革命的な風力タービンⅣ
オデッサ・ファイル
※ 「否」は前項の「泰」と全く逆の卦である。天は上へとへと行き、
地はあくまでも下ヘ行く。なにもかもが行き違い、背きあい、しっ
くり行かない。まわりがすべて白い眼を向け、八方塞がりの状態だ。
民意は政治に反映しない。貧富の格差はひろがる。卦の形も、脆弱
な基盤の上に剛強が乗っており、いつくずれるとも知れぬ白砂上の
楼閣を表わす。いまあなたは危機に直面している。一刻も猶予はな
らない。閉塞状態を打開するために、真剣に現実に立ちむかわねば
ならない。各爻の辞はそのためのヒントを提示する。
【オデッサ・ファイル】
25日、ひょんなことでプレミアムシネマで『オデッサファイル』を観る。それが記憶に残り今夜、
まとめたくなった。『オデッサ・ファイル』(The Odessa File )は、英国の作家フレデリック・フォ
ーサイスの手になるサスペンス・スリラー小説である。若いドイツ人記者と元ナチのための秘密組織
「オデッサ」との間の暗闘を描く。処女作『ジャッカルの日』と並ぶフォーサイスの代表作。タイト
ルは、西ドイツ司法省宛に1964年2月末、匿名の人物によって郵送で引き渡された、「オデッサ」の
支援を受け海外逃亡した元親衛隊達の、顔写真や詳細な所在などを記録したファイルの通称にちなむ。
そして、1974年(国内上映は翌年3月)に映画化されているが、記憶にないからそれまで観てい
ないのだろう。
さて、ストーリーというと、ナチス政権下でユダヤ人の絶滅政策を遂行してきた親衛隊(SS)の幹部
たちは降伏直前、連合国軍の追及を逃れ新生ドイツ社会への浸透を支援し、名誉回復のプロパガンダ
をするなど庇護を行なう秘密組織、「オデッサ」を立ち上げていた。西ドイツのルポライター、ペー
ター・ミラーは、ケネディ大統領暗殺事件と同時期に自殺した、一人の老ユダヤ人が遺していた日記
をきっかけに、老人がオストラントの強制収容所から解放された一人であること、所長エドゥアルト・
ロシュマンは司法の追及を逃れて国内で堂々と生活している事を知る。しかもロシュマンは、ドイツ
国防軍大尉だった自分の父・エルウィンを自身に逆らったとして殺し、戦死に仕立て上げた人物だ
った(父が戦死した日付・場所と、日記に記された大尉が射殺された場所、しかも柏葉・剣付騎士鉄
十字章受章者であったことまで一致)。
その所在を掴もうと試みるが、“過去の克服”を続ける一部の関係者以外、周囲の全てが“ナチの亡
霊”から目を背けていることを知らされ、ついには同志を庇おうとするオデッサの妨害が、ペーター
を命の危険に曝すようになる。ついにペーターは、情報を得て帰国直後、滞在中に知り合った元被収
容者で作るユダヤ人グループの力を借り、居場所を突き止めたら彼らを通じて、モサッドに知らせる
条件で、特訓を受けて“元SS曹長ロルフ・コルプ”になりすまし、組織に潜り込む。モサッドの目的
は、この元所長を中心としてナチ残党がエジプトのナーセル政権と組んで計画したイスラエル壊滅作
戦の阻止である。オデッサのドイツ国内での組織長と接触するも正体が発覚、オデッサの差し向けた
殺し屋・マッケンゼンに追われるが、偶然にも追われながら訪れた先々でオデッサ関係者を一人ずつ
葬ることになる。
調査の過程で面識のある金庫破りに盗ませて入手した「オデッサ・ファイル」で元所長の身元を所在
とともに確認し、ファイルを司法省に引き渡す手筈を整える。オデッサのイスラエル消滅計画は失敗
するとともに、ファイルが当局に渡ったことでドイツ国内のオデッサも大打撃を被る。ペーターが持
ち歩いてきた老ユダヤ人の日記は、シャウルが母国へ持ち帰り、結びに記された遺言のとおりにヤド・
バシェムでその老ユダヤ人を慰霊する。
尚、登場人物の元強制収容所長ロシュマンは、実在の人物。リガにあったカイザーヴァルト強制収容所の歴
代所長の一人で、“リガの屠殺人”と呼ばれた。1977年8月、パラグアイで死亡が確認されている。原作者フ
ォーサイスはロシュマンをはじめ、実在のナチス関係者や組織についてかなり詳細な情報を入手して
作品を執筆。後年、ロシュマンの検死の関係者が「フォーサイスの小説では、ロシュマンは逃亡中に
足の指を数本欠損したとあるが、それは事実である」と述べている。また、この作品の出版に当たっ
ては、フォーサイスの元に沢山の脅迫状が届いている。
大雪の除雪や作業中でもあり流したところもあったが、ナチズムの台頭とその戦犯、その残党の組織
の陰謀などが理解でき歴史上の事実の重みを感じることとなり、憤慨と陰鬱さがない交ぜになり、考
えること多し。尚、原作者のフレデリック・フォーサイス、主演のジョン・ヴォイトは健在だが、ジ
ギーを演じたメアリータイムは2012年5月に没、享年62。
【RE100倶楽部:スマート風力タービンの開発 16】
風況を選ばない高出力インテリジェント風力発電機
● 電気系と風車ロータの最適マッチング:実証試験
6-1 プロジェクト全体における本研究開発部分の位置づけ
風車ロータ(前段ロータ径4m)、実験室段階で最適マッチングを行った発電機の試作2号機(定格出力
3kW)と制御系、従来技術を応用したタワー、方向制御からなる実証試験用風力発電機モデルを構築
してフィールドで実験を行う。系統連系するアップウィンド型中・大容量機(10kW以上)を対象とす
るが、ダウンウィンド型小容量機(10kW以下)についてもフィールド実験を行う。風車ロータと既存
の相反転方式同期発電機(九州工業大学が水車用として所有)で構成し、本風力発電機の特徴である
風車ロータと発電機の連携プレー能力の実証を目的とする。研究開発目標の達成とは直接関係しない
が、これを遂行することにより、実用化に向けたシリーズ化が強力になる。小型機の場合、独立電源
への適用も考えられるから、同期発電機による実証にも意義がある。
6-2 アップウィンド型の実証試験
系統連系を想定した本格的なアップダウンウィンド型インテリジェント風力発電ユニットの実証試験
として、基盤課題A の成果を踏まえ、後段風車ブレードに風のエネルギーを効果的に送る直径4mの
前段風車ロータを設計製作。また、相反転方式3相10極3kW 二重巻線形誘導発電機(図2-3、5-7)
および、制御サーキットを準備。今後、外部資金を得て、既に形状が固まりつつある独特な後段風車
ロータとタワーを新たに設計製作し、フィールド実証試験を開始予定である。
6-3-1 目的
3kW 以下の小容量機の実用化を目的とし、独立電源用を想定した簡易ダウンウィンド型インテリジ
ェント風力発電ユニットの実証試験も新たに追加。当初の計画になかったので、車載実験に用いた風
車ロータと発電機を流用。
6-3-2 実験装置と方法
上述のように、実証試験機は車載試験で使用したフィールド試験用タンデム風車ロータと二重回転電
機子方式同期発電機(極数:4P、定格回転速度:内外回転電機子とも750 min-1、定格起電圧:100 V、
定格周波数:50 Hz、,定格出力:1.0 kW)によって構成されている。本機は㈱志磨テック本社ビル3
階の屋上(付近にこれより高い建物はなく、川沿いに立地)に設けた風車ロータ中心高さ3.3mのタワ
ーに搭載した(図6-1、地上高約13.3m)。このため,天候にかかわらず常設となるので、強風時の過
回転による破損等の危険を避けるため、前後段風車ロータ軸に無励磁作動ブレーキ(電源オンでブレ
ーキ解除、電源オフでブレーキが作動)を設け(図6-2)、また発電機を風雨にさらさないためナセル
を設けた。なお、ダウンウィンド型なので、風向変化に対しては自己追従する(ヨーコントロール機
構は不要)。
試験装置の全体図を図6-3 に示す。前段風車ロータの回転方向を正転とすると、後段風車ロータは正
転、反転するので、後段風車ロータの回転検出器にはロータリエンコーダを採用。実験は前後段ブレ
ード取付け角βF、βRとランプ負荷Pbulb をパラメータとし、風速V、風向、前後段風車ロータ回転速
度NF、NR、発電機の起電圧E、起電流I、出力PGをデータロガーに1 秒毎に蓄積し(図6-4) その評価
は10分間平均を用いた。このとき、発電機からの出力は電力計を介してランプ負荷に接続されており,
ランプ負荷の大きさはスイッチにより段階的に変更できる(図6-5)なお、安全性と夜間は風況が悪い
ことを考慮し、夜間はブレーキをかけ、昼間のみ実験を行う。
6-3-3 風況
図6-6に2008年4月21日から2008年8月12日までの風速出現率分布を示す。間隔1m/sごとの風速の出
現率である。風速3 m/s が最も出現率が高く、高風速側の出現率が低いことがわかる。風速には季節
変化があり、冬に風速が高くなり、夏では風速が低くなる傾向があることを物語っている。以降に示
す実験結果は、ちょうど風速が遅くなる時期にえられたものであり、その風向分布(風配図:は各方
位別の風向の出現率を放射状のグラフに表したもの)を図6-7 に示す。
6-3-4 実験結果
ブレードティップの翼弦と周方向とがなす前段ブレード取付け角度βF=30deg.、後段ブレード取付け
角度βR=30 deg.、ランプ負荷Pblub=300Wにおける、前後段風車ロータの回転速度NF、NR および出
力P の一例を図6-8 に示す。平均風速が同じであっても、前後段風車ロータの回転速度、出力ともに
ばらつきがあることがわかる。自然風況下では急激な風速の変化や風向の変化が起こるため、このよ
うなばらつきが出たと考えられ。このことは周知の事実である。また、低風速域に着目すると、前段
風車ロータは風速2 m/sで回転を始めているが、後段風車ロータは風速が5 m/s に達しないと回転しな
い。このことは既に確認されたことである。その時に議論したように、本モデルに供した二重回転電
機子方式同期発電機は相反転方式水力発電の発電機を流用、本風車ロータとの適合は考えられていな
いこととが主因である。また、ここでの実験では回転挙動の把握を主目的としているため、ランプ負
荷を低くしているので出力も低い。
図6-9 はある一期間において得られた。1秒ごとの時系列順のデータである。風速が速くなると当然、
前後段風車ロータともに回転を始め、風速が遅くなってもある程度の風速があれば前段風車ロータは
回転し続ける。しかし、後段風車ロータはすぐに停止する。再び風速が速くなると、前段風車ロータ
の回転速度は上昇するのに反し、後段風車ロータは依然停止したままである。もともと回転しづらい
ことに加え、前段風車ロータが回転している状態であるため、後段風車ロータに流入する風の流れが
遮られていたことも一因であろう。
6-4 評価と今後の展望
自然風況下での実証試験により、定常風速下での車載試験等では得られなかった微風速での回転挙動
や乱流、突風などが発電特性に与える影響を把握しつつある。引き続き、遅れている第2章の実証実
験をできるだけ早く開始できるように努力するとともに、第3章に二重回転電機子方式二重巻線形誘
導発電機と制御系を導入した実証実験を行う予定である。この場合、後段風車ロータの採用も視野に
入れる。
以上、掲載し参考してきたが、これを参考により高性能、高品質(安全・安心を含む)でコンパクト
で廉価なスマート風力発電タービンの実用展開に繋げる。
【参考情報】
for publication on 22th July 2014
● 今夜の一曲
ベートーベン:弦楽四重奏曲 String Quartet No.11 「セリオーン」, in f, Op.95
弦楽四重奏曲第11番ヘ短調「セリオーソ」Op.95はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが1810年に
作曲した弦楽四重奏曲である。原題は "Quartetto serioso"であり、セリオーソの名は作曲者自身によっ
て付けられたものである。名前の通り「真剣」な曲であり、作曲者のカンタービレ期特有の短く、集
約された形式を持つ。しかし、歌謡的な要素は少なく、あくまでも純器楽的に音楽は進行する。音楽
は短く、きわめて有機的に無駄を省いた構成をとるが、時に無意味ともいえる断片が挿入されたりし
て、それがかえって曲の真剣さを高めており、そこに他の要素を挿入したり、緊張感の弛緩する余地
を与えない(出典:Wikipedia)。
【楽曲の構成】
転じ、3連符を元にした旋律がヴィオラに歌われるが、長く続かず、再び荒々しい打激に変わ
り、断片的な旋律と、それを打ち消すような無意味な音階進行によって、安らぐ暇を与えない。
これがセリオーソと名づけられた所以とされる。提示部の反復はなく、展開部も短く、再現部
の後、コーダで盛り上がりをみせるが、楽章は静かに閉じられる。 第1主題が変ト長調で反復
されることや、変ニ長調に対するニ長調の激しい走句など、全体的にナポリの和音が多用され
るが、これはベートーヴェンの多くの短調作品の特徴。その調的関係から月光と熱情の両ピア
ノソナタを連想させる。 第2楽章 Allegretto ma non troppo:ニ長調という遠い調で書かれている。時計を刻むような無
機質なチェロの進行で開始、その後の第1バイオリンに歌われる旋律はまったく関連性がなく、
ベートーヴェンが追求してきた「人間的な」緩徐楽章に対する一種の皮肉を感じさせる。 第3楽章 Allegro assai vivace ma serioso:スケルツォに相当、5部分による。発想に「セリオーソ」と
指示されている。減七の和音を多用した付点リズムによる労作的な主部と、コラール的なトリオからな
る。 第4楽章 Larghetto espressivo-Allegro agitato:緩やかな短い序奏に始まる。主部はロンド形式。
情熱的な主題が歌われ、ただならぬ雰囲気を漂わせるが、突如コーダにおいて曲はAllegro ヘ長
調に転じ、諧謔的ともいえる音階進行とそれに対応するパッセージが演奏され、明るく軽快に
閉じる。第2楽章でも見られた、無意味なものの羅列や無機質な機械的進行により、人間的な
ものに対する一種の皮肉を表現しているとされる。
革命的な風力タービンⅣ
22 文明と退廃 / 山火賁(さんかひ)
※ 賁とは飾り、装飾のこと。美しい装飾は人の心を喜ばせ。躾とは身
を美しくすることであり、それは礼となって社会秩序をととのえる。
卦の形は、山を意味する(艮)の下に太陽を意味する(離)があり、
ダ映えが、山の草本を美しくいろどっていることを示している。し
かしそれは同時に没落寸前の輝きをも暗示する。文明が過度に准む
と、退廃美が好まれるようになり、やがて素朴な生命力失うに至る。
個人にあてはめれば、外面ばかりを飾って、内面的な、深みを失っ
てしまうのである。何事にも外見の華美盛大につりこまれることな
く慎重に内容を検討すべきである。
昨日は、今日と同じく早朝から除雪で、記憶が曖昧なのだが、作業を終えて、いつもの
作業をテレビを見ながら行っていると、福島区の新梅田シティそばにあるガラス張りの
ピザハウス「ガレリア」(アーケードとの意)は梅田店の紹介があったので録画してお
き今夜再生する。この店は昨年6月にオープン。もちもちっとした食感が楽しめるピザ
は、店のオーナーであり、ピザ職人の池田浩晃さんが、生地に使う小麦粉にこだわり、
トッピングの野菜は店内で自家栽培し“自家製主義”の新作ピザ作りの特集である。
幻の国産小麦と店内で自家栽培した野菜で仕上げるもちもちピザが評判の謎は、北海道
の希少な国産小麦「はるゆたか」。はるゆたかはきめが細かく、絹のように滑らかで、
こねて焼くともちもちとする。はるゆたか百パーセント(そばでいえば十割そば)を使
うと、水加減も焼き加減も難しい。オーナーシェフの池田さんのピザへのこだわりは野
菜にも注がれ、店内では野菜をLEDライト水耕栽培するというこだわりようである。
天井から釣られたプランターではバジルを栽培。富田林にある1号店でも同様とか。
テレビの中では、北海道江別市ではるゆたかを生産する富永政博さん――仕入れルート
を作ってくれた恩人――からその種を譲り受け、「ガレリア」の個室を改修し、緑いっ
ぱいの個室テーブルの中央から「はるゆたか」が芽を出し、壁の水耕栽培レタスも育っ
ている部屋を撮影する。
以前から「シーザーサラダのようなピザ」を作ってみたかったという池田オーナーシェ
フは、どの店にもない植物工場レタスとオリーブオイル、パルメザンチーズ、黒胡椒で
新しいサラダのはるゆたかピザを焼いて、恩人の富永さんに新作ピザ「植物工場レタス
のビアンカ」をお披露目する(下写真)。
Flora Bianco fabbrica lattuga Pizza
それにしても、ピザ、パスタは、小麦-オリーブオイル-ガーリックの三昧一体の絶妙
なピザ、そこに、チーズや生ミルクが入ればビアンカ。これがトマトが入れば、ロッサ
となる。特に冬のワタリガニのパスタ(リングイネ)は美味い。
【RE100倶楽部:スマート風力タービンの開発 23】
● 事例研究:特開2017-031920 垂直型風力発電システム、
及び垂直型風力発電システムにおける制御方法
【実施形態】
● 第1の態様
複数の直線翼から構成される①垂直型ブレードと、②垂直型ブレードまたは直線翼を保
持するアームと、③アームと固定されアームの回転を支持するシャフトユニットと、④
シャフトユニットと連動し、垂直型ブレードの回転エネルギーを電気エネルギーに変換
する発電機と、⑤垂直型ブレードとアームとシャフトユニットを保持するポールと、ベ
アリング等から構成されシャフトユニットをポールに回動軸支するシャフトユニット保
持部と、、⑥垂直型ブレードの回転面内においてアームに対する直線翼の相対角度をそ
れぞれ独立して回動させる回動手段と、⑦回動手段により相対角度を調整する回転角制
御手段と、⑧垂直型ブレードの回転中心を基準とした平面座標系における基準角度から
の垂直型ブレードまたは個々の直線翼のブレード回転角度と、ブレード回転角度から演
算した相対角度の回転角度テーブルとを有し、回転角度テーブルをもとに回転角制御手
段とを備え、ブレード回転角度に応じて直線翼の相対角度を可変とする構成としている。
● 第2の態様
第2の態様の垂直型風力発電システムは、第1の態様に係る垂直型風力発電システムの
構成において、直線翼の翼型断面形状は、いわゆる対称翼または非対称翼を備えている
構成により、比較的優れた揚力特性および抗力特性を有する対称翼または非対称翼の翼
型断面の翼型を直線翼として搭載することにより、翼型断面による揚力係数および抗力
係数の特性において、回転エネルギー変換効率および発電効率の向上に適した翼型を搭
載することで、垂直型風力発電システムの発電効率の向上を実現することが可能となる
という優れた効果を奏する。さらに、ブレード回転角度に応じて相対角度を変化させる
ことで大幅に回転エネルギー変換効率を向上させた垂直型風力発電システムを実現する
ことができる。
● 第3の態様
第3の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1または第2の態様に係る垂直型風力
発電システムの構成において、回転角度テーブルは、予め演算した値もしくは、一部ま
たはすべてをリアルタイムで演算した値を用いる構成としている。この構成により、回
転角度テーブルをあらかじめ演算しておきメモリに保存して必要な時に取り出す構成と
することにより、相対角度の調整時には演算時間が不要となるとともに、その都度演算
するエネルギーや時間が不要となり、制御時間遅れがなく、且つエネルギー効率の高い
垂直型風力発電システムを実現することができる。一方、リアルタイムで計算する構成
では、回転角度テーブルを保存するメモリ等のシステムが不要となるため、比較的低コ
ストかつ小型の垂直型風力発電システムを実現することが可能となる。
● 第4の態様
第4の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第3の態様に係る垂直型風力発電
システムの構成において、①風速と②垂直型ブレードの回転速度である周速に対する向
周速との合成となる相対風速と、②直線翼の前縁と後縁とを結んだ線分となる翼弦との
なす角度である、③いわゆる迎角において、接線方向の回転力が大きくなるような迎角
にするために相対角度を変化させることを目的として、相対角度は翼弦とアームとの角
度
または翼弦と直線翼の保持位置における接線方向との角度とした構成としている。この
時、相対角度が翼弦とアームとの角度の場合は、相対角度から90度引いた値をピッチ
角度と定義する。ここで、相対角度は、①迎角と、②風速、③周速、④ブレード回転角
度から演算が可能である。翼型特性を表す①揚力係数および②抗力係数は、③迎角との
関係で示しており、回転角度テーブルを演算する基となる翼型特性を精度よく取り入れ
ることが可能となるため、精度の優れた①回転角度テーブルおよび②相対角度を導きだ
すことが可能となり、回転エネルギー変換効率および発電効率の優れた垂直型風力発電
システムを実現することが可能となる。
● 第5の態様
第5の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第4の態様に係る垂直型風力発電
システムの構成において、①平面座標系において垂直型ブレードに流入する風の風速ま
たは垂直型ブレードの周辺の風速を検出する風速検出手段と、②垂直型ブレードの回転
数を検出する回転数検出手段とを有し、③回転角度テーブルは、風速、垂直型ブレード
の翼直径、翼型の風速またはレイノルズ数および迎角に対する揚力特性および抗力から
なる翼型特性、回転数または周速比、翼弦の長さとなる翼弦長、垂直型ブレードの全長
となる翼長、直線翼の翼枚数および垂直型ブレードの翼直径から演算されたソリディテ
ィー、およびブレード回転角度のすべての数値またはいずれか一つ以上の数値から演算
したブレード回転角度と相対角度の関係を表す回転角度テーブルとを有した構成として
いる。
この構成により、風速またはレイノルズ数、垂直型ブレードの翼直径、回転数または周
速比、ソリディティー、ブレード回転角度、翼型およびその翼型特性など、回転エネル
ギー変換効率を向上させるために必要な要素をすべて考慮し、最適かつより精度の高い
相対角度および回転角度テーブルを算出することが可能となり、回転エネルギー変換効
率および発電効率の優れた垂直型風力発電システムを実現することが可能となる。
● 第6の態様
第6の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第5の態様に係る垂直型風力発電
システムの構成において、回転角度テーブルは、迎角または相対角度、ブレード回転角
度、周速比および風速との関係を表したもので、①一方の軸をブレード回転角度、②も
う一方の軸を相対角度、ピッチ角度または迎角として、③周速比および/または風速毎
の複数の情報を有したデータの構成としている。
この構成により、回転エネルギー変換効率を高めるためのブレード回転角度、風速、回
転数または周速比に応じた迎角または相対角度の情報を簡素に取り出すことが可能とな
り、精度の高い回転角度テーブル、回転エネルギー変換効率および発電効率の優れた垂
直型風力発電システムを実現することが可能となる。
● 第7の態様
また、第7の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第6の態様に係る垂直型風
力発電システムの構成において、回転角度テーブルの風速は0m/sから最大100m
/sの範囲とし、相対角度は±180度とした構成としている。この構成により、風速
は微風から強風域をカバーし、相対角度は±180度全域を調整範囲としているため、
あらゆる風況および構成仕様を想定した上で、最適な相対角度を選択することができ、
優れた回転エネルギー変換効率および発電効率を実現した垂直型風力発電システムが可
能となる。
● 第8の態様
また、第8の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第7の態様に係る垂直型風
力発電システムの構成において、平面座標系における風向角度を検出する風向検出手段
を有し、相対角度は、回転角度テーブルより、風速、回転数または周速比、およびブレ
ード回転角度をもとに参照した相対角度に、風向検知手段より検出した風向角度を加算
した風向加算相対角度とする構成としている。
この構成により、①あらゆる風向に対応した回転角度テーブルおよび相対角度を実現す
ることができ、一層精度の高い回転角度テーブルおよび相対角度と、回転エネルギー変
換効率および発電効率の優れた垂直型風力発電システムを実現することが可能となる。
②さらに、回転角度テーブルを事前に算出し、リアルタイムで風向を加算する構成とす
ることで、演算時間を大幅に短縮できるとともに、事前に算出する回転角度テーブルの
演算に十分時間を費やすことができるため、より高精度な回転角度テーブルを実現する
ことができ、より精度の高い回転角度テーブルおよび相対角度と、回転エネルギー変換
効率および発電効率の優れた垂直型風力発電システムを実現することが可能となる。
● 第9の態様
また、第9の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第8の態様に係る垂直型風
力発電システムの構成において、風速に応じて発生する垂直型ブレードの回転エネルギ
ーによる回転トルクと、発電機の負荷による回転抑止トルクを釣り合わせることにより、
垂直型ブレードの回転数を一定回転数に制御する①垂直型ブレードの回転数制御手段を
有し、回転数制御手段は発電機の回転数に応じて発生する回転抑止トルクに対して、②
発電機の回転数に応じて発生する電力、電圧、電流または発電機に付加する抵抗値を変
化させる回転抑止トルク可変手段を有した構成としている。
この構成により、相対角度の可変により制御した回転エネルギーと発電機側の回転抑止
トルクを精度よく釣合わせることが可能となり、垂直型ブレードの回転数を精度よく制
御することができる。特に、回転数を回転エネルギー変換効率のピーク付近で一定とす
ることで回転エネルギー変換効率および発電効率の優れた垂直型風力発電システムを実
現することが可能となる。
● 第10の態様
また、第10の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第9の態様に係る垂直型
風力発電システムの構成において、回転角度テーブルは回転エネルギー変換効率を向上
させることを目的として、風速の風速レベルにより、相対角度を変化させた値とし、①
風速レベルが微風の時は直線翼から発生する力のうち比較的抗力による接線方向の回転
トルクが大きくなる相対角度または回転エネルギー変換効率が大きくなる相対角度とし、
②風速レベルが微風の領域を超えた場合は、直線翼から発生する力のうち比較的揚力に
よる接線方向の回転トルクが大きくなる相対角度、揚力と抗力の比となる揚抗比が比較
的大きくなる相対角度、または回転エネルギー変換効率が大きくなる相対角度としとし
た構成としている。この構成により、風速に応じた最適な相対角度を選択することが可
能となり、回転エネルギー変換効率および発電効率の優れた垂直型風力発電システムを
実現することが可能となる。
● 第11の態様
また、第11の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第10の態様に係る垂直
型風力発電システムの構成において、風速レベルは、4m/s以下の風速を微風とし、
8m/sを超える風速を強風とする構成としている。この構成により、回転角度テーブ
ルより、風速に応じた相対角度を選択することが可能となり、精度の高い回転エネルギ
ーへの変換ができ、回転エネルギー変換効率および発電効率の優れた垂直型風力発電シ
ステムを実現することが可能となる。
● 第12の態様
また、第12の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第11の態様に係る垂直
型風力発電システムの構成において、回転角度テーブルは、回転エネルギー変換効率を
向上させることを目的として、垂直型ブレードの周速比の周速比レベルにより相対角度
を変化させた値とし、周速比レベルが低速の時は直線翼から発生する力のうち比較的抗
力による接線方向の力が大きくなる相対角度とし、周速比レベルが低速の領域を超えた
場合は、直線翼から発生する力のうち比較的揚力による接線方向の力が大きくなる相対
角度または前記揚力と抗力の比となる揚抗比が比較的大きくなる相対角度とした構成と
している。この構成により、周速比に応じた最適な相対角度を選択することが可能とな
り、回転エネルギー変換効率および発電効率の優れた垂直型風力発電システムを実現す
ることが可能となる。
● 第13の態様
また、第13の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第12の態様に係る垂直
型風力発電システムの構成において、周速比レベルは、①周速比が1以下の回転数は低
速とし、②周速比が1を超える回転数は高速とする構成としている。この構成により、
回転角度テーブルより、周速比に応じた相対角度を選択することが可能となり、精度の
高い回転エネルギーへの変換ができ、回転エネルギー変換効率および発電効率の優れた
垂直型風力発電システムを実現することが可能となる。
● 第14の態様
また、第14の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第13の態様に係る垂直
型風力発電システムの構成において、回転角度テーブルは、エネルギー変換効率を向上
させることを目的として、風速および周速比により相対角度を導いた値とし、風速レベ
ルが①微風でかつ周速比レベルが低速の場合は直線翼から発生する力のうち比較的抗力
による接線方向の力が大きくなる相対角度とし、②風速レベルが強風でかつ周速比レベ
ルが高速の場合は、直線翼から発生する力のうち比較的揚力による接線方向の力が大き
くなる相対角度または揚抗比が比較的大きくなる相対角度とし、③風速レベルが強風で
かつ周速比レベルが低速の場合は、直線翼から発生する力のうち比較的抗力による接線
方向の力が大きくなる相対角度とし、風速レベルが微風でかつ周速比レベルが高速の場
合は直線翼から発生する力のうち比較的揚力による接線方向の力が大きくなる相対角度
または揚抗比が比較的大きくなる相対角度とし、それ以外の風速レベルおよび周速比レ
ベルの領域では揚抗比が大きくなる相対角度とした構成としている。
この構成により、回転角度テーブルから、風速および周速比に応じた相対角度を選択す
ることが可能となり、精度の高い回転エネルギーへの変換ができ、回転エネルギー変換
率および発電効率の優れた垂直型風力発電システムを実現することが可能となる。
さらに、態様項数がつづくので、今夜はこの辺までとして、残りは次回に持ち越す。
この項つづく
ヤナーチェク: 弦楽四重奏曲 String Quartet No.1
「クロイツェルソナタに霊感を受けて」
弦楽四重奏曲 第1番ホ短調『クロイツェル・ソナタ』は、レオシュ・ヤナーチェクが
1923年10月30日から11月7日にかけて作曲した弦楽四重奏曲。1924年10月17日にプラハ
にて初演。『クロイツェル・ソナタ』という副題は、レフ・トルストイの同名の小説に
触発されたことを暗示し、ベートーヴェンの「ヴァイオリンソナタ第9番」とは直接的
な関連はない。かつてヤナーチェクは、この小説に霊感を得て弦楽三重奏曲(1904年)
とピアノ三重奏曲(1908年-1909年)の2曲を出発点としているが、この2つは現在散
逸。この弦楽四重奏曲は以下の4つの楽章からなる。全曲を通し演奏で15分程度と短
い。それぞれの楽章は、順を追って物語を展開させ、主人公が妻の不倫を知って苦悩す
る場面から開始楽章が始まり、終楽章で妻の殺害に至る。
【楽曲構成】
革命的な風力タービンⅤ
23 しのびよる危機 / 山地剝(さんちはく)
※ 剝とは、剝ぎ落とす、削り減らすことである。陽の力が次第にむし
取られて、まさに崩壊寸前の危機を示す。序卦伝では、文化の爛熟
が極度に達した後に来る社会衰滅であると説明している。卦の形も、
下から上昇する陰爻が、僅かに残る陽爻を圧倒しており、また高く
そびえる山(艮)が浸食作用によって平地(坤)と化してしまう様
子を表している。自覚症状のない重病、失脚をねらう部下、放蕩(
(一陽に五陰)による破産など、衰運の極である。みだりに力まず、
じっと冬の時代の終わるまで待つことだ。冬来たりなば春遠からじ、
一陽来復の卦が次にひかえている。
● パワー・ツー・ザ・スノータウン
2波の大雪に覆われた滋賀県北部。大雪地帯を抱える高島市、長浜市、彦根市、盲点は
彦根市に露わになるが、高島市も国道161号や湖西道路でトラックが脱輪するなどし
て渋滞が発生しているが、それでも準備は整っている。冬景色の美しさに魅了されるメ
タセコイア並木の景色は北近江の風物詩、大雪でも観光客が訪れている。準備が十分で
あれば、無形の資産ともなる典型事例だろう。
彦根市の旧城下町で江戸時代から続く歓楽街「袋町」(同市河原2丁目)の住民が、相
次ぐ大雪に対応するため除雪機を緊急購入。飲食店主らと11日から運用を始める。袋
町」は芹川の北側で、旧城下町以来の狭い小路に100軒近い飲食店が密集する市内を
代表する飲み屋街。市の除雪作業は主に幹線道路で、街路は住民で協力して行う必要が
あが、地元自治会の深尾淑子会長(68)によると、住民約30世帯の半分以上が80
歳以上の高齢者の世帯で独居も多く、先月からの大雪では雪かきもままならず、家から
出られなくなったお年寄りも大勢出たという(朝日新聞デジタル、2017.02.12)。
それによると、袋町でバーを営み、県社交飲食業生活衛生同業組合の彦根支部長も務め
る戸田守建さん(56)が「困っている人も大勢いるし、雪がどけられなければお客さ
んも来られない」と同業者での共同購入を発案。自治会に相談したところ、飲食店も加
入している自治会費で購入することになった。エンジンが付いた手押し式の除雪機は約
25万円。半額は市からの補助でまかなった。「初出動」は11日未明、戸田さんが店
を閉めた後、午前3時から1時間ほど除雪に回り、夜が明けてからも再び作業した。深
尾会長は「声を上げてもらうまで、除雪機を買うなんて思いもしなかった。ありがたい
」と話した。今後は朝や昼間は住民、夜間は飲食店などが使うことを検討していると、
報じている。
出典:朝日新聞デジタル
超少子・高齢社会日本。かって吉本隆明は少子化に打つ手なしというふうなことを語っ
たことがあり、それもさうだと、同意するところあったが。本当にそうだろうかと考え
たことがあった。その根拠は「社会経済構造の反映」であると。複雑経経済学でいうと
ころの「因果律」、その説明要因として、①高度産業社会の構造(3次超産業占有率)、
②過疎化率、③貧困化率、④高齢化率、⑤高学歴化率などを上げることができ、これは
計量経済学の専門家の分野だからお任せするとして、今挙げた5つの説明要因に対する
是正政策(制度設計)の働きかけにより解明されのではと考えた。そこで、①に対する
働きは、多様性(選択の自由)の拡大を促すことと②の過疎化是正(或いは③の貧困化
率の是正を含む)で、正相関係数が大きくなるだろうと仮構してみた。これらの政策を
一括りにすると「地方分権政策の促進」となるが、これが、このブログで提案してきた
「地方への消費税の完全委譲」と「逆累進制法人税」の2つの税制改革である。吉本隆
明とは異なり「自由放任から自由化の計画へ」という政治スローガンに集約できるよう
に考えている。このように2つ大雪の波を経験してそれを再確認したというわけ。
Feb. 6, 2017
アフガン、大雪による雪崩で100人超死亡
【RE100倶楽部:スマート風力タービンの開発 23】
● 事例研究:特開2017-031920 垂直型風力発電システム、
及び垂直型風力発電システムにおける制御方法
何だか、株式会社WINPROのこの新規考案は、風力タービンのロボット化或いはAI化で
あることが理解できる。言い換えれば、構成・構造に絞った考案で、構成・構造・素材
のトライアングル技術に関する新規考案でない。ここは、骨の折れる作業だが、ここは革
命的なスマート風力タービンの開発を実現するためのビンテージ・ポイントを獲得するために、注
意深く読み進むことにしよう。
● 第15の態様
また、第15の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第14の態様に係る垂直
型風力発電システムの構成において、回転角度テーブルは、回転エネルギー変換効率を
低下させることを目的として、風速レベルおよび回転数または周速比の大小により回転
角を変化させた値とし、風速レベルが強風の場合は直線翼から発生する力のうち比較的
揚力が小さくなる相対角度とする、または風速が強風の場合は直線翼から発生する力の
うち比較的揚抗比が小さくなる相対角度とする構成としている。
この構成により、①風速レベルが強風の時、外部ブレーキにより垂直型ブレードの回転
トルクの制御による回転数の増加を防止する頻度を低減できるため、信頼性が高く、発
電効率に優れた腫直型風力発電システムを実現することが可能となる。②また、回転数
の増大を防ぐことが可能となるため、遠心力の増加による垂直型ブレード、アーム、シ
ャフトユニットおよび発電機などの回転部分の機械的強度を維持することができ、耐久
性、信頼性および機械的強度に優れた垂直型風力発電システムを実現することが可能と
なる。③さらに、発電機は高速回転になるに従い、発生する電流および電圧が増大する
ため、回転数が一定の領域を超えると発生する電流および電圧に耐えられないという発
電機自体の耐圧の問題が発生する。また発生する電流および電圧を保証しようとすると
大型かつ高価になるなどの課題が発生するが、回転数が必要以上に上がらない構成とす
ることで、小型、低コスト、高信頼性の垂直型風力発電システムを実現することが可能
となる。
● 第16の態様
また、第16の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第15の態様に係る垂直
型風力発電システムの構成において、回転角度テーブルは、風速レベルが強風で変動し
た場合でも、回転数制御手段により回転数を一定に制御することを目的として相対角度
を制御する構成としている。この構成により、強風の状態で風速が変化した場合でも垂
直型ブレードの回転数を一定に保つことができるため、強風の場合でも垂直型ブレード
を回転させて発電することが可能となり、発電量を大幅に増加させることが可能となり、
発電効率に優れた垂直型風力発電システムを実現することが可能となる。また、遠心力
による機械的強度の悪化および発電機の電流および電圧の上昇を防ぐことができ、信頼
性に優れた垂直型風力発電システムを実現することが可能となる。
また、に係る垂直型風力発電システムは、第1~第16の態様に係る垂直型風力発電シ
ステムの構成において、①周速比レベルが低速の場合は、直線翼から発生する力のうち
比較的抗力による接線方向の回転トルクが大きくなる相対角度とし、②周速比レベルが
高速の場合は、直線翼から発生する力のうち比較的揚力による接線方向の回転トルクが
小さくなる相対角度または揚抗比が比較的小さくなる相対角度とし、③周速比レベルが
低位から高速の間では、直線翼から発生する力のうち比較的揚力による接線方向の回転
トルクが大きくなる相対角度または揚抗比が比較的大きくなる相対角度とする構成と
している。この構成により、周速比レベルにより垂直型ブレードの回転エネルギーを最
適に選択することができ、発電効率と信頼性に優れた垂直型風力発電システムを実現で
きる。特に、周速比レベルが高速になるまでは、起動しやすくかつ回転エネルギー変換
効率の高い相対角度を選択し、周速比レベルが高速からはできるだけ回転エネルギー変
換効率を選択することで、信頼性および発電効率に優れた垂直型風力発電システムを実
現することが可能となる。
● 第18の態様
また、第18の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第17の態様に係る垂直
型風力発電システムの構成において、回転角度テーブルにおけるブレード回転角度は、
一周を複数のゾーンに分割して、それぞれのゾーンでは同一の相対角度とし、ゾーンは
1から3600の分割範囲である構成としている。
この構成により、ゾーンごとに回転角度テーブルおよび相対角度を設定することができ、
垂直翼の回転角度の調整精度を選択することができ、使用用途に合った回転角度テーブ
ルを作成することが可能となり、発電効率と信頼性に優れた垂直型風力発電システムを
実現することが可能となる。
特に、ゾーンを細かくすることで最適な相対角度の精度は向上するが、回転調整が頻繁
に行われるため、データのやり取りに時間を要したり、摺動部の機械的な摩耗が進むこ
とになる。また、回転調整に使用される電力が増加するため、使用状況に合わせたゾー
ン分けが必要となり、周速比や風速に応じて、ゾーン分けのレベルを変えることにより、
一層発電効率と信頼性に優れた垂直型風力発電システムを実現することが可能となる。
● 第19の態様
また、第19の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第18の態様に係る垂直
型風力発電システムの構成において、ブレード回転角度、周速比、風速および相対速度
との関係を示す回転角度テーブルの特徴は、①横軸をブレード回転角度、②縦軸を相対
角度迎角またはピッチ角とし、周速比および/または風速毎の複数の線分を有し、それ
ぞれが、①SIN波型、②のこぎり刃型、③階段型、④台形型等の形状をしている構成
としている。この構成により、翼型、翼型特性、ソリディティー、周速比、風速、垂直
型ブレードの翼直径から演算される回転角度テーブルにおいて、最適な形状を選択する
ことができ、信頼性および発電効率に優れた垂直型風力発電システムを実現することが
可能となる。
● 第20の態様
また、第20の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第19の態様に係る垂直
型風力発電システムの構成において、回転角度テーブルは、相対角度変化による回転エ
ネルギー変換効率の改善量の演算値を有し、垂直型ブレードが1回転する間の相対角度
の変化量を必要最小限とするために、改善量が所定の値より低い回転角度テーブルにお
けるブレード回転角度またはゾーンでは、相対角度の調整を行わない構成としている。
この構成により、必要最小限の回転調整のエネルギー使用量となり、エネルギーバラン
スに優れ、かつ発電効率と信頼性に優れた垂直型風力発電システムを実現することが可
能となる。
● 第21の態様
また、第21の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第20の態様に係る垂直
型風力発電システムの構成において、回転角度テーブルは、相対角度変化による回転エ
ネルギー変換効率の改善量の演算値を有し、垂直型ブレードが1回転する間の相対角度
の変化量を必要最小限とするために、一つ前のゾーンの相対角度と差となる相対角度変
化量が必要最小限となるよう、改善量に対し相対角度変化量を優先した回転角度テーブ
ルとした構成としている。この構成により、必要最小限の回転調整のエネルギー使用量
となり、エネルギーバランスに優れ、かつ発電効率と信頼性に優れた垂直型風力発電シ
ステムを実現することが可能となる。
● 第22の態様
また、第22の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第21の態様に係る垂直
型風力発電システムの構成において、周速比が1以下の場合、平面座標系における基準
角度からの個々の直線翼のブレード回転角度が、第一象限または第二象限で指定角度ま
たは指定のゾーンのみ抗力による回転トルクの低減(マイナストルク)を減少させ、第
3象限から第4象限の指定角度または指定のゾーンのみ抗力による回転トルクを増加さ
せる相対角度とする構成としている。この構成により、必要最小限の回転調整のエネル
ギー使用量となり、エネルギーバランスに優れ、かつ発電効率と信頼性に優れた垂直型
風力発電システムを実現することが可能となる。この時、風向はX軸と一致するような
平面座標系としているが、実際の風向を別途加算する必要がある。
● 第23の態様
また、第23の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第22の態様に係る垂直
型風力発電システムの構成において、周速比レベルが低速を超える場合は、平面座標系
における基準角度からの個々の直線翼のブレード回転角度が第1象限から第4象限の特
定角度のみ、直線翼から発生する力のうち比較的揚力による接線方向の力が大きくなる
相対角度または揚抗比が比較的大きくなる相対角度となるよう前記回転角度テーブルと
する構成としている。この構成により、必要最小限の回転調整のエネルギー使用量とな
り、エネルギーバランスに優れ、かつ発電効率と信頼性に優れた垂直型風力発電システ
ムを実現することが可能となる。この時、風向はX軸と一致するような平面座標系とし
ているが、実際の風向を別途加算する必要がある。
● 第24の態様
また、第24の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第23の態様に係る垂直
型風力発電システムの構成において、周速比レベルは、回転エネルギー変換効率を向上
させることを目的として、周速比レベルが低速の場合と比較し、①周速比レベルが高速
の場合は、相対角度の変動量が小さくなるように回転角度テーブルを設定するとともに
②周速比レベルが低速の場合から周速比レベルが高速の場合に変化するに従い、相対角
度の変動量を順次小さくするように回転角度テーブルとし、③周速比レベルが高速の場
合から周速比レベルが低速の場合に変化するに従い、相対角度の変動量を順次大きくす
るように、回転角度テーブルとした構成としている。この構成により、周速比レベルに
応じたもっとも回転エネルギーへの変換効率の高い垂直型風力発電システムを実現でき
る。
● 第25の態様
また、第25の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第24の態様に係る垂直
型風力発電システムの構成において、周速比レベルにおいて、回転エネルギー変換効率
を向上させることを目的として、周速比レベルが低速の場合のみ相対角度の調整を行う
回転角度テーブルとした構成としている。この構成により、必要最小限の回転調整のエ
ネルギー使用量となり、エネルギーバランスに優れ、かつ発電効率と信頼性に優れた垂
直型風力発電システムを実現することが可能となる。
● 第26の態様
また、第26の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第25の態様に係る垂直
型風力発電システムの構成において、周速比レベルにおいて、回転エネルギー変換効率
を低下させる、または垂直型ブレードの回転数を一定とすることを目的として、周速比
レベルが高速の場合のみ相対角度調整を行う回転角度テーブルとした構成としている。
この構成により、必要最小限の回転調整のエネルギー使用量となり、エネルギーバラン
スに優れ、かつ発電効率と信頼性に優れた垂直型風力発電システムを実現することが可
能となる。
● 第27の態様
また、第27の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第26の態様に係る垂直
型風力発電システムの構成において、回転角度テーブルは、風速レベルが強風の時に、
①回転エネルギー変換効率を低下させるとともに、②回転数の増加を抑えるために、回
転エネルギー変換効率を低減させるとともに、最大回転トルクおよび最大回転エネルギ
ーを発生する周速比または回転数の位置を低速側に移動させた相対角度調整を行う回転
角度テーブルとした構成としている。この構成により、強風時に回転トルクを低減し、
さらに、回転数を低い側に移動させることで、強風時でも低い回転数で回転数制御が可
能となる。従って、理論上は、風速がどんどん速くなっても、一定の回転トルクでかつ
一定の回転数での垂直型ブレードの出力および回転数制御が可能となることで、信頼性、
耐久性、発電能力に優れた垂直型風力発電システムを実現することが可能となる。
● 第28の態様
また、第28の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第26の態様に係る垂直型風力
発電システムの構成において、回動手段は、①ステッピングモータや②DCモータなど動力源
と、②動力源の回転力を直線翼に伝達するギヤなどの伝達機構と、③動力源に電力を共有す
る電池などの電源より構成され、①動力源、②伝達機構はアームに格納され、③電源はアーム
またはポールに格納される構成としている。この構成により、小型、簡素かつ効率的に回動手
段および動力源を構成することが可能となり、発電効率に優れ、小型かつ低コストの垂直型風
力発電システムを実現することが可能となる。
● 第29の態様
また、第29の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第27の態様に係る垂直
型風力発電システムの構成において、電源がアームに格納されている場合の電源への電
力供給手段は、①シャフトユニットの固定部と②回転部における接触給電または非接触
給電とし、電源がポールに格納されている場合の駆動源への電力供給手段は、①シャフ
トユニットの固定部と②回転部における接触給電とした構成としている。この構成によ
り、電源に簡素かつ高信頼性の給電手段を実現することが可能となり、発電効率に優れ
小型かつ低コストの垂直型風力発電システムを実現することが可能となる。
● 第30の態様
また、第30の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第28の態様に係る垂直
型風力発電システムの構成において、電源が記アームに格納されている場合の電源への
電力供給手段は、垂直型ブレードの回転停止している場合のみ、接触給電または非接触
給電とした構成としている。この構成により、電源に簡素かつ高信頼性の給電手段を実
現することが可能となり、発電効率に優れ、小型かつ低コストの垂直型風力発電システ
ムを実現することが可能となる。
この項つづく
中分子や高分子を安定に貯蔵
ナノテクノロジーの進展は著しい。7日、産総研は 中分子や高分子を安定に貯蔵でき
るナノカプセルを開発したことを公表(上図)。①これはタンパク質など分子量の大き
い化合物の構造を安定化できるナノカプセル(内径5~40 nm)で、②アミノ酸、糖、脂
肪酸だけを原料とし、簡便に合成できるため量産化が可能となり、③さまざまなサイズ
(分子量で数万~数十万)のタンパク質の包装剤への応用に道がひらかれる。
コンパクトハイパワー燃料電池システムを開発
同様に、同研究所は、9日、出力や耐久性の向上により、移動体やロボットなどへの応
用に期待できる、コンパクトハイパワー燃料電池システムを開発したと公表。①部分酸
化改質や水蒸気改質機能を持ち、耐久性の高い新たなナノ構造電極材料で、②カートリ
ッジ式のガス燃料に加え、さまざまな液体燃料の内部改質発電が可能で、③長時間運転
を実現する移動体レンジエクステンダーやロボット・ドローンなどの電源への応用に期
待されるとのこと(上図)。これも掲載しておこう。
革命的な風力タービンⅥ
24 一陽来復 / 地雷復(ちらいふく)
※ 破壊のあとに建設が始まる。復興である。「復」は冬至を示す。
陰の気(--)がたれこめている中に、陽の気(-)が萌し始め、
徐々に春が立ち復(かえ)るのだ。卦の形も、地中(坤)深い
所に春機が発動(震)していることを示している。長かった苦
しみも、もう一息だ。しかし焦って今すぐ飛び出すようなこと
をしてはいけない。あわてて芽を出そうとすれば、晩霜に遇っ
てたちまちくじかれる。じりくりと将来の大計を樹てるべきと
きである。易占では、復縁、仲直り、失せ物によいとされる卦
である。
【RE100倶楽部:スマート風力タービンの開発 24】
● 事例研究:特開2017-031920 垂直型風力発電システム、
及び垂直型風力発電システムにおける制御方法Ⅲ
● 第31の態様
また、第31の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第29の態様に係る垂直
型風力発電システムの構成において、電力源35への電力の供給は、太陽光パネルをア
ーム3の表面に張り、太陽光パネルから電力源35に電力を供給する構成としている。
この構成により電力源35への電力の供給が簡素な構成で行うことができ、小型かつ低
コストの垂直型風力発電システム15を実現できる※。
※ 第31項は、ハイブリッド化であるが、わたし(たち)なら、現在進行中の「全国
無電柱化」にあわせ、信号機や防犯カメラ、拡声機、防犯灯などの機能を融合させ「
道路構造令に建築限界」を配慮し、高さ6メートル程度の「マルチ・タウン電柱」
として刷新し、意匠性と機能性を調和させた、"Think Globally Act Locally"で革命的
な「ウインド・タービン・ポール」として世界展開する絵を描く。
上記した構成により、回転角度テーブルの高精度化、垂直型風力発電システムの発電効
率の向上、信頼性の向上および小型化が可能となるため、小型高性能、高効率かつ高信
頼性の垂直型風力発電システムを実現できる。
また、次のような制御方法として提供することもできる。
複数の直線翼から構成される垂直型ブレードと、直線翼を保持するアームと、アームの
回転を支持するシャフトユニットと、シャフトユニットと連動する発電機とを有し、風
力によって回転する垂直型ブレードの回転エネルギーを電気エネルギーに変換する①垂
直型風力発電システムの直線翼の制御方法で、アームに対する②直線翼の相対角度をそ
れぞれ独立して回動可能に構成し、垂直型ブレードの回転中心を基準した平面座標系に
おける基準角度からの垂直型ブレードまたは個々の直線翼のブレード回転角度と、ブレ
ード回転角度から演算した相対角度の回転角度テーブルとを有し、回転角度テーブルを
もとに、ブレード回転角度に応じて直線翼の相対角度を変化させることを特徴とする。
さらに、上記の垂直型風力発電システムにおける回動手段を備えた垂直型ブレード、ま
たは回転角制御手段の単独で提供してもよしとする。
【符号の説明】
1 垂直型ブレード 2 直線翼 3 アーム 4 シャフトユニット 5 発電機 6 ポ
ール 7 シャフトユニット保持部 8 相対角度 9 回動手段 10 回転角制御手段
11 平面座標系 12 基準角度 13 ブレード回転角度 14 回転角度テーブル
15 垂直型風力発電システム 16 風速 17 風速検出手段 18 回転数検出手段
19 風向検出手段 20 回転トルク 21 回転抑止トルク可変手段 22 発電機コ
ントローラ(回転数制御手段) 23 パワーコントローラ 24 結合部 25 翼弦
26 翼直径 27 取付け部 28 風向 29 翼弦長 30 駆動源 31 動力伝達
部 32 軸支部 33回動軸部 34 翼長 35 電力源 36 向周速 37 相対
風速 38 迎角 39 ピッチ角度 40 揚力 41 抗力 42 揚力による回転トル
ク 43 抗力による回転トルク
● 実施形態1
図1~図13を参照して実施の形態1に係る垂直型風力発電システムについて説明する。
図1および図2A~Cは、実施の形態1に係る垂直型風力発電システムの構成の一例を
示した模式図である。図1では、実施の形態1に係る垂直型風力発電システムを側方か
ら見たときの構成を模式的に示している。
図2A~Cでは、実施の形態1に係る風力発電システムを上方から見たときの構成を模
式的に示している。図3は実施の形態1に係る風力発電システムに搭載する直線翼2の
回動手段9の構成を示した略図である。図1および図2A~Cに示すように、垂直型風
力発電システム15は、垂直型ブレード1、直線翼2、アーム3、シャフトユニット4、
発電機5、ポール6、シャフトユニット保持部7、相対角度8、回動手段9、回転角制
御手段10、平面座標系11、基準角度12、ブレード回転角度13、回転角度テーブ
ル14、垂直型風力発電システム15、風速16、風速検出手段17、回転数検出手段
18、風向検出手段19、回転トルク20(図10に図示)、回転抑止トルク可変手段
21(図10に図示)、発電機コントローラ22(回転数制御手段)(図10に図示)、
パワーコントローラ23(図10に図示)、結合部24、垂直型ブレードの取付け部2
7、風向28より構成されている。
垂直型ブレード1は複数の直線翼2から構成され、アーム3により回動可能に保持され
る。シャフトユニット4はアーム3を固定し保持するとともにアームの回転を支持する
。シャフトユニット4は前記垂直型ブレード1の回転エネルギーを電気エネルギーに変
換する発電機5の回転部分(ロータ、シャフトなど)と結合(または一体化)され連動
し、垂直型ブレード1の回転エネルギーを電気エネルギーに変換する。
この際、結合部24(詳細は図示せず)を介してシャフトユニット24と発電機5の回
転部分とを結合してもよく、結合部24はカップリング、ギヤ、増速機、減速機などの
いずれかから構成されている。この時、結合部24の増速比または減速比により垂直型
ブレード1の回転数―出力特性と、発電機5の回転数-出力特性をマッチングさせるこ
とが可能となる。
ポール6は、ベアリングおよび保持部(詳細は図示せず)などから構成されているシャ
フトユニット保持部7により、垂直型ブレード1とアーム3とを固定したシャフトユニ
ット4を保持し、シャフトユニット4をポール6に回動可能状態で保持する。一方、
1個又は複数個備える風速検出手段17は垂直型ブレード1の周辺の風速を検出し、回
転数検出手段18は垂直型ブレード1の回転数を検出し、風向検出手段19は垂直型ブ
レード19に流入する風の平面座標系11の回転中心Oを中心とした基準角度12に対
する風向28(角度)を検出する。
また、直線翼2はアーム3に回動手段9により回動可能に保持されている。図3(a)、(
b)は実施の形態1に係る風力発電システムに搭載する直線翼2の回動手段9(直線翼
2、アーム3は含まない)の構成を示した略図である。回動手段9は回動軸部33、ス
テッピングモータ、DCモータ、超音波モータ、圧電素子などの駆動源30、ギヤ、カ
ップリング、シャフトなどから構成される動力伝達部31、ベアリングなどを用いた軸
支部32、駆動源30に電力を供給する電池などの電力源35より構成され、直線翼2
はアーム3に対して、最大で±180度の回動状態で保持される。
この際、軸支部32はベアリングに限らず摺動性を有した公知の軸支部材でも良い。ま
た、動力伝達部31は各種ギヤやカップリングを介しても良いし、駆動源30と回動軸
部33を直接結合する構成でも良い。
図3(a)、(b)の差は駆動源30および動力伝達部31の一部を垂直または水平に
配置したことである。図3(b)の構成では、駆動源30、動力伝達部31および電源
35の水平部をアーム3の内部に収納することも可能である。駆動源30、動力伝達源
31、電源35をアーム3に格納することで、垂直型風力発電システム15の小型化が
可能であるとともに、風雨や紫外線の影響を抑えることができ、信頼性および耐久性に
優れた垂直型風力発電システム15を実現できる。
図2Aは平面座標系11(X軸、Y軸、Z軸、原点O)における基準角度12(0度)、
垂直型ブレード1(直線翼2)の2種類のブレード回転角度13(θ)、垂直型ブレー
ド1の直径となる翼直径26、アーム3と直線翼1の取付け部27および2種類の相対
角度8、風速16、風向28、翼直径26をそれぞれ示している。直線翼2はアーム
3に対して取付け部27の位置に相対角度8の取付け角で回動可能状態にて保持されて
いる。
図2Bおよび図2Cはブレード回転角度13と迎角38との関係を示した図である。図
2Bにおいて、直線翼2は説明を簡素にするため約180度の位置にあり、風速16の
条件で、垂直型ブレード1の回転数に応じた翼直径26(外周)の回転速度で周速35
で回転している。この時、周速35は「m/s」の単位で表すものとする。
図2Cは、図2Bにおける迎角38を表した図で、翼型特性を表す際に用いられる迎角
38は、次のように求められる。すなわち、風速16と垂直型ブレード1の翼直径26
(外周)での回転速度である周速35に対する向周速36との合成となるいわゆる相対
風速37と、直線翼2の翼弦25とのなす角度である。
基本的な仕組みとして、接線方向の回転力(回転トルク)が大きくなるような迎角38
にするために相対角度8を変化させる。図4(a)は実施の形態1に係る風力発電シス
テムに搭載する直線翼2の断面形状においていわゆる対称翼の一例を示した図で、図4
(b)はいわゆる非対称翼の一例を示した図である。直線翼1の前縁と後縁とを結んだ
線分を翼弦25とし、翼弦25の長さを翼弦長29としている。
また図4(c)は、図4(a)、(b)に示す翼型断面における取付け位置27を中心
として回転させた時の、相対風速37と翼弦25との角度となる迎角38と翼型断面の
表面で発生する揚力40および抗力41の関係を示している。風速16、翼弦25、取
付け部27、ブレード回転角度13、相対角度8、相対風速37、迎角38、ピッチ角
度39、揚力40、抗力41、揚力40による回転トルク42、抗力41による回転抑
止トルク(マイナストルク)43の関係を示した図である。相対角度8はアーム3と翼
弦25とのなす角の場合の図である。 この時、相対角度8を翼弦25と取付け位置27
における接線方向との角度とした場合はピッチ角度39が相対角度8となる。
図4(c)においてピッチ角度39は(相対角度8)-90度で表すことができる。ま
た、抗力41による回転抑止トルク43は周速比が1以下でブレード回転角度14が
180度から360度の間では、正の回転トルクとなる場合がある。したがって、周速
比が1以上の領域で回転エネルギー変換効率Cpを上げるには、揚力40による回転ト
ルク42を大きくし、抗力41による回転抑止トルク43を小さくすることが必要とな
る。また、周速比が1以下の領域で回転エネルギー変換効率Cpを上げるには、揚力
40による回転トルク42を大きくし、抗力41による回転抑止トルク43を小さく
するとともに、抗力41による回転トルク43(第3および第4象限ではプラストルク
が発生する)を大きくすることが必要となる。
図5は実施の形態1に係る風力発電システムに搭載する直線翼2の断面形状における翼
型特性を示した図である。図5(a)は迎角38(ATTACK ANGLE)と揚力係数(C
L)の関係を示し、図5(b)は迎角38(ATTACK ANGLE)と抗力係数(CD)と
の関係を示した一例(特定の風速、またはレイノルズ数における参考図)である。回転
角度テーブル14におけるピッチ角度39の演算を行う場合、それぞれの風速またはレ
イノルズ数毎の翼型特性を考慮することは必須であり、この特性を考慮しない限りCp
を最大とする回転角度テーブル14の演算は困難となる。逆に、様々な風速またはレイ
ノルズ数に対応した翼型特性があれば、精度よく回転角度テーブル14を作成すること
が可能となる。
ここで、抗力係数および揚力係数は、ともに係数に1/2(ρCV2)をかけることで
力(N/m)に換算できる。この時、ρは空気密度(kg/m3)、Cは翼弦長29(
m)、Vは風速(m/s)とする。図6は、実施の形態1に係る風力発電システムに搭
載する直線翼2における周速比λと風速16、向周速36、相対速度37とブレード回
転角度(θ)13との関係を示した模式図である。
図6(a)および図6(b)は周速比λが1以下の領域の場合と、周速比が1を超えた
場合のブレード回転角度13と相対速度37の関係を示している。特に、周速比1以下
ではピッチ角度38の調整角度によっては、ブレード回転角度(θ)13が180度~
360度の領域では抗力による回転トルク(プラストルク)を発生させることが可能と
なる。
また、図6の(c)と図6の(d)は周速比と迎角38の関係を示した図である。ピッ
チ角度39を0度に固定した場合、周速比が1以下の領域では迎角38は0度~360
度となるが、周速比が1を超えると迎角は大幅に小さくなることが分かる。また、全て
の周速比において相対風速37は垂直型ブレード1の平面座標系11における下流側(
0≦φ≦90度、270度≦φ≦360度)では翼型の腹側から当たることになる。
この項つづく
デル・シャノン(Del Shannon、1934年12月30日 - 1990年2月8日)は、米国のシンガー
ソングライター。1961年のデビューシングル「悲しき街角(Runaway)」がビルボード
1位を獲得する。ミシガン州グランドラピッズに生まれ、その近くのクーパースヴィル
で育つ。本名は、Charles Weedon Westover。14歳の時にギターを手にしたのきっかけ
にミュージシャンを決意。高校時代にバンドも結成し、ナイトクラブにも出入りし活動
を開始。一時期軍隊に入隊、除隊後と地元ミシガンでオルガニストのマックス・クルッ
クと共にバンドを結成。1961年に「悲しき街角」が大ヒット、ここからシャノンの運命
が大きく変わる。その後ヒットを何曲か飛ばし、1963年にイギリスに上陸した際にはビ
ートルズとも面識があったという。1964年にピーター&ゴードンが歌った「アイ・ゴー・
トゥ・ピーセス」(シャノン自身のパージョンは翌1965年に発表)がヒット。
しかし、1960年代の半ば頃から徐々に精神的バランスを崩し、アルコールにも手を出す。
ヒットも「さすらいの街角(街角のストレンジャー)」を最後に長い低迷時代を向え、
1982年にフィル・フィリップスの1959年のヒット曲「シー・オブ・ラブ」をカヴァーを
し、全米トップチャートで40位にランクイン。1985年には「ミュージックフェア」にも
出演を果たす。テレビ朝日のオールディー番組に出演するが、その日は番組開始10分過
ぎ位に入った御巣鷹山の日航機事故特別臨時ニュースのためカットされる。1990年2月8
日、自宅で猟銃自殺を遂げる55歳没。ポスト60年安保の頃、僕たちの青春と共にあ
った。
革命的な風力タービンⅦ
25 流れのままに / 天雷无妄(てんらいむぼう)
※ 破壊のあとに建設が始まる。復興である。「復」は冬至を示す。
※ 无は無、妄は望、こうしたいという則行や予定、下心や手練手管
を拾てて、なりゆきのままに身を、ゆだねることである。老子の
無為自然の辺に近い。無望とはまた、思いもかけぬこと、予期せ
ぬことである。天の摂理に身をまかせ、思いがけない出来事にぶ
つかっても、動揺したり、作為を慟かせたりしないで、静かにま
率直にそれを受け入れることだ。もちろんそれは単なる消極とは
ちがう。ひでりや洪水に見舞われても、黙々と大地と取り組んで
離れない農夫の心、苦しみに耐えて子を育てる母の態度である。
なお、栄代の学者は妄をいつわり、でたらめと解し、「无妄」と
は至誠頁実のことだと説明している。
● ひこにゃんだけじゃなく、キャッフィーもお忘れなく!
「ひこにゃん」に届いたバレンタインデーのチョコレートなどのプレゼントが14日、
彦根市役所で披露された。14日時点では過去最多の326個で総数も最多だった14
年の336個を上回る見込みだとうが、滋賀県のイメージキャラクター「キャッフィー」
は2個にとどまっている。ひこにゃんには近畿を中心に北海道から鹿児島まで27都道
府県から、手作りチョコレートやワイン、栄養ドリンクなどが届いている。
一方、キャッフィーへのチョコはわずか2個!、しかし、昨年はゼロだっただけに「チ
ョーうれしい」とコメント。ともに県のキャラクターを務める「うぉーたん」は今年も
ゼロだったという(京都新聞、2017.02.14)。ところで、この僕は?というと、いつも
の義理チョコ!と、そして、息子たちからの差出人不詳の闇チョコ!、とほほの、ホッ
ツだ!?
【RE100倶楽部:ローソンのスマートエネルギー店舗オープン】
13日、ローソンは、経済産業省の「バーチャルパワープラント構築実証事業」の一環
として、IoT(モノのインターネット)を活用した節電制御などを実現する店舗をオープ
ンすると発表。「ローソン小平天神町二丁目店」で、17日に開店し、慶應義塾大学 SFC
研究所と共同で実証実験する。バーチャルパワープラント(VPP)の技術や太陽光発電な
どを組み合わせることで、電力購入量を15年度の標準的な店舗の平均値に比べ、約6
割削減できる見込み。コンビニエンスストアで「VPP構築実証事業」の採択を受けた事業
者は、ローソンが初めて。
太陽光発電システムの出力は22kW相当で、パネルは屋根に設置する。出力10kW相当
分を売電し出力12kW相当分を自家消費する。店内に容量5.6kWhの蓄電池システムを
設置、太陽光発電電力の充放電などを行う。スマートハウス向けの通信プロトコルであ
る「ECHONET Lite」に対応し、遠隔で制御する。節電にも活用できる。このほか、LE
D照明、自然循環換気、床下吸気による地熱利用、換気トップライト(太陽光を取り入
れてLED照明と連動させる照明方法)といった省エネ効果の高い設備を導入する。これ
らの設備にIoTを導入し、節電量の算出やエネルギーの一括制御に生かす。
ローソンでは08年以降、創エネ設備や省エネ技術を導入し、実験・検証を進めてきた。
この成果を生かし、既存店舗に太陽光発電システムやLED照明、二酸化炭素冷媒による冷
凍・冷蔵機を導入している。既存店への太陽光発電システムの導入では、屋根上に出力
12kW相当の太陽光パネルを並べ、10kW相当を売電、2kW相当を店舗で自家消費して
いる。12年に着手し、17年1月末時点で約2千店舗に設置ずみ。
【省エネ倶楽部:空気ヒートポンプで90℃の熱風供給を実現】
13日、三菱重工サーマルシステムズらは、工場における乾燥工程などでは、化石燃料
による蒸気ボイラーや熱風発生装置などが広く使われており、ヒートポンプによる省エ
ネが望まれている。一方、従来の高温ヒートポンプの多くは、工場の廃温水から熱回収
する水熱源ヒートポンプまたは温水生成ヒートポンプのため、冷温水を循環させる配管
や空気熱交換器を設置する必要があり、コストやスペースの面で課題。
Feb. 13, 2017
熱Pu-tonは、家庭用のルームエアコンと同様に、大気から熱を取り込む室外機と、熱風
を直接生成する室内機から構成される空気熱源ヒートポンプ。2個の圧縮機を直列接続
し、圧縮機の仕事を分散することで損失を軽減し、高効率な熱風供給運転を可能にした。
また、吹き出し温度を低下させないよう圧縮機回転数を制御することで、冷媒配管長を
最大片道50メートルまで対応。
事例:フィルムを貼り合わせるドライラミネーターに適用した実証試験では、工場内の
分散配置による配管ロスの低減により、集中配置が必要な蒸気加熱システムと比べてラ
ンニングコストを約5割、エネルギー消費量を約6割、二酸化炭素排出量を約5割削減。
【RE100倶楽部:スマート風力タービンの開発 25】
● 事例研究:特開2017-031920 垂直型風力発電システム、
及び垂直型風力発電システムにおける制御方法Ⅲ
● コンパクトでスマートに環境と融和
昨日は、 意匠性と機能性を調和させた、"Think Globally Act Locally"で革命的な「ウイン
ド・タービン・ポール」として世界展開する絵を描いてみたが、その新規考案事例を掲
載してみよう(下図「特開2017-015792 避難誘導用注意喚起装置」参照)。垂直型風力
発電街塔(=ウインド・タービンポール)の意匠特性は、①できる限りスリムなものに
し、死角や物陰を作らない(防犯性)。②反対に、交通事故予防などを配慮しポールは
視界に目立たなければならない(視認性・安全性)、③そして、町並みのなどの景観を
損なわない(環境融合性)が前提となる。したがって、、風力発電装置の①ブレード、②
アームや③集風道はコンパクトに設計し、風況に合わせ、水平方向に、拡張(あるいは
収縮)するものは不適合なため、固定支持されたものでなkればならない。
従って、これらの機能を構成する素材は、既存の金属や合金とはことなり、軽くて、よ
り機械的強度が大きく、しなやかな素材でなければなら。さらに、ウインド・タービン
岳でなくポール自体も同じような特性をもつ素材を選択する必要があるが、これについ
てはまた後日取り上げる、
Jan. 19, 2017
【符号の説明】
1 ブレード 11 平面 2 基台 3 風力発電機 31 蓄電装置 4 蓄光板 5
紫外線光源 6 可視光線光源 7 光源スイッチ 8 太陽光発電機
なお、上図は、複数のブレード1を基台2に等間隔かつ対称的に起立固定、風力を受け
て縦軸回りに回転、このトルクにより風力発電機3で発電可能にし、この電力を蓄電装
置31に蓄電し、一方、ブレード1の表面には、蓄光材を担持する蓄光板4を止着。基台
2には、蓄電装置31から電力が供給される紫外線光源5を配設、この紫外線光源5で紫
外線が蓄光板4に照射され蓄光しブレード1の表面を発光するとともに、この紫外線光
源5の発光時間を、光源スイッチ7で、点滅制御する技術的手段を採用し、遠方からも
良好な視認でき、省電力で発光効率の高い避難誘導用注意喚起装置の新規提案である。
この特許を構成する風力発電機が磁気反発軸受型を採用した下図の「特開平11-159438
発電機を備えた屋外設置物」に例示されているので参考に掲載しておく。
これによると、発電機能を備えたモニュメントや看板等が風を受け回転するにはモニュ
メントの形状が重要で、風のエネルギーを効率よく回転エネルギーに変換出来る形状で
あること、ひいては発電効率が高くする。従来の風力発電の羽根形状には、サボニウス
型、ダリウス型、パドル型を基本ベースにした形状で、より高い受風効率を得ることが
出来、モニュメントの回転はモニュメントの役割を果たすために、①低速で回転が必要
であり、例えば、②15rpmでも十分な発電が出来、②発電機との間に増速機を連結
し、③効率よく発電するには1000rpm~2000rpmで回転し、④そのために
100倍以上の増速が必要で、⑤発電機はモニュメントの回転速度が一定以上に達した
段階で回るように、カップリングを増速機との間に介在させるものとある。この構成、
構造についてはまた別の機会で触れることにする。
● 実施形態1
さて、昨日につづいて、「特開2017-031920 垂直型風力発電システム、及び垂直型風力
発電システムにおける制御方法」の「実施形態1」をみてみよう。
上図7は実施の形態1に係る垂直型風力発電システム15に搭載する回転角度テーブル
14の一例を示した図である。図7(a)はブレード回転角度13を分割した参考図で
あり、この場合360度を8等分し、それぞれのゾーンごとに最適な相対角度8の演算
を行う。図7(b)はゾーンの分割数を増やして相対角度8を演算した回転角度テーブ
ル14の一例を示した図であり、風速16が12m/sとした時の各周速比におけるピ
ッチ角度39の回転角度テーブル14の一例を示す。
回転角度テーブル14は、垂直型風力発電システム15の回転エネルギー変換効率を向
上させるために、迎角38、相対角度8またはピッチ角度39、ブレード回転角度13
周速比および風速16との関係を表したもので、横軸にブレード回転角度13、縦軸に
相対角度8、迎角38またはピッチ角度39を配して、周速比および/または風速毎の
複数の情報をマッピングデータ化した、グラフ、表などのデータ情報を示したものであ
る。
比較的回転数が低い周速比0.5の状態では比較的回転数が高い周速比3の状態に比べ
て、回転エネルギー変換効率(Cp)が最大となるピッチ角度39(相対角度8)の値
は大きく変化させる必要がある。このように、Cpを最大とする相対角度8、迎角38
およびピッチ角度39は、周速比により大きく変化し、周速比が大きい場合と比較し、
周速比が小さい場合の方が角度の変化量が大きくなる。
なお、風速は0m/sから最大100m/sの範囲を想定し、相対角度8は90度を基
準に調整範囲を±180度としている。ここで、特に周速比0.5の場合の270度付
近において、Cpが最大となるピッチ角度39は+80度から-80度へ大きく変化す
るが、エネルギー変換効率変化量(ΔCp)を定義して、ΔCpによるエネルギー改善
効果と回転に必要となるエネルギーを考慮し、そのメリットがあればピッチ角度39を
調整してもよいし、ΔCpの改善効果が低いようであれば、ピッチ角度39の変化量が
小さくなる回転角度テーブル14としても良い。ここで、垂直型ブレード1のパワーP
(出力 W)は、回転トルクQ(Nm)と回転角速度ω(rad/sec)の積でありP=Qω
という関係がある。
回転角度テーブル14の算出は、平面座標系11において垂直型ブレード1に流入する
風の風速16、垂直型ブレード1の翼直径26、翼型の風速またはレイノルズ数および
迎角38に対する揚力特性および抗力からなる翼型特性(図5参照)、垂直型ブレード
1の回転数または周速比、翼弦25の長さとなる翼弦長29、直線翼2の翼枚数および
翼直径26から演算されたソリディティー(翼直径26における円周の長さと翼弦長29
×翼枚数の比率)、垂直翼2の全長となる翼長34、および基準角度12からの垂直型
ブレード1または直線翼2の回転角度となるブレード回転角度13のすべての数値また
はいずれか一つ以上の数値から演算される。
この時、上記の各々の情報がすべてあれば精度のよい回転角度テーブル14を作成でき
るが、翼長34は基準長さで代用(演算)すれば回転角度テーブル14は算出可能であ
り、翼全体の回転エネルギーは計算できないが、相対的な値は算出可能となるため、回
転角度テーブル14の算出に翼長34は必須ではない。また、風速16および周速比は
平均的な値を代入することで、回転角度テーブル14の大まかな形を算出することは可
能である。
回転角度テーブル14はあらかじめ計算しておいても良いし、リアルタイムで計算する
構成でもよい。あらかじめ計算しておく場合には、少なくとも迎角38、相対角度8ま
たはピッチ角度39、ブレード回転角度13、周速比および風速16との関係をデータ
セットの形で備えておき、風速検出手段17、回転数検出手段18、風向検出手段19
による検出結果を参照して、ブレード回転角度13に応じた迎角38、相対角度8また
はピッチ角度39を読み出すことができる。具体的には、回転角度テーブル14はコン
ピュータの記憶手段に格納し、各検出手段17,18,19の検出結果をコンピュータ
に入力することで、読み出しが実現される。一方、リアルタイムで計算する構成では、
翼直径26や上記ソリディティー(solidity)の値などは予め備えたものを用い、風速検
出手段17、回転数検出手段18、風向検出手段19による検出結果をコンピュータの
演算手段に入力し、ブレード回転角度13に応じた迎角38、相対角度8またはピッチ
角度39を算出することができる。
以下、図面および数式を用いて、その概要を説明する。
二重アクチュエータ多流管モデルによる風車特性計算の概要を説明する。二重アクチュ
エータ多流管モデルでは、図19に示すような複数の流管を設定する。そして、図20
に示すようにブレード回転円と各流管が交差する上流側および下流側それぞれの位置に
アクチュエータ面を仮想し、各流管に対して翼素運動量理論を適用する。
なお、図20中において p∞ : 垂直型風車上下流の一様流および風車内の圧力(大気圧)
R : アーム長(ブレード回転半径)
A∞ : 流管s 入口面積
V∞ : 流管s 入口の風速(一様流風速)
Au : 流管s の上流側アクチュエータ面における断面積
Vu : 流管s の上流側アクチュエータ面における風速
p+u : 流管s の上流側アクチュエータ面上流側における圧力
p-u : 流管s の上流側アクチュエータ面下流側における圧力
Aa : 流管s の風車内における断面積
Va : 流管s の風車内における風速
Ad : 流管s の下流側アクチュエータ面における断面積
Vd : 流管s の下流側アクチュエータ面における風速
p+d : 流管s の下流側アクチュエータ面上流側における圧力
p-d : 流管s の下流側アクチュエータ面下流側における圧力
AW : 流管s 出口面積
VW : 流管s 出口の風速
である。
Cpを最大とする相対角度8の導出過程を図9A~Dに示す。 図9Aはゾーンごとに
Cpが最大となる相対角度8(または迎角38、ピッチ角39)を演算する過程を示し
たもので、それぞれのゾーンでCpが最大になる相対角度8を演算し、変化させていっ
た際のエネルギー変換効率改善量(ΔCp)を示した一例である。
このように、一つ前のゾーンとのCpとΔCpおよび相対角度8をとの関係を明確にす
ることで、相対角度8を調整することの効果および各ゾーンまたはブレード回転角度⑬
の変化に対する相対角度8の回転調整に対する必要なエネルギーを把握することができ
る。 たとえば、回転角度テーブル14は、相対角度8による回転エネルギー変換効率
(Cp)のΔCpの演算値を有し、垂直型ブレード1が1回転する間の相対角度8の変
化量を必要最小限とするために、ΔCpがあらかじめ指定した値より低い相対角度8お
よび回転角度テーブル14のゾーンまたはブレード回転角度13では相対角度8の調整
を行わないまたは、ΔCpと相対角度8との変化量を比較し、ΔCpの改善量に見合う
効果が無い場合は相対角度8の変化量を少なくするような回転角度テーブル14とする
ことも可能となる。
この時、ΔCpと相対角度8の変化量とによりその効果度合いで回転角度テーブル14
を作成しても良い。また、垂直型ブレードが1回転する間の相対角度8の変化量を必要
最小限とするために、一つ前のゾーンの相対角度8が必要最小限となるよう、ΔCpに
対し相対角度8の変化量を優先した回転角度テーブル(相対角度8の変化量最少の優先
モード)としても良い。図9Bは、周速比とCpとの計算果を示した一例で、相対角度
8を90度または93度に固定した場合のCpと、周速比2および周速比3でそれぞれ
Cpが最大になる回転角度テーブル14でのCpのカーブを示している。
この図は、周速比2および周速比3でそれぞれのCpの改善効果(ΔCp)を示してい
ることになり、それぞれの周速比および風速における最大の相対角度8の回転角度テー
ブル14を網羅し、それぞれの条件における最大のCpとなる条件で垂直型ブレード1の
回転数制御を行うことで、垂直型風力発電システム15のいわゆるパワーカーブを最も
回転エネルギー変換効率の高い状態で実現できる。
この際、風向検出手段19により検出した、平面座標系11における風向28の角度を
、回転角度テーブル14の相対角度8に加算または減算することで、あらゆる風向28
に対応した回転エネルギー変換効率に優れた垂直型風力発電システム15を実現するこ
とができる。図9Cは図8(a)に示したゾーンごとのCpの改善量の計算過程の一例
を示した図である。ピッチ角度39を調整することで各ゾーン毎にCpが大きく改善す
ることがわかる。またΔCpが大きいところは角度調整の効果が大きく、ΔCpの小さ
いところは、角度調整の効果が小さいといえる
さらに、同様に図9Dはゾーン毎にピッチ角度39を調整した時のCpへの影響度合い
(ΔCp)を示している。ピッチ角度調整39によるゾーン毎のΔCpの演算結果と、
ゾーン毎のピッチ角度39の調整量によるΔCpの演算結果より、ΔCpを優先するか
ピッチ角度39の調整量を優先するかを事前に検討し、回転角度テーブル14に反映す
ることで、一層回転エネルギー変換効率と発電効率に優れた垂直型風力発電システム
15を実現することができる。
図10は直線翼2の回転角制御および垂直型ブレード1の回転数制御の動作を示した簡
易的な動作図である。直線翼2の回転角度制御は、回転角度テーブル14により相対角
度8の情報が回転角制御手段10に入り、相対角度8とするために必要な出力信号を回
動手段9の駆動源30に出力し、直線翼2をブレード回転角度13に応じた相対角度8
に設定する。
一方、垂直型ブレード1の回転数制御は、風速16に応じて発生する垂直型ブレード1
の回転エネルギーによる回転トルク20と、発電機5の負荷による回転抑止トルクを釣
り合わせることにより垂直型ブレード1の回転数を一定回転数に制御する回転数制御手
段22を有し、回転トルク20の情報と回転数検出手段18の情報が回転数制御手段22
に入り、回転数制御手段22は発電機5の回転数検出手段18に応じて発生する回転ト
ルク20に対して、発電機5の回転数検出手段18に応じて発生する電力、電圧、電流
または発電機に付加する抵抗値を変化させる回転抑止トルク可変手段21により垂直型
ブレード1の回転トルクと発電機5の回転抑止トルクを釣合わせることで、回転数を一
定に制御することが可能となる。
この際、図9Bの周速比-Cpカーブにおいて、パワーカーブにおけるピークの右側(
回転数が高い側)の回転数で釣合わせることが必須となる。ピークの右側では回転抑止
トルクを増やすことで回転数が下がるともに垂直型ブレード1の回転トルク20が増え
るため、再び回転数が増加する方向に垂直型ブレード1が回転し、回転数制御が可能と
なる。一方ピークの左側では発電機5の回転抑止トルクを増やすと垂直型ブレード1の
回転トルクが低下するとともに回転数が急速に低下するため、垂直型ブレード1は回転
数が増加することなく(回転数制御ができず)失速する。このためピークの左側の制御
領域の場合は、回転抑止トルクを一時的に減らし、ピークの右側の制御領域の回転数の
状態に復帰させることが必要となる。
従って、Cpが高くかつ安定した回転数制御を行うには、周速比に応じた回転角度テー
ブル14を用い、Cpが最大となるように常に相対角度8を角度制御する場合、周速比
(回転数)の制御ポイントは、必ず周速比はCp-周速比カーブにおいてピークの右側
とすることが必要になる。
ちょっと、めげてしましそうだが、頑張って読みすすめていくことにしましょう。
この項つづく
フランク:弦楽四重奏曲 ニ長調
弦楽四重奏曲 ニ長調は、セザール・フランクが1889年から1890年にかけて作曲した弦
楽四重奏曲。今日フランクの作品として知られる傑作群は1876年以降の第3期に生み出
されている。室内楽の分野にも『ピアノ五重奏曲』、『ヴァイオリンソナタ』 そして
『弦楽四重奏曲』 がこの順に生まれており、それぞれが傑出した作品として知られて
いる。フランクはこの後さらにもう1曲のヴァイオリンソナタの構想を練っていたが、
それは彼の死により断たれ、弦楽四重奏曲が最後の室内楽作品となる。
【楽曲構成】
1.第1楽章 ポーコ・レント - アレグロ 4/4拍子 ニ長調
2.第2楽章 スケルツォ: ヴィヴァーチェ 3/8拍子 嬰ヘ短調
3.第3楽章 ラルゲット 3/4拍子 ロ長調
4、第4楽章 フィナーレ: アレグロ・モルト 2/2拍子 ニ長調
革命的な風力タービン Ⅷ
26 大いなる蓄積 / 山天大蓄(さんてんだいちく)
※ 「大畜」は「9.小蓄」と対比され、大が小をとどめ、やしなう、つ
まり偉大な王者が人材を擁すること、また大いにとどめ、やしなうこ
と、実力かをたくわえることを意昧する。畜の古字は蓄であり、田が
茲る、つまり豊作のこと、大畜は大豊作で倉庫に穀物が山と積まれた
状態である。大望を抱く者は、まず力をたくわえなければならない。
人徳、知識、人材、資金を十分にたくわえ、気力充実、精気横溢して
はじめて大事業がなしとげられる。危険や障害も堂々と克服してゆけ
る。卦の形は天の気(三)を大いに蓄えて草木を養い育てる山()
を示している。
【室内トレーニング奮戦記:骨ホルモンとは何か】
Calcium and Parathyroid Hormone
● 脳を活性化!血糖値ダウン!新発見「骨ホルモン」
ブログでも掲載したように、腹筋のストレッチを繰り返すようになり、気持ちお腹周り
の贅肉が取れているように思える。ところで、今朝、彼女が貴方が言うように、足の爪
先ストレッチ(→合気道の姿勢矯正屈伸体操、ここでは「かかと落とし」と呼ぶらしい)
の効果がすごいのよと報告するので、録画(NHK番組「ためしてガッテン」)してい
たので観るよと返事する。番組の概要はこうだ。
「骨ホルモン」は、今世界中の研究者が大注目している新物質。骨を上手に刺激すると
骨から大量に放出されて全身へ運ばれ、脳や肝臓、すい臓、腎臓など、様々な臓器を活
性化してくれることが分かってきた。 逆に骨ホルモンが少ない人は、糖尿病や動脈硬
化などを引き起こす可能性があるので要注意しろ、という趣向。
①血液中の骨ホルモン(オステオカルシン)の量が少ない人は、血糖値が高い傾向にあ
ることが分かってきた。②その理由ははっきりしていないが、『タンパク質の糖化』と
いう現象が大きく関わっている。③実は、糖はタンパク質と非常に反応しやすい性質を
持ち、④血液中の糖が多い状態が続くと、細胞などを構成するタンパク質に糖がくっつ
いてしまう「糖化」という現象が起き、⑤骨の中にももちろん多くのタンパク質がある
が、糖化したタンパク質は本来の働きができなくなってしまうためも鈍ってしまうので
はないかという専門家の見解があり、⑥高血糖が骨ホルモンを減らし、そのことがさら
に高血糖を加速させ負の循環を誘因、⑦これを断ち切る運動(骨を刺激する)の『かか
と落とし』だという設定である。それで、かかと落としは、骨に体重と動きによる加速
度をかけた負荷を加え、体全体の骨に効率よく刺激を加えることが目的です。そのため
にはいくつかのポイントがあるというのだが、その手順及び要領は以下の通り。
とす――かかとから頭までが一直線になって動くことで、骨全体に負荷をかける
ことができる。頭の上から見えない糸でつり下げられているイメージで大きく真
上に伸び上がる。 1日30回以上が目標――筋トレや有酸素運動よりも体への負担が少ないのが特
徴。最初は無理せず楽にできる回数で構わない。また必ずしも連続で行う必要は
ない、空いた時間にちょこちょこと行い、1日の合計が30回以上を目指す。な
れればもっと回数を増やしても構わないが、1日に多くやるよりも毎日継続する
ことの方が大切。 血糖値が高めの人にオススメ――現在はオステオカルシンの血中濃度を測定する
ことはできないが、血糖値が高めの人はすでに骨ホルモンが少なくなっている可
能性があり、運動とともに「かかと落とし」のような骨への刺激がオススメ。
それにしても、いろんなことがわかってきているんだねと感心。「アプリオルなコミッ
トがあるから成果が生まれる」と言い聞かせる。実に面白いではないか。
【不思議なオステオカルシウム】
それにしても、今夜中にオステオカルシウムを理解することは到底不可能。そこで、オ
ステオカルシン (osteocalcin)を大雑把に知っておき、残りはまた別の機会で掲載してみ
よう。これは、骨の非コラーゲン性タンパク質として25%を占めるタンパク質であると
いう。また、骨芽細胞のビタミンK依存性カルボキシラーゼによって、タンパク質のγ-
グルタミン残基に炭酸イオンが付加されたもので、①鉱質形成やカルシウムイオンの恒
常性維持に寄与していると考えられており、②骨形成の負の制御因子であるともされて
いるが、その役割については明らかになっていない。③ホルモンとしての作用もあり、
膵臓のβ細胞に働いてインスリン分泌を促したり、脂肪細胞に働インスリン感受性を高
めるタンパク質であるアディポネクチンの分泌を促進するとの報告があるのだという(
出典:Wikipedia)。
このように、オステオカルシンは骨芽細胞のみから分泌され、代謝調節および骨形成促
進性に働くものと考えられており、骨の石灰化とカルシウムイオンの恒常性維持に関与
すると考えられている。オステオカルシンは、膵臓のβ細胞にインスリンの産生を促し、
脂肪細胞にインスリン感受性を向上させるホルモンであるアディポネクチンを産生させ
るホルモンとしての作用を持つ。また、オステオカルシンは骨芽細胞によって分泌され
ることから、しばしば骨形成過程のマーカーとして利用される。また、血清中のオステ
オカルシン濃度は骨粗鬆症に対するテリパラチドのような薬物治療時の骨密度改善と比
較的よく正の相関を示すことが知られている。多くの研究において、オステオカルシン
は骨形成に対する薬物の効果を示す予備的なマーカーとして利用されている。
話はここまでだけれど、録画では遊園地のジェットコースターで加速度を身体に掛け(
映像では7Gもの重力が掛かったとき、
おまけだよ!
● デルターパワーに注目!(次回、NHK番組「ためしてガッテン」)
脳波には周波数帯域によって名前が付けられており、比較的ゆっくりした0.5~4.5
Hzの帯域をデルタ波と呼ばれる。このデルタ波の振れ幅より算出されるもので、この
デルタ波の量を表す数値を「デルターパワー」と定義、デルタ波は深い睡眠(ノンレム
睡眠)の際に多く出て、脳波の中でのデルタ波の比率が高いほどデルタパワーは上昇、
デルタパワーが大きいほど眠りが深いと考えられており、よい睡眠がとれないと、血糖
のコントロールが不調となり動脈硬化の原因につながると考えられている。したがって、
ノンレム睡眠時には脳の休息以外に、②交感神経活動の低下と、③副交感神経活動の上
昇が起こり、夜間の血圧低下や②血糖コントロールの改善が起こる。睡眠時間の短縮は
糖尿病のリスクを高めると考えられており、デルタパワーを高めることができれば糖尿
病の予防や治療に役立つと期待されている。
そこで、最新の研究によると、ある清酒酵母を摂取することで睡眠の質を改善する作用
が得られることが発見され、LION社製の「清酒酵母GSP6」を摂取すると睡眠の満足
感が高まり、デルタパワーの増大が確認されていると言われている(上図)。
【RE100倶楽部:スマート風力タービンの開発 26】
革新的なスマート風車タービンを開発し新製品販売ににこぎ着けるには、「開発のため
のビンテージ・ポイントのある構想」のアクションプランには「群・実証実験・評価測
定システム」の開発も同時に構想しておかなけならない。そこで、下図の「特開2017-
003483 回転体、特に垂直軸風車の動的不釣り合いの測定方法及びその測定装置、並び
に、垂直軸風車の動的アンバランス修正方法」をひとつの事例として参考掲載しておき、
昨夜の続きに移っていこう。
【要約】
垂直軸風車の回転軸11をエンコーダ13を介して回転軸の駆動用電動機14に結合し
た風車回転軸結合体10を、下部片持ち支持の状態で、即ち、垂直軸風車を上方にして
垂直方向に支持し、かつ回転軸の軸方向に設けた複数個の軸受B1,B2を介して垂直
支持装置15に取り付け、垂直支持装置の軸方向下端部を架台に水平に固定した多分力
検出器12に結合した上で、例えばエンコーダ13に基づく実回転角θおよび回転角速
度ωの出力値と、多分力検出器による4分力検出値(Fx,Fy,Mx,My)とにより、
所定の演算式に基づいて、垂直軸風車の2面釣合わせにおける動的不釣り合い量および
その位相角を測定することで、多分力検出器を用いて、従来に比較して簡単かつ小型な
装置により、被測定物、特に、垂直軸風車の回転体の動的不釣り合いが精度よく簡便に
できる測定方法並びに測定装置を提供する。
● 事例研究:特開2017-031920 垂直型風力発電システム、
及び垂直型風力発電システムにおける制御方法 Ⅳ
● 実施形態1
従って、Cpが高くかつ安定した回転数制御を行うには、周速比に応じた回転角度テーブル14
を用い、Cpが最大となるように常に相対角度8を角度制御する場合、周速比(回転数)の制御
ポイントは、必ず周速比はCp-周速比カーブにおいてピークの右側とすることが必要になる。
図11の左欄は、風速および周速比(TSR)の変化に対応したピッチ角度39(PITCH
ANGLE)および図11の右欄は、その時のCpの改善効果(点線がピッチ角度を0度に
固定した場合、実線が本発明に係る制御を行った場合)を示した一例であり、ピッチ角
度39を調整することで、あらゆる風速16および周速比で最適なCpを大きく変化さ
せていることがわかる。
たとえば、風速は4m/s以下は微風とし、8m/sを超える風速は強風と定義した時、
周速比レベルは、周速比が1以下の回転数は低速とし、周速比が1を超える回転数は高
速とすると、Cpを最大とするピッチ角度8のパターンはそれぞれの風速16および周
速比で大きく変化している。
この時、回転角度テーブル14は、回転エネルギー変換効率Cpを向上させることを目
的として、風速16および周速比によりピッチ角度8を導いた値とし、風速レベルが微
風でかつ周速比レベルが低速の場合は直線翼2から発生する力のうち比較的抗力による
接線方向の回転力が大きくなるピッチ角度39とし、風速レベルが強風でかつ周速速レ
ベルが高速の場合は直線翼から発生する力のうち比較的揚力40による接線方向の回転
力が大きくなるピッチ角度39または揚抗比が比較的大きくなるピッチ角度39とし、
風速レベルが強風でかつ周速比レベルが低速の場合は直線翼から発生する力のうち比較
的抗力41による前記接線方向の回転力が大きくなるピッチ角度39とし、風速レベル
が微風でかつ周速比レベルが高速の場合は直線翼2から発生する力のうち比較的揚力40
による接線方向の回転力が大きくなるピッチ角度39または揚抗比が比較的大きくなる
ピッチ角度39とし、それ以外の風速レベルおよび周速比レベルの領域では揚抗比が大
きくなるピッチ角度39としている。
この時、精度は落ちるが、周速比レベルのみで回転角度テーブル14を構成しても良い
し、風速16のみで回転角度テーブル14を構成しても良い。特に、図11では、ピッ
チ角度39のパターンが周速比レベルに依存していることが分かり、周速比レベルでピ
ッチ角度39を定義する構成が、Cpを改善するうえで、最も効果的である。
周速比が1以下の場合(起動時を含む)、また周速比が1以上の場合においても、平面
座標系11における第一または第二の象限の指定のブレード回転角度13または指定の
ゾーンのみ抗力による回転トルクの低下を減らす、第3象限から第4象限の指定のブレ
ード回転角度13または指定のゾーンのみ抗力により回転トルクを増加させる、などの
新たな相対角度8の調整を入れることでCpを大幅に改善することができることもわか
る。この時、風向はX軸と一致するような平面座標系としているが、実際の風向を別途
加算する必要がある。
下図12Aおよび図12Bは、垂直型ブレード1全体におけるそれぞれ強風かつ高速時、
微風かつ低速時のCpを最大にする相対角度8における、接線方向力(回転トルク)の
揚力40による寄与分と抗力41による寄与分を示している。FIXED PITCHはピッチ角
度39が固定で、VARIABLE PITCHはピッチ角度39を調整した図である。また、AZI-
MUTH ANGLEはブレード回転角度13でTANGENTIAL FORCEは接線方向の回転力(回
転トルク)を示し、DRAGは抗力と、LIFTは揚力40をそれぞれ示した図である。
どちらの場合も、揚力40の寄与度を低下させて、特定のAZIMUTH ANGLE(ブレード
回転角度13、またはゾーン)で抗力41による悪化分(回転抑止トルク、マイナスト
ルク)を低減しつつ、抗力41による回転トルクを増加させて、結果として抗力41の
ΔCpへの寄与度を増加させている。特に、微風かつ低速時は0度から180度のブレ
ード回転角度13の領域付近で抗力の回転抑止トルクを減少させることが効果的である
ことが分かる。
上図12Cは、最適なピッチ角度39の制御によるゾーンごとのΔCp(CP DEFERENCE)
を示しており、固定ピッチ(ピッチ角度39は固定)におけるCpに対してピッチ角度
39をCp最大値に制御することで、強風または微風、高速または低速などの様々な条
件における全域で、揚力40および抗力による回転トルクをコントロールすることで、
回転エネルギー変換効率Cpを大幅に向上させることができる。図12Dは微風、低速
時においてピッチ角度39の調整を行った場合と、ピッチ角度39を固定とした場合の
回転トルクの改善量を示した一例である。ピッチ角度39の調整により大きく回転トル
クが増加していることが分かる。この結果、垂直型ブレード1の微風からの起動特性(
自己起動性)が大きく改善されることがわかる。
下図13は、強風および微風の条件での固定ピッチとそれぞれのTSRごとのBEST PITCH
(最適なピッチ角度39)におけるCpの値を示している。図中の黒点がそれぞれの周
速比における回転数の制御ポイントとなり、この黒点を結んだ線が、それぞれの風速で
のいわゆるパワーカーブとなる。ピッチ角度39を0度で固定した場合(図中のFIX 0
DEG)と、ピッチ角度39を3度で固定した場合(図中のFIX 3 DEG)と比較して、ピ
ッチ角度39をTSR毎に調整した場合は大幅にCpが改善しており、ピッチ角度39
を調整可能とすることで大幅に回転エネルギー変換効率Cpを向上させることが可能と
なることが分かる。図14は、対称翼、非対称翼における周速比が低速および高速の時
のブレード回転角度13とピッチ角度39との関係を示した図で、非対称翼A(図4
(b)の状態)と非対称翼Bは図4(b)の断面形状に背側と腹側を反転させて搭載し
ている。
この際、対称翼、非対称翼ともにピッチ角度39のブレード回転角度13との形状が大
きく変化なく、非常に似た形状となっている。したがって、本発明の回転角度テーブル
14があれば、様々な翼型に展開できると推測できる。図11?では、ブレード回転角
13とピッチ角度39との関係は、比較的ジグザグ状ののこぎりの刃の形状としている
が、図15に示すようにSIN波型、台形型、ステップ型でもよいし、階段型でもよい。
さらに、図7Bに示すように、それぞれのブレード回転角13とピッチ角度39の関係
(形状)において、周速比が小さくなるに従い、ピッチ角度39の変動量を大きくした
回転角度テーブル14の構成でもよい。
実施の形態1では、回転エネルギー変換効率を向上させるために周速比、風速、大きさ、
ソリディティー、消費電力、信頼性などの観点よりピッチ角度39とブレード回転角度
13との関係である回転角度テーブル14を構成した。この構成により、回転エネルギ
ー変換効率Cpおよび発電効率に優れた垂直型風力発電システム15を実現できるとと
もに、信頼性の高い垂直型風力発電システム15を実現できる。
尚、実施の形態1では、周速比、風速の状態で揚力40または抗力41による寄与分を
考慮した(分類した)が、全ての周速比および風速で、揚抗比が大きくなるピッチ角度
39またはCpが最大となるピッチ角度39を選択した回転角度テーブル14としても
問題ないことは言うまでもない。この際、起動時のみ抗力型(抗力41による回転トル
クが増加する構成)とすることが望ましい。
また、実施の形態1では、Cpを最大にするために図7の(b)、図12に示すピッチ
角度39が一つ前のゾーンと部分的に大きく変化するゾーンが発生する。この場合、
Cpを犠牲にしてピッチ角度39の変化を小さくする制御方法を選択して回転角度テー
ブル14を構成してもよい。その場合は、予め定めたΔCpとピッチ角度39の変化量
においてどちらを優先するかの判断となる。
以上、次回は、【実施形態2】に移り、そこでは「増速機」(あるいは変速機)に触れ
ておきたい。
この項つづく
ボロディン: 弦楽四重奏曲 String Quartet No.1, in A
弦楽四重奏曲第1番 イ長調は、アレクサンドル・ボロディンが1874年から1879年にかけ
て作曲した弦楽四重奏曲。ボロディンは、その創作の初期段階に未完や消失した作品を
含めるとかなりの数の室内楽曲を作曲しているが、ミリイ・バラキレフらと出会い「ロ
シア5人組」の一員として活躍し始めてからは、この分野からは遠ざかる。この弦楽四
重奏曲は、ボロディンが十数年ぶりに手掛けた室内楽曲で、今日レパートリーに残る彼
の室内楽曲としては初めての作品。1874年の冬に作曲が開始され、翌1875年の4月には
スケッチを終えているが、ボロディンの仕上げにはその後数年を要し、1879年の8月に
なってようやく完成する。
ボロディンが絶対音楽である弦楽四重奏曲に目を向けたことは、スターソフやムソルグ
スキーから強い非難を浴びたが、同時期に他の「5人組」のメンバーであるリムスキー
=コルサコフ、やや遅れてキュイもまた同じ編成による作曲を行っている。ベートーヴ
ェンの主題を用い、ベートーヴェンに対する畏敬の念が作曲の動機があるが、ボロディ
ン自身は記録を残さなかった。曲はリムスキー=コルサコフ夫人ナジェージダ・リムス
カヤ=コルサコヴァに献呈。1880年12月30日にサンクトペテルブルクでロシア音楽協会
四重奏団により行われる。手書き楽譜により演奏に臨んだため、ミスが相次ぎ、結局、
曲の最初から弾き直すという事態に陥り、失敗に終わる。およそ一月後の1881年1月26日
に同じメンバーの再演でが行われ成功を収める。
【楽曲構成】
1.第1楽章 Moderato - Allegro イ長調 2/4拍子 ソナタ形式 第1ヴァイオリンが
第1主題を提示。
2.第2楽章 Andante con moto 嬰ヘ短調 3/4拍子
3.第3楽章 Presto ヘ長調 3/8拍子 最後に書き上げられた楽章で、中間部のトリオ
ではハーモニクス奏法が使われている。
4.第4楽章 Andante - Allegro risoluto イ短調 - イ長調 ソナタ形式
革命的な風力タービン Ⅷ
27 「養」の道 / 山雷願(さんらいい)
※ 願(い)はあごのことである。「噬嗑」で説明したように、卦の
形は上あごとしたのあごを示している。また上卦の艮(ごん)は”
止まる”下卦の震(しん)は、”動く”を表わし、ちょうどあご
の動きと一致する。人はあごを動かして飲食物をとり入れ、自分
の身体を養う。そのことから願は養う、意味になる。身体を養う、
精神を養う、他人を養う、物を養う等々「養」の道まことに多様
である、それだけに、慎み深くあることが第一である。病は口よ
り入り、禍いは口より出ず、言語飲食にはとくに注意しなければ
ならない。
【不思議なオステオカルシン Part.2】
昨夜のつづき。踵落としストレッチの有無で実験して、血中のオステオカルシン(骨ホ
ルモン)濃度を測定して判定していたが、昨夜は脳が満杯だったので今夜はどうかと関
連科学論文など目を通してみる。
近年、骨芽細胞が作るペプチド、オステオカルシンがインスリンの分泌を促し、細
胞のインスリン感受性を高めることで糖代謝を促進し、体重を減らすことが報告さ
れている。また、消化管から分泌されるホルモン、インクレチンも新しいタイプの
糖尿病治療薬として承認され、今、話題になっているところだ。九州大学大学院歯
学研究院 口腔細胞工学分野 平田雅人主幹教授は、日本学術振興会RPD (Restart Post-
doctoral Fellowship) の溝上顕子氏らとともに、オステオカルシンがインクレチンの
一種であるグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)の分泌を促し 相互に関連して糖代謝
に働きかけることを明らかにした。
49個のアミノ酸からなるオステオカルシンには、γカルボキシラーゼによってカ
ルボキシル化されたGla型オステオカルシン(GlaOC)と 全くあるいはほとんどカ
ルボキシル化されていないGlu型オステオカルシン(ucOC)がある。ヒトでもマウ
スでも体内では大部分がGlaOCとして骨基質に埋もれているが、血中にもわずかに
存在し、約8割がGlaOC、残りの約2割がucOCとして循環している。
一方、インクレチンは消化管から出るホルモンの総称で、現在のところ、GLP-1と
グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)の2種類が知られてい
る。いずれも食事成分(糖や脂肪)が腸管粘膜に接することにより、粘膜細胞から
血中に分泌され膵臓に達すると血糖値に依存してインスリンの分泌を促す。GLP-1
は膵臓のβ細胞の増殖にも関係し、胃では内容物が腸に出る量を調節していること
もわかってきた。そのため、最近、GLP-1に似た構造を持つGLP-1受容体作動薬や、
GLP-1とGIPの分解酵素ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)を抑制するDPP-4 阻
害薬が血糖降下薬として次々に承認され、糖尿病治療に使われ始めている。
オステオカルシンのインスリン分泌にインクレチンが働くことを発見」
小島あゆみ サイエンスライター
Nature Japn/naturejapanjobs, Apr. 25, 2013
平田主幹教授らは、GLP-1を分泌するマウスの小腸由来の細胞株にucOCを作用させると、
ある範囲内で濃度依存的に GLP-1を分泌すること、そして ucOCをマウスの腹腔や静脈
に注射した場合、また、GlaOCを経口投与した場合にもGLP-1 濃度が上昇することを明
らかにした。さらに、マウスにGLP-1 受容体を阻害するexendin(9-39) を作用させた上で、
ucOCの注射による投与やGlaOCの経口投与を行うと、ucOCによるインスリン分泌がex-
endin(9-39)を与えない場合に比べて低くなることも証明した。つまり ucOCによるイン
スリン分泌の増強には、GLP-1が関わる部分があることを突き止める。 GlaOCを経口投
与すると、ucOCの血中濃度が増えることも確かめており、胃酸によってGlaOCのカルボ
キシル基がはずれてucOCに変わり、腸管でGLP-1の分泌を促進して、インスリンの分泌
を進めていると考えられると説明される。現在、PRIP-1、オステオカルシン、インクレ
チン、インスリンをキーワードに、骨(bone)・腸(gut)と膵臓・代謝(metabolism)
の3つ(BGM)の連関について研究を進めている。「PRIP-1の有無によってGLP-1やuc
OCのインスリン分泌量が変わることがわかってきた。また、GLP-1がucOCを増やし 脂
肪細胞にアディポネクチンを分泌させること、ucOCもアディポネクチンを増やすことも
知られている。骨が丈夫になると肥満になりにくいといった相関があるかもしれないと
も言われているとか。この文書を読んでなんとか頭の中が整理できた、有り難い。録画
では、平田教授らは、現在なんとかこの「骨ホルモン」のサプリメント化できないか研
究中である。
● 骨を刺激して健康促進:
録画ビデオでは、絶叫マシーンに乗りグラビリティ(重力加速度)を、全身に加えるこ
とで、「踵落とし」効果を得ようと実証実験を行ったが被験者のレポーターの血中のオ
ステオカルシン濃度を上げようとしてみたが、変化しなかったが、代わりに骨を破壊す
る因子のヌクレロスチン(糖タンパ質スクレロスチン)濃度が下がっているので効果が
あったのではと出演者の太田博明国際医療福祉大学教授が説明する。
ならば、突然妄想が降って湧く。このJR彦根東口の野田山に上図の「ブルーフォール・
アミューズメント・パーク」を建設し、①絶叫マシーンのドロップ・フォールマシン(
下写真/上)、②室内空中遊泳センタ(下写真/中)、③彦根市と琵琶湖が一望できる
観覧車(下写真/下)の3つを設置し、老若男女の「骨パワーアップ」を体験するスポ
ットを構想する。これは手前味噌だが面白いとひとり悦には入る。
【RE100倶楽部:スマート風力タービンの開発 27】
システム構成のなかで、発電に必要な回転数に増速するための増速機について触れる。
増速機にはギアによる増速型と、直結型あり、後者には、遊星歯車方式や液体カップリ
ング方式がある。
まず、ギヤー方式の増速機の事例として、下図の「特開2015-140780 風力発電装置用継
手部材及び風力発電装置」を取り上げる。
風力発電装置として、風力を受けて回転するブレード、ブレードに接続された主軸、主
軸の回転を増速する増速機、及び増速機の出力軸と継手部材を介して連結された入力軸
をもつ発電機を備えたものが知られているが、この風力発電装置では、ブレードが風力
を受けて主軸が回転し、この主軸の回転を増速機により増速して発電機を駆動し、これ
により、発電が行われる。尚、この事例の以下の説明では、風力とは、ブレードが受け
る風力を意味している。
このような風力発電装置では、風速、風向が変化して、風力が低下した際には、増速機
の出力軸の回転が減速し、この減速した回転が継手部材を介して発電機の入力軸に伝達
される。これにより、発電機の入力軸の回転が減速するため、発電機の出力が低下して、
発電効率が悪いという問題があった。これを解決するために、継手部材に一方向クラッ
チを設けた発明を、本願発明者は既に提案している(特開2013-60825参照)。
この一方向クラッチは、増速機の出力軸の回転速度が発電機の入力軸の回転速度を上回
る状態で、出力軸と入力軸とを一体回転可能に接続し、出力軸の回転速度が入力軸の回
転速度を下回る状態で、出力軸と入力軸との接続を解除する。そして、風力が低下して、
増速機の出力軸の回転が減速した場合には、一方向クラッチにより、この出力軸と発電
機の入力軸との接続を解除し、これにより、発電機の入力軸が急激に減速することなく、
発電機の重量の重いロータの慣性によって、回転し続けるようにして、入力軸の平均回
転速度の増加と発電効率の向上を図るようにしている。
このような一方向クラッチを備えている継手部材の風力発電装置では、風力が低下して、
増速機の出力軸と発電機の入力軸との接続が解除された後、風力の急上昇により、出力
軸の回転速度が急上昇し、入力軸の回転速度を上回った際には、一方向クラッチによる
出力軸と入力軸の再接続が瞬時に行われることがある。この場合、瞬時に行われる再接
続の反動(反作用)により、一方向クラッチから増速機の出力軸に対し、大きな衝撃ト
ルクがこの出力軸の回転方向とは反対方向に瞬間的に作用することが想定されため、増
速機に大きな機械的ストレスが作用して、増速機の耐久性に悪影響を及ぼすおそれがあ
る。尚、このような現象は、風力や風向きが急変動する地域において顕著になると考え
られ、風力の急変動時に、増速機に大きな機械的ストレスが作用して、増速機の耐久性
に悪影響を及ぼすおそれを、解消する風力発電装置用継手部材、及び風力発電装置を提
供する。
【要約】
下図のごとく、増速機が有する出力軸35からのトルクによって発電機が有する入力軸
41を回転させて発電する風力発電装置に用いられ、出力軸35と一体回転する第1回
転体50と、第1回転体50と同心状に配置されると共に、入力軸41と一体回転する
第2回転体51と、第1回転体50と第2回転体51との間に設けられ、出力軸35の
回転速度が入力軸41の回転速度を上回る状態で第1回転体50と第2回転体51とを
一体回転可能に接続し、出力軸35の回転速度が入力軸41の回転速度を下回る状態で
第1回転体50と第2回転体51との接続を解除する一方向クラッチ52と、を有し、
第1回転体50における、出力軸35から一方向クラッチ52への動力伝達部分に、ね
じれ弾性変形し易いねじれ促進部50bが設けられていることで、風力の急変動時に、
増速機に大きな機械的ストレスが作用することを抑制することで問題を解消する。
【符号の説明】
1:風力発電装置、 2:主軸、 3:増速機、 4:発電機、 7:継手部材、 35:出
力軸、 41:入力軸、 50:第1回転体、 50a:端部、 50b:ねじれ促進部、
50c:残部、 51:第2回転体、 52:一方向クラッチ、 L:軸方向全長、 L1:
軸方向長さ、 P1:配置位置、 P2:対応位置、 P3:対応位置
次に、直結型から遊星歯車式の下図「特開2017-005928 発電機制御システム」を例示す
る。
増速機構4は、ロータに直結された腕41と、腕41に支持された複数の遊星歯車42
と、遊星歯車42の外側に配置されてこれらに噛合する固定の内歯車43と、複数の遊
星歯車42の中心に配置されて回転自在に支持され、各遊星歯車42に噛合する太陽歯
車44と、太陽歯車44に直結された出力軸45とを備え、発電機構5には、出力軸45
に設けられた回転子52と、回転子52の周囲に配置された固定子53とを備え、減速
機構4および発電機構5をひとつのケーシング6に内蔵して一体化した風力発電装置を
採用することで、①構造が簡素で部品点数が少なく、②装置自体が小型でしかも安価で
あり、メインテナンス作業も簡単な風力発電装置を提供するものである。
さらに、磁気式の直結型(非接触タイプ)の事例「特開2000-197340 磁気カップリング
及び高速縦軸回転体」を下図に掲載する。
一次側軸10には導電性材から成るリング17を設け、二次側軸13には筒状をしたヨ
ーク18を取付けると共に、ヨーク外周の取着部には複数の永久磁石19、19…を固
定し、リング内にはヨーク18を嵌めて各磁石19、19…がリング内周面22との間
に僅かな間隙21を残して回転可能とし、一方の軸を回転するならば、リング17には
渦電流抵抗が発生して他方の軸を回すトルクを発生する粘性流体を用いることなく、完
全非接触型のカップリングであって、一定以上の速度に達したところで動力を伝達する
ようにトルクコンバータとしての機能を備えたカップリングの提供。
【符号の説明】
1 モニュメント風車 2 台 3 回転軸 4 発電機 5 マグネットスラスト軸受け
装置 6 大歯車 7 小歯車 8 タイミングベルト 9 磁気カップリング 10 小歯
車軸 11 ケース 12 軸受け 13 発電機軸 14 ベアリングケース 15 軸受け 16 円
盤部 17 銅合金リング 18 鉄製ヨーク 19 永久磁石 20 取着部 21 間隙 22 内周
面
● 事例研究:特開2017-031920 垂直型風力発電システム、
及び垂直型風力発電システムにおける制御方法 Ⅴ
【実施形態2】
図16を参照して実施の形態2に係る垂直型風力発電システムについて説明する。図16
は、実施の形態2に係る垂直型風力発電システムの相対角度8および垂直型ブレード1
の回転数制御方法の一例を示した模式図である。図16において、起動時から高速時の
それぞれの周速比の領域で下記のような垂直型風力発電システム15を構成している。
①周速比レベルが起動時(ほぼゼロ付近)の場合は直線翼2から発生する力のうち比較
的抗力による接線方向の回転力が大きくなる相対角度8とする。②周速比レベルが低速
の場合は直線翼2から発生する力のうち抗力41による接線方向の回転力が大きくなる。
相対角度8とするとともに、接線方向の回転力が大きくなる揚抗比となる相対角度8と
する。周速比レベルが高速の場合は、回転エネルギー変換効率Cpを低下させることを
目的として、直線翼2から発生する回転力のうち揚抗比による接線方向の回転力が小さ
くなる相対角度8または比較的揚力40が小さくなる相対角度8とする。周速比レベル
が低速から高速の間の中速では、直線翼2から発生する力のうち比較的揚力40による
接線方向の回転力が大きくなる相対角度8、または比較的接線方向の回転力が大きくな
る揚抗比となる相対角度8とする。
この構成により、周速比が高速域(強風の時)は、外部ブレーキにより垂直型ブレード
1の回転トルクの制御による回転数の増加を防止する頻度を低減できるため、信頼性が
高く、発電効率に優れた垂直型風力発電システム15を実現することが可能となる。ま
た、回転数の増大を防ぐことが可能となるため、遠心力の増加による垂直型ブレード1、
アーム3、シャフトユニット4および発電機5などの回転部分の機械的強度を維持する
ことができ、機械的強度に優れた垂直型風力発電システム15を実現することが可能と
なる。
さらに、発電機5は①高速回転になるに従い、発生する電流および電圧が増大するため、
回転数が一定の領域を超えると発生する電流および電圧に耐えられないという問題が発
生する。②また発生する電流および電圧を保証しようとすると大型かつ高価になるなど
の課題が発生するが、回転数が必要以上に上がらない構成とすることで、小型、低コス
ト高信頼性の垂直型風力発電システム15を実現することが可能となる。
この構成では、起動時から強風時まで、すべての領域の風速を、効率的に回転エネルギ
ー変換効率の向上に利用することができるため、発電効率と信頼性の両立を実現できる。
さらに、回転角度テーブル14は、風速レベルが強風で変動した場合でも、回転数制御
手段22により垂直型ブレード1の回転数を一定に制御するために、相対角度8を制御
する構成としている。なお、垂直型ブレード1の回転数を一定に保つには、制御したい
回転数に応じた発電機5の回転抑止トルクを回転抑止トルク可変手段21にて設定し、
垂直型ブレード1のCpを相対角度8の調整で落とすことでそれぞれのトルクを一致さ
せることで実現できる。この時、Cpの低減方法は、ゾーン毎に一定割合のCpを等しい
割合で減らしても良いし、特定のゾーンのみ大きく減らす構成でも良い。
図16の構成により、強風の状態で風速が変化した場合でも垂直型ブレード1の回転数
を一定に保つことができるため、強風の場合でも垂直型ブレード1を回転させて発電す
ることが可能となり、発電量を大幅に増加させることが可能となり、発電効率に優れた
垂直型風力発電システム15を実現することが可能となる。また、遠心力による機械的
強度の悪化および発電機の電流および電圧の上昇を防ぐことができ、信頼性に優れた垂
直型風力発電システム15を実現することが可能となる。また、需給エネルギーのバラ
ンスより、特定の周速比レベルのみ相対角度8の調整を行う構成でも良い。
図17Aは垂直型ブレード1の試行的な翼直径26、翼型、ソリディティー、翼長34、
相対角度8(固定)における、回転数(または周速比)と回転トルク20と風速との関
係を示した一例である。また、図17Bは回転トルク20に角速度(ω)を乗じて回転
エネルギーを算出した結果を示す。回転角度テーブル14の演算にてCpと周速比の関
係を導き出したのち、Cpから回転エネルギーおよび回転トルクを導き出す。
図17Aおよび図17Bにおいて実線は相対角度8を固定した場合の回転エネルギーと
周速比の関係を示し、破線はCpを25%低下させた時の回転エネルギーと周速比の関
係を示している。14m/sおよび16m/sでCpを落とし、回転数を85rpmで
制御することにより発電機5の容量を小さくすることができるため、発電機5のサイズ、
質量、耐圧およびコストを大幅に低減することができる。この時のパワーカーブは黒丸
をつないだ線となる。
また図17Cおよび図17Dは強風時において、相対角度8の調整によりCpを低減す
るとともに周速比(回転数)のピーク位置を低い側に移動させ、遠心力の低減、発電機
5の容量の低減、発電機5の耐圧の低減、強風時での発電による発電量の増加を実現す
る一例を示している。相対角度8を調整することにより回転エネルギーと周速比の曲線
において、図中の破線で示すように、16m/sおよび14m/sの時Cpを約65%
に低減して回転トルクを下げるとともに12m/sの曲線とほぼ一致させた例を示して
いる。このように、相対角度8を調整することにより、パワーカーブのピークを下げる
とともに周速比の低い側に移動させることが可能となり、実使用回転数をさらに小さく
できるので一層遠心力、耐圧、サイズ、コスト、総発電量、信頼性に優れた垂直型風力
発電システム15を実現できる。
尚、実施の形態2ではピークを低くし回転数を低い側に移動させたが、Cpのピークを
下げた場合、回転数が高い側に移動させたり、Cpが減少する方向であれば任意の形状
の回転数(または周速比)と回転トルク、回転エネルギーに変更することが可能なのは
言うまでもない。
尚、実施形態2では周速比に応実じて抗力型か揚力型かを選択するとしたが、抗力型と
は平面座標系11において風向がX軸の方向とした場合、周速比が1以下の条件におい
て①0≦φ180度の領域では抗力41による回転抑止トルクをできる限り低減し、②
180≦φ≦360度の領域では抗力による回転トルクをできる限り増加させるととも
に、③0≦φ≦360度の領域において、揚力40により回転トルクをできる限り増加
させる方式のことである。
この時、周速比が小さいほうがより顕著にCpを増加させる効果がある。また揚力型と
は、周速比が1を超えた条件において、0≦φ≦360度の領域において抗力41によ
り回転抑止トルクをできる限り低減し、揚力40による回転トルクをできる限り増加さ
せた方式のことである。
尚、実施の形態2では起動時、低周速時、中速時、高速時のそれぞれにおいて相対角度
8の調整を行ったが、特定の周速比のみで相対角度8の調整を行う構成でも効果がある
ことは言うまでもない。
次回は、【実施形態3】に移る。また、素材(材料特性)なども時間があれば触れてみ
たい。
この項つづく
ハイドン: 弦楽四重奏曲 String Quartet No.77「皇帝」, in C, Op.76-3
弦楽四重奏曲第77番ハ長調「皇帝」は、オーストリアの作曲家、フランツ・ヨーゼフ・
ハイドンが作曲した弦楽四重奏曲である。「皇帝」という副題は第2楽章が「オーストリ
ア国家及び皇帝を賛える歌」の変奏曲であることに由来する 。イギリスに滞在中、ハイ
ドンはイギリス人たちが、イギリスの国歌を口ずさみ、国家への忠誠を心に深く抱く様
を目撃し感銘を受ける。時同じくして、オーストリアはナポレオン・ボナパルト率いる
フランス軍の侵略に脅かされていた。
ハイドンは、故郷の存続を他国から救い、人々にオーストリア人としての誇りを取り戻
させ、励ますために「オーストリア国歌」制定を提唱。作曲に取りかかる。このとき作
曲した旋律を、彼の77番目の弦楽四重奏曲――後にハイドンの最高傑作と謳われ、「皇
帝」の名を与えられることとなる弦楽四重奏曲――に組み入れ、変奏曲として第2楽章
にする。ナポレオン軍がオーストリアに侵攻し、いよいよウィーンが陥落されるという
日にも、ハイドンはこの曲を力強く弾き続け、国民に訴えかけていたという。演奏はオ
ーストリア征服の日、すなわちハイドンが息を引き取る前の日にまで及ぶ。第2楽章の
主題は現在はオーストリアでなく、ドイツの国歌となっている。
【楽曲構成】
1.第1楽章 Allegro.
2.第2楽章 Poco Adagio. Cantabile ハイドンが作曲したオーストリアの祝歌による変奏
曲である。現在この楽章の主題はドイツ国歌(ドイツの歌)となっている。
3.第3楽章 Menuetto
4.第4楽章 Finale. Presto
革命的な風力タービン Ⅸ
28 重すぎる任務 / 沢風大過(たくふうたいか)
※ 「大過」は、大(陽)が多すぎて、それを支える者が弱い、つま
りアンバランスを意味する。手に余る仕事に取り組んで四苦八苦す
るのである。卦の形も、洪流(兌:だ)に没した木(巽:そん)
を表わしている。そうかといって仕事を放棄するわけにはいかな
い。激流に耐えて、一大勇猛心をふるいおこして乗り切らねばな
らない。男女関係においてもアンバランスが目立ち、とくに人妻
が若い男と道ならぬ愛欲に溺れてしまう傾向がある。会社などで
は、上下を結ぶバイプがつまり、中間にいるものが強くなりすぎ
ている状態である。「大過」は棟(むなぎ)が屋根の重みに耐え
かねてたわんでいることを譬えに使って説明される。
※ 多様で複雑なこの現代社会で最大多数の利益あるいは幸福を得る
戦略の実現は本当に難しいことを痛感するデフレ経済の世事昨今。
まさに温故知新である。
● 百の頂きに百の喜びあり
啓蟄を待ちきれず、はや山登りの室内トレーニング強化に走り出している。今回は、録
画しておいた「グレートトラバース2 茅ケ岳」を観賞しながらトレーニングをこなす。
この山は、「日本百名山」で知られる山岳作家、登山家(1903-1971:石川県生まれ)、
東大在学中に『文芸春秋』に発表した「オロッコの娘」が好評を得たのを機会に大学中
退、作家生活に入る。57年「贋作家故郷へ行く」を最後に小説の筆を折る。以後、山
岳随筆やヒマラヤ研究に力を注ぎ、58年ヒマラヤ探査行。64年『日本百名山』で読
売文学賞を受賞。68年日本山岳会副会長に就任。71年茅ケ岳頂上近くで、脳卒中で
急逝しており、プロアドベンチャーレーサ田中陽希も映像中、茅ケ岳の、頂直下は「終
焉の地」の碑前に止まり黙祷を捧げている。ところで、下写真の切り取りのように、映
像アングルが余りにも素晴らしく感じアップする(動画切り取った方が良いのだが)。
靄が懸かった神秘的なワンシーンだが山の自然が醸し出す気道がはっきりと確認できた
というわけだ。
● 彦根産アスパラガスと豆乳のジェラートに驚く
彼女が、下記写真のJA東びわこと、いと重菓舗のコラボのジェラートを買って来たの
で早速試食・・・絶妙の甘さをともなうミルギーでいてほのかに上品アスパラギン酸が
たまらない。何で、何で、何で、こんなに美味いのだ。感激を早速デジカメする(リバ
ーシブル・ランチョンマットは、軽井沢万平ホテル製)、スプーンは彼女が大阪で買っ
たやつで、箸置きがわたしが信州のサービスエリアで買ったやつ(記憶は曖昧だが)。
かぼちゃのジェラートも、やるじゃない?!JA東びわこさん。
【RE100倶楽部:スマート風力タービンの開発 28】
「革命的な風力タービンⅥ」(上写真ダブクリ)で描いた、「全国無電柱化」にあわせ、
信号機や防犯カメラ、拡声機、防犯灯などの機能を融合させ「道路構造令に建築限界」
を配慮し、高さ6メートル程度の「マルチ・タウン電柱」として刷新し、意匠性と機能
性を調和させた、"Think Globally Act Locally"で革命的な「風力タービンポール」の構成
素材を考てみよう。現在の電柱はコンクリートや鉄鋼が主流だが、これを、炭素繊維や
セルロースファイバーに変えることができれば、軽くて、靱性に優れ、環境配慮を実現
できる。なかでも、セルロースナノファイバーは持続可能型に優れた素材だとして期待
される。ただ、炭素繊維やガラス繊維と比べ、①耐熱性に劣り防火的側面で不利。②変
色するという意味で意匠性に劣る。③ただし、コストが高いという点では、量産化、作
り込みで価格は逓減するのでこの点は心配していない。190℃という温度制約には、
その他の樹脂、金属との複合材化で、ある程度は特性を保持しながら改良できるだろう
(下図の関連特許事例参照)。
※ 特開2016-156111 微細セルロース繊維複合体
ところで、ホールの直径を仮に1メートルのシリンダーとして、集風板20センチメー
トルのスロープ・フランジとし、ブレード直径は60センチメートルとなる。この3つ
のDp、Df、Dbのパラメーターのチューニング方法はコンピュータや実験による模擬設
計により最適値を決定すればよい。垂直方向のブレード長も同様に決定する。予めブレ
ード標準ユニットを定めれば、2段連結するか3段連結するかは任意選択となる。風車
部+発蓄電部+制御部を仮に直径1メートル×長さ80センチメートルとすれば、3段
連結すれば2メートル40センチメートルとなり全長6メートルとすれば40%が風力
タービンとなる、これをスムーズ駆動させ発電させるにはカットイン風速を毎秒1メー
トル以下を設計要求される。さらに、ブレード、アームは一体型として、セルロースナ
ノファイバー樹脂(セルロースだけでなくリグニンナノファイバーなども可)に熱硬化
または、光硬化樹脂を加え、表面を静粛処理加工したブレードを3Dプリンタで製作す
る革命的なスマート風力タービン――単位体積あたりの発電量性能が世界最高――がわ
たし(たち)のプロトタイプである。
● 事例研究:特開2017-031920 垂直型風力発電システム、
及び垂直型風力発電システムにおける制御方法 Ⅵ
【実施形態3】
さて、図18を参照して、実施の形態3に係る垂直型風力発電システムの解説に進もう。
下図18において、回動手段9は回動軸部33、ステッピングモータ、DCモータ、超
音波モータ、圧電素子などの駆動源30、ギヤ、カップリング、シャフトなどから構成
される動力伝達部31、ベアリングなどを用いた軸支部32、動力源35に電力を供給
する電池などの電力源35より構成され、直線翼2はアーム3に対し、最大で±180
度の回動状態となる。
このとき、駆動源30、動力伝達部31伝達機構はアーム3に格納され、電力弦35は
アーム3またはポール6に格納(図示せず)される構成としている。この構成により、
駆動源30および電源35を風雨から保護することができるため、信頼性に優れた、回
動手段9および垂直型風力発電システム15を実現することが可能となる。
また、電力源35がアーム3に格納されている場合の電力源35への電力供給手段は、
図1におけるシャフトユニット保持部7の固定部と回転部における接触給電または非接
触給電とし(詳細は図示せず)、電力源35がポール6に格納されている場合の、駆動
源30への電力供給手段は、このシャフトユニットの固定部と回転部における接触給電
とした構成としている。非接触給電の一例としては、送電側コイルと受電側コイルを用
い、電気を無線伝送する構成がある。
この構成により、電力源35に簡素かつ高信頼性の給電手段を実現することが可能とな
り、発電効率に優れ、小型かつ低コストの垂直型風力発電システム15を実現すること
が可能となる。
さらに、電力源35がアーム3に格納されている場合の、電力源35への電力供給手段
は、垂直型ブレードの回転が停止している場合のみ接触給電または非接触給電とした構
成としている。この構成により、電力源35に簡素かつ高信頼性の給電手段を実現する
ことが可能となり、発電効率に優れ、小型かつ低コストの垂直型風力発電システム15
を実現することが可能となる。
尚、第3の実施の形態では、電力源35への電力の供給は外部からの給電としたが、太
陽光パネル(図示せず)をアーム3の表面に張り、太陽光パネルから電力源35に電力
を供給する構成でもよい。また、回転角制御手段10および駆動源30への回転角度テ
ーブル14またはピッチ角度39の調整量の制御信号は、垂直型風力発電システム15
の固定部からの接触式の伝送でもいいし、垂直型風力発電システム15の固定部または
外部からの無線通信でもよい。
また、第3の実施の形態では、相対角度8の調整はモータなどの駆動源30、ギヤやカ
ップリングおよびシャフトなどの動力伝達部31にて行ったが、カムを用い、周速比に
関係なく所定のゾーンまたはブレード回転角度13のみ調整を行う構成でもよいことは
言うまでもない。
また、実施の形態1~3ではすべて垂直型風力発電システムを本発明の適応範囲とした
が、水力発電システムへ適応しても問題ない。この場合、翼素運動量理論を用いた回転
角度テーブル14の演算において、流体が空気から水に変わることにより密度ρ、粘性
係数および翼型特性(揚力、抗力)の情報を変更することになる。
上記説明から、当業者にとって、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。
従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の
態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することな
く、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
この提案は、従来に比べ、最適かつ緻密な垂直翼の相対角度の回転角制御を行うことに
より発電効率に優れ、信頼性に優れた垂直型風力発電システムを実現する。よって、例
えば、垂直型風力発電システムに利用できると説明されている。
直、この特許事例に関してはここで了とする。
チャイコフスキー: 弦楽四重奏曲 String Quartet No.1, in D, Op.2
弦楽四重奏曲第1番ニ長調、作品11は、ロシアの作曲家ピョートル・チャイコフスキ
ーにより、1871年2月に作曲された弦楽四重奏曲である。2楽章冒頭の旋律は「アンダ
ンテ・カンタービレ」と呼ばれ有名で、ムード音楽などにも編曲されることがある。
1876年12月にモスクワ郊外の領地ヤースナヤ・ポリャーナから久々にモスクワに来たレ
フ・トルストイに敬意を表して、ニコライ・ルービンシュタインは特別音楽会を催した。
この時にはこの曲も演奏されたが、アンダンテ・カンタービレが演奏された時、チャイ
コフスキーの隣に座っていたトルストイは感動のあまり涙を流した。この事をチャイコ
フスキー自身は、10年後の1886年7月2日の日記に「あの時ほど、喜びと感動をもって作
曲家として誇りを抱いたことは、おそらく私の生涯に二度と無いであろう」と記してい
る。
【楽曲構成】
第1楽章 Moderato e semplice ニ長調 9/8拍子息の長い第1主題で始まるソナタ形式。テンポを上げた華麗な終わり方が印象的で
ある。 第2楽章 Andante cantabile 変ロ長調 2/4拍子 中間部をもとにしたコーダを伴う
三部形式。冒頭の有名な旋律は、チャイコフスキーがウクライナで聴いた民謡に
題材を得ている。 第3楽章 Scherzo (Allegro non tanto e con fuoco) ニ短調 3/8拍子 活気に満ちたス
ケルツォ楽章である。 第4楽章 Finale (Allegro giusto) ニ長調 4/4拍子 ロシアの民俗舞曲風の第1主題
をもつソナタ形式である。憂鬱なアンダンテの部分をはさみ、激しいフィナーレ
に向かう。
ばら色でケルボニな人生
29 一難去ってまた一難 / 坎為水(かんしすい)
※ 四大難卦(屯、習坎、謇、困)のひとつである。炊は険難に陥る
ことを意味し、この卦は、炊(かん)が二つ重なっていて(習)、
つぎつぎに険難に陥ることを表わすのである。こんな時にどうす
るかにより、人間の真価が決まる。国難に打らひしがれるか、そ
れとも苦労を重ねることによっておのれをきたえ、勇気と力を養
うか。いますぐ困難と解決ずることはむずかしい。何物をも恐れ
ぬ新年と、姑息を排しだ至誠とを持って激流に立ち向かう以外に
はない。身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ、である。
『ばら色の人生』/映画「麗しのサブリナ」より
オードリー・キャスリーン・ヴァン・へームストラ・ヘプバーン・ラストン(Audrey Ka-
thleen Van Heemstra Hepburn-Ruston)とはオードリー・ヘプバーンの本名。上の写真は、
オードリーの不朽の名作 『麗しのサブリナ』の映画の1シーン。さらに最上部写真は、
1995年のシドニー・ポラック監督作の映画のリメイク板――オリジナル版でハンフリー・
ボガート役をハリソン・フォード、ウィリアム・ホールデンの役をグレッグ・キニアが
演じる。音楽はジョン・ウィリアムズ。ところで、オードリーが車の中で口ずさんむ歌
は 『La vie en rose(ラ・ヴィ・アン・ローズ)』。邦題は『バラ色の人生』で、フラン
スを代表する歌手エディット・ピアフが作詞したシャンソンの名曲。「ラ・ヴィ・アン・
ローズ」(フランス語:La Vie en rose)は、1946年のエディット・ピアフ(Édith Piaf)
の代表曲で、ピアフ作詞、ルイギ作曲。日本語では「ばら色の人生」の邦題でも知られ
る。
この歌がヒットした当初、ピアフの同僚や彼女らとは予想外ので大ヒットする。後に、
ック・デイヴィッドによって英語詞が作られ、後のアルバムの多くにこの歌が収録され
ることに。エディット・ピアフは、フランスで最も愛されている歌手。1963年10月10日
に死去、ショパン、マリア・カラス、イヴ・モンタンなども眠るパリ最大の墓地、ペー
ル・ラシェーズ墓地に埋葬される。エディット・ピアフの有名な曲は、『ばら色の人生
La vie en rose』、『愛の賛歌 Hymne à l'amour』、『ミロール Milord』、『水に流して
Non, je ne regrette rien』など。日本でピアフといえば、岩谷時子訳詞・日本語版『愛の讃
歌』を歌った越路吹雪がいる。1979年にエディット・ピアフの生涯を描いた演劇『愛の
讃歌』を初演した美輪明宏などが有名である。
Hold me close and hold me fast
The magic spell you cast
This is la vie en rose
When you kiss me, Heaven sighs
And though I close my eyes
I see la vie en rose
When you press me to your heart
I"m in a world apart
A world where roses bloom
And when you speak
Angels sing from above
Every day words
Seem to turn into love songs
Give your heart and soul to me
And life will always be
La vie en rose
I thought that love was just a word
They sang about in songs I heard
It took your kisses to reveal
That I was wrong, and love is real
Hold me close and hold me fast
The magic spell you cast
This is la vie en rose
When you kiss me, Heaven sighs
And though I close my eyes
I see la vie en rose
When you press me to your heart
I"m in a world apart
A world where roses bloom
And when you speak
Angels sing from above
Every day words
Seem to turn into love songs
Give your heart and soul to me
And life will always be
La vie en rose
この映画は、1954年に米国、日本で公開されている。随分古い作品になるが、「ローマ
の休日」に次ぐ、ビリー・ワイルダー監督の手になる、ほのぼのとした。ロマンティッ
ク・コメディが何ともその時代の郷愁に誘われ思わずブログ・アップの仕儀となり、切
のない叙情に包まれる。
【量子ドット工学講座32:最新量子ドット技術特許事例】
● 特開2017-028906 光電変換装置 京セラ
従来の単接合タイプの光電変換装置は、光電変換層を形成する材料としてシリコンを用
いていため、実用上の光電変換効率はせいぜい15%程度に止まっている。近年、地球
温暖化対策や原発事故の教訓から火力発電や原子力発電を見直す動きがあり、これに伴
って、自然エネルギーを利用した発電が推進されているが、太陽電池に代表される光電
変換装置は、光電変換効率のさらなる向上が待ち望まれている。
シリコンの半導体基板上に、シリコンよりもバンドギャップの大きい量子ドット集積膜
105を積層した、図5に示すような光電変換装置100を提案した、図5(a)は、
従来の光電変換装置100の一例を示す断面模式図であり、(b)は、(a)の構成に
おける回路図である。101は第1の導体層、103はシリコン基板、105はシリコ
ン基板よりもバンドギャップの大きい光電変換層(この場合、量子ドット集積膜)、1
07は第2の導体層である。第2の導体層107が光の入射側に位置する場合には、第
2の導体層107として透明導電膜が用いられる。
図6は、図5に示した光電変換装置の電流-電圧線の概念図である。図6において、実
線はシリコン基板の電流-電圧曲線、破線はシリコン基板よりもバンドギャップの大き
い量子ドットの集積膜105の電流-電圧曲線に対応する。光電変換装置100の光電
変換効率は、開放電圧をVoc、短絡電流密度(短絡電流Iscを太陽電池の受光面積で
割った値)をJscとしたときに、おおかた、これらの積を入射光強度で割った値として
示される。また、吸収できる光の波長領域は光吸収層(光電変換層という場合がある)
を構成する材料のバンドギャップ(シリコン基板の場合、約1.1eV)を上限とする
領域に限られる。このため光電変換装置100の光電変換効率を向上させるには、より
高いバンドギャップを有し、自ずと開放電圧(Voc)を高めることのできる光吸収層
の形成が必要になってくる。
しかしながら、量子ドット集積膜105は、シリコン基板103に比べて、バンドギャ
ップが大きい分、照射される光量に対する発電量(最大出力(Pmax))の変化が大き
いことから、例えば、日照量の低い条件下では、短絡電流(Isc)が大きく低下してし
まい、光電変換層105としての機能を果たすどころかほぼ絶縁体になってしまう場合
がある。このため、シリコン基板103上に量子ドット集積膜105を積層した光電変
換装置100においては、シリコン基板100側で出力される電流を外部に出力させる
ことが困難になるおそれがあった。従ってこの考案は、バンドギャップの異なる複数の
光電変換層を備えている場合でも光電変換層から出力される電流を外部へ出力させやす
い光電変換装置を提供することを目的とする。
この事例の光電変換装置は、①直列に接続された、②バンドギャップの異なる、③複数の光電
変換層と、④この複数の光電変換層のうちバンドギャップの大きい光電変換層を迂回するバイ
パス回路とを備えているとともに、⑤このバイパス回路が、センサー部と、センサー部の計測し
た測定値が規定値以上にあるときにオープン状態となり、⑥この規定値を下回ったときにショー
ト状態となるスイッチ部とを備えているものである。この事例では、バンドギャップの異なる複数
の光電変換層を備えている場合でも光電変換層から出力される電流を外部へ出力させやすく
することができる。
【要約】
直列に接続されたバンドギャップの異なる複数の光電変換層1、3と、複数の光電変換
層1、3のうちバンドギャップの大きい光電変換層3を迂回するバイパス回路9とを備
えているとともに、バイパス回路9が、センサー部17と、センサー部17の計測した
測定値が規定値以上にあるときにオープン状態となり、その規定値を下回ったときにシ
ョート状態となるスイッチ部19とを備え、バンドギャップの異なる複数の光電変換層
を備えている場合でも光電変換層から出力される電流を外部へ出力させやすい光電変換
装置を提供する。
JP 2017-28906 A 2017.2.2
【符号の説明】
1、3光電変換層 5電極層 7透明導電膜 9バイパス回路 11配線 11a(配
線の)切断箇所 13(配線11の)一方端 15(配線11の)他方端 17センサ
ー部 17a光量センサー 17b電流センサー 17c温度センサー 19スイッチ
部 21接触部材 23コイル
● 特開2017-036411 グラフェン量子ドット発光体の製造方法
特定の波長を吸収し蛍光を発する発光体の一つにグラフェン等の炭素材料が構成成分とされ
る炭素系発光体が挙げられる。中でも、炭素系発光体で近年注目を集めているGQDは、他の
発光体に比較して、安全性、価格、さらには、化学的安定性における優位性が期待されている。
しかしながら、優れた発光特性を有するGQDを、高収率で再現性良く製造できる手法
は確立されておらず、優れた発光特性を有するGQDの高収率で再現性の良い製法が切望さ
れている。既存の製法は、トップダウン法とボトムアップ法の2種類に大別される。トッ
プダウン法は、原料の黒鉛や炭素繊維に酸化剤を作用させて、酸化グラフェンとして微粒子
(微ディスク)を切り出した後、切り出した酸化グラフェン微粒子(微ディスク)をそのまま、または、
還元して、GQDに仕上げる手法である。
他方のボトムアップ法は、低分子量の糖類やアミノ酸類を原料に縮合を繰り返しながら
グラフェン量子ドットを作製する手法である。生成物に適切なドープを施すことで極め
て高い量子収率を示すGQDがシステインを原料に焼成する乾式法で作製されているも
のの残念ながら収率は極めて低い。また、ボトムアップ法において、湿式法でGQD製
造する方法が開示されているが、得量や収率は低く、さらに、再現性にも問題を有して
いる。
発明のGQDの製造方法は、液体ヘテロ原子含有化合物又はヘテロ原子含有化合物を溶
解若しくは分散させた液に均一または不均一の貴金属触媒または半導体触媒を添加して
加熱することを特徴とする。前記貴金属触媒が、Pt、Pd、Ir、Rh、Ru及びRe、
並びにPt、Pd、Ir、Rh、Ru及びReのイオン、並びにPt、Pd、Ir、Rh、
Ru及びReと遷移金属との合金、のうちのいずれかであり、前記半導体触媒が、Si、
Ge及びSn並びにSi、Ge及びSnの酸化物のうちのいずれかである、高い量子収
率を示し、発光スペクトルの半値幅の狭い狭帯発光し、優れたグラフェン量子ドットを
高収率で再現性良く簡便に合成できる新規な手法を提供する。
【実施形態】
0.1gを仕込んだ冷却器を備えた丸底フラスコ内を十分減圧しアルゴンで
置換することで脱酸素を行った。 その後、ベンジルアルコール10gをシ
ュレンク・システムで雰囲気の空気がフラスコ内に混入しないように注意深
く仕込んだ。続いてオイルバスで加熱し、反応液を間欠的にサンプリングし
ながらGQDの生成を反応液の蛍光を測定しながら追跡し、蛍光強度が一定
になったところを反応の終点とした。
反応液の蛍光が最大になった時点における発光スペクトルのピーク波長と半
値幅を表1に記載した。反応終了後の反応液から磁石を使用して上記の貴金
属を含有した合金微粒子触媒を担持した炭素粒子を回収した。触媒を除去し
た反応終了後の反応液を細孔サイズ0.45μPTFE製フィルター(ミリ
ポア社製)で濾過し得られた濾液をロータリーエバポレーターで濃縮乾燥し
た。
得られた固形分を、真空乾燥機(5Tollx60℃x1日)でさらに乾燥
し粗製GQDを得た。得られた粗製GQDの収率を表1に記載した。粗製G
QDは、さらに、前記した方法により精製を加えることで高純度化が可能で
ある。
実施例2
ベンジルアルコールに代えてオクチルアミン10gを使用した以外は実施例1と同様
にして行った。
実施例3
白金ニッケル合金微粒子を担持した炭素粒子に代えて粒子径1~10μのシ
リコン粒子0.1gを使用し、反応終了後の反応液を細孔サイズ0.45μ
PTFE製フィルター(ミリポア社製)で濾過し、磁石を用いることなく反
応後触媒を回収した以外は実施例1と同様にして行った。図1に、実施例3
で合成されたGQDのTEM写真を示す。生成したGQDは、平均粒径約4
nmで、約2nmから約6nmの粒径分布を持っていた。
図2に、実施例3で合成されたGQDの蛍光スペクトルを示した。発光スペ
クトルは450nmで励起した場合、530nmにピークを持つ緑色の光で
あることを示すと共に、半値幅約100nmの比較的狭帯域発光しているこ
とが見て取れる。すなわち青色LED(ピーク波長約450nm)で励起し
た場合、上質な緑発光が得られることを意味する。また、他の波長、例えば、
365nm、400nm、500nm、550nm励起した場合、各々異な
るピーク波長の発光を得られることが見て取れる。
実施例4
白金ニッケル合金微粒子を担持した炭素粒子に代えて塩化白金酸水和物30
mgを使用した以外は実施例3と同様にして行った。この場合、触媒として
用いた塩化白金酸やその変成物を含んだ状態で粗製GQDを得た。
実施例5
白金ニッケル合金微粒子を担持した炭素粒子に代えて10重量%パラジウム微粒
子担持炭素粒子0.3gを使用した以外は実施例3と同様にして行った。
実施例6
未使用の30重量%の白金ニッケル合金(白金:ニッケル=1:3 モル:モル)微粒
子を担持した炭素粒子に代えて、実施例1で使用後、磁石を用いて回収し、ヘキサ
ン続いてエタノールで十分洗浄し濾別後乾燥することで再生した30重量%の白金
ニッケル合金微粒子を担持した炭素粒子を使用した以外は実施例1と同様にして
行った。
実施例7
ベンジルアルコールに代えて、アルギン酸の5重量%水溶液を使用した以外は実
施例1と同様にして行った。
比較例1
白金ニッケル合金微粒子を担持した炭素粒子を使用しない以外は、実施例1と同
様にして行った。
比較例2
白金ニッケル合金微粒子を担持した炭素粒子を使用しない以外は、実施例2と同
様にして行った。 表1には、実施例1から6ならびに比較例1および2で得られたG
QDの発光特性と収率を一覧した。発光特性として、450nmの光で励起した場合
の発光スペクトルのピーク波長および半値幅を記載した。
全実施例で良好な収率を得、100nm前後の狭帯域発光するGQDが得られた。
さらに、不均一触媒系では触媒の回収が容易で、繰り返し使用も可能なことが示さ
れた。一方、比較例ではGQDは実質的に生成しなかった。
【産業上の利用可能性】
この事例での製造方法で製造されるGQDは、液晶ディスプレーや照明の光源とし
て使用される(青色)LEDの波長変調材料や、太陽電池の変換効率の改善が期待
される波長変換材料や、高性能なバイオ・プローブとして使用されることが期待さ
れる。
【ケルボニー化事業の展望】
枯渇の心配のある代表格がハードウッドだ。主に広葉樹の硬くて腐朽にも強い材である。
家具のほかフローリング、ウッドデッキなど内装材、外構材などに使われる材は不足気
味となっている。樹種で言えば、ケヤキやブナ、ミズナラのほか、チーク、ウォルナッ
ト、マホガニーなど。いずれも人気が高く、需要は増えている。だが、日本国内はおろ
か世界中で過伐が進んで、資源が底を尽きつつある。とくに熱帯産ハードウッドは、多
くが天然林から違法伐採されたもので、使うこと自体が問題視されるようになった。し
かし成長が遅いので植林される例は少ない。そこに朗報。意外な解決法が登場している。
針葉樹材(ソフトウッド)を広葉樹材(ハードウッド)に変える、というも技術が登場
したのだ。それをケボニー化と呼ぶ。
簡単に説明すると、サトウキビやトウモロコシなど農業廃棄物から抽出した物質を針葉
樹材に加圧加熱しながら含浸させる。柔らかい針葉樹材の細胞壁に染み込ませると重合
して、木質成分の一つヘミセルロースが増えたような状態になり、広葉樹材のような硬
い材質になる。比重は何十%も高くなり、木質は硬く、曲げ強度も上がり、寸法安定性
が増す。何より腐朽や磨耗にも強くなる。
このケボニー化技術(下図参照)は、カナダのシュナイダー教授が発明し、数年前から
ノルウェーで製造が始まり市販されるようになった。主にラジアータパインやスコッチ
パイン材をケボニー化してウッドデッキや屋根、桟橋、変わったところではギターやカ
トラリーなどの食器類にも使われる。これらの品質は30年保証がつけられるという。日
本への導入例はまだわずかだが、保育園や個人邸のデッキなどがある。
腐朽や磨耗に強い木質素材としては、①表面に樹脂塗装をしたものや、②WPCと呼ば
れる木粉にプラスチックを混ぜて固めた複合素材がよく使われる。しかし、こちらは木
質というよりプラスチックに近い。見た目もテカテカ光るし、手触りも木と似て非なる
もの。燃やす以外のリサイクルもできない。同じく薬剤を注入した防腐木材なども環境
によいとは言えない。しかし、ケボニー材は、色が濃く重厚な雰囲気となり、手触りも
木材そのもので、廃棄後もリサイクルできる。見た目が自然木そっくりなたげでなく、
成分に重金属や石油由来のものは含まず、ノルウェーのエコラベルも取得している。
例えば、スギ材をケボニー化する試験を行うと、ラジアータパインやスコッチパイン材
などよりずっと優秀な成績が出た。芯まで含浸できて、比重が40%程度上がり、硬度、
寸法安定性、耐腐朽性なども飛躍的に向上した。また材に粘りがあってひび割れなども
起こさない。もしかしたら、スギはケボニー化に最適な材なのかもしれない。とすれば、
スギが世界中で求められる日が来るかもしれない。 ここは、セルロース(あるいはリグニン)
ナノファイバーとの特性差による棲み分けが進むものと考えるし、多様性(選択の自由
度の拡大)を考える望ましい。有り体に申せば、持続可能な社会に向け、住宅建築、木
工家具、フローリング、ウッドデッキなど内装材、外構材、日曜雑貨品領域の進化に大
いに期待するものである。
革命的な風力タービン Ⅹ
30 情熱のままに / 離為火(りいか)
※ 離の卦は、火、太陽を象徴する。また明であり、知性である。燃え
つくことから、付着することでもある。この卦は上下とも離(り)
であり、いやがうえにも明るい太陽、火のような情熱、そして明晰
な知性を表わす。自己の立場にしっかり根を据えて(付着)、能力
をあるかぎり発揮すべき時である。しかし、情熱にまかせてやや軽
率な行動に走る傾向もある。「牝牛を養えば、吉」――牝牛のよう
な柔順さをあわせ持つことが大切である。
【RE100倶楽部:スマート風力タービンの開発 29】
さて、この「革命的な風力タービン」」シリーズも今夜で終わりとなる。発電量の大き
さではなく、高性能でタフでいて環境にマッチした自律分散型のスマート風力タービン
の開発が目標にあった。さらに、付け加えるべきは、耐用年数を20年としている。こ
こでは、カット・アウト風速すなわち過回転防止技術を取り上げる終わりとする。
Feb. 16, 2017
一般に、強風時に垂直軸揚力型風車が過回転となると、①速度制御機構や強力なブレー
キが必要になる、②また、ブレーキ破損時には、垂直軸揚力型風車が過回転により破損
してしまう恐れもある。③さらに、フラップの開閉に電力が必要であるという問題もあ
る。ところで、垂直軸型風力タービンには、ⓐ揚力型風車と、ⓑ抗力型風車とがあり、
これら垂直軸揚力型と、垂直軸抗力型には、上図のように、①直線翼垂直軸風車のよう
な揚力型は、高周速比で風力効率が高くなる特徴があり、②サポニウス風車のような抗
力型は低周速比で風車効率が得られる特徴がある。また、③高周速比の揚力型は騒音が
大きくなる特徴をもつ。中には、この揚力型と抗力型――小径ブレードは、サボニウス
型のブレードから成るとともに、大径ブレードは、ダリウス型のブレードから成る――
の、つまり、風速比の大小の領域に対応でき、過回転防止(=過電流切断回路)を組み
込んだ発電機から構成される下記特許も提案されている。
特許5882174/2016.3.9
【符号の説明】
1 風力発電装置 2 小径ブレード 3 大径ブレード 4 発電手段 5 磁力支持手段 6
支承手段 7 遮断手段 L 軸部材
これらを踏まえ、過回転防止技術の事例の新規考案を参考に俯瞰してみる。例えば。
下図の「特開2004-104975 風力発電装置」では、渦電流ブレーキ30は、風車ロータ4
を制動して回転数を減少可能に構成されている。具体的には、渦電流ブレーキ30は、
本体31と、この本体31内に収容されたコイル32およびロータ33とを含み、風車
ロータ4の回転に連動し、円板状のロータ33が回転する中でコイル32に直流電圧が
印加されて電磁石となると、ロータ33に渦電流が流れロータ33の回転抵抗を増大し
て制動される構成である。
このロータ33は、銅やアルミニウム等で円板状に形成され、交流発電機9を介して風
車ロータ4と連結されたブレーキ制御手段20は、交流発電機9の出力電力が設定値以
上となった場合、余剰出力電力を渦電流ブレーキ30へ供給して作動させる手段である。
ここでは、この実施形態は、交流発電機9として同期型発電機を選定し、ロータ回転数
に比例し出力電力が増大する。したがって、交流発電機9の出力電力から風車ロータ4
の回転数を算出している。ところで、ブレーキ制御手段20は、交流発電機9の出力電
力が設定値以上となった場合、余剰出力電力(余剰直流電圧)を渦電流ブレーキ30へ
供給し作動させ、風車ロータ4は、渦電流ブレーキ30で制動し、その回転数増加が抑
えられる。なお、この際、ブレーキ制御手段20とバッテリ充放電コントロールユニッ
ト12とは並列接続となることから、バッテリ14に充電しながら風車ロータ4の回転
数も制御できるとしている。
また、下図の「特開2016-017448 過回転を防止可能な垂直軸抗力型風車、及びこれを用
いた風力発電装置」では、①装置構成を大型化、複雑化することのない簡単な構造で、
暴風による風車の過回転を防止し、その破損を回避できる風力発電装置を提供する、ク
ロスフロー型の風車を備える風力発電装置で、各回転翼は、それぞれ翼形の断面形状を
もち、風車の回転軸を中心とする放射軸線との交差角度が風車に回転力を発生しうる初
期角度から風車の回転力を低減させる所定角度までの範囲で回動可能に支持され、これ
らの回転翼をそれぞれ初期角度位置に付勢し、かつ、風速に応じて各回転翼を所定角度
位置まで回動可能とさせるバネ部材が各回転翼に対応して設けた風力発電装置(特開20
03-148322)、あるいは、②永久磁石を用いた電磁誘導により、風車翼に装着した電導
板を介して、風力エネルギーを電流(電力)として取り出すことができるような風力発
電システムがあり、その中で風車翼の外周をリング状に覆うことにより、発電施設の強
度・安全性を高めることのできる防護機能を付加した装置(特開2008-09671)を例示し、
このように、従前においても強風等による風車の過回転を防止し、羽根や発電装置を保
護する風力発電機構については種々提案されているが、①過回転を防止する機構が羽根
毎に個別に設けられているため、構造の複雑化、②さらには、投資コスト増、等の問題
があり、③また、過回転防止機構を設けたとしても、此れを構成する複数個の機構のう
ち何れかが破損したり、風向等の理由から意図するように作動しなかった場合には、強
風の際の過回転を十分に防ぐことができない恐れがもあるとして、代替考案――過回転
を防止の複雑な機構を一元化し、簡易な構造によって強風等による風車の過回転を防止
できる垂直軸抗力型風車及び風力発電装置を提供する。
【符号の説明】
11 上側回転盤 12 下側回転盤 13 羽根部材 14 回転軸 15 締結部材孔 16 孔部
21 レール部材 22 ガイド部材 23 上側プレート 24 下側プレート 25 支持棒 26 締結
部材 27 軸受部 28 回転部材 31 回転軸接合部 41 土台 42 発電部 43 連結部材
51 カバー部材 52 開口部 53 風向板 54 上板 55 吊り下げ支持部材 81 連結部材
【要約】
中心に設置された回転軸と、この回転軸から放射状に広がる連結部材と、この連結部材
により回転軸に連結される、回転軸と同心円で、等間隔に配置された複数の羽根部材で
高清される風車モジュールと、この風車モジュールの周囲を包囲すると共に、この回転
軸とは独立し、軸回りに回転自在な筒状のカバー部材51から構成し、このカバー部材
周囲には正対する位置に2つの開口部52を設けると共に、周囲及び/又は上面には板
状に突出する風向板53を設けたことを特徴とする垂直軸抗力型風車を強風等による風
車の過回転を防止でき、限定された土地でも有効的に、そして効率的な風力発電を可能
にするため、装置本体を複数積層可能な垂直軸抗力型風車及び風力発電装置を提供する。
さらには、下図の「特開2016-205255 複合風車」では、この複合風車1で、垂直軸揚
力型風車10と、垂直軸抗力型風車20と、垂直軸揚力型風車10と垂直軸抗力型風車
20との間でトルクが伝達されるようにそれらを連結し、または、トルクが伝達されな
いようにそれらを切離す連結・切離し部30とを備え、連結・切離し部30は、垂直軸
揚力型風車10の回転数が垂直軸抗力型風車20の回転数よりも小さい弱風時にこれら
を連結し、垂直軸揚力型風車10の回転数が過回転数よりも小さくかつ垂直軸抗力型風
車20の回転数よりも大きい中風時にそれらを切離し、垂直軸揚力型風車10の回転数
が過回転数以上の強風時にそれらを連結することで、弱風での起動性を向上させ、かつ
、強風での過回転を抑制することができる複合風車を提供している。
【符号の説明】
1,2…複合風車、10…垂直軸揚力型風車、11…第1回転軸部、12…ブレード、
13…支持ストラック、20…垂直軸抗力型風車、21…第2回転軸部、22…ブレー
ド、23…ブレード支持板、30…連結・切離し部、31…第1磁力カップリングディ
スク、31A…磁石、32…第2磁力カップリングディスク、32A…磁石、33…磁
力軸、33A…磁石、34…移動手段、34A…風受板、34B…支持部材、34B1
第1支持部、34B2…第2支持部、34C…付勢部材、34D…風向制御翼、35…
カバー体、40…連結・切離し部、41…第1連結部、42…第2連結部、43…回転
数測定手段、44…制御手段
以上の事例を俯瞰してみてまず最初に複雑であるという印象を受け、実用性にあるいは、
わたし(たち)がイメージしていものとかなりかか離れてものであり、これに対し、①
ブリード風車部(あるいはトルク伝達部)の破損防止過回転防止機構には、シリンドリ
カルな遮断機構の上下開閉で対応(完全シールドしなくても、開閉度で原則可能)し、
②過回転による、過電流には、これらの事例で提案されているブレーキが遮断回路で対
応できると考える。前者①は、風車が破損しない強靭性を備えた機構・構造で対応すれ
ばそれも不用である。
最後に、現在「IoT」(モノのインターネット)という新しい『デジタル革命渦論』
の1つの惑星が誕生する時代である。知恵絞り汗を流せば、金元敏明教授の相反転方式
発電ユニットの考察から始まった、「スマートウインドタービン」という新星が、また
1つこの日本から生まれることとなる。頑張ろう!諸君。
ベートーベン: 七重奏曲 Septet, in Es, Op.20
ベートーヴェン初期の傑作で、明るい旋律と堂々としたリズムをもち、作品が公開され
た当初から広く親しまれたとされ、初版が出版される前から海賊版が出回っていたとも
言われている。作曲されたのは1799年から1800年にかけてで、同時期に作曲されたもの
に交響曲第1番などがある。ベートーヴェンの作曲人生の中では古典派音楽の勉強と自
らの独自性を模索する時期といえる。モーツァルトのディヴェルティメントのように、
娯楽的でサロン向けの音楽として書かれているが、旋律やリズム、構成の面などでその
後のベートーヴェンらしい作品の登場を予感させる部分も随所に見られる。第5楽章の
スケルツォはそのひとつである。作曲者によるピアノ三重奏版も存在する。意表を突か
れた、記憶に残る名迷曲の1つである(出典:Wikipedia)。
【楽曲構成】
ホルンとヴァイオリンとチェロのトリオ 第6楽章 Andante con moto alla marcia - Presto 変ホ短調 - 変ホ長調 4/4拍子
食品加工技術の向上の驚愕の様はこのブログでも掲載してきたが、昨年発売された日清
食品の「鬼かき揚げ太うどん」のように216円で電子レンジで簡単においしく頂ける
ことに象徴されている。後はこれを楽しく頂ける文化環境の有無ということになる。ま
た、同様にソーラールーフ搭載プリウスのCMも盛んに流されていることに感慨を受け
る。思えば、このブログ10年近くにもなる。ここで書き散らされた情報は、我が国だ
けでなく、米中ソ政府機関などからも検閲(誇大妄想)?されてきた。情報とは、タイ
ムラグはあっても、必ずリークするものであるから、今後も、積極的に発信し続けよう
と 、自分に言い聞かせる。そういえば、テレビ、北朝鮮で鯰の養殖に成功したことが放映され
ていたが、「河豚+鯛+鰻」の食感を併せ持つ優良食品として、国民の腹の足しになるなら、
これにこしたことはない。
グリーンインフラ時代
31 心のふれあい――恋 / 沢山咸(たくさんかん)
※ 咸(かん)とは感、感応することである。心のふれあいなくしては
人間の社会生活は成り立たない。その社会の最小単位ヽ心のふれあ
いの典型、それが夫婦である。この卦の上卦(兌)は若い女、下卦
(艮)は若い男を意味し、女の足下に男がひざまずいて愛を求める
形である。若い男女は、ふれあえぼたらまら恋の火花を改らす。最
も感応しやすいところから、この卦によって感応の原理を示すので
ある。「咸」の原理は、夫婦から社会一般、さらには天地宇宙にま
で敷衍(ふえん)することができる。
● 地震予測 南関東周辺 依然レベル5
【グリーンインフラ時代とは】
グリーンインフラ(グリーンインフラストラクチャー)とは、自然環境の幅広い機能を
活用した社会資本整備や土地利用の在り方のことを表す概念で、欧米では10年以上前か
ら公共事業の都市戦略や環境政策の文脈で使われていたものの、日本国内ではほんの数
年前から普及。そのグリーンインフラが最近、急速に注目を集めている。15年に、国
施策に位置付けられる。8月に閣議決定された、今後10年間の国土づくりの方向性を定
める国土形成計画に、「グリーンインフラ」という言葉が初めて使われ、同年9月には
第4次社会資本整備重点計画で、持続可能な地域社会の形成に向けて、グリーンインフ
ラの推進を明記。16年5月に決定される。「国土強靭化アクションプラン2016」でも
防災・減災につながる施策としてグリーンインフラの推進が盛り込まれている(出典:
「社会問題を丸ごと解決「グリーンインフラ」」日経コンストラクション 2017.02.16)
● 横断的な取り組みを必要とする
グリーンインフラの指す具体的な事業内容は。「緑の公共構造物」だが、対象は緑化し
たインフラそのものに限らず、例えば、水循環の機能を持つ貯留・浸透施設もグリーン
インフラの一つ。そのほか、多自然川づくりや遊水地、屋上緑化、浄化能力のある湿地、
再生可能エネルギーなど、グリーンインフラを構成する要素は多岐にわたる(上図参照)。
ただし、これらの構造物を個別に建設するだけでは、従来の事業と何も変わらず、グリ
ーンインフラの実現には、地域全体の便益の最大化を目指して、複合的、多面的に計画・
整備することがカギを握り、河川整備を例に取ると、河川敷内で事業を完遂するのが従
来型だとすれば、敷地の内外をトータルデザインすることで、様々な効果を生み出すの
がグリーンインフラと言われる。従来、個別の事業で解決しようとしていた防災・減災、
雨水循環、生物多様性保全などの課題に対して、横串を刺して一挙に解決するような効
果を狙うため、従来と異なり、分野横断的な取り組みが必要となる(定義は、欧米でも
異なる)。
その特徴は、自然環境を重視する一方で、人工構造物の存在を否定するものではなく、
人の手がほとんど入っていない自然環境から純然たる人工構造物まで、非常に広範な対
象を包括するのがグリーンインフラの特徴である。下水道やコンクリート三面張りの河
川のような人工構造物は、水を流すことに特化した点で単機能かつ高効率だが、一方で、
植栽や土壌の浸透を活用した雨水管理は、水資源の保全や流出速度の遅延などの多機能
性を持ち、時間を掛けて生育しなければ十分な効果を発揮できない。そのため、両方の
利点を生かして最適に組み合わせる。防災・減災の分野では、両方の利点を生かした事
例がある。東日本大震災で、防潮堤と防風林が互いに機能を発揮して、津波の威力を軽
減したのは記憶に新しい。
結局のところ、グリーンインフラではこれまで以上に、土地の条件や環境に応じたカス
タムメードの事業が必要になるといわれ、地元事情に詳しい地場の建設会社にも活躍の
場が見込めそうだ。もちろん仕事の受注には、発注者や住民のニーズ、地域が保有する
自然資源を普段から把握しておく姿勢が必要になる。現状では、国内でグリーンインフ
ラを意識して実施した事業はほとんどないとされるが、地域産業に大きく貢献したグリ
ーンインフラの好例――洪水対策のために河川敷を切り下げただけでなく、コウノトリ
の餌場となる湿地や水田を並行して整備。コウノトリが実際に野生復帰したことと相ま
って、そこで育てた米にブランド品として付加価値をつけた。地域固有の自然資源の活
用が、地元に経済波及効果をもたらした――としてよく紹介される兵庫県豊岡市の円山
川で実施した自然再生事業もあり、乞うご期待ということになる。
【RE100倶楽部:最新熱電変換素子講座】
● 事例研究:特開2017-034199 熱電変換素子及びその製造方法
今まで廃棄されていた熱エネルギーを電気エネルギーに変換して再利用することが可能
になる熱電変換素子が注目されている。一般的な熱電変換素子は、上図のように、p型
熱電変換材料のブロックとn型熱電変換材料のブロックとを交互に並べ、それらのブロ
ックを2枚の伝熱板の間に挟んだ構造を有している。p型熱電変換材料のブロックとn
型熱電変換材料のブロックとは金属端子により電気的に直列に接続され、終端のブロッ
クには引出電極を接続したものであり、「温度差発電」とも呼ばれたりしている。
また、成膜技術を使用して、基板上に熱電変換材料の薄膜を形成する熱電変換素子の製
造方法も提案され、さらには、種々の金属酸化物のn型熱電変換材料及びp型熱電変換
材料が提案されているが、一般的に、熱電変換材料の特性は、性能指数Zと絶対温度T
との積ZTで評価される。性能指数Zと絶対温度Tとの積ZTは無次元性能指数と呼ば
れ、下記(1)式で表される。無次元性能指数ZTの値が高いほど、熱電変換素子の熱
電変換効率を高くできる。
ZT=((S2×σ)/κ)×T …(1)
ここで、Sはゼーベック係数(V/K)、σは電気伝導率(/Ωm)、κは熱伝導率(
W/mK)である。上記(1)式からわかるように、熱電変換材料には、ゼーベック係
数S及び電気伝導率σが大きく、熱伝導率κが小さいことが望まれる。しかしながら、
現状では、無次元性能指数ZTの値が十分大きな熱電変換材料がなく、熱電変換素子の
熱電変換効率を高くすることができない。このため、この開示の技術では、以下の、熱
電変換効率が高い熱電変換素子及びその製造方法が提案されている。
【要約】
熱電変換素子は、基板11と、基板11上に配置され、熱電変換材料からなる第1の層
12aと第2の層12bとを交互に積層してなる熱電変換部材12とを有する。第1の
層12a及び第2の層12bは例えばランタンをドープしたチタン酸ストロンチウムか
らなり、第1の層12aの平均粒子径は例えば数μm、第2の層12bの平均粒子径は
例えば数10nm程度からなる(参照図3)。
【符号の説明】
10…熱電変換素子、11…基板、12,13…熱電変換部材、12a…第1の層、
12b…第2の層、14…接続電極、15a,15b…引出電極、20…エアロゾルデ
ポジション装置、21…成膜室、22…噴射ノズル、23…ステージ、25…ステージ
駆動部、26…真空ポンプ、27…メカニカルブースター、31…エアロゾル発生部、
32…原料粉末、33…加振器、34…ガスボンベ
【実施するための形態】
以下、実施形態について説明する前に、実施形態の理解を容易にするための予備的事項
について説明する。
前述したように、熱電変換材料には、ゼーベック係数S及び電気伝導率σが大きく、熱
伝導率κが小さいことが望まれる。ここで、前述の(1)式は、次の(2)式のように
表わすことができる。
ZT=((S2×σ)/κ)×T =((S2×σ)/(κele+κpho))×T …(2)
但し、κeleは電子による熱伝導、κphoは格子振動(フォノン)による熱振動である。
電気導電率σ及びフォノンによる熱振動κphoの値は、いずれも熱電変換材料の粒子径
に関係する。図1(a)に示すように、熱電変換材料の粒子径を例えば数μm程度また
はそれ以上にすると、電気伝導率σの値は大きくなるが、フォノンによる熱振動κphoの
値も大きくなる。その結果、ZTの値を十分に大きくすることができない。
一方、図1(b)に示すように、熱電変換材料の粒子径を例えば数10nm程度に小さ
くすると、フォノンによる熱振動κphoの値は小さくなるが、電気伝導率σの値も小さ
くなる。その結果、ZTの値を十分に大きくすることができない。以下の実施形態では、
熱電変換効率が高い熱電変換素子及びその製造方法について説明する。
図2は、実施形態に係る熱電変換素子の一例を示す平面図である。実施形態に係る熱電
変換素子10は、基板11と、基板11上に交互に且つ相互に平行に配置された複数の
帯状のn型熱電変換部材12及びp型熱電変換部材13と、それらの熱電変換部材12,
13を電気的に直列に接続する複数の接続電極14とを有する。
また、熱電変換部材12,13の配列方向の一方の側(図2では左側)に配置されたn
型熱電変換部材12には引出電極15aが接続され、他方の側(図2では右側)に配置
されたp型熱電変換部材13には引出電極15bが接続されている。基板11は表面が
絶縁性のものであればよく、例えば石英板又はSrTiO3板等を使用することができる。
n型熱電変換部材12は、図3の模式的断面図に示すように、大径の粒子よりなる第1
の層12aと、小径の粒子よりなる第2の層12bとを交互に積層した構造を有する。
ここで、第1の層12a及び第2の層12bの粒子は、いずれも金属又は金属酸化物よ
りなる。実施形態では、第1の層12a及び第2の層12bの粒子は、いずれもランタ
ン(La)又はニオブ(Nb)をドープしたチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)よ
りなるものとする。
第1の層12aの平均粒子径は例えば0.2μm程度であり、第2の層12bの平均粒
子径は例えば数10nmである。なお、第1の層12aの平均粒子径の好ましい範囲は
0.2μm~0.4μmであり、第2の層12bの平均粒子径の好ましい範囲は20n
m~50nmである。また、第1の層12aと第2の層12bとの合計の層数は、例え
ば3層~5層程度である。但し、第1の層12a及び第2の層12bの厚さ及び層数は
任意であり、上記の例に限定されない。
p型熱電変換部材13も、金属又は金属酸化物よりなる。p型熱電変換部材13を構成
する金属酸化物として、例えばCa3Co4O9を使用することができる。p型熱電変換部
材13も、n型熱電変換部材12と同様に、大径の粒子よりなる第1の層と、小径の粒
子よりなる第2の層とを交互に積層した構造を有することが好ましい。但し、n型熱電
変換部材12及びp型熱電変換部材13の少なくとも一方が、大径の粒子よりなる第1
の層と、小径の粒子よりなる第2の層とを交互に積層した構造を有していればよい。
接続電極14及び引出電極15a,15bは、いずれも金/チタン又はその他の金属に
より形成されている。このように構成された熱電変換素子10において、熱電変換部材
12,13の長さ方向の一方の側(図2では上側)と他方の側(図2では下側)との間
に温度差を与えると、ゼーベック効果により熱電変換素子10に電力が発生する。そし
て、熱電変換素子10に発生した電力は、引出電極15a,15bから取り出すことが
できる。
図4は、ゼーベック係数S、電気伝導率σ、S2σ値、及び熱伝導率κの関係を示す図
である。この図4に示すように、ゼーベック係数Sと電気伝導率σとは相反関係にあり、
電気伝導率σの値が大きいほどゼーベック係数Sの値は小さくなる。また、熱伝導率κ
の値は電子による熱伝導κeleとフォノンによる熱振動κphoとの合計であるが、フォノ
ンによる熱振動κphoの値は電気伝導率σの値にかかわらずほぼ一定であるのに対し、
電子による熱伝導κeleの値は電気伝導率σの値が大きいほど大きくなる。
一般的に、導電材料が同じであるとすると、粒子径が大きいほど電気伝導率σの値は大
きくなる。また、粒子径をフォノンの平均自由行程に近いサイズ(例えば、数10nm)
まで小さくすると、電気伝導率σにあまり影響を与えることなく熱振動κphoの値を小
さくすることができる。実施形態では、図3に示すように、大径の粒子からなる第1の
層12aと小径の粒子からなる第2の層12bとを交互に積層した熱電変換部材12を
使用している。大径の粒子からなる第1の層12aにより、電気伝導率σの値を大きく
することができる。また、小径の粒子からなる第2の層12bにより、熱振動κphoの
値、延いては熱伝導率κの値を小さくすることができる。
図5は、横軸に熱電変換部材12中の小径の粒子(以下、「小径粒子」ともいう)の割
合Rをとり、縦軸に電気伝導率σ、熱伝導率κ、及びσ/κ(以下、「特性値割合」と
いう)をとって、小径粒子の割合Rと電気伝導率σ、熱伝導率κ及び特性値割合σ/κ
との関係を示す図である。ここで、小径粒子の割合Rは、R=(各第2の層12bの厚
さの合計)/(熱電変換部材12の厚さ)である。また、第1の層12aの出発原料の
平均粒子径は約1μm、第2の層12bの出発原料の平均粒子径は約0.3μmである。
図5に示すように小径粒子の割合Rが0.2未満の場合、及び0.8を超える場合は、
いずれも特性値割合σ/κの値はほぼ1である。一方、小径粒子の割合Rが0.2~
0.8の場合は、特性値割合σ/κの値は1よりも大きくなる。このため、小径粒子の
割合Rは、0.2≦R≦0.8を満足することが好ましい。図5に示す例では、小径粒
子の割合Rが0.4のときに、特性値割合σ/κの値が約1.75と大きくなっている
。
前述の(1)式からわかるように、特性値割合σ/κの値が大きくなれば、それに比例
して無次元性能指数ZTの値が大きくなり、熱電変換効率が向上する。すなわち、実施
形態のように熱電変換部材12(または、熱電変換部材13)を、大径の粒子からなる
第1の層と、小径の粒子からなる第2の層とを交互に積層した構造とすることにより、
熱電変換素子10の熱電変換効率を向上させることができる。
図6は、本実施形態において熱電変換素子10の製造に使用する成膜装置(エアロゾ
ルデポジション装置)の一例を示す模式図である。図6に示すエアロゾルデポジション
装置20は、メカニカルブースター27を介して真空ポンプ26に接続される成膜室
21と、エアロゾルを発生するエアロゾル発生部31とを有する。成膜室21には基板
11が搭載されるステージ23と、ステージ23を水平方向(XY方向)及び垂直方向(
Z方向)に駆動するステージ駆動部25とが設けられている。また、成膜室21内には、
ステージ23に搭載された基板11に向けてエアロゾルを噴射する噴射ノズル22が配
置されている。
成膜室21の内部空間は、真空ポンプ26及びメカニカルブースター27により減圧さ
れる。成膜室21とメカニカルブースター27との間、又はメカニカルブースター27
と真空ポンプ26との間には、成膜室21内に噴射された原料粉末のうち膜の形成に寄
与しなかった分を回収する集塵機(図示せず)が設けられている。
エアロゾル発生部31内には原料粉末(出発原料)32が格納される。また、エアロゾ
ル発生部31には、エアロゾルの生成を促進するための加振器33が取り付けられてい
る。加振器33によりエアロゾル発生部31に超音波振動又は機械的振動を加えて原
料粉末32を飛散させ、エアロゾルの生成を促進する。エアロゾル発生部31には、原
料粉末32の乾燥を促進するためのヒータ(図示せず)が設けられている。このエアロ
ゾル発生部31の内部空間は、配管44及び開閉バルブ44aを介してメカニカルブー
スター27に接続されている。
エアロゾル発生部31内には、ガスボンベ34から配管41、開閉バルブ41a及びマ
スフローコントローラ41bを介してキャリアガスが供給される。キャリアガスとして、
He(ヘリウム)等の不活性ガスや、酸素又は空気等が使用される。キャリアガスは、
エアロゾル発生部31内で原料粉末32と混合されてエアロゾルとなる。エアロゾル発
生部31で生成されたエアロゾルは、配管42及び開閉バルブ42aを通って成膜室
21内の噴射ノズル22に送られる。
以下、上述のエアロゾルデポジション装置20を使用した熱電変換素子10の製造方法
の一例について説明する。まず、基板11を、エアロゾルデポジション装置20のステ
ージ23に搭載する。ここでは、基板11として、石英板を使用するものとする。基板
11の表面には、n型熱電変換部材12の形成領域に対応する部分が開口されたマスク
を配置する。
また、n型熱電変換部材12を形成するための原料粉末(出発原料)として、ランタン
がドープされた平均粒子径が1.0μmのチタン酸ストロンチウムと、同じくランタン
がドープされた平均粒子径が0.3μmのチタン酸ストロンチウムとを用意する。これ
らの原料粉末は、予め約130℃の温度で30分間加熱しながら真空脱気し、粉末表面
に吸着されている水分を除去しておく。
ここでは、平均粒子径が1.0μmのチタン酸ストロンチウムを入れた第1のエアロゾ
ル発生部31と、平均粒子径が0.3μmのチタン酸ストロンチウムを入れた第2のエ
アロゾル発生部31とを使用するものとする。それらのエアロゾル発生部31はガスボ
ンベ34と成膜室21との間に配置され、成膜時にはいずれか一方のエアロゾル発生部
31のみがガスボンベ34及び成膜室21に接続されるものとする。
まず、大径の粒子よりなる第1の層12aを形成するために、平均粒子径が1.0μm
のチタン酸ストロンチウム(原料粉末)を入れたエアロゾル発生部31を成膜室21に
接続し、成膜室21及びエアロゾル発生部31内を減圧する。その後、バルブ44aを
閉じた後、ガスボンベ34からエアロゾル発生部31にキャリアガスを供給する。これ
により、エアロゾル発生部31内にチタン酸ストロンチウムのエアロゾルが発生し、噴
射ノズル22からエアロゾルが噴射される。そして、基板11の表面にチタン酸ストロ
ンチウムが堆積して、第1の層12aが形成される。
このとき、原料粉末(チタン酸ストロンチウム)の粒子径が小さすぎると、電気伝導率
σの値を十分に大きくすることができないだけでなく、基板11に対する密着性が悪く
なる。一方、原料粉末の粒子径が大きすぎると、原料粉末の粒子が基板11の衝突する
際の衝撃により、基板11の表面を削り取ってしまうおそれがある。このため、第1の
層12aを形成するときの原料粉末の平均粒子径は、0.5μm~3μmとすることが
好ましい。
なお、チタン酸ストロンチウムの粉末は基板11に衝突するまでに粉砕されるため、第
1の層12a中の粒子径は原料粉末の粒子径よりも小さくなる。次に、小径の粒子より
なる第2の層12bを形成するために、平均粒子径が0.3μmのチタン酸ストロンチ
ウムを入れたエアロゾル発生部31を成膜室21に接続する。そして、第1の層12a
の形成時と同様に、ガスボンベ34からエアロゾル発生部31にキャリアガスを供給す
る。
これにより、原料粉末を含むエアロゾルが噴射ノズル22から噴射され、第1の層12
aの上に小径のチタン酸ストロンチウムからなる第2の層12bが形成される。この場
合も、チタン酸ストロンチウムの粉末は第1の層12aが形成された基板11に衝突す
るまでに粉砕されるため、第2の層12b中の粒子径は原料粉末の粒子径よりも小さく
なる。
第2の層12bを形成するときの原料粉末の粒子径が0.1μmよりも小さいと、第2
の層12bの密着性が悪くなる。また、第2の層12bを形成するときの原料粉末の粒
子径が0.5μmよりも大きいと、第2の層12bの粒子径が大きくなり、κphoの値を
十分に小さくすることができない。このため、第2の層12bを形成するときの原料粉
末の平均粒子径は、0.1μm~0.5μmとすることが好ましい。上述のようにして
第1の層12aと第2の層12bとを交互に、且つ所望の層数形成しることで、n型熱
電変換部材12の形成が完了する。
次に、Ca3Co4O9等のp型熱電変換材料を使用してp型熱電変換部材13を形成す
る。p型熱電変換部材13の形成方法は基本的にn型熱電変換部材12の形成方法と同
じであるので、ここではその説明を省略する。このようにしてn型熱電変換部材12及
びp型熱電変換部材13を形成した後、エアロゾルデポジション装置20から基板11
を取り出す。その後、基板11の表面に、接続電極14及び引出電極15a,15bの
形成領域に対応する部分が開口されたマスクを取り付け、基板11をスパッタリング装
置内に配置する。そして、スパッタリング装置により基板11上に例えばチタン及び金
を順次スパッタして、接続電極14及び引出電極15a,15bを形成する。
このようにして、本実施形態に係る熱電変換素子10が完成する。上述した例ではエア
ロゾルデポジションを使用して熱電変換部材12,13を形成しているが、その他の方
法で熱電変換部材12,13を形成してもよい。エアロゾルデポジション法を使用した
場合は、粒子径が大きく異なる第1の層と第2の層との積層構造を比較的容易に形成す
ることができる(後略)。
以上、富士通株式会社の特許事例を、光電変換素子に続く、熱電変換素子の実用化の波
を実感しながら掲載した。
※ 参考文献:M.Takashiri et al., Fabrication and characterization of bismuth-telluride-based alloy
thin film thermoelectric generators by flash evaporation method, Sensors and Actua-
tors A 138(2007)329-334
ブラームス: ピアノ三重奏曲 Piano Trio No.1, in H, Op.8
ピアノ三重奏曲第1番ロ長調作品8は、ヨハネス・ブラームスが1854年に作曲したピアノ
三重奏曲である。作曲者自身による改訂版が1891年に出版されている。ブラームスの作
品中で2つの版が現存するのは、出版された作品の中ではこの作品のみであり(ブラー
ムスは曲を改訂すると、初版はすぐに廃棄するのが常であった。尚、初期の歌曲など数
曲は破棄を免れた初版が現存する)、今日ではもっぱら改訂版が演奏されることが多い。
長調で始まり、同主短調で終わる、多楽章の大規模な作品としては最初のものである(
メンデルスゾーンのイタリア交響曲に他の例を認めることができる)。1855年11月27日、
ニューヨークにおいてウィリアム・メイソンのピアノ、セオドア・トーマスのヴァイオ
リン、カール・バーグマン(後のニューヨーク・フィルハーモニー指揮者)のチェロに
よる。
モト)2分の2拍子、ソナタ形式、ロ長調。 第2楽章:Scherzo Allegro molto スケルツォ、アレグロ・モルト4分の3拍子、三
部形式、ロ短調。 第3楽章: Adagio アダージョ(初版はアダージョ・ノン・トロッポ)4分の4拍
子、三部形式、ロ長調。 第4楽章:Allegro アレグロ(初版はアレグロ・モルト・アジタート)4分の3拍子、
再現部第1主題を欠いたソナタ形式、ロ短調。
「そこではトンボが飛んでいますか」という故堤清二(小説家・詩人・経営者)の言葉
が頭を過ぎる。あの時代すでに堤の頭にはそれがあった「グリーン・インフラ時代」。
電気自動車時代
31 心のふれあい――恋 / 沢山咸(たくさんかん)
※ 咸(かん)とは感、感応することである。心のふれあいなくしては
人間の社会生活は成り立たない。その社会の最小単位ヽ心のふれあ
いの典型、それが夫婦である。この卦の上卦(兌)は若い女、下卦
利点を生かして最適に組み合わせる。防災・減災の分野では、両方の利点を生かした事
【RE100倶楽部:電気自動車大国ノルウェー】
ノルウェーで電気自動車の記録が生まれた。今年1月、新車販売台数におけるディーゼ
ル車とガソリン車の合計シェアが5割を切った。ノルウェーは今後も電気自動車の比率
を高め、25年にはゼロエミッション車100%を目指すという(「ノルウェーが電気
自動車で快挙、シェア4割へ」スマートジャパン 2017.02.22)。
革命的な風力タービンⅣ
22 文明と退廃 / 山火賁(さんかひ)
※ 賁とは飾り、装飾のこと。美しい装飾は人の心を喜ばせ。躾とは身
を美しくすることであり、それは礼となって社会秩序をととのえる。
卦の形は、山を意味する(艮)の下に太陽を意味する(離)があり、
ダ映えが、山の草本を美しくいろどっていることを示している。し
かしそれは同時に没落寸前の輝きをも暗示する。文明が過度に准む
と、退廃美が好まれるようになり、やがて素朴な生命力失うに至る。
個人にあてはめれば、外面ばかりを飾って、内面的な、深みを失っ
てしまうのである。何事にも外見の華美盛大につりこまれることな
く慎重に内容を検討すべきである。
昨日は、今日と同じく早朝から除雪で、記憶が曖昧なのだが、作業を終えて、いつもの
作業をテレビを見ながら行っていると、福島区の新梅田シティそばにあるガラス張りの
ピザハウス「ガレリア」(アーケードとの意)は梅田店の紹介があったので録画してお
き今夜再生する。この店は昨年6月にオープン。もちもちっとした食感が楽しめるピザ
は、店のオーナーであり、ピザ職人の池田浩晃さんが、生地に使う小麦粉にこだわり、
トッピングの野菜は店内で自家栽培し“自家製主義”の新作ピザ作りの特集である。
幻の国産小麦と店内で自家栽培した野菜で仕上げるもちもちピザが評判の謎は、北海道
の希少な国産小麦「はるゆたか」。はるゆたかはきめが細かく、絹のように滑らかで、
こねて焼くともちもちとする。はるゆたか百パーセント(そばでいえば十割そば)を使
うと、水加減も焼き加減も難しい。オーナーシェフの池田さんのピザへのこだわりは野
菜にも注がれ、店内では野菜をLEDライト水耕栽培するというこだわりようである。
天井から釣られたプランターではバジルを栽培。富田林にある1号店でも同様とか。
テレビの中では、北海道江別市ではるゆたかを生産する富永政博さん――仕入れルート
を作ってくれた恩人――からその種を譲り受け、「ガレリア」の個室を改修し、緑いっ
ぱいの個室テーブルの中央から「はるゆたか」が芽を出し、壁の水耕栽培レタスも育っ
ている部屋を撮影する。
以前から「シーザーサラダのようなピザ」を作ってみたかったという池田オーナーシェ
フは、どの店にもない植物工場レタスとオリーブオイル、パルメザンチーズ、黒胡椒で
新しいサラダのはるゆたかピザを焼いて、恩人の富永さんに新作ピザ「植物工場レタス
のビアンカ」をお披露目する(下写真)。
Flora Bianco fabbrica lattuga Pizza
それにしても、ピザ、パスタは、小麦-オリーブオイル-ガーリックの三昧一体の絶妙
なピザ、そこに、チーズや生ミルクが入ればビアンカ。これがトマトが入れば、ロッサ
となる。特に冬のワタリガニのパスタ(リングイネ)は美味い。
【RE100倶楽部:スマート風力タービンの開発 23】
● 事例研究:特開2017-031920 垂直型風力発電システム、
及び垂直型風力発電システムにおける制御方法
【実施形態】
● 第1の態様
複数の直線翼から構成される①垂直型ブレードと、②垂直型ブレードまたは直線翼を保
持するアームと、③アームと固定されアームの回転を支持するシャフトユニットと、④
シャフトユニットと連動し、垂直型ブレードの回転エネルギーを電気エネルギーに変換
する発電機と、⑤垂直型ブレードとアームとシャフトユニットを保持するポールと、ベ
アリング等から構成されシャフトユニットをポールに回動軸支するシャフトユニット保
持部と、、⑥垂直型ブレードの回転面内においてアームに対する直線翼の相対角度をそ
れぞれ独立して回動させる回動手段と、⑦回動手段により相対角度を調整する回転角制
御手段と、⑧垂直型ブレードの回転中心を基準とした平面座標系における基準角度から
の垂直型ブレードまたは個々の直線翼のブレード回転角度と、ブレード回転角度から演
算した相対角度の回転角度テーブルとを有し、回転角度テーブルをもとに回転角制御手
段とを備え、ブレード回転角度に応じて直線翼の相対角度を可変とする構成としている。
● 第2の態様
第2の態様の垂直型風力発電システムは、第1の態様に係る垂直型風力発電システムの
構成において、直線翼の翼型断面形状は、いわゆる対称翼または非対称翼を備えている
構成により、比較的優れた揚力特性および抗力特性を有する対称翼または非対称翼の翼
型断面の翼型を直線翼として搭載することにより、翼型断面による揚力係数および抗力
係数の特性において、回転エネルギー変換効率および発電効率の向上に適した翼型を搭
載することで、垂直型風力発電システムの発電効率の向上を実現することが可能となる
という優れた効果を奏する。さらに、ブレード回転角度に応じて相対角度を変化させる
ことで大幅に回転エネルギー変換効率を向上させた垂直型風力発電システムを実現する
ことができる。
● 第3の態様
第3の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1または第2の態様に係る垂直型風力
発電システムの構成において、回転角度テーブルは、予め演算した値もしくは、一部ま
たはすべてをリアルタイムで演算した値を用いる構成としている。この構成により、回
転角度テーブルをあらかじめ演算しておきメモリに保存して必要な時に取り出す構成と
することにより、相対角度の調整時には演算時間が不要となるとともに、その都度演算
するエネルギーや時間が不要となり、制御時間遅れがなく、且つエネルギー効率の高い
垂直型風力発電システムを実現することができる。一方、リアルタイムで計算する構成
では、回転角度テーブルを保存するメモリ等のシステムが不要となるため、比較的低コ
ストかつ小型の垂直型風力発電システムを実現することが可能となる。
● 第4の態様
第4の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第3の態様に係る垂直型風力発電
システムの構成において、①風速と②垂直型ブレードの回転速度である周速に対する向
周速との合成となる相対風速と、②直線翼の前縁と後縁とを結んだ線分となる翼弦との
なす角度である、③いわゆる迎角において、接線方向の回転力が大きくなるような迎角
にするために相対角度を変化させることを目的として、相対角度は翼弦とアームとの角
度
または翼弦と直線翼の保持位置における接線方向との角度とした構成としている。この
時、相対角度が翼弦とアームとの角度の場合は、相対角度から90度引いた値をピッチ
角度と定義する。ここで、相対角度は、①迎角と、②風速、③周速、④ブレード回転角
度から演算が可能である。翼型特性を表す①揚力係数および②抗力係数は、③迎角との
関係で示しており、回転角度テーブルを演算する基となる翼型特性を精度よく取り入れ
ることが可能となるため、精度の優れた①回転角度テーブルおよび②相対角度を導きだ
すことが可能となり、回転エネルギー変換効率および発電効率の優れた垂直型風力発電
システムを実現することが可能となる。
● 第5の態様
第5の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第4の態様に係る垂直型風力発電
システムの構成において、①平面座標系において垂直型ブレードに流入する風の風速ま
たは垂直型ブレードの周辺の風速を検出する風速検出手段と、②垂直型ブレードの回転
数を検出する回転数検出手段とを有し、③回転角度テーブルは、風速、垂直型ブレード
の翼直径、翼型の風速またはレイノルズ数および迎角に対する揚力特性および抗力から
なる翼型特性、回転数または周速比、翼弦の長さとなる翼弦長、垂直型ブレードの全長
となる翼長、直線翼の翼枚数および垂直型ブレードの翼直径から演算されたソリディテ
ィー、およびブレード回転角度のすべての数値またはいずれか一つ以上の数値から演算
したブレード回転角度と相対角度の関係を表す回転角度テーブルとを有した構成として
いる。
この構成により、風速またはレイノルズ数、垂直型ブレードの翼直径、回転数または周
速比、ソリディティー、ブレード回転角度、翼型およびその翼型特性など、回転エネル
ギー変換効率を向上させるために必要な要素をすべて考慮し、最適かつより精度の高い
相対角度および回転角度テーブルを算出することが可能となり、回転エネルギー変換効
率および発電効率の優れた垂直型風力発電システムを実現することが可能となる。
● 第6の態様
第6の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第5の態様に係る垂直型風力発電
システムの構成において、回転角度テーブルは、迎角または相対角度、ブレード回転角
度、周速比および風速との関係を表したもので、①一方の軸をブレード回転角度、②も
う一方の軸を相対角度、ピッチ角度または迎角として、③周速比および/または風速毎
の複数の情報を有したデータの構成としている。
この構成により、回転エネルギー変換効率を高めるためのブレード回転角度、風速、回
転数または周速比に応じた迎角または相対角度の情報を簡素に取り出すことが可能とな
り、精度の高い回転角度テーブル、回転エネルギー変換効率および発電効率の優れた垂
直型風力発電システムを実現することが可能となる。
● 第7の態様
また、第7の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第6の態様に係る垂直型風
力発電システムの構成において、回転角度テーブルの風速は0m/sから最大100m
/sの範囲とし、相対角度は±180度とした構成としている。この構成により、風速
は微風から強風域をカバーし、相対角度は±180度全域を調整範囲としているため、
あらゆる風況および構成仕様を想定した上で、最適な相対角度を選択することができ、
優れた回転エネルギー変換効率および発電効率を実現した垂直型風力発電システムが可
能となる。
● 第8の態様
また、第8の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第7の態様に係る垂直型風
力発電システムの構成において、平面座標系における風向角度を検出する風向検出手段
を有し、相対角度は、回転角度テーブルより、風速、回転数または周速比、およびブレ
ード回転角度をもとに参照した相対角度に、風向検知手段より検出した風向角度を加算
した風向加算相対角度とする構成としている。
この構成により、①あらゆる風向に対応した回転角度テーブルおよび相対角度を実現す
ることができ、一層精度の高い回転角度テーブルおよび相対角度と、回転エネルギー変
換効率および発電効率の優れた垂直型風力発電システムを実現することが可能となる。
②さらに、回転角度テーブルを事前に算出し、リアルタイムで風向を加算する構成とす
ることで、演算時間を大幅に短縮できるとともに、事前に算出する回転角度テーブルの
演算に十分時間を費やすことができるため、より高精度な回転角度テーブルを実現する
ことができ、より精度の高い回転角度テーブルおよび相対角度と、回転エネルギー変換
効率および発電効率の優れた垂直型風力発電システムを実現することが可能となる。
● 第9の態様
また、第9の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第8の態様に係る垂直型風
力発電システムの構成において、風速に応じて発生する垂直型ブレードの回転エネルギ
ーによる回転トルクと、発電機の負荷による回転抑止トルクを釣り合わせることにより、
垂直型ブレードの回転数を一定回転数に制御する①垂直型ブレードの回転数制御手段を
有し、回転数制御手段は発電機の回転数に応じて発生する回転抑止トルクに対して、②
発電機の回転数に応じて発生する電力、電圧、電流または発電機に付加する抵抗値を変
化させる回転抑止トルク可変手段を有した構成としている。
この構成により、相対角度の可変により制御した回転エネルギーと発電機側の回転抑止
トルクを精度よく釣合わせることが可能となり、垂直型ブレードの回転数を精度よく制
御することができる。特に、回転数を回転エネルギー変換効率のピーク付近で一定とす
ることで回転エネルギー変換効率および発電効率の優れた垂直型風力発電システムを実
現することが可能となる。
● 第10の態様
また、第10の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第9の態様に係る垂直型
風力発電システムの構成において、回転角度テーブルは回転エネルギー変換効率を向上
させることを目的として、風速の風速レベルにより、相対角度を変化させた値とし、①
風速レベルが微風の時は直線翼から発生する力のうち比較的抗力による接線方向の回転
トルクが大きくなる相対角度または回転エネルギー変換効率が大きくなる相対角度とし、
②風速レベルが微風の領域を超えた場合は、直線翼から発生する力のうち比較的揚力に
よる接線方向の回転トルクが大きくなる相対角度、揚力と抗力の比となる揚抗比が比較
的大きくなる相対角度、または回転エネルギー変換効率が大きくなる相対角度としとし
た構成としている。この構成により、風速に応じた最適な相対角度を選択することが可
能となり、回転エネルギー変換効率および発電効率の優れた垂直型風力発電システムを
実現することが可能となる。
● 第11の態様
また、第11の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第10の態様に係る垂直
型風力発電システムの構成において、風速レベルは、4m/s以下の風速を微風とし、
8m/sを超える風速を強風とする構成としている。この構成により、回転角度テーブ
ルより、風速に応じた相対角度を選択することが可能となり、精度の高い回転エネルギ
ーへの変換ができ、回転エネルギー変換効率および発電効率の優れた垂直型風力発電シ
ステムを実現することが可能となる。
● 第12の態様
また、第12の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第11の態様に係る垂直
型風力発電システムの構成において、回転角度テーブルは、回転エネルギー変換効率を
向上させることを目的として、垂直型ブレードの周速比の周速比レベルにより相対角度
を変化させた値とし、周速比レベルが低速の時は直線翼から発生する力のうち比較的抗
力による接線方向の力が大きくなる相対角度とし、周速比レベルが低速の領域を超えた
場合は、直線翼から発生する力のうち比較的揚力による接線方向の力が大きくなる相対
角度または前記揚力と抗力の比となる揚抗比が比較的大きくなる相対角度とした構成と
している。この構成により、周速比に応じた最適な相対角度を選択することが可能とな
り、回転エネルギー変換効率および発電効率の優れた垂直型風力発電システムを実現す
ることが可能となる。
● 第13の態様
また、第13の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第12の態様に係る垂直
型風力発電システムの構成において、周速比レベルは、①周速比が1以下の回転数は低
速とし、②周速比が1を超える回転数は高速とする構成としている。この構成により、
回転角度テーブルより、周速比に応じた相対角度を選択することが可能となり、精度の
高い回転エネルギーへの変換ができ、回転エネルギー変換効率および発電効率の優れた
垂直型風力発電システムを実現することが可能となる。
● 第14の態様
また、第14の態様に係る垂直型風力発電システムは、第1~第13の態様に係る垂直
型風力発電システムの構成において、回転角度テーブルは、エネルギー変換効率を向上
させることを目的として、風速および周速比により相対角度を導いた値とし、風速レベ
ルが①微風でかつ周速比レベルが低速の場合は直線翼から発生する力のうち比較的抗力
による接線方向の力が大きくなる相対角度とし、②風速レベルが強風でかつ周速比レベ
ルが高速の場合は、直線翼から発生する力のうち比較的揚力による接線方向の力が大き
くなる相対角度または揚抗比が比較的大きくなる相対角度とし、③風速レベルが強風で
かつ周速比レベルが低速の場合は、直線翼から発生する力のうち比較的抗力による接線
方向の力が大きくなる相対角度とし、風速レベルが微風でかつ周速比レベルが高速の場
合は直線翼から発生する力のうち比較的揚力による接線方向の力が大きくなる相対角度
または揚抗比が比較的大きくなる相対角度とし、それ以外の風速レベルおよび周速比レ
ベルの領域では揚抗比が大きくなる相対角度とした構成としている。
この構成により、回転角度テーブルから、風速および周速比に応じた相対角度を選択す
ることが可能となり、精度の高い回転エネルギーへの変換ができ、回転エネルギー変換
率および発電効率の優れた垂直型風力発電システムを実現することが可能となる。
さらに、態様項数がつづくので、今夜はこの辺までとして、残りは次回に持ち越す。
この項つづく
ヤナーチェク: 弦楽四重奏曲 String Quartet No.1
「クロイツェルソナタに霊感を受けて」
弦楽四重奏曲 第1番ホ短調『クロイツェル・ソナタ』は、レオシュ・ヤナーチェクが
1923年10月30日から11月7日にかけて作曲した弦楽四重奏曲。1924年10月17日にプラハ
にて初演。『クロイツェル・ソナタ』という副題は、レフ・トルストイの同名の小説に
触発されたことを暗示し、ベートーヴェンの「ヴァイオリンソナタ第9番」とは直接的
な関連はない。かつてヤナーチェクは、この小説に霊感を得て弦楽三重奏曲(1904年)
とピアノ三重奏曲(1908年-1909年)の2曲を出発点としているが、この2つは現在散
逸。この弦楽四重奏曲は以下の4つの楽章からなる。全曲を通し演奏で15分程度と短
い。それぞれの楽章は、順を追って物語を展開させ、主人公が妻の不倫を知って苦悩す
る場面から開始楽章が始まり、終楽章で妻の殺害に至る。
【楽曲構成】
電気自動車時代へ
32 変化なき生活――結婚 / 雷風恒(らいふうこう)
※ 恋愛のあとは結婚である。恒とは恒常不変のことであり、安定した
結婚生活を意味する。上卦の震は成人した男子、下卦の巽は成人し
た女子、「咸」の卦では若かった二人もいまは中年となり、位置も
男が上に立ち、女は下に従っている。かつての燃えるような恋が、
平穏無事な生活とかわっているのである。そうなればまた、波瀾を
求める心が動く。いわゆる「よろめき」が始まるのだ。危険な誘惑
をしりぞけなければ、恒久の道は得られない。いまは夫婦の間に限
らず、何事も初心を忘れず、新奇なものに惑わされることなく方針
を一貫してゆくことが肝要である。
【RE100倶楽部:電気自動車立国ノルウェー】
ノルウェーで電気自動車の記録が生まれた。今年1月、新車販売台数におけるディーゼ
ル車とガソリン車の合計シェアが5割を切った。ノルウェーは今後も電気自動車の比率
を高め、25年にはゼロエミッション車100%を目指すという(「ノルウェーが電気
自動車で快挙、シェア4割へ」スマートジャパン 2017.02.22)。
同国内で2017年1月に販売された乗用車の記録をノルウェーの調査会社OFVが発表。新車
のうち、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンのみを備えた自動車の比率は48.6%と
なり、初めて5割を切る。伸びているのはプラグインハイブリッド車と電気自動車。前者
(PHEV)のシェアは20.0%、後者(EV)のシェアは17.5%、合計すると37.5%を達成。
EVの台数は順調に増えている。2016年12月13日に、ノルウェー電気自動車所有者協会
(Norsk elbilforening)がマイルストーンとなる記録を発表。国内のEVの保有台数が10万
台を超え、これにより、毎年20万トンの二酸化炭素排出量削減に貢献。次の目標は20
年の40万台と設定。力を入れているのは民間だけではない。ノルウェー議会は25年
までに排気ガスを排出しないゼロエミッション車の比率を100%に高める目標を策定。
ノルウェーの快挙は偶然ではない。何の政策支援もなければ、国内で採掘された石油資
源に頼ることになる。そこで欧州委員会(EC)の下部組織であるEAFO(European Altern-
ative Fuels Observatory)によれば、09年時点、ノルウェーのPHEVとEVの市場シェアは
0%(上図)。212年時点でも伝統的なディーゼル車のシェアが75.7%、同ガソリン車
が20%、合計95.7%だった。ノルウェーはディーゼル王国。それが、その後、PHEVとE
V、特にPHEVのシェアが急増。16年にはPHEVが13.4%、EVが15.7%を達成。合計す
ると29.0%だった。
● 政策に市場が反応
ノルウェーにおいてPHEVやEVのシェアが急速に伸びているのは、手厚い政策支援を積
み重ねているためだという。①税制上の優遇策:15年時点では約10万クローネ(約
130万円)の購入税が免除されている他、EVに限っては25%の付加価値税(VAT)
も免除される。EV導入を狙う主要国でVAT免除を打ち出しているの国は15年時点でノ
ルウェーだけ。登録税や所有税、社用車にかかる税金も少ない。PHEVやEVを輸入する
際には関税がかからない。②利用時のインセンティブも多い。地方自治体によって異な
るものの、フェリーを含む道路の通行料金や高速道路の料金が免除される他、PHEVやE
Vに向けた無料の駐車場が整備されている。バス専用道路の通行も認められている。バ
スに関する政策もデンマークオリジナルだ。共有アパートやショッピングセンタ、駐車
場に普通充電器を設置する際、主要都市では補助金が付く(下図)。急速充電器の支援
策もある。主要道路へ50kmごとに急速充電器を設置する場合、やはり補助金が付く。
IEAが16年5月に公開した「Global EV Outlook 2016」によれば、15年時点でPHEVと
EVを合わせた保有台数のトップは米国、次いで中国。ノルウェーは日本、オランダに次
いで世界第5位。EVは本来、暖房用電力をあまり必要とせず、充電インフラを整えやす
い都市部で最高の性能を発揮、ノルウェーは緯度のわりに温暖なものの、北海道より寒冷な
土地も多く、国土は起伏に富み、人口は希薄だ。それでもEVは普及する。そこで、ノルウェー
から学べることは少なくとも2つあるとこの記事は指摘する。
1.既にガソリン車に匹敵する性能を発揮できること。
2.化石燃料削減を狙うなら、EVへの政策誘導が効果的だということ。
● エネルギー問題が「存在しない」ノルウェー
ノルウェーにはエネルギー問題が存在しない。ノルウェーは日本とほぼ同じ広さ(38万6
000平方キロメートル)の国土に、北海道とほぼ同じ527万人が暮らす。海面下の深さが
1000メートルに達する深い谷「フィヨルド」や輸出量世界第2位の漁業国というイメー
ジが強いが、エネルギーにも恵まれている。原子力発電や石炭火力発電とは無縁だ。電
力の96%を水力発電でまかなう。残りはガス火力発電(1.8%)と風力発電(1.6%)。
巨大な揚水発電所を複数備え、デンマークやドイツで余った自然エネルギー由来の電力
を輸入し、他国で不足したときに輸出している。いわば国内に超大型蓄電池が備わって
いるかのようだ。2014年の国内発電量は、IEA(国際エネルギー機関)によれば1423億キ
ロワット時(kWh)、輸出電力は219億kWh、輸入電力量は63億kWh。さらに化石燃料にも
恵まれている。71年に国土の南西に広がる北海で海底油田が発見された後、755年に
は原油の輸出を始めた。石油産出量のシェアは14年時点で2.0%。天然ガスはさらに優
位。生産シェアは世界第7位の3.3%だ。石油とガスの事業収入を年金の資金として国が
積み立てていると解説しているが、日本には「知恵という資源が豊富」であるから心配
はないと、わたしたちは信じている。時代は確実に電気自動車へ向かっている。
【ボルチモア湾浄化の2つのトラス・ホイール】
米国のボルチモア湾はかって流入するゴミでひどい状態だったが、それを見かねて、ボ
ルチモア臨海協同組合の支援を受け、キャントン地区に、水車式ゴミ回収艇を購入設置
する。太陽光発電と水力発電で動くゴミ回収量は1日3万8千ポンド(約1万7千キロ)
にものぼる。14年5月にジョーンズ・フォールの河口に設置して依頼、湾内へのゴミ
の流入を百万ポンド(約454トン)回収し湾内の浄化することに成功する。これを受
け、12月に2艇目をハリス・クリークパークに設置されたが、トラス・ホイール(ゴ
ミ回収水車)教授と名付けられた水車艇には丸い目と眉毛が施されている。また、同協
同組合の「ヘルシーハーバー行動計画」は20年までに同港の担当者は「湾で遊泳でき、
魚釣りができることを目指している。関連活動を行っている環境NPOは「このような
状況は、港湾の一部である魚、カニ、カメ、鳥、河川の水棲生物を脅かすものであり、
水と触れるだけで水媒介性疾患の脅威に曝されることになる。」と話している。
プロコフィエフ: 弦楽二重奏曲 Sonata for 2 violine, Op.56
セルゲイ・プロコフィエフは、2つのヴァイオリンのためにソナタをハ長調 Op.56は、
1932年に聖サントロペ近くにあるトリトン近郊で休暇中の同年12月16日に演奏される。
しかし、3週間前の1932年11月27日に、モスクワで、ベートーベン四重奏団のドミト
リー・ツイガノフとウラジミール・シャリンスキーにより演奏されている。トリトン・
コンサートの実演は、「西洋初演」で、その時の演奏家は、ロバート・ソーテンスと
サミュエル・ダシキンであった。この作品は1932年にベルリンにて出版される。
【楽曲構成】
世界初 3DPで細胞チューブ
33 一歩後退 / 天山遯(てんざんとん)
※ 宋の大学者、朱熹が天子の侍講(じこう)であった頃、権臣韓侂冑
(かんたくちゅ)の専横を弾劾する上奏文を提出しようとしたこと
がある。それを知った弟子たちが、師の危険を恐れて諌止したが、
聞き入れられず、ついに占筮(せんぜい)によって決することにし
た。その時得たのがこの「遯」の卦である。朱熹は黙って退き、上
奏文を焼き捨ててそれ以後隠遁したという。遯とは、のがれ退くこ
と。また豚と通ずる。豚は逃げ足の早い動物である。運気が衰えて、
時流われに味方せず、こういうときには、さっさと退くことが最上
の道である。卦の形は、陰の勢力(--)が勃興して上にある陽(-)
が隠遁することを示している。力まかせに切り抜けようとせず、衰
運の過ぎるのを待つことだ。
21日、岡山大学らの研究グループは、光合成プロセスの中で、これまで謎だった2つの
水分子が分解されて1つの酸素分子が形成される触媒反応の基本原理を明らかにしことを
公表。それによると、光合成の水分解反応において、光化学系ⅡI複合体(PSII)が酸素分
子を発生させる直前状態の立体構造を捉えることに成功、酸素分子の生成部位を特定した。
● 光合成の酸素分子を生成する触媒反応を解析
上図、PSIIは、光エネルギーを利用して水分子を酸素と水素イオン(プロトン)と電子へ
と分解して酸素分子を発生させる、いわば“光合成の始まり”を担う。これまでにPSIIの
高純度結晶の立体構造を解析し、水分子を分解する触媒の立体構造の正体は Mn4CaO5ク
ラスターで“ゆがんだイス”のような形状をしていることが明らかになっている。“ゆが
んだイス”の触媒は、周期的な5つの中間状態を経て水分解反応を行う。今回、水を分解
する反応サイクルの「途中」状態に相当する立体構造を解析し“ゆがんだイス”の触媒の
中に新たな水分子が取り込まれる様子を捉えることに成功。水分解反応の「始まり」の状
態ではMn4CaO5クラスターの触媒が、反応「途中」の状態で水分子を取り込むことで反応
中間体の1つに変化することを明らかにした。立体構造の解析には、X線自由電子レーザ
ー(XFEL)施設SACLAを用いている。
今回SACLAのX線自由電子レーザーで解析した光化学系Ⅱ複合体(PSII)に含まれる水分
解触媒の立体構造。“ゆがんだイス”のかたちをした触媒に水分子が取り込まれた瞬間を
捉えている。水色の部分が今回明らかにされた酸素分子が発生する部分(上図)。
今回の成果は、太陽の光エネルギーを利用して水分解反応を人工的に実現する触媒の構造
基盤に関する情報を提供するもの。この反応を模倣する「人工光合成」が実現すれば、太
陽の光エネルギーを利用して水から電子と水素イオンを取り出して有用な化学物質を高効
率・低コストで作り出せると期待されている。
● 分子の自己組織化を制御:
水素結合性材料で世界最高効率3.0%の太陽電池
22日、千葉大学は分子の自己組織化を制御する仕組みを解明したと発表。これを応用する
ことで、太陽電池などの有機材料による電子デバイスを低コスト・大面積化できる。同大
学矢貝史樹准教授らの研究グループは、「多点水素結合」と呼ばれる分子間での相互作用
を利用し、半導体性を持つ分子の自己組織化を精密に制御できるようにした。
つまり、この多点水素結合は、分子の集合経路の制御に有効な手法である。DNAやRNAの
塩基対形成にも利用されている。特定の分子を認識するだけでなく、分子の向きや角度を
揃えることができる。多点水素結合部位の「バルビツール酸」を、汎用性半導体分子の「
オリゴチオフェン」に結合、構造の異なる2種類の分子を合成し、それらのわずかな違い
を利用して、さまざまな条件下で集合構造を制御することに成功する。
例えば、上図のレポートのように、例えば、溶解性の向上に必須な4本の「ヘキシル鎖」
が、半導体分子の左右どちらよりに結合しているかで異なり、それらの分子構造のクロロ
ホルムへの溶解性の違いが、水素結合による集合構造の違いにあることを突き止め、また、
分子が高い精度で階層的に組み上がる仕組みを解明。集合体の溶液から溶媒を除去すると
自己組織化がさらに進行し、構造が積層して異なったナノ構造が形成される。
例えば、わずかな分子構造の違いによって規制された水素結合パターンが、溶液(1次元
)から界面(2次元)、固体(3次元)と、構造を変えることなく階層的に組み上がるこ
とで、高い精度で自己組織化が進行 さらに、今回の方法で得た集合構造の一つは、電子
物性が異なる材料とよく混ざり合う性質をもち、水素結合性材料としては、世界最高の太
陽電池としての性能を示すことがわかった(出典:「分子の自己組織化を制御、水素結合
性材料で世界最高効率3.0%の太陽電池」 日経テクノロジーオンライン 2017.02.23)。
自己組織化によって形成される構造の違いが有機デバイスに与える影響を調べるため、オ
リゴチオフェンと反対の電子的性質を持つ半導体分子であるフラーレン誘導体と溶液中で
混合し、乾燥させて混合薄膜を作成。この手法は、バルクヘテロ接合法と呼ばれ、有機材
料による安価な太陽電池の作製法として知られる。混合薄膜の形成時に、①ロッド構造は
フラーレン誘導体とよく混ざり合うが、②多層構造はフラーレン誘導体が入りこむ隙間が
なくうまく混ざり合わない。そこで、バルクヘテロ接合法による太陽電池は、電子物性が
異なる二つの材料がより細かく混ざり合った方が、光励起によって異種材料の界面で電荷
がより多く生まれるため、高い性能を示すという原理である。
そこで、実際に混合薄膜に光を照射すると、①ロッド構造を使ってフラーレン誘導体とよ
く混ざり合った混合薄膜と、②多層構造のためフラーレン誘導体がうまく混ざり合わなか
った混合薄膜では、光電変換効率で2倍の差がつく。ロッド構造を使ってフラーレン誘導
体とよく混ざり合った混合薄膜による太陽電池の効率は3.0% を超え、水素結合性材料
としては世界最高の性能を示した。ナノレベルの構造の違いが、太陽電池の性能に大きな
影響を与えることを証明する(素晴らしい!)。今後は、分子の自己組織化を利用した有
機デバイスは、低コスト・大面積化の面で、無機材料によるデバイスや従来の蒸着法によ
る有機デバイスよりも優れており、さらに発展する分野に貢献する。
【3DP倶楽部:神経再生向け細胞チューブ作製】
23日、京都大の池口良輔准教授らの研究グループが人や動物の細胞を立体的に作る「バ
イオ3Dプリンター」を使い、事故などで欠損した神経を再生する世界初の技術を開発。
事故で指の神経細胞が欠損した場合、足などの神経を移植する手術が行われるが、代わり
に足の神経は欠損してしまう。シリコン製チューブで欠損した神経同士をつなぐ人工神経
の開発も進むが、事故前の状態まで回復させるのは難しい。そこで、池口准教授と九州大
発の医療ベンチャー、サイフューズは、人の皮膚から採取した細胞を培養して作った細胞
の塊から、サイフューズが開発したバイオ3Dプリンターを活用し、筒状のチューブ「神
経導管」を作製。神経導管は長さ8ミリ、外径3ミリ程度。神経が欠損したマウスに移植
したところ、人工神経では足を引きずるマウスが多かったのに対し、人の細胞から作った
神経導管を使った場合は健康なマウスのように足を上げて歩いた。研究グループは19年
度から臨床試験を行いたい考え。池口准教授は「日本では年間5000~1万人が事故や
労災で神経を欠損しており、患者の社会復帰と痛みを取ることができる」と話す。
JP 5931310 B1 2016.6.8
【要約】
細胞トレイと細胞塊に貫通する穿刺部とを備え、穿刺部はその先端が貫通部に進入するま
で凹部に支持される細胞塊を貫通することを特徴とする細胞構造体製造装置を提供する。
さらに、細胞塊の特徴を検査する判定部と、該判定部による検査結果に応じて細胞塊を分
別する分取部と、該分取部による分別結果に応じて細胞塊を細胞トレイに配置する吐出部
と、細胞トレイに配置された複数の細胞塊を貫通する穿刺部と、複数の細胞塊を貫通した
複数の穿刺部を配列して保持する保持部とを備える細胞構造体製造システムを提供する。
JP 2016-105700 A 2016.6.16
【要約】
肝細胞と、血管内皮細胞及び幹細胞から選ばれる少なくとも1種の細胞との混合物から形
成された肝臓組織型スフェロイド、及び前記スフェロイドを配合又は積層することを特徴
とする肝臓組織型立体構造体の製造方法で、肝臓組織型スフェロイド並びにその製造方法
の提供する。
蓋し、3Dプリンタの発明は日本(特許申請で遅れをとる)、元々実力がある。医療分野
で貢献できれば本懐であろう。
ハイドン: 弦楽四重奏曲 String Quartet No.78「日の出」, in B, Op.76-4
弦楽四重奏曲第78番変ロ長調op.76-4は、オーストリアの作曲家、フランツ・ヨーゼフ・
ハイドンによって、1797年に作曲された弦楽四重奏曲である。第1楽章の冒頭が太陽が昇
ってくる様子を連想させるので、「日の出」という副題で呼ばれることが多い。
【楽曲構成】
突然のデクサマニーの返礼
34 喧噪の虚しさ / 雷天大壮(らいてんたいそう)
※ 大壮とは、大(陽)が壮んであること、また大いに壮んであること、
陽気が下から盛りあがり、上の陰気を衰えさせる形である。陰気な
ことはすべて忘れて陽気に派手にさわぎながら行く状態。したがっ
て、外見ほどには実質をともなわない憾みがある。まさに天(乾)
上に雷鳴(震)がとどろきながら、一向に雨の気配がないという卦
象そのままである。こういう特には、自分自身をいま一度ふりかえ
ってみる必要がある。事業を拡張するのもよい、力を頼んで突き進
む時でもある。しかし、甘い気持でいると大失敗を刻招くこと必定
である。
● 今宵もほっとウイスキーとひとり鍋: 大根と豆腐のおろし鍋
材 料:大根 6㎝(150g) 大根おろし 12㎝(300g)、豆腐1/2丁(150g)水 2カッブ、
刻み大根葉 少々、調味料:昆布 5g、塩 小さじ
作り方:①大根は半月切り、豆腐は4等分、②鍋に見ずと昆布、塩、大根を入れて火に
かけ大根が柔らかくなれば、大根おりし、豆腐、刻み大根場をちらし火を通す。
最近は、ものすごく疲れるときは、ストレートを前酒としてぶっ込んでから、鍋を突き、
ウイスキーにお湯を注ぎ頂き、身体をホカホカ疲れ癒している。本当に便利になった。
その年の五月から翌年の初めにかけて、私は狭い谷間の入り口近くの、山の上に住ん
でいた。夏には谷の奥の方でひっきりなしに雨が降ったが、谷の外側はだいたい晴れ
ていた……それは孤独で静謐な日々であるはずだった。騎士団長が顕(あらわ)れる
までは。
村上春樹 著『騎士団長殺し』 第1部 顕れるイデア編
24日、村上春樹が複数巻にわたる長編としては『1Q84』(新潮社)以来7年ぶりとなる
作品『騎士団長殺し』(新潮社)を出版。
当然、読むべきだろうが、今のところその余裕はない。気が向けば感想を、小説「火花」
の時のように掲載していこう(いまは偏頭痛がひどいので、行ければの話だが)。ところ
で、「村上春樹が新作『騎士団長殺し』に込めたメッセージとは? 昨年末に語った歴史
修正主義批判との関係は」(新田 樹、LITERA)では、こんなタイトルで、ドナルド・
トランプ大統領や安倍晋三首相やその支持者への批判や日本大震災と原発事故に触れつつ、
人間の生活を犠牲にしてもとにかく効率と経済的利潤を追い求める新自由主義的価値観へ
の批判をあげ、回の『騎士団長殺し』に排外主義や歴史修正主義への批判が含まれている
可能性はかなり高いと言えるだろうと。昨年10月、デンマークれたハンス・クリスチャン・
アンデルセン文学賞の授賞式に参加した村上春樹の、アンデルセンの小説『影』を取り上
げ象徴的なスピーチを次のよう紹介しているが、これは読んでみないとわからない。
アンデルセンが生きた19世紀、そしていま私たちが生きる21世紀でも、必要なときに、
自分の影と向き合い、立ち向かい、ときには協力だってしなければいけません。それ
には“正しい”知恵と勇気が必要です。もちろん、かんたんなことではありません。
ときには危険が生じることもあるでしょう。でも、それを避けていたら、人は正しく
成長し成熟することはできません。最悪の場合、『影』の物語の学者のように、自ら
の影に滅ぼされて終わってしまうかもしれない。
影と向き合わなければならないのは、ひとりひとりの個人だけではありません。社会
や国家もまた、影と向き合わなければなりません。すべての人に影があるのと同じよ
うに、すべての社会や国家にもまた、影があります。明るく輝く面があれば、そのぶ
ん暗い面も絶対に存在します。ポジティブな部分があれば、その裏側にはかならずネ
ガティブな部分があるでしょう。
ときに、私たちはその影やネガティブな部分から目を背けがちです。あるいはこうし
た面を無理やり排除しようとします。なぜなら人は、自らのダークサイドやネガティ
ブな性質を、できるだけ見ないようにしたいものだからです。しかし彫像が確固たる
立体のものとして見えるためには、影がなくてはなりません。影がなければ、ただの
薄っぺらい幻想にしかなりません。影を生み出さない光は、本物の光ではありません。
どんなに高い壁を築いて侵入者が入ってこないようにしても、どんなに厳しく異端を
排除しようとしても、どんなに自分の都合にいいように歴史を書き換えようとしても、
そういうことをしていたら結局は私たち自身を傷つけ、滅ぼすことになります。影と
ともに生きることを辛抱強く学ばなければいけません。自分の内に棲む闇を注意深く
観察しなくてはなりません。ときには暗いトンネルのなかで、自らのダークサイドと
向き合わなければなりません。もしそうしなければ、やがて、あなたの影はもっと大
きく強くなり、ある夜、あなたの家のドアをノックするでしょう。「帰ってきたよ」
とささやきながら。傑出した物語は多くのことを教えてくれます。時代や文化を超え
て学ぶべきことを。
Michael J. Aziz
【RE100倶楽部:突然のデクサマニーの返礼 2】
● 米ハーバード大 最長の寿命、大容量化できる有機物蓄電池
9日、米ハーバード大学の研究チームが再生可能エネルギーに由来する電力を蓄える用途
に適する蓄電池を開発。長寿命、大容量、低コストという3つの特徴を備える。有機物に
電荷を蓄えるレドックスフロー電池で実現したという(スマートジャパン「最長の寿命、
大容量化できる有機物蓄電池」2017.02.23)。レドックスフロー方式は、昨年、産業総合
研究所らのグループの研究成果を報告して以来である)「デグサマニーの返礼Ⅰ:安価か
つ環境に優しい共融系二次電池」(「おしまいの断片・考」2016.06.08)。
電力源に占める再生可能エネルギーの割合が60%を超え、さらに高まっていったとき何
が起こるかというと、①国際間の電力融通や②需要側を制御するデマンドレスポンスが一
般化すると同時に、③膨大な電力をいったん蓄え、数時間後に放出する蓄電池の普及が進
むとみられる。このような蓄電池には3つ前提条件――①システムコストが低いこと、②
10年単位の寿命があること、③大容量が容易―――を実現できることであり、さらに、
この3つを兼ね備えたリチウムイオン蓄電池の開発が困難と見られている。そこで、米エ
ネルギー省(DOE:Department of Energy)は、3つの条件を満たす蓄電池を開発するため
の資金を提供。例えば、1キロワット時当たり百ドル未満という目標を示している。
同研究グループは、充放電を千回(サイクル)繰り返した場合でも、初期容量の99%を
維持できた。上図からは、充放電1回当たりの容量維持率(Capacity retention)が99.9989%
であることが分かる。500サイクル後も初期容量の99.5%を維持できているという。DOEの
Energy Storage Research at the Office of Electricityでディレクターを務めるImre Gyukは、発表
資料の中で「今回の研究は、サイクル寿命を大幅に改善し、コストを大幅削減した将来の
電池を目指す上で重要な意味を持つ。効率的で寿命の長いレドックスフロー電池は、電力
網のインフラストラクチャの一部として標準となると期待している」と述べているが、そ
の特徴は、以下の3つ。
蓄電池の容量が増加する 低コスト サイクル寿命が長い
● 中性の溶液で低コスト化
研究チームによれば、現在、ほとんどのレドックスフロー電池は、電池内部の化学反応に
耐える高価な高分子膜を、イオン交換膜として用いている。装置コストに占める割合は高
く、総コストの3分の1を占めることさえある。高価な高分子膜を安価な炭化水素の膜(
陰イオン交換膜)に置き換えるには、膜の両面の水溶液を中性に保つことで実現でき、さ
らに。非腐食性であるため、安価な材料を使って、タンクやポンプなどの電池の構造を作
くれるメリットもある。
先行研究では、有機物である①メチルビオロゲンのモノマー(単分子)やポリマー(高分
子)を、負極側の溶液に溶かし、②正極側にはやはり有機物である安定ニトロキシドラジ
カルの一種であるTEMPO((2,2,6,6-tetramethylpiperidine 1-oxyl) )や③フェロセン誘導体を用
いる提案があった。レドックスフロー電池に利用するには、電荷を蓄える性質、つまり、
複数の電気的状態を安定に採る性質が必要。3種類の有機物はこの条件を満たしているが、
これら3つの有機物には寿命、電力量という共通の課題があった
そこで、登場するのが、官能基は炭素と水素、窒素からなるビストリメチルアンモニオプ
ロピル基(BTMAP)(下図)だ!BTMAPの効果は大きく、主な効果は分解抑制と高い溶
解度にある。ビオロゲンの両端にBTMAPを付加することで分解が極めて起こりにくくなった。
さらに1リットル中に2モル(mol)ものビオロゲン誘導体を溶解できるようになる。蓄えら
れる電荷が増え、BTMAPを付加することで、1分子当たりに蓄えられる電子の数が従来の
2個から4個に増え、蓄電量が増える。
ビオロゲン分子(上)と官能基を付加した誘導体 BTMAPを青色で示す。
出典:米ハーバード大学
※ BTMAPを付加した後も、濃度と寿命の関係は残っている。例えば、0.75M/l~1.00M/l
という先図に示した比較的低濃度の溶液では1サイクル当たりの容量維持率は99.9989%
(1日当たり99.967%)だが、高濃度(2M/l)の場合は、同99.9943%(同99.90%)とわず
かに低下。正極側に適した分子としてフェロセンは理想的な分子だが水に全く溶けない。
このため、ビオロゲンの安定性を高める手法を応用し、ビオロゲンと全く同じBTMAP官能
基を2つフェロセンに付加する(下図)。溶解度は同じく2M/l。水溶性フェロセンはレド
ックスフロー電池に用いる分子としては全く新しいカテゴリーとなり、BTMAPには他の利
点もあり、陰イオン交換膜は、ビオロゲン誘導体とフェロセン誘導体を分離し、塩化物イ
オン(Cl-)だけを通さなければならないが、左右の誘導体が混合すると性能が低下する。
BTMAPを追加することで、電極と誘導体の電荷のやり取りにはあまり悪影響を与えず、陰
イオン交換膜を塩化物イオンが通過する頻度(クロスオーバー速度)を引き下げることに
成功する。
フェロセン分子(左)と官能基を付加した誘導体 ビオロゲンと同じBTMAPを付加した。電
子を放出すると2つのベンゼン環ニはさまれた鉄がFeIIIに変化、受け取ると再びFeIIに戻る
出典:米ハーバード大学
※ 私たちは、塩化第二鉄の電解再生の実験の経験があり、このようなフローバッテリの
研究開発に注目している。
風力発電や太陽光発電に由来する電力を大規模に蓄電し、ある程度の時間維持し、必要に
応じて外部に供給するには大型で寿命が長く、低コストな電池が必要だ。重量やエネルギ
ー密度よりもこれらの性質が優先される。
※ 関連特許 特開2009-295922 エネルギー貯蔵デバイス 株式会社カネカ
【要約】
0.1M以上の濃度で電解液中に溶解したビオロゲン誘導体塩、もしくビピリジル誘導体
塩を負極活物質として用い、正極として遷移金属錯体、アニリン系低分子化合物、中性ラ
ジカル化合物、π共役高分子から選択された少なくとも一つの活物質を使用し、さらに電
極として、活性炭素、繊維状炭素、多孔質炭素等を電極として使用する。例えば、少なく
とも正極、負極、電解液、セパレータ、少なくとも一部が前記電解液中に溶解した活物質
からなり、該活物質が含窒素芳香族化合物、及び/または含窒素芳香族化合物の四級化ア
ンモニウム塩である事を特徴とするエネルギー貯蔵デバイスで、容量密度の大きなエネル
ギー貯蔵デバイスを提供する。
● 今夜の一曲
モーツァルト: 弦楽四重奏曲 String Quartet No.19「不協和音」, in C, K.465
弦楽四重奏曲第19番ハ長調K.465『不協和音』は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツ
ァルトによって、1785年に作曲された。ハイドン・セット全6曲中最終曲。第一楽章の冒頭
22小節に、きわめて大胆な和声効果をもつ序奏がおかれていることから『不協和音』の愛
称で知られるが、序奏以外はモーツァルトらしい明快な曲で、室内楽の中でも屈指の名作
の一つ。
【楽曲構成】
れている。チェロはハ、ヴィオラは変イ、第2ヴァイオリンは変ホ、第
1ヴァイオリンはイの音で開始する。 第2楽章:Andante cantabile 第3楽章:Menuetto 第4楽章:Allegro
バイオフィルムのその場解析
35 旭日昇天 / 火地晋(かちしん)
※ 晋とは、進むこと。「大壮」のように盲進するのではない。時を得て
全能力を発揮してゆくのだ。上卦の離は火、すなわち太陽、下卦の坤
大地、地上に太陽が輝き始めたのである。希望の朝である。いまは、
背伸びするくらいに仕事を引受けけても順調にこなせるときにある。
働けぱ働くほど周囲に認められ、大いに報われるにちがいない。苦し
かった人もこれからは上昇にむかうであろう。したがって、あわてて
進ひ必要はまったくない。ゆったりと、自信に満らてマイペースで行
けばよいのだ。
● 今宵もほっとウイスキーとひとり鍋: 玉葱とにらの餃子鍋
材 料:玉葱 1個 200g、冷凍餃子 5個、にら 50g、水 2カップ
作り方:①玉葱は1センチに櫛形に、ニラを5センチに切る、②鍋に水
を入れ、沸騰させ、玉葱を加え煮る。餃子、ニラを加え加熱す
する。酢醤油大さじ1に、ごま油大さじ1/2、砂糖小さじ1/2、
ネギと生姜ののみじん切り、白ごまこさじ1/2を加えつけだれ
をつくる。
【活性汚泥水処理膜の閉塞を新たな手法で解析】
23日、産業総合技術研究所の研究グループは、①共焦点反射顕微鏡法により、水処理膜
が閉塞する過程を非破壊で観測、②次世代シークエンサー解析により、バイオフィルム中
の微生物を大規模に同定、③バイオフィルム中の脂質が、水処理膜閉塞の原因となる現象
を発見したことを公表。今回の手法を、有機物濃度や廃水種が異なる個別のMBR(Membr-
ane bioreactor)運転に適用して、膜閉塞を引き起こす成分や微生物に関する情報を蓄積して
いく。これらの知見を用いて、適切なMBRの運転管理手法や、水処理膜の維持管理手法の
提示を目指す。
近年、世界的な水不足の深刻化に伴い再生水に対する社会ニーズが急速に高まっている。
膜分離活性汚泥法(MBR)(上図1)は、微生物の集合体である活性汚泥と処理水との分
離を膜により行う水処理再生の中核技術であり、標準活性汚泥法よりも狭いスペースで良
好な水質が得られるという利点がある。
一方で、水処理膜閉塞の検知や制御が最大の課題であるが、その原因や機構の詳細は分か
っていないため、膜を透過する水量や廃水側と処理水側との圧力の差である膜間差圧を指
標として水処理膜の交換時期を予測し、膜の洗浄方法も次亜塩素酸を用いるといった画一
的な対処がされている。
バイオフィルムにより水処理膜が閉塞する原因や発生機構については、モデルは提唱され
ているものの、実環境での水処理膜の状態の解析は技術的に困難であるため、不明な点が
多かった。今回、蛍光プローブを併用した共焦点反射顕微鏡法により、水処理膜上のバイ
オフィルムを構成する細胞由来高分子を可視化した。また、次世代シークエンサーを用い
て、バイオフィルム中の微生物を一度に数十万種レベルで同定した。これらから、膜閉塞
の原因物質と原因微生物を解析。
これらの手法を用いて、水処理システムへ流入する廃水の有機物濃度が膜閉塞に与える影
響を調べた。その結果、廃水中の有機物が多い場合は、バイオフィルム中での異種細菌の
捕食被食関係が原因となって生じる死細胞膜脂質が水処理膜上に蓄積するという、従来の
モデルとは異なる膜閉塞発生機構の可能性を見出しす。
有機物濃度の異なる2種類の人工的に廃水を模擬したモデル廃水を用いてMBRシステムを
連続運転した(モデル廃水中の有機物濃度450 mg-CODCr/Lを低負荷、900 mg-CODCr/Lを
高負荷と呼ぶ)。これらのモデル廃水による膜閉塞の過程を調べるため、共焦点反射顕微
鏡法によって水処理膜上のバイオフィルムを非破壊で可視化した。膜間差圧は膜閉塞の指
標であるが、膜間差圧の異なるいくつかの時点でバイオフィルムを観察したところ、高負
荷時には膜間差圧とバイオフィルムの厚みに正の相関が観察された(最上部の概要図)。
一方、低負荷時には明らかな相関が見られず、有機物濃度が異なると、違った機構で膜が
閉塞すると考えられた。さらに、膜閉塞の原因物質を特定するため、蛍光プローブを使用
して細胞由来高分子ごとに可視化したところ、低負荷時には多糖が、高負荷時には脂質が
主要な構成成分として検出された(上図2)。
こうしたバイオフィルムの厚みや構成成分の違いは、バイオフィルムを形成する微生物の
種類が異なると考え、次世代シークエンサーによりバイオフィルム中の微生物を大規模に
同定した。その結果、有機物濃度が違うと、バイオフィルムを構成する主要な微生物種が
異なることが分かった(下図3)。低負荷時、高負荷時ともに、主にγ-プロテオバクテ
リア綱の微生物がバイオフィルムを形成していた(図3、青色)。しかし、γ-プロテオ
バクテリア綱の微生物種を詳細に調べると、低負荷時には、細胞外に多糖を分泌してバイ
オフィルムを形成するAlishewanella属細菌が主要な微生物種であることがわかった。この
結果は、低負荷時のバイオフィルムでは多糖が主な構成成分であるという共焦点顕微鏡に
よる観察結果とよく一致していた(上図2)。
複雑系を非破壊(共焦点反射顕微鏡)技術で大量の情報を短時間で解析(次世代シークエ
ンサー)する1つの新星がまたこの日本で誕生した。これは愉快なことで、医療・生活イ
ンフラなどの事業分野を大きく変えていくのだからワクワクする。
※ 関係特許:特開2017-029925 汚泥減容方法およびそれを用いた膜分離型活性汚泥処
理装置
2017.2.9
【要約】
有機性排水を生物処理する生物反応槽と、生物反応槽において浄化した有機性排水を浄化
水と活性汚泥とに分離するための膜分離ユニットと、生物反応槽において生じた余剰汚泥
を活性汚泥へと再生する菌食性細菌培養槽であって、好気条件下で菌食性細菌を培養する
ための曝気手段を備えている菌食性細菌培養槽と、菌食性細菌培養槽において再生した活
性汚泥をこの生物反応槽へと送る汚泥返送手段とを含む膜分離型活性汚泥処理装置であっ
て、菌食性細菌培養槽において余剰汚泥中の菌食性細菌を培養することにより、余剰汚泥
が活性汚泥へと再生し、さらに再生した活性汚泥が生物反応槽において繰り返し使用され
ることを特徴とする装置で、膜分離型活性汚泥処理装置において、大掛かりな改修工事な
どのコストを必要とせず、簡便な方法により余剰汚泥量をコントロール・減容することの
できる装置及び方法の提供を課題とする。、
※ 関連特許:特開2015-155534 バイオフィルム分解剤及びバイオフィルムの分解方法
【要約】
D-アミノ酸及びその塩、下記一般式(1)で表されるポリアミン及びその塩、ニトロプルシドナトリ
ウム、下記一般式(2)で表されるカルボン酸及びその塩、並びに2-ヘプチル-3-ヒドロキシ-
4-キノロン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を有効成分として含む
バイオフィルム分解剤を提供。
ベートーベン: 弦楽四重奏曲 String Quartet No.11「セリオーソ」, in f, Op.95
弦楽四重奏曲第11番ヘ短調「セリオーソ」Op.95はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
が1810年に作曲した弦楽四重奏曲である。原題は"Quartetto serioso"であり、セリオーソの
名は作曲者自身によって付けられたものである。なお、この曲のあとに14年間、弦楽四重
奏曲は作られていない。名前の通り「真剣」な曲であり、作曲者のカンタービレ期特有の
短く、集約された形式を持つ。しかし、歌謡的な要素は少なく、あくまでも純器楽的に音
楽は進行する。音楽は短く、きわめて有機的に無駄を省いた構成をとるが、時に無意味と
もいえる断片が挿入されたりして、それがかえって曲の真剣さを高めており、そこに他の
要素を挿入したり、緊張感の弛緩する余地を与えない。
【楽曲構成】
第1楽章:Allegro con brio 第2楽章:Allegretto ma non troppo 第3楽章:Allegro assai vivace ma serioso 第4楽章:Larghetto espressivo-Allegro agitato
グリーン電力証書の活用と原発
36 艱難汝を玉にする / 地火明夷(ちかめいい)
※ 明夷とは、明が夷(やぶ)れる、賢明なるものが傷つき害されること
である。「晋」の場合とは反対に、太陽(離)が地(坤)の下に没し、
暗黒が支配している形である。また暗愚な者が上にあって、せっかく
の才能ある部下を抑えつけている、と見ることもできる。こんな時に、
なまじ才能を発揮して局面打開をはかろうとすれば、たちまち周囲か
ら叩きつぶされることになりかねない。卦象に示されるとおり、明知
(離)を暗愚(坤)な顔つきでつつみ隠しておいて、着々と内面の充
実をはかることだ。「昼行燈(あんどん)」と呼ばれるくらいのほう
がいい。苦難の中で磨かれた実力は、やがて、玉のごとく輝くのだか
ら。
※ 強かであれ!とは、老獪、陰湿なダークサイドが付き纏い、また、誰
のためかと反質される。また、自分を愛すように他人を愛すことがで
きるかと指弾する己の葛藤がその正体なのだが、直情と行動か、日和
見か、はたまた優柔不断か...この歳になっても、過去から指弾される
己がいる。そんなとき、「フォースとともにあらん」というどこかで
聞いた台詞だが、前に向かうことにしている。
【RE100倶楽部:グリーン電力証書の活用】
再生可能エネルギー関連事業を手掛けるネクストエナジー・アンド・リソースは、家庭向
けの電力販売を開始した。ブランド名は「GREENa(グリーナ)」で、グリーン電力証書
の活用で、“再生可能エネルギー100%”をうたうプランを設けているのが特徴。全国11
カ所の再生可能エネルギー発電所から、自分が応援したい発電所を自由選択もできるとい
う(「再生可能エネルギー100%の電力を家庭に、グリーン電力証書を活用」スマートジャ
パン 2017.02.27)。
それによると、“再生可能エネルギー100%”をうたう家庭向けの電気料金プランが登場。
再生可能エネルギー関連事業を手掛けるネクストエナジー・アンド・リソース(以下、ネ
クストエナジー)が販売を開始した「GREENa(グリーナ)」このこと。2017年2月24日か
らWebサイトで申込受付を開始。GREENaで販売する家庭向けの料金プランは①「GREENa
RE100プラン」と②「GREENa スタンダードプラン」の2種類で、前者が再生可能エネル
ギー100%とするプラン。
● それで、お金の流れはどうなるの?
GREENa RE100プランは、提供する電力に「グリーン電力証書」を活用する。グリーン電
力証書は、太陽光や風力など再生可能エネルギー電源の環境価値を証書化して評価する仕
組みのこと。電力のユーザーは電力購入時に、料金に加えてグリーン電力証書を購入する。
この代金が購入先となる再生可能エネルギー発電事業者に助成金としてわたる仕組み。GR
EENa RE100プランは販売する電力全量にグリーン電力証書を活用することで、再生可能エ
ネルギー100%社会を実現するという理由(わけ)である。GREENa RE100を契約する場合、
ユーザーはグリーン電力証書を購入する発電所を選ぶことができ、現時点では太陽光、風
力バイオマスなど、合計11カ所の発電所から選択可能となる。
GREENa RE100プランの提供地域は、①東京電力、②中部電力、③関西電力管内の3エリ
ア。①ファミリー向け、②ビジネス向け、③動力設備のある施設向けの3種類を販売。電
気料金が決まる仕組みは電力会社が従来から提供している従量電灯プランと同様。東京電
力と中部電力管内で提供する家庭向けのプランは、アンペア数で決まる基本料金と、使用
量によって電力量料金単価が変わる3段階料金で構成する従来電灯Bと同じ。関西電力管
内では、従来電灯Aと同じく15キロワットアワーまで一律の最低料金と3段階料金で構
成する(下表)。
ビジネス向け、動力向けのメニューも電力会社の既存プランと同じ料金体系となっている。
さらに料金体系だけでなく、料金単価もほぼ同じに設定されている。つまり、GREENa RE
100プランは、電気料金は従来とほとんど変わらないが、使用する電力をグリーン電力証書
の活用によって再生可能エネルギー100%に切り替えられるという。
GREENaで販売するもう1つのプラン、GREENa スタンダードプランは電源構成比率50
%のFIT電気(2017年計画値)と、J-クレジット制度を活用したプランだ。*J-クレジッ
ト制度とは、省エネルギー機器の導入や森林経営などの取り組みによって二酸化炭素など
の温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証する制度。これと
FIT電源を活用し、自然エネルギー100%ではないが、二酸化炭素の排出係数は実質ゼロ
という環境価値をアピールするプラン(下表)。
なお、GREENaでは家庭向けだけでなく、法人向けにも電力販売を行う。家庭向けと同様
に、GREENa RE 100プランと、GREENa スタンダードプランの2つから選ぶことが可能
だというもの。なるほど、ユーザーの義援金がわたるということにるのか?!「原発事故
費用の自動加算金」と違って、選択の自由があるが、「原発事故費用の自動加算金」を支
払っているのだから、なんとなくすっきりしそうでいて、モヤモヤしたものが残るのは、
ユーザも再生可能エネルギー発電事業者も同じじゃないかなぁ?!
● 福島原発賠償費:1世帯(2人以上)あたり
年約587~1484円を負担
東京電力福島第一原発事故の損害賠償費用は、原発を持つ東電以外の電力会社も一部を負
担している。家庭の電気料金でまかなっている7社について、朝日新聞が取材を元に国の
家計調査を当てはめて試算したところ、1世帯(2人以上)あたり年約587~1484
円を負担している概算となった。家庭の負担額は料金内訳が書かれた検針票には示されて
おらず、利用者の目には届かないという(朝日新聞デジタル 2017.02.27)。
それによると、1世帯あたり年587~1484円――。東京電力福島第一原発事故の賠
償費用について、家庭が負担する額を、朝日新聞が原発を持つ電力7社への取材を元に試
算したところ、そんな結果になった。政府は昨年末に追加負担策も決めており、さらに負
担は上乗せされる見込み。消費者からは疑問の声があがる。
関西電力と契約する大阪市浪速区の主婦(32)は家庭の>電気料金で賠償費が回収され
ているとは知らなかったという。自宅に届く検針票に記載がないためだ。「困っている人
のために必要なのはわかるが、いくら払っているか知らないうちに取られているとは……」
7社は賠償費に使われる「一般負担金」を、料金算定に使う「原価」に算入し、その中の
変動しない「固定費」に入れている。 固定費は主に家庭向けの低圧分と大型施設など向け
の高圧・特別高圧分があり、比率は各社ごとに決まる。 一般負担金をその比率で分ける
と低圧分だけの負担額がわかる。料金算定に使われる各社の低圧分の販売電力量(想定)
で割れば1キロワット時あたりの概算がはじき出せる。1キロワット時の電力量は100
ワットの電球を10時間つけているのと同じ量だ。
東電の場合、1年度あたりの一般負担金は567億4030万円(①)。固定費の低圧分
の比率は47・25%(②)なので、低圧分だけの負担額は268億979万1750円
(③)になる。低圧分の販売電力量(想定)は1057億キロワット時(④)で、1キロ
ワット時あたりは約0・25円(⑤)。試算は関電の方法を元にしているが、厳密な1キロワ
ット時の額を出すのは困難で、この方法が実際に近い概算になるという。
国の試算で、賠償費用は7・9兆円にのぼる。うち5・5兆円分について、東電の負担に加え、他の
電力会社も「一般負担金」として、原発の出力などに応じて負担している。7社は東京、北海道、東
北、中部、関西、四国、九州の各電力。朝日新聞の試算では、家庭向けの電気料金で回収してい
る一般負担金は1キロワット時で約0・11~0・26円だった。関電と中部電が取材に対し、家庭向
けの1キロワット時の概算を出していることを明らかにした。この方法を元に朝日新聞が他社分も
試算。全社がこの試算の考え方に誤りがないことを認めている。
これに各家庭の使用電力量をかければ負担額がわかる。国の家計調査を元に1世帯(2人
以上)あたりを計算すると、最高は四電の1484円だった。次いで関電が1212円、
東電が1159円、九電が1127円、北電が1034円、東北電が774円、中部電が
587円となった。電気料金は、電気をつくって届けるのに必要な費用をすべて回収でき
る仕組み(総括原価方式)になっている。7社が2012~14年度に値上げした際、一
般負担金を料金算定に使う「原価」に盛り込んだ。このため家庭の電気料金に直接転嫁さ
れることになった。
7社以外の北陸電力と中国電力も一般負担金を払っているが、福島の事故後に値上げして
おらず原価に含んでいないため電気料金には直接反映されていない。政府は20年から送
電線の利用料にも2・4兆円分の賠償費用を上乗せする方針だ。国の試算では、賠償費用
を含め、廃炉や除染などといった事故対応費用は21・5兆円にのぼる。東電が負担する
費用以外に、税金も投じられる見通し。
● 一人一人の負担の見える化と説明責任を!
〈全国消費者団体連絡会の河野康子事務局長の話〉 福島第一原発事故後の混乱の中で深
い議論がないまま制度ができて、本来は東電が負担するべき賠償費用について多くの消費
者が自覚のないまま一般の電気料金から回収されている。一方で、福島の事故で困ってい
る人がいるのも事実。消費者が原発事故の問題に向き合うためにも、国や電力会社はもっ
と一人一人の負担が見える形にするべきだ。〈一般負担金〉 本来は原発事故全般の賠償
に備えて事前に資金を積み立てるのが目的だが、現状では積み立てた資金は福島第一原発
事故の賠償費用に使われている。国が事故後の2011年に設立した認可法人「原子力損
害賠償・廃炉等支援機構」を通じて、東電に賠償資金を貸し、原発を持つ大手電力9社と
日本原子力発電、日本原燃の計11社が機構に払う形で返済している。額は原発の出力な
どで決まり、11~15年度で計約6713億円。東電は別に特別負担金(15年度まで
に計1800億円)も払っているという。
このように数字を、お金の流れを追っていく(We follow the maney)のは骨の折れることだが、たと
え僅かの負担費としても、全ユーザー(世帯当たり)にすれば巨額になる。ここは、見える化に徹し
なし崩しや隠蔽ではなく、説明責任を全うして欲しい。
● 今夜の二品
アンチョビ風味はイタリアンには欠かせないもの。上の写真はローストチキン
とそれにレモン、ローズマリーとエシャロットを添え、下の写真はガーリック
と唐辛子とクランチ(ナッツとキャンディを砕いたので歯触り楽しむ)を添え
たもので簡単に楽しめるイタリアンをアップするが、いつもの弦アンチョビ風
味はイタリアンには欠かせないもの。上の写真はローストチキンとそれにレモ
ン、ローズマリーとエシャロットを添え、下の写真はガーリックと唐辛子とク
ランチ(ナッツとキャンディを砕いたので歯触り楽しむ)を添えたもので簡単
に楽しめるイタリアンをアップする。ところで、いつもの弦楽四重奏は抜きで
頂くことになる。
ラインがひとを鍛える。
37 家内安全 / 風火家人(ふうかかじん)
※ 家人とは、文字どおり家庭の人、家族である。家族の中心は夫婦、と
りわけ夫婦の役割が大きい。家庭が常に和やかであるためには、主婦
の暖かい心づかいが必要である。この卦は、夫を慰め子をいつくしむ
良妻賢母を表わしている。卦の形は、上陽を除いてすべて正位にあり、
しかも、上下が正応している。家庭内での持場を守り、親子兄弟夫婦
が水人らずに親しみあっているのである。上卦の(巽:そん)は長女、
下卦の(離:り)は中女。家庭の平和は往々にして女同士のいさかい
から起こる。嫁と姑・小姑など。この卦は上の長女に中女が従ってお
り、こうあってこそ、万事まるくまるのである。
※ ふぅ~ん、なんとなく、説得力があるように思えてならない。
【ルームランニング記 Ⅵ】
● 春モードにギアーチェンジ!
三月を迎え、加速ギヤーに切り替える。最大斜度9度、最大時速7キロメートルの1キロ
をマニュアルモードでウォーキング開始する。持病の腰痛が再発しないか注意しながら、
例のフィンガー屈伸ストレッチ百回をセットで歩く。天気次第で、鈴鹿の登山に挑戦予定
なのだ。
【世界の朝食:今日はサハリン地方】
温かさがいつまでも残る、羊肉と玉ねぎ少々を小麦粉の生地で包み、蒸し上げたモンゴル
の国民食「ボーズ」。シンプル! だが、手のかかった料理。肉も骨つきの塊からさばく
手でミンチにする。遊牧民なら家畜をしめるところからスタートするのは常識。味つけは
ほとんど塩(特徴あるある岩塩)。どんな調味料にも出せない滋味が生まれる。このボー
ズが食べられる"ツァガーンサル(白い月)"、モンゴル特有の暦で決まる旧正月。この日
から3日間、大いに食べ、飲み、新年を祝う。零下40℃の戸外で凍らせる、小麦生地の
白はこの国で尊い色とされ、ボーズを食べることは、幸福を祈ることを意味する。
もう一つ、ツァガーンサルに不可欠なご馳走が乾燥チーズやお菓子を飾った「ヘビンボー
ブ」と呼ばれる楕円形のパンのタワー。この国で小麦が食べられるようになったかは定か
でないが、メソポタミアの小麦文化が世界に広がる過程で大きな役割を果たしたモンゴル
遊牧民。牧畜、肉食だけでなく、さまざまなパン、菓子、麺類と粉モン食が盛ん。モンゴ
ルの朝には日の出の美しさ、ツァガーンサルの朝は家族で拝むのが習わしがあるという。
一年の幸福を祈る、大草原の温もりに満ちた朝の光景に包まれる。
【RE100倶楽部:里山生態配慮した京都・亀岡のメガソーラー】
● ドングリなど600本の在来種を植樹
京都府中西部に位置する亀岡市は、山々に豊かな自然を残しながらも、名神高速道路や京
滋バイパスに近いことから、インターチェンジ付近に多くのゴルフ場がある。「加舎(か
や)の里カントリー」もその1つ。出力7.5MWのメガソーラー「京都・亀岡太陽光発電所」
は、このゴルフ場の北側、府道731号線を挟んだ山の麓に位置する。大阪いずみ市民生活協
同組合が建設し、2016年8月に稼働した。19万9422m2もの事業用地は、かつて「加舎の里カ
ントリー」の北コースだったが、閉鎖されて以降、ススキなど多年生雑草の繁茂する荒地
になっていた。投資総額は32.9億円で、買取価格は36円/kWh。投資回収は12年となる。
環境省の指定した環境配慮型事業に対し、利子補給が交付されるグリーンプロジェクト支
援ローンを活用する(「里山の生態系に配慮した京都・亀岡のメガソーラー ドングリなど
600本もの在来種を植樹」日経テクノロジー 2017.02.28)。
同生協では、先行して稼働した3サイトの発電電力は、グループ企業を通して自社施設に
供給。2016年4月からの小売り全面自由化に伴い、組合員向けの電力小売事業にも参入し、
エネサーブから電源を調達し、「コープでんき」として組合員に販売。FITを利用した再生
可能エネルギー由来電気を3割以上含むほか、二酸化炭素の排出係数が全電源平均より少な
く、環境配慮型の電源構成になる(上図)。「京都・亀岡太陽光発電所」の稼働後、同発
電所の発電電力は、自社施設では使い切れないため、エネサーブに売電し、同社を介して
組合員に提供しているという。
● 自主的に環境影響を評価し公表
同生協は、「京都・亀岡太陽光発電所」の建設に際して、周辺環境への負荷を抑制するよ
う配慮。事業用地は、ゴルフ場としてすでに開発された跡地だったため、林地開発行為に
当たらなかったものの、自治体などに相談の上で、豪雨時の排水対策として調整池を増設
したほか、事前に周辺の動植物への影響も自主的に調査する。文献調査により、周辺に生
息する重要な動植物をリスト化し公表。例えば、重要動物として、周辺河川にはオオサン
ショウウオ、山間の湿地にはハッチョウトンボ、重要植物には深山の岸壁にイワハリガネ
ワラビが生息する可能性があるとしつつ、「事業地の草地を改変しても直接的な影響はな
い」との評価を示す。
19万9422m2の事業用地のうち、改変面積は約10万m2で、ショートコースのあった起伏のあ
る土地を8エリアに分け、フェアウエイを広げる形で造成。ゴルフ場跡地にメガソーラーを
建設する場合、荒造成だけで土地なりにパネルを並べることも多いが、「京都・亀岡太陽
光発電所」では、相対的に造成規模が大きく、設置面積を多く確保。カナディアン・ソー
ラー製の高出力タイプ(72セル・310W/枚)を縦置き3段で並べたアレイ(パネルの設置単
位)を南北方向2本の鋼管杭の基礎で支えた。設置角は、10度を基本にして、影の長さを短
くし、アレイ間を詰めることで設置枚数を増やす)。
● シバとリッピアを下草に採用
メガソーラー敷地内に植栽するカバープランツに関しては、クローバー(シロツメグサ)
を採用することが多い。ただ、クローバーは冬にいったん枯れ、雑草にやや遅れて新葉が
伸びるなど、必ずしも防草機能が高くないとの見方もある。そこで、アレイとアレイの間
や法面などのカバープランツとして、クローバーに加え、シバとリッピア(ヒメイワダレ
ソウ)を採用する。シバは、植生シートの「ハリシバエース」を採用。これは、15~20mm
の樹脂製のメッシュに薄綿を装着し、その中にシバの種や肥料などを含めたもの。緑化し
たい地表面に施工しておくと、発芽してシバで覆われるのだという。
シバの種子は、柔軟性のある薄綿の効果で、発芽まで保持され、均一な緑化が可能になる。
種子をそのまま地面に散布した場合、雨水で流れるなど、緑化場所が偏ってしまうことが
多い。植生シートにより、こうした種の移動を防げる。リッピアは、茎が地面をはうよう
に伸びる多年生の植物。シバと並んで住宅や公共施設などのカバープランツとして使われ
ている。繁殖力が強く、害虫や他の雑草に強いなどの特徴があるという。常緑性で6~9月
に白い花を付ける。草丈は、どんなに伸びても5cm程度なのでメガソーラーの下草として利
用した場合、パネルに影が出来ず、ほかの雑草を抑制する効果を期待できる。防草や保水
力の向上のほか、花をつけるので、景観の向上も期待できる。
また、道路沿いエリアの植樹については、地元区長会とも相談して、樹種を決める。将来
的に周辺自然環境の生物多様性を高めるため、潜在自然植生を調査し、在来種の苗を植え
具体的には、ネズミモチ462本、シラカシ22本、ウバメガシ117本。ネズミモチは、常緑の
中高木で、本州南部などの照葉樹林によく見られる。初夏に白色の花が咲き黒い実を付け
る。シラカシとウバメガシは、ブナ科コナラ属の常緑広葉樹。本州に広く分布し、いわゆ
る「ドングリ」の実を付ける。いずれも里山の森林によく見られ、昆虫や動物などの生物
相を豊かにする。かつて、緑化木を選定する際、病虫害への抵抗性など、手入れのしやす
さを基準に選んだため、外国産の樹種や国内産でも本来その地域には生育していない移入
種が多かった。在来樹種を増やすことで、地域本来の自然生態系にプラスの効果が期待で
きる。これはまいった。「暮らしと環境」運動の基本がここにはある。
● 薄膜太陽電池で世界最高の効率17.8%(CIS系薄膜
サブモジュールで19.2%)を達成ソーラーフロンティアが達成2
27日、ソーラーフロンティア株式会社は、30cm角のCIS系薄膜太陽電池サブモジュールで、
エネルギー変換効率19.2%となる世界最高記録を達成。この記録は、当社が2012年2月に
CIS系薄膜太陽電池サブモジュールにおいて達成した世界最高値(17.8%)を大幅に上回る
と同時に、全ての薄膜系太陽電池サブモジュールの世界最高記録。なお、この値は産業技
術総合研究所により測定。
今回の成果は、当社厚木リサーチセンターにおいて、産業技術総合開発機構(NEDO)と
の共同研究を通し、①における製膜プロセスの改良により品質を改善したことや
②バッファ層を変更したこと等により達成。同センターでは、当社の主力工場における生
産装置の原型となるパイロットプラントを設置し、開発した技術を商業生産へ速やかに適
用している。今回の世界最高記録に用いた新技術を適用して、今夏より国富工場で大きく
上回る性能の製品を量産開始計画とのこと。 また、NEDOが掲げる発電コスト目標2020年に
14円/kWh(2030年に7円/kWh)の実現に向けて大きく前進する。
少ない経験からいうと、試作段階であれ、量産段階であれ、目標と体制(評価も入れた仕組み)が
できれば、その現場で得られる知財及び知恵(人間力)は膨大である。そこから何を学び深化させ
かは、構成したひとの質のにより決定され、相互影響し(シンクロナイズ)、ひともまた成長していく。
還元すれば、「ライン(流れ)がひとをつくる」ということに他ならない。その意味で、ソーラーフロティ
アという新星はそのエネルギーで満ちあふれているのだろう。実に面白く、愉快な世界記録史であ
る。
※ 参考特許:特許6061765 太陽電池の製造方法 ソーラーフロンティア株式会社
【特許請求の範囲】
基板上に第1の電極層を形成し、前記第1の電極層上に、セレンを含むp型のCZTS系光吸収層を形成し、前記CZTS系光吸収層の表面を、有機硫黄化合物を含む水
溶液と接触させて、前記CZTS系光吸収層の表面における硫黄濃度を増加させ、
前記CZTS系光吸収層上に、n型のバッファ層を形成し前記バッファ層上に、第2
の電極層を形成する、各ステップを備える太陽電池の製造方法。 前記有機硫黄化合物は、チオウレア又はチオアセトアミド又はこれらの混合物を含む請求
項1に記載の太陽電池の製造方法。 前記水溶液は、Cd又はZnの金属塩を含まない請求項2に記載の太陽電池の製造方法。 前記バッファ層の伝導帯の下端のエネルギー準位は、硫黄濃度及びセレン濃度の和に対
する硫黄濃度の比を増加させる前の前記CZTS系光吸収層の伝導帯の下端のエネルギー
準位よりも高い請求項1~3の何れか一項に記載の太陽電池の製造方法。 前記バッファ層として、CdS系バッファ層又はZnS系バッファ層を形成する請求項4に記載
の太陽電池の製造方法。
※ 参考特許: 特開2016-207969 化合物半導体薄膜太陽電池及びその製造方法
【要約】
化合物半導体薄膜太陽電池は、基板(1)と、この上に形成された第1の電極層(2)と、
第1の電極層(2)上に形成された化合物半導体のp型光吸収層(3)と、p型光吸収層
(3)よりも広いエネルギーバンドギャップを有し且つp型光吸収層(3)との界面にp
nヘテロ接合を形成する窓層(5)と、透明電極層(6)とを備え、窓層(5)は、その
エネルギーバンドギャップが窓層(5)の膜厚方向において一定であり、フェルミ準位が
p型光吸収層との界面から窓層の受光面側に向かって伝導帯下端に近づく方向に傾斜して
いることで、高い光電変換効率を有する化合物半導体薄膜太陽電池を得る。
【符号の説明】
1 基板 2 第1の電極層(金属裏面電極層) 3 p型CIS系光吸収層
4 n型高抵抗バッファ層 5 ノンドープZnO層 6 透明電極
【技術背景】
p型光吸収層として、Cu、In、Ga、Se、Sを含むカルコパイライト構造のI-Ⅲ
-VI2族化合物半導体を用いたCIS系薄膜太陽電池或いはCIGS系薄膜太陽電池は、
一般に、ガラス基板と、ガラス基板に形成されたMo等を材料とする金属背面電極と、金
属背面電極層上に形成されたp型光吸収層と、p型光吸収層上に形成された窓層と、窓層
上に形成されたn型透明導電膜とによって構成される。p型光吸収層と窓層間に、非常に
薄いn型高抵抗バッファ層(数十nm)が形成される場合もある。
この構造において、CIS系或いはCIGS系(以下、共にCIS系と呼ぶ)の材料で形成されたp型光
吸収層は狭いエネルギーバンドギャップを有し、広いエネルギーバンドギャップを有するn型の化
合物材料で形成された窓層間にpnヘテロ接合を形成し、それによって太陽電池が構成される。こ
のような太陽電池において、高い光電変換効率を得るためには、1)窓層、p型光吸収層等の光学
設計を最適化して、より多くの光励起キャリアを発生させること、さらに、2)発生したキャリアの再
結合を抑制するために、窓層、p型光吸収層の電気的な構造を最適化すること、が必要で
ある。
ここで、窓層としてZnSとCdSの傾斜組成層(ZnCdS薄膜)を用いることで、窓
層に内部電界を生じさせ、窓層で生じた光キャリアを窓層とp型光吸収層との界面の空乏
層まで到達させることにより、太陽電池の光電変換効率を向上させ得ることが知られてい
る。しかしながら、この場合、窓層に内部電界を生じさせるために、窓層のエネルギーバ
ンドギャップが狭くなる領域を設ける必要があり、太陽電池の短波長感度がこの領域のエ
ネルギーバンドギャップによって決められてしまうため、充分に大きな光電流が取り出せ
ないという問題があった。
さらに、不純物濃度の異なる3個のZnO層を積層して窓層を形成することにより、窓層
に内部電界を生じさせ、光電変換効率の向上を図った太陽電池も提案されている。しかし
ながらこの太陽電池では、3個のZnO層のエネルギーバンドギャップはそれぞれ異なり、
従って、その短波長感度は、3個のZnO層の内の最も狭いエネルギーバンドギャップを
有するZnO層によって決められてしまう。その結果、窓層の受光面側表面近傍で光生成
されたキャリアを光電流として効果的に取り出すことができない。また、多層の窓層を形
成するために、製造工程が煩雑となる欠点をも有している。
【特許請求の範囲】
基板と、 前記基板上に形成された第1の電極層と、前記第1の電極層上に形成された化合物半導体のp型光吸収層と、 前記p型光吸収層上に形成され当該p型光吸
収層よりも広いエネルギーバンドギャップを有し且つ当該p型光吸収層との界面に
pnヘテロ接合を形成する窓層と、前記窓層上に形成された透明電極層と、を備える
化合物半導体薄膜太陽電池において、 前記窓層は、前記エネルギーバンドギャップ
が前記窓層の膜厚方向において一定であり、フェルミ準位が前記界面から前記窓層の
受光面側に向かって伝導帯下端に近づく方向に傾斜している、化合物半導体薄膜太陽
電池。 請求項1に記載の化合物半導体薄膜太陽電池において、前記窓層におけるフェルミ
準位の傾斜は、前記窓層の受光面側で前記p型光吸収層側よりも大きい、化合物半導
体薄膜太陽電池。 請求項1に記載の化合物半導体薄膜太陽電池において、前記窓層におけるフェルミ準
位の傾斜は、前記窓層の膜厚方向において前記窓層の受光面側表面から前記膜厚の
1/2の部分までに形成されている、化合物半導体薄膜太陽電池。 請求項1乃至3の何れか1項に記載の化合物半導体薄膜太陽電池において、前記p
型光吸収層は、CIS系半導体またはCIGS系半導体で形成され、且つ、前記窓層
はノンドープのZnOで形成されている、化合物半導体薄膜太陽電池。 請求項1乃至4の何れか1項に記載の化合物半導体薄膜太陽電池において、さらに、
前記窓層と前記p型光吸収層間に形成されたバッファ層を備える、化合物半導体薄
膜太陽電池。 請求項5に記載の化合物半導体薄膜太陽電池において、前記バッファ層は、Zn(
S,O,OH)で構成される、化合物半導体薄膜太陽電池。 基板上に金属裏面電極層を形成し、前記金属裏面電極層上にCu,In,Gaを含
む積層構造または混晶の金属プリカーサ膜を形成し、前記金属プリカーサ膜をセレ
ン化及び/または硫化してp型光吸収層を形成し、 前記p型光吸収層上にZn(S,
O,OH)のバッファ層を形成し、DEZと水を用いたMOCVD法によって前記
バッファ層上にZnOの窓層を形成し、前記窓層上に透明電極を形成する、化合物
半導体薄膜太陽電池の製造方法において、前記窓層の形成は、製膜時間の経過に伴っ
てDEZに対する水の比率を減少させて行うこ
とを特徴とする、化合物半導体薄膜太陽電池の製造方法。 基板上に金属裏面電極層を形成し、前記金属裏面電極層上にCu,In,Gaを含
む積層構造または混晶の金属プリカーサ膜を形成し、前記金属プリカーサ膜をセレ
ン化及び/または硫化してp型光吸収層を形成し、前記p型光吸収層上にZn(S,
O,OH)のバッファ層を形成し、MOCVD法またはALD法によって前記バッ
ファ層上にZnOの窓層を形成し、前記窓層上に透明電極を形成する、化合物半導
体薄膜太陽電池の製造方法において、 前記窓層の形成は、製膜時間の経過に伴って
製膜温度を上昇させて行うことを特徴とする、化合物半導体薄膜太陽電池の製造方
法。 基板上に金属裏面電極層を形成し、前記金属裏面電極層上にCu,In,Gaを含
む積層構造または混晶の金属プリカーサ膜を形成し、前記金属プリカーサ膜をセレ
ン化及び/または硫化してp型光吸収層を形成し、前記p型光吸収層上にZn(S,
O,OH)のバッファ層を形成し、MOCVD法またはALD法によって前記バッ
ファ層上にZnOの窓層を形成し、前記窓層上に透明電極を形成する、化合物半導
体薄膜太陽電池の製造方法において、前記窓層の形成は、波長300nm以下の短
波長光を前記基板に照射しながら行い、且つ、製膜時間の経過に伴って前記短波長
光の照射強度を増大させることを特徴とする、化合物半導体薄膜太陽電池の製造方
法。