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量子ドット工学講座30

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        選択肢を前にした 若者が答えるべき問題は、 正確には、何を
        したらよいかではなく、 自分を使って 何をしたいかである。

                                                                               ピーター・ドラッガー

                                                    

                             Peter Ferdinand Drucker
                                          Nov. 19, 1909 - Nov. 11, 2005 

 

       

【量子ドット工学講座30:最新高効率太陽電池技術事例】

● 特開2016-225546  光電変換素子 シャープ株式会社 他

量子ドットを有する太陽電池は、化合物太陽電池に、量子ドットを有する量子ドット層を挿入した構造
である。このような構造により、量子準位を介した二段階の光励起によって、未利用だった波長域の光
吸収(母体材料のバンドギャップより小さいエネルギーのフォトンの吸収)が可能となり、光電流を増
加させることができる。量子ドット間の電子的結合により、超格子ミニバンド形成する場合、量子ドッ
トで生成されたキャリアは、超格子ミニバンド中を移動し、光励起によってp型及びn型の母体半導体
領域へと移動し、外部より取り出される。

現在、量子ドット層を有する太陽電池では、量子ドット層で生成されたキャリアの取り出し効率が極め
て低く、光電変換効率が低い。①この要因の一つとして、量子準位(超格子ミニバンドを含む)を介し
た二段階の光吸収効率が低いことが考えられ、特に、二段階光吸収のうち、二段階目の光吸収に該当す
る量子準位から伝導帯への吸収帯域が一段階目の光吸収に該当する価電子帯から量子準位への吸収帯域
と比べて狭く、また、二段階目の光吸収帯域と太陽光スペクトルとの整合性が低いことから、一段階目
の光吸収は十分である一方、二段階目の光吸収が不十分であることが課題となっている。

②一方、波長変換材料を用いることで、太陽電池の効率を向上させる研究開発も行われている。透過損
失となる2つの光吸収ピーク間の波長領域内の光を、長波長側の光吸収ピークの光に波長変換すること
により、光電変換できる光の波長範囲を広くして、光電変換効率の向上を図っている。しかし、光電変
換効率を向上に、波長変換材料によって、二段階目の光吸収に該当する量子準位から伝導帯への光学遷
移に対応する波長の光に変換する開示がない。

【課題を解決するための手段】

ここで提案される光電変換素子は、障壁層と量子層とが交互に繰り返し積層された超格子半導体層と、
入射した光の波長を変換する波長変換材料を含む波長変換層と、を備え、波長変換層は、入射した光を、
この超格子半導体層の伝導帯の量子準位から伝導帯の連続準位への光学遷移に対応する波長光に変換す
る。つまり、下記の9つの構成ような量子準位を介した二段階光吸収における二段階目の光吸収を効率
的に起こすことで、光電変換効率を向上させることができる構成技術が提案されている。

障壁層と量子層とが交互に繰り返し積層された超格子半導体層と、入射した光の波長を変換する
波長変換材料を含む波長変換層を備え、波長変換層は、入射光を、超格子半導体層の伝導帯の量
子準位から伝導帯の連続準位への光学遷移に対応する波長光に変換する。 第1の構成において、この波長変換層は、入射光を、光のエネルギーと光吸収係数との関係を示
す光吸収スペクトルの、超格子半導体層の伝導帯の量子準位から伝導帯の連続準位への光学遷移
に対応し、光吸収係数がピークとなるエネルギーの光に変換できる。 入射光を、超格子半導体層の伝導帯の量子準位から伝導帯の連続準位への光学遷移に対応して光
吸収係数が最も大きいエネルギーの光に変換するので、最も大きいエネルギーの光に変換するの
で、量子準位を介した二段階光吸収における二段階目の光吸収をより効率的に起こし、光電変換
効率を向上させることができる。 第1から第3のいずれかの構成で、この波長変換層は、超格子半導体層に対して、光の入射側と
は反対側に設けてもよい。 第4の構成では、波長変換層は、光電変換層を透過した光を波長変換し、二段階光吸収の二段階
目の光吸収を効率的に起こすので、光電変換効率を効果的に向上できる。 第1から第5のいずれかの構成において、この量子層は、複数の量子ドットが前記障壁層により
囲まれた構造の量子ドット層であってもよい。この構成によれば、光吸収フォノンボトルネック
等の効果により、励起されたキャリア寿命を伸ばすことができる。 第1から第6のいずれかの構成において、前記波長変換材料は、量子ドットを含んでもよい。こ
の構成によれば、波長変換後の光の発光ピークは、状態密度に強く依存した半値幅の狭い発光ピ
ークとなるので、効率的に光吸収することができる。 第1から第7の構成において、この波長変換層には、光入射側から、より短波長の光に波長変換
する、異なる種類の波長変換材料をそれぞれ含む複数の層が含まれていてもよい。 第8の構成において、この波長変換層に含まれる複数の層のうちの少なくとも1つの層は、入射
した光を光のエネルギーと光吸収係数との関係を示す光吸収スペクトルにおいて、超格子半導体
層における価電子帯の量子準位から価電子帯の連続準位への光学遷移に対応し、光吸収係数がピ
ークとなるエネルギーの光に変換するようにしてもよい。この構成によれば、超格子半導体層の
価電子帯の量子準位に生成されたキャリアを効率的に取り出すことができる。

 Dec. 28, 2016

【符号の説明】

1…基板、2…バッファ層、3…BSF層、4…ベース層、5…超格子半導体層、6…エミッタ層、
7…窓層、8…コンタクト層、9…p型電極、10…n型電極、11…波長変換層、12…金属膜
12、51…障壁層、52…量子ドット層、53…量子ドット、100…太陽電池

【要約】

光電変換素子は、障壁層51と量子ドット層(量子層)52とが交互に繰り返し積層された超格子半導
体層5と、入射した光の波長を変換する波長変換材料を含む波長変換層11とを備える。波長変換層11
は、入射した光を、超格子半導体層5における伝導帯の量子準位から伝導帯の連続準位への光学遷移に
対応する波長の光に変換することで、光電変換素子の光電変換効率を向上させる。

 

  

【RE100倶楽部:スマート風力タービンの開発 11】

● 事例研究:磁気軸受を使った風力発電装置

【特開2017-002885揺動運動による発電機構】

従来、この種の風力発電システムとしては、下記特許文献1に示すように、主軸の上下端に永久磁石を
配置し、これらに対向する永久磁石を軸受け部分に設けた磁気軸受けを備える風力発電装置が知られて
いる(特開2001-132617 風力発電装置)。

しかし、従来の風力発電システムでは、非接触の磁気軸受けにより接触抵抗を無くして発電効率を高め
ることができるものの、①磁気軸受けに加えて、②発電装置を別途構成する必要があり、装置構成が複
雑となるという問題があった。特に、縦型の小型風力発電装置では、簡易な構成で複数台設置可能とす
ることで発電量を増やす事業形態であるところ、装置構成が複雑で1台当たりのコストが嵩むことはビ
ジネス上大きな障害となる。

そこで、この新規考案では、①簡易な構成で、②回転負荷を低減して、③低風速起動を可能とし、発電
量を向上させることができる風力発電システムを提供する。上記目的を達成のために、第1発明の風力
発電システムは、垂直方向に立設された主軸と、主軸に取り付けられた風車と、主軸の下部に設けられ
た発電装置とを備える風力発電システムにおいて、発電装置が、主軸の下部に取り付けられ、①周方向
に交互に極性が異なるように永久磁石を配置させたロータと、②これを取り囲む複数のヨークと、③こ
の回りに巻線されたコイルとを有するステータとを備え、④これとヨークとの間の磁気吸引力(能動型
磁気軸受)により、主軸を浮上させることを特徴とする。

上記の第1の風力発電システムでは、永久磁石を配置したロータと、これと対向するヨー
クを有するステータにより発電装置を構成することで、主軸を発電装置の磁気吸引効果で
浮上させることができる。 第2の風力発電システムは、、①第1のシステムでのロータの外周面が上部から下部に拡
径したテーパ形状であり、②ヨークの内周面がロータの外周面に対応して上部から下部に
拡径したテーパ形状であり、③ロータとヨークとの間の磁気吸引力として、水平方向成分
に加えて垂直方向成分を発生させたことを特徴とする。このシステムでは、永久磁石を配
置したロータと、これと対向するヨークを有するステータは、磁気吸引力はロータとヨー
クとの間の水平方向となるところ、ロータを外周面が上部から下部に拡径したテーパ形状
とし、ヨークの内周面をロータの外周面に対応させて上部から下部に拡径したテーパ形状
とすることで、ロータを引き上げるようにテーパ面に垂直な斜め上方の磁気吸引力を発生
させることができる。これにより、主軸に掛る重力が多くなった場合にも、磁気軸受けを
別途設ける必要がなく、簡易な構成で回転負荷を低減して低風速起動を可能とし、発電量
を向上させることができる。

第3の風力発電システムは、第1または第2のシステムで、ロータの下部に設けられたロ
ータ側補助永久磁石と、ステータに設けられ、補助永久磁石と逆極性に対向配置されたス
テータ側補助永久磁石とを備え、ロータ側補助永久磁石とステータ側補助永久磁石により、
主軸の浮上を補助することを特徴とする。このシステムによれば、主軸に掛る重力が多く
なった場合にも、主軸の下端に設けられた①ロータ側補助永久磁石と②ステータ側補助永
久磁石の反発力により、主軸が上方に押し上げられ、主軸に掛る重力が多くなった場合に
も、磁気軸受けを別途設ける必要がなく、簡易な構成で回転負荷を低減して低風速起動を
可能とし、発電量を向上させることができる。

【発明を実施するための形態】

図1を参照して、本実施形態の風力発電システムについて説明すると、風力発電システムは、フレーム
Xを介して垂直方向に立設された主軸1と、主軸1に取り付けられた風車2と、主軸1の下部に設けら
れた発電装置3とを備える。主軸1は、フレームXとの間にベアリングYを介して回転自在に支持され、
風車2の回転に対応して回転する。風車2は、縦方向に延びる一対のブレード21,21と、主軸1に
連結されブレード21,21を支持する支持アーム22,22とを備える(下図1)。

図1

特開2016-194262

【符号の説明】

1…主軸、1´…回転軸、2…風車、3…発電装置、3´,3´´…ケーシング、21…ブレード、
22…支持アーム、30…ロータ、31,31´…回転体、32,32´…永久磁石、40…ステータ、
41…筺体、41a,41a´,44a…アジャストスクリュー、42,42´…ヨーク、43…コイ
ル、X…フレーム、Y…ベアリング(軸受)

下図2に示すように、発電装置3は、主軸1の下部に取り付けられたロータ30と、ロータ30を取り
囲むように設けられたステータ40とを備える。ロータ30は、ジョイント部10を介して主軸1と連
結された回転軸1´に取り付けられた回転体31と、回転体31の外周面において周方向に極性が異な
るように放射状に配置された複数の永久磁石32とを備える。ステータ40は、筺体41の内面に支持
された複数のヨーク42と、ヨーク42の回りに巻線されたコイル43とを備える。

筺体41は、発電装置3本体のケーシングの上面3´にアジャストスクリュー41aを介して、上下方
向に調整可能に支持される。なお、ケーシングの上面3´と筺体41との突き当たり部分にはガイド(
防振ゴム)41bが取り付けられている。ヨーク42は、ロータ30の永久磁石32と対向してロータ
30を外周から取り囲む。なお、ヨーク42の外側端部は互いに連結されて環状となっていてもよい。
これにより、ロータ30をステータ40内に挿入すると、ロータ30の永久磁石32と対向するヨーク
42との磁気吸引力により、図2のようにロータ30がヨーク42の中央位置(中心方向および上下方
向の中央位置)で浮上保持される。

図2

なお、筺体41と発電装置3本体のケーシングの上面3´との間のアジャストスクリュー41aを調整
することにより、前記中央位置を調整することができ、ロータ30を介して主軸1の上下方向の位置を
調整することができる。コイル43は、ヨーク42の回りに巻線され、ロータ30の回転によるヨーク
42内の磁束の変化により交流の誘導電流が発生する。また、ロータ30およびステータ40には、必
要に応じて、それぞれロータ側補助永久磁石34およびステータ側補助永久磁石44が設けられる。ロ
ータ側補助永久磁石34は、ロータ30の下部に下向きに取り付けられ、ステータ側補助永久磁石44
は、ステータ40の底面40´にロータ側補助永久磁石34と逆極性に対向配置される。これにより、
ロータ30の永久磁石32と対向するヨーク42との磁気反発力により、ロータ30および主軸1の浮
上が不十分な場合に、ロータ側補助永久磁石34およびステータ側補助永久磁石44の反発力によりロ
ータ30を上方に押し上げて浮上させることができる。

なお、ステータ側補助永久磁石44は、ステータ40の底面40´にアジャストスクリュー44aを介
して、上下方向に調整可能に支持される。そのため、ロータ側補助永久磁石34とステータ側補助永久
磁石44との間のギャップを調整することで、ロータ30を上方に押し上げる反発力を調整することが
できる。以上のように構成された風力発電システムによれば、風がブレード21,21が受けることに
より回転すると、支持アーム22,22を介してその回転が主軸1の回転となる。このとき、主軸1は、
回転軸1´を介して下部に設けられたロータ30が、ヨーク42との間の磁気吸引力(ロータ側補助永
久磁石34およびステータ側補助永久磁石44が設けられる場合にはこれらの間の反発力)により、浮
上状態とすることができる。

このように主軸1を浮上状態とすることにより、主軸1の軸受け部分であるベアリングYの軸受け荷重
を軽減することができ、回転負荷を大幅に低減して低速起動を可能とすることができる。さらに、ベア
リングYに掛る軸受け荷重は、筺体41と発電装置3本体のケーシングの上面3´との間のギャップを
アジャストスクリュー41aにより調整することができる(図中の矢印参照)。加えて、ロータ側補助
永久磁石34およびステータ側補助永久磁石44が設けられる場合にはアジャストスクリュー44aに
より、ロータ側補助永久磁石34とステータ側補助永久磁石44との間のギャップを調整することでも、
ベアリングYに掛る軸受け荷重を調整することができる(図中の矢印参照)。

また、水平方向において、ロータ30を取り囲むようにステータ40を設けるオーバーハング構造とす
ることで、ロータ30とステータ40との間のベアリングを省略することができ、軸受け負荷部分を無
くすることができ、回転負荷をさらに低減することができる。加えて、ロータ30を取り囲むようにス
テータ40を設けるオーバーハング構造とすることで、主軸1の縦方向の振動に対して許容性を持たせ
ることができ、ロータ30とステータ40との間のベアリングと併せて用いられるフレキシブルカップ
リングやフレキシブルシャフト等についても不要となる。このように、本実施形態の風力発電システム
によれば、簡易な構成で回転負荷を低減して低風速起動を可能とし、発電量を向上させることができる。

次に、図3を参照して、本実施形態の発電システムの変更例について説明する。なお、上記実施形態と
同一の構成については、同一符号を付してその説明を省略する。この場合、回転軸1´に設けられたロ
ータ30´は、その外周面が上部から下部に拡径したテーパ形状となっている。

具体的には、ロータ30´は、回転体31´の外周面が上部から下部に拡径したテーパ形状となってお
り、その外周側に永久磁石32´が外周面において周方向に極性が異なるように放射状に配置される。
また、この場合のステータ40´は、筺体41´の内面に取り付けられたヨーク42´の内周面がロー
タ330´の外周面に対応して上部から下部に拡径したテーパ形状となっている。なお、ヨーク42´
の内周面は、ヨーク42´の制作上、階段状となっていてもよい。

図3

筺体41´は、発電装置3本体のケーシングの下面3”上において、アジャストスクリュー41a´を
介して上下方向に調整可能に支持される。また、筺体41´とケーシングの下面3”との間の付き当た
り部分にはガイド(防振ゴム)41b´が取り付けられている。かかる本実施形態の発電システムの変
更例によれば、磁気吸引力がロータ30とヨーク42との間の水平方向となる前記実施形態に比して、
ロータ30´を引き上げるようにテーパ面に垂直な斜め上方の磁気吸引力を発生させることができる(
図中の矢印)。

このとき、筺体41´と発電装置3本体のケーシングの下面3”との間のアジャストスクリュー41a´
を調整することにより、その中央位置を調整することができ、ロータ30´を介して主軸1の上下方向
の位置を調整することができる。これにより、主軸1に掛る重力が多くなった場合にも、簡易な構成で
回転負荷を低減して低風速起動を可能とし、発電量を向上させることができる。なお、かかる本実施形
態の発電システムの変更例においても、主軸1に掛る荷重が大きい場合などに、ロータ側補助永久磁石
34とステータ側補助永久磁石44を補助的に設けるようにしてもよい。

ここで掲載した垂直型風力発電システムがわたしがこれら開発しようとするイメージに近いものである。

 

● これからのオールウインドシステム Ⅲ

 【反撥型磁気軸受技術動向】

2 反発型磁気軸受の磁気力

2-1 反発力の計算

反発型磁気軸受の軸受部は軸方向に着磁したリング状の2つの永久磁石を極性を合わせて内外輪で組み
合わせた構造とし、ローター側磁石とステーター側磁石の間の磁気反発力により軸を支持する.以下で
はローター側磁石を内輪、ステーター側磁石を外輪と呼ぶ.図2.1 のように内外輪磁石を微小要素に分
割し、微小要素の間に生じる磁気反発力をクーロンの法則を用いて求め、それを磁石の極面全体につい
て積分して反発型磁気軸受に生じる磁気力を計算する。図2.1 は同一水平面に投影して表している。

なお、以下では、内輪に関する物理量を添え字A、外輪に関する物理量を添え字Bを用いて表す。時刻
tにおける内輪の不つりあい~e 方向のx 軸方向からの回転角度をψ=ωt とする。半径方向の分割数
をnr、円周方向の分割数をnψとする。x半径方向は内側から、内輪の微小要素の要素番号をj(=1
、2・・・、nr)、外輪の要素番号をκ(=1、2・・・、nr)、とし、円周方向はt=0の配置において、
x 軸上から、内輪の要素番号をj(=1、2・・・、nr)、外輪の要素番号をl(=1、2・・・、nr)と
する.x 軸方向から角度 ψ+ψA の位置にある内輪微小要素(i、j)の形心Aij とx 軸方向から角
度ψB の位置にある外輪微小要素外輪要素(k、l) の形心Bkl について考える。形心とは、微小要素
の電荷を円周方向に沿って集めたときの中心点である。ここで角度A、Bは、 内外輪の隣り合う要素の
形心間の角度Δψ=2π/nψを用いて、次のように表すことができる。

              ψA=jΔψ、ψB=lΔψ                         (2,1)

 

 

また,内輪要素の形心Ai*、外輪要素の形心Bk(*=1、2・・・nω) のz軸からのxy平面での位置ベク
トル~a、~b の大きさをγa(=|~a|)、γb(=|~b|)とすると次式となる。ここでベクトル~a,~b
はxy 平面にある。





以上のように、参考論文は数式と羅列されていくがこれは割愛し、解説図と要点のみ掲載する。

                                       この項つづく

     
 

  ● 今夜の一曲

ピアノ四重奏曲 ピアノと弦楽のための四重奏断章

ハープと弦楽器のみで演奏される、静謐感に満ちた美しい楽章であることから、別名「愛の楽章」とも
呼ばれる。『亡き子をしのぶ歌』第2曲「なぜそんな暗い眼差しで」及び『リュッケルトの詩による5
つの歌曲』第3曲「私はこの世に忘れられ」との関連が指摘される。 中間部ではやや表情が明るくなり、
ハープは沈黙、弦楽器のみで憧憬を湛えた旋律を出す。この旋律は、終曲でも使用される。休みなく第
5楽章へ繋がる。ルキノ・ヴィスコンティ監督による映画『ベニスに死す』で使用されたことで有名と
なり、しばしば単独で演奏される。 なお、楽章の表題は「アダージェット」であるが、演奏指示は、
Sehr langsam (非常に遅く)となっている。一般に10分前後の演奏時間であるが、マーラーとメンゲル
ベルグは約7分で演奏(出典:Wikipedia)。


鴨嘴な風力発電

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                    リスクが富を生む。    /    ピーター・ドラッカー

 

                                                     

                             Peter Ferdinand Drucker
                                          Nov. 19, 1909 - Nov. 11, 2005                                     

  

【RE100倶楽部:スマート風力タービンの開発 12】

● 事例研究:バイオミメティクスを応用したブレード形状

【特開2016-188697  とんぼの翅構造の一部を模した翼】

 
ディズニーチャンネルのテレビアニメキャラーのカモノハシパリーがなんともかわいい、「フィニアス
とファーブ」。ところで、この鴨嘴を模った流線型の新幹線への設計反映は、産業の技術開発や物づく
りに、生物が持っている優れた機能を模倣して生かそうとする「バイオミメティクス」の一例である。

このように、生物の中で、とんぼは、特別の飛行能力を有している。とんぼは、長い2対の翅を持って
いて、これをそれぞれ交互にはばたかせて飛行するが、翅を止めて滑空することも出来る。また、高速
移動をしたり、空中でホバリングしたり、瞬時にスピードや方向を変えることすら出来る。さらに、飛
行時の騒音もほとんどなく、しかも驚くほどの省エネ飛行を実現している。しかし、このトンボのよう
に自由自在に空を飛ぶことの出来る機械はまだ存在しない。通常の航空機等の翼と比較してみたい。航
空機の翼やプロペラ、風力発電の翼、タービン翼、スクリュー、扇風機の羽根、へリコプターやオート
ジャイロの回転翼、ドローンのプロペラなどをはじめ翼構造が使われている機械は多く存在する。これ
を風力発電のブレードに応用しようとする新規考案が提案されている。

これらの航空機や風力発電等の翼やプロペラは長年の技術革新の積み重ねで現在のものとなっているが、
今なお、世界各地でトラブルを起こすことがしばしばある。これらの翼に対して、とんぼの翅は軽く丈
夫にできている。翅脈というスジが,網の目のようになって骨組みとなり,その間に透明な膜が張られ
ている。とんぼの翅の断面を見てみると折れ線グラフのようにがたがたしている。一見すると、この翅
でどうして飛べるかとても不思議である。しかし、良く調べてみると、気流の中では、とんぼの翅の凹
部では気流が渦となってくるくるとボールベアリングのように回転する。これによって、とんぼの翅上
面の流れは翅下面と比較すると非常に早く流れることからベルヌーイの定理により、揚力を得て翅は上
方に浮くこととなる。

従来の翼理論からすると、とんぼの翅に気流の渦が出来ることは失速しやすく、性能が劣ると考えられ
ていた。しかし、とんぼの持つ4枚の翅は1枚が消失しても飛ぶことが出来るほど高性能なものであるこ
とが見出された。とんぼの翅の特性を生かし、バイオミメティクスという将来の技術の一つとして産業
に生かそうという動きが出てきている。しかしながら、とんぼの翅は上述のように極めて細い骨組みと
ごく薄い膜で構成されており、その断面は航空機などの翼とは全く異なりでこぼこで華奢に出来ている
ため、このままではごく小さな模倣機械であれば開発可能ではあるが、少しでも大型のものを作ろうと
すると、その脆弱さが障害となって、とても産業に役立たせることは出来ないという問題がある。

この改善策として、カーボンファイバー製の骨組みに薄膜を貼り付けるなどの方法も考えられるが、極
薄の翅である限り、その強度では、その使途も限られたものになり、とても風力発電用風車や実際の航
空機等には利用は出来ないという大きな欠点がある。事実、とんぼの翅状態では産業に生かせるほどの
ものにはなってはいない。さらにバイオミメティックスの中でも、とんぼの翅に関して現時点において
は公開された技術は見当たらない。

Nov. 4, 2016

【要約】

気体、液体、気液混合体のいずれか一の中で使用する翼6において、該翼6の上部をとんぼの翅構造の
一部を模した外板1とし、該翼6下部は航空機の翼の下部形状を持つ外板2とし、該両外板1、2を合
体させ、両外板1、2内部を構造体5としてなることを特徴とする。望ましくは、該航空機の翼の下部
形状を持つ外板2はほぼ平らであるもの、下にややふくらんだもの、逆に上に反ったものの中から目的
に合わせて一を選択する。さらに望ましくは、該翼6にウイングレットやフクロウのセレーションを模
した突起を設けるとさらに効率が上がる揚力が大きく失速しずらく強度の強いとんぼの翅構造の一部を
摸した翼を得る。

 【符号の説明】

1 翼上部外板 2 翼下部外板 3 翼前縁 4 翼後縁 5 翼構造体 6 翼 7 前縁脈 8 結節 
9 縁紋 10 透明膜 11 翅脈 12 三角室 13 とんぼの翅14 気流 15 渦 16 補助翼 
17 翼弦長 18 中心線 19 最大 翼厚 20 最大キャンパ 21 翼弦線 22 ブレード 
23 風 24 回転軸 25 支持具 26 垂直尾翼 27 胴体 28 水平尾翼 29 ウイングチッ
プフェンス 30 突起 31 ウイングレット

本発明は、上記のとおり構成されているので、次のような14項目の効果がある。

1.とんぼの翅は非常に華奢に出来ているが、本発明の翼は、その上部をとんぼの翅構造の一部を模し
    た外板とし、該翼の下部を航空機の翼の下部形状を持つ外板とし、該両外板を合体させてなること
  から、該翼内部に構造体、燃料タンク、支柱、制御装置、高揚力装置などを格納するスペースを設
  けることが可能であるという大きな利点がある。
2.このため、該翼の構成材料にもよるが該翼の強度を大きくすることが可能となるという利点がある。
3. これにより、従来は模型程度でしかとんぼの翅の性能を生かせなかったが、本発明の翼は産業化を
  大きく前進させられるという大きな利点がある。
4.特に航空機の翼やプロペラに本発明の翼を使用すると、揚力が従来の翼よりも大きくなるため、低
    速度であっても失速したりせず、これにより燃料消費を抑えることが出来、経済的であるなどの大
    きな利点がある。
5.さらに、風力発電用風車に本発明を使用すると、使用する翼の揚力が大きいことから微風でもスム
     ースに回転させることができるため、発電量が他の風車に比べて大きくなるという利点もある。
6. このことは、本発明の翼を水力発電用プロペラや水車、あるいは海洋発電用プロペラにも使用可能
  である。
7. 従って、再生可能エネルギーの一端も担えるという大きな利点がある。
8.しかも、本発明は、翼構造を持つあらゆる機械等に組み込み可能であるという大きな利点がある。
9.さらに、本発明を模型や玩具の翼やプロペラにも使用することも出来るという利点がある。
10.本発明の翼の末端にウイングチップフェンス、ウイングレット、レイクドウィングチップの中のい
  ずれか一を加えて設けると、燃費、効率が上がるため航空機に本発明を使った際には経済的になる
  という利点がある。
11.また、本発明の翼の一部にフクロウの翼のセレーションを模した突起を加えて設けると、騒音を大
  幅に減少させることができることから、風力発電用風車の騒音で近隣住民を悩ますような負担を軽
  減できるという利点がある。
12.本発明の翼は、強度に優れ、しかも揚力が大きく、従って微風でも作動することから、飛行機の翼
  やプロペラ、ヘリコプターの回転翼、水中翼、水力・風力発電の翼、タービンブレードの翼、人力
  飛行機の翼、翼構造とした飛行船などをはじめとして、ありとあらゆる翼に取って代わることが可
  能であるという大きな利点がある。
13.また、本発明の翼を一体成型で作ることも可能であるため、比較的小さな翼やプロペラなどは生産
  性の向上が見込めるという大きな利点がある。
14.本発明の翼は、従来の翼とは異なり曲面より平板で構成される部分が多いため、比較的容易に製造
  出来るとという利点がある。

【実施例7】

図19は実施例7であり、本発明の一実施例である。図10の本発明のブレード22(翼6)等の端部
にウイングチップフェンスを設け、さらにブレード22(翼6)の翼下部外板1の一部にフクロウの翼
にあるセレーションを模した突起を設けたものの右側面図である。図中、29はウイングチップフェン
ス、30は突起である。1~6は図18と同様である。一般的に翼6の上方と下方を流れる気流の流速
が著しく異なるため圧力差が出来る。このため、翼6の上では翼6の下よりも気圧が低くなる。したが
って、飛行中の翼6の下側から上側に渦となって気流が回り込むという現象が起き揚力が減少する原因
となる。そこで、この減少を食い止めるため、翼6の端部にウイングチップフェンス29を設けること
により、揚力の減少がある程度抑えられ効率的になる。このことは、風力発電用風車の翼や、プロペラ
などでも同様におきることから、ウイングチップフェンス29は翼構造を持つものに対しては非常に有
効であり、省エネルギーにつながる。なお、ウイングチップフェンス29に換えてレイクドウイングチ
ップまたは後述のウイングレットを設けても良い。また、ふくろうの翼に並ぶセレーションと呼ばれる
細かなやや曲がった櫛のような突起30は翼6が飛行中に風を切る音を消すので、これを風力発電用風
車のブレード22(翼6)の一部に設けると、近隣住民が現在騒音に悩まされているが緩和されるとい
うメリットがある。この該セレーションは非常に細かなため、図19~図23において記載の該突起
30は理解のため誇張略記してある。

【実施例8】

本発明の一実施例である。図10の翼の端部にウイングレットを設けたことを示す右側面図である。図
中、31はウイングレットであり、1~6、22、30は図19と同様である。本図に使用するウイン
グレット31は、図19の説明と同様に航空機等の翼端に発生する渦が翼6の上では翼6の下側よりも
気流の流れが早くなり気圧が低くなるため翼6の下から上に気流が渦となって上側に回りこみ折角の揚
力を減少させてしまうが、翼端に本図のようにウイングレット31を設けると、翼6の上側に回りこむ
渦を減少させることが出来るという利点がある。また、本図のブレード22(翼6)にも図19と同様
に突起30を設けてある。この突起30は前述のようにフクロウの翼のセレーションという突起30で、
風切り音を低減するという効果がある。図22は、図21の正面図で翼端部分である。図中、1、2、
6、22、30、31は図21と同様である。本図にあるように、本発明のブレード22(翼6)端部
にウイングレット31を設けてある。また、翼6とウイングレット31の下側には図21と同様に突起
30を設けてある。

【実施例9】

図23は、実施例9で、本発明の一実施例である。図中、1、2、6、22、30、31は図22と同
様で、24、25は図14と同様である。本発明のブレード22(翼6)に突起30とウイングレット
31を設けた風力発電用風車の正面図である。本図の風力発電用風車はとんぼの翅構造を生かした効率
的なものであるため、微風でも回転して電気エネルギーを生み出すことが可能である。また、ブレード
22(翼6)が2枚であるが、それ以上のブレード枚数を増やすことも可能である。

このように、わたし(たち)イメージしている風力発電のブレードは、①微風でも発電でき、②静粛性を保てるという
基本設計にある。 



                                                           この項つづく

       

【量子ドット工学講座31:最新高効率太陽電池技術事例】

● 特開2016-219740  光電変換装置

従来の単接合タイプの光電変換装置は、光電変換層を形成する材料としてシリコンを用いているが、実
用上の光電変換効率はせいぜい15%程度が実態。シリコンの半導体基板上に、シリコンよりもバンド
ギャップの大きい量子ドット集積膜タイプが提案されている。下図8は、光電変換装置の電流-電圧線
の概念図。図8において、実線はシリコン基板の電流-電圧曲線、破線はシリコン基板よりもバンドギ
ャップの大きい量子ドットの集積膜105の電流-電圧曲線に対応する。

光電変換効率は、開放電圧をVoc、短絡電流密度(短絡電流Iscを太陽電池の受光面積で割った値
)をJscとしたときに、おおかた、これらの積を入射光強度で割った値として示される。また、吸収
できる光の波長領域は光吸収層(光電変換層という場合がある)を構成する材料のバンドギャップ(シ
リコン基板の場合、約1.1eV)を上限とする領域に限られる。このため光電変換装置の光電変換効
率を向上させるには、より高いバンドギャップを有し、自ずと開放電圧(Voc)を高めることのでき
る光吸収層の形成が必要になってくる。

しかし、量子ドット集積膜は、シリコン基板に比べて、バンドギャップが大きい分、照射される光量に
対する発電量(最大出力(Pmax))の変化が大きく、日照量の低い条件下では、短絡電流(Isc)
が大きく低下。光電変換層の機能を果たすどころかほぼ絶縁体になってしまう場合があるため、シリコ
ン基板上に量子ドット集積膜を積層した光電変換装置は、シリコン基板で出力される電流を外部に出力
させることが困難になるおそれがある。この新規考案は、量子ドット集積膜を有していてもシリコン基
板から出力される電流を外部へ出力できる光電変換装置の提案である。

 Dec. 22, 2016

 【要約】

第1の導体層1と、シリコン基板3と、シリコン基板3よりもバンドギャップの大きい光電変換層5と、
第2の導体層7とが、この順に配置されており、光電変換層5に、第1温度T1のときに、シリコン基
板3と第2の導体層7との間がオープン状態となり、第1温度T1よりも低い第2温度T2のときにシ
ョート状態となるスイッチ部材9を備えている。スイッチ部材9は、正の温度特性を示すサーミスタ、
もしくは光電変換層5よりも熱膨張係数の小さいセラミックス部材11aと、シリコン基板3と第2の
導体層7との間を接続する金属部材11bとを有する複合体11を構造とする、量子ドット集積膜を有
していてもシリコン基板から出力される電流を外部へ出力させやすい光電変換装置を提供する。

下図1 は、本発明の光電変換装置の一実施形態を部分的に示す断面模式図であり、(a)は、光電変換
装置が高い温度に置かれている場合、(b)は、光電変換装置が(a)の場合よりも低い温度に置かれ
ている場合である。上図2は、本実施形態の光電変換装置の電流-電圧線の概念図であり、(a)は、
陽射しが強く、光電変換装置の温度が高い第1温度T1の状態、(b)は、陽射しが弱く、光電変換装
置の温度が低い第2温度T2の状態である。

【符号の説明】

1 第1の導体層 3 シリコン基板 5 光電変換層 7 第2の導体層 9 スイッチ部材
11 複合体

上図1に示す光電変換装置Aは、第1の導体層1と、シリコン基板3と、シリコン基板3よりもバンド
ギャップの大きい光電変換層5と、第2の導体層7とが、この順に配置された構成となっている。この
光電変換装置Aでは、シリコン基板3とバンドギャップの大きい光電変換層5とは、第1の導体層1と
第2の導体層7との間で電気的に直列接続された状態にある。この場合、光電変換層5にスイッチ部材
9が設けられている。このスイッチ部材9は、光電変換層5を挟むように設けられているシリコン基板
3と第2の導体層7との電気的な接続の状態を温度の変化によって変化させる機能を有する。

例えば、高、低、2つの温度を設定し、高い方の温度を第1温度T1とし、第1温度T1よりも低い温度
を第2温度T2としたときに、スイッチ部材9を含む光電変換装置Aが、例えば、高い方の温度である
第1温度T1に達した場合に、スイッチ部材9は、シリコン基板3と第2の導体層7との間をオープン
状態(絶縁された状態)とする。このとき、シリコン基板3と第2の導体層7との間では、電流(また
は、キャリア(電子e、ホールh))は光電変換層5内を流れることになる。

反対に、スイッチ部材9を含む光電変換装置Aが低い方の温度である第2温度T2になった場合には、
図2(b)に示すように、光電変換層5の短絡電流(Isc)が低下するのに併せて、スイッチ部材9
がシリコン基板3と第2の導体層7との間をショート状態(短絡した状態)に変化させる。これにより、
シリコン基板3と第2の導体層7との間を流れる電流(または、キャリア(電子e、ホールh))は、
主として、スイッチ部材9内を流れるようになる。


図2(a)(b)を基に、図1(a)(b)に示した2つの光電変換装置Aの電流-電圧特性を比較す
ると、シリコン基板3と、これよりもバンドギャップの大きい光電変換層5とが組み合わさった光電変
換装置Aの場合、バンドギャップが約1.1eVのシリコン基板3の方は、陽射しの強弱によって異な
る温度になっても短絡電流(Isc)の変化は小さい。一方、バンドギャップの大きい光電変換層5の
方は、光電変換装置Aの温度が低くなると短絡電流(Isc)が大きく低下してしまう。つまり、光電
変換層5は、バンドギャップが約1.1eVであるシリコン基板3に比べて、バンドギャップが大きい
分、照射される光量に対する発電量の変化が大きいことから、日照量の低い条件下では、温度の低下と
ともに、光電変換層5としての機能を果たし難くなり絶縁性が高くなってしまう。このため、シリコン
基板3上に、これよりもバンドギャップの大きい光電変換層5を直列接続した光電変換装置Aでは、シ
リコン基板3から出力される電流を外部に出力させることが困難になる。



これに対し、本実施形態の光電変換装置Aでは、バンドギャップの大きい光電変換層5が日照量の低下
によって絶縁体化するような条件下においても、光電変換層5に設けたスイッチ部材9中を電流(また
は、キャリア(電子e、ホールh))が流れるようになることから、シリコン基板3において生成した
キャリア(電子e、ホールh)を外部へ容易に移動させることができる。

図3は、本実施形態の光電変換装置の第2の導体層と光電変換層との界面を平面視した模式図であり、
(a)は、スイッチ部材が光電変換層の面内に配置されている場合、(b)は、スイッチ部材が光電変
換層の側面(周囲)に配置されている場合である。図3は一例である。

スイッチ部材9は、図3(a)に示すように、光電変換層5の面内に複数個が均等に分布するように配
置されるか、または、図3(b)に示すように、光電変換層5の側面(周囲)において、向かい合う側
面間で対称的に配置されることが望ましい。上記した接続性能を示すスイッチ部材9としては、例えば、
正の温度特性を示すサーミスタを挙げることができる。具体的には、チタン酸バリウムを主成分とし、
これに微量の希土類元素を含有させたセラミック製のPTC(Positive Temperature Coefficient)サーミス
タを用いるのが良い。

図4は、スイッチ部材の他の例を示すもので、管状のセラミック部材に軸芯として金属部材を導体とし
て組み込んだ複合体を示す模式図である。スイッチ部材9の他の例として、図4に示すような、セラミ
ック部材11a中に光電変換装置Aの使用環境下で導電性を示す金属部材11bを組み込んだ構造の複
合体11であっても良い。この場合、金属部材11bを取り囲むセラミック部材11aは熱膨張係数が
光電変換層5を構成する材料よりも小さいことが望ましい。例えば、光電変換層5がシリコンよりもバ
ンドギャップの大きいCuGaSe2(1.65eV)によって形成されたものであった場合、セラミ
ック部材11aとしては、CuGaSe2の熱膨張係数(10×10-6/℃)よりも熱膨張係数の小
さいコージエライト(熱膨張係数:2×10-6/℃)やチタン酸アルミニウム(熱膨張係数:1×
10-6/℃)が好適である。金属部材11bとしては、貴金属、卑金属、アルミニウムおよびトタン
など、種々の金属を適用することができる。

図5は、セラミック部材中に金属部材を組み込んだ構造の複合体をスイッチ部材として用いたときの複
合体の温度の違いによる長さの変化を示した断面模式図であり、(a)は温度が高い第1温度T1のと
き、(b)は温度が低い第2温度T2の状態のときを表す。このような複合体11をスイッチ部材9と
して適用すると、光電変換装置Aの温度が低い、いわゆる第2温度T2の状態のときに、シリコン基板3
側および第2の導体層7側の両表面に接した状態としておいても、光電変換装置Aの温度が第2温度T2
よりも高い第1温度T1に変化した際には、光電変換層5の厚み方向の熱膨張の方が複合体11の熱膨
張よりも大きいために、複合体11の端面に露出させた金属部材11bは第2導体層7の表面から離れ
てしまう。

 つまり、陽射しが強く、光電変換層5が発電する場合には、光電変換層5は高い温度T1の状態となる
が、スイッチ部材9の部分だけはシリコン基板3と第2の導体層7との間が断線状態となることから、
光電変換層5内およびシリコン基板3内に生成したキャリア(電子e、ホールh)は、光電変換層5内
およびシリコン基板3内を移動することになる。

 一方、陽射しが弱く、光電変換層5の温度がT2の状態となるときは、光電変換層5は発電し難くなり、
絶縁性が高くなるが、スイッチ部材9はシリコン基板3および第2の導体層7に接するようになるため、
シリコン基板3内に生成したキャリア(電子e、ホールh)は、スイッチ部材9である複合体11の軸
芯に設けられた金属部材11b内を移動する。

この場合、スイッチ部材9は、光電変換層5を貫通している貫通体であることが望ましい。スイッチ部
材9が光電変換層5を貫通している貫通体であると、光電変換層5の面内に複数のスイッチ部材9を均
等に配置させることが可能になることから、シリコン基板3と第2の導体層7との間に流れる電流によ
るインダクタンスを低くすることができる。これによりシリコン基板3から出力される電流の外部への
出力がより容易になる。

本実施形態の光電変換装置Aでは、光電変換層5がシリコンの量子ドット集積膜であることが望ましい。
光電変換層5がシリコンの量子ドット集積膜であると、ペアを成すシリコン基板3のバンドギャップ(
約1.1eV)に対して、光電変換層5のバンドギャップを1.5eV以上、粒径によっては1.7e
V以上にできることから、より高い開放電圧(Voc)を得ることができ、発電の最大出力(Pmax)
をさらに高めることができる。

また、シリコン基板3および光電変換層5がともにシリコンにより形成されたものであるため、材料の
格子定数の差がほとんど無いことからシリコン基板3と光電変換層5との間の格子の不整合を減少させ
ることができるため、シリコン基板3と光電変換層5との境界付近のキャリアの移動度を高めることが
できる。


次に、本実施形態の光電変換装置の製造方法について説明する。図6は、本実施形態の光電変換装置の
製造方法を示す工程図である。ここでは、バンドギャップが1.1eVのシリコン基板3の他、第1の
導体層1にアルミニウム、第2の導体層7にインジウム錫酸化物(ITO)を、さらに、光電変換層5
として、シリコンの量子ドット(バンドギャップ:1.7eV)を、それぞれ適用し、スイッチ部材9
として、上記したチタン酸バリウムを主成分とするPTCサーミスタと、コージエライト-ニッケル
(Ni)製の複合体11を適用した例を基に説明する。

上図6(a)に示すように、まず、一方の主面に第1の導体層1としてアルミニウムの金属膜を形成し
たシリコン基板3を用意する。第1の導体層1の形成には、例えば、蒸着法を用いる。次に、(b)に
示すように、シリコン基板3の第1の導体層1側とは反対の表面に、スイッチ部材9を形成する。スイ
ッチ部材9としては、PTCサーミスを用いた場合と複合体11を用いた場合の2種類を作製する。こ
のとき、複数個のスイッチ部材9を均等な配置とし、同じ高さになるようにする。次に、(c)に示す
ように、シリコン基板3の表面のスイッチ部材9の周囲に、光電変換層5として、シリコンの量子ドッ
トを含む溶液をスピンコート法により成膜して量子ドット集積膜を光電変換層5として形成する。

最後に、光電変換層5の表面に蒸着法により第2の導体層7を形成する。以上のような基本的な工程を
経ることにより、図6(d)に示すように、本実施形態の光電変換装置Aを得ることができる。
なお、比較例となるスイッチ部材9を有しない光電変換装置を形成する場合には、スイッチ部材9を形
成する工程((b)工程)を省いて行う。

得られた光電変換装置Aおよび比較例となるスイッチ部材9を有しない光電変換装置について発電性能
を評価する。評価方法としては、正午頃の日中と、朝夕に近い時間帯とに発電させて、そのときの短絡
電流を測定して比較する。

①スイッチ部材9を備えた光電変換装置Aは、スイッチ部材9を有しない光電変換装置に比べて、朝、
夕時に測定した短絡電流(Isc)が5倍ほど高かった。②また、スイッチ部材9の比較では、複合体
11を用いたものはPTCサーミスタの場合に比較して、短絡電流が1.1倍ほど高いという結果が得
られている。

                                                                                      (了)

   ● 今夜の一曲

モーツァルト 弦楽四重奏曲 String Quartet No.14, in G, K.387

ハイドンにささげられたいわゆる「ハイドンセット」6曲の第1曲。第4楽章のフーガ風ソナタの運動
が素晴らしいとされる。  

今年も技術がてんこ盛り

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        争いは水際まで  天水訟(てんすいしょう)

     

                                      

   ※ 訟とは訴訟、裁判のことである。人の世に争いごとはつきも
     のだ。個人、集団、国家間の対立、さらにはそれぞれの内部
     における矛盾相剋は絶えることがない。上卦(じょうか)の
     Ξ(乾(けん)=天を意味する)は上に、下卦(かか)の(
     炊=水を意味する)は下に、と完全に意見と方向を異にして
     いる形が「訟」卦である。このようなときに、あくまで自説
     か通そうとすれぽ、ますます対立は激しくなり、逆に不利な
     結果を招くものである。いま運気は衰えている。つまらぬ片
     意地を捨てて、親愛と協調を心がけることだ。あくなき追求
     は、反動もまた大きいことに心せよ。


【マイ・ヒットネスプログラム実践記Ⅰ】

● ストレス性胃炎秘薬に自家骨盤底筋体操と

正月疲れと14、15日の大雪の除雪ですっかり体調を崩し、胸焼け、胃痛が3日ほど続き、太田胃散
の公式HPで自己診断してみる。飲み過ぎ・食べ過ぎや冷えが遠因に違いないが、不安や緊張などのス
トレスによる自律神経のバランスが乱れの影響が大きいと判断。早速、彼女が買ってきた「太田漢方胃
腸薬Ⅱ」を服用。それだけじゃないだめだろうということで、積極的に対処しようというこで、台所に
入り、秘薬を即席で創製、尿漏れもつづくようになり、下図、自家骨盤底筋体操(ヒップリスト)を試
すことに。
 
骨盤底筋を鍛えるという体操(骨盤底筋体操)とは、東京都老人総合研究所が行った最新の実験による
と、グラグラ尿道が原因の尿もれ患者である、70歳以上の被験者70人のうちの半分以上が、この体操を
(3ヶ月続けることで尿もれが完治したという事例が報告されているもので、過活動ぼうこうの治療に
効果が期待できます。まずは抗コリン薬を服用し、ぼうこうをリラックスさせる。その上でぼうこう訓
練を行うと、「オシッコのガマン」に不安な方も安心して取り組める。骨盤底筋は年齢に関係なく鍛える
ことが可能。骨盤底筋以外の筋肉に力が入ると、効果が下がる。腹、尻、太ももの筋肉に力が入っていないこと
を確認しながら行うのが肝である。 


朝から昼食(家庭料理風出汁巻きうどん)の間の不快感は凪を打ったように収まる。特に、秘薬の効果
は覿面(てきめん)で、肌が艶々になりパワーが漲るのが実感できる。もう栄養剤やサプリメントは不
用だと確信できる程である。それはそれでいい話なのだが、「骨盤底筋体操」をヒットネス・プログラ
ミングを加える羽目にになり、先日、①嚥下体操に、②この骨盤底筋体操を加え、これまでの、③スク
ワット、④腕立て伏せ、⑤ウォーキングに、新たに腹筋・背筋トレーニングを加えた抗加齢プログラム
をこなさなければならないが、余り杓子定規なってもかえってストレスとなるので運用は臨機応変、多
少はルーズでかまわないだろう。


【今年も技術がてんこ盛り】

● 位置情報を可変できる車載用HUD 「世界初」

自動車のドライバーが前方から視線をそらすことなく、メーターやカーナビゲーションシステムなどの
情報を知らせるための車載システムとしてヘッドアップディスプレイ(HUD)の採用が拡大している。
フロントガラスもしくはコンバイナー上に表示映像が数メートル(3~6メートル)先あるように見せ
ることで、ドライバーが表示映像の情報を認識する際に焦点を合わせ直さずに済むこともメリットにな
っている。

Jan. 13, 2017

1月13日、コニカミノルタは、「世界初」の車載用「3D AR HUD(3次元拡張現実ヘッドアップディ
スプレイ)」を開発し、18~19年を目標に商品化を進めるとともに、自動車メーカーなどへの提案
も行うと発表。HUDの進化版としてティア1サプライヤーが開発を進めているのが「AR HUD」。単純に
走行速度や路線案内の指示を表示するだけでなく、周辺の車両や歩行者、信号、標識、車線などにAR
(拡張現実)を重ね合わせることで、ドライバーに周辺状況を認識しやすくして、安全運転を支援する。
一般的なAR HUDは、映像の表示位置が数m先で固定されているので、ドライバーが頭を動かして視点の
位置がずれると、AR表示が重ね合わせの対象からずれてしまう。当社が開発した3D AR HUDは、映像
の表示位置を数~数10メートルなど可変させられるので、AR表示の重ね合わせはずれない。AR HUD
を実用化する上で本命技術になる。
デモも披露した。デモの内容は2種類に分かれている。1つは走行速度に合わせて、速度を示すメーター
の表示位置を変えるものだ。例えば、市街地で時速40キロメートルで走行しているときは40メート
ル先にあるように、高速道路で時速80キロメートルで走行しているときは80m先にあるようにして、
常にドライバーにとって見やすいようにすることができる。もう1つは、3D AR HUDの前方を動く歩行
者(を模した人形)に対するAR表示の重ね合わせだ。3D AR HUDと3Dではない通常のAR HUD(3D機能
がオフ)のAR表示を比較しその効果を示す。

※ 関連特許 特開2015-075832 AR表示システム、およびAR表示装置、情報処理装置、プログラム

  Apr. 20, 2015

 

 Dec. 15, 2016

● MEMS利用の自立型振動発電デバイスを事業化

東北大学未来科学技術共同研究センタのグループは、MEMS技術を利用して周辺の振動を電気エネルギ
ーに変換するエナジーハーベスタを用いたセンサを開発し、その実用化のため仙台スマートマシーンズ
株式会社を設立。同社は今後、電池や商用電源に因らずにセンサ等を駆動するセンサノードとして商品
化を図り、量産化に向けて取り組む。

● アルツハイマー治療薬を使って歯を再生

現在の虫歯治療では、ドリルで削った象牙質の部分にセメントなどの人工物を詰めている。そうした詰
め物の代わりに、アルツハイマー治療薬を使い、象牙質を自然に再生させることに成功したと発表。マ
ウスを使った実験に成功したのは、同カレッジのポール・シャープ教授が率いる研究チーム。歯の中に
は象牙質に囲まれた歯髄(神経と血管)と呼ばれる軟組織があり、歯髄に含まれる幹細胞は象牙質を再
生させる能力を持つ。ただし、同大学のリリース文によると、詰め物にセメントなどを使う場合、人工
物が分解されることなく歯の中にとどまるため、自然な象牙質の再生を阻害する。

現在臨床試験中のアルツハイマー治療薬「タイドグルーシブ(Tideglusib)」に注目。この薬には、アル
ツハイマー病の原因となるグリコーゲン合成酵素キナーゼ-3(GSK -3)の活性化を抑制する作用がある
が、歯に適用した場合、象牙質を修復する自然なプロセスを促進する作用も認められた。研究チームは、
マウスの歯を一部削り、生分解性があるコラーゲンでできたスポンジにタイドググルーシブを少量含ま
せてその部分に詰めた。スポンジは時間とともに分解が進み、それに置き換わるように象牙質が再生し
ていることが確認された。 Jan. 9, 2017

 Promotion of natural tooth repair by small molecule GSK3 antagonists

尚、この治療法が実用化されたとしても、やはり細菌に浸食された歯の部分を取り除く必要はあるため、
ドリルで歯を削る工程は残る。シャープ教授は、残念ながら、ドリル(で歯を削ること)は今後も必要
だろう。ドリルからは逃れられないとコメントしている。

● 近視進行抑制に紫の光

近視が発症・進行する原因は不明であり、現在世界の近視人口は増加し続け、世界の近視人口は50年
には約50億人になるという予測されている。これまでに屋外環境が近視進行を抑制することが複数の
疫学研究や動物実験から指摘されていましたが、屋外環境の何が近視進行抑制に効いているのか、また
そのメカニズムはわかっていなかった。慶應義塾大学の鳥居秀成特任助教らは、ヒヨコを用いた動物実
験とヒトの臨床研究を通じて、360-400 nmの光(以下、バイオレット光)が近視進行(眼軸長伸長)を
抑制することを世界で初めて発見した公表(2016.12.26)。

屋外環境に豊富にあるバイオレット光に着目し、実験近視モデルとして確立しているヒヨコを用いて研
究を進めた結果、バイオレット光を浴びたヒヨコの近視進行が抑制され、バイオレット光を浴びたヒヨ
コの目で近視進行を抑制する遺伝子として知られているEarly growth response 1 (EGR1 [ZENK, zif268])が
上昇していることがわかり、バイオレット光が近視進行を抑制するメカニズムとしてEGR1が関与してい
る可能性を明らかにする。

この臨床研究からもバイオレット光を透過するコンタクトレンズを装用している人の方が、バイオレッ
ト光を透過しないコンタクトレンズや眼鏡を装用している人よりも眼軸長伸長が抑制されていること、
眼鏡を装用していると近視が進行することを示唆。さらに現在私達が日常的に使用しているLEDや蛍光
灯などの照明にはバイオレット光はほとんど含まれておらず、眼鏡やガラスなどの材質もバイオレット
光をほとんど通さないことがわかった。即ち現代社会においてはバイオレット光が欠如しており、これ
が近視の世界的な増大と関係している可能性がある。

 

Violet Light Exposure Can Be a Preventive Strategy Against Myopia Progression,
doi:10.1016/j.ebiom.2016.12.007



余呉湖では大雪はむしろ 活気が漲るワカサギ釣りの最盛期なのだ。今年も地球環境関連の情報をコアと
してあふれている。「リスクはむしろ富の源泉」とはピーター・ドラッガーの言葉。気怠い朝は、自ら
の顔を叩き、かけ声を押しだす相撲取りのように挑み、弱気を払拭しよう。それにしても、今夜も技術
情報がてんこ盛りでブログをはみ出している。

  ● 今夜の一曲

ベルク 弦楽四重奏曲 Srting Quartet Op.3 

弦楽四重奏曲作品3は、アルバン・ベルクが1910年に作曲した弦楽四重奏曲。ピアノ・ソナタ ロ短
調とともに1911年に初演された。1920年に「わが妻に」の献辞つきで出版された。ベルクの弦
楽四重奏曲には他に『抒情組曲』(1926年)がある。高度な対位法と、無調整が自在に駆使された
作品。第1楽章は展開部のないソナタ形式で、第1主題は全音々階から導かれている。第2楽章はロン
ドン形式で構成されているが、第1楽章と共通の主題によっており、第1楽章の展開部が独立したもの
とも見做しうる。

帰ってきたドラッガー

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                                 戦いの道   /  地水師(ちすいち)

                                      

  ※ 「人は生まれてれて群なきあたわず」(荀子)。人問は本質的
    に社会的存在である。「師」とは多数の集団、または軍隊のこ
    とである。周代の制度では、五百人を旅(りょう)、二千五百
    人を師、一万二千万百人を軍という。集団、軍隊には指導者が
    必要である。指導者の良否は、そのまま集団の運命につながる。
    多数の哨兵を率いて戦いに勝ち抜くにはどうすればよいか、こ
    れはまた現代の管理者の課題でもあろう。この卦(か)は、集
    団の指導者の道を説く。その原則は、「貞正」である。どんな
    に苦しくとも正しい目的があるかぎり民は必ずついてくる。

 

 Jan 4, 2017

【RE100倶楽部:スマート風力タービンの開発 13】

風況を選ばない高出力インテリジェント風力発電機

【制御サーキットの最適化】

● 目標と成果

タンデム風車ロータと内外二重回転電機子方式二重巻線型誘導発電機の連携プレーを見守りつつ、
風速に応じ、回転速度、出力を制御するための独立電源方式と系統連系方式に対する二次側周波数
変調サーキットを構築。この場合、二次側に用いる双方向に適用できるインバータがキーポイント
となる。2次側の周波数と電圧によって二重回転電機子の挙動を制御する方法は初めての試みで、
独立電源用と系統連系用の両者を対象とし、

発電機内に設けたセンサからの回転速度,回転方向,出力および風速の信号を受け、インバ
ータによる2次側周波数変調(二次励磁制御、電圧、周波数)法を最適化する。このとき、
定格運転開始風速以下では最高効率運転、定格運転開始風速以上では一定出力運転を実現さ
せる必要がある。基盤課題Aにおいてもこのことを十分考慮して、風車ロータのみで出力一
定を極力目指しているが、発電機側すなわち制御系の力を借りることをも考えている。 二重巻線形誘導発電機の特筆すべき利点は高風速域で、2次側からも出力が得られる点であ
る。この場合、2次側制御に用いるインバータは双方向が要求されるので、新たなインバー
タを開発するとともに、系統連系方式制御サーキットを構築する。

 

とくに、タンデム風車ロータと二重回転電機子方式二重巻線型誘導発電機の連携プレー能力を最大
限発揮させるため、次の目標を達成する。

定格運転開始風速以下では最高効率点運転、定格運転開始風速以上では一定出力が実現でき
る制御サーキットの構築 独立電源方式,系統連系方式制御サーキットの構築 2次側双方向インバータの開発と系統連係方式制御サーキットの設計

風速回転速度信号による二次側周波数変調方式の構築

①発電機の最適化、②発電機と制御系の最適マッチングの二重回転電機子方式二重巻線形誘導発電
機の特性試験結果を導入、二次側周波数変調方式を構築した(上図)、風速すなわち前後段風車ロー
タの回転速度NF、NR 信号を受け,発電機からの出力である一次側周波数 f 1 と電圧V1 を一定に保
つ(f 1 =60Hz、V1=200V)ために必要な二次側入力周波数 f 2 と電圧V2 の制御値を定め、それら
を発電機にフィードバックする方法である。

独立電源方式の制御方法検討

本風力発電ユニットを独立電源に供するため,試作1号発電機(8極3相,同期速度900min-1、定
格出力1.2kW)を搭載した装置(下図3-2)を用いて、まず、 (1) 1 次側、2次側の投入順序など
の制御方式の確定,(2) 2次側電圧/周波数調整用のインバータ交換、(3) 2次側電圧/周波数調整
用のスライダック追加、(4) 2次側データ収集用のパワーメータ追加(低周波数帯域での電圧、周
波数、電流、電力の精度確保のため)、(5) すべり周波数の測定、(6) 将来を想定した系統連系用
の制御回路追加、(7) 風車方向制御用のモータ駆動回路追加などを行う。

以上の成果を踏まえ、外部負荷に応じた,1次側出力電圧(V1=200V)と周波数(f 2=60Hz)を一定
に保つ独立電源に供するために必要な、2次側励磁周波数 f 2 と電圧 V2 データの収集を実施する。

● 2次側双方向インバータの開発

二重巻線形誘導発電機では、高速回転域で2次側からも出力が取り出せる利点がある(下図3-3)、
この場合、2次側に接続するインバータは従来と異なる双方向が要求されるので、その開発に着手
しているが、発電機と結合試験はまだ実施していない。なお、現在の発電ユニットは回生抵抗方式
によって2次側からの出力を吸収している。

開発した双方向インバータの制御ブロック(下図3-4)は以下の通り。


相対回転数演算部:前段・後段ロータの回転速度より風車相対回転数を演算し、相当する周
波数を計算 出力パターン発生部:風車ロータの相対回転周波数より、その周波数における出力可能電力
の最大値を内臓パターンより算出 制御演算部:本装置の主演算部であり、(a)発電機の1次側巻線に商用電源が印加され回転磁
界を発生しているという前提のもとに演算を実行する、(b)出力電力指令と風力発電周波数の
情報から、VVVFインバータ(可変電圧可変周波数制御)の周波数と電圧を演算する.(c)あ
る風車回転速度以下の加減速を助勢し(駆動モード)、出力可能な回転速度まで風車回転速
度が上昇していれば発電を開始する(発電モード)、(d)出力パターン部より指示された発電
量となるようにVVVFインバータの周波数と電圧を制御する、(e)制御方式は,すべり周波
数一定制御、可変周波数、可変電圧制御である。(f)発電を開始すると、負荷により風車回
転速度は低下するが、制御演算部は、風力発電周波数を情報として入力しているので、そ
の周波数に合わせて出力を減じるから、出力周波数は自動的に安定 VVVFインバータ制御部:指示された周波数と電圧となるようにPWM信号(パルス幅変調)
を発生させる(キャリア周波数は10.7kHz) 電力検出部:総合した発電電力を検出するが、発電量は風車が誘導発電機として発電する量
と2次側から回生される発電量を合計した電力量 電力演算部:出力パターン部の出力指示量と実質発電量を比較し、同等となるようにCVCF
インバータ(定電圧定周波数装置)の位相をシフトして発電機の2次側から電力回生をする。 CVCFインバータ制御部:CVCFインバータは商用電源に同期して運転するが、(a)商用電源
とインバータ間の位相をシフトすることで電力を可逆的に移動させることができる.(b)CVCF
インバータの周波数と電圧は商用電源を常時追従。(c)電力潮流は,直列に挿入されたイン
ダクタンスを介して行い、このインダクタンスの両端電圧を監視して制御情報とする。(d)
回生電力量の指示に従い、インバータの位相をシフト、電力演算部の出力がゼロとなるよ
うに制御、(e)CVCFインバータの直流入力電圧を監視して逆流を防止する。

 

● 制御対象発電機の特性

二重回転電機子方式二重巻線形誘導発電機の試作1号機における計画特性を下図3-7 に、本発電
機を用いた風力発電ユニットの電気的接続を下図3-8 に示す。

発電機の励磁は商用電源(3相60Hz)に接続された励磁巻線によって行われ、この励磁巻線の施
されたフレームを励磁巻線側と称し座標軸にとることにする。このように座標軸を励磁巻線側に
置くと電気的には励磁巻線側は固定されているのと同じである。図3-8 の一点鎖線で示した部位
から出力を取り出せば下図図3-9 の関係が各風速にて当てはまり、風車ロータは軸出力に関係な
く一時的にこの関係を維持しながら変化するものとする。このとき、前後段風車ロータの相対回
転速度に応じて図3-9 の電力を出力するように制御すれば良いことになる。



● 電気的関係

対地関係が制御に全く影響を与えないと仮定した場合、前述のように励磁巻線側を座標軸にとれ
ば、この励磁巻線側を普通の誘導発電機と同様に固定して考え、回転巻線側のみが相対速度で回
転していると考えても電気的には同様である。すなわち、単純な2重巻線形誘導発電機と考えれ
ばよいことになる。下図3-10 にその例を示す。仮想固定された励磁巻線側に3相交流電圧を印加
すると、60Hz-8P 相当の回転磁界が生じる.このとき、回転磁界から見た回転巻線側の相対速度(
スリップに相当)は風速に対して図3-10 のようになり100%から-33%までをカバーする必要のあ
ることがわかる。電気的に考えると、回転巻線に100%から-33%までのスリップに相当する周波
数の3相電圧を印加すれば同期回転することになり、これは60Hzから逆回転の20Hzに相当する。
加速を行うにはスリップは正の電動機として動作させ、軸より出力を取り出す、即ち発電動作を
行うにはスリップを負に設定すればよい。

発電機の相対速度を周波数換算して横軸にとり、縦軸に回転巻線に印加する電力の周波数をとれ
ば、上図3-11 の黒実線が同期周波数となり、これを回転巻線に印加すれば回転巻線側の軸出力は
ゼロの同期速度で回転していることになる。電動機として動作を行うには前述のように回転巻線
に印加する周波数を同期周波数より遅く、発電機として動作をさせるには印加周波数を高く設定
し、その関係を図3-11 に点線で示す。なお、VVVFインバータの低周波数能力に制限があり(3Hz
以下は発生できない)不感帯を持っている。



本発電機の等価回路を上図3-12 に示す。スリップS が負によりR/(-S)とL/(-S)とから電力が湧き出
てくることになる。一次側に接続されたVVVFインバータはスリップ周波数を確保するために指定
された周波数で運転される。インバータ出力電圧をα 点の電圧以上に制御すれば電流は商用電源
側に流出するが、インバータ電圧をα 点電圧以下に制御するとVVVFインバータ側に出力電流が
流れ出る。つまり、回転磁界の励磁を強めておけば風力発電機の出力は商用電源側(励磁巻線側)
に流出し、回転磁界の励磁を弱めればVVVFインバータ側(回転巻線側)に流れ出ることになる。

ここでは、VVVFインバータ側より僅かながら電力が商用電源側に流出させる安定制御を目指すこ
とにする。回転磁界側には電力が流出しない制御を原則的には採用するが,過渡時・商用電源急
変時・事故時等の不測事故時に電力の逆流が発生すると、VVVFインバータは電力を可逆に取り
扱うために、直流ステージに電力が蓄積され過電圧が発生して素子破壊に至る。なお、回転磁界
側の相順を逆にして回転方向を反転させるときの発電機との協調現象の解明が未経験ではあるが、
当面、回転磁界側のVVVFインバータからも電力が取り出せるようにVVVFインバータは回生CVC
F と組み合わせている。このとき、直流ステージが一定電圧以上にならないように、CVCFインバ
ータは回生制御を行う。

● 発生電力一定制御

本風力発電ユニットの大きな特徴は高風速域で前後段風車ロータ間の相対回転速度を一定に保つ
能力を備えることであり、誘導発電機制御システム側からの援助により相対回転速度すなわち周
波数を高精度で一定に保つことができる。本誘導発電機は最大トルクが低いので出力にして2倍
程度までは一定に保てるが、それ以上の領域では印加周波数 0Hz=VVVFインバータ短絡で風車
ロータの能力に任せることになる。

以上のことから、実機若しくはシミュレータベンチ等による①総合閉ループ制御の確認と②電力
試験が必要である。2kW 程度の電機シミュレータベンチに実機発電機をセットし、励磁巻線側
を固定し、回転巻線側を強制的に指定相対回転速度で回転させれば、静的動作は確認検証できる
このとき、回転巻線側の挙動も(励磁の強さと電力潮流の関係)も設計通りかどうか把握できる。
その後、風速の変化に追従する追値制御の安定制御定数を決定する。追値制御は次数が一段と複
雑になるが、静的試験で容認するならばコンピュータシミュレーターのソフト開発も可能である。
風車ロータの回転挙動に自由度を与えると、取り出す出力の設定にルールが必要となる。たとえ
ば、多分対地回転速度の情報が必要となり、取り出す出力の最大を求める評価関数を探す必要が
あろうと考えられ、制御のフローは見直ししなければならず、更なる今後の課題として残される。

また、前後二段の風車ロータの相対回転数が一定になる点を誘導発電機の励磁巻線側定格回転数
に一致させれば(そのような関係になるように風車ロータの大きさと誘導電動機の極数を決める
必要がある)、VVVFインバータの相順の反転やそれに伴う不感帯の設定等の複雑なシーケンス
が必要なくなり、制御にも不連続点を無くせる、と結論する。

                                    この項つづく 

 Jan. 4, 2017
Source: OpenEI, Transparent Cost Database

● 帰ってきたドラッガー

世界経済フォーラム(WEF)のは、風力と太陽エネルギーが、2018年までに、ほとんどの国
で化石燃料をよりも、安価になると推測する。それによると、石炭と天然ガスへの依存が総発電
量の62%にあるにもかかわらず、「再エネ」は効率とコストでここ数年間で競争力を高めてお
り、09年より太陽光エネルギーは80%逓減し、風力発電はここ3年間で30%逓減し、昨年
どは、化石燃料の価格高騰も影響し、多くの国でグリッド・パリティを達成が実現した初年度と
なった。報告書では、「補助金なしで既に30カ国以上がグリッド・パリティに達しており、今後
2〜3年で世界の3分の2がグリッド・パリティに到達するはず」と報告書は付け加えており、
「電力コストが年間3%上昇すれば、今後数年間に世界市場の80%がグリッド・パリティに到
達する」とし、すでに、 チリ、メキシコ、ブラジル、オーストラリアは、すべてグリッド・パリ
ティに達した国として引用されている。

 
Jan. 3 ,2017
Solar Could Beat Coal to Become the Cheapest Power on Earth - Bloomberg



しかし、日本の現状は、福島第一原発事故以降、原発政策の巨大な(天文学的な)負のレガシー
に押しつぶされるかのような状況に晒されている。例えば、19日、東芝が米国の原発建設で計
上する損失額が、最大で七千億円規模に膨らむ可能性があることが分かり、損失最大7000億
円 米原発事業 政投銀に支援要請 しており、このため、東芝の半導体事業の主力製品「フラッ
シュメモリー」を分社化する検討に入っていることを伝えているが(東京新聞 2017.1.19 夕刊)、
早稲田大学大学院の長内厚教授は「むしろ原発事業を切り離し、ほかの事業を育てるのにお金を
使うべきだ」と指摘する。主力行幹部は、「原発事業は不確実性が非常に高く、東芝がどういう
形で関与するかが重要だ」と語っている(産経新聞 2017.01.20)。

原発政策の負のレガシーは経済だけではない。巨大地震、火山噴火かなどによる原子炉などの核
施設の被災事故が発生すれば、日本列島全体が崩壊し、世界を巻き込むことになる。かって、米
国の社会生態学者のピーター・ドラッガーは、「リスクは富を生む」と発言しているが、「必要
は成功の母」「失敗は成功の母」とも読み取れる言葉であることを、改めて思い起こさせる世界
フォーラムの報告記事である。

 

  ● 今夜の一曲

ヤナーチェク 弦楽四重奏曲 String Quartet No.2「内緒の手紙」Ⅳ
                              Allegro-Andante-Adagio 

弦楽四重奏曲 第1番ホ短調『クロイツェル・ソナタ』は、レオシュ・ヤナーチェクが1923年10月
30日から11月07日にかけて作曲した弦楽四重奏曲。1924年10月17日にプラハで初演される。この弦
楽四重奏曲は以下の4つの楽章からなるが、全曲を通して演奏してもおおよそ15分程度の長さし
かない。またそれぞれの楽章は、順を追って物語を展開どおりに音楽化している。つまり、主人公
が妻の不倫を知って苦悩する場面から開始楽章が始まり、終楽章で妻の殺害に至るのである。

  

空気エンジンで農業革命

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         生産性の本質を測る真の基準は量ではなくて、質である。

                                       ピーター・ドラッガー

                                         

                             Peter Ferdinand Drucker
                                          Nov. 19, 1909 - Nov. 11, 2005 

 

【世界初、電機や機械を使わない自動野菜栽培システム開発】

スターリングエンジンでおなじみの内燃機関、電気モータ等の別の動力源によって空気を圧縮し
てボンベに蓄え、この圧縮空気の噴射を機械的な仕事として取り出す空気エンジンを使い、太陽
(核融合エネルギー)の輻射光で空圧気密器(エアーチャンバー)を加熱・冷却し半永久運動を
繰り返す。これを組み込んだ家庭用野菜栽培キットが世界で初めて販売される。勿論、作動流体
は空気だ。

 

農業ビジネスを展開するネイチャーダイン(東京都文京区)は、同社が開発を進める動野菜栽培
装置「SoBiC(Solar Pneumatic Bio-Cycle)」の動力システムで、電力などの人工エネルギーを使
うことなく、太陽の熱で自活稼働できる新機構を開発したと発表。SoBiC は太陽熱による空気膨
張と収縮による圧力変化を利用し、ユニット内の天然培地に、水を自然のリズムで自動的に循環
させ、自然の生態系に準じた最適な栽培環境を創り出すことで、手間やコストをかけずに簡単に
健康的な野菜が栽培できる仕組み。同社は16年夏にクラウドファンディングでプロジェクト資
金を調達することに成功。その後、さまざまな事例や実験を重ね、より安定した動作と更なる効
率化を図った量産型のオーガニック・エンジンを完成させた。

太陽熱による微妙な空気圧変化を利用して水の循環動力に変換する機能構造は、その形や動作メ
カニズムが人間の肺や心臓と同じ構造原理になったことから、「有機的構造原理で、無駄なく自
己調整機能をもった発動メカニズム(オーガニック・エンジン)というまったく新しい動力機構
概念」と同社は位置づけている。

この新機構によって、コンパクトでありながら補充水タンクが栽培槽を覆う大容量のウォーター
ウォール型にできたことで、水の補充の手間も大幅に削減するとともに、培地内の遮熱や保温の
効果で、根の部分に対する環境変化の負荷を大幅に軽減でき、異常気象に対する耐性機能や、栽
培期間の延長、栽培地域を広げることにも寄与できる。 

● 栽培に必要な資源量を大幅に削減 

また、SoBiCの最大の利点は、誰でも扱えて、水の消費が完全循環構造によって無駄がなく、さ
らに人工的にエネルギーを作り出す必要もない点だ。従来の栽培方法では、野菜などの作物を栽
培生産するには大量の水と多くの人工エネルギーが消費され、例えばトマト1個あたり平均する
と約50リットルの水が必要とされている。

また、栽培の過程においても様々な人工動力が利用されており露地栽培でも130キロカロリー
以上、温室栽培の場合は約500キロカロリーの人工エネルギーが使われている。トマト1個の水
分量を約200g、食物カロリーとしては約40キロカロリー程とされているので、資源レベルから考
えるとかなりの無駄や損失がある。

一方でSoBiCでの栽培では、トマト1個当たり3リットル以下の水で足りるという。人工エネルギ
ーもかからず、作物に吸収されなかった余剰肥料などの流出で環境を汚染することもなく、全体
的な資源効率としては劇的に節約・改善するだけでなく、食物カロリーを創出できることになる
(図2)。  

現時点のSoBiC専用の野菜カプセルのラインアップとしては、需要の高いトマトなどの果菜類と
呼ばれる野菜を中心として製品開発をしているが、今後茎菜類や穀物、樹木果物にも対応できる
システムを開発する予定。同社ではSoBiCの資源節約性能と機動力特性を活用して、一般家庭用
に留まらず、都市農業など新たなビジネスモデルの創出や物流展開、多品種に対応するための装
置の更なる高度化や製品開発を進めて行く。その上で、基盤技術(特許取得済み)※のライセン
ス化をするなどして、多くのパートナー企業との連携や共同開発、販売協調をするなどし、可能
な限り早く普及展開を図って行く方針。17年4月には、一般家庭向け量産型1号機の販売を開
始する計画。価格は本体ユニット6980円(税別)、専用の野菜カプセルを890円(同)で、生育
保証を付けて販売する予定である。

※ 詳細不詳(現時点):個別(例えば:培養剤)などの特許が考えられるが、特許構成として
  は新規性は乏しい。点を面で網羅して販売するネットワーク(あるいはデジタル)農法戦略
  (すでに、このブログでも掲載している)を現実展開させるという意味で新規性は大きいと
  考える。

● 最新気体エンジン技術

ここで、空気エンジンあるいは熱空気機関の新規技術を俯瞰してみる。なかでも、太陽光発電の
絡みでわたし(たち)「光エンジン」に注目している(「特開2010-180817 光エンジン 国際技
術開発株式会社 2010年08月19日 」)。例えば、集光型太陽光発電の1つの形態として、特殊な
気体を作動流体として、集光した太陽光を内燃機関に照射し爆発膨張させ発電させるものである。
とはいえ、構造が複雑となり、量産化によるコスト削減や堅牢性(信頼性)という課題はこれか
らだ。しかし、腕時計などの精密機器製造技術などの微細化は日本の伝統技術であるから、直に
ブレークさせてしまうだろう。

【特許5721129 圧縮空気熱機関】 

従来、慣性エネルギー等の余剰動力を有効利用する方法としてハイブリッドカーなどでは発電機
を用いて電気エネルギーとしてバッテリーを介して行うことが主流であり、回生するためには高
価な発電兼用高出力モーター及び大出力バッテリーが必要であった。また、車両の慣性を回生再
生するために、回生エネルギーを圧縮空気として畜圧して利用することが可能で、出力の大きな
空圧機械をエンジンと併用することはコストが増え装置が大きくなる欠点があった。

また、内燃機関に空気機械と同様の機能を組み合わせて、圧縮空気を利用しての原動機の始動等、
あるいは圧縮空気と共に燃料を燃焼室に供給するなどの総合効率を高める工夫が成される提案あ
るが構造が複雑である。また、内燃機関の排熱を再利用するために一部蒸気機関とする場合、機
構が複雑であり、水を高圧で供給及び蒸気機関車のように水の補給をする必要がある。さらに、
内燃機関からの排熱回収手段としてエリクソンサイクルを利用した熱空気エンジンと内燃機関を
組み合わせた機構の場合、空気機関の組み合わせにより装置が複雑化し、簡単に利用で出来るも
のではない。


【符号の説明】

1 畜圧器 2 圧縮配管 3 吐出配管 4 加熱配管 5 制御バルブ 6 熱交換器 7 バー
ナー 8 エアクリーナー 9 逆止弁 10 排気ポート 11 排気管 12 消音器 13 燃
料噴射ノズル 14 ピストン 15 ピストンロッド 16 シリンダー 17 連接棒 18
クランクシャフト 19 クランク室 20 給気ポート 21 高圧逆止弁 22 燃焼器 23
点火プラグ 24 加圧ポート 25 吸気弁 26 高圧弁 27 排気弁 30 燃料タンク 
31 圧縮空気熱機関 32 工場 33 集熱器 34 ヘリオスタットアレイ 35 太陽電池パ
ネル 36 風力発電機 37 発電機 38 変圧器 39 熱配管 40 電気配線 41 送電
線 42 触媒

【要約】

燃機関の圧縮行程にて大気を圧縮して畜圧して回生動力を得ると共に、空気エンジンとして動力
の再生及び内燃機関のクランキング始動を行う共に内燃機関と空気エンジンまたは回生圧縮機と
燃焼室の共用切換制御を可能とした。また、空気エンジンでは排熱または外部熱源より加熱空気
を利用して熱空気エンジンとして作動させ排熱回収を行う。また回生圧縮空気による内燃機関の
過給を行い出力の向上を計り、外燃機関と内燃機関の複合サイクルも可能とし、触媒による希薄
混合気の燃焼も可能としたまた、電力スマートグリッドとしての畜圧による電力のバッファー機
能を持たせた給電の安定化システムとすることで、従来と余り変わらない機構にて低コストで耐
久性に優れ、排熱と回生エネルギーを利用してエネルギー利用効率を向上させる。

 ● 今夜の一曲

ボロディン: 弦楽四重奏曲 String Quartet No.2, in D

アレクサンドル・ボロディンの《弦楽四重奏曲 第2番 ニ長調》は、1881年にジトヴォで作曲、
1882年に初演されたとされる。ボロディンが妻に愛を告白した20周年の記念として、エカテリー
ナ・ボロディナ(作曲家夫人)に献呈された。ボロディンの、そして19世紀ロシア帝国を代表す
る室内楽のひとつ。

 

 

作ってみよう風力発電システム

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      比 : 人の和  /  水地比(すいちひ)

                                       

      ※ 長い戦いのあと、人々は和気藹々と親しみあう。比は、
        人が二人並んだ形の字で、親しみ助けあうことである。
        卦(か)の形は地(坤:こん)の上に水(坎:かん)が
        あり、両者の親和によって万物を生み育てるのである。
        また、天下の位を意味する五陽(下からで五番の-)に
        多くの陰(- -)が親しむ形で、指導者のまわりに人々
        が慕い寄る様子を表す。寛容の気持で人に接してゆけば、
        初めは紆余曲折があるが、やがて多くの人の協力を得て
        大事業が完成できるのである。あるいは、多くの女性を
        魅惑する男性と見ることもできる。したがって女性にと
        っては容易ならぬ事態である。後(おく)るる者は凶、
        とある。

 

  
【RE100倶楽部:スマート風力タービンの開発 14】 

風況を選ばない高出力インテリジェント風力発電機

● フィールド実験 

既存の風力発電機モデル(前段風車ロータ径2メートル)を用いたフィールド実験によって イン
テリジェント風力発電機の基本特性を把握するとともに指針を得る。このとき、高さ8メートル
の固定式タワーによる自然風下でのデータ、および車載による車速一定すなわち一定風速下(大
型風洞実験に相当)でのデータを取得する。

海に面した小高い山の中腹を選定した(福岡県北九州市若松区頓田)、現地調査に始まり、搬入
路造成、基礎工事を経て実験サイトを準備した。そこに建立するタワーについては、暴風雨など
から発電機や風車ロータを保護するため(実験用のため防水対策がなされていない)可倒式を採
用する(上図4-1)。

タワーの頂部には風車ロータ(前段風車ロータ径2メートル、翼枚数3枚、後段風車ロータ径1.
33メートル、翼枚数5枚)、二重回転電機子方式二重巻線形誘導発電機(8極3相、同期速度
900min-1、定格出力1.2キロワット)、ヨー駆動機構など重量175kgfを搭載する(図4-
2、4-3)。タワーの設計に際しては、カットアウト風速毎秒25メートルのときに風車ロー
タが回転状態、つまり回転円盤とした場合と、最大風速毎秒60のときに風車ロータが静止状態
を想定して形状を決定。タワーは 下段部(0~5メートル、外径190.7ミリメートル、内径
180.1ミリメートル、安全率14.6) 上段部(5~8メートル、外径139.8ミリメート
ル、内径127.8ミリメートル、安全率7.8)および風向制御機構を備えた発電機ベッドから
なり、地上から3.5メートルと6.5メートルの位置にそれぞれ4方向に合計8本設けた支線ワ
イヤー(亜鉛めっき鋼より線、外径10.5ミリメートル、安全率10.5)によって支持されて
いる。

● フィールド実験方法

前後段風車ロータそれぞれの回転速度は、発電機内に設けた回転速度計で測定される。発電機の
励磁側(2次側)の周波数 f2 はインバータで,電圧 V2 はスライダックによって自由に調整で
きる。出力側(1次側)は、90ワット~2370ワットの間で選択できるランプ負荷に接続さ
れている。風速は、風車ロータに流入する風速を観測するためのものと、フィールド実験場の風
況を観測するものの2つを設置した。両風速計とも風車ロータの回転中心と同じ高さにある。



図4-4に示すように、1次側/2次側の周波数 f1, f2,電圧V1,V2,電流 I1,I2,出力 P1,
P2,前後段風車ロータの回転速度 NF,NR,風速 V の全データは、制御サーキットに集約され1
秒毎に PC に蓄積される。制御サーキットに装備されたタッチパネルでは、これらのデータをリ
アルタイムで確認することや、風力発電機を風の方向に調節するためのヨー制御を行うことがで
きる。安全のため前後段風車ロータにはそれぞれ電磁ブレーキを備えている。

図4-5は、フィールド実験サイトの06年12月28日から07年1月15日までの風況デー
タを10分間毎に平均したものである。観測は風車ロータの回転中心と同じ地上から8メートル
の高さの位置で行った。風速を黒丸で、風向を四角の白抜きで示している。風力発電機が稼動で
きる程度の風速がるとき、風はほぼ270°(北西)の方向から吹いていることがわかる。

● 2次側の周波数と電圧を一定に保った場合の実験

2次側の励磁周波数 f2 と励磁電圧 V2 を一定(f2=60Hz,V2=50V)に保った状態で、ランプ負荷
P1lump が 90W の場合と540W の場合について、フィールド実験結果の一例を図4-6、4-8
に示す[NF,NR,NT:前段風車ロータ(2次側)後段風車ロータ(1次側)および相対回転速度]、
ランプ負荷が大きいと後段風車ロータの回転速度が遅くなる(図4-6)が、1次側周波数 f1
は相対回転速度NT に対応して風速の増加とともに増加する(図4-7)。また、出力も風速と
ともに増加するが,ランプ負荷が大きいほど1 次側からの出力 P1 も高い(図4-8)。

● 車載実験での研究成果

ここで用いた風車ロータはタンデム風車ロータとして好適な姿がわからないまま設計されたもの
である(図4-9)が、前後段径 dF=2000 mm,dR=1330mm,前後段ブレード枚数 ZF=3,ZR=5(1)、
前後段風車ロータ間の軸間距離 l=160 mm である.前後段風車ロータのブレードは、日本の風況
を考慮しV=8 m/s においてMEL012 翼型(2)を用いて設計されている。このとき、前段風車ロータ
は一般的な翼素運動量理論(3)により、ブレードに最適なひねりと翼弦長が与えられている。後
段風車ロータについては経験がないので、前段風車ロータのみについて商用の数値解析コード(C
FX-10)で数値シミュレーションを行い、後段風車ブレードへの流入角を予測し、その流れに対し
最適なひねりを与え、翼弦長は前述と同様な方法で決定された。

● 内外二重回転電機子方式同期発電機の準備

ここでは車載実験を行うので,系統電力を必要とする誘導発電機が使用できない。そこで、永久
磁石励磁4極三相交流発電機(定格1000W、750×2 min-1、100V、50Hz)を準備した(図4-10)。
ただし、本研究目的に支障はないものの、相反回転方式水力発電ユニット用に製作されたものを
流用しており、本風車ロータとの適合を考えて製作されたものではない。無負荷運転時における
回転速度と誘起電圧 E の関係を図4-11 に示す。

ここに,NGR,NGF はそれぞれ内側および外側回転電機子(R:後段、F:前段風車ロータと連結)
の回転速度であり、回転方向は互いに逆方向(相反回転)である。両回転電機子の回転速度に比
例して誘導電圧E は高くなり、たとえば、内側と外側の相反回転速度が同じ場合(NGR=NGF)の誘
起電圧 E は所望通り、外側が固定子の場合の倍となる。図4-12 はランプ負荷がある場合の誘
起電流I に対する内外回転電機子に作用する相反回転トルクTGR,TGF(回転トルクの方向は逆)
の一例を示したものである。

両回転電機子に作用する回転トルクは回転速度に関係なく誘起電流に比例する。理論上、同一電
流では常に両回転電機子に働く回転トルクは同じであるが、軸受けの摩擦トルクによりI=0 でも
回転トルクが生じ、スリップリングを有する内側回転電機の回転トルクTGR のほうが幾分大きい。


上述の風車ロータと発電機からなるユニットをタワーの上端に設け、図4-13 のようにピックア
ップトラックに搭載した。ここでは、小型独立電源用を意識してダウンウィンド型を採用した。
約1.5 Km の直線道路を一定速度で走行することにより、風洞実験と同様に微風速から強風速ま
で定常的な風速を再現した.このような方法の有効性は既に報告されている。

実験に際しては,前後段ブレード取付け角βF, βR およびランプ負荷 Pbulb をパラメータとし、
風速V,前後段風車ロータ回転速度 NF, NR,発電機の誘起電圧E,誘起電流 I,出力 PG を測定し
た。発電機からの出力は電力計を介してランプ負荷に接続されており、ランプ負荷の大きさはス
イッチにより段階的に変更できる。なお、ランプは電圧と電流によって抵抗が変わるので、ここ
では便宜上、ランプ負荷 Pbulb そのものでデータを整理した。これら全ての測定データはデータ
ロガーに1秒ごとに記録されるが、本報告ではそれらの一定時間平均値で評価する。

● 性能に及ぼすブレード取付け角の影響

図4-14 にランプ負荷 Pbulb=450 W の場合について、ブレード取付け角(図4-15 ティップの
翼弦と周方向が成す角度)を変化させたときの、風速 V に対する前後段風車ロータの回転速度
NF,NR の一例を示す。前段風車ロータは低風速から回転を始めるが、後段風車ロータはなかなか
回転せず、βR=20 deg. 以下では風速 V=7 m/s 以上になって初めて前段風車ロータと逆方向に回
転する。この原因として、前述したように後段風車ロータが駆動する内側回転電機子の機械トル
クが大きいことと、同期発電機特有の永久磁石による磁気力が考えられる。取付け角を大きくす
ると(βR=30 deg.)。回転速度の増加は期待できないものの、低風速での回転トルクを大きく
することができるので、後段風車ロータのカットイン風速を低風速よりにすることができる。

● 性能に及ぼすランプ負荷の影響

ブレードの取付け角をβF=βR=20 deg. とし、ランプ負荷を変化させたときの回転速度を図4-
16 に示す。ランプ負荷が大きい(電流の増加)ほど、上述した磁界の影響が強くなるので、低風
速域の後段風車ロータは前段風車ロータの回転トルクに打ち勝てず。前段風車ロータと同方向回
転する。風速が増すと後段風車ロータの回転トルクも大きくなるので、ランプ負荷によらず相反
回転する。このときの発電特性を図4-17 に示す。相対回転速度に対応した起電力 E が発生し、
風速の増加とともに出力も大きくなる。図中の範囲ではランプ負荷が大きいほど、起電流、出力
とも大きい。

● 発電制御の代替

本風力発電ユニットはもともとブレードのピッチコントロールを必要とせず。出力制御が必要な
系統連系では、それが容易にできる誘導発電機を採用する。しかし、ここでは同期発電機を使用
しているので、出力制御をブレード取付け角で行ってみた(ピッチコントロールに相当)、風速
V=14m/s を定格運転開始風速とし、それより低風速側では最高効率運転、高風速側では出力一定
にしたときの、出力を図4-18 に示す。同図に、βF_βR_Pbulb の値も併記した。この運転挙動は
本風力発電機の着想に沿ったものであり、ブレード形状の好適化により取付け角一定で実現する
のが究極の目標である。



● 後段風車ロータの改良

図4-12 に示した発電機のトルク特性を参考にして、低風速 V=2m/s から設計点風速 V=8m/s ま
で十分な回転トルクを発生するよう。後段風車ロータの改良を試みた。後段風車ロータの設計に
は翼素理論(3)を用い、カットイン風速 V=2m/s で後段回転速度 NR=50min-1、風速 V=8m/s で発
電機の定格回転速度となるように後段回転速度を NR=750min-1 に定めた.カットイン風速におい
ては後段風車ロータに軸方向流入するものとし、風速 V=8m/s では、前述の数値シミュレーショ
ンから得た流入角を用いた。低風速域でのトルクを増加させるために、翼弦長をハブ側からティ
ップまで150mm 一定とし、ブレードのハブ側から4分の3のひねりを大きくする。このブレード
により,着想通り低風速から、後段風車ロータを駆動でき、低風速域から高出力になると思われ
る。

タンデムロータ型インテリジェント風力発電ユニットの実用化に向け,従来の設計法を流用した
風車ロータからなるプロトタイプを用いて車載試験を実施した。タンデム風車ロータとしての設
計法を確立するため、風洞による風車ロータ開発を行っているが、前後段風車ブレードの最適マ
ッチングの必要性が明らかとなった。系統連系を目指す場合、別途開発を進めている二重回転電
機子方式二重巻線型誘導発電機とタンデム風車ロータとの的確な連携プレーにより、発生する電
気を高品質に保つことができるので、これに関しても制御系を含めて研究開発を進めている(現
状にういては不詳)。


 

【作ってみよう超高性能自律分散型風力発電システム】

 
JP 2016-118170 A 2016.6.30

【符号の説明】

1 風力発電用垂直軸型風車 2 支柱 3 固定部 4 軸受部 10 回転体 12 円筒部 
12' 円筒部フレーム 13 翼 14 翼支持腕 14' 翼支持腕フレーム 16 シャフト 
120 中央部カバー 121 上部カバー 122 下部カバー 123 頂板 124 中板 
125 底板 150 ガイドローラー 200、201、203 翼部材 204 ボトムカバー
210 筒状側壁部 211 一方の開口部 212 他方の開口部 214 補強部材 215 フラ
ンジ部 216 筒状立上り部 217 板状部材 218 翼桁用開口部 220、222 連結孔
250 切欠き部 270 翼桁 280 翼取付けステイ 281 貫通孔 282 連結部


今回まで風力発あ電装置(システム)の現況を俯瞰してきた。ここでは中間的な、わたし(たち)
)が理想とする高性能な自律分散型風力発電システムの目標仕様(特性)を箇条書きにしてみよ
う。参考として、株式会社CNOパワーソリューションズの垂直翼揚力型風車(DM-00-300型) 
を参考にする。勿論、バイオミミックリなブレード表面は流体力学数値解析。

● システムの特徴

低騒音静粛型:「風切り ノイズ」や「低周波騒音」を抑制/騒音測定:□db以下 自己起動型:360度どの方向からの風も受け止め、わずか風速1 m/s以下の微風から自ら回
転を開始 長時間回転維持型:風がやんでも長時間回転を維持:□s超 自己ブレーキ型:風車が一定の回転数に達するとトルクを抑制。強風域でも過回転防止し
安全維持 メンテナンスフリー型:簡単に修理できる 長期性能維持型:□年保証(保証前提:精査後) タービンユニット拡張型:ユニットを接続することで簡単に出力逓増可能:最大□ユニット

● システム仕様 

タイプ:垂直翼揚力型風車 ブレード数:垂直翼揚力型:□翼数(最適設計) 最大瞬間出力:300W超(12m/s超) 最大出力回転数:300rpm超(12m/s超) 回転開始速度:1m/s以下 カットイン風速速度:2.5m/s以下 外形寸法:□m×□m×□m(回転翼+内蔵機関一体外形) 直径:1200㎜以下(=ブレード長) 質量:80kg以下 取付フランジ:260Φmm以下 ブレード材質:特殊強化プラスチックなど ボディ素材:鉄、ステンレス、アルミニウム、プラスチック 塗装:□処理□塗装 発電タイプ:三相コアレス発電機、誘導発電機、同期発電機 コントロールシステム:SWT仕様 パワーアシスト:無 通信機能:有 ブレーキ・ロック方式:回生電磁ブレーキ方式内臓、磁気及び機械式ブレーキ オプション:出力インバーター/バッテリー/表示器ユニット/ 標準価格:□万円_□人家族/世帯(□kw/d) 雷サージ対策:殊強化プラスチックに銅メッシュ層を挿入

 ● 今夜の一曲

エルガー弦楽四重奏曲 / E.Elgar String Quartet in E minor Op.83, 1st mvt

 

1918年、ヴァイオリンソナタ ホ短調 作品82の完成後に、ピアノ五重奏曲イ短調 作品84ととも
に着手された。ピアノ五重奏曲の完成は翌1919年になったが、弦楽四重奏曲は1918年末に完成。
エルガーには1907年にも弦楽四重奏曲を作曲する計画があったが、交響曲第1番の作曲が優先さ
れたためにこちらは放置された。1918年に作曲されたのは、この時の構想とは異なる弦楽四重奏
曲。 

初演は1919年5月21日、ロンドンのウィグモア・ホールにおいて、ピアノ五重奏曲とともに同じ
演奏者、アルバート・サモンズとW.H.リードのヴァイオリン、レイモンド・ジェレミーのヴィオ
ラ、フェリックス・サルモンドのチェロにより行われる。エルガーの妻キャロライン・アリスは
この曲の第2楽章を気に入っていて、その葬儀の時にも演奏されている。

 

 

 

 

 

爆弾低気圧の解

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            「私は」ではなく「我々は」を考えることが大切。

                                       ピーター・ドラッガー

                                      

                          Peter Ferdinand Drucker
                                    Nov. 19, 1909 - Nov. 11, 2005 

 



【爆弾低気圧の黒幕は黒潮 ? 】

● 大雪で立ち往生する車両 鳥取県智頭町

24日、大雪が続く鳥取県内は同県智頭町や江府町などの国道や自動車道で動けなくなる車が続
出した。県や国土交通省、西日本高速道路によると、一時3百台以上が立ち往生し、車両の移動
や除雪作業を急いだ。気象庁は同日夕まで大雪への警戒を呼び掛けている。昨年夏に鳥取自動車
西栗倉インターチェンジ付近の事故の車両渋滞に巻き込まれた所で(『山陰海岸国立公園 鳥取
砂丘』2016.08.17)、道路幅員の狭さに辟易し、ディズニーチャンネルの「フィニアスとファー
ブ」のハインツ・ドゥーフェンシュマーツ博士(Dr. Heinz Doofenshmirtz)のセリフの「呪ってや
る~」のシーンが過ぎる(貧相な道路設計問題でなく大雪が原因なのだが)。

  Dr. Heinz Doofenshmirtz

  Jan. 21, 2017

黒潮が爆弾低気圧と大気循環に及ぼす影響の概念図

そうではなく、この背景、つまり、大雪の背景に爆弾低気圧の黒幕は黒潮にあるのだというのだ。
それによると、冬に暴風雪をもたらす爆弾低気圧は、日本列島の太平洋岸を北東に流れる暖流・
黒潮が熱帯海域から運び込んだ熱をエネルギー源として生まれることが、北大大学院理学研究院
の見延庄士郎教授(地球惑星科学)と海洋研究開発機構(神奈川県横須賀市)の吉田聡研究員(
北大卒)の共同研究で初めて確認し、21日付の米国気象学会の専門誌ジャーナル・オブ・クラ
イメート(電子版)に論文が掲載されている(「北海道新聞」2017.01.21)。

ここで、爆弾低気圧とは温帯低気圧のうち、札幌と同じ緯度の北緯43度付近では中心気圧が1
日で19ヘクトパスカル以上急低下するものと定義される。見延教授らは81年9月~01年8
月の20年間、人工衛星が観測した海面水温をスーパーコンピューター「地球シミュレータ」で
解析。その結果、低気圧が黒潮の上を通過する際、黒潮が熱帯の海から運び込んだ熱を水蒸気と
して取り込むことで、低気圧中心付近の降水量や降雪量が増加。水蒸気が雨や雪に変わる時に発
生する熱をエネルギー源として爆弾低気圧が急発達する仕組みを明らかにできたことを公表。

これまで、エルニーニョ現象に代表されるように、熱帯では海洋が大気循環を駆動することが知
られていたが、中緯度域では大気が海洋を駆動するという考えが一般的だったが、近年の衛星観
測の充実やスーパーコンピュータの発達により、熱帯から中緯度に流れ込む黒潮やメキシコ湾流
に代表される暖流によって海面水温が急激に変化する領域「海面水温前線」上では、中緯度にお
いても海洋が大気に影響を及ぼすことが明らかになってきたが、社会にも大きな影響を与える爆
弾低気圧については、黒潮・黒潮続流域に集中して発生することは知られていたが、黒潮・黒潮
続流が影響して、爆弾低気圧が生じているのかどうかは未解明であった。

つまり、同研究グループは、JAMSTEC(海洋研究開発機構)のスーパーコンピュータ「地球シミ
ュレータ」を用いた全球大気モデルでの黒潮有無実験により、短時間で急速に発達する「爆弾低
気圧」を黒潮が日本付近に集中させていることを発見、また、この爆弾低気圧の集中が下流の北
東太平洋上でのジェット気流の南北蛇行を引き起こし、北米西岸やハワイ付近の降水量に影響す
るメカニズムを世界で初めて提唱――黒潮が熱帯から運び込んだ熱が爆弾低気圧のエネルギー源
となって北太平洋の大気循環と降水分布に影響を与えていることを示した。

この研究の成果により、地球の気候がどのように形成されているかの理解を大きく進めるととも
に、今後、黒潮やメキシコ湾流などの暖流と大気との相互作用の研究や、将来予測実験における
中緯度気候場の信頼性研究に大きな影響を与えることが予想できる。尚、本研究はMEXT科研費
(新学術領域研究「中緯度海洋と気候」計画研究の一環として実施される。
   Jan. 23, 2017

● 里山薪ストーブ普及事業構想

滋賀県の湖東部の里山を活動中心として 簡単に言えば「里山薪・ペレットストーブ事業」を通
し、持続可能な豊かな地域社会を創生し、地域社会に貢献する(事業理念)。そんなことを新年
には入り考えていた。事業を実現するための関連技術レベルは容易くはないがさほど難しくない。
というのも、全国で薪ストーブの普及活動は展開され、実績も十分にある。ただ、個人的な理由
とオールバイオマス・システムの具体的実践してみたという思いの2つが動機になっている。前
者は、寒くなると、近江八幡市にある水ヶ浜の「シャーレ」にある情緒豊かな薪ストーブを囲み
飲食する楽しむことを体で覚えてしまったことによる。後者は、今までブログで掲載してきた諸
々の理念やビジョンとして掲載してきたことによる。また、その事業イメージの特徴を簡単に書
くと、①生態学的配慮と過当競争をさけるために、50×50キロ平方メートルに1つのNPO(非
営利事業)セルを設立。②事業対象を会員・非会員の双方で組織化し下図の事業から構成活動す
る、③年次計画を策定し設計・施工及び燃料と装置を製造し、④設備補修・メンテナンス・管理
を行い、⑤燃料販売、また、設備の撤去・リサイクル(燃え殻灰などの回収再利用)を行うとい
うもの。

 


まぁ~、堅いことはここまでとして、事業の特徴は次の通り。

ストーブは、薪とペレットしているが、より自然環境に近い薪ストーブを事業コアに置く 薪は、火力が強く、着火速度が速く、木酢(蟻酸)・酢酸などで防腐剤処理した燻薪(く
んしん)を燃料とし、木酢も薪からつくる※ 薪ストーブの選択・設置はオーダーメイド。タイプは、標準型とオプション型(近遠赤外
線遮蔽板あるいは波長変換起電板付属) 燻薪製造方法は発酵方式(発酵熱:加熱温度60~70℃にて乾燥、補助加熱:薪燃焼で
150~250℃)にて乾燥、燃料の大鋸屑は薪裁断加工(加工法は割愛)や米糠などを
ブレンドし使用、 燻薪はネットワーク注文で配送し燃え殻の灰は回収し再利用商品化(詳細は割愛) 膜ストーブは「推奨するパッシブ住宅」での使用を前提とし、冷房システムも相談・指導、
「里山ゼロエネルギー住宅」(詳細割愛)の普及促進 

※・特開2015-040275  木炭スラリー燃料、その製造方法及びその製造装置 三井造船株式会社
 ・特開2014-218626  木酢液の製造方法及び木酢液の使用方法 有限会社オフイスヨコオ
 ・特開2010-155913  木本類の不完全燃焼ガスの製造方法、不完全燃焼ガス、木酢、融雪剤、
  蟻酸金属塩混合物の製造方法、蟻酸金属塩混合物 株式会社 小野建設
  
※ 発酵乾燥方法


JP 2013-127349 A 2013.6.27 

※ 注釈及びリンク

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2016年01月19日:静かなブーム「薪ストーブ」後悔しないための心得  日本経済新聞 発酵風呂とは 酵素風呂のラニオラビーチフロン ECO2 フォーラム, 環境工学研究所 WEEF特集|里山薪・ペレットストーブ事業(案)環
境工学研究所 WEEF
2016年01月22日:情緒豊かでも手ごわい、薪ストーブは「ポジションが命」 日本経済新聞 2014年10月09日:京都発の小型ペレットストーブ日本経済新聞 2014年12月25日:「薪」復権、きっかけは震災
ピザ人気も追い風 日本経済新聞
2017年04月11日:薪ビジネスは成り立つのか? (その他ビジネス ) - 薪ストーブと野菜作
薪ストーブライフをご提案する薪ストーブ住宅コンサルティング エンフリー(埼玉・東京
・神奈川・群馬・栃木・茨城・山梨・長野)
薪・ペレットストーブの購入・設置に対して助成を行います/猪名川町 新着情報 | 富山の断熱工事・防水工事・温水暖房・ペレットストーブはアイラ断熱工業株
式会社
ペレットストーブってどんなものですか?近藤鉄工 ペレットストーブとは|京都ペレット町家ヒノコ 

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   ● 今夜の一曲

ラヴェル: 弦楽四重奏曲 String Quartet, in F

『弦楽四重奏曲 ヘ長調』は、モーリス・ラヴェルが1902年12月から1903年4月にかけて作曲した
室内楽曲。1904年3月5日にエマン四重奏団(Le Quatuor Heyman)によって初演。のちに多少手を
入れた上で、1910年に出版。敬愛する師ガブリエル・フォーレに献呈。ラヴェル2作目の室内楽。
ドビュッシーはラヴェルのこの作品に熱狂的な賛辞を送り、ラヴェルに終楽章を改訂せぬように
説得し次のように進言する。 

「音楽の神々の名とわが名にかけて、あなたの四重奏曲を一音符たりともいじってはいけません」 

しかしながらラヴェルは、出版にあたって作品全体を改訂して、より構築感が高まるようにした。
弦楽四重奏曲は難しく、作曲家が成熟期を迎えるまでに手懸けることは滅多にないが、当時まだ
27歳のラヴェルはその作曲に挑んで、この楽種の傑作を示す。以下の4つの楽章から成り、全
曲を通し演奏に約30分を要し、フランク楽派の伝統を受け入れて循環形式をひかえめに援用し、
作品の自然な統一感をもたせることに成功していると評される。

Allegro moderato (アレグロ・モデラート、ヘ長調) Assez vif. Très rythmé (十分に活き活きと。きわめてリズミカルに。イ短調) Très lent (きわめて緩やかに、主部は変ト長調) Vif et agité (活き活きと、激しく、ヘ長調)
 

はじめてのオールソイタウン

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           剛を制する道 / 風天小蓄(ふうてんしょうちく)

 

                                     

       ※  畜とは、とどめる、たくわえる、やしなうこと。小なる者(一つ
        の陰)が大なる者(五つの陽)をとどめようとする。したがって
                少ししかとどめろことができない。「小畜」とは、小がとどめる。
            少しとどめることである。常軌を逸した夫、君主を、妻、臣下がとどめよ
            うとするのである。小が大をとどめるには、それなりの方法がな
        ければならない。いたずらに張り合っては破綻する。陰の力はま
             だ弱い。雨気は充満しているが、それが形をなさぬときの陰鬱で
        イライラした気分、「密雲雨ふらず」である。くれぐれも短気を
        起こしてはいけない。

 【RE100倶楽部:日本の消費電力1割分を達成】

● 出遅れる日本勢 加盟企業ゼロ

1月17日に発表した「2017 RE100 Annual Report」で、グローバル企業11社が再エネ100%を達成
した報じている。現在、欧米を中心に世界の87社がRE100に加盟しており、会員企業の数は増加中と
いう。アジアからはインドと中国の企業が加盟しているが、日本からの加盟はゼロである。RE100の
会員企業が創出する再エネ需要は、年間に約107テラワットアワー。この電力量は、オランダ一
国が消費する量にほぼ相当し、日本のエネルギー消費量の10%相当する。会員企業は、再エネ100
%という目標に向けて取り組んでおり、米ゴールドマン・サックス社は14年には14%だった再
エネ比率を15年には86%にまで引き上げている。同様に、ノルウェーのElopak社は18%から、
86%に、スウェーデンのH&M社は27%から78%に、同期間でそれぞれ再エネ比率を向上させ
ている。地域別には、米国の会員企業は約50%(15年に使用した再エネの量は6.6TWh)、欧州
は(同114.4TWh)、中国は約25%(同0.4TWh)、インドは約10%(同0.1TWh)がそれぞ
れ再エネである。会員企業の事業分野別では、電気通信サービスが再エネ100%に最も近く、15年
に97%の結果を達成している。

 

 

【はじめてのオールソイタウン】

食用油脂大手の不二製油が、豆乳を発酵させたチーズの量産に日本で初めて成功(読売新聞 2016.
10.19)。牛乳から作る本物のチーズと同様に、加熱するととろける。学校給食用などに10月から
売り込んでおり乳製品アレルギーの悩みから解放されそうである。この発明の特徴は、豆乳に含まれ
る発酵を妨げる油分の分離。チーズにするのが難しかった油分を含む生クリーム状の「豆乳クリーム
」の分離することで、牛乳由来と遜色ないチーズに仕上がる。尚、詳細は今のところわからない(参
考:特開2015-065949 大豆蛋白質含有チーズ様食品 不二製油株式会社)とブログ掲載(『ナノカー
ボン電子工学千一夜』2016.10.19/上図ダブクリ参照)しているが、豆乳チーズについて、NHKあさ
イチで、取り上げていた(出典:「スゴ技Q おいしく豆乳を“食べ尽くす”極意」2017.01.14)の
見て、オール大豆蛋白の時代がやってきたと実感する。



大豆の栄養価については周知されているところだが、投入には牛乳に比べ低カロリーな上、骨の健康
維持に役立つイソフラボン、高コレステロール改善が期待できる大豆たんぱく質が、たっぷり含まれ
ている。あとは加工技術が整えばチーズ、バター、ハム、ソーセイジ、ミルク、マヨネーズ、クリー
ム、ミート、などの酪農食品は置き換わることになる。



それじゃ、この滋賀県のどこか1箇所に「オールソイ(ビーズン)タウン」があってもおかしくないと考え、移住者
を募ってみてはとブログ掲載した次第。諸君、「わがタウンに集まれ!」と。

 

  ● 今夜の一曲

ショスタコービチ: 弦楽四重奏曲 String Quartet No 8, in c, Op.110

弦楽四重奏曲第8番ハ短調 作品110は、旧ソ連の作曲家ショスタコーヴィチによって1960年に作曲さ
れた弦楽四重奏曲。作曲者によって「ファシズムと戦争の犠牲者の想い出に」捧げるとしてあるが、
ショスタコーヴィチ自身のイニシャルが音名「D-S(Es)-C-H」で織り込まれ、自身の書いた曲の引用
が多用され、密かに作曲者自身をテーマにしていることを暗示、15曲あるショスタコーヴィチの
弦楽四重奏曲中で、最も重要な作品とされる。初演は1960年10月2日,レニングラードのグリンカ小
ホールで,ベートーヴェン弦楽四重奏団により演奏される。

1960年7月19日にショスタコーヴィチ自身が友人グリークマンにあてた手紙に、映画音楽の仕事が全
く手に付かずに、ひたすら弦楽四重奏曲の作曲に向かったと述べ、「この曲を書きながら、半ダー
スのビールを飲んだ後の小便と同じほどの涙を流しました。帰宅後もこの曲を二度弾こうとしました
が、やはり泣いてしまいました」と苦しい気持ちを訴える。

第1楽章 Largo ハ短調 4/4拍子 第2楽章 Allegro molto 嬰ト短調 2/2拍子 第3楽章 Allegretto ト短調 2/2-3/4拍子 第4楽章 Largo 嬰ハ短調 3/4拍子 第5楽章 Largo ハ短調 4/4拍子 

 


玉蜀黍と大豆とシューベルト

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           虎の尾を踏む  /  天沢履(てんたくり)

 

                                     

       ※  履は、ふむ、実践することである。実践には常に危険がともなう。
        だが危険を恐れてはなにもできない。虎の尾を踏むような危険の
        中でどのようにして身を全うすればよいか。この卦(か)は、剛
        強・有為を示す上卦のΞ(乾)に、柔順を意味するΞ(兌:だ)
        が従っている形である。目上の者や経験者の言葉に率直に従い、
        先人の経験から教訓をとり出す心構えが必要である。猪突猛進す
        れば必ず失敗する。自分の力を考えて、着実に進んで.行けば、
        初めは危険に遭遇しても、必ず目的を達することができる。

 



● 除雪で嵌ったドリスト 梅味ストロング

まぁ~何というか、疲れがたまっているのか、テンションは降下し、ディスプレイに向えど頭の中は
まとまらず、気分はバーバル。そこで口にしたのがこの「ドリトス 梅味ストロング」。酸味が嵌り
怖いぐらいに(似非中毒症とでも言うのかなぁ)、食べ続けていた。メーカーのジャパンフリトレー
株式会社は、日本国内で「フリトレー」ブランドのスナック菓子製造・販売する企業。フリトレーは
米国企業ペプシコのブランドで、ジャパンフリトレーはペプシコが出資するカルビーの完全子会社。
ここで、ドリトスとは、すり潰したトウモロコシから作るメキシコ、アメリカ合衆国南西部および中
央アメリカの伝統的な薄焼きパンであるトルティーヤ(スペイン語: tortilla)のこと。現代は、小麦
粉から作られた同様のものもトルティーヤと呼ばれタコス――メキシコを代表する料理のひとつで、
メキシコ人の主食のトウモロコシのトルティーヤで様々な具を包んで食べる。"taco"という単語その
物が「軽食」を意味する――を作るのにも使われる。

「すっぱさがスーパーストロングな梅味ドリトス新登場!口の中がきゅーっとなるほどの強烈なすっ
ぱさにこだわりました。すっぱさの後にさわやかな梅の香りが口に広がります。超すっぱい、だけど
クセになる。ドリトス 梅味ストロングをお楽しみください」が売りのこの商品は、今月23日に発
売されているから、彼女のお陰というほかない。食品栄養学的に課題がないのかというこれはフェル
マータとしておくとして、ここで使用されているトウモロコシが遺伝子組み換えでないと表記されて
いることに安堵する。そして、スパイスとして梅パウダーの製造法に注目するがこれ以上詳細調査は
やらないことにする。

 

【はじめてのオールソイタウン Ⅱ】

昨夜のつづき。どのようなイメージ、夢としてこの構想の特徴を次のように列記する。

タウン人口は5百世帯4人家族として2千人規模。 事業は、①大豆の生産、②大豆の育種、③加工工場企業の誘致、④生産品目は、原料・中間加
工食品(パウダー)・加工品(食品・化成品・医薬品・リサイクル品) 加工食品は①伝統食品、②代替酪農品、③食品・菓子・リキュール・アルコール類・飲料水  国際的な大豆食品展示会及びコンテスト(各シェフ・パティシエ・クリエータ)の恒例化 個人的な顧客との支払い決済はすべて「マイナンバー」(社会保障証)で処理(金融機関との
連動システム)、地産・地消ポイント制の導入(例、所属自治体住民・企業は10%増で還元)

ざっと思いついたことを書いたが、大豆(タンパク・繊維質・ポリフェノール)生産と消費による①
健康増進、②医療貢献、③食糧安全保障、④地方分権・地方活性の促進を目標としている。

 

【RE100倶楽部:スマート風力タービンの開発 15】  

風況を選ばない高出力インテリジェント風力発電機 

● 発電機と制御系の最適マッチング

発電機の基本特性を調べるために図5-1  に示すテストスタンドに、新たに開発した二重回転電機子方
式二重巻線形誘導発電機(3相8極、同期速度 900min-1、定格出力1.2kW、図5-2)を設ける。本来は
内側回転電機子と外側回転電機子が互いに逆方向に回転するが、相対回転状態を知ればよいので、こ
こでは外側回転電機子を固定して、内側回転電機子のみを回転させる。内側回転電機子はトルク検出
器を介して電動機に連結され、インバータにより回転速度を自由に調節できる。発電機の2次側(励磁
側、内側回転電機子)は、電力計を介してインバータに接続され、周波数、電圧を調節することがで
きる。1次側(出力側、外側回転電機子)は、電力計を介して外部負荷としての電球に接続され、点
灯させる電球の数によって負荷を調節する。

● 発電機の特性

1次側の周波数をf1=60Hz、電圧をV1=200V に保ち,種々な負荷P1set(lamp)に対して、2次側の周波数
f2、電圧V2 を調節したときの結果を図5-3 に示す。ここに、2次側周波数f2 が負の値は相を入れ替え
た(逆潮流)ことを示し、NTは相対回転速度である。1次周波数f1=60Hz を得る2次周波数f2は負荷
の大きさには依存せず、回転速度のみで決定されることがわかる。これに対し、3次電圧V2は1次側
の負荷P1set(lamp)に依存し、負荷および回転速度に適した電圧を励磁する必要がある。図5-4 に2次
側への入力P2を示す。同期回転速度NT=900min-1 以上では負の値になる。これは、2次側すなわち励
磁側からも出力が取り出せることを意味しており、真の出力はP0 = P1 - P2 で与えられる(図5-5、P1:
1次側からの出力)、この特徴を生かすためには、出力を一定に保つ定格運転開始の回転速度すなわ
ち風速を幾分速いところに設定したほうがよい。

制御系とのマッチング

以上の発電機特性に基づき、前段風車ロータ径2.7m、定格運転開始風速を10m/s として、1次側の電
圧V1=200V、周波数f1=60Hz を得る運転制御を試みた。図5-6(a)で与えられる回転トルクT と相対回転
速度NT の風車ロータに対しては、入力側の周波数f2 と電圧V2 を図5-6(b)のように制御すれば,図5-6
(c)に示すような1次側出力P1、2次側入力(出力)P2 および真の出力P0 が得られる。本風力発電ユニッ
トは低風速でも風車ロータを回転させることにしている。したがって、極微風速(カットイン風速1
m/s 以下)でも風車ロータを回転させるための導電開始のタイミング(風車ロータは回転しているこ
とが重要なので、発電機を電動機として使用し、風車軸系の静止摩擦をアシストすることに決定)、
および変動する実風況下における出力(回転速度)の安定化も視野に入れた制御が必要となる。

試作2号発電機の励磁特性

開発した二重回転電機子方式二重巻線形誘導発電機2号機(3相10極、3kW 同期速度720 min-1、
定格出力3kW、図5-7)の制御に必要な2次側の励磁特性を調べたが(図略)、出力が高いこともあり、
本格的な実証試験に向けた制御系とのマッチングは今後の宿題として残されている。

同期発電機と風車ロータのマッチング

ダウンウィンド型風力発電ユニットの実証試験で使用した発電機は永久磁石励磁4極3相交流同期発
電機(定格出力1kW、同期回転速度750×2min-1、定格起電圧100V、定格周波数50Hz)である。本事
業で準備したものではなく、比較的回転トルクが大きい既存の相反転方式水力発電ユニットのものを
流用しており、本風車ロータとの適合を考えて製作されたものではない。無負荷運転時における回転
速度と起電圧E の関係を図5-8 に示す。ここに、NGR、NGF はそれぞれ内側および外側回転電機子(R:
後段、F:前段風車ロータと連結することになる)の回転速度であり、回転方向は互いに逆方向(相
反回転)である。両回転電機子の回転速度に比例して起電圧E は当然高くなり、例えば、内側と外側
の相反回転速度が同じ場合(NGF=NGR)の起電圧E は所望通り、外側が固定子(NGF=0)の場合の倍
となる(図示は略)、図5-9 は、ランプ負荷がある場合の起電流 I に対する内外回転電機子に作用す
る相反回転トルクTGR、TGF(回転トルクの方向は逆)の一例を示したものである。両回転電機子に作
用する回転トルクは回転速度に関係なく起電流に比例し、同一起電流では常に両回転電機子に働く回
転トルクは同じことが確認できる。I=0 は無負荷運転に相当し、そのときのトルクは静トルク、すな
わち最低限風車ロータを回転させる(カットイン風速)ために要求されるトルクである。

次回はこの実験の最終項目「電気系と風車ロータの最適マッチング:実証試験」に移るり成果報告は
終了する。

                                      この項つづく

 

 

  ● 今夜の一曲

シューベルト: 弦楽四重奏曲 String Quartet No.14「死と乙女」, in d, Op.posth. 

弦楽四重奏曲第14番ニ短調 D810は、フランツ・シューベルトが作曲した弦楽四重奏曲。作曲者が
健康の衰えを自覚した直後の1824年に作曲。第2楽章が自身の歌曲「死と乙女」を引用していること
からこの曲も『死と乙女』と呼ばれている。すべての楽章が短調で書かれ、当時のシューベルトの絶
望的な心境が映し出されている。

【構成】

第1楽章 Allegro 4分の4拍子 ソナタ形式。 第2楽章 Andante con moto 2分の2拍子 ト短調による変奏曲。自作の歌曲『死と乙女』D531の
ピアノ伴奏部分を主題とし、それに5つの変奏とコーダが続く 第3楽章 Scherzo: Allegro molto 4分の3拍子 再びニ短調によるこの楽章は、シューベルトの一
連のピアノ曲のレントラーに近い 第4楽章 Presto 8分の6拍子 切迫したタランテラ風のフィナーレは、ロンド・ソナタ形式

 

馬鹿な壁

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       上下和合、泰平の道  /  地天泰(ちてんたい)

 

                                    

       ※  この卦は、天を意味する三(乾)が下にあり、地を意味す三三(坤)
        が上にある。つまり天地が逆になっているわけだが、これがかえっ
        てよいのでる。すなわち、天の気は上へ上へと昇り、地のは下へ下
        へと降る性質をもつ。もし、大が上にあり、地が下にあれば両者は
        次第に離れていく。逆になっているからこそ、天の気が上昇し、地
        の気が下降したところで両者がぴったりふれあい、そこで万物が生
        み出される。ここには、対立物の統一を両的にとらえる易理の理想
        的な形が示されているのである。人間関係でいえぼ、上司と下僚僚、
        夫と妻、親と子、強者と弱者、あるいは友人同士が和合一致して万
        事順調に運ぶにはどうすればよいかということを示している。「泰」
        とは、やすらか、安泰のこと。卦の形を見ても、がっしりした地盤
        に立つ建築物を連想させる。安定した繁栄である。しかし、大吉は
        凶にかえる。油断は禁物である。第三爻、上爻の言葉を銘記するこ
        とだ。

 

 Jan. 26, 2017

● 「馬鹿な壁」を残すより賢い選択を

26日 トランプ米大統領の「米国第一」主義が壁にぶち当たっている。新政権は、メキシコとの国
境に壁を建設する費用を負担させるため、同国からの輸入品に課税する方針を示し、資金をたっぷり
捻出できそうだが、ツケを払うのは米国の消費者かもしれない。不法移民を防ぐために壁を建設し、
メキシコに建設費を負担させると繰り返し述べ、就任後第1週目にして壁建設の大統領令に署名。ペ
ニャニエト・メキシコ大統領は26日、トランプ氏との会談を中止すると発表したと伝える(「コラ
ム:メキシコ国境の壁建設費、ツケは米消費者に」ワシントン ロイター BREAKINGVIEWS 2017.
01.26)。

それによると、スパイサー大統領報道官はその数時間後、メキシコからの輸入品に20%課税して壁
の建設費に充てる方針を表明し、年間100億ドルを調達できると述べた。これは議会下院の共和党
議員が提唱している法人税の「国境調整」に似ているようだ。同大統領はは先に、国境調整は複雑過
ぎると述べているとか。下院案では、法人税率を現行の35%から20%に引き下げる。同時に輸入
コストを税控除の対象から外し、輸出で得た収入について所得税を免除する。これにより10年間で
税収が1兆ドル増えるとしているが、輸入品への依存度が高い産業は税負担が重くなる可能性がある。

企業はそのコストを消費者に転嫁するかもしれないとし、米国は昨年1─11月にメキシコ製品を、
2700億ドル相当輸入した。最大品目は自動車だが、果物や野菜、ビールも数十億ドル規模で輸入
している。全米小売連盟は、国境調整が導入されればメンバー企業は小売り価格を最大15%引き上
げざるを得なくなると表明した。トランプ大統領は貿易協定の反故や移民制限にするな大統領令に署
名し、「米国第一」の約束を果たそうとしているが、実際に政策実施するにはもっと複雑であり、壁
建設費の請求書は結局、米国の消費者に回ってくるかもしれない結んでいる。

 Jan. 25, 2017

同日、同じくロイターは、メキシコのペニャニエト大統領は同日、来週31日にホワイトハウスで予
定していたトランプ米大統領との会談を中止すると明らかにし、トランプ大統領が国境沿いの壁の建
設荷用を負担する用意がないなら、首脳会談は取り止めるべきと発言したことが背景にあり、ペニャ
ニエト大統領は首脳会談を通じて関係修復を模索していたが、両国の対立はさらに深まったことを伝
えている(「メキシコ大統領がトランプ氏との会談中止 壁建設めぐり溝深まる」メキシコ市/フィ
ラデルフィア ロイター 2017.0126)

これに先立ち、トランプ大統領はツイッターで、「米国はメキシコに対し600億ドルの貿易赤字を
抱えている。北米自由貿易協定(NAFTA)は当初から一方的な取引で、多くの雇用や企業が失わ
れた」とし、「必要性が高い壁の建設費用をメキシコが支払わない場合、近く予定されている(ペニ
ャニエト大統領との)会談はキャンセルしたほうがいい」と述べて、トランプ大統領はその後、フィ
ラデルフィアで開催の共和党会合で、会談中止は相互の合意の下で決定されたと説明したと報じてい
る。



また、同日、時事通信は、米メキシコ国境はカリフォルニアやテキサスなど米南部4州にまたがり、
全長約3200キロ。1990年代から不法移民対策でフェンスが造られ始め、2001年の米同時
テロ後、国境警備に本腰を入れたブッシュ政権下で06年にフェンス増強の法律が制定された。既に
70億ドル(約8000億円)超を費やし、現在は約1000キロにフェンスなどの障害物が立つ。

米調査会社バーンスタインの試算では、トランプ氏が主張する高さ約12メートルの新たな壁を建設
すれば、総工費は最大250億ドル(約2兆8000億円)に上る。25日の大統領令は「法で許さ
れる範囲で、計画、設計、建設に全ての連邦政府資金を充てる」と言及しただけで、具体的な財源に
は触れていない。莫大な建設費を議会が承認するか、現時点では不透明だという。

大統領は、まず米国が費用を肩代わりし、「後でメキシコにどのような形でも支払わせる」と主張す
る。米メディアは、大統領が連邦機関に対し、メキシコが麻薬対策などで米国から受け取る支援金額
を集計するよう指示したと報道。資金捻出のため、①米国移住者からメキシコへの本国送金制限や、
②ビザ発給費値上げなど、支払いを拒むメキシコへの締め付けを強めるとの観測もある。広大な国境
地帯は、国境沿いを流れるリオグランデ川や砂丘、断崖絶壁の峡谷など地形はさまざま。大統領令に
明記された「物理的な壁」にこだわれば、建設は難しい。特にテキサス州では国境地帯に私有地が多
いとされ、用地買収の難航も予想されると伝える(「壁建設費3兆円、どう工面?複雑な地形、難航
必至-米メキシコ国境」時事通信 2017.01.26)。

 Jan. 27, 2017


確かに、「不法入国」「麻薬密輸入」はメキシコ政府に責任があるが、「低賃金移民雇用」「敵対的
貿易関係」は、米国側の資本家や雇用主の責任にあるのだから大統領就任直後の命令は、いかにも外
交感覚や教養の無さ白日の下に曝すようなもの(いや、壁建設利権を狙う縁故資本家の顔を覗かせて
見せているのかもしれない)。まずは、両国間で会談を重ね、個別課題を解決していくのが正道とい
うもの、約2兆8000億円もかけ「馬鹿の壁」を残すよりも、その半分の金額を贈与し、メキシコ
国民の生活水準向上に役立て、通商貿易交流を盛んにして利益を得た方が得策だと、そのようにわた
し(たち)は考える。だから、国境に沿って風力発電所を建設し、その電力を米墨両国で均等に供給
利用し、親善の象徴としてめてはどうだろう。

 

● ウインパワー、小型風車の申し込み1000件超

小型風力発電設備の製造・販売などを手掛けるWinPower(ウインパワー)社は、同社販売の出力19.8
kWの小型風力発電システム「GHRE19.8J」への発注申し込みが2016年1月現在で1000件を超えて
いることを明らかにしたという(「20kW未満の風力発電事業にブームの兆し」日経テクノロジー 2017.
01.26)。出力20kW未満の風力発電設備に関しては、固定価格買取制度(FIT)による買取価格が55円
/kWh(税別)と、現在、最も高い単価になっており、2017年度も同じ単価が維持される見込み。FIT
を利用した導入量は2016年9月末時点で959kW(88件)に過ぎないが、設備認定量は同月末で約31.9MW
(1790件)に達している。

太陽光の買取価格が年々低下し、来年度以降、20kW以上の大型風力の買取価格も下がる見込みのなか、
55円/kWhを維持されている小型風力の投資収益性が相対的に高まっており、ここにきて、設備認定が
急増している。20kW未満の風力発電事業では、単体で20kW近くの定格出力になる機種を1基建設して
連系する方法が、投資収益性に優れる傾向がある。一方で、FITで風力発電設備の認証を取得するには、
日本海事協会によるNK認証が必要で、現在、このクラスの風力発電設備で、同認証を取得している機
種が限られている。

20kW弱の小型風力発電設備でNK認証を取得している機種は、WinPower社の「GHRE19.8J」とC&F
Green Energy社の「CF20」(19.5kW)の2つだったが、CF20に事故が発生したため、2016年11月21日以
降、認証が停止状態になっている。「GHRE19.8J」による設備認定が急増しているのは、こうした背
景もある。設置コストは、ブレード(羽根)、ナセル(発電機などの筐体)、タワー、制御機器、パ
ワーコンディショナー(PCS)などを含めた風力発電設備に、造成、建設工事を加えて、1基3000万~
3500万円を想定している。同社の試算では、年間平均風速5m/秒の立地で年間約360万円、同風速6m/
秒で年間約470万円の売電収入が見込まれ、10年以内の投資回収が可能としているという。

【量子計算技術の研究を加速】

● 東北大 量子アニーリング方式の新規シミュレーション法の開発

量子アニーリングとは、複数の異なる可能性を同時に保持できる量子力学特有の性質を利用すること
で、様々な可能性の中から最善の結果を見つけ出すことを得意とする計算手法である。このツールを
利用した量子コンピュータを東北大学大関真之准教授らの研究グループが、今月24日、高度な計算
を行う量子アニーリングのシミュレーションを行う新規手法の開発に成功したと発表。現在、世界中
で競争が進む人工知能の開発。その鍵を握るのは、大規模なデータ、そしてそのデータを処理するた
めの高速な計算技術、またそれを実行するコンピュータです。そのような背景のもと、世界各国で専
用のコンピュータを作る動きが加速している。



新しいハードウェアを作るためには、うまく動作しているのかを担保するためにシミュレーションに
よる検証を必要とするが、量子コンピュータは、これまでのコンピュータとは全く異なる原理で動作
しているため、その全容をシミュレーションするためには多くの困難を伴う。その一つの難しさが、
「異なる可能性を「重ね合わせる」ことのできる量子力学特有の性質を扱う」というもの。

この研究成果では、この重ね合わせの状態を作り出すために利用される重要な「量子揺らぎ」につい
て、これまで利用されてきた「横磁場」という設定法だけに止まらず、より広範囲の様々な量子揺ら
ぎについてシミュレーションを可能にし、量子コンピュータの開発の後押しにとどまらず、広く社会におけ
るサービスの多様化・高速化へつながると期待されるという、が本当のところわからない!といった方がいい
のだが、このまま読み進めよう。

【量子アニーリングの概要】

名前に「量子」とあるように、私たちの日常的な生活スケールに比べると非常に小さい 原子や分子な
どの動きを決める量子力学による動作原理を利用。量子力学特有の現象である「重ね合わせ」の状態
を利用することで、量子アニーリングは、複数の可能性を 同時に保持しながら最善の選択を見つけ出
すことを得意とする。この重ね合わせの状態を作り出す方法は様々に提案されてきたが、そのどれも
重ね合わせの状態という概念 が難解に感じられる通り、その研究自体も困難なのだ!

量子アニーリングでは、上と下を向く小さな磁石(スピン)の性質を利用。そこに横向きに磁場をか
けることにより、「上向き、かつ、下向き」の磁石の状態を作り出して、どちらの向きを取れば磁石
にとって最善の状態となるのかを探索する。この性質を巧みに利用し、現実の社会で有効な解決策を
探る「最適化問題」の高速解法としようというのが量子アニーリングの発想である?!最適化問題に
は配送経路の最適化、ポートフォリオの最適化、スケジュール管理の最適化などあらゆるサービスの
効率化につながる多様な応用例があり、この磁石の上向き、下向きを配送経路の選択で言えば、この
道を選ぶか選ばないか、に対応させる(上図参照)。

 Jan. 24, 2017

この広範囲な応用例を持つ最適化問題を、磁石の性質を利用し高速に解こうというアイデアは、量子
アニーリングに限らず広く利用され、この小さな磁石の振る舞い を端的に表したイジング模型を巧
みに利用する様子から、「イジング型コンピュータ」として世界各国で開発が進められている。

さらに最適化問題にとどまらず、最善の選択を求めていく過程で、どんなことが起こり得るか
を調べ上げる「サンプリング」にも有効です。このサンプリング技術を利用することで、画像
や音声などの多くのデータから私たちの身の回りの現象を真似するように設定をすることで、
自動的に絵を描いたり、写真を作成したり、言語の生成をしたりするシステムを構築する機械
学習への応用にも注目が集まっている。さらに最適化問題にとどまらず、最善の選択を求めて
いく過程で、どんなことが起こり得るかを調べ上げる「サンプリング」にも有効で、このサン
プリング技術を利用することで、画像や音声などの多くのデータから私たちの身の回りの現象
を真似するように設定をすることで、自動的に絵を描いたり、写真を作成したり、言語の生成
をしたりするシステムを構築する機械学習への応用にも注目が集まっている。

  イジング模型

【現状での課題】

量子アニーリングを用いる際には、最善の道を探すためにあらゆる可能性を探索するために、
この「横向きの磁場」のかけ方が重要となる。この横向きの磁場の掛け方を通常とは異なる掛
け方をすると、量子アニーリングの計算能力が飛躍的に向上することが指摘されていたが、そ
の実現に向けた研究を行う上で、効率的なシミュレーション方法が必要とされていたが、非常
に困難なものと考えられていた。そのため横磁場のかけ方についてはもっとも素朴な一様なも
のを利用するまでにとどまってきた(上図)。

この研究では、この横向きの磁場の掛け方が通常と異なる場合について、効率的にシミュレー
ションをする方法である「適応的量子モンテカルロ法」を発明しました。この適応的 量子モン
テカルロ法では、シミュレーションをしたい問題設定の性質に合わせた数学的な計算を先にあ
る程度進めることで、既存の方法ではシミュレーションの難しい点(負符号問題)を回避する
ことができ、横向きの磁場の掛け方を様々に変えた場合について、従来型のコンピュータ上で
シミュレーションを可能にすることができた(下図ダブクリ参照)、というのがその主旨であ
る。読者諸氏は、理解いただけたかと思います。

 
Quantum Monte Carlo simulation of a particular class of non-stoquastic Hamiltonians in quantum annealing、Scientific Reports 7, Article number: 41186 (2017)

 

  ● 今夜の一曲

ドビュッシー: 弦楽四重奏曲 String Quartet, Op.10

弦楽四重奏曲ト短調(Quatuor à cordes en sol mineu)作品10は、クロード・ドビュッシーが1893年に作
曲した室内楽曲。同年12月29日にパリの国民音楽協会にてイザイ四重奏団によって初演されるが、評
価は賛否両論。ドビュッシーの現存する作品では唯一作品番号付きで出版。ドビュッシーは前年に抒
情劇《ロドリーグとシメーヌ(Rodrigue et Chimène )の放棄直後のこと。楽曲四重奏曲は2点を作曲
する予定であったが、構想がまとまったのは本作のみ。以下の4つの楽章から成り、全曲を通すとお
よそ25分。

【楽曲構成】

Animé et très décidé(活き活きと、きわめて決然として) Assez vif et bien rythmé(かなり急速に、とてもリズミカルに) Andantino, doucement expressif(アンダンティーノ、甘く表情豊かに) Très modéré - Très mouvementé - En animant peu à peu - Très mouvementé et avec passion
(きわめて穏やかに - きわめて躍動して - 少しずつ動きを付けて -きわめて躍動
して、かつ情熱的に)

 

オデッサ・ファイル

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        時代閉塞の現状 / 天地否(てんちひ)

 

                                    

       ※ 「否」は前項の「泰」と全く逆の卦である。天は上へとへと行き、
        地はあくまでも下ヘ行く。なにもかもが行き違い、背きあい、しっ
        くり行かない。まわりがすべて白い眼を向け、八方塞がりの状態だ。
        民意は政治に反映しない。貧富の格差はひろがる。卦の形も、脆弱
        な基盤の上に剛強が乗っており、いつくずれるとも知れぬ白砂上の
        楼閣を表わす。いまあなたは危機に直面している。一刻も猶予はな
        らない。閉塞状態を打開するために、真剣に現実に立ちむかわねば
        ならない。各爻の辞はそのためのヒントを提示する。

 

 Wikipedia

 Oct. 18, 1974 on US.

  Frederick Forsyth

【オデッサ・ファイル】

 25日、ひょんなことでプレミアムシネマで『オデッサファイル』を観る。それが記憶に残り今夜、
まとめたくなった。『オデッサ・ファイル』(The Odessa File )は、英国の作家フレデリック・フォ
ーサイスの手になるサスペンス・スリラー小説である。若いドイツ人記者と元ナチのための秘密組織
「オデッサ」との間の暗闘を描く。処女作『ジャッカルの日』と並ぶフォーサイスの代表作。タイト
ルは、西ドイツ司法省宛に1964年2月末、匿名の人物によって郵送で引き渡された、「オデッサ」の
支援を受け海外逃亡した元親衛隊達の、顔写真や詳細な所在などを記録したファイルの通称にちなむ。
そして、1974年(国内上映は翌年3月)に映画化されているが、記憶にないからそれまで観てい
ないのだろう。

さて、ストーリーというと、ナチス政権下でユダヤ人の絶滅政策を遂行してきた親衛隊(SS)の幹部
たちは降伏直前、連合国軍の追及を逃れ新生ドイツ社会への浸透を支援し、名誉回復のプロパガンダ
をするなど庇護を行なう秘密組織、「オデッサ」を立ち上げていた。西ドイツのルポライター、ペー
ター・ミラーは、ケネディ大統領暗殺事件と同時期に自殺した、一人の老ユダヤ人が遺していた日記
をきっかけに、老人がオストラントの強制収容所から解放された一人であること、所長エドゥアルト・
ロシュマンは司法の追及を逃れて国内で堂々と生活している事を知る。しかもロシュマンは、ドイツ
国防軍大尉だった自分の父・エルウィンを自身に逆らったとして殺し、戦死に仕立て上げた人物だ
った(父が戦死した日付・場所と、日記に記された大尉が射殺された場所、しかも柏葉・剣付騎士鉄
十字章受章者であったことまで一致)。

 

その所在を掴もうと試みるが、“過去の克服”を続ける一部の関係者以外、周囲の全てが“ナチの亡
霊”から目を背けていることを知らされ、ついには同志を庇おうとするオデッサの妨害が、ペーター
を命の危険に曝すようになる。ついにペーターは、情報を得て帰国直後、滞在中に知り合った元被収
容者で作るユダヤ人グループの力を借り、居場所を突き止めたら彼らを通じて、モサッドに知らせる
条件で、特訓を受けて“元SS曹長ロルフ・コルプ”になりすまし、組織に潜り込む。モサッドの目的
は、この元所長を中心としてナチ残党がエジプトのナーセル政権と組んで計画したイスラエル壊滅作
戦の阻止である。オデッサのドイツ国内での組織長と接触するも正体が発覚、オデッサの差し向けた
殺し屋・マッケンゼンに追われるが、偶然にも追われながら訪れた先々でオデッサ関係者を一人ずつ
葬ることになる。

  Jon  Voight

   Mary Tamm

調査の過程で面識のある金庫破りに盗ませて入手した「オデッサ・ファイル」で元所長の身元を所在
とともに確認し、ファイルを司法省に引き渡す手筈を整える。オデッサのイスラエル消滅計画は失敗
するとともに、ファイルが当局に渡ったことでドイツ国内のオデッサも大打撃を被る。ペーターが持
ち歩いてきた老ユダヤ人の日記は、シャウルが母国へ持ち帰り、結びに記された遺言のとおりにヤド・
バシェムでその老ユダヤ人を慰霊する。

尚、登場人物の元強制収容所長ロシュマンは、実在の人物。リガにあったカイザーヴァルト強制収容所の歴
代所長の一人で、“リガの屠殺人”と呼ばれた。1977年8月、パラグアイで死亡が確認されている。原作者フ
ォーサイスはロシュマンをはじめ、実在のナチス関係者や組織についてかなり詳細な情報を入手して
作品を執筆。後年、ロシュマンの検死の関係者が「フォーサイスの小説では、ロシュマンは逃亡中に
足の指を数本欠損したとあるが、それは事実である」と述べている。また、この作品の出版に当たっ
ては、フォーサイスの元に沢山の脅迫状が届いている。

大雪の除雪や作業中でもあり流したところもあったが、ナチズムの台頭とその戦犯、その残党の組織
の陰謀などが理解でき歴史上の事実の重みを感じることとなり、憤慨と陰鬱さがない交ぜになり、考
えること多し。尚、原作者のフレデリック・フォーサイス、主演のジョン・ヴォイトは健在だが、ジ
ギーを演じたメアリータイムは2012年5月に没、享年62。 

    

【RE100倶楽部:スマート風力タービンの開発 16】   

風況を選ばない高出力インテリジェント風力発電機 

● 電気系と風車ロータの最適マッチング:実証試験

6-1 プロジェクト全体における本研究開発部分の位置づけ 

風車ロータ(前段ロータ径4m)、実験室段階で最適マッチングを行った発電機の試作2号機(定格出力
3kW)と制御系、従来技術を応用したタワー、方向制御からなる実証試験用風力発電機モデルを構築
してフィールドで実験を行う。系統連系するアップウィンド型中・大容量機(10kW以上)を対象とす
るが、ダウンウィンド型小容量機(10kW以下)についてもフィールド実験を行う。風車ロータと既存
の相反転方式同期発電機(九州工業大学が水車用として所有)で構成し、本風力発電機の特徴である
風車ロータと発電機の連携プレー能力の実証を目的とする。研究開発目標の達成とは直接関係しない
が、これを遂行することにより、実用化に向けたシリーズ化が強力になる。小型機の場合、独立電源
への適用も考えられるから、同期発電機による実証にも意義がある。 

6-2 アップウィンド型の実証試験

系統連系を想定した本格的なアップダウンウィンド型インテリジェント風力発電ユニットの実証試験
として、基盤課題A の成果を踏まえ、後段風車ブレードに風のエネルギーを効果的に送る直径4mの
前段風車ロータを設計製作。また、相反転方式3相10極3kW 二重巻線形誘導発電機(図2-3、5-7)
および、制御サーキットを準備。今後、外部資金を得て、既に形状が固まりつつある独特な後段風車
ロータとタワーを新たに設計製作し、フィールド実証試験を開始予定である。

6-3-1 目的

3kW 以下の小容量機の実用化を目的とし、独立電源用を想定した簡易ダウンウィンド型インテリジ
ェント風力発電ユニットの実証試験も新たに追加。当初の計画になかったので、車載実験に用いた風
車ロータと発電機を流用。

6-3-2 実験装置と方法

上述のように、実証試験機は車載試験で使用したフィールド試験用タンデム風車ロータと二重回転電
機子方式同期発電機(極数:4P、定格回転速度:内外回転電機子とも750 min-1、定格起電圧:100 V、
定格周波数:50 Hz、,定格出力:1.0 kW)によって構成されている。本機は㈱志磨テック本社ビル3
階の屋上(付近にこれより高い建物はなく、川沿いに立地)に設けた風車ロータ中心高さ3.3mのタワ
ーに搭載した(図6-1、地上高約13.3m)。このため,天候にかかわらず常設となるので、強風時の過
回転による破損等の危険を避けるため、前後段風車ロータ軸に無励磁作動ブレーキ(電源オンでブレ
ーキ解除、電源オフでブレーキが作動)を設け(図6-2)、また発電機を風雨にさらさないためナセル
を設けた。なお、ダウンウィンド型なので、風向変化に対しては自己追従する(ヨーコントロール機
構は不要)。

 

試験装置の全体図を図6-3 に示す。前段風車ロータの回転方向を正転とすると、後段風車ロータは正
転、反転するので、後段風車ロータの回転検出器にはロータリエンコーダを採用。実験は前後段ブレ
ード取付け角βF、βRとランプ負荷Pbulb をパラメータとし、風速V、風向、前後段風車ロータ回転速
度NF、NR、発電機の起電圧E、起電流I、出力PGをデータロガーに1 秒毎に蓄積し(図6-4) その評価
は10分間平均を用いた。このとき、発電機からの出力は電力計を介してランプ負荷に接続されており,
ランプ負荷の大きさはスイッチにより段階的に変更できる(図6-5)なお、安全性と夜間は風況が悪い
ことを考慮し、夜間はブレーキをかけ、昼間のみ実験を行う。

6-3-3 風況

図6-6に2008年4月21日から2008年8月12日までの風速出現率分布を示す。間隔1m/sごとの風速の出
現率である。風速3 m/s が最も出現率が高く、高風速側の出現率が低いことがわかる。風速には季節
変化があり、冬に風速が高くなり、夏では風速が低くなる傾向があることを物語っている。以降に示
す実験結果は、ちょうど風速が遅くなる時期にえられたものであり、その風向分布(風配図:は各方
位別の風向の出現率を放射状のグラフに表したもの)を図6-7 に示す。

6-3-4 実験結果

ブレードティップの翼弦と周方向とがなす前段ブレード取付け角度βF=30deg.、後段ブレード取付け
角度βR=30 deg.、ランプ負荷Pblub=300Wにおける、前後段風車ロータの回転速度NF、NR および出
力P の一例を図6-8 に示す。平均風速が同じであっても、前後段風車ロータの回転速度、出力ともに
ばらつきがあることがわかる。自然風況下では急激な風速の変化や風向の変化が起こるため、このよ
うなばらつきが出たと考えられ。このことは周知の事実である。また、低風速域に着目すると、前段
風車ロータは風速2 m/sで回転を始めているが、後段風車ロータは風速が5 m/s に達しないと回転しな
い。このことは既に確認されたことである。その時に議論したように、本モデルに供した二重回転電
機子方式同期発電機は相反転方式水力発電の発電機を流用、本風車ロータとの適合は考えられていな
いこととが主因である。また、ここでの実験では回転挙動の把握を主目的としているため、ランプ負
荷を低くしているので出力も低い。

図6-9 はある一期間において得られた。1秒ごとの時系列順のデータである。風速が速くなると当然、
前後段風車ロータともに回転を始め、風速が遅くなってもある程度の風速があれば前段風車ロータは
回転し続ける。しかし、後段風車ロータはすぐに停止する。再び風速が速くなると、前段風車ロータ
の回転速度は上昇するのに反し、後段風車ロータは依然停止したままである。もともと回転しづらい
ことに加え、前段風車ロータが回転している状態であるため、後段風車ロータに流入する風の流れが
遮られていたことも一因であろう。

6-4 評価と今後の展望

自然風況下での実証試験により、定常風速下での車載試験等では得られなかった微風速での回転挙動
や乱流、突風などが発電特性に与える影響を把握しつつある。引き続き、遅れている第2章の実証実
験をできるだけ早く開始できるように努力するとともに、第3章に二重回転電機子方式二重巻線形誘
導発電機と制御系を導入した実証実験を行う予定である。この場合、後段風車ロータの採用も視野に
入れる。

以上、掲載し参考してきたが、これを参考により高性能、高品質(安全・安心を含む)でコンパクト
で廉価なスマート風力発電タービンの実用展開に繋げる。

【参考情報】

実用化に向けて歩み出したタンデムロータ型インテリジェント風力発電ユニット、2014.05.16 Development of Intelligent Wind Turbine Unit、Journal of Energy Challenges and Mechanics、Accepted
for publication on 22th July 2014

  ● 今夜の一曲

ベートーベン:弦楽四重奏曲 String Quartet No.11 「セリオーン」, in f, Op.95

弦楽四重奏曲第11番ヘ短調「セリオーソ」Op.95はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが1810年に
作曲した弦楽四重奏曲である。原題は "Quartetto serioso"であり、セリオーソの名は作曲者自身によっ
て付けられたものである。名前の通り「真剣」な曲であり、作曲者のカンタービレ期特有の短く、集
約された形式を持つ。しかし、歌謡的な要素は少なく、あくまでも純器楽的に音楽は進行する。音楽
は短く、きわめて有機的に無駄を省いた構成をとるが、時に無意味ともいえる断片が挿入されたりし
て、それがかえって曲の真剣さを高めており、そこに他の要素を挿入したり、緊張感の弛緩する余地
を与えない(出典:Wikipedia)。

【楽曲の構成】

第1楽章 Allegro con brio:ソナタ形式。ユニゾンで荒々しい主題が奏されると、第2主題は変ニ長調に
転じ、3連符を元にした旋律がヴィオラに歌われるが、長く続かず、再び荒々しい打激に変わ
り、断片的な旋律と、それを打ち消すような無意味な音階進行によって、安らぐ暇を与えない。
これがセリオーソと名づけられた所以とされる。提示部の反復はなく、展開部も短く、再現部
の後、コーダで盛り上がりをみせるが、楽章は静かに閉じられる。 第1主題が変ト長調で反復
されることや、変ニ長調に対するニ長調の激しい走句など、全体的にナポリの和音が多用され
るが、これはベートーヴェンの多くの短調作品の特徴。その調的関係から月光と熱情の両ピア
ノソナタを連想させる。 第2楽章 Allegretto ma non troppo:ニ長調という遠い調で書かれている。時計を刻むような無
機質なチェロの進行で開始、その後の第1バイオリンに歌われる旋律はまったく関連性がなく、ベートーヴェンが追求してきた「人間的な」緩徐楽章に対する一種の皮肉を感じさせる。 第3楽章 Allegro assai vivace ma serioso:スケルツォに相当、5部分による。発想に「セリオーソ」と
指示されている。減七の和音を多用した付点リズムによる労作的な主部と、コラール的なトリオからな
る。 第4楽章 Larghetto espressivo-Allegro agitato:緩やかな短い序奏に始まる。主部はロンド形式。
情熱的な主題が歌われ、ただならぬ雰囲気を漂わせるが、突如コーダにおいて曲はAllegro ヘ長
調に転じ、諧謔的ともいえる音階進行とそれに対応するパッセージが演奏され、明るく軽快に
閉じる。第2楽章でも見られた、無意味なものの羅列や無機質な機械的進行により、人間的な
ものに対する一種の皮肉を表現しているとされる。

  

天火同人

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        友を求めて / 天火同人(てんかどうじん)

 

                                    


      ※ 「同人」とは、人と志を同じくする。同志を求めてともに行くこと。
        「同人雑誌」の語源である。上卦の三(乾)は剛健不息の活動力、
               下卦の(離)は輝く知性を意昧す。青白きインテリや馬車、馬的
        活動家ではない。豊かな知性と実行力とを身につけた組織者、工作
               付であり、広く柔軟な心の持ち主である。人々を組織してゆくには、
        けっして旧来の仏縁を頼りにしてはならない。あくまで公的な人間
        関係を創り出すことが大切である。そのため、初めは孤独に苦しむ
        だろうが、安易な道を選んではならない。初志を貫徹すれば、かな
        らず喜びがおとずれる。

 

【ルームトレーニング奮戦記:クランチ】

クランチは腹直筋を意識を集中して鍛えやすいエクササイズ。腰への負担も少なく特に腹直筋・上
部に効果があり。これをさらに追加しパッケージすることに。トレーニング中の呼吸の仕方は従来
法と同じ。それにしてもわたしがこんなことに精だすなんてありえなかったこと、自分でも不思議
で妙な感じ。

  

【RE100倶楽部:スマート風力タービンの開発 17】   

● 垂直軸型風車の集風装置:特開2017-015094の場合

風車の周囲に集風板を設け、風車に導入される風量を増加させ風速を増大させることで、風速が低
い環境でも垂直軸型風車を効率良く回転させ、風車の周囲の風速が高い場合には集風板を収納し、
風車の回転による総合的な発電効率を高めるというアイデアである。その背景には、小型風力発電
装置の場合は、従来、郊外の広い敷地に設置されていた比較的大型の風力発電装置とは異なり、市
街地に多数分散して設置することが期待されており、わたし(たち)が考えるスマート風力タービ
ンの設計思想に添うものである。

一般的には、風車に流入する風速が発電停止風速(カットアウト風速)を超えると、風車の保護の
ために一時的に風車の回転を停止するが、その場合には、集風板がなければ、むしろ風車の運用を
継続できるため、集風板の存在が風力発電装置の効率的な運用を妨げる。①低風速の風況にあって
も効率の良い集風装置を得ること、風車を通過した風を円滑に風車から離脱させて風車に流入する
風の抵抗にならないようにすること、②強風時にも集風板を備えた風車を効率良く運用して、風力
発電装置の効率的な運用を可能とするという課題がある。  

【要約】

発電機を接続した垂直軸型風車Wの周囲に集風板U、Dを設けて、風車周辺の風を風車に流入する
方向に集めて増速し、それにより風車の回転を増加させて風車に接続した発電機の回転数を増加す
ると共に、風車を通過した風を円滑に逃がすために風車の風下に配設した集風板を巻き取ることで
集風板の影響を減少させ、併せて、集風板により集束された風の風速が風車の定格回転数を超過す
る場合には風車の風上に配設された集風板の面積を減少させることによって集風板の影響を減少さ
せる事で、風速が弱い場合であっても、風力発電を可能とする。



JP 2017-15094 A 2017.1.19

 

【符号の説明】

W  垂直軸型風車  U 上側集風板  D 下側集風板 O  外周側集風板 Us  上側集風板スリ
ット Ds  下側集風板スリット Ue  上側集風板の外縁 De  下側集風板の外縁 Ufe  垂
直軸型風車の直上に設けられた平面の外縁 Dfe  垂直軸型風車の直下に設けられた平面の外縁
Uh  上側集風板の翼型曲面 Dh  下側集風板の翼型曲面 S  起点軸 E  終点軸 A  垂直軸
型風車主軸 M  集風板駆動モータ Cs  集風板制御装置 Fk  風向計 Fs  風速計 P1
~P5  パネル Ou  上部外周側集風板 Oul  上部外周側集風板の下縁 Od  下部外周側集風
板 Odl  下部外周側集風板の上縁 G  間隙 B  ブレード(風車の羽根) Ji  内側支持柱
Jo  外側支持柱 Hu  上部外周側集風板の垂直方向の幅 Hd  下部外周側集風板の垂直方向の
幅 tu  上部外周側集風板の下縁と内側支持柱との接点 td  下部外周側集風板の上縁と内側支
持柱 との接点 1~8  集風板 220  上側集風板Uに設けられたUsの断面 230  下側
集風板 Dに設けられたDsの断面 250  帆布 270  520  下側ガイドレール 260 
510  上側ガイドレール 550  パネル駆動機構 660  主軸側ガイドレール 670 
外縁側ガイ ドレール

そこで、垂直軸型風車の集風装置で、中心に垂直軸型風車を配置構成し、①風車上側に上側集風板、
②下側に下側集風板、③外周に外周側集風板を設け、この外周側集風板は、上側集風板と下側集風
板との間に設けられ、垂直軸型風車の主軸と平行な面を有し、風車の主軸から間隔を開けた位置か
ら等間隔に放射状の方向に複数の板面が展開。上側集風板は、主軸を含む風車のブレードの回転面
に対応する部分の直上の領域では、主軸と垂直な面を有し、直上の領域の外縁から外周側集風板の
主軸から遠方の側にかけ、外周側集風板の上方を覆うように、上方へ傾斜を設けた逆円錐台状に形
成、下側集風板は、主軸を含む風車のブレードの回転面に対応する部分の直下の領域で、主軸と垂
直な面を有し、直下の領域の外縁から外周側集風板の主軸から遠方の側にかけ、下方を覆うように
下方へ傾斜を設けた円錐台状に形成、外周側集風板の板面は、上部外周側集風板と下部外周側集風
板に分割され、上部外周側集風板と下部外周側集風板との間に空隙を設けていることを特徴とする。

【実施形態】

図1は集風装置の実施形態の概要を示す斜視図。また、図2は、集風装置と風車の配置を示す説明。
但し、説明のため、図1では上側集風板と外周側集風板との一部は除いて記載、図2では、上側集
風板を除いて記載。なお、以下の説明において共通した構成要素については特掲しない限り共通し
て用いる。 図1と図2の中央部に配設されているのは、風車の主軸が水平面に対して垂直に設置さ
れる垂直軸型風車Wであり、図1と図2とでは、ジャイロミル型風車が例示されているが、風車の
形式は垂直軸型風車であれば、ダリウス型、サボニウス型、又はクロスフロー型等、任意の形式の
選択が可能。

※ 一般的に風車には、主軸が地面に対して水平の水平軸型風車と、主軸が地面に対して垂直の垂
  直軸型風車があるが、水平軸型風車では主軸を風向に合わせる機構が必要となる。しかし、垂
  直軸型風車の場合は風向きに依存しないため、そのような機構が必要とされないという利点が
  ある。

図1に示した上側集風板Uと下側集風板Dの板面は、共に、後述する図3にも示すように、それぞ
れの集風板の外縁から垂直軸型風車Wのある中心方向に対し水平面に対して30度の傾斜が設け、
このように上側集風板Uと下側集風板Dの集風路である板面の傾斜を30度とするのは、実験的に
①30度よりも小さい角度の場合、集風板の集風効果が低下する一方、②30度よりも大きい角度
とした場合は、通流する風に対して集風板が抵抗となり、エネルギーとして失われる割合が大きく
なる。

図3(A)は、こうした外周側集風板Oを外周方向から図示したものである。図中の220は上側
集風板Uに設けられたスリット部分Usの断面、230は下側集風板Dに設けられたスリット部分
Dsの断面を表し、上述したように、図中のSは外周側集風板Oのうち主軸A寄りの端部に設けら
れた起点軸Sを表し、図中のEは同じく外周側集風板Oの他端部に設けられた終点軸Eを表す。

そして、該起点軸Sと該終点軸Eとの間には帆布250が展開されており、該帆布250の上側集
風板Uと下側集風板Dとに挟まれた部分は、外周側集風板Oとして機能。帆布250は集風装置周
囲の風況に応じ、外周側集風板Oの終点軸Eに巻き取ることで、集風板として機能する面積を変動
させることで集風装置の効率的な運用可能である。

また、外周側集風板Oの該起点軸Sの上端部は、上側集風板Uの板面に設けられたスリットUsを
抜けて該上側集風板Uの上又は内部に設けられた上側ガイドレール260に摺動可能に取付けられ、
起点軸Sの下端部は、下側集風板Dの板面に設けられたスリットDsを抜けて該下側集風板の下、
または内部に、摺動可能な下側ガイドレール270を設けている。さらに、該終点軸Eの上端部は、
上側集風板Uの板面に設けられたスリットUsを通過して該上側集風板の上または内部に設けられ
た上側ガイドレール260にベアリングを介し、回動可能に接続、この起点軸Eの下端部の末端近
くは、下側ガイドレールに270にベアリングを介して支持され、下端部は帆布の巻取り等を行う
集風板駆動モータMに接続する。

このため、外周側集風板Oを構成する起点軸Sと終点軸Eとの間に展開されている帆布250の面
積を減少させる場合には、終点軸Eの下部に設けられている集風板駆動モータMで、終点軸Eを回
転、終点軸Eの周囲に帆布250を巻き取り、併せて、該起点軸Sの上端部と下端部とを上記ガイ
ドレール260及び270上を摺動させて、該起点軸Sを主軸Aとの平行を維持したまま該終点軸
E方向に移動させ、該起点軸Sと該終点軸Eとの距離を変動させる事によって、その間に展開され
た帆布250の面積を減少できる。

図3(B)は、このように図3(A)に示した外周側集風板Oを構成する帆布250を終点軸Eに
巻き取った場合を示したものである。このように起点軸Sと終点軸Eとの間に展開されていた該帆
布250が該終点軸Eに巻き取られると、該起点軸Sは該帆布250の巻き取りに伴い該終点軸E
の近傍へ平行移動し、垂直軸型風車Wの周囲が開放されて、該帆布250により生じていた集風板
の効果は喪失する。また、外周側集風板Oの面積を増加させる場合、面積を減少させる場合の逆に
モータMを回転させる。



上図4は、本発明の垂直軸型風車の集風装置の制御の流れを示すブロック図。垂直軸型風車の集風
装置には、集風板制御装置Csが備えられ、集風板制御装置Csには、集風装置の近傍に配置され
た(図示しない)風向計Fk及び風速計Fsから風向と風速を示す信号が入力され、更に集風装置
が設けられた垂直軸型風車Wに設置された(図示しない)風車の回転計Roと発電機の電力計Pw
とから、垂直軸型風車Wを構成する風車の回転数と発電機の発電量を示す信号が入力。集風板制御
装置Csには、外周側集風板Oを構成する1~8の各集風板に設けられた集風板駆動モータMが接
続、集風板駆動モータMは集風板制御装置Csにより制御され、個々の外周側集風板1~8の面積
の増減を行う。

集風装置は初期状態では、外周側集風板Oを構成する各集風板1~8の帆布250は全て展開され
た状態になっている。集風板制御装置Csには、風速計Fsで計測された風速と、風向計Fkで計
測された風向と、風車の回転数と発電量を示す信号が入力され、これに基づいて、集風板制御装置
Csでは、集風装置近傍の風況と風車に通流されている実際の風速とを判定する。なお、この際行
われる判定は、各計測器から入力される情報を単独で利用しても良いし、組み合わせて利用しても
良い。

そして、風車に通流されている実際の風速が、集風装置が設けられた垂直軸型風車Wのカットオフ
風速に至ったと集風板制御装置Csが判定した場合は、集風板駆動モータMを駆動して外周側集風
板Oとして構成されている帆布250を巻取り、集風板による集風効果を喪失させる制御を行う。
また、その後、集風装置近傍の風況から風車に通流されている実際の風速が、集風装置が設けられ
た垂直軸型風車Wのカットオフ風速より低下したと集風板制御装置Csが判定した場合には、集風
板駆動モータMを逆転する等して駆動し、外周側集風板として構成されている帆布250を展開し、
外周側集風板Oによる集風効果を復活させ制御を行う。

※ここで、上記翼弦はそれぞれ水平から30度の傾斜を設けてあり、翼型は上下の集風板で同じも
 のを用いても異なるものを用いても良い。また翼型はNACA4412又は、NACA0012
 の翼型上面を用いることが望ましい。なお、ここでNACA翼型とは、アメリカ航空宇宙局(N
 ASA)の前身である国家航空宇宙諮問委員会(NACA)が定義した翼型をいう。

なお、表1は本発明の実施形態のうち、下側集風板Dの傾斜を水平乃至極めて小さくした場合の上
側集風板Uの傾斜の効果を実測したもの。ここでは、垂直軸型風車Wのみの場合に比べて、上側集
風板Uの傾斜を水平面に対して、それぞれ、45度、30度、とした場合と、当該上側集風板Uの
板面を翼型とし、上側集風板Uの外縁Ueを前縁とし垂直軸型風車Wの主軸A側を後縁とした翼型
形状の翼弦を水平面に対して30度とした場合の、回転増加率と出力増加率を示す。ここで、回転
増加率とは、上側集風板Uを設けない場合の垂直軸型風車Wの回転数を1とした場合の当該垂直軸
型風車Wの回転数の増加率をいい、出力増加率とは当該上側集風板Uを設けない場合の垂直軸型風
車Wによる出力と比較した増加率をいう。本表1から明らかなように、上側集風板Uの傾斜は45
度よりも30度の方が回転増加率と出力増加率は向上し、更に傾斜が30度の場合であれば、上側
集風板Uの板面が翼型の方が、回転増加率と出力増加率とが向上する。

また、この実施形態では、外周側集風板Oを起点軸Sと終点軸Eとの間に展開した帆布250によ
り構成しているが、帆布の材質は、布の他にアラミド繊維のような各種合成繊維でもよく、また、
帆布の代わりに複数のパネルにより構成する事も可能である。例えば、下図6は複数のパネルによ
り構成される外周側集風板Oのうちの一つの集風板についてその概略を図示した説明図である。こ
こで同図(A)は該パネルにより構成される外周側集風板Oの一つにおいて、パネルを展開した状
態を示した一部正面図。同図(B)は当該パネルが展開された状態におけるパネル同士の重なり状
態を上面から見た説明図。同図(C)は該パネルにより構成される集風板において、パネルを収納
した状態を示した一部正面図。同図(D)は当該パネルが収納された状態におけるパネル同士の重
なり状態を上面から見た説明図である。

図6に示した外周側集風板Oでは、外周側集風板Oを構成する個々の集風板はそれぞれ複数のパネ
ルによって構成され、本実施例の場合は、P1~P5までのパネルにより構成されている。各パネ
ルの上部は、上側ガイドレール510に摺動可能に取付けられ、各パネルの下部は、下側ガイドレ
ール520に同様に摺動可能に取付けられている。そして、下側ガイドレール520に摺動可能に
設けられた各パネルには、更に下側ガイドレール520に設けられたパネル駆動機構550が接続
されている。

上図7はこのように帆布250の展開と巻取りを上下方向に行って、外周側集風板Oの面積を変動
させる場合の、当該集風板の一つの構成について、その概略を示した一部正面図である。図7では、
起点軸Sは垂直軸型風車Wの主軸Aと垂直に設けられ、上側集風板U側に配設され、終点軸Eは同
様に該垂直軸型風車Wの主軸Aと垂直に設けられ、下側集風板D側に配設されている。さらに、起
点軸Sの一方の端は、垂直軸型風車Wの主軸Aと平行であり主軸A寄りに配設された主軸側ガイド
レール660に上下に摺動可能に接続、起点軸Sの他端は、垂直軸型風車Wの主軸Aと平行であり
主軸からさらに、外縁側に配設された外縁側ガイドレール670に上下に摺動可能に接続。また、
終点軸Eの一方の端部側は、主軸側ガイドレール660にベアリングを介し、回動可能に接続、そ
の端部には駆動モータMが設けられており、終点軸Eの他端はベアリングを介して、外縁側ガイド
レール670に回動可能に設ける。

また、図7では既に、帆布250が半分ほど巻き取られた状態が示され、起点軸Sは終点軸Eをモ
ータMで回転することにより帆布250が該終点軸Eに巻き取られている結果、上側集風板Uより
も更に下方に降下して、外周側集風板Oの面積を減少させる。なお、ここでは帆布250の巻取り
を行う終点軸Eを下側集風板D側に設けているが、これを上側集風板U側に設け、帆布250の巻
取りを上側に行っても良い。さらに、帆布250を上側若しくは下側に巻き取ることとした場合に
は、突発的な強風や故障に備えて、上側集風板U側に配設される起点軸S又は終点軸E自体を、帆
布250の巻取り状態に関わらず速やかに下側集風板D側に降下させる機構を設ける事も可能であ
る。


上図8は垂直軸型風車の集風装置の別の実施形態を示す概略正面図。なお、実施形態における垂直
軸型風車の集風装置の構成は、上述した実施形態の垂直軸型風車の集風装置と略同様であるため、
相違点を中心に以下の説明を行い、上記同様の構成は符号を付す等により説明を省略する。

この実施形態では、外周側集風板Oを上部外周側集風板Ouと下部外周側集風板Odとの上下2つに
分割し、これら上下に分割した外周側集風板Oの上部外周側集風板Ouと下部外周側集風板Odとの
間に間隙Gを設けている。具体的には、上下に分割された外周側集風板Oのうちの、上記上部外周
側集風板Ouの下縁Oulは、本集風装置の垂直軸型風車Wの主軸Aを中心として、垂直軸型風車Wの
主軸Aに取付けられたブレードBの回転半径から適当な距離をおいて、上側集風板Uと下側集風板
Dとを繋ぐように垂直に設けられた内側支持柱Jiから、本集風装置の外周において上側集風板U
と下側集風板Dとを繋ぐように垂直に設けられた外側支持柱Joにかけて、上記上側集風板Uの傾斜
と平行に構成され、上記下部外周側集風板Odの上縁Odlも、同様に上記内側支持柱Jiから本集風
装置の外周に設けられた外側支持柱Joにかけて下側集風板Dに設けられた傾斜と平行に構成。

上表2は、上記のように、上部外周側集風板Ouの幅Huと下部外周側集風板Odの幅Hdとを、共
に本発明に用いられる構造体のフレーム程度の大きさに設定した場合に、外周側集風板Oの起点か
ら外縁までの長さが、集風装置の回転増加率と出力増加率に与える影響を計測したものである。本
表2中、φは垂直軸型風車WにおいてブレードBを回転させた場合の直径を示す。この結果から、
外周側集風板Oの起点から外縁までの長さが、5φ~3φまではあまり変化がなく、それ以下にす
ると回転数が減少する事から、外周側集風板Oの起点から外縁までの長さは3φ程度以上とするの
が望ましい。なお、ここで外周側集風板Oの起点とは、垂直軸型風車Wの主軸AからブレードBの
回転半径の外縁から適当な距離を置いた位置をいう。

また、下図9は、上記のように、上部外周側集風板Ouと下部外周側集風板Odとのそれぞれの垂直
方向の幅HuとHdとが、本発明に用いられる構造体のフレーム(図示しない)程度の大きさであっ
て、外周側集風板Oの起点から外縁までの長さが5φの時に、上側集風板Uの起点から外延までの
長さが垂直軸型風車Wに与える影響を測定したものである。ここで図9(A)は、計測結果、図9
(B)は計測結果をグラフにしたものである。この結果、上側集風板Uの起点からの長さが増加す
ることにより、風車の回転数の増加が見られたが、上側集風板Uの起点からの長さが1.5φ以上
では回転数の増加がわずかであった。したがって、上側集風板Uの起点からの長さは1.5φ程度
が必要と考えられる。なお、ここで上側集風板Uの起点とは、上側集風板Uのうち、垂直軸型風車
Wの主軸Aを含む風車のブレードBの回転面に対応する部分の直上の領域の外縁の部分を言う。

JP 2017-15094 A 2017.1.19

以上、要所と思われる部分を抜粋掲載する。ここで掲載されている動機は理解できるが、このよう
なトランスフォーメイション(変形可能)タービン(風車)型の機構は、複雑となりコンパクト(
ダウンサイジング、ダウンスペーシング、シュリング)でシンプルで、堅牢という設計思想とは相
反する。これに関して、わたし(たち)の考え方をまた後日掲載することとする。

※ Sさん、君の出番だ!

  ● 今夜の技術

ナノ炭素を活用する次世代電子材料の製造効率が格段に向上

光照射でナノ炭素材料の高純度な薄膜を簡便に形成

これは実に面白い!

 

  ● 今夜の一曲

プロコフィエフ  弦楽四重奏曲第2番 ヘ長調

弦楽四重奏曲第2番ヘ長調作品92は、旧ソ連の作曲家セルゲイ・プロコフィエフによって1941年に作曲
された弦楽四重奏曲。1941年にナチス・ドイツがソ連へ侵攻し、独ソ戦が始まると、プロコフィエフは
国内の他の作曲家とともに大都市から退去、カバルディノ・バルカル自治共和国の首都ナリチクに疎開。
同共和国はカフカース北部に位置し、ヨーロッパ・ロシアやトルコ、カスピ海と国境を接している。プ
ロコフィエフはナリチク滞在中に同地の民俗音楽を吟味して、この弦楽四重奏曲を書き上げ、民謡や民
俗音楽の要素を取り入れたこともあり、モダンな第1番に比べ、明るく平明で叙情的な作品である。
1942年4月7日にベートーヴェン四重奏団によりモスクワにて初演されている。

【楽曲構成】

第1楽章 Allegro sostenuto 第2楽章 Adagio 第3楽章 Allegro

プロコフィエフは、カバルダ民謡の主題を作品中に用いたが、それと同時に独特な和声付けの様式を維
持。民族音楽の特徴は、中近東の擦弦楽器や打楽器を模す。万策尽くし、音響効果を用いる姿勢と結び
付く。第2楽章で背景となる伴奏楽器は、カフカスの擦弦楽器カマンチャを模倣している。 

 

ソールフード・ジャパン

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    真昼の太陽   /  火天大有(かてんたいゆう)

                               


      ※ 体有とは、大いに有(たも)つこと。すべてを包容し、盛運を保
        ちつづける卦である。「大有」にとはまた豊年を意味する。穀物
        が倉庫に満ち溢れており、裕福で円満具足を表わす卦である。上
        卦の離(り)は太陽、下封の乾(けん)は天を表わす。太陽が中
        天高く昇って強い光と熱を隅々まで与えている形であり、また尊
        貴の地位にある陰爻が柔和な包容力でまわりの陽爻を従えている
        形である。なにをやっても順風満帆、すべてが自分に味方する。
        いまこそ積極的に行動する時だ。ただし、互卦(ごか)は「夬」
        (かい)である。盛運の中にひそむつまづききの要因をあくまで
        忘れぬように。

 



● マンマのファースト・フード

冬の土日の昼は、お気に入りの丼鉢に「本だし@味の素」ベースのうどんを頂くのが定
番。と言っても、彼女がお昼は何がいいの?とたずねてくるので、わたしのリクエスト
で決まる。グルメ紹介のブログではデジカメ類似のうどんレシピが満載だが、家で出さ
れる三食の気に入ったものをブログアップなどとても・・・撮りわすれてしまう。とこ
ろで、出汁の素はどこのメーカが一番ときくと、味の素という返事。そこで、他のメー
カはとたずねると、上の写真のヒガシマルなどはニオイがすこしすることを問題にして
いる。これは「マンマの料理」だから選択の余地がないと判断。ところで、具材をのぞ
けば原価はどう見ても50円/人以下だろうから、百円前後でこんなに美味いファース
ト・フードを頂ける国は日本だけだと思うと、ほかほかしている身体に充足感がインス
パイアされる。 

 【ルームトレーニング奮戦記:爪先立ち体操】

正月早々、強いストレスもあり、急性胃潰瘍などの体調不良に見舞われトレーニング・
メニューのルーチングを変更してきているが、さらに、今朝から、両腕下にし指先をピ
ント伸ばし意識を集中させると同時に、つま先立ちをし、からかかとを10回上下げす
ることで、猫背など窮屈な姿勢を矯正し腰痛などのリスクを抑制し作業が楽になるスト
レッチ体操をさらに加える。しかし、今日はこのパッケージは3回で、目標の75%し
かできずに終わる。さらに、ウォーキングはゼロ。疲れがたまっているのだろう。この
技は「合気道」の神髄で、キャッチフレーズは『無駄な努力とさようなら!』(あさい
ちNHK)である。



● メンタルバランスチョコレート

話は昨日のこと。湖岸道路を走っていると尿意を模様し、近くのローソン(コンビニ)
でトイレ休憩をとる。いつものことだが、トイレ休憩だけで出て行くのも気が引けるの
で、食品や飲料水を買ってでてくる。この日は、目についた『GABAチョコ』(ミルク)
とアサヒの新商品の缶ビールと酢げそとナッツ類を購入。帰宅しそれらを夕食といっし
ょに頂く。メーカのうたい文句が気に入り購入したのだが、①アミノ酸「GABA」を280mg
含有。(チョコレート 100g当たり)、②前向きなあなたを応援する、新しいおいしさ。
甘くまろやかな<ミルク>と、力強いカカオを楽しめる<ビター>。 手が汚れずに ひ
とくちで楽しめ、口の中でおいしさ広がるキューブ状のチョコレートです。③スマート
に使えて 保存にも便利な新パウチタイプ。これまでよりも幅広になって、チョコレート
が取り出しやすくなりました。 デスクなどにも置きやすいスタンドパウチと、持ち運び
に便利なフラットパウチの2形態ですとのことだが、これは山登りの常備食のアイテム
にすることに決める。 

さらに、文言を。チョコレートを食べて「ほっ」とした経験はありませんか?現在、注
目されているのが、チョコレートやココアの原料カカオにも含まれるGABA(ギャバ)
という成分。GABAは正式名称をγ(ガンマ)- アミノ酪酸という、アミノ酸の一種で
す。英語の Gamma-Amino Butyric Acidの頭文字を取り、一般にGABA(ギャバ)と略称
されています、とある。また、カカオの実 GABAは発芽玄米に多く含まれる、健康に
役立つ成分としてよく知られているが、チョコレートにも多く含まれていることが研究
の結果、明らかになっています、とのこと。もともとは、発芽玄米の登場とともに脚光
を浴びている成分、たんぱく質を形作っている18種類のアミノ酸とは異なり、特に哺
乳動物の脳や脊髄に存在する。

 
ギャバは体内で主に抑制系の神経伝達物質として脳内の血流を活発にし、酸素供給量を
増やしたり、脳細胞の代謝機能を高めるはたらきがあることがわかっている。このため
脳内のギャバが不足するとイライラするのをはじめ、さまざまな体調不良を招き、ひい
ては大きな病気の引き金となってしまう。

● 睡眠中に生成される

通常、ギャバは睡眠中、特に深い眠りに入っているときに生成されるため、睡眠不足は
このギャバ不足にもつながるとされていた。では、睡眠不足の人は、みんながギャバ不
足に陥ってしまうのだろうか? 近年までは食べ物によってギャバを摂取しても、脳内
へ到達することはないと言われてきた。 しかしギャバの研究が進み、最近になって、
食べ物によって摂ったギャバも脳へ届くことがようやくわかってくる。ここで、ギャバ
を摂ることによって、期待できる効果は、実に幅広く、多彩なことに驚く。その期待効
能をあげれば、

①血圧を下げる:ギャバには、血液中の塩分をろ過する腎臓のはたらきを活発にし、利尿
 作用を促すことで血圧を下げるはたらきがある。このため高血圧の予防に効果がある
 とされている、
②中性脂肪を抑える:ギャバが内臓のはたらきを活発にして消費エネルギー量を高める
 一方、血液中のコレステロールや中性脂肪をコントロールし、脂質 代謝を促すこと
 がわかっている。このため肥満の予防ばかりでなく、糖尿病などの予 防にも役立つ
 のではないかと期待されている
③肝臓・腎臓のはたらきを高め、腎臓のはたらきを活発にして血圧を下げるばかりでな
 くギャバには肝臓のはたらきを促す効果も。このためアルコールの代謝も速くなると
 されている。
④神経を鎮める:ギャバは、脳内で抑制系の神経伝達物質としてはたらく成分。このた
 め、ギャバを摂ることでイライラなどをやわらげる効果がある。実際、パニックや不
 安の状態にある人の脳脊髄液を調べたところ、ギャバが著しく減っていたという実験
 結果も。これらのことから睡眠障害、自律神経の失調、うつ、更年期の抑うつや初老
 期の不眠といった症状の改善にも効果が期待されている。さらに最近では、アルツハ
 イマー型痴呆症の予防・改善にも期待できると話題を集めている。   特発性睡眠過剰の研究 

発芽玄米のGABA量は白米の約10倍、玄米の約3倍!

人間の脳神経から内臓、血液のはたらきまで、さまざまな観点から効果が期待できるギ
ャバ。これを効率よく摂取できるのが発芽玄米なのだ。ギャバの量は、白米にはわずか
に1mg、胚芽米で2.5mg、玄米でも3mgなのに対し、発芽玄米は10mgと圧倒的に優れている。
しかも発芽玄米なら、毎日の食事で意識しなくても摂れるのだから重宝である。

 Jul. 25, 2008 

GABAA受容体にGABAが作用すると、塩素イオンが神経線維の中に入って神経の興奮が
抑えられる。ベンゾジアゼピン系薬はその作用を助ける。

 ● 今夜の一局

メンデルスゾーン: ピアノ三重奏曲 Piano Trio No.1, in d, Op.49

 

ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 作品49は、フェリックス・メンデルスゾーンが作曲した
ピアノ三重奏曲。メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲は一般的に2曲が知られている。
他にメンデルスゾーンが11歳のときの1820年に作曲されたハ短調のピアノ三重奏曲も存
在するが、こちらは習作ともいえる作品であるため、作品番号が付けられていない。こ
の第1番は1839年9月23日に完成し、この年の秋にライプツィヒで、発見されて間もなか
ったシューベルトの交響曲第8番『ザ・グレート』などと共に初演。この時はメンデルス
ゾーン自身がピアノ、ヴァイオリンは友人のフェルディナンド・ダヴィッドが担当。楽
譜は1840年に一度出版されたが、その後ダヴィッドの助言を受けて第4楽章を中心に修正
を加えて出版されたため2つの版が存在、今日一般に演奏されるのは第2版の方である。
ピアノの達人だったメンデルスゾーンらしく、演奏には高度な技巧を要する。この曲を
聴いたロベルト・シューマンは「ベートーヴェン以来、最も偉大なピアノ三重奏曲」だ
と評し、メンデルスゾーンを「19世紀のモーツァルト、最も輝かしい音楽家」だと称え
る。

【楽曲構成】

第1楽章 アレグロ・モルト・アジタート:ニ短調、4分の3拍子。 第2楽章 アンダンテ・コン・モート・トランクィロ:変ロ長調、4分の4拍子。 第3楽章 スケルツォ.レッジェーロ・エ・ヴィヴァーチェ:ニ長調、8分の6拍子。 第4楽章 フィナーレ.アレグロ・アッサイ・アパッショナート:ニ短調~ニ長調
     4分の4拍子。

   

ようこそ、SWT工房へ

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  実るほど頭ををたるる稲穂かな / 地山謙(ちざんけん)

                               


      ※ 「大有」の卦の次に「謙」の卦が置かれていることに注目しよう。
        「大有」は盛大豊有を意味た。「謙」は公平均分である。国総所
        得が倍増しても、所抑格差がひろがろのでは社会は不安定となる。
        謙とは謙ぶ、謙虚であること。おのれを虚しうして人にへりくだ
        るのである。私欲、慢心を捨てて人に従う。それは満月が必ず欠
        け、高山が水に削られて低所に堆積するようなものだ。高貴であ
        ればあるほど卑賤に奉仕する心を忘れてはならない。すぐれた才
        能、美しい容貌は、謙虚であることにであることによって、より
        り一層輝きを増すのである。

 

  

【RE100倶楽部:スマート風力タービンの開発 18】   



● これが噂の縦渦リニアドライブ型ウインドタービン

突風に強い新駆動原理 

円柱形状の回転翼を付けた全く新しい駆動原理の風車を、長岡技術科学大の高橋勉教授
(機械創造工学専攻)が考案した。一般的なねじれた羽根形状の回転翼を持つ風車に比
べ強風に強い単純構造で、山岳地帯での風力発電など多方面への応用が期待できるとい
う。円柱と十字に交差する平板を、円柱の後ろに一定の距離を空けて置き、風を送ると
風下の平板の後ろに向かって縦渦が発生し、円柱を振動させる力が働く原理を応用した。

回転翼として取り付けた棒状の円柱の風下側にリング状にした平板を取り付けることで
風を受けると回転翼が一定方向に回り出す仕組みだ。線路に沿って滑走するように翼が
回ることから「縦渦リニアドライブ」と命名。同大として国際特許を出願したという。
風力発電に利用すると、エネルギー効率は23%で、現行の高効率タイプの半分程度に
とどまるというが、回転翼の形状が羽根型のようにデリケートではないため、強風や突
風に強く、これまで設置が難しかった高山地域や台風襲来地などでの利用に向いている。

さらにセラミックなど加工が難しい材料での製造も可能で、高温などの厳しい環境下で
のタービンとしての利用や、単純構造を生かし、極小の医療用水車などとしても応用で
きるという。高橋教授は「今後、大学や企業など他の機関も含めて研究が進むことにな
り、実用の可能性は広がってくる」と期待しているとのこと(「風車 突風に強い新駆
動原理 長岡技科大教授が考案」毎日新聞 2016.11.20)。

 夢ナビTALK

流れの可視化で水の抵抗の正体が見えた!高橋勉長岡技術科学大教授

● 動作原理と新規考案

国際特許出願しているらしいが、今夜のところは確認できていないが、原理は下図の特
許で基本は押さえる(違いは、振動は、あるいは回転としてエネルギー変換するかの違
い、あるいは、作動流体が、水か空気の違いがあるだけで、カルマン渦を利用すること
に違いはない。まず「特許4923245 流体による振動発電装置」を技術背景と解決手段を
のぞいてみよう。

【要約】

流体の流れ方向3に対し長手方向が交差するように配設された第1の柱状体1と、前記
第1の柱状体1に対し離間して長手方向が交差するように配設された第2の柱状体2と
、前記第1の柱状体1と据付台4との間に配設された発電装置5とを備えたことを特徴
とする流体による振動発電装置で、流体の運動エネルギを電気エネルギに変換する流体
による振動発電装置において、流速が広範囲に変動しても縦渦が消滅することなく、広範
囲にわたる流速下で効率的に発電可能な振動発電装置を提供することを課題とする。



【技術背景】

空気や水などの流体が柱状体に当たると、柱状体の後ろ側にはカルマン渦と呼ばれる渦
が生じる。そして、柱状体にはカルマン渦励振や空力ギャロッピング等の不安定振動が
発生する。具体的には、柱状体に流体が当たると、カルマン渦列のバランスによって、
柱状体の後ろ側に生じる負の圧力が左右非対称になり、一方の負圧が他方の負圧に対し
て大きくなる。これにより柱状体に対して一方に押す力が働き、柱状体がその方向に振
れる。柱状体が振れると、カルマン渦列が変化して先程とは異なる他方の負圧が大きく
なって押す力が逆方向に働き、柱状体がその方向に振れる。この繰り返しにより、柱状
体は流体の流れ方向に対して直交方向に振動するようになる。これは、上ビデオ「夢ナ
ビTALK」でわかりやすく解説されている。

このカルマン渦によって柱状体に励起される振動の振幅は、その振動数が柱状体自身の固有
振動数、すなわち共振周波数に合致すると、ロッキングと呼ばれる大きな振幅に成長する。
しかし、振幅の大きさは流体の速度に対して敏感であり、流速が共振周波数域から外れ
る領域では急激に減少することになる。そこで、カルマン渦による振動から電気エネル
ギを効率的に取り出すためには、振動体が壊れない範囲で振幅を大きく維持することが
重要になる。

ところが、①自然界における風などの流体によるカルマン渦の発生条件は、レイノルズ
数Re=u・d/v(u:流速、d:円柱の直径、v:動粘度)が数十から数万となる
広い範囲に及ぶ。②その一方で振動体の機械的共振はQ値が高く、鋭いピークを持つ特
徴があるので、両周波数が一致してロッキングを維持する範囲は、風速の変動範囲に比
べると極めて狭いという問題がある。③また、自然界における風などの流体の速度は常
に一定とは限らず、時間と共に変動するため、この流体によって引き起こされるカルマ
ン渦周波数も常に変動しているのが通例である。これに対し、柱状体の機械共振周波数
は柱状体の寸法等から定まり一定であることから、その共振範囲は極めて狭いものとな
る。したがって、流体中に配置された1本の柱状体の振動を利用した振動発電装置では
、カルマン渦周波数と機械共振周波数とが常に一致するとは限らず、振動エネルギから
電気エネルギを効率的に取り出すことができないという問題がある。

【解決手段】

請求項1記載の発明は、流体の流れ方向に対し長手方向が交差するように配設さ
れた第1の柱状体と、前記第1の柱状体に対し離間して長手方向が交差するよう
に配設された第2の柱状体と、前記第1の柱状体と据付台との間に配設された発
電装置と、を備えたことを特徴とする流体による振動発電装置である。 請求項2記載の発明は、請求項1記載の流体による振動発電装置において、前記
発電装置が電磁誘導方式であることを特徴とするものである。 請求項3記載の発明は、請求項1記載の流体による振動発電装置において、前記
発電装置が圧電素子と該圧電素子を押圧する押圧体からなる発電装置であること
を特徴とするものである。 請求項4記載の発明は、請求項1~3のいずれか1項に記載の流体による振動発
電装置において、前記第1の柱状体が弾性支持されることを特徴とするものであ
る。 請求項5記載の発明は、請求項1~4のいずれか1項に記載の流体による振動発
電装置において、前記第1の柱状体と前記第2の柱状体との離間隙間を流体の流
速に応じて変更可能としたことを特徴とするものである。、 

このことで、 流体の流速が広範囲に変動しても縦渦を維持し、カルマン渦励振よりも大きな振
動エネルギを取り出して効率的に発電を行うことができる。また、風車発電装置や水車発電装
置とは異なり、回転機構部が存在しないことから、長期間にわたってメインテナンスの必要性
がないなどの技術優位性がしめされることとなる。

風車の羽根は風を受けて回転力を生み出すために飛行機の翼に似た形になっている。高
性能な翼は薄くて複雑な形であり、同時に強度が求められるため製造には高度な技術が
必要とする。風車の羽根を円柱に変えたら、円柱ならば作りやすく、軽量で強度の高い
翼が安価に製造できるが、従来の風車の理論では羽根が円柱では風車は回らない。そこ
で、3次元の形状を持つ「縦渦」という渦を駆動力として利用する全く新しい風車・水車
用の動力理論として「縦渦リニアドライプ」駆動を利用する。風車のプロペラを円柱に置
き換え、その後ろにリング型の板を設置するだけで円柱がプロペラとして回転すること
で実現できる。

水平型だけでなく垂直型も応用可能

 


エネルギー変換率が低い(エネルギー効率23%)点を除けば他の説明要因はクリアー
ということになるのだが・・・。 



【ようこそ!SWT工房へ】



SWT工房で考えるシステムの特徴と仕様は、「作ってみよう超高性能自律分散型風力
発電システム」(2017.01.22)で掲載しているがさらに以下のように修正加筆(補足)
している。 

● システムの特徴と仕様 

低騒音静粛型:「風切り ノイズ」や「低周波騒音」を抑制/騒音測定:□db以下 自己起動型:360度どの方向からの風も受け止め、わずか風速1 m/s以下の微風か
ら自ら回転を開始 長時間回転維持型:風がやんでも長時間回転を維持:□s超 自己ブレーキ型:風車が一定の回転数に達するとトルクを抑制。強風域でも過回
転防止し安全維持 メンテナンスフリー型:簡単に修理できる 長期性能維持型:□年保証(保証前提:精査後) タービンユニット拡張型:ユニットを接続することで簡単に出力逓増可能:最大
□ユニット 

● システム仕様  

タイプ:垂直翼揚力型風車(または、縦渦リニアドライブ型垂直風車) ブレード数:垂直翼揚力型または、縦渦リニアドライブ型垂直風車):□翼数(
最適設計) 最大瞬間出力:300W超(12m/s超) 最大出力回転数:300rpm超(12m/s超) 回転開始速度:1m/s以下 カットイン風速速度:2.5m/s以下 カットアウト風速速度:20m/s以上 エネルギー変換効率:23%以上 外形寸法:□m×□m×□m(回転翼+内蔵機関一体外形) 直径:1200㎜以下(=ブレード長) 質量:80kg以下 取付フランジ:260Φmm以下 ブレード材質:特殊強化プラスチックなど ボディ素材:鉄、ステンレス、アルミニウム、プラスチック 塗装:□処理□塗装 発電タイプ:三相コアレス発電機、誘導発電機、同期発電機 コントロールシステム:SWT仕様 パワーアシスト:無 通信機能:有 ブレーキ・ロック方式:回生電磁ブレーキ方式内臓、磁気及び機械式ブレーキ オプション:出力インバーター/バッテリー/表示器ユニット/ 標準価格:□万円_□人家族/世帯(□kw/d) 雷サージ対策:殊強化プラスチックに銅メッシュ層を挿入(オプション)



まぁ~、手前味噌だが、この事業計画に従ってプロジェクトが動き出したら、世界貢献
できることは半分約束されたものみたいだ。頑張ろう!

 

 ● 今夜の一曲

チャイコフスキー: 弦楽六重奏曲 String Sextet「フィレンツェの思い出」, in d, Op.70 

弦楽六重奏曲《フィレンツェの思い出》(Souvenir de Florence)作品70は、ピョートル・
チャイコフスキーの最後の室内楽曲。サンクトペテルブルク室内楽協会の名誉会員に選
出してもらったことへの返礼として、1890年に作曲され、同協会に献呈された。本作の
創作に着手した時、チャイコフスキーはオペラ《スペードの女王》の作曲のためにフィ
レンツェに滞在中であったため、フランス語で上のような副題が添えられた。現行版は
1892年の改訂版であり、公開初演も同年に行われている。

【楽曲構成】

Allegro con spirito (ニ短調、約10分) Adagio cantabile e con moto (ニ長調、約11分) Allegretto moderato (イ短調、約6分) Allegro con brio e vivace (ニ短調、約7分)

   

デジタル革命の聖地

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       歓楽の功罪 / 雷地予(らいちよ)

                               


      ※ 予には三つの意味がある。たのしみ、おこたる、あらかじめ、で
        「歓楽」にうつつを抜かせば、「油断」して思わぬ失敗をする。
        「あらかじめ」警戒してゆかねばならない。卦の形から見れば、
        地上(三三坤)に陽気が雷動くする(震:しん)春である。今や
        冬のうちに蓄えてきたエネルギーをすべて発散すべきときである。
        これまでの不遇はまったく今日のための予備段階であったわけだ。
        準備完了。油断せず、歓びの境遇を切り開いてゆくがよい。

 

 Feb. 1, 2017

● 酸化物系で世界最高性能の導電率を実現

-高い安全性と信頼性を実現した小型全固体リチウム二次電池を開発-

今月1日、産業技術総合研究所のグループは、①単結晶を固体電解質部材として用いる
ことで、内部短絡しない全固体リチウム二次電池を実現、②常温製膜技術であるAD法
より強固な電極-電解質界面を形成、③化学的に安定な酸化物系材料からなる安全な小
型全固体電池――酸化物系で世界最高性能の導電率を実現――を開発したことを公表。

リチウム二次電池は、高いエネルギー密度をもつことから、さまざまな機器で使用され
エネルギー密度の向上や安全性確保、長寿命化が要望され、安全性の観点から、可燃性
の有機電解液に替わり、不燃性である硫化物や酸化物の無固体電解質を用いた全固体リ
チウム二次電池の開発が進められているが、特に素材として安定性の高い酸化物系固体
電解質材料は、①リチウムイオン導電率や内部短絡(ショート)、②電極と固体電解質
の界面の接合強度などの課題があった。

今回、酸化物系固体電解質材料であるガーネット型酸化物について、現在世界最高のリ
チウムイオン導電率をもつ単結晶を初めて合成し、固体電解質部材に用いた。また、産
総研の常温製膜技術であるエアロゾルデポジション法(AD法)により正極を固体電解質
表面に作成して、強固に接合した電極-電解質界面を実現。これらにより、今回開発し
た全固体リチウム二次電池は、従来の全固体リチウム二次電池よりも高い安全性と信頼
性をもち、医療用途などへの応用が期待されるとのこと。

また、フローティングゾーン溶融法(FZ法) ――単結晶成長方法のひとつで、溶融帯を
空中に浮遊させる。溶融帯は上下の原料棒によって表面張力で支えられ、溶融帯をゆっ
くりと移動させ、単結晶が成長。るつぼを使用しないため、るつぼ材の混入がない。ま
た、溶融帯が局所的で、条件を工夫することで、揮発性が高い材料でも単結晶の育成が
可能――を用いてこれまで合成が困難と思われていた固体電解質材料であるガーネット
型酸化物単結晶
を合成した。FZ法の条件を工夫し、世界ではじめて安定な単結晶成長を
実現する。得られた単結晶を用いて作製した固体電解質部材は、従来の焼結体よりも稠
密ちゅうみつであり、金属リチウムの貫通を防ぐことができる。短絡試験の結果、10
mA/cm2 の大電流でも内部短絡せず、信頼性が高いことがわかった。また、25 ℃で導電
率10-3 S/cmを超える、現時点で酸化物系固体電解質材料では世界最高のリチウムイオ
ン導電率を示す。これは有機電解液と同等以上のリチウムイオン導電率である(上図1)。

さらに、電極と固体電解質の接合が強固でなく、これまでの課題を解決するためAD法
を応用。ガーネット型酸化物単結晶を用いた固体電解質部材を基材とし、正極のニッケ
ル系酸化物材料を本法により製膜し、密着性が高い電極-電解質界面を形成する。負極
には金属リチウムを使用。これらにより25 ℃で可逆的な充放電が可能で、短絡・発火の
危険性がほぼ全くない高い安全性と高い信頼性を併せ持つ、直径5 mm、厚さ0.7 mm小型
全固体リチウム二次電池を実現する(上図2)。

尚、AD法は、ノズル技術系統から当初から技術調査を行ってきている。その当時の感想
は製造プロセスの環境・安全的側面で懸念がある見ていたが本筋での技術課題は「前実
用段階」と評価している。その意味では、「実用段階」と見て良いだろう。

それでは、製造過程の技術課題を同上研究所の保有特許から垣間のぞいてみよう。

● 事例研究:特開2016-100069  リチウム固体電池の製造方法

【要約】

本発明は、Liイオン伝導性が高い固体電解質膜を有し、固体電解質膜の両面で強固な
界面接合を形成したリチウム固体電池の製造方法を提供することを主目的とする。エア
ロゾルデポジション法(AD法)により、正極活物質層上に、硫化物固体電解質材料か
ら構成され、結着材を含有しないCSE1を成膜し、負極活物質層上に、硫化物固体電
解質材料から構成され、結着材を含有しないASE1を成膜する成膜工程と、上記CS
E1および上記ASE1を対向させ、プレスすることにより、上記CSE1および上記
ASE1が一体化したSE1を形成するプレス工程と、を有し、上記プレス工程におい
て、上記CSE1および上記ASE1の緻密性を向上させることとで、上記CSE1お
よび上記ASE1の界面が消失した上記SE1の形成を特徴とするリチウム固体電池の
製造方法を提供する。

【符号の説明】

 1  正極集電体   2  正極活物質層   3  固体電解質膜   4  負極集電体  5 負極活物質
層   11  チャンバー   12   台座   13   基板 14 ロータリーポンプ   15  ガスボンベ  
16  原料粉末   17  エアロゾル発生器  18 ノズル

現在市販されているリチウムイオン電池は、可燃性の有機溶媒を含む電解液が使用され
ているため、短絡時の温度上昇抑制装置や短絡防止の装置が必要となる。これに対し、
電解液を固体電解質層に変えて、電池を全固体化したリチウム固体電池は、電池内に可
燃性の有機溶媒を用いないため、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れ
る。

例えば、硫化物系固体電解質スラリーを結着材――通常、Liイオン伝導性を有
しないため、結着材を有する固体電解質膜のLiイオン伝導度は、固体電解質膜
に含まれる硫化物系固体電解質自体のLiイオン伝導度よりも低い。 例えば、正極活物質層上にAD法により固体電解質膜を形成した場合、固体電解
質膜は、正極活物質層との間に強固な界面接合が形成できるが、負極活物質層と
の間には同等の界面接合を形成できない。このように、AD法を用いた場合、固
体電解質膜の両面で強固な界面接合を形成することは困難である。 

図1は、本発明のリチウム固体電池の製造方法の一例を示す概略断面図である。図1に
おいては、まず、正極集電体1上に正極活物質層2を形成し、正極活物質層2上に、エ
アロゾルデポジション法(AD法)により、硫化物固体電解質材料から構成され、結着
材を含有しない固体電解質膜3(CSE1)を直接成膜する(図1(a))。次に、負
極集電体4上に負極活物質層5を形成し、負極活物質層5上に、AD法により、硫化物
固体電解質材料から構成され、結着材を含有しない固体電解質膜3(ASE1)を直接
成膜する(図1(b))。

図2において、チャンバー11の内部には、台座12が設置され、その台座12上には
基板13が配置されている。また、チャンバー11の内部の圧力は、ロータリーポンプ
14により任意の減圧状態に制御可能である。一方、原料粉末16は、エアロゾル発生
器17の内部で、ガスボンベ15から供給される搬入ガスによってエアロゾル化される
さらに、エアロゾル化した原料粉末は、チャンバー11の内部に配置されたノズル18か
ら基板13に向かって噴射される。基板13の表面上では、粒子の塑性変形とともに堆
積が生じ、固体電解質膜が成膜される。

次に、図1(c)に示すように、CSE1およびASE1を対向させ、プレスする。こ
れにより、CSE1およびASE1が一体化した固体電解質膜(SE1)を形成する(
図1(d))。特に、本発明においては、プレス工程において、CSE1およびASE1
の緻密性を向上させることにより、CSE1およびASE1の界面が消失したSE1を
形成する。このことにより、結着材を有しないCSE1およびASE1からSE1を形
成するため、Liイオン伝導性が高い固体電解質膜を有するリチウム固体電池を得るこ
とができる。また、AD法で正極活物質層側にCSE1を成膜し、同じくAD法で負極
活物質層側にASE1を成膜し、CSE1およびASE1を接合してSE1を形成する
ため、SE1の両面で強固な界面接合を形成したリチウム固体電池を得ることができる。

成膜工程:本発明における成膜工程は、AD法により、正極活物質層上に硫化物
固体電解質材料から構成され結着材を含有しない固体電解質膜(CSE1)を成
膜し、負極活物質層上に硫化物固体電解質材料から構成され結着材を含有しない
固体電解質膜(ASE1)を成膜する工程である。 プレス工程:プレス工程は、上記CSE1および上記ASE1を対向させ、プレ
スすることにより、上記CSE1および上記ASE1が一体化した固体電解質膜
(SE1)を形成する工程である。また、プレス工程において、CSE1およびA
SE1の緻密性を向上させることにより、CSE1およびASE1の界面が消失
したSE1を形成する。 リチウム固体電池:AD法により固体電解質膜を形成することで、急速充電に適
したリチウム固体電池を得ることができる。急速充電を行う場合、図7に示すよ
うに、負極集電体4に近い負極活物質51にまでLiイオンが挿入されず、負極
活物質層5の固体電解質膜3側の表面で電池反応が生じる。その結果、負極活物
質層5の固体電解質膜3側の表面電位が下がり、Liが析出する。

ここで、図8(a)に示すように、塗工法で形成した固体電解質膜3は、硫化物
固体電解質材料の粒子31の粒界が存在する。さらに、通常は、硫化物固体電解
質材料の粒子31を結着させるための結着材(図示せず)も含有する。そのため
、塗工法で形成した固体電解質膜3には、負極活物質層5で析出したLiが、正
極活物質層(図示せず)に至るパスが存在する。これに対して、図8(b)に示
すように、AD法で形成した固体電解質膜3は、硫化物固体電解質材料が塑性変
形した緻密な膜であるため、粒界はほとんど存在しない。さらに、通常は、結着
材も含有しない。そのため、AD法で形成した固体電解質膜3では、負極活物質
層5にLiが析出したとしても、Liが正極活物質層(図示せず)に至るパスが
極めて少ない。このように、AD法により固体電解質膜を形成することで、急速
充電リチウム固体電池を得ることができる。

尚、AD法において、原料粉末が基板に衝突する衝突速度は、所望のCSE1が得られ
る速度であれば特に限定されるものではないが、例えば100m/s~600m/sの
範囲内であることが好ましい。、衝突速度は、M. Lebedev et al., "Simple self-selective me-
thod of velocity measurement for particles in impact-based deposition", J. Vac. Sci. Technol. A
18(2), 563-566(2000)に記載された方法により測定できる。具体的には、衝突速度測定器
を用いて測定を行い、下記1式より最大速度Vmaxおよび最小速度Vminを算出できる。 
式中、rはノズルの回転半径であり、Tはノズルの回転周期であり、δはスリット幅で
あり、Lはスリットおよび基板の距離であり、αはエアロゾルの広がり角度であり、
d1はスリットを通過して基板に最も早く着弾した粉体の位置であり、d2はスリットを
通過して基板に最も遅く着弾した粉体の位置である。 

【図7】急速充電時の状態を示す模式図である。
【図8】塗工法で形成した固体電解質膜と、AD法で形成した固体電解質膜との違いを
    説明する概略断面図である。
【図9】実施例1におけるプレス前後のAD-SEの断面画像である。
【図10】実施例1で得られた評価用積層体の固体電解質膜(プレス後のAD-SE)
    の膜厚およびLiイオン伝導度の測定結果である。
【図11】実施例2および比較例1で得られた評価用積層体の固体電解質膜のLiイオン
        伝導度の測定結果である。
【図12】実施例3における負極活物質層上に形成されたAD-SE(接合前)の断面画
        像である。
【図13】実施例4、5および比較例2で得られた評価用電池の出力および放電容量の測
        定結果である。
【図14】AD法で固体電解質膜を形成した場合、および、塗工法で固体電解質膜を形成
        した場合における入力性能の違いを説明するグラフである。
【図15】AD法で形成した固体電解質膜と、塗工法で形成した固体電解質膜との違いを
        示す断面画像である。
【図16】硫化物固体電解質材料の圧縮破壊試験の結果である。

DOI: 10.1021/acsami.6b12744

● ガラス基板上で人工光合成 ギ酸の合成効率を15倍に

先月20日、大阪市立大学のグループは、太陽光を利用し二酸化炭素を燃料源の一種で
あるギ酸に変換することのできる触媒分子群(太陽光-ギ酸合成システム)を、ナノメ
ートルサイズの無数の孔をもつ板状のガラスの中に配置する事で、従来型の溶液に分散
した触媒システムと比べて約15倍の効率でギ酸合成反応を進めることに成功したこと
を公表している。

それによると、太陽光-ギ酸合成システムを固定する基板として、光をよく透過し、か
つ、ナノメートルサイズの孔を無数に持つガラス板(多孔質ガラス板)に注目。多孔質ガ
ラス板の厚さは1 mmあり、孔は表から裏まで貫通。この孔の中に、太陽光-ギ酸合成シ
ステムを高密度に固定することで、溶液中に均一に分散させた触媒システムの約15倍
の性能を持つ、太陽光で二酸化炭素をギ酸に変換するガラス板の開発に成功する(下図)。

Jan. 20, 2017

ところで、この成果報告に注目するのは、「里山薪ストーブ普及事業構想」の燻薪(く
んしん)製造工程で使用する木酢による防腐処理のこのシステムを組み込むことを検討
しているため(「爆弾低気圧の解」2017.01.24)。詳しくは、「里山薪ストーブ普及」
(「彦根市民の飲み水を守る会」2017.01.23)願参照。


 

 

 ● 今夜の一曲

メンデルスゾーン: 弦楽八重奏曲 Octet in Es , Op.20

弦楽八重奏曲 変ホ長調 作品20は、フェリックス・メンデルスゾーンが1825年の秋(作
曲者がまだ16歳のとき)に作曲した室内楽曲で、もはや習作の域を越えた古典的な完成
度の高さにより有名となる。この八重奏曲は、複弦楽四重奏曲という編成が採られる。
4つのヴァイオリン、2つのヴィオラ、2つのチェロだが、現在では、弦楽合奏用の作
品として演奏される。このような場合には演奏者が規定数以上に膨れることも珍しく
ない。またアルトゥーロ・トスカニーニは、1947年にNBC交響楽団の団員を率いて本作
を上演した際に、チェロパートの部分にコントラバスを重ねた独自の版を用いる。

【楽曲構成】

アレグロ・モデラート・コン・フォーコ Allegro moderato con fuoco アンダンテ Andante 「スケルツォ」。アレグロ・レジェリッシモ Scherzo: Allegro Leggierissimo プレスト Presto

   jesea 2017/0201

● デジタル革命の聖地は何処に?

電通で若い女子社員が過労死(自殺)しているが、経験から言うと月に時間外勤務を百
時間×3ヶ月続けると身体に異常をきたす。まぁ、これも労働の質によりバラツキがあ
るがそう思っているが、現在の自宅労働を考えると月150時間はざらで、通勤時間を
差し引いても考えられないような労働時間だ。もっとも、趣味みたいなところがあるの
で?これを彼女に指摘されると、時と場合により心に余裕がなければ、ムカつくことも
しばしば。さて、それはさておき、デジタル革命の聖地はどこだろうとふと考えた。米
国が該当するのは大凡の見方だろうし、スティーブ・ジョブをはじめその予言者は沢山
いてそうだが、これが第5次産業革命で、その分析を行い未来を予言した者は米国では
いないと考えている。世界中で数名該当しそうだが、日本にもひとりいる。その意味で
は、日本もデジタル革命の聖地なのだろう。

                                    


雪が降るから考える。

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        何に随うのか / 沢雷随(たくらいずい)


                               


      ※ 予には三つの意味がある。たのしみ、おこたる、あらかじめ、で
        「歓楽」にうつつを抜かせば、「油断」して思わぬ失敗をする。

      ※  「随」とは、したがうこと。同行、附随、随喜の随である。この卦
        は人々を心服悦従させる道を示すとともに、人に随うことの必要を
                も説いている。「したがう」とは主体性を失って流れにまかせろこ
        とではない。何に随うか、これは主体の決断にかかっている。随っ
        ていく対象をしっかと見定めねばならぬ。上卦の兌(だ)は若い女、
        下卦の震動(しん))は年輩の男である。中年男が少女に鮭せられ
        て随っている形ともとれるし、実力あるものが、一歩譲って自分以
        下のものに随っている形ともとれる。いずれの場合も真摯に行なう
        ならば必ずよい結果が出る。この卦は四季にあてれば秋である(一
        説には初春ともいう)。盛気衰えるとき、人に随う気持を忘れては
        ならない。

 

 



【LED型交通信号降雪障害】 

省電力などを理由に県内でも普及の進む発光ダイオード(LED)信号機が、降雪時に「
見えにくい」との声が上がっている。LEDは従来の電球型と異なり発熱量が少なく、
表面に付着した雪が溶けにくいためだ。県警も課題として把握しているが、手作業によ
る雪の除去しか有効な対策がないのが現状という(中日新聞 2017.02.03) 

彦根市でも積雪が60センチに達するなど、湖北・湖東地域を中心に県内が大雪に見舞
われた1月23~24日。豊郷町内の国道8号高野瀬交差点ではLED信号機に吹き付
けられた雪が凍っていた。赤信号は縁がかろうじて光って見える程度。右折信号は点灯
しているかどうかも分からない。LED信号機は、耐久性や省電力などに優れ、東日本
大震災を機にいっそう注目されるようになった。県では2003年から導入が始まり、
昨年3月末時点で、県内2402の信号機のある交差点のうち、約56%をLEDが占
める。 

LED信号機が普及するにつれ「降雪時に見えにくい」との苦情が届くようになり、1
月の大雪時には、同様の苦情が豊郷町役場と彦根、甲賀、木之本署で合わせて少なくと
も五件あった。苦情があれば、管轄の署員が出動し棒で雪をはたき落としたり、ふき取
ったりして対応する。場合によっては契約業者に除去を依頼する。雪国を中心に対策が
進みつつあり、おわん型の着雪防止フードがついたLED信号機や、真っ平らで雪のた
まる箇所がなく、雪が落ちやすいよう斜めに設置するフラット型も登場している。 

日本で最も積雪の多い県の一つの青森では県内の信号機の44%がLEDだ。青森県警
によると、これまでさまざまな種類のLED信号機を導入し、風向きや雪質などを踏ま
え、最も有効な機種を判断。現在は新たな設置に限らず、更新時期が来た信号機も順次、
最適の機種に換えている。14年からは、同県警が主導して研究機関などと開発チーム
を設置。問題解消のため、着雪の仕組みを調査しながら、改良型の開発と普及を目指す。
滋賀県警も複数種のLED信号機の導入などを試みているが、年間降雪量が多い青森な
どに比べ、対策は遅れ気味だ。県警交通規制課は「自然が相手なので、これといった決
定打がない」と話す。打開策が講じられるまでは「信号が全く見えない場合は、十分に
安全を確保してから110番や署への電話で知らせてほしい」と求めている。

寒冷地では、降雪時に交通信号灯器のレンズ外表面に雪が付着し、視認性の低下を招く
という問題が生じている。交通信号灯器に用いる光源として、①節電効果、②視認性に
優れ、③寿命が長い等のメリットを有することから電球型からLED型への移行が進ん
できているが、LEDは白熱電球に比して発熱量が少ないため、光源としてLEDを用
いた場合は、降雪時に交通信号灯器のレンズ外表面に付着した雪が更に溶け難くなり、
視認性が損なわれるため、寒冷地においては、降雪時における交通信号灯器のレンズへ
の着雪対策が種々講じられている。

例えば、着雪を防止出来き、清掃の負担を軽減出来る交通信号灯器等の表示装置
――表示パネルの上方位置にフードを設け、さらに、表示パネルの外表面または
このフードの表面に撥水塗料を塗布し降雪時に雪で覆われないようにする方法。 また、着雪防止の透明導電膜――透明基板に形成し、酸化インジウムスズ(IT
O)を主原料とし、窒素とケイ素酸化物を添加、透明発熱体として用いる方法。 交通信号灯器のレンズ外表面に対して着雪をし難くするために、レンズの形状を
半球状としたり、表面をフラット状とした表示器を路面に向けてやや傾けて設置
する方法。

以上などが提案されているが、1の方法は、交通信号灯器のレンズの上方位置にフード
を設けたとしても、吹雪いた時にはフードで雪を確実に遮ることが出来ず、レンズの外
表面に着雪が生じる。また、レンズの外表面や当該フードに撥水性塗料を塗布したとし
ても、雪の付着を防ぐ効果は、雨水の付着を防止する効果に比べて十分でない。また、
雪の付着を防ぐ効果も2年足らずで薄れ、撥水効果を長期間安定して実現することが出
来ない。また、レンズ外表面の除雪や清掃を行う場合には、ブラシ等で外表面が擦られ
るため、撥水性塗料が剥ぎ取られて撥水効果が損なわれる。

また、2の方法では、透明導電膜を透明発熱体として用いた場合には、電気コストの増
大を招くと共に透過率の低減を招く。また、透明導電膜は、耐屈曲性に劣るため、曲面
を有する部材への適用には問題がある。

3の方法では交通信号灯器のレンズ形状を半球状としても、吹雪いた時にレンズに着雪
し、十分な着雪防止効果を得ることが出来ない。さらに交通信号灯器の表示器の表面を
フラット状とし、表示器を路面に向けてやや傾けて設置した場合には、当側に雪が積も
り、この積もった雪により形成される氷柱が人や車に落下する等して安全性に欠けると
いう問題がある。

そこで、下図の新規考案――光源をLED14とした交通信号灯器10に取り付けられ
る交通信号灯器用電熱回路付き透光カバー1で、少なくともLEDの光の照射方向に、
光を透過する透光体層2と、抵抗発熱する電熱回路3aを当該LEDから照射された光
を遮らない位置に配してなる発熱導体層3とを積層し、交通信号灯器に着脱自在取り付
できることで、①安全で、②安価で、③優れた着雪防止効果を③長期間安定して発揮す
ることの出来る交通信号灯器用電熱回路付き透光カバー及び表示器が――提案されてい
る。 

  Feb. 2, 2017

【特許請求の範囲】

光源をLEDとした交通信号灯器に取り付けられる電熱回路付き透光カバーであ
って、少なくとも当該LEDの光の照射方向に、光を透過する透光体層と、抵抗
発熱する電熱回路を当該LEDから照射された光を遮らない位置に配してなる発
熱導体層とを積層してなり、当該交通信号灯器に着脱自在に取りつけられるもの
であることを特徴とする交通信号灯器用電熱回路付き透光カバー。 前記透光体層との間に前記発熱導体層を挟み込んで封止する透光性の封止体層を
積層した請求項1に記載の交通信号灯器用電熱回路付き透光カバー。 前記透光体層及び/又は前記封止体層は、ポリカーボネートからなる請求項1又
は請求項2に記載の交通信号灯器用電熱回路付き透光カバー。 外表面に撥水膜を形成した請求項1~請求項3のいずれかに記載の交通信号灯器
用電熱回路付き透光カバー。 前記電熱回路付き透光カバーの温度を検出する温度検出手段を備え、当該温度検
出手段の検出温度に基づいて前記電熱回路への通電を制御し、当該電熱回路付き
透光カバーを融雪温度に加熱する請求項1~請求項4のいずれかに記載の交通信
号灯器用電熱回路付き透光カバー。 少なくとも外表面に振動を付与する振動手段を備えた請求項1~請求項5のいず
れかに記載の交通信号灯器用電熱回路付き透光カバー。 前記電熱回路は、中央部の回路幅が外周部よりも狭い請求項1~請求項6のいず
れかに記載の交通信号灯器用電熱回路付き透光カバー。

これによると、交通信号灯器用電熱回路付き透光カバー1は、着脱自在に交通信号灯器
10に取り付けられるため、降雪のない時期には取り外すことができ、また、破損した
場合でも迅速に交換することが出来る。また、交通信号灯器用電熱回路付き透光カバー
1を用いずに交通信号灯器10のレンズ12の外表面に撥水塗料を塗布しただけでは雨
風や砂埃等に曝されて2年程度しか効果が得られないが、交通信号灯器に着脱自在な交
通信号灯器用電熱回路付き透光カバー1を用い、定期的に交換することで、常に外表面
の撥水性を高めた状態に維持することが出来るとしているが、定期的に交換する必要が
あるのが難点である。

下記図は、着雪防止機能を専ら加温手段に頼るタイプの信号機は、加温手段で透光パネ
ルを加温して透光パネルへの着雪を防止できたとしても、透光パネルの温度が下がりや
すく、透光パネルが曇って信号機の視認性が低下するという問題が生じる。また、着雪
防止機能を専ら加温手段に頼るタイプの信号機は、消費電力が大きくなりがちで、信号
用光源として消費電力の小さな発光ダイオードを使用した意味が無くなるという欠点が
ある。特に、人里離れた山間部等、商用電源の確保が難しい場所に信号機を設置する場
合には、太陽光や風等の自然エネルギーを利用して発電する小型発電機を信号機に併設
する場面も想定されるところでは、信号機の消費電力が大きいと、その電力を小型発電
機では賄いきれなくなるという問題も生ずる。という問題を解決するために提案されて
いる新規考案である。そんないい考えがあるのか?その実力を考えてみよう。

Jan 19, 2017

上図1のように、前方へ信号光を出射するための光源板10と、光源板10の前面側を覆う透光
パネル20と、透光パネル20を加温するための加温手段30とを備えた信号機において、透光
パネル20を、透光性を有するゲル化蓄熱材等からなる蓄熱層21を備えたものとした。光源板
10を、その前面側に隙間を隔てて多数の信号用光源11を配列したものとし、加温手段30を、
通電すると発熱する電熱線31と、電熱線31に電流を流すための加温用電源32とで構成し、
電熱線31を、光源板10の信号用光源11における隙間を縫った状態に配することで、着雪や
曇りによる視認性の低下を防止する信号機の提案である。

尚、蓄熱層21に使用するゲル化蓄熱材は、イソブチレン・無水マレイン酸の共重合ポリマー(
吸水樹脂)と、エチレングリコール(凍結防止剤)と、架橋剤とを水に添加してゲル化したものを
蓄熱層21の蓄熱材として使用している。

また、 加温用電源32の出力電力は、信号用光源11の個数や種類等によっても異なり、特に
限定されないとしつつ、1つの信号灯を126個の発光ダイオードで構成する場合には、加温用
電源32の出力電力は、1つの信号灯当たり、70Wもあれば十分(30~40W程度でも十分に
賄えるとする。

さらに、上図3の降雪検知手段40は、降雪時に一対の検知用電極42,43の隙間が
雪で埋まり、その雪を通じて一対の検知用電極42,43間に電流が流れることによっ
て、降雪検知信号を出力する(降雪時と判断する電気抵抗は、例えば、200kΩ~5
0MΩ程度の範囲で調節)。

こうみると、双方の新規考案での性能評価データがないものの、後者(株式会社テクノ)
の方が正解のようだ。ただし、地方での電源資源の自然エネルギーの容量不足にふれてい
るが、これは公共事業政策(制度)の問題で解決すべき課題であろう。こう考えると、
降雪障害の1つは解決する。道路の融雪・解氷などの問題解決に関しては、既にブログ
掲載しているので願参考されたし。

空気を抜いて新鮮素材を長期保存! Air Reducer エアリデューサー特別な器具や工程
をしなくても、パパッと密閉状態がつくれちゃうんです♪プシューっと簡単に!開閉も
楽ちん♪ なるほど面白いキッチン・グッズだと感心する。

もっとも、株式会社富士商のオリジナリティーではなく輸入品だから新規考案(特許)
を調べてみようとおもったものの、ここ数日、わたしの頭は"アマデウス"状態ゆえに、
パスすることに(マグネットを使った空気抜き機構)。

 

 ● 今夜の一曲

ドボルザーク: 弦楽四重奏曲 String Quartet No.12「アメリカ」, in F, Op.96

ドヴォルザークの弦楽四重奏曲第12番ヘ長調 作品96, B.179 『アメリカ』は、1893年
に作曲された弦楽四重奏曲。ドヴォルザークがアメリカ滞在中に作曲した作品で、彼の
室内楽作品中最も親しまれている作品のひとつ。1892年9月、ドヴォルザークは、ニュ
ーヨーク・ナショナル音楽院の院長としてアメリカに渡る。彼は黒人霊歌やアメリカ先
住民達の歌に興味を持ち、黒人霊歌の編曲者で歌手であったハリー・サッカー・バーレ
イを自宅に招いて歌を歌ってもらったり、大衆的な歌謡ショーであるミンストレル・シ
ョーのためにフォスターが作曲した歌曲にも興味を持っていた。彼のアメリカ時代の作
品には大きな影響を与える。その代表作が前作の交響曲第9番であり、後に書かれるチ
ェロ協奏曲る。1893年5月に交響曲第9番「新世界より」を書き上げ、米国での最初の夏
期休暇を、チェコからの移民が多く住んでいたアイオワ州スピルヴィル(en)で過ごす。
この地でくつろいだドヴォルザークは、コヴァリック一家が演奏するためにこの作品を
作曲。1893年6月8日に着手するとわずか3日間でスケッチを終え、6月23日には完成。
1894年1月1日、クナイゼル弦楽四重奏団によりボストンで初演される。

【楽曲構成】

 Allegro ma non troppo:ヘ長調のソナタ形式。  Lento:ニ短調の緩徐楽章  Molto vivace:ヘ長調のスケルツォ   Vivace ma non troppo:ヘ長調のロンド  

● 急性トランプ躁鬱症 

毎日、権力を持つトランプが威圧する報道を見せつけられると精勤状態がおかしくなる
なのですぐにチャンネルを切り替える。考えれば、「ポスト・ケインズ主義的経済政策」
をぱっくったところまでは良かったが、その後は阿呆まるだし。米国政府の良き伝統―
政策手順を明確に示し行動するスタイルをかなぐり捨て、持論をまくし立てるデール主
義的アプローチ。格差の急速な拡大の対処法は、税制による富の再配分にあるのっだが、
そこは黙りを決め込んでいる。さすが、役者! 

                                   

 

 

涙の魔法の料理

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    禍を転じて福となす / 山風蠱(さんぷうこ)

                                

    ※ 蠱とは、皿(器物)を虫が食い荒らす、または皿に盛った食物に
      虫が湧いていることである。素平がつづけば内部に腐敗と混乱が
      進行する。卦の形も、山(艮)のふもとに風(巽)が吹きこんで
      災害を起こすフェーン現象、また年増(巽)が若い男(艮)を蠱
      惑するさまをも表わしている。天変地異、風紀紊乱、まことに多
      事多難である。しかし絶望することはない。窮すれば通ず、矛盾
      が深ければ深いほど逆に根本的解決が可能となる。これを機会に、
      内部に巣くう病根を徹底的に摘出することだ。腐敗と混乱の時は、
      同時に革新、新生の時代でもある。

 

 

 
Magical Cuisine / Bump of Chicken


   怖かったパパが本当は優しかった事
   面白いママが実は泣く時もある事

   おはあちゃんが君の顔を忘れたりする事
   ひげじいあれは犬だって伝え様がない事

   いつか全部わかるすっと先の事
   疑いたいのもわかる君だからわかる

   メソメソすんなって

   君の願いはちゃんと叶うよ怖くてもよく見て欲しい
   これから失くす宝物がくれたものが今宝物

   君の願いはちゃんと叶うよ大人になった君が言う
   言えないから運れてきた思いは育てないままで唄にする

   叱られた後にある晩御飯の不思議
   その謎は僕より大きい君が解くのかな
   こんな風に君に説くのかな

                                  「魔法の料理 ~君から君へ~」

                                        作詞/作曲 藤原基央

                                       BUMP OF CHICKEN

 
「これから失くす宝物がくれたものが今宝物」の言い回しが耳に残るこの曲。『魔法の
料理~君から君へ~』は、BUMP OF CHICKENの通算17枚目のシングル。2010年
4月21日に発売された歌詞カードのぬいぐるみは藤原が幼い頃に祖父からプレゼント
されたもという(出典:Wikipedia)。一昨日、NHKのEテレビの『みんなのうた』で
久しぶり流れていたのだが、改めて聞き惚れ目頭が熱くなるのを覚える。藤原が30歳
の誕生日直前に作った曲で、藤原基央が「幼い日の自分」に語りかける内容ということ
で、作中のエピソードや表現はほぼ全て藤原の実体験に基づくものというが、年齢意識
を40年、50年前にワープさせる程(時間の相対性理論?)の衝撃を受け、音響とい
うものは、遺伝子や個体をかくも容易く共振させるものかと感嘆する次第。



【はじめてのオールソイタウン Ⅲ】

大豆、エンドウ豆、ヒヨコ豆、レンズ豆などの穀類は低血糖、高繊維食品で、血糖とイ
ンスリンレベルを一定に維持。また、コレステロールは十二指腸で胆汁酸と結びつき、
小腸から吸収された胆汁酸は、肝臓から胆のうを経てまた十二指腸でコレステロールと
結びつき、血中コレステロール値を上げていく。これらの豆たんぱく質はコレステロー
ルよりも、胆汁酸と結びつきやすく、大豆たんぱく質と結びついた胆汁酸は小腸で吸収
されず、そのまま体外に排出、吸収されなかったコレステロールも小腸で再吸収される
ことはなく体外に排出される。この理由から、コレステロールを食事で摂っても、小腸
から吸収されなければ血液中のコレステロール値を上げることがない。昨年は「国際マ
メの年」にも指定されている(下図ダブクリ参照)。



【今宵も魔法の鶏肉チリ豆鍋】

そこで、今夜は、健康と減量に好適な「ホワイト豆(白インゲン)鶏肉チリ鍋」のレシ
ピを紹介。

材料:①事前に味付けしローストしたひと口サイズの無ホルモンと抗生物質の鶏の胸肉
   2つ、②無農薬白インゲン豆の缶詰4缶、③玉葱1個、④ニンニク2片、④チキ
   ンスープの素適量、⑤チリペッパー適量、⑥クミンシード適量、⑦唐辛子フレー
   ク適量、⑧タラゴン適量、⑨グリーン唐辛子適量、⑩ライム(ゆず)など適量

作り方:①白インゲンをフードプロセッサー粉砕しペースト処理、②チリパウダーとク
    ミンシードパウダーを各々小さじ1杯加える、塩・胡椒を施しストック。③調
    理鍋にニンニク2片を炒め塩・胡椒し玉葱1個を入れ混ぜる。④さらにチキン
    スープの素を加え、白インゲン豆を加え、⑤唐辛子フレークとタラゴラとグリ
    ー唐辛子を加える。⑥材料①の鶏肉を加え、ライムジュースを加える。⑦これ
    を下写真の薪ストーブでコトコトと煮詰めて頂くと、こころ暖まるひとときを
    堪能できる。 

 

  

 

【RE100倶楽部:スマート風力タービンの開発 19】   

 

 ● 事例研究:カットイン風速を下げ発電効率を上げる工夫

  JP 2017-20374 A 2017.1.26

風力発電装置は、一般的に機械的ロスが大きく、低風速下では発電効率は低い。揚力型
ブレードを有する風車を用いた縦軸風力発電装置、例えば、①縦軸風力発電装置は、互
いに対向する1対の縦長揚力型ブレードを有するロータを備え、②各揚力型ブレードの
上下両端部に、縦主軸方向へ向かって傾斜する内向き傾斜部を形成することで、ブレー
ドの内側面に沿って上下方向に拡散する気流を、内向き傾斜部で受止めて回転力を高め
るとともに、揚力(推力)を増大させ、低風速下においても、ロータが効率よく回転して
、発電効率を高めうるようにしたものである。

縦軸型風車は、起動性が改善され、1~1.5m/s程度の微風速でも、回転を開始しう
るとともに、平均風速が、例えば2m/s程度の低風速下でも、効率よく発電しうると
いう特徴を有すが、風向きは常に変化するため、風車に適する風速が長時間継続するこ
とはなく、低風速下で回転しているロータの回転速度を、③ブレードが揚力により加速
して、効率よく回転しうる一定の周速または回転速度となるまで加速することができれ
ば、発電効率を更に高めることが可能となる。低風速下において、ロータの回転速度を
一定の速度まで原動機で加速させることにより、発電効率を大幅に高めうるようにした
風力発電装置を提供することを目的とするものである。

複数の揚力型ブレードを備えたロータを有する風車と、ロータの主軸に接続され
ている発電機と、主軸に接続され、主軸を回転させうる原動機と、原動機を始動
させる動力源と、ロータの周速または回転速度を検知する回転速度検知手段と、
ロータに向かう平均風速を検知する風速検知手段と、風車の回転速度を制御する
制御手段とを備え、制御手段は、風速検知手段が特定平均風速を検知した時に、
原動機を始動させ、回転速度検知手段が、ロータの周速または回転速度が特定の
速度に達したことを検知するまで、ロータを加速回転させ、原動機を停止させ、
風速検知手段が再度特定平均風速を検知した時に、原動機を再始動させ、ロータ
の周速または回転速度が、特定の速度に達するまで加速回転させて、原動機を停
止させるように繰返し制御する。                                                

このような構成によると、制御手段は、風速検知手段が特定平均風速を検知した
時に、原動機を自動的に始動させ、回転速度検知手段が、ロータの周速または回
転速度が特定の速度に達したのを検知するまで、ロータを加速回転させて、原動
機を停止させうるように制御するので、ロータの回転速度が低い低風速下におい
て発電量が少ない条件下であっても、発電効率を高めることができ、

また、複数の揚力型ブレードを有するロータと発電機とを備える公知の風力発電
装置に、風車の回転速度の制御に必要な最小限の構成部材を追加するだけで、低
風速下における発電効率を高めることができるので、実施が容易で、効率の良い
発電ができる風力発電装置を提供可能となり、制御手段は、ロータの周速または
回転速度を、ブレードが揚力により加速され、効率良く回転する特定の速度に達
するまで原動機で回転させた後、原動機を停止することで制御し、原動機を作動
させる時間が比較的短かく、発電量に対する原動機を駆動する動力源の消費量は
僅かですむ。
第1項で、風車を先端部に傾斜部を形成した複数の揚力型ブレードを備えたロー
タを有する縦軸風車または横軸風車とし、このような構成で、先端部に傾斜部を
形成した複数の揚力型ブレードを備えたロータを有する縦軸風車または横軸風車
は、ブレードの内側面に当って拡散する気流を、傾斜部で受止めることで、回転
力を高めて揚力(推力)を増大させうるので、ロータは低風速時から回転し、かつ
風速が速くなるほど、コアンダ効果により揚力型ブレードに生じる揚力(推力)が
増大して、ブレードは揚力により加速されて、ロータは効率よく回転する。その
ため、ロータの特定周速または回転速度を低めに設定しても、発電効率を高く維
持できる。
第1項、または2項で、主軸に対する原動機とを電磁クラッチを介して接続し、
前記風速検知手段が特定平均風速を検知したとき、電磁クラッチを自動的に接続
し、ロータの周速または回転速度が特定の速度に達したとき、電磁クラッチを自
動的に切断するように、制御手段により制御するようにすることで  ロータの周
速または回転速度が特定の速度に達したとき、電磁クラッチを切断するように、
制御手段により制御すると、断続を正確かつ短時間で制御でき、風力を効率良く
利用できる。
第1~3項のいずれかで、原動機をモータにし、このモータを始動させる動力源
を、発電機により発電された電力とすることで、モータを始動させる動力源を、
発電機で発電された電力の一部使用し外部の電源設備が不要になり、外部電源設
備のない場所に風力発電装置が設置できる。
第1~3項のいずれかで、原動機をモータと、このモータを始動させる動力源を、
太陽光発電パネルで発電された電力とし、このような構成によると、モータを始
動させる動力源に、太陽光発電パネルにより発電された電力を使用し、発電機に
より発電された電力の消費を減少させ、その電力を有効に使用できる。

以上のように、タービンブレード構造・構成を工夫し、発電不可風速時に自己蓄電々力
を支援供給し、低風速下において、ロータの回転速度を一定の速度まで加速させること
により、発電効率を大幅に高めうるようにした風力発電装置の提案がなされているが、
①実験データから発電効率が何パーセント増加したのか判断できない。②構造が複雑す
ることのリスクも不明である。



「RE100倶楽部:スマート風力タービンの開発 17」(「ようこそ、SWT工房へ」
2017.01.31)で掲載したように、わたし(たち)が理想とする高性能小型風力発電シス
テムは、例示した「垂直軸型風車の集風装置:特開2017-015094の場合」のように「可動
式集風板」ではなく「固定式集風板」方式でカットアウト風速遮断シリンダ(シェルタ
)方式が簡素で良いだろうと踏んでいる。同シリンダーの工藤は自家蓄電を動力源とし
て電動あるいは圧空で開閉すれば良いと考える。ところで、少しこの事業のイメージ(
特徴)を書いておこう。このユニットの出力を標準で1キロワットとして住宅向けルー
フ型を2ユニット取り付け2キロワットの発電能力を持たせる。また、ポール型ユニッ
トの標準を高さ(地下埋設部を除く)を7メートル、5ユニットの5キロワットとする。
仮に1ユニットの価格を10万円とすれば2ユニットで20万円。国内市場をおおよそ
1億÷4人世帯÷10×20万円/セット=2500億円、世界市場は国内市場×6=
3兆円(1千5百億円/年)、耐用年数の見積もりを10~20年程度考え、売電価格
との関係で、メリット計算が算出される。売電価格を管理する新電力会社は、顧客先の
ユニットからデータ信号(発電量、異常信号、風況信号)を管理し、顧客はその売電料
金からの歩割金額を報酬として支払い管理委託する。電力というインフラを扱うので営
利から公共の色合い強い業界のため、ぼろもうけはできないと想定されるため、メーカ
同士の過当競争による疲弊は未然に防ぐ必要などを考えてみた。
尚、ここでの数字はあくまでも超々概算である。

 

革命的な風力タービン

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       世に臨む / 地沢臨(ちたくりん)

                                

    ※ 臨とは、上から下のものをほおろすこと、転じて上から支配と保
      護を及ぼすことである(君臨)。支配の仕方はさまざまだが、こ
      の卦は、上下親しみあう状態を表わす。また下に二つの陽(=)
      があり、運気が次第に隆盛に向かうときである。しかしこの場合
      は短期決戦、急速に盛んになってたちまち衰える傾向かあり、時
      機を見ること敏なるを要する。また熱中するかと思えば、すぐに
      忘れてしまう人間類型を示すものであるから、よほど心を引きし
      めてかからないと、一生悔いか残すことになりかねない。

 

【RE100倶楽部:スマート風力タービンの開発 20】

● システム仕様  

タイプ:垂直翼揚力型風車(または、縦渦リニアドライブ型垂直風車) ブレード数:垂直翼揚力型または、縦渦リニアドライブ型垂直風車):□翼数(
最適設計) 最大瞬間出力:300W超(12m/s超) 最大出力回転数:300rpm超(12m/s超) 回転開始速度:1m/s以下 カットイン風速速度:2.5m/s以下 カットアウト風速速度:20m/s以上 エネルギー変換効率:23%以上 外形寸法:□m×□m×□m(回転翼+内蔵機関一体外形) 直径:1200㎜以下(=ブレード長) 質量:80kg以下 取付フランジ:260Φmm以下 ブレード材質:特殊強化プラスチックなど ボディ素材:鉄、ステンレス、アルミニウム、プラスチック 塗装:□処理□塗装 発電タイプ:三相コアレス発電機、誘導発電機、同期発電機 コントロールシステム:SWT仕様 パワーアシスト:無 通信機能:有 ブレーキ・ロック方式:回生電磁ブレーキ方式内臓、磁気及び機械式ブレーキ オプション:出力インバーター/バッテリー/表示器ユニット/ 標準価格:□万円_□人家族/世帯(□kw/d) 雷サージ対策:殊強化プラスチックに銅メッシュ層を挿入(オプション)

 

今夜は、システム仕様の「3.最大瞬間出力」と「4.最大出力回転数」と国内市場に
おける小型風力発電の開発背景についてふれてみよう。 

風力発電で使われる風車は、定格出力1.5メガワット(1時間で最大1500キロワ
ットの出力が可能)や最大で6メガワット(同6000キロワット)が世界的に見ても
標準にあり、1980年代初頭では50キロワットの風車が最大級で、最大瞬間出力が
120倍の規模で増強している。風車の出力は風車の受風面積(ブレードの回転する円
の面積)に比例するので、風車を大きくすればそれだけ多くの電力を得ることが出来る。

● 最大瞬間出力

現在、世界で最大の風車は定格出力6メガワットは翼直径126メートルにもなり、5
0キロワットの風車の直径は15メートル。風力発電の普及は、設備の大型化によるコ
ストダウンによるものだとも言われている。そこで、例えば風力発電の出力が2メガワ
ットと書かれている場合、最大瞬間出力が2メガワットだが、風況により、2メガワッ
ト以下のことも多々あるため、最適の風が吹いた時に2メガワットの発電が出来ること
意味するが、風が弱い時は当然2メガワット以下の発電となる。台風のように強すぎる
時は翼などが損傷する発電はやめてゼロとなる。従って、年平均すれば最大出力の25
%~30%程度の発電しか出力されていないのが国内事情と言われている。


例えば、定格2.5メガワット1基から生まれる電気は1回転で約1000ワットの電
気を生みだすので、上図のように、1年間で約6メガワット(6百万キロワット)発電
し、一般家庭の年間消費伝力の約1,600世帯分に相当。1世帯あたり2.3人として、
約3,700人の1年間の使用電力をまかなえる。これは二酸化炭素排出量に換算する
と2,268トンで樹木換算では、太さ10センチメートル×高さ4~5メートルの落
葉広葉樹9.072本が行う光合成量に相当し、その広さは(約9,000本の植樹面積は、
2ヘクタール(20,000平方メートル)の土地に相当。さらに原油換算すると、ド
ラム缶7,620本分となる。

● 航空力学の翼理論と風車の性能評価

風車の揚力(回転力)は、エネルギー保存の法則によって、圧力と流速の関係が決まる
この関係を利用し発生させようとしたのが航空力学の考え方、つまり航空力学の翼理論
をもとに計算される。風速(秒速)をV[m/s]、翼の受風面積をA[m2]、空気密度をρ[kg/m3]、
風車のパワー係数をCpとすると、風車から得られるパワーP[W]は 

            P= Cp×(1/2)×ρ×A×V3

の計算式で求められる。 ベッツの法則では風から取り出せるパワー係数Cpは最大で
16/27(ベッツ係数)とする。 風の持っているパワーの0.593までは理論的には取り
出せることを示す。Cpが大き くなるほど風車の発電出力性能が高くなり、上記の計算
式から風車のパワーは受風面積 と風速の3乗に比例する。また風車のパワー Pはトル
ク[N-m]×回転角速度[rad/s] でも表される。これは風車の動力から発電機によって電
気変換したパワーを表す。風車 のシャフトに与える力を大きくし回転数が上がれば、
風車から取り出せる発電出力は大 きくなる。一般的な大型プロペラ風車は抗力になり
うる翼面積を減らし、回転数(周速) を上げることで発電効率を高める。ベルシオン
式風車では揚力を引き出す翼面積を広げ、 かつ最適な回転数まで上げて発電効率を高
めるよう工夫されている。

一般的に風車の性能を評価する場合、パワー係数、周速比、ソリディティなどの特性係
数を利用して性能評価する。パワー係数とは風車の受風面積から得られる風のパワーを
基準にして、風車から取り出せるパワーとの割合を示しています。実際の風車では揚力
形の高性能プロペラ型大型風車で0.4、抗力形のサボニウス風車では0.15程度。周
速比とは風車翼の先端速度と風速の比を表しています。揚力形の風車では翼先端は風速
よりも早く回転でき、抗力形の風車では風速以下でしか回転できない。

ソリディティとは風車の受風面積に対する風車翼の全投影面積の比をとして定義。 A.
ベッツはどのような風車でも最大のパワーを取り出す場合のソリディティと周速比には
一定の法則があるとし、曲線と曲線の範囲内(影部分)に 入るとする。

※  Effects of solidity for a small straight-bladed vertical-axis wind turbine (Torque and power
   characteristics and torque variation), Seiji YAMADA et.al , 2000.11.25

ところで、 現在、日本では出力20キロワット(kW)未満の風力発電を小型と定義されて
いるが、今、この小型風力発電の設置がブームになりつつある。後押ししているのは太
陽光発電に比べ、2倍以上の高値で売電できる再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度
(FIT)のため。その根拠は、小型風力は1kW時当たりの買い取り価格が55円。対する太陽光
は昨年7月に引き下げられ27円(10kW以上)となった。  太陽光の導入が急増したことなどから、
経済産業省は価格を是正。そのため、「太陽光の導入を検討していた個人や企業が、小型風
力に関心を示すようになった」と各メーカーの担当者は口をそろえる。また、世界風力エネルギ
ー協会によれば、小型風力の発電容量は、世界的に見ても最近5年間で年率20%前後伸びて
いる。

小型風力の普及の背景には大型風力と比べた際の導入の手軽さがある。風力エネルギー
は受風面積に比例するため、風車の羽根であるブレードが長いほど出力が高くなる。小
型に比べ大型の方が出力効率は高く、コストパフォーマンスの面でも有利だ。だが、大
型の設置には広大な面積が必要とし、一般的に、ブレードが長くなるほど発生する①騒
音や②低周波音が増える。最大でも高さ25m程度の小型に比べ、100m以上にもなる大型
風車は景観への配慮も必要だ。設置を巡って訴訟に発展し、計画を中断した例もある。
現状、小型と大型とでは出力が桁違いのため代替エネルギー源にはなり得ない。だが、
設置数が増えれば小型も日本の再生可能エネルギーの一翼を担う可能性がある。

現状、小型と大型とでは出力が桁違いのため代替エネルギー源にはなり得ない。だが、
設置数が増えれば小型も日本の再生可能エネルギーの一翼を担う可能性がある。小型風
力発電には大きく分けて水平軸と垂直軸の2つのタイプがある。水平軸型は、大型風力
発電でも多く使われる3枚ブレードのプロペラ型が代表例。回転軸が地面に対して水平
で、風向きに追随して風車が動く。垂直軸型に比べ、発電効率は高いとされる。

一方、垂直軸型は回転軸が地面に対して垂直に固定されており、風を全方向から捉えら
れるのが特徴だ。現在、型式認証を得ているのは台湾Hi-VAWTテクノロジーの製品のみ。
垂直軸型には、出力は低いが風速が低くても回転するサボニウス型と、高出力を得られ
るが風速が高くないと回転を始めないダリウス型がある。Hi-VAWTはこの両方を組み
合わせ1つの風車に搭載している。両方式の利点を生かし、低速でも回転を始め、高速
になれば高出力を得られる。この垂直軸型のHi-VAWT製品と水平軸プロペラ型のスペイ
ン・エネラの製品の双方を販売する自然風力発電社は、海岸沿いなど水平に一定の風が
吹く場所は水平軸型、段差がある高台など風が吹き上げる場所には垂直軸型が向くと言
われる。また、垂直軸型はベアリング大手のNTNも開発に乗り出している。浜松市のベ
ンチャー、グローバルエナジーが開発した羽根の特許使用権を取得し、来年中に型式認
証を得て発売を目指している。

● 高風速時に風車を止めない

風力は風速の3乗に比例する。プロペラ型の多くの機種では風速毎秒3mくらいから出力し始め、
9m程度で最高出力に達する。だが、台風や突風などで風速が強すぎると、過剰回転による危
険防止のために風車を止めてしまう。せっかく高出力を得られる高風速時に止めるのは無駄が
多い。そこで高風速時に風車を止めない工夫が必要になる。

出力が最大級の小型風車を製造するアイルランドC&Fグリーンエナジーの「CF20」はブレード
の角度を調整し、強風時に風を逃がして過剰回転にならないようにするピッチ制御が可能。そ
のため風速毎秒25mまで止めずに発電ができる。大型風車には搭載されている機能だが
小型では珍しい。風力ベンチャーのゼファー(東京都港区)が開発したエアドルフィン
は高風速時、風車の回転を電気的に制御することでどんな強風下でも風車は回り続ける。
ブレードに、軽量で剛性に優れる炭素繊維を使うことで実現できた。

一方で最高出力に達する前の低中風速時での発電効率を高める工夫をしているのがレン
ズ風車。九州大学の大屋裕二教授は複数の風車を組み合わせたマルチローターシステム
を開発。プロペラ型のブレードの外側を囲む輪「集風体」が最大の特徴。九州大学と同
大学発ベンチャーのリアムウィンドが開発。九大応用力学研究所の大屋裕二教授は集風
体によって風の渦を作ることで風力を強める。同サイズのプロペラ型に比べ2~3倍に
出力が向上すると話している。同教授が現在、実用化に取り組んでいるのがマルチロー
ターシステムと呼ぶ、1つの支柱に複数の風車を取り付けた製品。3.1kWの風車を3つ
取り付けた機種を九大内に15年12月に設置した。3つのレンズ風車をまとめて配置
することで風力を強める相乗効果があり、発電量が10%程度上がるため10kWの出力
が得られる。小型ならではの出力を高める工夫がある。さらには、ブログで紹介した「
縦渦リニアドライブ型ウインドタービン」(「ようこそ、SWT工房へ」2017.01.30)も
直に参入してくるだろう。

 
● 課題は設備のコストダウン

小型風力の最大の課題は設置コストが割高なことがあげられている。20kWで2000万~
3000万円にもなる。その対策として新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は
産学と連携し委託・共同開発を開始。小型風力発電の主要部品である電力変換装置など
の研究開発を実施し、部品の標準化を進め30%のコストダウンを目指す。売電のため
には電力会社の送電網に小型風力が生み出した電力を供給する系統連系と接続作業が必
要になる。小型風力は風量によって発電量が頻繁に変化する特性がある。従来は各メー
カーが独自に最適なパワーコンディショナーを開発してきたが、標準化できれば無駄な
機能や部品を省けるようになる。現代はデジタル革命の渦中にある。コスト逓減を肌身
で知っているわたし(たち)は恐れはしていない。

● 事例研究:特開2017-008858 風力発電装置

それでは、最後に「最大出力回転数」に関係する新機考案事例を俯瞰しよう。

大型の風車を用いた大規模な発電施設に限らず、小型の風車を利用した小規模な発電設
備についても開発が進められ、低コストでの実用化に向けて、発電効率の向上を目指し
た技術が種々提案されている。風力発電に利用される風車には、風の方向に沿って回転
軸が水平方向に設定された水平軸型風車と、風の方向に対して回転軸が垂直方向に設定
された垂直軸型風車と、が利用されている。

1.垂直軸型風車は、風向に対する風車の回転面の方向制御機構が不要である等のメリ
  ットがあるが、
2.風車が風を受けて回転する際に風車の回転軸より半分の部分では羽根が受ける風は
  風車を回転する方向に有効作用する一方で、残りの半分の部分では羽根が受ける風
  は回転方向に対して逆方向となって抵抗となり、回転効率が低下するデメリットが
  ある。
3.これに対して、垂直軸型風車の周囲に導風板や整流板等のガイドベーン等を配置す
  る技術がしられているが、垂直型風車の周囲にガイドベーン等を設置する構成では、
  風車が占めるスペースに加えて、その周囲にガイドベーンを設置するスペースが必
  要となるため、全体として大きなスペースを必要である。一般的に風車の回転径が
  大きいほど、風車の出力ひいては発電効率が大きくなるが、ガイドベーンを設ける
  場合には、限られたスペースでは、逆に風車自体のスペースすなわち風車の回転径
  を小さく製作せざるを得なくなり発電効率の向上がさほど期待できない。
4.風車の周囲に集風板を設け、風車に導入される風量を増加させ風速を増大させるこ
  とで、風速が低い環境でも垂直軸型風車を効率良く回転させ、風車の周囲の風速が
  高い場合には集風板を収納し、風車の回転による総合的な発電効率を高める(特開
  2017-015094「垂直軸型風車の集風装置」も提案されているが、機構が複雑になると
  いうことで、改良提案を個人的にこのブログで提案をしているところである。

よって、同じ設置スペースに対してできるだけ効率の良い風力発電の開発が望まれてい
た。下図のように、風の流れFに対して垂直方向に設置されて軸回り回転自在に支持さ
れた回転軸12と、風を受けて該回転軸12と一体的に回転するように該回転軸12に
取り付けられた複数の羽根体14とを有する垂直軸型の風車体16と、回転軸12に連
結され該回転軸の回転により発電する発電機18と、風車体16の外側で周方向に互い
に等間隔に離隔して配列されて該風車体16への風の流れをガイドする複数の導風板20
であり、回転軸12に直交する断面視で、該羽根体14の回転軌跡円CRと該回転軌跡
円CRに外接する仮想的な正多角形SPとの間の領域Z内に全体が収容されるように設
置された複数の導風板20とを備えた風力発電装置10から構成される。

JP 2017-8858 A 2017.1.12
【符号の説明】

10 風力発電装置 12 回転軸 14 羽根体 16 風車体 18 発電機 
20 導風板 26 返し部


また、導風板20は、回転軸12に直交する断面が直線状となる平板状部材からなり、
該断面直線形状の一端(20A)を羽根体14の回転軌跡円CRに近接して設けられる
とともに、他端(20B)を前記正多角形SPの辺上又は辺に近接して設けたこととし
てもよい。また、羽根体14は、回転軸12に直交する断面形状が回転軸12に向けて
凸状に湾曲された湾曲板材で形成されるとともに、回転方向前方側12Aに流線型を形
成するように前端部12Aを外側に向けて略U字状に湾曲された返し部26を有するこ
ととしてもよい。また、導風板20は、回転軸12に直交する断面形状の長さが、羽根
体14の回転軌跡円CRの径方向の羽根体14の幅D1よりも長い長さで設けられたこ
ととしてもよい。また、導風板20は、回転軸12に直交する断面形状の長さが、前記
正多角形SPの頂点から該羽根体の回転軌跡円CRに接する接線の長さよりも短い長さ
で設けられたこととしてもよい。また、導風板20は、該羽根体14の回転軌跡円CR
の直径を導風板20の数で割った長さに設定されたこととしてもよい。



【実施形態】

図1、図2、図3に示すように、風車体16は、回転軸12の周りに複数の羽根体14
を等間隔に取り付け、風を受けて一体回転する羽根車であり、回転軸12を風の流れに
対して垂直に向けた垂直軸型の風車装置である。本実施形態では、回転軸12は、例え
ば、軸方向を地面等の設置面に対して鉛直に立てて配置され、機枠22の軸受24に回
転自在に軸支されている。

なお、羽根体14の枚数は任意でよく、例えば、図7の実施形態に示すように、3つで
もよい、2枚又は4枚以上の数でもよい。また、羽根体14の形状も例えば、上記の形
状に限らずダリウス型、クロスフロー型、サボニウス型、直線翼型、パドル型等、その
他任意の風車の羽根形状でもよい。複数の導風板20は、該風車体への風の流れをガイ
ドするように風車体16の回転軌跡円CRよりも外側で周方向に互いに等間隔に隔離配
列された導風手段である。複数の導風板20は、羽根体14に対して回転を促進する方
向に風をガイドするとともに、羽根体14の回転を妨げるように作用する風を一部遮る
ように整流する整流機構となる。図4に示すように、導風板20は、一部の風を遮りつ
つ、その流れを変えて回転している風車体の羽根体14に流すことにより、該導風板14
の風下側、すなわち該導風板14の後方部分と、導風板をよけて流れていく部分と、で
風の流れに速度差を生じさせる。その結果、例えば、導風板14の板面に風が当たった
際に、導風板の後方に負圧を生じさせて、導風板20の背面側に回転する羽根体14が
位置する際には、該羽根体14を回転方向Dに促進させて、回転効率の向上を期待でき
る。



【特許請求範囲】

風の流れに対して垂直方向に設置されて軸回り回転自在に支持された回転軸と、
風を受けて該回転軸と一体的に回転するように該回転軸に取り付けられた複数の
羽根体とを有する垂直軸型の風車体と、回転軸に連結され該回転軸の回転により
発電する発電機と、風車体の外側で周方向に互いに等間隔に離隔して配列されて
該風車体への風の流れをガイドする複数の導風板であり、回転軸に直交する断面
視で、該羽根体の回転軌跡円と該回転軌跡円に外接する仮想的な正多角形との間
の領域内に全体が収容されるように設置された複数の導風板とを備えたことを特
徴とする風力発電装置。 導風板は、回転軸に直交する断面が直線状となる平板状部材からなり、該断面直
線形状の一端を羽根体の回転軌跡円に近接して設けられるとともに、他端を前記
正多角形の辺上又は辺に近接して設けたことを特徴とする請求項1記載の風力発
電装置。 羽根体は、回転軸に直交する断面形状が回転軸に向けて凸状に湾曲された湾曲板
材で形成されるとともに、回転方向前方側に流線型を形成するように前端部を外
側に向けて略U字状に湾曲された返し部を有することを特徴とする請求項1又は
2記載の風力発電装置。 導風板は、回転軸に直交する断面形状の長さが、該羽根体の回転軌跡円の径方向
の羽根体の幅より、長い長さで設けられたことを特徴とする請求項3記載の風力
発電装置。 導風板は、回転軸に直交する断面形状の長さが、前記正多角形の頂点から該羽根
体の回転軌跡円に接する接線の長さよりも短い長さで設けられたことを特徴とす
る請求項1ないし4のいずれかに記載の風力発電装置。 導風板は、該羽根体の回転軌跡円の直径を導風板の数で割った長さに設定された
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の風力発電装置。

【実施例】

実施例では、図9に示すように、上記実施形態のように構成した風力発電装置10を送
風機VからL=3100mmだけ離した位置に設置し、風速0.6m/秒で風を当てて
風車体16の回転を目視で計測し、30回転に要する時間を測定した。図9(a)と図
9(b)では、風力発電装置10に対する風の方向を45度変更して各導風板に当たる
風の角度を変更して測定した。実施例では、風車体16の羽根体14の回転軌跡円CR
の直径は276mm、羽根体14の回転軸方向長さは600mmとし、導風板20の回
転軸方向長さは600mm、導風板20の横断面の幅長さWを下記のように変更して、
それぞれ風車体が30回転するのに要する時間を5回計測してその平均値を求め、その
平均値から平均回転数(1分あたりの回転数)を算出した。また、比較例として、導風
板を設けないで回転数を計測した。以下にその結果を示す。

 

 

実施例1~6の結果により、風力発電装置に当たる風の向きが図9(a)、(b)のい
ずれの場合でも、導風板の幅長さWを長くすると回転数が向上し、導風板20の幅長さ
Wを回転軌跡円の直径を導風板の数で割った値(実施例では、69mm)とした場合に
回転数が最大となり、さらに該幅長さWをその値を超えた長さとすると回転数が低下す
るのが分かる。導風板が4つの場合には、導風板20の幅長さWを、例えば回転軌跡円
の直径の20~30%程度に設定するとある程度高い回転数で風車体が回転すると推測
できる。実施例6に示すように、導風板20の幅長さWを長くして正方形の頂点から該
羽根体の回転軌跡円に接する接線の長さ、すなわち回転軌跡円に外接する正方形の一辺
の長さの半分の長さ(実施例では、138mm)に近づけると回転効率が劣ることが分
かる。

 ● 今夜の一曲

ベートーベン: クラリネット三重奏曲 Trio , in B, Op.11

ピアノ三重奏曲 第4番 変ロ長調『街の歌』(Gassenhauer)作品11は、ルートヴィヒ・ヴァン・
ベートーヴェンが1797年に作曲したピアノ三重奏曲。1798年に出版され、作品はマリア・
ヴィルヘルミーネ・トウン(英語版)へ献呈された。ベートーヴェンの初期に人気の高
かった、木管楽器を扱った社交的な作品のひとつである。変ロ長調で作曲されており、
これは当時まだベーム式システムの恩恵を受けていなかったB♭管クラリネットでの演
奏の容易さを考慮したものとされている。「街の歌」という愛称は、第3楽章において
当時流行していたヨーゼフ・ヴァイグルの歌劇『船乗りの恋、あるいは海賊』(L’amor
marinaro ossia Il corsaro)からのアリア「仕事の前に」(Pria ch'io l'impegno)の主題を用いる。
この作品が人気を博した大きな理由でもあり、ニコロ・パガニーニもこの主題による作
品を残す。なお、ベートーヴェンが多楽章作品で他人の主題を用いたのはこれが唯一で
ある。

【楽曲構成】

第1楽章 Allegro con brio:変ロ長調、4/4拍子。ソナタ形式。第1主題は3つの楽
器のユニゾンに、第2主題はクラリネットに提示される。 第2楽章 Adagio:変ホ長調、3/4拍子。ソナタ形式。主部の主題は、2年後に作
曲された七重奏曲Op.20の第3楽章と似たリズムを持つ。 第3楽章 Tema con variazioni (Pria ch'io l'impegno: Allegretto):変ロ長調、4/4拍子。
変奏曲形式。軽快な主題に9つの変奏とコーダが続く。

革命的な風力タービンⅡ

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       ものの見方について / 風地観(ふうちかん)

                                


    ※ 観は凝視すること、ただ漠然と見るのではなく、よくよく見つめ
      る。奥底まで見抜くことである。この卦の形は、陰の勢力(╌)が
      上の陽(-)を押しのけんばかりの勢いを見せており、また地上
      (乾)に風(巽)が吹き荒れているさまを表わしていろ。君子道
      が衰え、利欲がせめぎあってまさに秩序崩壊のときである。しか
      し、こういう時こそ静思して現象の奥底まで見抜かなければなら
      ない。そういう態度が本当に身につけば、徳となりて人々を感化
      することができる。行動よりも静思の段階であるから指導的な地
      位にある人、教育者、学者、研究者にとってはよい卦である。

 ● 今夜の一品

「カレ ジャポネ」(Carrée Japonais) ――7日、「あさイチ」でベルギーが誇るカカ
オ豆からチョコレートまで製造の工程を一貫して行う「ビーン・トゥー・バー」を追求
し今のチョコレート界に新潮流を生み出す世界的ジェンドのショコラティエ・ピエール
マルコリーニがスタジオに生出演で創作提供していた。「カレ ジャポネ」はフランス
語で「日本風の四角いチョコレート」という意味。日本酒でチョコレートに深みを加え
るのがポイント。クリスピーな黒ごまと、さわやかなシソ(紫蘇)がアクセントである。
たまたまみていたのでラッキー・モーニング!ところで、最近、お気に入りのティーカ
ップに牛乳を入れ砂糖を少し加え、チョコラ・カレを1つ放り込み、電子レンジで加熱
し飲み身体を温め飲む。ここに、ウイスキーなどのお酒を加え、寝る前に一杯頂き熟睡
する。

 

【今夜も技術が天こ盛り】

Jan. 31, 2017

● 個人の思考を読み取る「脳ハッキング」

ごく短い時間だけ表示されるサブリミナル画像への脳神経反応を調べることで、個人の
宗教的信念や政治的傾向などを調べることができるという実験結果が発表された(「個
人の思考を読み取る「脳ハッキング」に成功:米大学実験」WIRED.jp 2017.02.03)。そ
れによると、ワシントン大学のタマラ・ボナチは、1月31日(米国時間)、セキュリ
ティーカンファレンス「Enigma」で、ある実験について説明した。単純なビデオゲーム
を利用して、一定のテンポで表示されるサブリミナル画像への神経反応を収集できる方
法を示したものだという。実験では、被験者に「Flappy Whale」というゲームをしても
らい、ファストフード店や自動車のロゴのような比較的当たり障りのないイメージに対
する反応を調べた。ボナチによると、同じ要領で、被験者の宗教的信念や政治的傾向、
医学的な状態、偏見など、もっとセンシティヴな情報も引き出せる。

実験には、脳に接続されるインターフェース(BCI:brain-connected interface)が利用され、
7つの電極をプレイヤーの頭に取り付け、脳波信号がリアルタイムで測定。イメージが
表示されるのは1回につき数ミリ秒間で、被験者が意識的に気づかないほど短時間。画
像が表示された瞬間に脳信号を測定することで、研究チームは、イメージに関するプレ
イヤーの考えや感情を知る手がかりを収集できたという。こうした「脳ハッキング」が
これまでに現実世界で行われたという証拠はない。だが、仮想現実(VR)ヘッドギアや、
体に接続するフィットネスアプリなどを製造するメーカーにとっては、多くの生理的反
応を密かに調べるシステムを開発することは難しいことではないと前出のボナチは語る。
ボナチは、脳が生成する電気信号は、個人を特定できる情報に分類し、名前や住所、年
齢と同様に保護されるべきだと述べている。

 Feb. 6, 2017

● 食物連鎖で下水道の汚泥排出量をダウンサイジング

6日、国土交通省国土技術政策総合研究所は、辰野水処理センターにおいて微生物の食
物連鎖を利用した水処理実証施設が稼働を開始すると発表。下水道革新的技術実証事業
(B-DASHプロジェクト)の2016年度採択技術「特殊繊維担体を用いた余剰汚泥削減型
水処理技術」は、「反応タンクの多段化」と「特殊繊維担体」を組み合わせ、反応タンク内
に微生物の棲み分けが生じる環境を形成することにより食物連鎖を生じさせ、発生する
汚泥量を大幅に削減する技術で、(株)IHI環境エンジニアリング・帝人(株)・日本
下水道事業団・辰野町が共同で研究に取り組んでいる。今回完成した実証施設では、同
技術について、汚泥削減効果やライフサイクルコスト縮減効果等を実証する。汚泥処理
設備を縮小化することにより下水処理施設のライフサイクルコスト(LCC)を低減し、
下水道経営の改善、持続的な経営に貢献が期待できる。

 Feb. 8,, 2017

● 現場に持ち込み、細菌やウイルスを約10分で検出

8日、日本板硝子株式会社、産業技術総合研究所などの研究グループは「モバイル遺伝
子検査機」(小型・軽量リアルタイムPCR(Polymerase Chain Reaction)装置)――ポリメ
ラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction)による標的DNAの増幅を経時的(リアルタ
イム)に測定し、その結果からDNAの定量を行う装置。試料を、高温・低温の2温度(
もしくは3温度)域を往復させることでDNAの特定の部分が、1サイクルごとに同部が
2倍、4倍・・・と指数関数的に増幅する。(例えば、理論上40サイクルで約1012倍に
増幅) 微量のDNAからでも増幅でき、遺伝子工学研究では必要不可欠な技術――の開
発の成功を公表。



従来の細菌やウイルスなどの遺伝子検査は高精度で有用な一方、装置は大きく高価で検
査にかかる時間も長いため、専門施設でしか利用できなかった。感染の拡大を抑えるに
は早急に有効な対策が必要、そのためには現場で原因となる細菌やウイルスなどを迅速
に特定できる遺伝子検査機が求められてきた。



開発したモバイル遺伝子検査機は、従来の装置に比べ片手で持ち運べるほど小型・軽量
(約200mm×100mm×50mm、重量約500g)で、従来は約1時間かかっていた検査時間)を
約10分に短縮しました。また、小型化により低コスト化を実現し、バッテリー駆動も可
能である。この成果により、これまで専門施設内に限られていた高精度の遺伝子検査が
場所を問わず実施でき、インフルエンザやノロなどのウイルスや細菌を現場で素早く特
定できるため、医療現場だけでなく工場などの食品衛生、環境汚染調査のほか空港や港
湾で感染症予防の水際対策での使用など、幅広い分野での活用が期待できる。このモバ
イル遺伝子検査機は、日本板硝子より年内発売を目標に開発を進めという。

さすがですね、このブログでもこのテーマを取り上げてきたが実現に一歩近いづいたと
いうことです。欲を言えば検査時間は、1分程度に短縮できればと思いますが、これは
実に面白い。

 

 

【RE100倶楽部:スマート風力タービンの開発 21】

● 垂直軸風車の転がり技術実験Ⅰ


垂直軸風車は、一般的に「ロータ回転軸が風向に対して垂直な風車」と定義、プロペラ
形の水平軸風車と比較すると発電効率はやや低くなるが、全方向の風を受けられるため、
水平軸風車のようにロータを風向に正対させる必要がなく、単純な構造にできる利点が
あることは知られている(上図参照、出典:「風力発電システムにおける転がり技術の
適用に関する研究」浅生利之著 足利工業大学 2015.07.25)。

垂直軸風車は主にブレード、主軸、主軸受、発電機等から構成、ロータが無指向性で単
純構成がその特徴で、主軸と主軸受は、ブレードを取付けてロータとなる支柱部品、動
力を伝達する機構部品の役割を持ち、過酷な風況条件に対する、①十分な強度、②耐久
性と、③効率のよい動力伝達が求められている。④特に主軸受は、発電機のコギングト
ルク等を除けば、風車の始動トルクや風車回転時の機械効率を決定する重要な要素とな
る。

垂直軸風車は、風向変化の激しい地域,例えば市街地や公園、遊園地、駐車場など建造
物が風向を大きく変えてしまう地域、あるいは複雑地形の地域などに設置されることが
多い、作り出された電気は、系統連係されることもあるが、街灯照明や非常用電源など
の独立電源で使用されることが多い。市民の生活ゾーンに設置する場合、風況の良い場
所を選び設置することは事実上不可を前提とし、低風速でも回り続けることが条件とな
る。また、風車が大型化は避け、ダウンサイジングし、さらに、人を傷つけず安全性を
確保が設計条件となる。前記「風力発電システムにおける転がり技術の適用に関する研
究」では異常のことを踏まえ、垂直軸風車主軸受の形状パラメータを最適化することで、
①十分な強度と②耐久性を確保しながら、③軸受のトルク抵抗を低減し、実証実験を行
って下記結論を得る。

従来の既存軸受と比較し、開発軸受の始動トルクは約60%以上小さくなった。 開発軸受と従来の既存軸受を同じ風車に搭載し、フィールド実験にて比較した結
果、風車の始動風速が従来品2.9m/sから研究品1.8m/sに改善した。 開発軸受と従来の既存軸受を同じ風車に搭載し、フィールド実験にて比較した結
果、回転中の機械的な動力損失が低減されて発電効率が約3ポイント改善できた。 開発軸受は、1)~3)を達成しながらも、IEC61400-2 の安全基準にのっとり、十分
な強度を持つ基本静定格荷重を満足できた。 この軸受は、1)~3)を達成しながらも、IEC61400-2 の安全基準にのっとり、設計
寿命220年に対して信頼度95%以上を確保する基本動定格荷重を満足した。 この軸受はJIS 規格外となる溝適合度60%の新しい軸受であるが、軸受単体の
寿命耐久試験により、軸受の基本定格寿命(L10寿命=1,000,000rev.)に対しL10 寿
命=40,110,000 となり、90%以上の信頼度において5倍以上の耐久性を有してい
ることを実証。 この軸受はアンギュラ玉軸受の内輪と主軸の一体化で、部品点数が削減すると共
に、大形ロックナットを不要にすることで、風車の軽量化と製造コストの削減を
実現。 従来の軸受では、変動するモーメント荷重が作用すると、内輪と軸の嵌め合い部
でフレッチング等の破損が生じるリスクを抱えるが、この構造では内輪と主軸が
一体化することでリスク解消を実現する。

※ フレッチングとは、軸受が回転しない状態で振動を受けたり、小さい振動を受けたときに
   生じる一種の摩耗現象のこと。

● 実験垂直軸風力タービン仕様



※ Tip Speed ratio(チップ速度比)とは、ブレード先端速度(例えば、12.5m/s)を
  風速(例えば、5.0m/s)で割った値2.5)。

● ブレード性能計算条件

次回はこの実証実験結果をもう少し詳しく見ていこう。

                                 この項つづく


  ● 今夜の一曲

ハイドン: 弦楽四重奏曲 String Quartet No.76「五度」, in d, Op.76-2 

弦楽四重奏曲第61番ニ短調 Op.76-2は、オーストリアの作曲家、フランツ・ヨーゼフ・
ハイドンによって、1797年に作曲された弦楽四重奏曲。第1楽章冒頭の主題から「五度」
という副題で呼ばれる。また、この楽曲エルデーディ四重奏曲 作品76(全6曲)と呼ば
れ、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンの作曲した弦楽四重奏曲のなかでも最もよく演奏さ
れる作品のひとつ。6曲中4曲に呼び名(『五度』、『皇帝』、『日の出』、『ラルゴ』)
があるが、エルデーディ伯爵の依頼で作られ、同伯爵に献呈されたため「エルデーディ
四重奏曲」と呼ばれる。この曲集は、ハイドンが1791-92年、1794-95年の2度にわたるイ
ギリス旅行から、ウィーンに帰ってから最初に書かれた主要な作品で、当時ハイドンは
64歳、すでに作曲家として揺るぎない評価を得ていたが、まだまだ創作意欲に溢れて
おり、この作品76の6曲の弦楽四重奏曲を世に出すことになる。さらに高度な書法で書
かれた6つの四重奏曲は、直前に書かれた作品71、74の6曲の弦楽四重奏曲(第1アポ
ーニー四重奏曲、第2アポーニー四重奏曲)を上回る評価を得て、当時の作曲家たちに
多大な影響を与える。

【ルームトレーニング奮戦記:腹筋強化(腹直筋)】

殿筋背筋強化とつま先立ちによる姿勢矯正に、腹直筋強化をさらに加えたのはいいが、
腹筋強化を入れるときつくなり、1パッケージ×3ユニット/日がさらにきつくなる。
室内ウォーキングだけ1ユニットにダウン。それでも朝は大変。「継続は力なり」よ
言い聞かせ今夜も頑張る。 

 

革命的な風力タービンⅢ

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      連帯を阻むもの / 火雷噬嗑(からいぜいこう)


                                

    ※ 噬嗑とは噛み合わせること。卦の形を見ると、上と下の陽爻(-)
      はあご、陰爻(--)は歯と歯の間に物があって上下が噛みあうこ
      とを妨げている状態である。邪魔者を噛み砕けば上下が合する。
      また、上爻の離(り)は太陽、電光、下卦の震(しん)は活動、.
      震動、雷鳴であり、いずれも盛んな活動力を象徴する。旺心な生
      活力と積極性で、障害物をはねとばして返んでゆけば、大きな成
      果成があることを示している。しかし障害物は剛陽であり、甘く
      考えていると思わぬ抵抗に遇うことになる。中途半端な妥協や姑
      息な手段を弄することなく、全力を傾けて真正面からぶつかって
      行くことが肝心である。

 

● ZW倶楽部:核のごみの無毒化・減容化・有用化に挑戦!

理化学研究所は、原発から出る放射性廃棄物(核のごみ)に含まれる長寿命の放射性物
質を、生活に役立つ貴金属に変える実証実験に2018年度から着手する。理論上は可
能とされるがこれまで実用化には至らず、「現代の錬金術」とも言われるが、実現でき
れば、処分に困る「核のごみ」の減量や有効活用にもつながるという(毎日新聞 2017.
02.11)。 

記事によれば「核のごみ」は放射線量が高く、専用容器に密封して地中深く隔離する方
法が現在検討されている。核変換が実用化すれば、ごみの減量や有効利用の可能性があ
る。一方で、理論通り実現するか、低コストで実用化できるかは未知数だ。国内では、
燃料のウランが原子炉内で中性子を吸収して質量数が大きくなった「重いごみ」(マイ
ナーアクチノイド)では、高速実験炉「常陽」(茨城県大洗町)で核変換の実験をした
ことがあるが、パラジウムと同様に核分裂してできた「軽いごみ」(核分裂生成物)で
は前例がない。

しかし、目論見通り行くのか?と疑問に思うのだが、実験は、内閣府が主導する革新的
研究開発推進プログラム「ImPACT(インパクト)」の一環。まずは、核のごみに含ま

れ、放射線量が半減するのに650万年かかる放射性物質「パラジウム107」を、宝
飾品や歯科治療、車の排ガス浄化用触媒などに使われる無害な貴金属「パラジウム10
6」に変える。理研仁科加速器研究センター(埼玉県和光市)の加速器で、「重陽子」
(陽子と中性子各1個で構成)のビームをパラジウム107に当て、原子核の中性子が
1個少ないパラジウム106に変える「核変換」の実現を目指す。勿論、成功するれば
パラジウムの核変換実験は世界初となる。実験で核変換される割合などを確認し18年
秋にも結果をまとめるということだが、研究担当者は、まだ実験段階で、実験データー
がとれれば一歩前進とのことだが、うまく行けば「核のZW」にひとつの道筋がしめさ
れる。

 

【RE100倶楽部:スマート風力タービンの開発 22】

● 風力タービンの軸受の開発による性能アップ

前回は、「風力発電システムにおける転がり技術の適用に関する研究」(浅生利之、足
利工業大学 2015.07.25)を通し、垂直型風力タービンの回転軸受――アンギュラ玉軸
受の内輪と主軸の一体化で、部品点数が削減すると共に、大形ロックナットを不要にし、
風車の軽量化と製造コストの削減を実現―――に絞り、➀始動トルの改善(既製品比較
で60%ダウン)、➁風車始動風速が2.9m/sから1.8m/sに改善(38%ダウン)。
➂回転中の機械的な動力損失が低減されて発電効率が約3ポイント改善。➃軸受の基本
定格寿命5倍以上の耐久性を実証できている。この成果ポイントは、従来の軸受では、
変動するモーメント荷重が作用すると、内輪と軸の嵌め合い部でフレッチング等の破損
が生じるが、内輪と主軸が一体化することで解決できたことにある。いわば、「軸受の
剛性・弾性・共振性の改良」に絞り込んだ達成事例である。


特開2014-152729 垂直軸型流体発電装置 JP 2014-152729 A 2014.8.25


特開2014-138535 風力発電装置 2014.07.28 


● 事例研究:特開2017-031920 垂直型風力発電システム、
       及び垂直型風力発電システムにおける制御方法 

以上の実証実験では既存の垂直型風力発電装置での軸受の比較であり、垂直型風力発電
システム全体設計でなかった。今回は、バンテイジ・ポイント(vantage point)がえられ
る事例を調べることに。前回の事例はベアリング(軸受)からのアプローチだったのだ
が、ここで風況からのアプローチから考える、例えば、風速は、毎秒0.5メートルか
ら30メートル、そして絶え間ない変動を伴う。さらには、作動流体の空気は、雨、雪、
氷などが含まれ、気温は氷点下から40℃を超える、炎天下では、紫外線、嵐には、落
雷、竜巻、雹、霰、飛散物の襲来という過酷な条件を踏まえ、「特開2017-031920 垂直
型風力発電システム、及び垂直型風力発電システムにおける制御方法」で下記のように
課題を掲げる。 

ここまで、どのような条件にすれば、①回転トルクが大きくなるのか、②周速比
や③翼性能および④レイノルズ数がどのように関係してくるのか、翼型が変われ
ばどうなるのか等といった最も本質となるところの考察がない。したがって、⑤
どのような相対角度にすれば、⑥どの程度回転トルクまたは、⑦発電効率が上が
るのかが不明である。また、⑧空気力学的な最適解には至っていないため、2m
/s程度の微風時にはブレードの回転トルクをほとんど得ることができず、ブレ
ードが回転するにはさらに大きな風速が必要となる。⑨また、出現頻度が最も高
い平均風速(たとえば6m/sあたり)付近では、逆に⑩ブレードの翼型の影響
および⑪揚力が最大となる最適な迎角のずれにより発電効率が低下する。したが
って、発電効率の高い垂直型風力発電システムを提供することが困難となる。 ⑫さらには、強風時の過大風力への対応としてもわずかにブレードの回転トルク
を低減できる程度であり、実際の強風に対して精度よくブレードの回転制御を行
うことは困難であり、⑬強度的に長時間の運転には適さないという問題が発生し、
⑭垂直型風力発電システムの寿命や⑮信頼性が大きな課題となる。 また、⑯カムやリンクでは、特定の風向きしか効果が無く、⑰風向きが変わった
場合は逆に回転エネルギー変換効率が悪化してしまう点や、⑱調整範囲が狭い、
⑲さらにはどういう角度調整を行うか、またその効果がどの程度あるのかという
点が全く考慮されていないなどの課題を有す。 ⑳特許第4514502号の後縁部に切欠部22については、起動特性はわずかには改善
されるものの、起動時にマイナストルクを発生している要因を改善しない限り大
きな起動性の改善は見込めないし、(21)切り欠きにより、逆に本来の翼特性が
失われ揚力の大幅な減少により通常回転時の発電量が大幅に低下するという課題
がある。 このように、先行文献に開示されている垂直型風力発電システムでは、(22)微風
時におけるブレードの回転起動ができない、(23)平均風速での発電効率が低下す
る、(24)強風時の回転数の制御が困難であり、(25)長時間の運転に適さないとい
う問題がある。 また、風速、風向およびブレードの回転数(周速比)に応じた効率的な発電効率
の改善には至っていないため、実際の風況下における発電効率の向上にはほとん
ど貢献していない状況となっている。 発電効率を向上させるためには、風の運動エネルギーをブレードの回転エネルギ
ーに変換する回転エネルギー変換効率(Cp)を向上させるとともに、回転エネル
ギーを電気エネルギーに変換する電気エネルギー変換において、様々な風況にお
いて可能な限り常時電気エネルギー変換を行うことが重要となる。したがって、
できる限り風速の大きな状況でも風の運動エネルギーを電気エネルギーに変換し
発電することが望ましい。 従って、発電効率の高い垂直型風力発電システムの課題は、①低風速(微風)時
からのブレードの起動性と、②低風速時から強風時の風況における回転エネルギ
ー変換効率の大幅な向上と、③強風時の過大な風のエネルギーの条件下での発電
である。 ブレードの起動に関しては、ブレードの枚数を増やす(ソリディティーを上げる)、
切り欠きを入れる、スタータを設けるなどの手段があるが、いずれも微風時から
効率的に回転し効率的な発電をするような自己起動性を満足するには至っていな
い。 また、低風速時から強風時の風況における回転エネルギー変換効率の向上に対し
て、出現頻度の高い風況化でできる限り発電効率を高める狙いがあり、様々な翼
型や翼構成の垂直型風力発電システムが提案されているが、空力特性の本質的な
課題の解決には至っておらず、いずれも一定の割合の回転エネルギー変換効率を
超えるのは困難な状況となっている。 さらに、強風時の過大な風のエネルギー条件下での発電を行うには、ブレードの
回転数が上昇することで、①ブレードを含む回転体の遠心力への強度的な対策が
必要となるとともに、②回転エネルギーが増大するに従い、発電機への負荷が重
くなってしまい、発電機のサイズ、重量、信頼性などへの影響が懸念される。 特に、ブレードおよびブレードを支持するアーム、アームを支持するシャフトユ
ニットおよび発電機の回転部などは、回転数が増加するに従い遠心力が増大し、
許容応力を超えてしまう。回転部分の信頼性を確保するためには補強する必要が
生じるが、大きくかつ重くなるため、益々遠心力が増加してしまう。 また、発電機の電気的特性においても、発電機出力は回転数に応じ所定の電力が
出力されるが、回転数が増加すると、耐圧仕様の大幅な改善や負荷変動時の発熱
を含めたサイズアップが必要となり、大きくかつ重くなるとともに、コスト大幅
に増加してしまうなどの課題がある。

と、課題を述べ、発電効率の高い垂直型風力発電システムの実現には、①垂直型ブレー
ドの空力特性の本質的な課題の解明や②回転エネルギー変換効率(Cp)を大幅に向上
させる方式の探索、③ブレードの回転エネルギーを効果的に低減する方式、④過度な回
転を抑制する垂直型風力発電システムの構築が必須となるとし、次のような解決方法を
提案する。

 本発明に係る垂直型風力発電システムは、上記した課題を解決するために、複数の
 直線翼から構成される垂直型ブレードと、垂直型ブレードまたは直線翼を保持する
 アームと、このアームと固定されアームの回転を支持するシャフトユニットと、シ
 ャフトユニットと連動し、垂直型ブレードの回転エネルギーを電気エネルギーに変
 換する発電機と、素直型ブレードと前記アームとシャフトユニットを保持するポー
 ルと、ベアリング等から構成されシャフトユニットをポールに回動固定するシャフ
 トユニット保持部と、垂直型ブレードの回転面内において、アームに対する直線翼
 の相対角度をそれぞれ独立して回動させる回動手段と、回動手段により相対角度を
 調整する回転角制御手段と、垂直型ブレードの回転中心を基準にした平面座標系に
 おける基準角度からの垂直型ブレードまたは個々の直線翼のブレード回転角度と、
 ブレード回転角度から演算した相対角度の回転角度テーブルとを有し、回転角度テ
 ーブルをもとに回転角制御手段を用い、ブレード回転角度に応じて直線翼の相対角
 度を可変とする構成を備えている。 

ここで、前術の課題の第8項目の考え方――発電効率の高い垂直型風力発電システムの
課題は、①低風速(微風)時からのブレードの起動性と、②低風速時から強風時の風況
における回転エネルギー変換効率の大幅な向上と、③強風時の過大な風のエネルギーの
条件下での発電であると、3つのステージに切り分け整頓していることに注目する。

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JP 2017-31920 A 2017.2.9 

【要約】 

垂直型風力発電システム15は、垂直型ブレード1、直線翼2、アーム3、シャフトユ
ニット4、発電機5、ポール6、シャフトユニット保持部7、相対角度8、回動手段9、
回転角制御手段10、平面座標系11、基準角度12、ブレード回転角度13、回転角
度テーブル14、垂直型風力発電システム15、風速16、風速検出手段17、回転数
検出手段18、風向検出手段19、回転トルク20、回転抑止トルク可変手段21、発
電機コントローラ(回転数制御手段)、パワーコントローラ23、結合部24、取付け
部27、風向27とを備えることで、微風から強風までの広範囲の風速に対応し、回転
エネルギーへの変換効率高い垂直型風力発電システムを提供する。

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● 実施形態

垂直型ブレードの発生する揚力および抗力において、回転トルクに対して正の力のみを
検討しており、特に微風時に支配的な負の回転トルクについての検討がなされていない。
さらに、推測や概念のみの試みが多く、回転エネルギー変換効率の改善量(ΔCp)と迎
角との関係が全く検討されていないし、示されていない。また、もっとも重要な、ブレ
ードの回転数(周速比)と迎角との関係についてはその関係について見出していないし、
検討もなされていないなどの多くの問題があり、実際の垂直型風力発電システムの回転
エネルギー変換効率の改善には効果が不明であり、効果を検証しようとしてもほとんど
発電効率の向上という効果を得ることができないという大きな課題に直面した。

そこで、この問題点に関し、垂直型ブレードの翼型、揚力や抗力と迎角とレイノルズ数
との関係を示す翼型特性、直径やソリディティーなどの構成、垂直型ブレードの回転速
度などの構成条件や、風速や風向などの環境変化に応じて回転エネルギー変換効率が最
大となる相対角度を詳細に検証し、それぞれの構成条件や環境条件で回転エネルギー変
換効率が規則的かつ大きく変化する相対角度があることを見出している。

さらに、回転エネルギー変換効率の改善において、特定の角度で大きな改善効果(ΔCp)
を見出すとともに、特定の角度変化のパターンで効果的に回転エネルギー変換効率を改
善することを見出した。特に、周速比(ブレードの回転数)と最適な相対角度との緻密
な関係および規則性の発見に至ったことで、回転エネルギー変換効率(Cp)の大幅改善
を実現する制御方法を見出し本発明に至ったとして、以下に示す態様の提案を行ってい
る。

                                                  この項つづく

 

  ● 今夜の一曲

 

スメタナ: 弦楽四重奏曲 String Quartet No.1「我が生涯より」, in e    

弦楽四重奏曲第1番 ホ短調「わが生涯より(チェコ語:Z mého života)」は、ベドルジ
ハ・スメタナが1876年の10月から12月にかけて作曲した弦楽四重奏曲。作曲者自身の生
涯を象徴する半自叙伝的な内容をもち、この副題が付けられている。第1楽章の開始に
おいてヴィオラが高音域で主旋律を奏でることや、終楽章において第1ヴァイオリンが
ハーモニクスでホ音の保続音(スメタナに聞こえていたという幻聴の象徴。実際にはイ
長調の主和音が聞こえていたという)を奏でることで名高い。 

聴力を失ったスメタナが、プラハからヤブケニツェへと隠遁して間もない1876年10月頃
から作曲が開始され、同年末頃に完成。しかし、第3楽章が技術的に困難であるとされ
たことや、様式的に欠陥があると指摘され、初演の引き受け手がなかなか見つからなか
った。完成から2年が経過した1879年3月26日に、スメタナの友人であるスルブ=デブ
ルノフの家で初演され、このときヴィオラ奏者を務めたのがアントニン・ドヴォルザー
クである。公開初演はスルブ=デブルノフ家での試演から3日後の、1879年3月29日に
フェルディナント・ラハナーやアロイス・ネルーダ、ヤン・ペリカーン、ヨゼフ・クレ
ハンの4名による演奏でプラハで行われる。初演を引き受けた4名は、スメタナが隠遁
する前に指揮者として活動していた仮劇場のオーケストラの中心メンバーで、また、こ
の曲はフランツ・リストの前でも演奏しており、彼はこの演奏に熱狂する。

 



● 彦根に新しいランドマーク誕生!
     平和堂新社屋屋上に太陽光パネル設置 

8日、平和堂は、滋賀県彦根市の本社社屋の建て替えが完成したと発表。13日に移転。
研修用の宿泊施設や間仕切りがないオフィススペースを設けており、社員同士のコミュ
ニケーションの円滑化を図る。投資額は58億円。今年3月に迎える創業60周年を記
念するとともに、1972年に建設した旧社屋の老朽化に対応。新社屋は旧社屋の南西
300メートルに建設した。鉄骨3階建て延べ1万4300平方メートル。3階を主に
社員交流スペースとし、宿泊用の部屋17室のほか、行事や懇親会に使えるラウンジと
和室の大広間を設けた。社史を学ぶ展示室や研修室もある。


オフィスは部門間の間仕切りをなくし、会議室の壁をガラス張りにして開放的な空間に
しつらえた。店舗指導などで出張が多い社員を対象に、自席を固定しないフリーアドレ
ス制度を導入した。同社は「新社屋では部門間の壁をなくし、業務の効率化と生産性の
向上を目指す」としている。また、新社屋に入る本部の愛称は、「HeadOffice(本部)
And Training(トレーニング)Omotenashi(おもてなし)Communiction(コミュニケーシ
ョン)の意味と、ハトのマークにちなんで「HATOC(ハトック)。平和堂広報課で
は「単なる本部ではなく、研修の場であり、お客様や店舗の要望をしっかり聞いて、情
報や意志を伝える場であるという意味を込めた」としている。創業者の歴史や理念など
を学ぶ展示室を設けている。屋上には太陽光発電の設備も設置している。  


 

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