証されたリアルタイムプライシングを
実現する。
下図3に、研究で得た設計条件を用いてリアルタイムプライシングを実現した例(シミュレ
ーション結果)を示していますが、ピーク時においても総電力消費量が目標値以下(電力の
供給限界以下)に抑えられていることが確認できます。一方、図4は、研究成果によらない
場合の例で、総電力消費量が不安定化し、目標値を超過している。これは、現実世界におい
て停電をもたらす可能性を意味する。以上のように、この結果は、安定性という観点からリ
アルタイムプライシングの主要な設計原理となることが期待される。
❏ 関連特許事例: WO2015/162835
需要供給バランシングシステム、スイッチングシステム、需要供給管理システム、スイッ
チング方法、需要供給バランシング方法、需要供給管理方法、スイッチングプログラム、
及び需要供給管理プログラム
【概要】
消費対象を消費しようとする消費箇所の情報を一か所に集めないで、消費対象を消費する消
費箇所を公平に選定して、リアルタイムプライシングを実現にあたり、下図のように、需要
供給バランシングシステム(リアルタイムプライシングシステム)(100)は、電力の供
給余力に基づいて制限パラメータを設定する制限パラメータ設定部(21)と、電力源(1
0)と複数の電力消費機器(40)との間に各々接続される複数のスイッチングシステム(
自動デマンドレスポンス(Automated Demand Response)装置)(30)とを備えている。複
数のスイッチングシステム(30)の各々は、制限パラメータに基づく当選確率で抽選を行
う抽選部(33)と、抽選部(33)にて当選した場合に、電力を電力源(10)から受け
て電力消費機器(40)に供給し、かつ/又は、抽選部(33)にて落選した場合に、電力
源(10)から電力消費機器(40)への電力の供給を遮断するスイッチング部(34)と
を備えている。
尚、詳細は上図ダブクリ参照されたし。
【最新蓄熱技術篇:光学制御できる相変換型蓄熱剤】
11月16日、マサチューセッツ工科大学の研究グループは、一種の熱電池機能で、燃料の
代替品となる新しい化学合成物で、必要に応じてエネルギーを放出する化学蓄熱電池剤を開
発したことを公表。蓄熱の一般的なアプローチは、相変化材料(PCM: phase change material)
を使用し、入力熱が材料を溶融し、固体から液体へと相変化しエネルギーを蓄積する。 PCM
が融点以下に冷却されると、PCMは固体に戻り、その時点で蓄えられたエネルギーは熱とし
て放出されるが、これらの材料には、低温用途のワックス、脂肪酸、および高温使用される
溶融塩を含む材料の例があるが、従来のPCMは、断熱を必要とし相変化温度を制御できず蓄
熱エネルギーを比較的急速に失う。このため新しいPCMは、ハイブリッド型相変化材料は温
度を光で調整でき、相変化の熱エネルギーを元の材料の融点よりもずっと低く維持でき光に
応答し形状を変える分子スイッチを使用する(詳細は上/下図ダブクリ参照)。
doi:10.1038/s41467-017-01608-y
熱エネルギーの問題は、それを保持/維持することが難しい点にある。そのため、従来の相
変化材料に光が当たったときに構造変化を起こす小さな分子加えことで、光のパルスに応答
する有機化合物と脂肪酸を組み合わせることで蓄熱エネルギーを熱放出できるような分子構
造――感光性構成要素はエネルギーを蓄積/放出する他の構成要素の熱特性を変化――の改
質に成功する。これにより熱エネルギーをある場所に蓄えておけば、必要に応じ熱エネルギ
ーを発生できる。上図のように、このハイブリッド材料は、❶加熱すると溶融し、❷紫外線
に曝された後、❸冷却しても溶融。❹次に、別の光パルスがトリガとなり材料は再凝固し、
❺熱相変化エネルギーを戻す。つまり、光活性化分子を従来の潜熱材料に組み込むことで、
溶融、凝固、過冷却などの新しい種類の制御機能を持たせること成功する。新しい蓄熱剤は、
太陽熱だけでなく、産業排熱、車両排熱などあらゆる熱源が利用できる。また実験室段階で
従来のものは数分間でエネルギー消失するが、少なくとも10時間安定、この蓄熱剤の温度
変化または過冷却は最高10℃(18°F)――材料中に熱エネルギー(約200ジュール/
グラム)保持―――を示しさらに高い温度も期待できるとのこと。
Nov. 13, 2017
【今夜の2枚の写真:フクシマ・メルトダウンの現況】
Nov. 28, 2017
Nov. 27, 2017
6年以上経過した福島原子力発電所で今直敷地内で900個の大型高密度タンクで保管され
た100トンの放射性水をどうするべきか結論がでていないが、放射能水量は、1日150
トン増え続けているという。(詳細は上写真をダブクリ参照されたし:英文)
● 凄い時代の儀礼Ⅱ
宅トレ1日6000歩(2~3回/日 約60~45分)を直実にこなし、英会話レッスンも1時
間半をこなす――「おと基礎英語」のテキストをみて、文字とし理解することで、ずいぶん変化し
ていることに気づき果然熱が籠もる(流し鑑賞と比較して)。ところが、そのバーター(トレード
オフ)されるのが、最新の技術情報収集時間が犠牲となる。痛し痒しであるものの、中国のキャッ
チアップの加速を感じる。なので「継続は力なり」を肝に銘じて頑張るのだが、彼女が夜遅くまで
作業するのはやめてほしいと言って「睡眠薬」を置き協力せよとクレーム。やはり家の造りが貧相
なのが禍している。