Quantcast
Channel: 極東極楽 ごくとうごくらく
Viewing all 2430 articles
Browse latest View live

をとめの姿しばしとどめむ

$
0
0

 

      
                                        

2 謀  攻

「目的は勝利であって戦いではない」

戦争は目的ではなく手段なのだ。したがって、戦わずに勝つのが最高の勝ち方である。それ
が「謀攻」にほかならない。謀攻は単に小手先の術策ではなく、法則性に順った頬辺のない
勝ち方をいう。

戦わずして勝つのが最高-‐-「百戦百勝は善の善なるものにあらず」

兵法というものは、敵国を傷めつけずに屈服させるのが最高の勝利であり、打ちのめして屈
服させるのは次善の策である。また、敵の軍団を傷めつけずに屈服させるのが最高の勝利で、
打ちのめすのは次善である。旅団、小隊、分隊、いずれも同様だ。

百回戦って百回勝ったとしても、それは最上の勝利ではない。戦わずして相手を屈服させる
ことこそ、最上の勝利なのである。すなわち、最上の策は、敵の意図を見抜いてこれを封じ
ることである。これに次ぐのは、敵の同盟関係を断ち切って敵を孤立させることである。第
三が戦火庶父えることであり、最低の策は敵城攻撃である。つまり、城を攻めるなどという
ことは、あらゆる手立てを尽くしたのち、やむなく用いる最後の手段である。

敵城を攻防するとすれば、攻城器具の準備に三ヵ月はかかる。土塁や物見櫓を築くのにも、
さらに3ヵ月は必要とする。こうした準備万端をととのえるだけでも大変な上に、血気には
やった将軍が不用意な攻撃を命じたとすれば、群がるアリがこぼれ落ちるように、兵力の三
分の一は損失し、せっかくの苦心も徒労に終わる。攻城手段に訴えれば、これはどの犠牲を
強いられるのである。したがって、戦上手は、武力に訴えることなく敵軍を臼田させ、攻城
手段に訴えることなく敵城をおとしいれ、長期戦にもちこむことなく敵国を滅ぼす。すなわ
ち、「全うする」という方法によって、天下を奪う。こうしてこそ兵力の損失を招くことな
く完全な勝利を収めることができるのである。これが、知謀に基づく戦争方式である。 

「形・物」よりも「機能・目的」を重視する考え方 

最近、技術の分野で、「ハード・テクノロジー」から「ソフト・テクノロジー」への移行と
いうことが強調されている。形にあらわれた製品そのもの(ハード)よりも、形にあらわれ
ないもの(ソフト)を重視する。たとえば、人が書物を買うのは表紙の布とか紙(ハードウ
エア)を買うのでなく、なかに盛りこまれた知識、情報(ソフトウエア)を貿うのである。
宿車や自動車は、鉄や水仙という形その物に意味があるのではなく、人や物を安全・快適に
運ぶという機能が目的なのだ。いってみれば当然のことだが、これが忘れられて、既存の「
形・物」が絶対的なものであり、それ自体が目的だと思いこみがちである。「形・物」への
とらわれを脱して、その機能を最適に果たすための手段を追及することにより、新しい発展
や発見がある。『孫子』の説く「敵兵とか敵城とかいう形にあらわれたものを攻めるのは下
策であり、目的はその機能を失わせることだ」という考え方は、まさにこれと其通している。
目的は敵を屈服させることにあるのだから、物理的な摩擦は避けたほうがいいに決まってい
る。
      
★なお、本草冒頭の一節は「自国を傷つけず勝つのが最高で、傷ついて勝つのは次善である
」と解釈する説もある。 

 【下の句トレッキング:をとめの姿しばしとどめむ】


天津風雲の通ひ路吹き閉ぢよをとめの姿 しばしとどめむ   僧正遍照

天の風よ。雲間の通り道を閉ざしてくれ。天女の舞い姿をしばらくとどめておきたいのだ。
Winds high in the sky, close the pathway through the clouds! These angels who have des-
cended to the earth are about to take leave, but I want to see them dance a bit more.

大空を吹く風よ、雲の中の通路を閉じておくれ。天に戻っていきそうな、この美しい天女たちをとどめ
て、今しばらくその舞を見ていたいと思うから。
僧正遍照(昭)(そうじょうへんじょう。816~890)俗名を良岑宗貞(よしみねのむねさだ)
といい、桓武天皇の皇孫で大納言安世(やすよ)の子供でした。蔵人頭(くろうどのとう)
として仁明天皇に仕える。六歌仙の一人で出家する前は「深草少将」と呼ばれ、小野小町に
恋する男として「大和物語」にも登場。仁明天皇が急逝した後、出家して叡山に入り、高僧
となる。

ここで、「雲の通ひ路」とは「天と地をつなぐ道」天女たちが通ると考えていた。「をとめ」
は、「天女」を指す、

 

     

❦ なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか ❦ No.21    

● 対談4 新しい現実をつくる  

『新しい地域経済をつくるには、女性のネットワークの活用を』  



野中ともよ NPO法人ガイアイニシアティブ代表 

いのちと未来の地域を考えるお母さんたちと繋がる

野中 経営者が「自分たちで考えようぜ」と。エネ経会議をフルネームで何というんでした
っけ?
鈴木 「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」です。

野中 ベダですねえ(笑)。このベタがわかりやすい。
鈴木 わかりやすいとおっしやっていただけるとありかたいです。

野中 だから、「気がついたけど、悌介さん、どうしたらいいの」というときに、悌介さん
は「こうしたらいいよ」というメニューをつくり始めている、この営みは大事だと思います。
鈴木 そのつもりですが、そういうふうに認めていただけると励まされます。ただし、メニ
ューを増やすのは今後の課題です。よきアドバイスとして肝に銘じます。

野中 成功してくれないと困るので言いますが(笑)「エネルギーから経済を考える経営者
ネットワーク会議」を支えているのは何だと思います?それは、本業もほったらかし、では
ないと思いますが、そこここで一生懸命に未来の地域の為に頑張るメンバーを支えてくださ
っている女将さんたち、つまり、パートナーであるおけさんたちではないかと思うのです。「
いのちと未来の地域を考えるお母さんのネットワーク会議」とても命名しましょうか。この
つながりが表裏一体になってくると厚みと帽が出ると思います。

やっぱり、女性が十月十日赤ちゃんを自分の体の中で育てるような、そんなプロジェクトを
併せてやっていくとうまくいく,お父さんの給料が上がるか下がるかどうかということより
も、子どもたちの健康が害されるかどうかということのほうが比べものにならないくらい大
事な価値の軸になっていく時代です。お母さんの、「いのち」を大切に見守って育んでいく
愛がどれだけ活かされるか、この高層ビルから見える、とてつもない部面のなかで、そんな
価値軸が街づくりにどれだけ活かされているかと考えれば、ほとんど皆無ですものね。

鈴木 そうですね。素晴らしい切り目を敦えていただきました。
野中 私は東京生まれの東京育ちですし、子育ても東京でしましたけれど、およそ何万年に
わたって受け継がれたDNA、それを元気に発露する場面も土壌もないんです。そもそもの
サムシンググレートがいのちに吸い込んでいてくれている「やさしい心」「思いやる心」と
いわれるものを、皮肉ないい方をすると「育まないで」というのが大都会のルールになって
しまっている。



鈴木 大都市はとこでもそうなんでしょうね。
野中 都市のしあわせは、お金の物差しでしか測れないようになってしまったのですね。お
金を持っていなければ、しあわせは味わえない仕組みになっているのです。お財布に百万円
はいっている男子と、1万円しかはいっていない男子と、どちらとデートする? と聞かれ
たら都市では、圧倒的に前者がモテモテでしょうが、たとえ好みのタイプでなくとも参(笑)。
でも、無人島にとまでいかなくても、自然の豊かな地方にいると、イヤなタイプとのデート
より、ソコで泳ぎが凄くて、強くて優しくて食べるものを獲って作って探してこられる、ナ
マの人間力が問われてくるでしょう?人としての、基本としての笑顔とか、お互いを思いや
る心とか、感謝のきもちとか、ご挨拶とか……。もういちど、「いのち」のちからを取り戻
す作業をしなおさないといけませんね。

鈴木 なるほど。
野中 私たちは、まかり間違うと地球全体がとんでもないことになるというぐらいの大きな
原発事故をいまも、現在進行形で抱えている。いま、日本で、その危機の現状を共有するこ
とが一番大事だと思います。エネ経会議の勉強会などを通じて、いろんな方にそのメッセー
ジを伝えることが、まず一番大事な初めの一歩でしょう。
東京の一部でもチェルノブイリ原発事故の線量でいうと、放射線管理区域になるんじゃない
かと思いますよ。フクシマからはプルトニウムが検出されたし、2万4000年で、あるい
は何他年でようやく線量が半分になるぐらいの様々な放射線を出して、いろいろ調べたくて
も近づけないような状態にもあるわけです。だから、収束宣言なんてウソッパチだし、けっ
して信じちゃいけない。これは現在進行形ですから、早急にそれぞれの国々が、10年後、20
年後、どういうコミュニティになりたいのかという目標を立てて、そこからバックキヤスト
して、いまできることを一つひとつ楽しくやり始めなければ。

  

鈴木 楽しく、ですね。
野中 ハイ。エネ経会議を立ち上げてくださって、ほんとうにありがとうございました。
鈴木 いえいえ。いま、おうかがいしていて、共通していた言葉のIつが「バックキヤスト
」でした。私たちはどうしても「いままではこうだったから、こうしておけば、とりあえず
売り上げはあるよ」という経営方法になりがちですし、大手の企業さんほどそれが上手です。
また、変化をどう読んで対応していくかが生き残る道なんだという、だれが言ったかわかり
ませんが、ダーウィンの言葉を借りたマネジメントの教科書に書いてあるわけなんです。し
かし、それはそれで大切なテクニックではありますが、それだけではいけないと思うんです。
さっき「自分たちはどういう世の中に住みたいのか≒自分の子どもをどういう世の中に住ま
わせたいのか」とか、「そういう世の中で自分の会社がどういう役割を演じたいのか」とい
うことをおっしゃられましたけど、そういうことだと思うんですね。

野中 その通りです。
鈴木 当然、いまの現実の自分とは連になるわけですから、それをバックキヤスティングし
ながら、そこの間をどう埋めていくか、そこが問われているわけですね。ところが、どうも、
電力関連の巨大企業の仕長さんたちのおっしゃることを聞いていると、目先のことばっかり
おっしゃって、特にエネルギーに関しては本音で語られることが少ない。「これからは原発
ばっかりじゃないでしょう」「どういうエネルギーが望ましいか」というところを率直に語
ってほしいし、それに対して「自分たちは貢献します」と言ってくださったほうが、もっと
もっと、みんながしあわせになれると思うんです。仕事だから仕方なく働いているとか、休
みの目が楽しいとか、定年になってからが楽しいとか、働いている人たちをそういうふうに
しないためにも、言ってほしいわけです。

野中 まったくです。でも「悌介さんが太陽光とかいってるけど金がかかるでしょ」とか「
出費がかさむからね」とか。再生可能エネルギーは実現が難しいということで、それが事実
だったらいいですよ。でも、事実じゃない。じゃ、何か事実かをどこで知ることができるか
?というと「マスメディアではない」と言われてしまうような国になっていることだけは知
ってほしいわけです。ということは、真実は努力しないと見えない、とりわけエネルギー問
題に関してはそういえます。だって、「エネルギーが足りない」というのを発表するのはだ
れ?

鈴木 さあ(笑)。
野中 メディアは、電力をつくって、原子力発電所をやめたくないという人たちのデータを、
そのまま流しているだけでしょ。東京電力はこう発表してます、関西電力はこう発表してま
す。だけど、こちらのこのグループに問いたところ、ここはまったく違うことをこういうふ
うに言っています……それをやるのがジャーナリズムだと思うんですよ。だけど、ジャーナ
リズムがそれをやらなくなってしまった。だから、知りたいことは、海外のメディアがどう
いうふうに見ているか、こまかくいえば他にもあるけれど、そういう、いろんなソースを参
考にしないと判断できなくなってしまいましたね。実際にワタクシ事で恐縮ですが「これ、
週刊誌じゃないよね、エリートといわれる犬新聞だよね」と言いたくなるくらい、まるで週
刊誌ネタのような書き方をされた経験があるんです、悲しいかな。でも実際にやられると、
よ1く分りましたよ、大新聞の取材元はどこいらへんかなあとかね(笑)。だから、物事を
自分で判断する癖をつけていかないといけないと思います。テレビにしろ、新聞にしろ、マ
スメディアの伝えることが、「本当だろうか?」と疑いながら読み取っていくクセというの
か、リテラシーを身につけていくことが大事だと思います。

  

鈴木 自分で判断する努力は私もこころかけていますし、社員にもメッセージを送って自覚
して努力するように促しています。今日は深遠なお話から具体的なアドバイスまで、縷々お
聞かせいただきましてありがとうございました。特に「エネルギーから経済を考える経営者
ネットワーク会議を支えているのは、いのちから生きていくことを考えるお母さんネットワ
ーク会議なの」というアドバイスには触発されるものがありました。どうしても私たち男は、
このエネ経会議にしてもまだまだ男ばかりですし、女性の方をもっと’もっと……。

野中 ですよねえ。
鈴木 結構、いろんなところに呼んでいただいて、お話しさせていただく機会が最近はある
んですが、そこには女性の方がたくさんいらっしゃるし、たとえば医療のことをお話しさせ
ていただくようなときは違う視点を持つことができますし、ありかたいなと思っています。
とにかく、エネ経会議は「気がついたやっか自分のできることを決心してやりましょう」と
いうことになっておりますから。それから、もう一つ犬切なことは、その「アホ」をどうや
って増やしていくか、ということです。

野中 おっしゃる通りです。「アホ」は感染しますから(笑)。「3∴とか起きる前の年、
小田原で開いたローカルサミットで「既存の流れを何とか変えてやろうぜ」という市民運動
を立ちあげましたよね。、「アホ」の会議というので。時代を変えるときには「アホ」応力
が応変です。「アホ」というのは「熱くI「惚れる」です。熱く惚れていれば、信じていれ
ば、人が何と言おうと正しいと思って、惚れて突き進む。それが「アホ」の力です。この会
は実は一枚めくるとそんな「アホ」の集まりですよね。エネ経会議も!

鈴木 強力な感染力をまた野中さんにご伝授いただけたらと思います。よろしくお願いしま
す。
野中 はい。

                               2012年9月24日
                六本本ヒルズライブラリーー・ミーティングルームにて

野中ともよ氏の「三洋電機」の経営現場の話に引き込まれるところあり、なので、ここのと
ころの関連情報収集は残件扱い。次回は、石田秀輝氏との対談「ネイチャー・テクノロジー
で未来を拓くパラダイムシフトを」に移る。

   No.173



 【蓄電池篇:凸版印刷が二次電池事業に本格的に参入】 

● 百倍速く充放電する新型電池の量産化へ
 
3月14日、凸版印刷は、次世代二次電池事業に本格参入することを公表する。「エクセル
ギー電池」の開発・製造を手がけるエクセルギー・パワー・システムズと同年2月9日に資
本業務提携を締結しており、約55円を出資とエクセルギー電池事業の共同推進に合意。エ
クセルギー電池は急速な充放電を行えるのが大きな特徴の電池で、2020年度の量産化を目指
す。出資先のエクセルギーは、2011年設立の東京大学発のベンチャー企業。水素を利用した
蓄電池や燃料電池の製造開発を手掛けている。凸版印刷はエクセルギー設立当時から、エク
セルギー電池の共同開発や事業化に向けた実証を進めてきた。このほど、連続的に急速充放
電が可能で、耐久性の高い二次電池の開発にめどが立ったため、資本提携と事業化を共同で
進めていくことに合意。

両社が開発するエクセルギー電池は、電池内部で発生した熱を急速に放熱し、温度の上昇温
度を5度以内に抑える独自構造を持つ。これにより、一般的な二次電池の100倍となる200C以
上の連続的な急速充放電を可能にしたという。ここでいうCとは、充放電レートの単位で、
1Cは60分で満充放電できる電流値を指す。今回開発した電池は、60分/200C=18秒
で完全な充放電を実現、また高い耐久性も特徴とする。電池内部に水素を封入することで、
酸化による電極の劣化を抑えられる。これにより、ハイレート時の連続50C充放電で15
万回以上のサイクル寿命を実現したとする。これは一般的な二次電池の10倍に相当。構成
材料にリチウムや有機溶剤を使用せず、二次電池の安全性試験におけるクギ刺し試験も不要

これらの特徴を持つエクセルギー電池は、従来常用電源からの電力供給が必要だった医療機
器や、高い出力の回生電力の充電を活用した重機などに向くとしている。また、電池の起電
圧を充電電圧で設定できるため、制御装置がない状態でも過充電することなくフローティン
グ充電が行える。そのため、バックアップなどの無停電電源装置にも適用可能とする。凸版
印刷はこのエクセルギー電池の開発に向け、同社の材料設計ノウハウとコーティング技術を
生かして開発した電極を提供。具体的には印刷技術を応用し、ニッケル系基材を独自開発の
導電性インキをコーティングした電極を開発している。両社は、2018年4月からエクセルギ
ー電池のサンプル出荷を開始し、2020年度から量産する予定だ。2025年にはエクセルギー電
池事業で、約百0億円の売り上げを目指す。

❦ 関連特許

❑ 特開2018-014244  電池用負極および電池ならびに電池用負極の製造方法

【概要】
 
非常用電源用途などを目的として定置型の大型電池の需要が急速に高まるなか、大容量の電
力を供給できる二次電池に、鉛蓄電池やニッケル水素電池、リチウムイオン電池などあるが、
これらの電池を大型化するには重量やコスト、安全性などの課題がある。 この中でニッケ
ル水素電池――負極に水素吸蔵合金、正極に水酸化ニッケルを用いる――は鉛電池よりも軽
量で、水系の電解質を用いることからリチウムイオン電池よりも安全性の面で優れるが、負
極の水素吸蔵合金の価格が高く、大型化するとそれだけコストと重量が増大し高容量ニッケ
ル水素電池の技術的隘路になる。

一方、正極に水酸化ニッケル、負極に周知の燃料電池水素極を用いることで、負極活物質で
ある水素をガス状態で電池内部に蓄積させ、人工衛星用などの用途として、気体水素を活物
質することで負極重量を軽減できるが、負極に高価な白金微粒子触媒を使用するためコスト
低下逓減できない。また、負極に水素吸蔵合金を活物質の水素を気体状態で電池容器内に蓄
積させる電池(ニッケル水素ガス電池)があるが、放電中の水素吸蔵合金は水素ガスの吸収
と放電といった2つの反応が同時進行する矛盾を抱える。このように、負極の水素吸蔵合金
が水素吸収と放電を同時に素早く進めることが求められているが、具体的な方策や性能につ
いての検討がなされずにいる。本件は上記事情を背景とし、水素吸蔵合金の水素の消費およ
び放電反応を利用に、負極に使用する水素吸蔵合金の粒径に着目し、これを好適化し優れた
性能を導き出すことができる電池用負極および電池ならびに電池用負極の製造方法を提供を
目的とし、下図のように負極活物質の水素吸蔵合金が、体積平均径で4μm~12μmの範
囲内に、かつ水素収容部の水素と接触できるよう配置し、負極水素吸蔵合金の表面積を増加
させて水素ガスの吸収反応と放電反応の両方の反応面積を向上させる一方で、コストや表面
被毒、出力低下のデメリットを回避させる技術を提供する。


【符号の説明】

1  電池 1A  電池 2 電池用負極  3 電池用正極 4 体水素収容室  5  電解液
7  セパレータ 10 気体水素収容室 11 気体水素移動路

【特許請求範囲】

負極活物質としての水素吸蔵合金を有し、前記水素吸蔵合金が、体積平均径で4μm
~12μmの範囲内にあり、かつ水素が収容される水素収容部の水素と接触可能に配
置されていることを特徴とする電池用負極。 前記水素吸蔵合金が、放電時に前記水素を消費しつつ放電を行うものであることを特
徴とする請求項1記載の電池用負極。 前記水素吸蔵合金が、電解液と接触して使用されるものであることを特徴とする請求
項1または2に記載の電池用負極。 前記水素収容室を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の電池
用負極。 請求項1~4のいずれかに記載の電池用負極と、水酸化ニッケルを有する正極とを備
えることを特徴とする電池。 水素吸蔵合金を体積平均径で3μm~15μmの範囲内に破砕して水素吸蔵合金微粉
末を製造し、前記水素吸蔵合金微粉末に表面処理をして、酸化皮膜を含む表面層を除
去し、表面処理後の水素吸蔵合金微粉末を負極活物質として担持体に担持させて水素
と接触可能に配置されることを特徴とする電池用負極の製造方法。


【蓄電池篇:圧縮/液化空気貯蔵発電システム】

● 冷気中にエネルギー備蓄技術

再生可能エネルギーは日々より効率化されているが、そのエネルギーの備蓄の好適化が問題
となっている。この需給ギャップ問題の解決に、一部の企業は冷たい空気でエネルギー備蓄
開発に投資され、この中で圧縮空気利用技術が注目を浴びている。例えば、スイスのアラカ
エス(Alacaes)社は、山岳の側面に穿孔し”冷たい空気”のエネルギー備蓄法を研究してい
る企業の1社。そこにでは圧縮した冷たい空気でタービン動力源とし貯蔵する。また、英国
のハイビュー(Highview)社はマンチェスター近くの埋立地からの廃ガスを燃焼させ発生熱
を利用し、貯蔵空気中の液体窒素膨張設備を建設。膨張空気は、タービンを通し発電。この
施設が今年発に電力系統網に接続する予定にある。世界では、未来のためには、大規模で、
長時間備蓄の前提はすでに周知されている。これたの技術は、その中でも重要な役割を果た
すものと期待されている。などほど、面白い技術だ(上/下図参照)。

 

 

  ● 今夜の一曲

Pachelbel - Canon - Stringspace String Quartet 
Kanon und Gigue in D-Dur für drei Violinen und Basso Continuo

  


最新有機電子工学

$
0
0

 

      
                                        

2 謀  攻

「目的は勝利であって戦いではない」

戦争は目的ではなく手段なのだ。したがって、戦わずに勝つのが最高の勝ち方である。それ
が「謀攻」にほかならない。謀攻は単に小手先の術策ではなく、法則性に順った頬辺のない
勝ち方をいう。

兵力に応じた戦い方

戦争に際しては、次の原則を守らなければならない。すなわち、十倍の兵力があるときには、
敵軍を包囲する。五倍の兵力があるときには、敵軍を攻めまくる。二倍の兵力があるときに
は、敵軍を分断して戦う。互角の兵力であるときには、全力を尽くして戦う。劣った兵力で
あるときには、退却する。勝算がないときには、戦わない。もしこの原則を無視し、自軍が
弱小であるにもかかわらず強気一点ばりで戦うとすれば、むざむざ強大な敵の餌食になるだ
けである。

     

❦ なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか ❦ No.22     

● 対談5 新しい現実をつくる  

『ネイチャー・テクノロジーで未来を拓くパラダイムシフトを』 

  石田秀輝 東北大学教授工学博士

1953年岡山県生まれ。2004年㈱-NAX(現LIXIL)取締役CTOを経て現職。
ものづくりのパラダイムシフトに向けて国内外で多くの発信を続けている。2004年から
は、自然のすごさを賢く活かすあたらしいものづくり「ネイチャー・テクノロジー」を提唱。
また、環境戦略・政策を横断的に実践できる社会人の人材育成や、子どもたちの環境教育に
も積極的に取り組んでいる。ネイチャーテック研究会代表、NPO法人サステナブル・ゾリ
ューションズ理事長、ものづくり生命文明機構理事、アースウォッチ・ジャパン理事ほか。
著書に『ヤモリの指から不思議なテープ』(アリス館/2011)『未来の働き方をデザイ
ンしよう』(日刊工業新聞社/2011)『自然に学ぶ!ネイチャー・テクノロジー』(G
akkenMook/201士『地球が教える奇跡の技術』(祥伝社/2010)など多数。

 Dec. 21, 2016  

自然は唯一、持続可能な社会をつくっている

鈴木 本日は東北大学大学院環境科学研究科石田先生の研究室にお邪魔しています。すごく
広くて、それでいてオモチャ箱みたいな感じです。ネイチャー・テクノロジーを用いたシス
テムの模型が並んでいて、ほんとうに楽しい研究室です。一軒の家の電球がネイチャーこア
クノロジーが生み出した電気でまかなえて、しかも安いという画期的なシステムを開発され
たとかで、その模型が展示されております。石田先生のご専門はそうしたネイチャーこアク
ノロジーですので、ご専門の観点からエネルギーについて語っていただきたいと思って研究
室におうかがいしました。

石田 そもそもネイチャーこアクノロジーというのは、自然のすごさを賢く活かす、自然は
完璧な循環をもっとも小さな子不ルギーで駆動している、すなわち自然のなかにはゴミがな
い。自然はわれわれが知る唯一、持続可能な社会をつくっているわけです。
鈴木 自然のなかにすでにつくられているわけですね。

石田 そうです。すでにあるわけです。1992年のリオのサミット以来、私たちは「持続
可能な社会をつくろう」といって一生懸命努力したんですが、努力すればするほど理想から
乖離してしまう。であるならば、自然というものに頭を垂れて、持続可能な社会をつくるた
めには何か必要か、自然のなかのメカニズムやシステムをもう一回見直して、新しい暮らし
方とものづくりを考えるのがネイチャー・テクノロジーで、新しいテクノロジーをつくるた
めにまずライフスタイルをつくることから始めます。私たちが何もしないと2030年には
たいへんきびしい状態になるのは目に見えていますから、きびしい制約環境のなかでも心豊
かに暮らせる、そういう暮らし方のイメージをいまからつくっていく。そのときに必要にな
るテクノロジーは何でしょうか、という問いの答えを、自然のなかから抽出して、サステナ
ブルなかたちにデザインし直して、新しいテクノロジーに変えていく。それがネイチャー・
テクノロジーの本質です。

でも、いま、快適に暮らすためにはエアコンがないといけないとか、いろんな注文がつく。
エアコンはどんどんエコになっているんですが、どれだけエコになっても電気代はかかる。
エアコンをつくるための子不ルギーが要る。だから、視点を変えて、2030年になったと
き、どんな快適な暮らし方ができるのかというと、たとえば電気を使わないで、壁や床や天
井が家のなかの空気の湿度や温度を自動的に検知して一定に保つ、そういう材料を可能なか
ぎり活用したら、電源なしでも快適な暮らしができるわけです。そういうライフスタイルを
つくるために私たちは自然のドアをノックするのです。

鈴木 ああ、なるほど、すごいですね。
石田 自然のなかにそういうテクノロジーがあるだろうと考える。私の場合はサバンナ地帯
のシロアリの巣を見つけました。昼間は50度、夜は零度と寒暖の差が大きいにもかかわらず
巣のなかは30度、プラスマイナス1度に保たれています。それを日本という高温多湿のモン
スーン地帯で使おうとするとき、一番いいのは湿度を調整することです。どのような土にも
いえることですが、実は土の中には3~10ナノメーターというものすごく小さな孔が大量に
開いていて、その孔が湿度を調整してくれるわけです。そういうメカニズムをコンパクトに
すればよいわけです。

 July 6, 2017

たとえば(実物を手に持って)これは厚さ5ミリの板なんですが、実はこれがエアコンなん
です。上ですけれども、無数の小さな孔が開いていて、これを壁に貼るだけで人間が快適と
感じられるレベルに湿度が調整される仕組みなんです。そうすると体感温度がたとえば、夏
なら実際の温度より3度か4度下がるわけです。それだけで快適なんです。

鈴木 まさに、土壁のエアコンですね。
石田 土蔵をずっとシンプルにしたわけです。なんだ、日本には土蔵があるじゃないかとあ
とから気がつきました。ネイチャー・テクノロジーというのは我慢するのではなく、心豊か
に暮らすとしてもエネルギー資源を極力使わないようにしていく、それがネイチャー・テク
ノロジーの本質的なシステムの一つです。いま、電源を必要としないエアコンの導入で家庭
のエネルギー消費は、だいたい、2割か3割かは節減できると思います。

鈴木 まさかの「灯台下暗し」でした。
石田 自然はまさに宝ものの集まりです。たとえば、ヤモリの足の接着能力は強力で、ハガ
キー枚分の大きさで、約200キロの重量に耐えられます。軽四自動車のタイヤー本の接地
面積が、だいたいハガキー枚分ですから、4枚あれば車1台を吊り下げることができる。ヤ
モリの足の指には50万本もの毛が生えていて、さらにその毛の先が敷百本に分かれていて、
こすった下敷きに髪の毛がくっつくように、ナノメートルサイズの絹かく分かれた毛一本一
本と天井村との間に分子と分子が引きつけ合うファンデルワールスカが慟いてくっつく。こ
うしたヤモリの接着メカニズムがわかれば天井を走る車ができてしまう。



鈴木 驚くべきことです。
石田 汚れにくい表面を持つ材料を発見してタイルをつくったことがあります。タイルの表
面はカタツムリの殼から学びました。カタツムリの殼が汚れていることはほとんどありませ
ん。常にピカピカしています。ニワトリの卵も同じです。卵が鶏糞で汚れていても水で洗う
とつるっと落ちてしまいます。そういう表面を持ったタイルに油性ペンで線を引いたとしま
す。普通、油性ペンの跡を消そうとしたら、ベンジンやアルコール、強力な洗剤などを使わ
なければなりませんが、水で洗うだけできれいに落ちてしまいます。タイルの表面に油より
も水と結びつく性質を強く持たせたためです。カタツムリの殼の表面はタンパク質と炭酸カ
ルシウムが絡み合った複雑な構造をしていて、殼の表面の子不ルギーと水の表面のエネルギ
ーの差が殼と汚れ(油)のエネルギーの差よりも小さいために、殼と水のほうがよくなじみ、
結果として油と殼の間に水が入るので、油を浮かし汚れを落としてしまうわけです。ただし
、カタツムリの殼の表面は非常に複雑な構造ですから単純に真似るとなるとものすごいエネ
ルギーが必要になってきます。自然のすごさを大きな子不ルギーを使ってつくるとしたら本
末転倒ですから、そのまま模倣するのではなくリデザインしてエネルギーの消費を小さくす
るのがネイチャー・テクノロジーです。

自然から学ぶことはまだあります。1匹のクモが吐き出す糸は大きく分けると7種類ありま
すが、そのうち一番強度があるのが自分の体をぶら下げる牽引糸で、断面積を1平方ミリに
換算すると、10トン以上も吊り下げる力があって、クモは自分の体重の2倍くらいは余裕た
っぷりに吊り下げることができるわけです。さらにもっとすごいのは、その糸を常に2本出
していることです。1本が切れても落ちないようにもう1本でセルフビレイ(自己確保)し
ているわけです。

鈴木 ファーブル昆虫記のテクノロジー版ですね。石
田 自然のなかの虫たちが人間と同じ大きさだったら、それこそ尋常じゃない世界になりま
す。たとえばグンタイアリを人間の大きさに置き換えると重さ約4、5トンのものを口にく
わえながら時速120キロで疾走していることになります。それで「疲れた」などと言わな
いで一日中歩き続けているわけですから、まるで化け物の世界です。

 Oct. 17, 2016

エコのテクノロジーが消費の免罪符になっている「エコジレンマ」

鈴木 いつまでも聞いていたい気がしますが、先へ進ませていただきます。過去20年ぐらい
の間に、日本の電気使用量は3割ぐらい増えてまして、家庭用と産業用に分けたとき、工場
などで使う電気の量は大企業を中心とした省エネの取り組みなどでそれほど増えていないの
に、家庭用とか、業務用とかが増えているために全体の使用量が押し上げられています。技
術革新が進んで省エネ家電に切り替わったために、たとえば家庭用電気冷蔵庫の使用電力量
は10年前に比べて半分になりました。なぜ、省子エネ家電になって個々の使用量が減ったと
いうのに家庭用全体の使用量が増えてしまうのか不思議でならないわけです。

石田 それをエコジレンマといっています。エアコンと冷蔵庫だけみても、冷蔵庫の電気使
用量は15年前の2割弱、エアコンは15年前の6割です。省エネ家電が大量に市販されて家庭
に入っているのに、家庭用のエネルギー消費は1990年に調べて1・3倍以上なんです。
日本は世界最高レベルのエコテクノロジーを持ち、日本人は世界最高レベルのエコ意識を持
っているのですが、これらを合わせると、環境劣化が加速してしまう。これがエコジレンマ
なんです。

この構造というのは、わかってしまえば当たり前のことですが、耳もとで「これとこれがエ
コ」とささやかれると「エコなんだから、エアコンをもう1台買おうか」「テレビもエコな
んだから、もう少し大きくしてみようか」「エコカー質ったんだから、週末には遠乗りして
みようか」となってしまう。エコによって増える消費のほうが、エコの技術によって環境の
劣化を抑える力よりもはるかに大きい。エコのテクノロジーが消費の免罪符になっているわ
けです。エコポイントだとか、高速道路の週末割引で、「国のお墨付きまでついたんだから
質っていいでしょ」ということになっていく。

Aug. 10, 2016

鈴木 結局、冷蔵庫をもう1台買ってしまったとか、テレビを大きくしてしまうとか、エア
コンを各部屋につけてしまうとか、われわれはそれが快適で豊かな暮らしだと思ってきたわ
けですね。その結果として電気使用量が増えてしまった。ところが、「3・11」後の冬、
家族でリビングルームで過ごす時間を増やして、個室の電灯やエアコンをできるだけ使わな
いようにしました。いままで忘れていた団欒を取り戻したわけですが、「これって、なかな
か豊かじゃないか」と実感しました。そういうふうに改めて気がついた部分があります。

石田 私たちが享受してきた豊かさは「物質的な豊かさ」なんですね。そして、いま、日本
人は物質的に豊かさの頂点にいる。ところが、人間は物質的に豊かになるとさらに豊かにな
ろうとする。それを否定するわけではないんですが、従来と同じ方向で豊かになろうとして
も、資源も、エネルギーも、やがてなくなるとわかっているわけですから、これはきびしい。
豊かさの価値観そのものを変えないといけないのに、変わっていないというか、どういうふ
うにみたらよいかわからないというのが問題なんです。

いま、まさにおっしゃったように、豊かであるというのはエコ商材がいっぱいあることだと
宣伝もするし、物質以外の豊かさを感じる機会が私たちにはあまりなかった。都会から地方
に来たり、自然が好きだとか、現実にそういう兆候が現れてきてはいますが、まだ具体的に
豊かさのかたちになってはいないんですね。だから、いまは「何かと何かを置き換えて、豊
かさを実感する」という段階に留まっていて、いわば足し算なんです。
「資源も、エネルギーも、もうないですよ」といわれながら足し算という選択肢しかないわ
けです。そうではなくて、豊かさを具体的なかたちにするような新しい価値観の足場という
ものを考えていかないといけないのです。

鈴木 そうですよね。身のまわりに物を持つことが豊かさだと信じ込まされてきて、結果と
して物はたくさんあるけれども豊かな感じはあまりなくて、一生懸命やっている割には「こ
れでいいの?」みたいに疑問符がついてしまう。

『エコジレンマ』ですかこれは面白い。エコトリレンマ、クワトロレンマもあるかもしれま
せんね。

                                   この項つづく

 

   No.174



【最新有機電子工学】

● 視認性抜群の小型有機ELパネル

❑ 特許事例1

特開 2018-028996
有機EL素子用の保護膜の形成方法、表示装置の製造方法および表示装置

【概説】

エレクトロルミネッセンスを利用した有機エレクトロルミネッセンス素子(organic electrolu-
minescence device)の開発が進み、この素子は、有機EL素子と呼称され、電圧を印加した
際に発光する電流注入型デバイスであり、ダイオード特性を示めす有機発光ダイオード(
Organic Light Emitting Diode:OLED)とも呼ばれている。有機EL素子は、水分に弱いため、
有機EL素子を覆うように保護膜を形成して、有機EL素子への水分の伝達を防ぐことが望
ましい。有機EL素子用の保護膜においても、性能を向上させることが望まれる。本件は、
下図のように、有機EL素子を有する表示装置の製造方法で、基板11上に有機EL素子を
形成する工程と、有機EL素子を覆うように保護膜16を形成する工程と、を有する。保護
膜16は、Siを含有する絶縁膜16aと、Alを含有する絶縁膜16bと、Siを含有す
る絶縁膜16cとを有する積層膜からなる。保護膜16を形成する工程は、有機EL素子を
覆うように絶縁膜16aをプラズマCVD法を用いて形成する工程と、絶縁膜16a上に絶
縁膜16bをALD法を用いて形成する工程と、絶縁膜16b上に絶縁膜16cをプラズマ
CVD法を用いて形成する工程を経て、有機EL素子用の保護膜の性能の向上させる製造方
法を提供している。

図3 表示装置の要部断面図
図4 表示装置の製造工程を示す工程フロー図
図5 同保護膜形成工程を示す工程フロー図
図6 表示装置の製造工程中の要部断面図
図22 保護膜の水分透過率について実験した結果を示すグラフ

【符号の説明】

1  表示装置 2  表示部 3  回路部 9  ガラス基板 10  基板 11  基板 12 
パッシベーション膜 13  電極層 14  有機層 15  電極層 16  保護膜 16a,
16b,16c  絶縁膜 17  樹脂膜 21  成膜装置 22  ロードロック室 23 
トランスファチャンバ 24,25,26  チャンバ 27  処理対象物 31  ステージ
32  シャワーヘッド 33  アンテナ 34  排気部 41  ステージ 42  上部電極
43  排気部 44  ガス導入部 45  ガス排出部 PH  ピンホール

尚、図22には、試料A、試料Bおよび試料Cについて、WVTR(Water Vapor Transmission
Rate)をCa法(カルシウム法)で測定した結果が示す。試料Aは、プラズマCVD法で形
成した窒化シリコン膜の単層により保護膜を形成した場合に対応している。試料Bは、プラ
ズマCVD法で形成した窒化シリコン膜と、その上にALD法で形成した酸化アルミニウム
膜との2層により保護膜を形成した場合に対応している。試料Cは、プラズマCVD法で形
成した窒化シリコン膜と、その上にALD法で形成した酸化アルミニウム膜と、その上にプ
ラズマCVD法で形成した窒化シリコン膜との3層により保護膜を形成した場合に対応して
いる。試料Aと試料Bと試料Cでは、それぞれ、基板上に保護膜を形成してあり、その保護
膜のWVTRをCa法で測定している。また、試料Aと試料Bと試料Cとで、保護膜の厚さ
は同じにしてある。なお、試料Aと試料Bは、上記「検討の経緯」の欄で述べた保護膜に相
当し、試料Cが、本実施の形態の保護膜16に相当。

また、 図22のグラフに示されるように、WVTR(単位:g・m-2・day-1)は、試料
Aが1.7×10-3で、試料Bが3×10-4であるのに対して、試料Cは、検出限界以下
であり、1×10-6以下であった。この結果から、試料Aおよび試料Bに比べて試料Cは、
保護膜の水分透過率が非常に小さくなっていることが分かる。これは、保護膜16に相当す
る試料Cの保護膜が、試料Aや試料Bの保護膜に比べて、水分を通過させにくく、水分の侵
入を防止する膜として非常に優れていることを示す。上述のように、絶縁膜16aとその上
の絶縁膜16bとその上の絶縁膜16cとの積層膜を、水分防止膜として用いることで、有
機EL素子に水分が伝達されるのを的確に防止することができる。

     

❑ 特許事例2

特開 2018-04161018 有機EL表示装置 

【概説】

有機EL表示装置は、例えば、液晶表示装置と比較して、自発光体を用いているため、視認
性、応答速度の点で優れているだけでなく、バックライトのような照明装置を要しないため、
薄型化が可能となっている。有機EL表示装置では、発光効率を向上させるため、種々の検
討がなされている。例えば、特許文献(特開2006-302879号)に開示されるように、キャッピ
ング層を設ける方法が提案されている。この方法によれば、有機発光ダイオードからの光を
効率良く外部に出射させて発光効率を向上させ得るが、さらなる発光効率の向上が求められ
ている。そこで、本発明は、発光効率に優れた有機EL表示装置を実現にあって、下図3の
ように、有機EL表示装置であって、有機EL層と、有機EL層の光の出射側に配置される
上部電極と、発光材料を含み、上部電極の有機EL層が配置される側とは反対側に配置され
る発光材料含有層とを有し、発光材料が有機EL層から発光した光により発光する構成構造
/構造技術が提供されている。



図1 有機EL表示装置の回路構成の一例を示す概要図
図2 有機EL表示装置の回路図の一例を示す図
図3 有機EL素子構造の断面の一部を示す断面図
図4 有機EL表示装置の各発光素子を対比して示す層構成図

【符号の説明】

10  有機EL表示装置、11  表示領域、12  データ駆動回路、13  走査駆動回路、
14  走査線、15  データ線、16  電位配線、17  第1の電位供給配線、18  第2
の電位供給配線、20  ドライバトランジスタ、21  ソース電極、30  スイッチトラン
ジスタ、40  蓄積容量、50  付加容量、60  有機発光ダイオード、100  基板、
201  第1の発光素子、202  第2の発光素子、203  第3の発光素子、401 
TFT層、402  平坦層、403  金属層、404  絶縁層、405  アノード電極、
406  バンク層、407  有機EL層、408  カソード電極、409  第1の封止膜、
410  第2の封止膜、411  第3の封止膜、421  第1のキャッピング層、422 
第2のキャッピング層、420  発光材料含有層

 Mar. 19, 2018  The Washington Post

● 今夜の寸評:世界の反動リスク

ぼんくらや偏重のリーダーが世界を跋扈しガチャガチャするのはするのはいいが、その責任
は取れない(取らない)リスクが残こされるだけである。ここでの肝は「易きに衝かず」だ
が、それができればことは丸く収まる。

  ● 今夜の一曲

『YELL』 いきものがかり 作詞/作曲:水野良樹

「“わたしば”、今とこに在るの」と

踏みしめた足跡を何度も見つめ返す

枯葉を抱合秋め<窓辺に

かじかんだ指先で夢を描いた

翼はあるのに飛べずにいるんだ

ひと引こなるのが恐<てつらくて

優しいひだまりに肩寄せる日々を

越えて僕ら孤往な夢へと歩<

サヨナラは悲しい言葉じゃない

それそれの夢へと僕らを繋ぐYELL

ともに過ごした日々を胸に抱いて

飛び立つよ独りで未来(つぎ)の空へ.....



 

みをつくしてや 恋ひわたるべき

$
0
0

 

     
                                        

2 謀  攻

「目的は勝利であって戦いではない」

戦争は目的ではなく手段なのだ。したがって、戦わずに勝つのが最高の勝ち方である。それ

君主の口出し 

将は君主を補佐する重要な存在である。君主と将との関係が密接である国は、きっと強大に
なるし、反対に、密接さを欠く国は、きっと弱体化する。将はこのように重要な役割をもっ
ているのだから、君主がよけいな口出しをすれば、軍を危機に追いやることになる。その場
合が三つある。第一に、進むべきときではないのに進軍を命じ、退くべきときではないのに
退却を命じる場合である。これでは君主が軍の足をひっぱるようなもので、その結果、軍は
抜きさしならない状態に追いこまれる。第二に、軍の内部事情もわきまえないで軍事に口を
はさみ、軍内部に混乱を招く場合。第三に、指揮系統を無視して軍令に干渉し、軍内部に不
信感を呼びおこす場合である。君主がこうして軍内部に混乱や不信感を呼びおこしたとみれ
ば、諸侯はすかさず攻めこんでくるであろう。これこそ自滅行為といわずに何といおうか。

先日、トマトベースのスープを夕食で頂いたのが美味しかったの缶詰の原産地を訊くとイタ
リ酸よとの返事にどの産地なのと聞き返すとわからないというので、缶詰のラベルをみると
添加物などの詳細など掲載されていない。それを怪訝に思っているると「安かったから買っ
たの」と付け加える。今朝、新聞ををみていた彼女が『トマト缶の黒い真実』(太田出版、
Mar. 2, 2018)が出版されていると掲載新聞をみせる。それは凄いねと反応しつつ、過剰適応
症がお前さん散漫だし、疲れるぞと独白が過ぎる。仕方がないいつものように電子出版を注
文し暇なとき読むこととする。

さて、トマトは170カ国で生産され、トマト加工業界の年間売上高は1兆6百億円にのぼる。
だがトマト缶がどのように生産・加工されているかはほとんど知られていない。中国、アメ
リカヨーロッパ、アフリカを舞台に、業界のトップ経営者から生産者、労働者までトマト加
工産業に関わる人々に徹底取材。世界中で行われている産地偽装、大量の添加物や劣化した
原料を使用する生産現場、奴隷的に働かされる労働者などさまざまな問題を暴く。世界中で
身近な食品であるトマト缶の生産と流通の裏側を初めて明らかにした衝撃のノンフィクショ
ン!

目次

中国最大のトマト加工会社
「中国産」のトマトペースト
伝説化されたアメリカの加工トマト産業
濃縮トマト輸出トップの会社
イタリアの巨大トマト加工メーカーのジレンマ
中国産トマトも「イタリア産」に
ファシズム政権の政策の象徴、トマト缶
トマト加工工場の奇妙な光景
中国の加工トマト産業の暴走―始まりと発展、強制労働
ハインツの経営合理化とその影響
加工トマト業界トップ企業、驚異の生産力
消費者に見えない「原産国」
天津のトマト缶工場の秘密
トマト31パーセントに添加物69パーセントのトマト缶
農薬入りのトマトか、添加物入りのトマト缶か
アフリカを席巻した中国産トマト
「アグロマフィア」の象徴、南イタリア産トマト缶
イタリアの労働者の違法な搾取
酸化トマト「ブラックインク」をよみがえらせる最新研究




● ネット検索事例 

製造業者 K社 お客様の健康に何らかの悪影響を及ぼす可能性はございませんので、ご安
心してご利用いただけるものと考えております。よく心配されるビスフェノールA(BPA)が
用いておりますが、その使用量はごく微量であり、内容液から検出されないことを確認して
います。ご安心ください。

輸入業者 K社 懸念されるであろうビスフェノールAについては、輸入元に確認をしてお
りますが、 過去60年に渡ってヨーロッパ、アメリカ政府、 日本の厚生労働省が定めた食品
衛生法に則り使用されており、 健康被害や人体への影響はほとんどないとされています。

『ビスフェノールA検査事例』

・フルーツ缶詰め類 :検出されず
・マッシュルーム缶類:0.007~0.009ppm、
・トマト類     :0.023~0.029ppm
・ミートソース   :0.013~0.025ppm、
・ツナ缶類     :0.036~0.051ppm

         『トマト缶が危険って本当?大手製造・販売業者に聞いた驚きの回答!』
                           ( Source : Goodlife of Value

 Nov. 13, 2015

ところで、著者のジャン=バティスト・マレは、「ル・モンド・ディプロマティーク」「シ
ャルリー・エブド」など多くの有名誌に寄稿する新進気鋭のジャーナリスト。2014年に刊行
された第2作『En Amazonie, Infiltre dans le meilleur des monde』は、アマゾンの配送センターに
潜入取材して内部事情を告発した問題作で、フランスでベストセラーとなり、第3作にあた
る本書は、2017年に刊行されると同時に大きな話題になり、「身近な食材のトマトを通じて
読者をグローバル経済の恐怖に陥れる」など、各メディアに絶賛され、「中国産濃縮トマト
を薄めたものがイタリア産として流通している?」「世界には腐ったトマト缶の市場がある?」
「トマトより添加物のほうが多いトマト缶がある?」など、トマト缶を巡る真実を描いたと
このように、出版社のホームページ書籍紹介されている。 

     

❦ なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか ❦ No.23      

● 対談5 新しい現実をつくる   

『ネイチャー・テクノロジーで未来を拓くパラダイムシフトを』 

  石田秀輝 東北大学教授工学博士

1953年岡山県生まれ。2004年㈱-NAX(現LIXIL)取締役CTOを経て現職。
ものづくりのパラダイムシフトに向けて国内外で多くの発信を続けている。2004年から
は、自然のすごさを賢く活かすあたらしいものづくり「ネイチャー・テクノロジー」を提唱。
また、環境戦略・政策を横断的に実践できる社会人の人材育成や、子どもたちの環境教育に
も積極的に取り組んでいる。ネイチャーテック研究会代表、NPO法人サステナブル・ゾリ
ューションズ理事長、ものづくり生命文明機構理事、アースウォッチ・ジャパン理事ほか。
著書に『ヤモリの指から不思議なテープ』(アリス館/2011)『未来の働き方をデザイ
ンしよう』(日刊工業新聞社/2011)『自然に学ぶ!ネイチャー・テクノロジー』(G
akkenMook/2009)『地球が教える奇跡の技術』(祥伝社/2010)など多数。

豊かな暮らし方って何ですか

石田 それに関してお話ししたいことが2つあって、Iつが1980年代のはじめころから
日本人に関するいろんな調査のなかで、「物の豊かさより心の豊かさを望む」という統計デ
ータが軒並み出ていることです。企業が努力して、GDPが上がっているのに対して、生活
満足度とか幸福度は横ばいか下がってきているわけです。結局、エコジレンマを含めて、い
ま、おっしやった「何か変だな」という感覚がどんどん増えているというのが現実で、私た
ちが行なった調査では、「物ストレス」が日本の国民の約4割を占めています。

鈴木 どういうことですか?
石田 物がありすぎて困っている、それでストレスをためている、ということです。本来、
日本人は物ストレスをためるような国民性ではないんです。もっと質素とか、簡素が好きな
はずなのに、「えっ、あなた、持っていないの」と言われるとついつい買ってしまって、物
があり余っている状態にストレスを感じてしまう。

鈴木 ずいぶん、贅沢な悩みですね。
石田 人間の欲望というのは後戻りできないものです。つまり、快適性や利便性では「もう
これでよい」という上限がないという欲の構造を持っているので、満足することがない。だ
から、私たちはそういう方向に逆むのではなく、心の豊かさとか「精神欲」が持てるような
新しい暮らし方と新しいものづくりに取り組む企業を大事にしていこうとしています。とこ
ろが、本来の企業の目的は社会に対して豊かなライフスタイルを提供しないといけないのに、
いまの企業はエコ商品をつくることを目的としてしまうか、あるいは「豊かである」とい
うライフスタイルを売るのが企業の目的でなければならないのに、エコ商品を売ることにば
かり熱心になってしまっています。実はエコというのは出発点にすぎないわけです。目的で
あってはいけないのです。



鈴木 手段なわけですね。
石田 そうです。豊かな暮らしをつくるには、エコを原点にして、どんな暮らし方があって、
それに必要な商材は何でしょうか、こういう考え方にならなければいけないのに優先順位が
逆転してしまいました。

鈴木 経済という観点からすると、GDPが下がってしまうと困るとか、経済が成長を続け
ないと幸せになれない、ずうっとそういうふうに思い込んでいる人がいっぱいいらっしゃる
わけですが、実感としてGDPが増えても、経済成長が続いても、ますます、僻積していく
というのが現実だと思います。GDPや経済成長は追っかければ追っかけるほど、何かしあ
わせ感から遠のいてしまいます。私たちにはそういう思いが抜きがたくあるわけです。

石田 GDPだとか経済成長が上がっているといっても、利益率が下がっていますから薄利
多売でないと成り立だない、あらゆる産業がそうした収益構追になってしまっています。い
ま、製造業の利益率はI桁台なんですが、利益率を20パーセント、30パーセントにするよ
うな新しいものづくりが存在してもいいだろうと思います。従来のテクノロジーだけからい
うと、我々が提供しているような先端テクノロジーは、世界の人口の2割(先進国)にしか
適用できない、残り8割には供給されていないわけです。その8割のうち、お金のない2割
のところはちょっと脇に置いておくことにして、真ん中の6割とリッチな2割を合わせた8
割が新しいライフスタイルに合わせて開発した商材のビジネスエリアだと考えたら、まった
く新しい市場も見えてきます。



豊かということをターゲットとして利益率を上げていけば世界の市場は4倍に広がるのです。
こんなすごいビジネスチャンスが目の前にあるのですから、ちょっとスタンスを変えればよ
いはずなのに、どうしてそっちに行かないで、過当競争の激しいところでしのぎを削るのか、
不思議でならない気がします。実はこれが今日お話ししたいことの2つ目です。

鈴木 よくよく考えてみると、先生がおっしゃったバックキャストという考え方をすれば、
やっぱり、「自分たち、こういう世の中に住みたいよね」「自分たちの子どもはこういう世
の中に住まわせたいよね」「自分の会社はこういう役割を果たしていきたいよね」と、そう
いうものが一つ別にないといけないような気がするんです。そういう姿と現実にはものすご
くギャップがあるわけですが、現実的に一歩一歩ギャップを厘めていきながら、同時に変化
にどう対応するかというテクニックを発揮するという両方の努力が必要だと思います。私た
ちエネ経会議は吹けば飛ぶような小さい会社ばかりですが、及ばずながらの心意気で取り組
んでいるわけです。ところが、世界の環境や経済にものすごく大きな影響を与えるような超
大企業ほど、なぜかそういうことをおっしゃらない。それでいいのかなと思います。

石田 大きな企業は失礼ながらみんなサラリーマン経営者が多く、四半期ごとの儲けを出し
て生き残ろうという感覚があるのかもしれません。NPM(民間企業の経営手法を公共部門
に適用してマネジメント能力を高めて効率化・活性化を図ろうとする考え方)が敦えるよう
に、環境の変化に臨機応変に対応するという「進化の概念」はもちろん大事なんですが、従
来の路線の上で変化に対応するだけでは、これからは不足です。



その一方で積極的に変化をつくって、新たな変化に対応しえるように足場も同時に変えなけ
ればならないのです。だから、私はライフスタイルに責任を持つ新しいものづくりですとか、
企業経営の新しい価値観の創出というところに大きく舵を切ってほしいのです。もちろん、
それだけが正義ではありません。でも、早晩、いまの延長線上では企業の存在価値が希薄に
なることがきっと多くなると思います。そのために、もう一本変化のレールを敷く。これは
つくった変化です。つくった変化、つまり世の中の変化を誘導する新しい概念がこれからほ
んとうに必要になっていくだろうと思います。

鈴木 変化を起こす、変化をつくっていく、先生はそうおっしやいましたが、まったく同感
です。「言うは易し」ですが、そういう志で企業を経営していかないといけないと思います。

石田 そのためには、「豊かな暮らし方って何ですか」という、問いに答えを出していかな
いといけない。これは企業本来の正義ですね。それをもう一回みんなで考え直すとか、そう
いう議論をしないといけないわけですが、手法論の議論をすることはあっても、企業の存在
価値だとか、本質だとか、そういうことで議論することはないだろうと思います。だからこ
そ、これから、つくっていかないといけないと思います。

                                  この項つづく

 

   No.174

 

【最新有機電子工学】

 Mar. 14, 2018

図1 重水素のエネルギー分布のSEM画像と3D PICシミュレーション>
a.直径200nmのCD2ナノワイヤのアレイのSEM画像。
b-d. 8×1019Wcm-2の強度で超高強度で照射された直径400nmのCD2ナノワイヤのアレイにお
ける重陽子のエネルギー分布の進化の三次元粒子内セル(PIC)シミュレーション。 コントラス
トλ= 400nm、60fs FWHM持続時間のレーザーパルス。レーザーパルスは、ナノワイアを急
速に極端な温度まで加熱してナノワイヤを爆発させるアレイの深部まで浸透(図1c、d)。重陽子は、
MeVエネルギーまで空隙内に急速に加速され、D-D融2.45 MeV中性子を生成。
時間は、レーザーパルスのピークに関して測定。ナノワイヤアレイの平均密度は、16%のベ
タ濃度.

【核融合篇:高密度相対論的ナノワイヤアレイプラズマにおけるマイクロスケール融合】

今月、コロラド州立大学の研究グループは、コンパクトで強力なレーザーを用い規則的なナ
ノワイヤのアレイを加熱することで、ラボで微小核融合を実証したことを公表(上図)。レ
ーザー駆動制御融合実験は、通常、スタジアムサイズの建物に収容された数百万ドルのレー
ザーで行われるが、これとは対照的に、超高速で高出力の卓上型のレーザーで実証試験行っ
ている。



【概要】

核融合は、世界最大のレーザーからのマルチキロジュールパルスによって駆動される球状の
プラズマ圧縮で規則的に生成される。ここでは、コンパクトな超高速レーザーからジュール
レベルパルスを重水素化ナノ構造のアレイに照射で生成された高密度融合環境を実証。相対
論的強度のフェムト秒パルスを有する規則性重水素化ポリエチレンナノワイヤーアレイの照
射は、重水素(D)がMeVエネルギーまで加速され、D-D融合反応および超高速中性子バー
ストを効率的に駆動する超高エネルギー密度プラズマを生成。ジュールあたり最大2×106
の核融合中性子を測定します。平らな固体ターゲットに対して約5百倍と、ジュールレベル
のレーザーでは記録的な収量となった。さらに、シミュレーション予測ではレーザーパルス
エネルギーによる中性子収率の急激な増加を観察。この結果により、原子力科学と高エネル
ギー密度研究に貢献、イメージングや材料研究に超高速準一元エネルギー中性子源に繫がる
成果となるだろう。

【ソーラー発電/蓄電池篇: フラーレン電池内包技術】

 Mar. 16, 2018

● リチウムイオン電池の場合

❑ 特開2014-007258 キャパシタ用電解質およびキャパシタ

電解質であるリチウムイオン等の原子はフラーレンで化学的に保護されており、例えば5Vの
高電圧下での使用にも耐えるため、従来のリチウムイオンキャパシタより高いエネルギー密
度を有する。リチウムイオン電池にしろ、電気二重層キャパシタにしろ、カチオン(主に金
属)は電極と直接接触してしまい、電極表面に皮膜形成してしまう。印加電圧が高いほどこ
の傾向は高く、そのため、電解質としてイオン液体を用いた場合であっても定格電圧に限界
があった。本件のカチオンはフラーレンのケージで保護され直接電極と接触することはない
ため電極との反応がないため皮膜の形成ということは発生せず、この点からも定格電圧を従
来よりもはるかに高くすることが可能となる。

また、従来は、印加電圧を高くするとカチオン同士が凝集をおこしてしまい、これが定格電
圧の低下を招くと推測されたが、本家では、カチオン(Li+)同士は特設接触せず凝集は発
生しないため定格電圧を高くすることができる。 アルカリ金属の中で最も電荷の大きいリチ
ウムイオンが相互に完全に独立した状態で保持され、さらに、フラーレンの殻は電解液から
のリチウムイオンの溶媒和を阻害し、球対称であるため高移動速度を有する。そのため大き
いパワー密度が実現できる。


❑ 特開2016-001539リチウム空気二次電池

リチウム空気二次電池は、有機電解液中の有機溶媒に電解質としてリチウムイオン内包フラー
レン塩(Li+-C60)X-(式中X=PF6、ClO4、TFSI、BF4、AsO4から選択さ
れる)を含むことによって電池性能の改善を達成することができる。 本件のリチウム空気二
次電池の構成を採用することによって、低充電電圧かつ充放電の電圧差が小さく、優れたレー
ト特性を実現する高エネルギー密度のリチウム空気二次電池を提供できる。 

 

【下の句トレッキング:みをつくしてや 恋ひわたるべき】

難波江の 葦のかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや 恋ひわたるべき   皇嘉門院別当

昔繁栄していたけれど今はすっかり様変わりしてしまった難波江の葦を刈ったあとの一節の
根のように、短い仮寝の一夜だけのために、つまり、下の句は、難波江の名物「みをつくし」
でもあるまいに私は身を尽くして一生恋することになるのでしょうか(わたしに速く気づい
て欲しいものよ)。

I will spend my life longing for the tiny glimpses of the love I felt on that fleeting night,
short as the root of the reeds cut along the banks of Naniwa Bay.



みおつくし(澪標)というのは、古歌にもよまれているように、昔、 難波江の浅瀬に立てら
れていた水路の標識です。 摂津名所図会にはクイの上部に板をX型に打ちつけたものだけが
見られるが、天保年間(1830~1844年)の絵図には今の市章と同じ形をしたものが描かれて
いる。大阪の繁栄は昔から水運と出船入船に負うところが多く、人々に親しまれ、 港にもゆ
かりの深いみおつくしが、1894年4月、大阪市の市章となる。

The Miotsukushi of ancient lore is a sign that was placed in the shallow waters of Naniwa-e
Bay, Settsumeishozue (a tourist guide published in 1796-1798), shows only X-shaped pan-
els nailed to a pile, yet signs shaped like the modern city emblem can be seen in drawings
from the Tempo Era (1830-1844). Osaka’s prosperity has long been due to transportation
by water and to ships coming in and out. Therefore, the Miotsukushi, with which people
were familiar through close identification with the port, was chosen as the city emblem in
1894.

 ● 今夜の一曲
 
Hotel California Fingerstyle guitar  



 

ふりゆくものはわが身なりけり

$
0
0

 

     
                                        

2 謀  攻

「目的は勝利であって戦いではない」

戦争は目的ではなく手段なのだ。したがって、戦わずに勝つのが最高の勝ち方である。それ

君彼を知り己れを知れば百戦殆うからず

勝利を収めるための条件は五つある。

一、戦うべきか否かを判断できること。
二、兵力に応じた戦いができること。
三、君主と人民が同じ目標をもつこと。
四、態勢を万全にして敵の不備につけこむこと。
五、将軍が有能であって君主が軍事に干渉しないこと。

これが昌利を収めるための条件である。
したがって、次のように結論をくだすことができる。すなわち、敵を知り己れを知るならば
絶対に負けろ心配はない。己れを知って敵を知らなければ、勝敗の確率は五分と五分である。
敵をも知らず己れをも知らぬとすれば、いつも危い橋を渡らなければならない。

 WIkipedia

【下の句トレッキング:ふりゆくものはわが身なりけり 】


 花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり     入道前太政大臣


桜を誘って散らす激しい風が吹く庭。そこに散り敷くのは雪かと思う。しかしふる(降る)の
は雪ではなく、実は古びていく私自身なのだ。

The wind blows through the garden, scattering the cherry blossoms, and there are so many
petals that one could mistake them for snow. Yet it is not snow that is falling; rather it is I
who is fading.(出典:小倉百人一首殿堂 時雨殿)

  

【樹木トレッキング 22:ウワミズザクラ】

古代では、まつりごとで物事を決める時に占いは重要な儀式だった。例えば、古事記神代編で
の天照大神が弟の素盞鳴(すさのお)の乱暴狼藉に怒って天の岩屋に隠れてしまう場面で、天
照大神が太陽が隠れてしまうことでこの世界は真っ暗になり、様々な禍が起こる、そのような
大事件のときに行われる占いが太占(ふとまに)。乞食では、天の香具山の鹿の骨を抜き取っ
て、同じく天の香具山のハハカの木で占い、牡鹿の肩甲骨をこのウワミズザクラの炭火で焼き
骨の表面に現れる割れ目の模様によって占う亀甲占いが記されている。

さて、そのウワミズザクラ(上溝桜、学名:Padus grayana)は、バラ科ウワミズザクラ属の落
葉高木。和名は、古代の亀卜(亀甲占い)で溝を彫った板(波波迦)に使われた事に由来する
(英名:Japanese Bird Cherry) 。よく似たイヌザクラとは、花序枝に葉がつく事などで区別で
きる。北海道西南と本州、四国、九州の山野に自生し、日照と小川沿いなど湿潤した環境を好
む。樹高:約10~15m、樹皮:灰~褐色、枝は小枝の多くは落葉後に落ち、葉は長さ6~9cm、
幅3~5cmで楕円形で先が急に細くなり、縁には鋸歯がある。また、花は5月(北海道では6月
)頃。長さ10cmほどの白い総状花序は雄蘂が目立ち、ブラシのように見える。果実:直径約8mm
の卵円形の核果を付け、初夏にかけて赤から黒く熟すという特徴がある。材は軽くねばり強い
事から建材のほか、彫刻細工、版木、道具の柄などに利用される。香りのよい、若い花穂と未
熟の実を塩漬にした杏仁子(あんにんご)が、新潟県を中心に食用とされる。また、黒く熟し
た実は果実酒に使われる。

 
ところで、サクラ属(学名:Cerasus Mill.)は、植物界バラ目バラ科の属。広義のサクラ属(
Cerasus s. lat.)は、広義のスモモ属(Prunus s. lat.)と同じものである。樹木になり、5弁の花を
つける。花はウメのように1つずつつくもの、サクラのように短い軸から数個を房状につける
もの、ウワミズザクラなど小さい花を穂のようにつけるものなどがある。果実は核果で、外側
(外果皮)は柔らかくて、中心に固い種子(正しくは内果皮=核に包まれた種子)が1粒はい
る。落葉樹が多いが、バクチノキやリンボクなどの常緑樹もある。サクラやウメ、モモ、プラ
ム、アーモンド等の果樹や花木が含まれ、経済的にも重要。

 

  YouTube

   No.175

  
Paolo Bombelli | University of Cambridge

【バイオソーラー篇:最新生物光起電技術】

1月10日、20年ほど前のパオロ・ボンバりー(Dr Paolo Bombelli)らのケンブリッジ大学の研究
グループによる苔を使った再生可能エネルギー発電の直近の研究よりも5成果は、既存の植物
や藻類のモデルよりもエネルギー変換効率が5倍効率的で、高費用対効果と実用性をもつ藻類
型燃料電池を開発している。つまり、環境にやさしい低コストのアプローチとして、生物光起
電性(BPV、生物学的太陽電池としても知られている)が浮上している。これらの太陽電池は
藻類のような微生物の光合成特性を利用し光を電気に変換/電力供給できる。

 Jan 10, 2018

充電と電力供給にはしばしば相反――例えば、充電ユニットの効率的に露光、電力供給部品は
非露光状態に置くが、損失を最小限に抑え電子→電流の変換プロセスを最大化させる――2つ
の反応函を設計するとともに、同時にプロセスのパフォーマンスを最適化させることに成功す
る。そこでの肝は「充電と電力供給分離と反応器の小型化」、つまり、小規模な環境下では流
体の挙動が大きく異なり、内部抵抗が低く、電気損失が少なく、より効率的なセルを設計でき
る。光合成の間に非生産的に散逸した電荷量をセルが最小限に抑え、❶遺伝改変した藻類で
❷小型反応セル設計で、以前より5倍もの0.5W / m2の出力密度を持つバイオ光電池を実現させ
る。 これは従来の太陽電池で得られる電力密度の約1/10にすぎないが、新しいBPVには、
従来のシリコンベースの太陽電池と比べ、藻類が自然成長/分裂に基づくシステム(機関)は
よりすくない投資で実現で、エネルギーの地産地消(分散)法で電力供給できることがその
特長。

 Jan. 9, 2018

Article:Enhancing power density of biophotovoltaics by decoupling storage and power delivery

思えば、太陽光発電は特に魅力的なエネルギーであることは、人類hが消費するエネルギーより
も、所与の時間に約1万倍のエネルギーを太陽から受けとっていることでも明らかであるが、
太古のこの地球の海でシアノバクテリアが「光合成」を生存戦略を選択したことにはじまる。
それを人類は模倣することでエネルギーに変換する試みを行っているという事実に大きな感慨
をもつというわけである。昨夜の、「フラーレン内包技術/工学」もそうであるが、大きな期
待とともに思わぬ陥窮/試練に慎重に配慮しながら進歩していくに違いない、これは面白い。

 LSEV

【世界初、百万円を切る イタリアの中国製 ? 3DP製電動四輪車が登場】

 

     
❦ なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか ❦ No.24      

● 対談5 新しい現実をつくる   

『ネイチャー・テクノロジーで未来を拓くパラダイムシフトを』 

  石田秀輝 東北大学教授工学博士

1953年岡山県生まれ。2004年㈱-NAX(現LIXIL)取締役CTOを経て現職。
ものづくりのパラダイムシフトに向けて国内外で多くの発信を続けている。2004年から
は、自然のすごさを賢く活かすあたらしいものづくり「ネイチャー・テクノロジー」を提唱。
また、環境戦略・政策を横断的に実践できる社会人の人材育成や、子どもたちの環境教育に
も積極的に取り組んでいる。ネイチャーテック研究会代表、NPO法人サステナブル・ゾリ
ューションズ理事長、ものづくり生命文明機構理事、アースウォッチ・ジャパン理事ほか。
著書に『ヤモリの指から不思議なテープ』(アリス館/2011)『未来の働き方をデザイ
ンしよう』(日刊工業新聞社/2011)『自然に学ぶ!ネイチャー・テクノロジー』(G
akkenMook/2009)『地球が教える奇跡の技術』(祥伝社/2010)など多数。

企業価値を上げるブランド力

鈴木 そうですね。いま、日本の経済は低迷している、景気が悪い、景気対策をしっかりや
れと経営者はいうわけですが、反省の意を込めて申しますと、自分たちが景気を悪くする要
因をつくっているんじゃないかという気が私はしてならないのです。たとえば、マーケット
シェアを大きくするためには競争しないといけない、競争に勝つためには安くものをつくら
ないといけない、コストダウンに次ぐコストダウンで、人件費もカット、材料費もカットし
ていく。そうしないと勝てない。勝つためにはますます数を売らないと生き残れなくなって
しまう。数を売っても売り上げが比例して伸びないとなれば、当座、コストに手をつけざる
を得ない。無駄なコストはカットしなければいけませんが、必要なコストまでカットしたら、
つくる人も、売る人も、買う人も自分かやっていることを喜べなくなってしまうし、ものが
出まわるほどにはお金がまわらなくなって、結局、経営者の首を絞めてしまう。

自分が原因をつくっているのだから、「景気対策をしっかりやれ」などという前に自分で解
決するために何かしよう、そういう考え方の時代がくるのは当然だと思います。もちろん、
すべての業種の企業の製品が高く売れるということはないかもしれませんが、そういう視点
で知恵を絞り汗を流さないといけないような気がします。

石田 それがブランドカです。たとえば、逆の言い方をすると、環境が悪くなっているから
といってエコを目的にしたらブランドカはどんどん落ちていく。エコを目的とするとやるこ
とがみんな同じになって、テクノロジーのユニフォーム化か起きてしまう。どこのテレビを
買っても、何を買ってもみんな同じ性能になってしまう。同じ性能だったら、だれだって安
いほうを買うからコスト競争にならざるを得ません。そうすると大量につくって売ったほう
が勝ち。エコが目的なのに大量にものをつくった者が勝つというおかしなことになってしま
うわけです。だから、エコは出発点であって、けっして目的ではないということです。

豊かなライフスタイルを標榜していくこと、それこそが企業価値を上げていく。企業価値を
上げていけば、ちょっと高くても、「この会社のファンなんだもの」ということになり、企
業の顔と使う人の顔がお互いに見えやすくなる。いまは企業と使う人の間にはお金のやり取
りしかない。こうなるとクレームだらけです。クレームが出るのは企業の顔が見えないから
で、見えればクレームは格段に少なくなります。

企業経営などと偉そうに私からは言えませんが、企業の役割とか社会に対する本来の使命と
か、そういうことを企業は忘れてしまっているように思えてならないのです。お金という物
差しだけでいろんなものをつくって、一応、口では「お客様は神様」と言いながら、「だれ
のためか」というのを忘れているのではないかという気がします。

鈴木 確かにお金は大切です。中小企業のオヤジは日々お金のことで頭を使っているわけで
すから、大切でないとは言いません。▽万、お金で測れない価値があることも実感していま
す。石田先生がおっしゃられたようにお金の物差しだけで考えてしまうと、いまのような結
論になってしまうのは確かです。だから、お金で測れない価値をいまの社会に生み出すため
の物差しをそろそろ考えていかないと行き詰まってしまうでしょうね。

石田 それが上位の概念でしょうね。お金の物差しを信奉する人はそのうち年取って消えて
いくことになると思います。上位の概念というのは、一つひとつの企業がどういう豊かさを
社会に提供しようとしているのか、それをちゃんと明文化して、ちゃんと語るということで
す。

鈴木 自分の言葉で語るということですね。
石田 そして言葉に恥じない商科を市場に送り出す。それが一番大事なことだと思います。
当たり前のことなんですが、どうも違った方向へ進んでいる気がしてならない。

経営者は健全な覚悟をすること

鈴木 そもそも経済は何かというと経世済民だと思うんですね。西洋的な理屈からすれば、
経済というのはお金と物とのやり取りと周辺のアクティビティを指すのでしょうが、東洋的
というか、日本式だと世の中を治めて人をしあわせにしていく仕組みだし、方法の一つ。と
ころが、いまは経済が目的みたいになっているから、「経済が仲びれば、みんながしあわせ
になる」と錯覚してしまうのだと思います。石田先生がいわれる「エコは出発点で目的では
ない、それを取り違えると云々」と同じように、おかしなことになってしまっているんでし
ょうね。

過去を振り返れば日本が戦争に負けて何もなかったころは確かに経済が人をしあわせにした
と恩いますし、私たちは恩恵を受けてきているわけですが、2030年問題をも含めていろ
んな変化が予想され、また変えていかないといけない時代を迎えようとするとき、小さいな
がらも会社の経営者として、地域で活動している人間として、新しいライフスタイルを生み
出そうと考える仲間をどうやったら増やしていけるか、いま、真剣に考えているところです
。脱原発の問題でも痛感していることですが、そうどうしても相容れない考えがカベになっ
てしまうわけですね。

石田 それについては2つほど切り目があると思います。1つは、資源や子エネギーの限界
という観点から考えるということです。ある意味、贅沢な悩みで、ものがなくて生きていけ
ないというところから始まって、どんどんどんどんリッチになって、自分の「個の欲望」を
言葉でもいえるようになったし、物質的に実践できるようにもなった。ところが、その土台
となって個人を支えるべき資源やエネルギーに限界が見えてきた。それなのに、それらに支
えられてわれわれは存在してきたということに、まだ気がつかない。気がついたとしても、
「まだいまの欲望のままで生きていくだろうな」という人たちが、きっと鈴木さんがおっし
やるカベとなる相手なんだろうと思います。鈴木さんたちは彼らが足場とする土台そのもの
が「ちょっと、おかしくなってる」と気づき始めた。

鈴木 かなりヤバイと思います。
石田 私もすごい危機感を持っています。「かなりヤバイのに、まだやるの?」という姿を
見せてやるためにはどうするか、やっぱり、健全な覚悟を示すことだろうと思います。多く
の経営者はそんなことわかっていると思うんです。でも、覚悟する勇気がない。だから、率
先してその覚悟を示したということにエネ経会議の存在意義があると思います。

鈴木 ありがとうございます。
石田 生活者からアンケートを取ると、自然回帰の動きがどんどん出てきた、フリーマーケ
ットに若い人がどんどん行くようになった、みんながみんなクルマを買うわけではなくなっ
た、反対に自転車がどんどん売れている、などなど、予兆ははっきり出ているわけです。と
ころが、その予兆を見ないふりをしているということも一方に現実としてある。

鈴木 残念なことです。
石田 毎年、じわじわとくる変化ですから、10年前との差を見せてあげるといい。そういっ
た努力をしないといけないわけですが、やっぱりものをいうのは「健全な覚悟」です。覚悟
がないと駄目なんだということをどうやって知ちせるか、難しいけれども伝えないといけな
い。私には経営として伝えられる能力も知識も資力もないのですが、具体的にこういうもの
をつくればライフスタイルをベースにして、こんなビジネスが生まれるということを証明す
る方法と手段を持っています。それで証明するしかないと思ってやっているわけです。事実
先ほど話題にした土のエアコンは年間何十万平米という商材になりましたが、まだまだ、こ
れからです。



鈴木 私も今日初めて現物を拝見しました。これから広く知られていったら、かなりのシェ
アを獲得すると思います。
石田 そういうものをいっぱいつくっていく、企業との仲間をたくさんつくっていくという
ことが、私自身としては仕事だと思っています。

鈴木 エネ経会議としても協力させていただきます。
石田 ありがとうございます。経営者の皆さんに対しては、まさに鈴木さんがおやりになっ
ていることを繰り返し、繰り返し、やっていただきたいと思います。トップダウンでやって
も、大企業は大型タンカーのように、なかなか舵がきかない。だからそんなところばかり見
ていないで、日本のほとんどは地方であり、企業の99・98パーセントは中小企業なんですか
ら、地方や中小企業が本当の意昧での日本のパワーになって、「健全な覚悟」を持ってやっ
てくださる仲間をどんどん増やしていただくほかないと思っています。

鈴木 自然エネルギーにしても、水力を除いたら1パーセントしかない現状では、いきなり
日本全国に普及させるというのは現実的なやり方ではないと思います。漫然とただ増やすと
いうだけでは議論にもならないでしょうから、現実につくってみせる。小さいからこそ、つ
くることができるわけです。

個々の単位は小さくても、石田先生のおっしやる「健全な覚悟」を持つ仲間が寄り集まって
数が増えれば、スケール的にも大きくなると思っています。ましてや、私たちは同族経営の
経営者が多いものですから、「これをやろう」と覚悟を据えて取り組んだら、即、実現する
わけです。それを強みにしてやっていけば、そう遠くないうちに「健全な覚悟を持った循環
」といった動きが生まれると信じています。そういう仕組みを構築しながら同時にまたさら
に仲間を増やしていく。それによって循環の輪がまたひとまわり大きくなっていく。結果と
して、いつの間にか日本全国に「健全な覚悟を持った循環」が行き渡っていたというかたち
になるように、これからも運動を続けたいと思います。

                                   この項つづく

 ● 今夜の一曲
 
"Whatever It Takes "  Imagine Dragons

Falling toof ast to prepare for this
Tripping in the world could be dangerous
Everybody circling, it's vulturous
Negative, nepotist

Everybody waiting for the fall of man
Everybody praying for the end of times
Everybody hoping they could be the one
I was born to run, I was born for this

Whip, whip
Run me like a racehorse
Pull me like a ripcord
Break me down and build me up
I wanna be the slip, slip
Word upon your lip, lip
Letter that you rip, rip
Break me down and build me up 

Whatever it takes
'Cause I love the adrenaline in my veins
I do whatever it takes
'Cause I love how it feels when I break the chains
Whatever it takes
You take me to the top I'm ready for
Whatever it takes
'Cause I love the adrenaline in my veins
I do what it takes


 

今夜もテクてんこ盛り

$
0
0

 

     
                                        

2 軍 形

形式というものは、何らかの作用をもたらすためにあるのであり、固定してしまっては用を
なさない。水のように相手に応じて変化し、大きなカを発揮する-無形の形、それが軍形の
理想なのである。

攻撃と防禦

敵に乗ずる隙を与えないで、逆に敵が隙をみせるのを待ちうける、これが戦上手の戦法であ
る。こちらの態勢が万全であれば、敵は攻めようとしても攻められないし、逆に敵が態勢を
崩せば、こちらは攻勢に転じることができるからである。したがって戦上手は、敵の態勢が
万全で、乗ずる隙がないときは、自軍の態勢を万全にするだけにとどめて、むりに攻勢に出
ることはしない。自軍の態勢が有利であっても、それが直ちに勝利に結びつくわけではない
のだ。
いったい防禦と攻勢とは一連の動作であって、敵に乗ずる隙を与えない段階が防禦段階であ
り、敵が隙をみせた段階が攻撃段階である。つまり、防禦態勢をとるのは、こちらが劣勢で
ある場合であり、攻勢に出るのは、こちらが優勢である場合である。したがって戦上手は、
自軍が劣勢である場合には、兵力を巧みに隠蔽して敵につけこむ余地を与えないし、こちら
が優勢である場合には、すかさず攻勢に出て敵をうちのめす。こうして、自軍は無傷のまま
完全な勝利を収めるのである。

※まずは、戦端展開論が説かれていく。 

     
❦ なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか ❦ No.24       

● 対談5 新しい現実をつくる   

『ネイチャー・テクノロジーで未来を拓くパラダイムシフトを』  

  石田秀輝 東北大学教授工学博士

1953年岡山県生まれ。2004年㈱-NAX(現LIXIL)取締役CTOを経て現職。
ものづくりのパラダイムシフトに向けて国内外で多くの発信を続けている。2004年から
は、自然のすごさを賢く活かすあたらしいものづくり「ネイチャー・テクノロジー」を提唱。
また、環境戦略・政策を横断的に実践できる社会人の人材育成や、子どもたちの環境教育に
も積極的に取り組んでいる。ネイチャーテック研究会代表、NPO法人サステナブル・ゾリ
ューションズ理事長、ものづくり生命文明機構理事、アースウォッチ・ジャパン理事ほか。
著書に『ヤモリの指から不思議なテープ』(アリス館/2011)『未来の働き方をデザイ
ンしよう』(日刊工業新聞社/2011)『自然に学ぶ!ネイチャー・テクノロジー』(G
akkenMook/2009)『地球が教える奇跡の技術』(祥伝社/2010)など多数。

自然をベースにしたテクノロジーを持つ日本人

石田 2つ目の切り口ですが、考えるに、いま、ネガティブな話をしているのは、第二次産
業、第三次産業だけだということです。第▽次産業の方々というのは年収200万、300
万でも、いつもニコニコしている。幸せとはこういうことじゃないですかね。私たちはいつ
も第二次産業、第三次産業と比較して何かをいうのに、どうして第T次産業と比べないのだ
ろう? と不思議に感じます。

鈴木 鋭いご指摘です。いわれてみれば、おっしゃる通りです。
石田 第一次産業の人は年収2、300万なのに、何であんなに幸せそうなのか? それを
私たちはもう一度考え直さないといけない。一つは定年という概念です。第二次産業と第三
次産業は定年を勝手に決めてしまっていますが、第▽次産業は一生働ける。現役として働け
なくなっても、程度に応じてそれなりにやれる仕事があるわけですね。足りないところはだ
れかが助けて穴埋めする。ところが、第二次産業、第三次産業には定年という仕切りがあっ
て、期限を過ぎると「あなたは仕事をする価値がない」と決めつけられてしまう。いろんな
ことをたくさん知って蓄積があるはずなのに価値がないとされてしまう。どうして、そんな
システムをつくったんだろう。そのシステムはもともと終身雇用を前提としたものでした。
いまは終身雇用が崩れたのに定年だけがあるわけです。これでは楽しくないですね。

鈴木 実に鋭いご指摘です。
石田 定年を迎えて「これでやっと楽しく人生を送れます」なんて言われると、われわれと
しては学生に教えたのは何のためだったんだという話になります。二次産業と二次産業のも
っとも違う点は、二次産業はワークとライフが重なっているのに対して、二次産業は別々に
なってしまフていることです。欧米から輸入した言葉で、仕事と生活の調和することをめざ
す「ワーーク・ライフ・バランス」という言葉がありますけれど、日本はもともと二次産業
でワーク・ライフ・バランスがきれいにできていたんです。それなのに欧米型の企業経営を
取り入れて、どんどん離れてきて、ワークはワーク、ライフはライフに分離してしまい、定
年になるとライフだけに偏ってしまう。これではどっちもストレスがたまります。

鈴木 私なんかは同族会社の経営者ですから、どこまでがライフで、どこまでがワークかわ
からないところがあります。
石田 だから、それが大事だと思うんです。

鈴木 そういうふうな暮らし方をしたほうが、見方によっては「幸せかな」と思います。
石田 私が「中小企業の人が何とかしなければ」といっているのは、まさにそこで、仕事を
しているオヤジの姿を家族がいつも見ているとか、それだけでライフのなかのワークの価値
観が変わってきます。ライフのなかのオヤジの姿とワークのなかのオヤジの姿が、「あ、仕
事でも同じようなことをやっている」みたいな感じでオーバラップしていく。

鈴木 社会全体がそうなったら世の中は劇的に変わるでしょうね。私は江戸時代からつづく
かまぼこ職人の家庭に育ちました。先代や先々代の働く姿を思い返すと、けっして仕事は楽
ではなかったわけですが、それを苦痛とするどころか、イキイキとして、取り組んでいたよ
うな気がします。 
昔の日本人は仕事をつらいと感じるより夢中になるくらい愛していて、働くこと自体に意味
があって、生きていくうえで欠かせないものでした。ただ、経営者の一人としての反省は、
世の中の経営者の大部分が高度成長のときには働かせるだけ働かせて従業員にケアをしなか
ったこと。そこに労使間に溝が生じた原因の1つがあるのではないでしょうか。本来、労働
は日本人にとっては美徳だったわけですから、それを取り戻す必要があると思います。

石田 まさにその通りです。歴史上からみて、日本と欧米ではワークーライフ・バランスは
生い立ちからして違うわけです。産業革命が最たるもので、イギリスの産業革命は資本を集
約していかに働かないで結果を出すかという考えで、それが大量生産に結びついたわけです。

それに対して日本は、1633年に家光が第一次鎖国令を出して、それからずっと内需だけ
で食っていくためにたいへんな努力をつづけてきて、1800年ころ、ようやく内需だけで
暮らせるようになりました。内需だけで暮らしたときの稲作の収穫量というのは1970年
代の東南アジアと同じなんです。とてつもない収穫量です。そのために何をやったかという
と、もちろん、耕せるところは耕して、最後は棚田までつくって、それでも不足したために、
最後の最後は馬や牛の代わりを人間がやるわけです(労働集約型産業革命勤勉革命)。日本
人になぜそれができたかといったら、結局、欧米では神様は天にいて物は地上にいるけれど
も、日本は物も神様も地上にいる。

鈴木 だから、それがありかたい、と思うわけですね。
石田 馬や牛の代わりをして泥にまみれて朝早くから日が暮れるまで、休まず働くことをあ
りかたいと思う、そういう概念をつくり上げてきたわけです。それがあるからこそ、次に「
もったいない」という概念が生まれてきて、働くことは美徳という道徳ができあがるわけで
すね。それをわれわれはずうっと引きずってきているわけです。それは悪いことかといった
ら、そうではなくて、結局、一生懸命ものをつくる、必死でつくる、精魂込めてものをつく
る、つくったものは長く大事に使う、長く大事に使うためには「見えないところほど魂を込
めろ」といわれたように本物の仕事をして、けっして手抜きをしない。壊れたら修理をする、
すなわち、つくるだけでなく修繕、メンテナンスまで一貫したシステムができあがっていて、
それが柳宗悦のいう「用の美」につながってくるわけですから、部分だけ見ないで全体とし
て見れば素晴らしいわけです。柳宗悦のいう「用の美」の概念こそがいまの日本の産業を支
えているわけです。

ひところ、欧米のアナリストが全国紙のコラム欄に日本の品質管理のレベルの高さについて
「どうしたら、あれはどの品質管理がやれるのか」と嘆息まじりに賞賛する一文を寄稿した
ことがありましたが、伶人されたテクノロジーを使っても根底に「口本の美」「江戸の意気」
があるから、欧米の産業が束になっても日本の品質管理には歯が立たなかったのだと思いま
す。


鈴木 日本の歴史にはそれだけのものが埋もれているわけですね。それを知らないでいるこ
とは、それ自体が和幸ですね。
石田 実は心豊かに暮らしながら、自然観を失わず、産業革命に成功した民族がいます。日
本人です。世界で唯一、日本人だけが自然をペースにしたテクノロジーを持つことに、成功
しているのです。自然と決別することによって成功した英国の産業革命から生まれたテクノ
ロジーと比べると違いがはっきりします。自然観を失わなかった日本のテクノロジーは大量
生産大量消費に向かいませんでした。

どこに向かったかというとすべてエンターテイメント、「遊び」という心、すなわち「意気」
を極めるためのテクノロジーを目指したのです。たとえば「旬」も同じです。初鰹のように
初物に値を張る気っ風のよさは食べ物から季節の便りを感じ取る感性の賜物で、すなわち「
江戸っ子の意気」です。秋ナスとか、寒ブリとか、味や噛みごたえ、香りのほかに季節感を
味わいたしなむ。器の美、盛り付けの美、すべて遊び心、意気からくるものです。味につい
ても醤油の味付け、味噌の味付け、塩味など、そして煮たり、焼いたり、さまざまなバリエ
ーションを自然の恵みだけで割出し、体系化した。

こうした意気をペースにしたライフスタイルというものは、自然を活かした命をつなぐテク
ノロジーになっていきます。産業革命以降の地下資源型テクノロジーが世界を席巻するまで
は、あらゆるテクノロジーは自然の循環の恵みをいかにうまく活用するかということがすべ
てでした。命の連鎖の一つの仕組みのなかにあったわけです。ところ、地球には本来存在し
ない地下資源型テクノロジーがその連鎖を切断する道具となって世界を席巻し、地球環境を
劣化させることとなってしまったわけです。もちろん、地下資源型テクノロジーのすべてを
否定するものではないとしても、原子力は地中から地上に出してはいけないものの最たるも
のかもしれません。

鈴木 産業革命を歴史の分水嶺、区切りとする見方は実に斬新です。地下資源と地上の然資
源という分け方も新しい哲学を感じさせます。
石田 これまで申し上げてきた通り、本来、人間らしく生きるためには豊かさが必要で、そ
れに必要なテクノロジーやシステムを考えねばならないはずなのに、豊かでなければ人間ら
しく生きられないとする人間優位から生産優位の概念をつくり上げてしまって、これが分断・
対立・競争の原理を生み、これを基盤として社会構造やシステムができあがってしまいまし
た。人間らしく生きるための原理は連帯・参画・共同を原点とする、すなわち、つながりの
原理なのです。いのちのつながりをあおるテクノロジーが生まれなければならない時代にわ
れわれがいることを、そして、あらゆるものがつながりを持つことの重さを、それこそが地
球環境の劣化を停止させることができることをいま一度考えなければならないと思います。

                                   この項つづく

  No.176

【ソーラータイル事業篇:太陽光と蓄電池で自立するソーラースタンド導入】

3月15日、ソーラーフロンティアは、自社のCIS薄膜太陽電池を活用した「ソーラースタンド
」が、このほど、東京都府中市と国立市に採用されたと公表。このソーラースタンドはCIS
薄膜太陽電池とLED照明機器、携帯充電機器に加え、蓄電池ボックスを組み込んだ完全な独
立電源タイプの街路灯。太陽光発電の災害対応利用を検討していた両市に、ソーラーフロン
ティアが提案したという。府中市では西武多摩川線多磨駅のロータリー内と府中市郷土の「
森博物館」内の2カ所に、国立市では、北第一公園、谷保第三公園、矢川上公園、第三中学
校に各1本の合計4本を設置。設置場所は、公園や学校、駅ロータリーなど、災害時における
近隣住民の避難場所や避難経路となる地点であり、災害時には特に非常電源としての機能が
期待される。ソーラーフロンティアは、今後も全国の自治体や企業を含む事業者に対し、CIS
薄膜太陽電池の活用ソリューションを提案する方針。

 
 【水力発電篇:スマートハイドロ――水深10センチの水路でも発電】

3月15日、 鉄建建設は新型タービンを利用した小水力発電装置を開発したと発表。小さ
な農業用水路やトンネルの湧水を排出する中央排水溝など、水量の少ない場所でも発電でき
現在、茨城県石岡市の農業用水路で実証を行っている。全国で既設の農業用水路などに小水
力発電を導入する事例が増えている。売電目的だけでなく、電力を確保しにくい山間部など
で、農作物を守る電気柵や、雨量などの計測装置の電源として利用したいというニーズもあ
る。だが、小規模な農業用水路や中央排出溝の場合、十分な水量・流速が得られず、導入を
断念するケースもある。

 Mar. 20, 2018

そこで鉄建建設では、NewAct、あき電器、久力製作所の技術協力を得て、こうした水量の少ない場
所でも効率よく発電できる小水力発電装置の開発に取り組む。 開発した小水力発電装置の核とな
るのが、新開発のタービンだ。回転体の周囲に水流によって開閉する16枚の可動翼が付いている。
この可動翼は、上流側では水流を受けて開き、水のエネルギーを受け止めるようにしてター
ビンを回転させる。反対に、下流側に移動すると水流を受け流すようにして閉じる。石岡市
の農業用水路で行っている試運転では、集水加導水路による流速2.0m/sの条件の下で、最回
転度60rpm(1分当たり60回転)で、発電出力9.6ワットを確認。発電した電力は、イノ
シシによる田んぼへの鳥獣被害対策として設置した全長2.2キロメートルの電気柵用の電力
に利用。この他、河川の水位計測データや、リアルタイム動画の送信といった防災用途にも
向く。鉄建建設では現在この小水力発電装置について特許出願中、実用販売の可能性も検討忠。

Mar. 23, 2018

❦ 関連特許:特開2015-072009 羽根構造体及び発電システム

【概要】

この知財はもともと風力発電用として降参されことのほかメカニック。従来より、風力発電
用の風車として、回転軸が垂直方向に延びる垂直軸風車や、回転軸が水平方向に延びる水平
軸風車が知られている。また、垂直軸風車には、羽根に発生する抗力が風車の回転力となる
抗力型(例えば、特開平2001-211569参照) 羽根に発生する揚力が風車の回転力となる揚力
型が含まれる。サポニウス型風車や自転羽根式風車などの抗力型の風車は、構造が簡単で、
発電装置部分などの機械部分が低位置にあるため点検や修理がしやすく、低風速から始動可
能であるなどの特性を持つ。
このように抗力型の風車や水車よりも、さらに回転力を増大させるため、下図のように羽根
構造体2は、流体の力である流力を受ける複数の羽根22と、羽根22を支持すると共に、
流力に対して垂直方向に延びる回転軸周りに回転可能な支持部材と、回転軸周りに所定の回
転角度TZだけ、羽根22を自由回転させる羽根回転機構とを有するようにした。これによ
り流力を使って羽根を流力の方向へ傾斜させ、羽根の対称性を崩すことができ、羽根に発生
する抗力を大きくできるようにしている。

 

【符号の説明】

1  発電システム  2  羽根構造体  3 中心回転軸  4 発電装置  21 中心孔 2、122、
190、290、390、490、590、690:羽根  23、123 羽根回転軸  24、124:角度調整部
25 中心支持体  26  上下面  27 上下面  102、102X、102Y、202、202X、202Y、
202Z  羽根構造体 103  中心回転軸  123 羽根回転軸  126、127 上下面  130 調
整リング  150  エアタンク  193 反力受面  194 流力受面 295、295a、295b 突出
部  TZ   :回転角度

地産木材のみを使うバイオマス発電所、国内初のペレット工場も併設
くしま木質バイオマスは、串間市で建設を進めている「大生(おおばえ)黒潮発電所」の竣
工式を3月24日に開催する。国内初(洸陽電機調べ)のペレット工場を併設した小規模木質
バイオマス発電所となる。

【ネオコンバーテック篇:単層CNT薄膜の特異な光吸収特性を発見】

3月16日、首都大学東京の柳和宏教授らは、一方向に配向した単層カーボンナノチューブ
(CNT)薄膜を作製し、高密度にキャリアを注入制御したところ、単層CNT軸の垂直方向に
新たな光吸収が生じることを発見、新型の半導体レーザーやフレキシブル熱電変換素子の開
発につながる可能性が高い。下図のように、半導体量子井戸におけるサブバンド間のプラズ
モン吸収と同様なものとみている。ただ、一般的な半導体量子井戸におけるサブバンド間の
プラズモン吸収は、1~10meVの遠赤外光/中赤外光領域で生じる。これに対し今回は、1eV
の近赤外光領域で生じた。従来の千倍に相当するエネルギー領域。このことは、1ナノメー
トル程度のCNTサイズにおいて、量子閉じ込めの極限状態にあるプラズモン吸収を見出した
ことになる。将来は、CNTを用いた量子カスケードレーザーへの応用も可能とみている。さ
らに、配向CNT薄膜の熱電特性を解明することによって、フレキシブル熱電変換素子の実現を
目指す考えである。

 
 Mar. 18, 2018

 

● 今夜の寸評:IBM 10セントチップスの衝撃

1つの塩粒よりも小さいコンピュータ。IBMは1ミリメートルのサイズ世界最小のコンピ
ュータ――僅か10セント以下のコストで製造可能人間の目で確認できないフットプリント
に数十万個のトランジスタをパック、百万個ものトランジスタ――を開発したことを公表。

 

上の64個のマザーボードのセットの写真は、LED通信ユニットと光検出器、スタティック
ランダムアクセスメモリ(SRAM)、統合型光電池が含まれる世界界最小の2台のコンピュ
ータを搭載する。さらには、「改ざん防止デジタル指紋」と定義されている暗号のアンカー
または暗号アンカーを、真正性を保証し偽造品を検出するために製品に組み込み5年後の市
場を睨んでいる。1個10円30銭ですか。40年間『デジタル革命渦論』を唱えてきた者
として感慨ひとしおな宵のひとときを味わっている。

※Source:The ‘World’s smallest computer’ could be manufactured for under 10 cents | Inhabitat -
Green Design, Innovation, Architecture, Green Building

  

人の命の惜しくもあるかな

$
0
0

 

     
                                        

2 軍 形

形式というものは、何らかの作用をもたらすためにあるのであり、固定してしまっては用を
なさない。水のように相手に応じて変化し、大きなカを発揮する-無形の形、それが軍形の
理想なのである。

「勝ち易きに勝つ」「まず勝ちて後に戦う」

多くの者に、それとわかるような勝ち方は、真に優れた勝利ではない。勝った勝ったと、世
間でもてはやすような勝ち方では、最善の勝利とはいえないのだ。例えば、毛を一本持ち上
げたからといって、だれも力持とは思うまい。太陽や月が見えるからといって、だれも目が
よいとは思うまい。雷鳴が聞こえたからといって、だれも耳がよいとは思うまい。そのよう
に、だれの気にもつかぬ自然な勝ち方が理想なのである。
本当の戦上手は、まず勝ち得る条件をつくっておき、自然に勝つ。したがって、勝ってもそ
の知識は人の目につかず、その勇敢さは人から称賛されることもない。つまり、戦上手は、
確実な方法で勝ち、打つ手打つ手がすべて勝利に通ずる。戦う前から敗けている敵を相手に
するのだから、勝つのは当然である。自軍を不敗の態勢におき、しかも敵のいささかの隙を
も見逃さない。これが戦上手の戦法なのである。
したがって、勝つか収けるかは、まず勝利の条件をととのえてから戦争をはじめるか、それ
とも、まず戦争をはじめてから勝利をつかもうとするか、によってきまる。勝利を収める軍
隊は前者であり、敗北に追いやられる軍隊は後者である。

スタンドプレーの危険性 『老子』は「作為」を排した。『孫子』はこれを、無理勝ちしな
いこととしている。これはまた、スタンドプレーの危険性を見ぬいた安全な処世なのである。

     
❦ なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか ❦ No.24       

● 対談5 新しい現実をつくる   

『ネイチャー・テクノロジーで未来を拓くパラダイムシフトを』  
  石田秀輝 東北大学教授工学博士

1953年岡山県生まれ。2004年㈱-NAX(現LIXIL)取締役CTOを経て現職。
ものづくりのパラダイムシフトに向けて国内外で多くの発信を続けている。2004年から
は、自然のすごさを賢く活かすあたらしいものづくり「ネイチャー・テクノロジー」を提唱。
また、環境戦略・政策を横断的に実践できる社会人の人材育成や、子どもたちの環境教育に
も積極的に取り組んでいる。ネイチャーテック研究会代表、NPO法人サステナブル・ゾリ
ューションズ理事長、ものづくり生命文明機構理事、アースウォッチ・ジャパン理事ほか。
著書に『ヤモリの指から不思議なテープ』(アリス館/2011)『未来の働き方をデザイ
ンしよう』(日刊工業新聞社/2011)『自然に学ぶ!ネイチャー・テクノロジー』(G
akkenMook/2009)『地球が教える奇跡の技術』(祥伝社/2010)など多数。



勤勉革命から勤勉改悪ヘ

鈴木 先生は勤勉革命という言葉も使われています。
石田 勤勉こそ日本人が世界に訪れる最大の美徳でした。それなのに日本人的勤勉をワーカ
ホリックだとか、そういう横文字に置き換えてしまいました。たとえば残業についていうと、
欧米型の残業というのは要するに効率を追求するために残業代を出すことです。日本の残業
というのはたとえば鈴木さんが残業していたら、自分に仕事がなくても「おまえ、残業なの
か。かわいそうだな。じゃあ、横にいてやるよ。終わったら赤ちょうちんへ行こう」と。こ
れが日本の残業なんです。

あらゆるものを分かち合う。稲作漁労のようにいつも手をつないでお互いがつながっている
ことを確認し合う。それをさらに確認するのがお祭りなんです。そういう概念をブチブチ切
り離してしまった。たとえば昔は残業してもお金つかなかったじゃないですか。それをブチ
ブチ切って、残業というかたちをつくって、残業すれば、「えっ。残業すれば、お金もらえ
るの。それなら残業したほうがよいじゃない」というようなことに持っていってしまった。
勤勉改悪というのが本当かもしれません。欧米の経営者がもっとも恐れたのが「日本人の勤
勉」なのですから、それを批判する欧米に媚びて国民余暇センターなんかつくって、国民に
「もっと遊べ」などといい出したのが、そもそも日本のものづくりというか品質管理がおか
しくなった元凶だと私は見ています。

鈴木 日本本来の働き方を取り戻すということですね。

石田 それで、とてつもなく元気でやっている会社が日本全国至る所にありますから。
だから、日本人の勤勉さは、いまでさえも時代遅れでも旧式でも何でもなくて、ひょっとし
たら世界の最先端かもしれない。

鈴木 外国企業にとって最大の脅威だったわけですからね。日本人は働きすぎだといわれて
も、褒められていると素直に受け取っていればよかったわけですね。勤勉でどこが迷惑を受
けたという話ではないわけですから。

石田 とりわけ物のないときは歯をくいしばって働いた。それをやせ我慢というと精神論に
なってしまいますが、切磋琢磨して日々向上していく技術の裏づけがあるから心から楽しめ
た。やせ我慢ではなくて自然体だから労働さえも「意気」なんです。私が言う「意気」は裏
づけに生命子不ルギーや生命テクノロジーのみならず、ものづくりのテクノロジーも併せて
持っているわけです。鎖国下の自給自足経済でしたから物の種類は限られていましたが、そ
れなりに生産があって、江戸時代の人たちは食べる楽しみ、暮らす楽しさには事欠かなかっ
たのです。


2つの大きな課題

鈴木 先ほど石田先生は「いまのままで私たちが何もしないと2030年には、たいへん、
厳しい状態になる」とおっしゃいましたが、もう少しくわしくお話しいただけますか。
石田 私は何もしないでいれば2030年には我々自身の手で文明壊滅の引き金を引くかも
しれないと思っています。2030年までにネイチャー・テクノロジーを活かしたライフス
タイルに切り替えていかないと、既存の文明では地球がもたないからです。ネイチャーこア
クノロジーについてはさっき説明した通りで、すでに多くのものを考えてきましたが、まだ
まだ十分だとは思いません。残された10年か15年で世の中全体がネイチャー・テクノロジー
の方向に舵を切れるかどうか、舵を切れないと相当きびしい。

そこには7つのリスクがあって、資源、エネルギー、生物多様性、食糧、水、人口、気候変
動のどれが最大リスクになるか、いまの科学ではわかりません。わかりませんが、どれもが
2030年ころまでに限界に近くなることは間違いない。2030年というといまの小学生
が30歳のときです。
鈴木 そろそろというより、遅いくらいかもしれませんが、早々に覚悟を決めて具体的に動
かないと時間切れになりますね。それほど切羽詰まっているということは理屈ではわかって
いるつもりでも、やっぱり実感が薄かったと、今日は反省させられました。

石田 はっきりしていることは、2030年問題に対するソリユーションをわれわれから提
案できなければ絵に描いた餅に終わってしまうということです。だからこそ、エネ経会議の
なかで皆さんにいろんな可能性を議論していただいて、あらゆる実践の種を早くそろえない
といけない。

鈴木 急ぐ必要がありますね。

石田 もう一つ、なんとなくヤバイというのは地球環境問題について話せる人がいないとい
うことです。温暖化の話ができる人、エネルギーについて話せる人、水について、資源につ
いて、食糧について、生物多様性について、個々の問題について話せる人はいるんです。と
ころが、地球環境問題はこれらが合作されたものなんです。どれか一つだけ直そうとしたら、
必ず他にしわ寄せがいって問題が深刻化してしまいますから、こういうリスクがなぜ起きて
いて、おのおののリスクがいまどのような状態なのかをひっくるめて全方位で語らないと駄
目なわけです。



エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議

鈴木 なるほど。よくわかります。お医者さんの世界みたいですね。
石田 そうなんです。専門医ではなくて総合医が必要なんです。大学病院みたいに専門医は
いっぱいいるわけです。ところが、梅ちゃん先生みたいに、全体として診て、「あなたはき
っとこっちが問題だよ」という人がいない、地球環境に問しては……。

鈴木 と、いうより、どこの世界にもいえそうですね。
石田 全体を見ないと部分も見えないでしょう。そういうふうに全体を見ていえることは、
残された10年か15年で世の中全体がネイチャーこアクノロジーの方向に舵を切ることと健全
な危機感を持ってもらうということ、この2つが短期的に見てもソリユーションだろうとい
うことです。それから、長期的に見渡したときに、いま、知っておかなければいけない危機
感、この両方を併せ持っていることがとても大事だと思います。だから、私でお役に立てる
ことがあれば、ここをいつでも使ってください。この場所もぜひ、皆さんで見学にきてくだ
さい。

鈴木 近いうちにエネ経会議のメンバーで見学会をやらせていただきたいと思いますので、
そのときはよろしくお願いいたします。今目はほんとうにどうもありがとうございました。

                              2012年9月23日
                   東北犬学犬学院環境科学研究科石田研究室にて

次回は、加藤憲一小田原市長の「対談6.地域の再生エネルギー資源を活かし、地に足のつ
いた経済力を育む」へと移る。

  No.177


【バイオマス発電事業篇:大生黒潮発電所竣工】

● 地産木材のみを使うバイオマス発電所 国内初のペレット工場も併設

 

 宮崎日々新聞 

3月24日、くしま木質バイオマス(宮崎県串間市)は、串間市で建設を進めている「大生
(おおばえ)黒潮発電所」の竣工式を開催。同発電所の設計・施工を担当した洸陽電機(株)
によると、国内初となるペレット工場を併設した小規模木質バイオマス発電所で、地域産出
木材のみを用いた発電を行うという。 同発電所は、串間市近隣の地元材を活用した燃料ペ
レット製造を敷地内の工場で行っており、エネルギーと経済を地域内で循環させることが特
長。地元企業と連携し雇用創出や林業活性化につなげる。 ペレット製造から発電までのプ
ロセスをパッケージ化した発電所となるため、燃料の安定供給に強みを持つという。さらに、
発電設備として独ブルクハルト社製の木質バイオマス熱電併給システム10基、米アクセスエ
ナジー社製の温水バイナリー発電システム1基を導入。これにより、発電による排熱をバイ
ナリー発電やペレット製造時の乾燥工程で有効活用することが可能となり、工場全体の運用
コストを低減。

【バイオマス発電篇:最新木質バイオマス発電技術】

❏特開2018-002751  木質バイオマス利用と風力利用を組み合わせた地域分散型
の発電方法  

【概要】

再生可能エネルギー発電の各方法は、エネルギー効率、経済性など課題を抱えている。例え
ば、風力はその出力が風速、風向などの影響が大きく、出力制御しにくい、装置が故障し
やすいことなどの欠点をもつ。また、木質バイオマス発電として、木質をガス化し浄化して
からガスエンジン(ガスタービン)などの方式で燃焼発電方式が発電効率が20%以下のも
のが多いく、従来の大型火力発電所の発電効率45~50%に比べて低く普及が遅れている。

再生可能エネルギーとして風力と木質バイオマスを利用した地域分散型の発電法で、発電効
率を高めるとともに、外部に電力供給を調整できる方法の提供にあって、下図のように、風
力発電装置、木質バイオマスのガス化し、ガスを燃焼して発電する装置、および水溶液の活
性化と活性化された水溶液の電解、水素発電装置を併設して、風力発電された電力の1部を
水溶液の活性化・活性化された水溶液の電解装置に供給し、副生した酸素ガスを、木質バイ
オマスのガス化装置、およびガスを燃焼して発電する装置で用いる。水溶液の活性化・活性
化された水溶液の電解装置は、水溶液の活性化装置、電解による水素、酸素の発生装置、そ
の生成物である水素ガスの保留装置、その生成物である酸素ガスの保留装置から構成し、装
置Bの水溶液を装置Aに循環使用する。水溶液に、テラヘルツ波を発生する鉱物を含むセ
ラミックス成型物を浸漬して水を活性化する。
本件の具体的な実施例(比較対象例)など明示ががにので、クエスチョンマークがつく。特にテラヘ
ルツ波の効果については不明である。ここでは下記のように説明されている。

水素ガス、酸素ガスの発生効率をさらに高めるための方法は、水溶液の活性化装置(装置A
)、電解水素/酸素発生装置(装置B)の水溶液にテラヘルツ波を加え液体中にセラミック
スボールのセラミックス成型物を浸漬する。テラヘルツ波とは、周波数が0.1~10THz
の領域の電磁波で、電波と、光の一種である赤外線の中間の領域にあり、光と電波の性質を
併せもち、照射することで分子振動させ活性化できる。電解発生水素/酸素ガスの量を増や
すことができる。また、テラヘルツ波発生法には、ジャオロトロン、後進波管、遠赤外線レ
ーザー、量子カスケードレーザー、自由電子レーザー、シンクロトロン放射、フォトミキシ
ングソースなど。原子番号が57以上の元素が1種あるいはそれ以上含まれている鉱物、と
くに好ましくは、ランタノイド系元素、アクチノイド系元素が2種類以上含まれている鉱物
を含む微粉に、シリカ分を主体とする粗めの粉を混合してボンドを加えて250℃以上、600℃
以下の温度で焼成したもの径が1~4mmに砕いたものを炭酸カルシウム分を主成分とする
カルシウム化合物に、重量比で2~6%配合。これにより、元素発生する電磁波が相互作用
により効率的にテラヘルツ波を発生できる。

水溶液は循環使用を続けるうちに、水分の蒸発などによるナトリウムや塩素の濃縮などが
進行して、電解効率に悪影響を及ぼす。また、何らかの事情で系内の水溶液を外部に排出し
なければならなくなった場合、外部環境に悪影響を及ぼすおそれがあり、成分濃度が許容値
を超えるおそれが生じた場合、白州土を含む粉あるいは成型物を加え調整。この方法は、な
んらかの事情で、循環使用していた水溶液を外部に排出しなければならならなくなった場合
にも、その含まれている成分濃度を低下できる性質で吸着作用があるとしているが。いずれ
にしても、本件は残件扱い処理することに。

❏特開2016-127755発電電力の平滑化システム

【要約】

太陽光または風力を利用した発電により短周期変動をする発電電力を平滑化するために、下
図のように、太陽光または風力により第1の発電電力を発電する再生可能エネルギー利用発
電装置14と、蒸気を発生させる木質バイオマスボイラー11と、木質バイオマスボイラー
11から蒸気供給流路16を介して供給した蒸気により容積型回転機械17を駆動して第2
の発電電力を発電する蒸気発電機12と、第1の発電電力と第2の発電電力とを統合可能な
第1電力統合手段50と、再生可能エネルギー利用発電装置14の第1の発電電力を検出す
る電力トランスデューサ42と、電力トランスデューサ42により検出された第1の発電電
力と第2の発電電力との和が予め設定された設定発電電力となるように、第1の発電電力の
大きさに基づいて第2の発電電力の大きさを制御する制御装置15とを備える。


【符号の説明】

10  発電電力の平滑化システム 11  木質バイオマスボイラー(蒸気発生手段) 12 
蒸気発電機 13A,13B  蒸気バイナリー発電装置 14  再生可能エネルギー利用発
電装置 15  制御装置 15a  第1制御部 15b  第2制御部 16  蒸気供給流路
16A  上流側蒸気供給流路 16B  下流側蒸気供給流路 17 容積型回転機械 17a
蒸気入口  18  発電機本体  19  回転軸  20  送電線  21A,21B  分岐流路(
第1分岐流路)  22A,22B  蒸発器  23A,23B  蒸気入口  24A,24B 
発電部  25A,25B  凝縮器  26A,26B  作動媒体ポンプ  27A,27B  密
閉管路  28A,28B  膨張機  29A,29B  回転軸  30A,30B  発電機本体
31A,31B  蒸気入口  32A,32B  蒸気出口  33A,33B  熱媒体流通路
34A,34B  蒸気出口  35A,35B  送電線  36  還流流路  36a  合流部分
37A,37B  分岐流路(第3分岐流路)  38  ポンプ  39  熱交換器  40  加熱
流路  41  太陽光発電部  42  電力トランスデューサ  43  送電線  46  バイパス
流路 47A,47B  分岐流路(第2分岐流路)  48  減圧弁  49  三方弁  50 
第1電力統合盤(第1電力統合手段)  51  第2電力統合盤(第2電力統合手段) 52 
送電線  53  系統  56  送電線

❏特開2016-127755発電電力の平滑化システム

【要約】

設計段階や製作段階における工数の低減を可能とするバイナリー発電システムを提供にあた
って、バイナリー発電システム100は、熱源である第1流体の熱を用いて発電を行う1つ
または複数のバイナリー発電ユニット1を備え、バイナリー発電ユニット1は、第1流体と
第2流体との熱交換により第2流体を加熱するための熱交換器3と、熱交換器3で加熱され
た第2流体を流通させ、第2流体と作動媒体との熱交換により作動媒体を蒸発させ、蒸発し
た作動媒体により発電を行う1台のバイナリー発電装置4と、熱交換器3とバイナリー発電
装置4とがそれぞれ所定の位置に設置される共通のベース30とから構成される。


【符号の説明】

1  バイナリー発電ユニット 3  熱交換器 3a  底面 3b  メンテナンス面(第1メ
ンテナンス面) 4  バイナリー発電装置 4a  底面 6  カバー 7  冷却塔(冷却装
置)10  制御盤 10a  コントローラ 12  温水循環ポンプ 12a  底面 12b 
メンテナンス面 16  冷却水ポンプ 16a  底面 16b  メンテナンス面 30  ベ
ース 31  第1長辺部(周縁) 32  第2長辺部(周縁) 33  第1短辺部(周縁) 
34 第2短辺部 41  メンテナンス面(第2メンテナンス面) 42  メンテナンス面
(第2メンテナンス面)43  メンテナンス面(第2メンテナンス面) 100、200、
300  バイナリー発電システム

【世界最高水準の高速負荷応答のガスタービン開発】



3月22日、NEDO事業において、川崎重工業(株)は、高速負荷応答性を備えた30MW級
高効率ガスタービンの開発を公表。開発したガスタービンは、同クラスのガスタービンとし
ては世界最高水準の負荷応答性と発電効率を有しており、不安定な再生可能エネルギーと連
系させることで、再生可能エネルギーの有効活用と、CO2排出量削減など環境負荷低減を実
現する。また川崎重工業(株)は、本成果を導入したコンバインドサイクル発電プラント(
CCPP)を2018年3月から販売開始。

【圧空電池事業篇:高度断熱圧縮空気エネルギー貯蔵(AA-CAES)】

 Dec. 27, 2016

以上最新の技術開発動向を掲載。ここでは、バイオマスボイラーよる水蒸気タービンだけで
なく、バイオマス発電のバイナリに注目。熱媒体の有機溶剤系をバイオマスボイラー給湯(
400~100℃)との熱交換によるガスタービンによる発電などが対象になる。さらに、太陽光・
風力などの自然エネルギーによる余剰電力を、圧空(深冷)電池に蓄え、放電時の木質バイ
オマス燃焼/ボイラー給湯熱の利用も「エネルギーの地産/地消モデル」の対象に組み込ん
で構想する。今後はシステムの試作/各種の実証実験段階に、後もう一押しの段階にある。
頑張ろう!
                                    

【下の句トレッキング:人の命の惜しくもあるかな】

忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人のいのちの 惜しくもあるかな  右近

忘れ去られる私の身は何とも思わない。けれど、いつまでも愛すると神に誓ったあの人が(
神罰が下って)命を落とすことに なるのが惜しまれてならないのです。

I really don’t care what becomes of me now that you have forgotten about us. It is I who pity you,
because you who will lose your life to divine punishment for breaking the promise that we made
before God.

 ● 今夜の一曲

『吾亦紅』

作曲家である杉本真人が歌手・すぎもとまさととして発表した楽曲。2007年2月21日発売。
母を亡くした杉本が深く落胆している時に杉本の母と文通していたちあき哲也が「吾亦紅」
を作詞。 ちあきに杉本が「『吾亦紅』は何と読むのか?」と質問すると、ちあきは「われ
もこう」と回答。 ちあきの詞に杉本が曲を付けて自ら歌っている。

 

 

ひとり戦略のトランペット

$
0
0

 

     
                                        

2 軍 形

形式というものは、何らかの作用をもたらすためにあるのであり、固定してしまっては用を
なさない。水のように相手に応じて変化し、大きなカを発揮する-無形の形、それが軍形の
理想なのである。

軍 事 力

戦略には五つの要素がある。第一に国土の面積、第二に資源、第三に人口、第四に軍事力、
第五に勝敗である。地勢に基づいて実質的な土地の広狭が決定される。土地に基づいて資源
の多寡が決まる。資源は人口の多少を決定する。人口は軍事力の基礎である。そして軍事力
の強弱によって勝敗が決定されるのだ。彼我の力役の差が、鎰(重さの単位)をもって錬(
沿の約五百分の一)に対するようであれば、必ず勝つ。逆に鋒をもって温に対するようであ
れば必ず員ける。戦上手は、満々とたたえた水を深い谷底に切って落とすように、蓄積され
た力足を最大限に発揮する。熊侍をととのえるというのは、まさにこのためなのである。

     
❦ なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか ❦ No.25       

 ● 対談6 新しい現実をつくる   

『地域の再生エネルギー資源を活かし、地に足のついた経済力を育む』  



加藤憲一小田原市長

1964年神奈川県小田原市生まれ。京都大学法学部卒業。経営戦略コンサルティング会社
民間教育団体、農業、漁業、商業ビル企画管理、地域シンクタンク代表などを経て、200
8年5月より小田原市長。小田原の「恵まれた資源を活かし、地に足のついた経済力を育み
たい」とし、市民と事業者との意見交換会を行ない、お互いの理解を深めながら、さまざま
な再生可能エネルギーの導入促進事業の立ち上げを目的とし、取り組み全体を小田原市がバ
ックアップする官民協働の組織団体である「小田原再生可能エネルギー事業化検討協議会」
を立ち上げた。

小田原でもエネルギーの会社が具体化

鈴木 今日は神奈川県小田原市の市長加藤憲一さんにアドバイスをお願いしました。ほんと
うにお忙しいところ、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。
加藤 とんでもないです、こちらこそ。
鈴木 もちろん、私は小田原市民ですので、関わらせていただいているのですが、いよいよ
小田原でもエネルギーの会社が具体化します。もともと市長は子不ルギーのことを以前から
唱えてこられたわけですが、昨年、2011年の19一月に行政と民間が共同で再生可能エ
ネルギーの事業化を検討する協議会をつくれという号令をかけてくださって、それで協議会
が立ち上がって、いま、半年を経て動き出してきたわけですけれども、まず、そのへんのと
ころから。

加藤 はい。まず、エネ経会議の世話役代表として、鈴木さんが全国を股にして駆けまわっ
ていることに心から敬意を表したいと思います。

鈴木 ありがとうございます。
加藤 会社を立ち上げるに至った思いというか、経緯ですが、振り返れば「3・11」のあと、
原発から300キロ離れている小田原が直接被害を受けた事実が何点かあります。1つが計
画停電に伴う地域の、特に観光産業、製造業にまつわる経済的大打撃。小田原かまぼこの会
社がその最たるものですが、地域を代表する産業の操業が事実上停止に追い込まれる。また
、観光業、宿泊施設をも含めて、売り上げが8割減、9割減ということで、箱根・小田原に
は人がこないという状況でした。いまの電力需給網に不備なり致命的な欠陥があった場合に
は、経済がとまるということをまともに実感させられてしまったわけです。もう一つは何と
いっても地元の代表的ブランド足柄茶から放射性セシウムが検出されてしまったということ
。日々、口から入るお茶から検出されたことはたいへんにショックでありまして、当時、生
産者は安全を保証する目的で自主的に検査を行なっただけに、余計、ショックが大きかった
わけです。

 飯田哲也メッセージ

鈴木 念のためにと受けた検査でしたね。
加藤 そうなんですよ。いずれにしても、私たちが享受してきたエネルギー体制から被害を
受けたということが、いろんな意味で見直しの出発点になりました。いまは再生可能エネル
ギーといわれますが、前はクリーンエネルギーと呼ばれていて、市長になる前から私は飯田
哲也(環境学者、環境エネルギー政策研究所所長)さんの言動に注目して、実際にヨーロッ
パの脱原発事情を視察してまいりましたし、震災前からクリーンエネルギー導入の可能性を
探っていたんですね。

今回、こういった事態を受けて、もう、これはいよいよ自給をしていかなければいけないん
だと決意して、飯田哲也さんに小田原市長の私のアドバイザーになっていただいて、3月こ
ろから練り始めたんですが、彼もなかなか忙しくて、直接会えだのが5月で、7月に小田原
で市民に公開した報告会を開きました。
そこで、環境エネルギー政策研究所の飯田さんから「小田原電力というのを立ち上げたらど
うですか」というお言葉をいただいたので、「それだ」ということで、私もそうですし、そ
れまで一緒に勉強してきた市民の有志の皆さんもわが意を得たりということで、そこからパ
ワーアップしたわけです。まちづくり学校という昨年度(2011年度)から小田原市が始
めた事葉なんですけれども、新しい公共の担い手をつくる必要があるということで、市民の
皆さんと一緒に学習しながらやっております。その公開講座の第1講のテーマに再生可能エ
ネルギーの自給を掲げて勉強したあとですね、12月に、これもたまたまですけど、東日本大
震災がくることを予想して呼んだわけではないんですが、環境省から職員を招聘してました
(2011年中)ので、彼から国の情報を得ながら再生可能エネルギーの地域自給の事業化
の支度ができました。そういったことを大きなテコにして12月に協議会が立ち上がったわけ
です。ちょっと長くなりましたが……。

鈴木 加藤市長にとっては、「3・11」が非常に大きなきっかけにはなったわけですが、
それ以前から当時の言葉でクリーンエネルギーを地域で自給していくことに強い関心をお待
ちでした。加えて、「3・11でいろんな事実が露呈して、一気に計画が進んだ、こういう
ことだと思います。クリーンエネルギー、再生可能エネルギーというのは、水力を除くと全
体のIパーセントもないじやないか、こんなものはオモチャみたいで未来永劫に頼りになら
ないという議論があるわけですが、地域で再生可能エネルギーをつくっていくというなかで
、そのへんのチャレンジというか、可能性についてどのようにお考えですか。

加藤 北欧の再生可能エネルギー先進国を見れば明らかですが、再生可能エネルギーが全体
の1パーセントにすぎない原因は、保存している自然エネルギーを活かす手立てが本格的に
導入されていなかったというだけのことにすぎません。コストが高いという議論もあります
が、導入が進むにつれてコストは低くなりますし、小田原周辺には海があり山があり、山か
ら入ってくるさまざまな流れがあり、また豊かな農業用水があります。豊富な地熱もありま
す。日照もふんだんにあります。
こんなにめぐまれたところはないだろうと私どもは勝手に思ってますけれども、要はこれを
本気になって利用する気があるかどうかということだけだと思います。いま、鈴木さんがい
われた議論は導入しないための理由づけに言われているにすぎないと思います。前向きにや
っていけば再生可能エネルギー先進国のレベルに追いつくのは間違いないと信じています。

鈴木 いろんな議論のなかで、とにかく、日本は資源がないんだ、だから、どうしても化石
燃料に頼らざるを得ない、化石燃料に頼ると温暖化になるから代わりに原子力が必要なんだ
そんなことがいわれてきたわけですが、いま、市長が言われたことからすると、「資源がな
い」ということは「資源として見てなかった」ということになるわけですが、海も山も川も
ある、小田原の場合には箱根という温泉地もある、それらをエネルギーの資源として見て活
用していこうという努力も姿勢もなかった。それが改まれば十分に可能性があるということ
ですね。

加藤 ただ、活用するにしましても、太陽光発電は以前より下がったといいましても、まだ
かかる費用は割高ですし、小水力発電にしてもある程度の落差が必要ですし、風力について
もいろんなデータが出ておりますけれども、いずれにしましても、短期での事業性というこ
とにこだわったら導入できないので、先を見据えつつも果敢に足を踏み入れていく、投資を
していくという姿勢が必要だと思います。これまでは短期ペースの採算性を理由にして予算
化の段階ではじかれてできなかったんですけれども、この局面で国は前向きに転じましたし
、ここは5年後、10年後を見据えて先行投資をしながら、確実に再生可能エネルギーの供給
量を増やす方向へ具体的に踏み込むときだと思います

鈴木 私ども経営者としまして、会社のコストは常に頭にあることですが、発電にかかるコ
ストだけはクエスチョンマークが多くて、確かに太陽光発電にしても、他の再生可能エネル
ギーにしても高いといういわれ方をしているわけですが、それでは、それに代わるものだと
いわれている原子力発電は安いのかと考えたときに、確かにいまの請求書だけみれば安いの
かもしれないけれど、使用済み核燃料の問題とか、バックエンド(核燃料サイクルの終末過
程)の問題まで含めて考えると、ほんとうに安いのか、このへんはちゃんと数字を出して議
論をして、経済的な観点でもう一回検討する必要があるのではないでしょうか。

加藤 ここは浜岡原発から近い場所ですから、ひとたび何かあれば、たいへんな影響が及び
ます。シミュレーションなどによると、首都圏に直結する場所ですから、われわれが暮らす
富士箱根経済圏にはとても人がこられる状態ではなくなってしまう。そういう逸失利益を考
えていくと計り知れない代償ですから、安全性の確保というか、保証のための手立てはコス
トという枠に到底収まらないと思います。

鈴木 会社の経営でいうリスクマネジメントで考えると、この夏、大飯原発が動いた(20
12年8月15日)わけですが、「動かさないで頑張ってみる」というリスクと、「動かして
万が一のことがあった」ときのリスクがあるわけです。市長がおっしゃったように、万が一
福島第一原発のようなことが起きてしまったら、たぶん、この国は駄目になるし、世界的に
信用を失墜するだろうし、このリスクと夏の間だけエネルギーの使い方を工夫してちょっと
努力を強いられるリスクと、どっちを取るかということになると思います。

                                   この項つづく



【エネルギーの肝:エネルギー理論限界効率】

 

  No.178

【エネルギータイル無人機検査篇:インテル社がドローンでソーラーパネルを検査】

Intel社は、ドローンサービスの提供を間もなく日本でも開始する。同社の日本法人インテル
は2018年3月22日に東京都内で記者説明会を開催し、Intel社のドローン事業について戦略な
どを含めて説明した。同社のドローン事業部でマーケティング責任者を務めるCindy Ng(シ
ンディー・ウン)は、提供を開始する時期こそ明確にはしなかったものの、日本で認証を取
得の最終調整を行っているさなかだと説明し、うまくいけば今後1カ月以内には取得できる
見込みがあるとした。価格などの詳細は未公開。



日本でドローン事業を展開する際は、パートナーの選択が重要になると強調し、どのような
サービスプロバイダーと組むのが適切なのかを検討していく。同社は、日本のドローン市場
について、2018年には8億4000万ドル、2022年は20億ドルを超える規模になるという予測を
紹介。太陽光発電パネル検査や農作物検査などの分野に注力する。具体的には、ドローン事
業で注力するのは、建設、公共事業、農業、石油/ガスの4つの分野である。Ng氏は、建設
分野でIntelのドローンが使われている事例として、ドイツにある15世紀に建設された大聖
堂の保全プロジェクトを紹介した。ドローンによって大聖堂の天井や屋根を点検することで、
足場を組む時間やコストを削減できる。



【蓄電池事業篇:電動車用の中古電池で照らす街】

日産が初代リーフを発売したのは2010年12月。その後、2017年10月に全面改良を果たしたこ
とで、中古車市場には初代モデルが潤沢に出回っている。今回は、使い込んだ初代モデルの
電池を活用する見通し。同モデルが搭載するリチウムイオン電池の容量は24kWhで、192個
のセルで48個のモジュールを構成している。街灯11基あたりにこのモジュールを2個使う
とみられる。その場合、電池容量は1kWhほどになる。

日産は、近い将来、バッテリーの多量生産、多量廃棄という問題に直面することが予想され
るとし、電池の再利用に力を入れてきた。その中核となるのが、今回の街灯の製造を担う関
連会社、フォーアールエナジー(4R ENERGY)である。同社は日産と住友商事の合弁会社
で、資本金は約7億7千万円。出資比率は日産が51%、住友商事が49%である。2014年
11月には、同じくリーフの中古電池を複数組み合わせた容量400kWhの蓄電池システム構
築し、日産の研究開発施設にて試験的に稼働させている。


【量子ドット工学講座 No.52:高効率太陽エネルギーデバイス技術】

❏ 事例研究:US 9373734 B1  High-efficiency solar energy device

【概要】

太陽エネルギーの広大で無尽蔵の資源をを捕捉利用は、主要焦点である。化石燃料費の上昇
化石燃料埋蔵量の枯渇、代替エネルギー源の刺激策によってさらに優先さている。高効率の
太陽エネルギー半導体デバイスの創出は、この天然資源を最大限活用できる再生可能エネル
ギー移行プラットフォームを提供する。

さて 半導体ベースの太陽電池デバイスの実現には、いくつかの技術的課題が存在する。例
えば、動作バンドギャップエネルギー範囲を拡張があり、バンドギャップエネルギーと組み
合わせるソーラーデバイス設計は、光子変化速度を配慮し、半導体材料の最適選択し、可能
な限り広いバンドギャップ範囲に集中させる、最大の範囲のフォトニックエネルギーを収集
し、さらに粒界特性の改良が要求される。またこれらのデバイスは熱応力を受け材料粒の歪
み抑制が不可欠となる。2つの粒子間の粒界は、結晶サイズの改善や材料強度の最適で、光
子収集能力であるエネルギー効率の最大化を実現するシステムおよび方法――下図のような
多面体オリゴマーシルセスキオキサン(POSS)材料とインジウム、ガリウム、アルミニウム
および窒素(InGaN、またはInAlN、またはInGaAlNを含む組合せの合金)を含む高効率太陽
電池であって、カーボンナノチューブ、量子ドット、および波状または不均一な表面形状の
うちの1つ以上を含む材料から構成された強化層が提案がなされている。

Mar. 20, 2018 (Jun. 21, 2016)

図4 本件の一実施形態による例示的な単一接合太陽電池の概念断面図
図5 同上の一実施形態による典型的な二重接合太陽電池の概念的な分解断面図

本件の一態様によれば、基板と、窒化インジウムガリウム(InGaN)からなる活性層、また
は窒化インジウムアルミニウム(InAlN)からなる少なくとも一つの活性層、またはインジウ
ムガリウムアルミニウム窒化物(InGaAlN)からなる少なくとも一つと活性層のと、多面体オ
リゴマーシルセスキオキサン(POSS)材料;少なくとも1つの活性層への光子伝播増加の吸
収増強層とを含む。
基板は、非限定的な例として、炭化ケイ素(SiC)、サファイア、窒化ガリウム(GaN)また
は窒化アルミニウム(AlN)などの材料を含むことができる。 InGaNまたはInAlNまたはInGa
AlN活性半導体層は、特定の重複エネルギーバンド内の光子エネルギーを吸収して、UV範囲
内の光子エネルギー吸収を増加させる。
POSS材料は、InGaNまたはInAlNまたはInGaAlN合金に導入され、光電流エネルギーフローを
改善し、合金転位を減少させ、結晶粒界を整列させ、合金強度を増加させる。InGaNまたは
InAlNまたはInGaAlN活性層は、より均一で対称な活性層を形成するためにPOSS材料を含め
ることによって有利に再構成することができる。

吸収促進層は、活性層の上面に配置され、その上に構成されたカーボンナノチューブ(CNT)
および/または量子ドットを含むことができる。


図1Aおよび図1B、太陽スペクトルに対する測定されたInGaN合金バンドギャップグラフ

 
図2、シリコン半導体の縦軸に沿った粒界拡大図
図3Aおよび図3Bは、カーボンナノチューブ「フォレスト」を形成する単層カーボンナノチ
ューブおよび複数のカーボンナノチューブの拡大図


 

図6、本件の一実施形態の突起状ノジュールの形成例示的半導体ベース層の拡大概念図
図7 本件一実施形態の太陽電池の製造方法の一例を示す概念的な工程フロー図



図8 潜在的トンネル接合が識別されるInGaNまたはInAlNまたはInGaAlN多接合セルのシミ
ュレートバンドプロファイル
図9 実施形態のInGaN、またはInAlNまたはInGaAlN多重接合セル効率に結びついた、期待さ
れる少数キャリアの寿命グラフ
図10、InGaNまたはInAlNまたはInGaAlN多重接合セル利用の可能のある格子不整合の図示チャ
ート

【特許請求の範囲】

太陽電池を形成するために有用な半導体構造であって、基板と、POSS材料を気化させ
た後に少なくとも1つの活性層の粒界を整列させるために、InGaAlN粉末と、InGaAlN
粉末に霧化された多面体オリゴマーシルセスキオキサン(POSS)材料との均質な化合
物から形成された少なくとも1つの活性層と、少なくとも1つの活性層への光子伝播を
増加させるための吸収増強層とを含む 前記少なくとも1つの活性層は、前記InGaAlN粉末1重量%~10重量%のPOSSを添加
することによって形成される、請求項1に記載の半導体構造 前記吸収増強層は、前記少なくとも1つの活性層の表面上に配置されたカーボンナノチ
ューブ(CNT)および量子ドットのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の半
導体構造 前記基板は、その上に形成されたノジュールを含み、前記少なくとも1つの活性層は
前記基板上に均一に配置されて波状層を画定する、請求項1に記載の半導体構造 前記吸収増強層は、前記少なくとも1つの活性層上に形成され、第2の起伏層を画定す
る、請求項4に記載の半導体構造 前記少なくとも1つの活性層が、約0.7電子ボルト(eV)から3.4eVまでのバンドギャッ
プにわたって光子吸収を可能にするようにドープされる、請求項1に記載の半導体構造 前記吸収増強層は、前記少なくとも1つの活性層の表面上に配置されたカーボンナノチ
ューブ(CNT)を含む、請求項1に記載の半導体構造 前記CNTが単層CNTを含む、請求項7に記載の半導体構造 前記CNTが、前記少なくとも1つの活性層の表面に対してほぼ垂直に配向されている、
請求項7に記載の半導体構造 前記吸収増強層は、前記少なくとも1つの活性層の表面上に配置されたカーボンナノチ
ューブ(CNT)および量子ドットを含む、請求項1に記載の半導体構造 前記吸収増強層は、前記少なくとも1つの活性層の表面上に配置された量子ドットを含
む、請求項1に記載の半導体構造 前記少なくとも1つの活性層は、正にドープされたベース層と、負にドーピングされた
エミッタ層とを含む

 

 ● 今宵の一曲

『トランペット協奏曲』(Concerto per il Clarino)変ホ長調

フランツ・ヨーゼフ・ハイドンが1796年に作曲した楽曲。ハイドンが一連の交響曲、弦楽四
重奏曲などの大作をほとんど書き終え、オラトリオやミサなどに取り組んでいた晩年の作品
の一つであり、最後に作曲された協奏曲でもある。1800年3月28日にウィーンのブルク劇場
で初演されたが当時は不評に終わった。1929年にようやく出版された。それ以降、今日では
トランペット奏者の主要レパートリーとなっている。

アリソン・ルイーズ・バルサム(Alison Louise Balsom, OBE, 1978年10月7日 - )は英国のト
ランペット奏者。8歳でトランペットを始め、10歳の時ホーカン・ハーデンベルガーの音色
に魅了されてソロ演奏家を目指す。ヨットの名手でもあることがプロムス司会者のクライヴ・
アンダソンによって紹介。1998年BBC主催の「ヤング・ミュージシャン・コンペティション」
のファイナリストとして注目を集め、2000年モーリス・アンドレ国際コンクール「最も美し
いサウンド」部門でプルミエ・プリ受賞。2006年にクラシック・ブリット賞(最優秀若手演
奏者)、グラモフォン賞(クラシックFMリスナー賞)を受賞。2009年にはクラシック・ブリ
ット賞(女性アーティストオブザイヤー)を受賞し、BBCプロムス最終夜コンサートのソリ
ストを務めている。現在ロンドン・チェンバー・オーケストラで首席トランペット奏者、ギ
ルドホール音楽学校のトランペットの客員教授に就任している。2005年NHK交響楽団サマーコ
ンサートに出演。2006年に収録されたアッパークでのサロンリサイタル、2009年のプロムス・
ラストナイトが放映された。



● 今夜の寸評価

あの名門のロイヤル・ダッチ・シェルは2070年までに脱化石燃料計画(スカイシナリオ)
を公表し、国内では森友学園問題-公文書改竄で揺れている。この2つの新聞は時代の転換
を象徴している。 共生と民主制の新たな局面にどう行動するが問われているわけで、アリソ
ン・バルサムを聴きながら、今夜もまた「ひとり戦略のトランペット」を吹き続ける意味を
確認することとなった。

  

花ぞ昔の香に匂ひける

$
0
0

 

     
                                       

5 兵 勢

十の力を持つ者をただ十人集めただけでは百の力にしかならないが、これに「いきおいを
つければ、二百にも三百にもなるであろう。静を勣に、「形」を「勢」に転化させるに
はどうすればよいか?

正攻法と奇策の組合せ

たくさんの兵士を、小人数のようによく管理するには、いくつかの部隊に分けることだ。
たくさんの兵士を、小人数のように一体となって戦わせるには、指揮系統を確立すること
だ。さらに、全軍が敵の出方に対応して絶対不敗の優位を保つのは、変幻自在の戦術あれ
ばこそである。石で卵を砕くように、戦えばかならず勝つという戦闘の要諦は、「実」す
なわち充実した戦力をもって「血」すなわち手薄な敵を撃つことに尽きる。

実をもって庖に勝つのが、戦争の常道(正)である。そしてこの常道は、個々の場面に応
じた縦横の戦術(奇)となってあらわれなければならぬ。このような変幻自在の戦術は、
天地のように終わりがなく、大河の流れのようにつきることがない。日月のように況して
はまたあらわれ、四季のように去ってはまた訪れる。

音階の基本は、宮・商・角・徴・羽の五つにすぎないが、これをいろいろに組み合わせれ
ば、数えきれぬ変化が生ずるではないか。色彩の基本は、青・赤・黄・白・黒の五つにす
ぎないが、これをさまざまに組み合わせれば、数えきれぬ変化が生ずるではないか。味の
基本は、辛・酸・(かん)・甘・苦の五つにすぎないが、これをとりどりに組み合わせ
れば、数えきれぬ変化が生ずるではないか。同様に、勝敗の帰趨を決定する要囚は「正」
と「奇」の両者があるだけだが、その変化は無限である。「正」は「奇」を生み、「奇」
はまた「正」となり、円環さながらに巡なってつきないのが、奇正の変化なのである。

奇正の変 基本の応用による無限の変化という考え方は、創造の本質をついているといっ
     てよかろう。 

       
❦ なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか ❦ No.26        

 ● 対談6 新しい現実をつくる   

『地域の再生エネルギー資源を活かし、地に足のついた経済力を育む』   

  加藤憲一小田原市長 

1964年神奈川県小田原市生まれ。京都大学法学部卒業。経営戦略コンサルティング会社
民間教育団体、農業、漁業、商業ビル企画管理、地域シンクタンク代表などを経て、200
8年5月より小田原市長。小田原の「恵まれた資源を活かし、地に足のついた経済力を育み
たい」とし、市民と事業者との意見交換会を行ない、お互いの理解を深めながら、さまざま
な再生可能エネルギーの導入促進事業の立ち上げを目的とし、取り組み全体を小田原市がバ
ックアップする官民協働の組織団体である「小田原再生可能エネルギー事業化検討協議会」
を立ち上げた。

もっと節電できる

加藤 普通に考えたら明らかですけれどね。ですから、たとえば、ここの空調にしても、電
力を使って劾かすいろんなメカニズムにしても、少なくとも20年ぐらい前まではなかったも
のです。それを思えば、節電の効率とかは格段に上がってますよね。原始時代に戻るとかと
んでもないことがいわれてますけど、2割、3割くらい電力を使わない状況であっても十分
にやっていける。ちょっと我慢すればよいだけです。その代わり生活の工夫をしていく、そ
れも楽しみながらやっていくというなかでクリアできると私は思っています。

鈴木 この間、目本の電気の需給の数字を時系列的に見ていたんですね。そうすると、いま
から20年ほど前、1991年か、92年くらいの、バブルがはじけるころですね、あのときか
ら比べると’日本の電気の需要量は3割増えているんです。じゃ、その時代に電気がなくて
困っていたかというと、皆さん、ジュリアナ東京で踊ったり、バブルで浮かれていたわけで
すから、けっして電気が足りなかったということはないわけで、それではなんで電気の使用
量が増えたのかということをもう一度考えてみる必要があると思います。

そういうふうにしていくと市長さんがおっしゃるように、まだまだ電気を含めたエネルギー
の賢い使い方があると思いますし、私どもの工場も去年の夏に15パーセントの節電をしな
さいという義務を負わされたんですが、15パーセントなんていっていないで20パーセン
トとか、25パーセントをやってみようというのでやってみました。そうしたら、ピークの
電力使用量と総電力使用量と両方の目標が見えてきて何とかできたんですね。そこで実感し
たのは、企業ですから電気はコストで、それまでにも「節電、節電」といってきたのに、ま
だまだ甘かった。もっと節電できるなということを感じました。

といっても、中小企業の私たちのような会社はなかなかやりづらい。大企業の場合は社員に
そういう専門のスタッフがいたり、専門の部署とかがあって節電や省エネが進んでいるので
すが、中小企業だとそういうスタッフを置いたり部署を設けたりはできないからやりづらい。
半面、やってこなかったから節電・省子不の余地は大きいわけで、家庭を含めると、皆さん
が知恵を出してやったらI割、2割の節電は割合たやすくできてしまうと思います。

加藤 今度、事業化していく再生可能子年ルギー協議会は3つの柱を掲げていて、メインの
桂が再生可能エネルギーを限りなく自給できるようにする。つまりエネルギーをつくること
ですね。2つ目がエネルギーを賢く使っていく、節電ですね。これは発電とセットでやって
いかなければ意味がない。セットでやっていかないとエネルギーのほんとうの意味での重要
さというのは、なかなか私たちにはわからない。あとで反省して節電するくらいなら最初の
段階でやったほうがほんとうの意味での節電じゃないかという発想で、2割、3割の節電は
可能だと私は思っています。

3つ目が発電と節電の双方を市民が主役になって進めていく。小田原電力に投資するもよし、
参画するもよし、ただ、それで終わててしまうのではなく、暮らしの中で節電していく。飯
田哲也さんは「子不ルギーについての自治力」といっていますが、まったく同感です。食べ
物を自分たちでつくるようにエネルギーも自分たちでつくっていく。食べ物を地産地消する
ように子不ルギーも地産地消する。いのちを支える自分に必要なものは自分の手の届く範囲
で私たちがコントロールできる手段で置いておくというのが、一番よいやり方だと考えてい
ます。

鈴木 いま、市長のいわれたことは、原発事故があって電気が足りなくなったから、地元で
つくるんだという、そういう単純な話ではなくて、地域を構成する要素がいろいろあるなか
で、エネルギーもその1つという考え方で一貫していると理解しました。そうしますと、あ
るべき地域の姿というのが描き出せると思います。

加藤 おっしゃるように、そこは構想がはっきりしていまして、もともと、このあたりは江
戸時代は小田原藩、小田原を含めた神奈川県西部ということで、丹沢、箱根、富士山の地下
水、そして酒匂川という水でつながった水系の地域圈として、ある意味独立していたわけで
すね。結論からいうと、私はこの地域をエネルギーを含めていのちを支えるのに必要なもの
を自給できる地域圈にしていきたいわけです。そういった自給地域圈で日本を構成していく
かたちが一番安全だと私は考えます。

鈴木 たくさんの小さな地域圈がつながっていく、そういうイメージですね。
加藤 そうです。いま、日本の自治体は平成の大合併などのために1700~1800くら
いに数が減っていますが、自治体の境目でとらえるという意味ではなくて、人が生きていく
ために必要な素材をまとめて持っている地域をつくっていく。小田原の場合は酒匂川、箱根
山、丹沢山塊、その周辺に展開する農地とか、なりわい、そういった、人が生きていくうえ
で必要なものをすべてこの地域で持っている。厳密にいうと地域の田圃で人口40万人を養
えるかという問題があるわけですが、気持ちとしてはそういうつもりで、このなかで、いの
ちを支えるのに必要なものは地域のなかで自分たちでしっかりつくっていく。これが持続可
能な社会の一番の根本だと考えます。

小田原の取り組みを「日本再生のさきがけ」にしたい

鈴木 お話をうかがっていますと、そういう食べ物とか、エネルギーとか、いわゆる物質的
なものだけではなくて、自分のふるさとというか、自分のふるさとへの思いとか、そういう
ものを言葉の端々から感じるんですが、そのへんをもう少しくわしくお聞かせ願えますか。

加藤 私は市長になる前から「自主独立、自給自足の経済文化圏」というフレーズを使って
いました。食べ物とか、エネルギーとか、暮らしを支えるものだけではなくて、私たちは自
分たちのマインドであったり、アイデンティティであったり、地域への思い、こういうもの
があって生きてきたわけでして、こういった精神的基盤は自分たちが必要とするだけでなく、
次の世代を育てるうえでなくてはならないものだと思っています。ですから、教育において
も、福祉についても、自給的に自分たちでやっていくんだという思いで私は取り組んでいま
す,

鈴木 ということは、そういったことがよくいわれる持続可能な社会、いのちをつないでい
くふるさと、それらを次の世代につなげていく使命を担った日本人でありたい、そういうこ
とになるのでしょうかね。
加藤 結局、こういう時代になって、国の財政は言うに及ばず地方の財政も逼迫して、硬直
化しています。いわゆる「公」がすべてを単独でやれるという時代は完全に終わっているわ
けです。いろんな課題を前向きに乗り越えていくには、どうしても一人ひとりの国民や市民
が動いていかないといけない。やむにやまれずやるというよりも、もっとプラスの思考で自
分がやって当然のことというマインドがなければ、これまで万人ひとりのなかで眠っていた
力を引き出すことはできないだろうと思いますね。そういう意味でもエネルギーの自給はけ
っしてハードルは低くないので、それを前向きに受けとめて、これまで一人ひとりのなかに
眠っていた力を引き出すのにとても適したテーマだと思います。ハードルが高ければ高いほ
ど乗り越えたときに備わる力は傑出したものになるはずですから。

鈴木 みんなが成長する絶好のきっかけになりますよね。そのなかで地方というか、地域の
問題としてはお金がない、だから何かやるときには国とか、県とかから補助金、交付金をも
らわないとできないという、そういうことがよく見受けられます。たとえば原発の仕組みを
みても、電気料金とか、税金から吸い上げられて何かよくわからないところに使われていく。
地域はお金が欲しいからやりたくないことも引き受けていく。そういうことがあったような
気がするんですよ。

原発が一つの典型かもしれないし、それ以外の関係でも国が上にいて、地方が下にいてとい
うパターンを崩していかないと、市長がおっしやるようにほんとうに地域が自立して元気に
なるときはなかなかこないような気がします。だからといって、国と喧嘩をする必要はあり
ませんが、これからどうしていくかという観点からみて、国と地域の関係はどうあるべきな
んでしょうか。

加藤 ここ最近の政治の局面がまさにそのあたりの問題を露呈しているわけですけれども、
かつて、お上が強かった時代、すなわち封建時代には自治を各藩のお殿様、幕府でいうと将
軍がやって、領民は年貢を納めていたわけですけれども、日本の場合はそういう関係がずう
っと続いてきて、結局、国も地方に対しては上位意識が非常に強く、地方のなかでも役所は
市民に対して上位意識を持つ、そういう構造だったような気がします。



エネルギータイル無人機検査篇:インテル社がドローンでソーラーパネルを検査】

 

Intel社は、ドローンサービスの提供を間もなく日本でも開始する。同社の日本法人インテル

 

 


かこち顔なるわが涙かな

$
0
0

 

     
                                       

5 兵 勢

十の力を持つ者をただ十人集めただけでは百の力にしかならないが、これに「いきおいをつ
ければ、二百にも三百にもなるであろう。静を勣に、「形」を「勢」に転化させるにはどう
すればよいか?

正攻法と奇策の組合せ

 



       

❦ なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか ❦ No.27        

 ● 対談6 新しい現実をつくる   

『地域の再生エネルギー資源を活かし、地に足のついた経済力を育む』   

  加藤憲一小田原市長 

1964年神奈川県小田原市生まれ。京都大学法学部卒業。経営戦略コンサルティング会社
民間教育団体、農業、漁業、商業ビル企画管理、地域シンクタンク代表などを経て、200
8年5月より小田原市長。小田原の「恵まれた資源を活かし、地に足のついた経済力を育み
たい」とし、市民と事業者との意見交換会を行ない、お互いの理解を深めながら、さまざま
な再生可能エネルギーの導入促進事業の立ち上げを目的とし、取り組み全体を小田原市がバ
ックアップする官民協働の組織団体である「小田原再生可能エネルギー事業化検討協議会」
を立ち上げた。

もっと節電できる

加藤 普通に考えたら明らかですけれどね。ですから、たとえば、ここの空調にしても、電
力を使って劾かすいろんなメカニズムにしても、少なくとも20年ぐらい前まではなかったも


たくさんの兵士を、小人数のようによく管理するには、いくつかの部隊に分けることだ。た

 

 No.178

 【ソーラータイル篇  No.179:シャープ 単結晶6インチサイズで 20.09 %達成】

 

3月27日、久しく話題から遠ざかっていった同社だが、シャープは、6インチサイズの単

嘆けとて月やはものを思はするかこち顔なるわが涙かな   西行法師

 

  ● 今夜の一曲

『恨み節』 唄:花よ綺麗とおだてられ

咲いてみせればすぐ散らされる

馬鹿なバカな馬鹿な女の怨み節

運命哀しとあきらめて

泣きをみせればまた泣かされる

女あんな女なみだの怨み節

憎い口惜しい許せない

消すに消えない忘れられない

尽きぬつきぬ尽きぬ女の怨み節

夢よ未練と咄(わら)われて

覚めてみせますまだ覚めきれぬ

女おんな女ごころの怨み節

『女囚さそり/701号怨み節』、1973年(昭和48年)12月29日公開の邦画(東映)。女囚さそ
りシリーズの第4作目である。併映作品は『ゴルゴ13』。主題歌の歌手は梶芽衣子(1947年3
月24日)は、日本の女優・歌手で本名および旧芸名は太田 雅子。


 

 

 

夢の通ひ路人目よくらむ

$
0
0

 

     

                               

5 兵 勢

十の力を持つ者をただ十人集めただけでは百の力にしかならないが、これに「いきおいをつ
ければ、二百にも三百にもなるであろう。静を勣に、「形」を「勢」に転化させるにはどう
すればよいか?

個々の能力よりも

激流が岩をも押し流すのは、流れに勢いがあるからである。猛禽が指物を一撃のもとにうち
砕くのは、凝集した力か一挙に放つからである。戦上手の戦いぶりも同様である。その勢個
々の能力よりも戦上手は、勝敗の要因を、勢いの作用に求めて兵士個々人の戦闘能力に求め
ない。つまり、個々の兵士よりもむしろ軍全休の勢いを重視するのである。勢いに乗れば、
兵は坂道を転がる丸太や石のように、とどめようのない力を発揮する。丸太や石は、平らな
場所では静止しているが、傾斜した場所では勁く。また、四角なものは動かないが、丸いも
のは転がる。丸い石を千但の谷に転がすように、兵を勢いに乗って戦わせる、これが戦上手
の戦法である。
        
〈個々の兵士よりも・・・> 原文「択人面任勢」(人を択んで勢いに任ず)は、「特定の人材
をえらんで、勢いをつける中心とする」とも解し得るが、ここでは「択」が「釈」の誤記で
はないかとする説に従い「人を釈てて」と解した。


勢いの力 「勢いの作用に求めて、兵士個々人の能力に求めない」(勢いに求めて人に責め
ず)という考え方を、畜財に活用した説が『史記』に記載されている。すなわち、越王勾践
に仕え呉をうちやぶった茫蠡(はんれい)が、のちに官を辞し、陶の地で商売を営み、成功
するのだが、そのもうけ方は「時に求めて人に責めず」(時流に乗ってもうけたのであって、
個々人からしぼりとったのではない)であったという(『史記』貨殖列伝)。



【下の句トレッキング:夢の通ひ路人目よくらむな】 


住の江の岸による波よるさへや夢の通ひ路 人目よくらむ   藤原敏行朝臣

住吉の海岸に打ち寄せる波の、そのよるという言葉ではありませんが、昼はもちろん、夜ま
でもどうして私は夢の中の恋の通い道で人目を避けるのでしょう。

A bit like the waves that pound the shores of Sumiyoshi, my mind is pervaded by thoughts
of love alone throughout the day, and even the night?why is it so? I am now so absorbed t
hat I avoid others.

藤原敏行朝臣 (ふじわらのとしゆきあそん)
生年不詳~901、陸奥出羽の按察使(あぜち=巡察官)富士麿の息子で、従四位上、右兵衛督(
まで昇進。書が上手く、「小野道風は空海と並ぶ書家と褒めた」という伝説が残っている。
妻はは在原業平の義理の妹。



朝から、車を走らせ彦根場内の桜の開花状況を確認。6~7分咲きというところ。先日は水
ケ浜のシャーレに出かけ、家の裏では八重椿(ツバキ アルバ・プレナ)が美しい。そこで
春を謳歌するトライアングルをテーマに写真をここにアップする。ところで彼女は、彦根城
の桜の木は何本か当ててごらんというので、「・・・・・・333本」と苦し紛れに応えると残念
でした1千2百本でしたと言うので、何だ、吉野の千本桜と々ではないか、そんなにあるの
かと驚きを洩らす。さて来月5~7日ごろが山場だ。

       

❦ なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか ❦ No.27        

 ● 寄稿 『エネルギーを考えることは、未来を考えること』   

                             米倉誠一郎 一橋大学イノベーション研究センタ

脱原発を経営者が真剣に考える会が立ち上がったことは、日本にとって実に画期的だ。お手
盛りの御用マスメディアは、「日本の国際競争力を考えると、経営側は原発の早期再開とい
う意見だ」と十把一からげで日本の経営者を語る。しかし、すべての経営者が原発回帰を願
っているわけではない。むしろ、志の高い多くの経営者はこの種のテクノロジーに人類が長
く依存することは難しいと考えているのだ。

原発自体の安全性に対する不安はもちろんだが、仮に安全に運転しえたとしても、原発から
は絶えず使用済み核燃料(いわゆる核のゴミ)が排出される。この超有害物質の最終処理の
方法はいまだに確立されていない。それが最大の問題なのだ。もし本気で、半減期が2万4
000年もの超有害物質を出す技術を人類が完全にコントロールできると考えているのなら
ば、そちらの方がむしろ常軌を逸している。いまの人類の原型が出現したのが2万5000
年前といわれるから、それとほぼ同じ時間を費やしてやっと半減期を迎える物質を人間がコ
ントロールできるわけがない。
さらに、脱原発を決断したドイツのメルケル首相は、福島の原発事故報道に接して、「日本
がコントロールできない技術を世界の他の国がコントロールできるわけがない」と語ったと
いう。褒められ過ぎのような気がするが、日本が扱えないならば世界ではかなり難しいと考
えるのが普通なのだ。

 米倉誠一郎教授

代替エネルギーの開発よりも省エネルギーを

そもそも電力エネルギー資源のほとんどを輸入に頼っている日本こそ、バブル期に膨張した
エネルギー多消費体質をいち早く改善しなければならなかった。しかし、2011年の太地
震までわれわれは傲慢になっていた。日本がエネルギー多消費国家であっていいはずがない。
ただし、いま議論されているのはあまりに供給サイドの話が多すぎる。効率的なエネルギー
供給やクリーン・エネルギーの開発はもちろん重要ではあるが、この数年間で太陽光をはじ
めとした自然手不ルギーを安価に供給する体制をつくり上げるのは難しい。したがって、い
ま真剣に考えなければならないのは、エネルギーを使わない技術の開発、すなわち需要サイ
ドのイノベーションなのだ。日本の原発依存度約30パーセントを代替エネルギーでカバー
することではなく、そもそもその30パーセントの省子不ルギーを実現するという発想なの
である。

すでに世界の人口は70位人を超えて2050年には90値人を突破すると予測されている。そ
れだけの人口が現在の先進国と同程度の暮らしをしていくことは、だれが考えても不可能で
ある。ところが、現状の世界はこの実現不可能な生活水準を目指しているとしか思えない。
いずれ地球全体が深刻な子不ルギー不足に直面するのはほぼ確実だ。

日本がリードするエネルギー・イノベーション

ドイツや中国には豊富な石炭があり、米国には豊富な石炭・石油に加えてシェールガス革命
が起こっている。先進工業国のなかでも自前の資源が圧倒的に少ないのが日本だ。日本が長
期的には原発依存度をゼロにすることを前提に、需要サイドのイノベーションを真剣に奨励
すれば、それは日本のためだけではなく、人口爆発を抱える地球全体に対する偉大な貢献に
なることは間違いない。1970年に米国でマスキー法が制定され、自動車の排ガスが厳し
く規制されたとき、規制にもっとも真剣に対応したのが日本企業だった。多くの試行錯誤の
結果、日本の低公害技術や燃料効率が飛躍的に向上し、その後の国際競争力につながったの
である。それと同じことをいまこそエネルギー分野でも起こす勇気が必要だ。もちろん短期
的には苦しい時期が続きはするが、日本が脱原発・脱炭素社会に向けた子不ルギー・イノベ
ーションをりードすれば、それはそのまま新興国に輸出できる。日本の10分の1の物価水
準であるバングラデシュでも、ガソリンはリッター100円近くする。ということは、彼ら
は実質リッター1000円の生活をしていることになる。もし、日本がこれまでの30~50パ
ーセントの省エネを実現すれば、こうした新興国にとってはまさに最高のギフトことなる。



日本企業ならできるイノベーションの数々

忘れられがちなのは、優れた省エネルギー技術は新たな発電所を何十基建設するのと同じか、
あるいはそれ以上の効果がある事実だ。たとえば、コカコーラ・ジャパンは3・11以後の
電気の無駄遣いという批判を受けて、富士電機とともに自販機の省子不を進め、何と夏のピ
ーク時に95パーセントを削減した省エネ自販機を実現した。

2万5000台を設置予定だが、これは日本中に省エネ発電所(正確には節電所)が2万5
000台建設されるのと同様の効果をもつ。それだけの底力が日本企業には存在するのだ。
また、家庭内家電をすべてネットワーク化することで、電力需要のピークカットなどが可能
となる。冷蔵庫・エアコン・テレビなど単体では価格競争に陥りがちな製品も、高機能化と
ネットワーク化により日本企業が優位に立つことができる。一方、いままで見過ごされてき
た省子不ルギー分野の開発も進んでいる。ベネッセが瀬戸内海に浮かぶ犬島(岡山県)で運
営する犬島アートプロジェクト「精錬所」(美術館)では、地中熱を利用することで年間光
熱費ゼロを実現している。日本の帯域だと地下10メートルでは地中熱は17~18度に保たれ
ている。夏の18度はそのまま冷気として美術館内に循環し、冬は温室・蓄熱室を通じて暖気
として循環させる。こうした省エネ冷暖房は、クラウド化にともなって激増するサーバー管
理に応用できる。サーバー管理でもっとも重要なのが電源確保と温度管理だからだ。地熱利
用の冷暖房システムや日本の得意なセンサやコントローラーを利用した熱管理は、これから
世界で活用されるクラウド・コンピューティングにとって大きな福音となるだろう。

日本におけるこの種のイノベーションの可能性はまだまだたくさんある。新興国もエネルギ
利用の爆発的増加という危機を抱えている以上、遅かれ早かれ省エネルギーが欠かせなくな
る。日本が「ポスト3・11」の省子エネルギー」を通して、「フクシマ後」のエネルギー
利用のプロトタイプを創造すれば、それはそのまま世界のグローバルスタンダードとなる。
原発がなくても経済はまわるどころか、原発をなくすことで日本はさらなる国際競争力を手
に入れることができるのだ。

                                  この項つづく

 No.181

【バイオマスエネルギー事業篇:最新バイオマスバイナリ発電システム工学】

一昨夜のつづきもあり、 「バイオマスバイナリー発電」の最新技術情報の調査。ところで、
3月22日、川崎重工業(株)らは、高速負荷応答性を備えた30MW級高効率ガスタービンを
開発。それによると、不安定な再生可能エネルギーの利用拡大に伴い、工場、地域冷暖房な
どの分散型電源・熱源として利用されることの多い中小型ガスタービンについて、ローカル
グリッドからの要求として負荷応答性、また同時に発電効率を上げることが求められていた。
本件は、NEDOの「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」で、川崎重工業株式会社は、
負荷応答性と発電効率を向上させるための技術を確立し、これらを適用した高速負荷応答性
を備えた30MW級高効率ガスタービンを開発しました。同クラスのガスタービンとしては世界
最高水準の負荷応答性と発電効率を有しており、川崎重工業(株)は、本開発成果を導入し
た100MW級コンバインドサイクル発電プラント(CCPP)を2018年3月から販売開始。今後、
川崎重工業(株)は、今回確立した技術を用いたガスタービンやガスタービンコージェネレ
ーション※4など、システムの製品化に引き続き取り組む。それにより、不安定な再生可能
エネルギーとの連系による再生可能エネルギーの有効活用、化石燃料使用量および二酸化炭
素発生量の大幅な低減を実現することのこと。また、19日には、石川播磨重工株式会社が
100kW級バイナリー発電装置「HEAT INNOVATOR」を引渡し完了したことが公表されてい
る。そこで、今夜は、このブログは『花ぞ昔の香に匂ひける』(Mar. 29, 2018)につづき、
最新ガスタービン技術ではなく、バイオマス原料利用技術ないしは発電技術に関する技術動
向を下記のように確認を行なう。下記事例は、主に石川播磨重工社関連の特許を記載。極め
て大がかりなシステムとなっている。今夜の感想をひとことで言い表せないが、改良の余地
はまだ残されている。これは残件扱いとする。

 

❑ 特開2018-035794  バイナリー発電システム

【概説】

従来のバイナリー発電システムは、蒸発器出口で作動媒体の温度/圧力を監視し、熱源増加
時合に、バイパス弁を開放か、ポンプ周波数を低くし圧力上昇を抑制する。一方、熱源が減
少し、作動媒体の2相分離した時、ポンプを周波数を低くするか、または戻し弁を開き、作
動媒体の過熱状態にする。このような制御は、作動媒体の圧力上昇を抑制するという観点で
は一定の効果をもたらし得るが、、本来回収できるエネルギが回収されなくなり、トータル
効率の改善が生じる。このように、熱源に応じた効率的なエネルギ回収を可能とするバイナ
リー発電システムの提供に会って、下図1のようにバイナリー発電システム1が、作動媒体
の循環ラインL2,L3が通る蒸発器2および凝縮器4と、循環ラインL2,L3に接続
された複数の膨張発電機3A,3Bと、複数の膨張発電機3A,3Bの一部または全部に作
動媒体が導入されるように作動媒体の流路を切り替え可能な切替装置11,12と、作動媒
体の状態を検出するセンサ17,18と、センサ17,18によって検出される作動媒体の
状態に基づいて切替装置11,12を制御し、複数の膨張発電機3A,3Bの運転台数を変
更するコントローラ20と、を備えることで、熱源の状態に応じて、熱源のエネルギを無駄
なく効率的に回収することができる。

【符号の説明】1  バイナリー発電システム 1A  バイナリー発電システム 2  蒸発器
3A  第1膨張発電機 3B  第2膨張発電機 4  凝縮器 10  作動媒体ポンプ 11 
第1切替弁(切替装置) 12  第2切替弁(切替装置) 16  温度センサ 17  第1
圧力センサ(センサ) 18  第2圧力センサ(センサ) 20  コントローラ 21  第
1切替弁(切替装置) 22  第2切替弁(切替装置) L1  温水ライン L2  第1循
環ライン(循環ライン) L3  第2循環ライン(循環ライン) L3a  第1膨張機排出
ライン L3b  稼働ライン L3c  バイパスライン L3d  凝縮器流入ライン L3e 
第1稼働ライン L3f  第2稼働ライン L3g  凝縮器流入ライン L4  冷却水ライン

 ❑ 特開 2018-048280  燃料バイオマスの製造方法、及び燃料バイオマス製造
   装置、並びにボイラ装置

【概説】

農業廃棄物由来や食品廃棄物由来などの有機廃棄物系の原料バイオマスから形成されたバイ
オマスは、アルカリ金属(Na、K等)やアルカリ土類金属(Ca等)を主成分とする灰分
と微生物とが多く含まれる。このようなバイオマスは、たとえ乾燥してペレット化したとし
ても、含まれる灰分の吸湿性により、保管中に空気中の水分を吸収し、バイオマスの燃焼時
の発熱量(カロリー)を低下させる。または、保管中に微生物による腐敗が生じ易い。そこ
で、バイオマス中に含まれる灰分や微生物を水洗/除去することが考えられるが、蒸気処理
により大量の水分を含む低密度のバイオマスを洗浄するには大量の水(バイオマスの重量の
例えば20倍~50倍程度)が必要であるとともに、洗浄後の排水が大量に発生する。 また、
一般に、単に水洗するのではなく、温水で洗浄する方が洗浄時間を短縮することが可能であ
が、バイオマスを温水洗いする場合には、大量の水を例えば80℃程度まで加熱するため、
温水を用意するための大量のエネルギ消費が生じかねない。さらに、水洗いや温水洗いを行
っても、バイオマス中の微生物の多くは除去できず、依然としてバイオマス中に残留する傾
向にある。このため、保管中のバイオマスの腐敗進行を抑制するのは困難である。

このように、下図4のように、原料バイオマス中のアルカリ金属やアルカリ土類金属を主成
分とする灰分と微生物とを少ないエネルギで効率的に除去することができ、耐湿性及び耐腐
性を備えた水分の少ない高熱量の燃料バイオマスを生成することができる燃料バイオマスの
製造方法、及び燃料バイオマス製造装置、並びにこのような燃料バイオマスを用いることで
ボイラの運転コスト低減、設備コスト低減、及び燃焼効率向上を実現することができるボイ
ラ装置を提供にあって、燃料バイオマス製造方法は、原料バイオマスを密閉して間接的に加
熱し、原料バイオマスの含有水分で原料バイオマスを水蒸気爆砕して微粉化バイオマスを生
成する前処理工程(ステップS1~S4)と、微粉化バイオマスを水洗してスラリーバイオ
マスを生成するスラリー化工程(ステップS5~S9)と、スラリーバイオマスを濾過して
固体バイオマスを生成する濾過工程(ステップS10)とを含むことで、原料バイオマス中
のアルカリ金属やアルカリ土類金属を主成分とする灰分と微生物とを少ないエネルギで効率
的に除去し、耐湿性及び耐腐性を備えた水分の少ない高熱量の燃料バイオマスを生成でき、
また、このボイラ装置によれば、このような燃料バイオマスを用いることで、ボイラの運転
コスト低減、設備コスト低減、及び燃焼効率向上を実現できる。


【図4】制御ユニットが実行する燃料バイオマスの製造工程を説明したフローチャート

【図1】本発明の一実施形態に係るボイラ装置を示す構成図

【図2】本発明の一実施形態に係る燃料バイオマス製造装置を示す構成図

【符号の説明】1  ボイラ装置 2  石炭焚きボイラ(ボイラ) 21,23,24,26 
配管(流路) 22  高圧タービン(蒸気タービン) 25  中・低圧タービン(蒸気ター
ビン) 28  分岐配管(供給路) 29  合流配管(返戻路) 30  燃料バイオマス製
造装置 31  爆砕機 32  シェル(外部加熱手段、水蒸気流路)34  チューブ(容器)
50  スラリータンク 60  濾過機 70  乾燥機 80  造粒機 B  原料バイオマス



【図5】燃料バイオマス製造装置で製造した燃料バイオマスと他のバイオマスとを保管日数
の経過に伴う水素ガスの発生量により比較したグラフ

 ❑ 特開 2018-044732 流動層乾燥機及びこれを用いた流動層乾燥システム

【概説】

近年、無煙炭や瀝青炭といった高品位炭のほかに、安価な褐炭等の低品位炭を燃料として用
いる試みが進められているが、こうした低品位炭は、含水量が多いため、燃焼に先立って乾
燥させる必要がある。 褐炭等の乾燥には、流動層式の乾燥機が用いられることが一般的で
あり、この種の流動層乾燥機に関連する先行技術は、例えば、流動層乾燥機(流動層乾燥装
置)では、乾燥炉内に画成した乾燥室に褐炭を供給する一方、前記乾燥室の下部のチャンバ
室からガス分散板を介して水蒸気や窒素等の流動化ガスを導入して流動層を形成し、流動層
を加熱しつつ流動させるようになっている。流動層は、上流側の第1乾燥室から下流側の第
2乾燥室へ流動する過程で徐々に水分を除去されるが、乾燥炉は例えば上流から下流にかけ
て直線的な形状の流路を有する縦長の直方体状に形成されている。そして、こうした直線状
の流路を有する乾燥炉では、容積に対して表面積が大きいため、表面からの放熱により多量
の熱エネルギーが散逸し、乾燥の効率が低下してしまうという問題がある。また、通路の長
さがそのまま乾燥炉全体の長さに反映され、乾燥炉自体の寸法が大きくなってしまうほか、
放熱を抑える目的で乾燥炉の周囲に大量の断熱材を設置する必要もあり、装置全体が大型に
なってしまうという問題を抱える。

本件は、乾燥炉表面からの放熱を抑えて乾燥に係る熱効率を向上し得る流動層乾燥機及びこ
れを用いた流動層乾燥システムを提供するにあたり、下図のように、平面視で渦巻状の通路
をなすよう区画された乾燥室3と、該乾燥室3に流動化ガスを送給する送風箱9と、乾燥室
3に被乾燥物Cを投入するための投入口5と、乾燥室3から被乾燥物Cを排出するための排
出口6を備えた乾燥炉2を備え、乾燥室3に投入された被乾燥物Cと、乾燥室3に送給され
る流動化ガスにより流動層を形成し、該流動層を乾燥室3により構成される渦巻状の通路に
沿って移動させながら被乾燥物Cの水分を除去するよう構成した、流動層乾燥機/流動層乾
燥システムで、乾燥炉表面からの放熱を抑えて乾燥に係る熱効率を向上し得る優れた効果が
実現できる。

 【符号の説明】    1    流動層乾燥機  2    乾燥炉    3    乾燥室    3a  乾燥室(第一乾燥室)
3b  乾燥室(第二乾燥室)    3c  乾燥室(第三乾燥室)    5    投入口    6   排出口    8   床面
9    送風箱    9a  送風箱(第一の送風箱)    9b  送風箱(第二の送風箱)  12    伝熱管  14   
含水量センサ  15    制御装置    A    空気(第二の流動化ガス)    C    被乾燥物    F    流動層
 W    水蒸気(第一の流動化ガス、熱媒体)

※ その他関連特許事例

特開2018-048966  2018/03/29 タール成分の分析方法 株式会社IHI検査計測
特開2018-044037  2018/03/22 タール改質装置 株式会社IHI
特開2017-179072  2016/03/29 木質系バイオマスの炭化処理装置 日工株式会社
特開2018-007348  2018/01/11 電力温水生成システム 株式会社ファインテック
特開2017-132676  2017/08/03 水素供給システム 株式会社高橋製作所
特開2018-048037 2018/03/29 人工原料の製造方法、人工原料、及び粉体組成物 国立大学
法人 鹿児島大学
特開2018-024168  2018/02/15 木材チップ製造装置 株式会社 タガミ・イーエクス
特開2018-044720  2018/03/22 熱交換器 株式会社IHI 他
特開2018-031540  2018/03/01 熱交換器、排熱回収集塵システム、及び石炭焚きボイラシス
テム 株式会社IHI

 

三笠の山に出でし月かも

$
0
0

 

     

                               

 

6 虚  実

味方の「実」で敵の「座」をつき、力ずくでなく敵の優拉にたつ。相手の力、欲望、弱点を
活用することによって主席権をとることができる。味方が果申し相手を分散させれば少数で
も多数に勝てる。

いかにして主導権をとるか

およそ、敵より先に戦闘位置につき、敵の来るのを待ち構えていれば楽な戦いができ、逆に、
敵より遅れて戦闘位置につき、待っている敵にぷフ炉るならば苦しい戦いになるものである。
したがって、戦上手は、相手をこちらに引き寄せるようにし、自分が引き寄せられることを
避ける。それにはどうすればよいか。敵を引き寄せるためには、そうすれば有利だと敵に思
わせることだ。敵を先に戦闘位置につけさせないためには、そうすれば不利だと敵に思わせ
ることだ。もし敵が楽な態勢にあれば、手段を用いて奔命に疲れさせ、敵がたらふく食って
いれば、糧道を絶って飢えさせ、敵が冷静であれば計略を用いて動揺させ、敵が来そうなと
ころには先回りし、敵の思いがけないところに打って出る、このように形勢を逆転すること
が必要である。

敵地に遠征してなお兵を疲れさせぬためには、敵のいないところを狙って行けばよい。必ず
攻め勝孫 つには、敵が守りを固めていないところを攻めればよい。絶対に守り抜くには、
敵の攻めにくいとこ  ろを守っていればよい。したがって、攻撃の巧みな特にかかると、
相手はどこを守ってよいかわから  なくなるものだし、守備にすぐれた特にかかると、相
手はどこを攻めてよいかわからなくなるものだ。このやり方が、どんな場合にも自由自在に
行なえるようになってこそ、敵に対する主導権を握ることができる。

進撃する場合は、敵の虚を衝くことだ。そうすれば敵はふせぎきれない。退却する場合は、
迅速にしりぞくことだ。そうすれば敵は追撃できない。こちらが戦いたいと思ったら、敵が
いくら塁を高くし堀を深くして戦うまいとしても、戦わなければならないようにしむけるの
である。それには敵が放置しておけないところを攻めればよい。こちらが戦いたくないと思
ったら、たとえこちらは地面に線を引いた程度の守りしかないとしても、敵が戦えなくなる
ようにしむけるのである。それには常識外のことをやってみせて、敵を惑乱すればよいのだ。

相手の力を逆用する 「相手を引き寄せ、自分が引き寄せられることを避ける」つまり主導
権をにぎることである。この場合も、孫子は力ずくの手段はとらない。相手の力を利用して
主導権をとる。つまり相手の力をこちらに転移させるのである。いささか長文だが、毛沢東
の主席指扇を引用しよう。日中戦争の勃発後十ヵ月、日本車の大進撃のさなかに発表された
『抗日遊撃戦争の戦略問題』の一節である。

『あらゆる戦争において、敵味方は……主導権のうばいあいに力をつくす。主導権とは、す
なわち軍隊の自由指である。軍隊が主導権を失って受動的な立場においこまれると、その軍
隊は行動の自由を失い、打破られるに至るであろう。もともと、戦略的防禦戦や内線作戦で
は主導権の確保はより困難であり、進攻的な外線作戦の方が主導権をとるのにより容易であ
る。(毛沢東は、これについて-いま〈1938年〉日本に進攻されている中国は主導権をとり
にくい立場にあるが、敵は兵力不足、他国内での戦争、指導のまずさという三つの弱点をも
っているから、遊撃戦によって次第に優劣を逆転し得る-と予言している。)

遊撃戦における主導権の問題は、さらに重大な問題である。なぜなら遊撃隊は……後方をも
たず、敵が味方より弱く、経験不足で、不統一な状態におかれている。だが遊撃戦は主導権
を確立し得る。その主な要件は、敵の三つの弱点を活用することだ。敵の兵力不足に乗ずれ
ば、遊撃隊は広大な活動範囲を戦いとることができる。敵が異民族であり野蛮な政策をとっ
ていることに乗ずれば、遊撃隊は幾百万の人民の支持をかち得ることができる。敵の指揮の
拙劣さに乗ずれば、遊撃隊は自からの聡明さを発揮することができる。……

主導権は、情勢にたいする正当な評価と正しい軍事的、政治的処置によって生まれる。客観
情にあわない悲観的評価と、そこから生ずる消極的な処置は、主席権を失なわせ、こちらを
受動的な立場においこんでしまう。逆に、客観情勢にあわない楽観的すぎる評価と、そこか
ら生ずる不必要に冒険的な処置もまた、導権を失なわせ、ついには悲観論者と同じ道におち
こませる。主導権とは、天才が生まれつき持っているものではなく、聡明な指導者が客観情
勢を素直に研究し、正確に評価し、それに対して軍事的、政治的な行動を正しく処置するこ
とによって生まれてくるものである。

評価や処置のあやまり、あるいは不可抗力的な圧力によって、受動的地位においこまれてし
まったときは、どのようにしてぬけ出すか。その方法は状況によってきまるが、多くの場合、
’逃げる’ことが必要となる。遊撃隊の特徴は逃げることが上手なことだ。逃げることは、
受動的立場から脱して主席的立場を回復する主要な方法である。だが方法はこれだけに限ら
れない。往々にして、敵の力が最高に強まり、こちらの困難が極度に達したときこそ、敵に
不利、われに有利な情特がはじまるときなのだ。。よりIそうがんばる’ことによって有利
な情勢と主席権の回復が獲得されることはよくあることである』

 

【下の句トレッキング:三笠の山に出でし月かも】 

天の原ふりさけ見れば三笠の山に出でし月かも   安倍仲麿 

大空を仰いで見ると、こうこうと月が照り輝いている。かつて奈良の春日にある三笠山の上に昇って
いたあの月が、今ここに同じように出ているのだなあ。

Looking up at the sky I see the moon shining brightly in all its glory. It strikes a nostalgic
chord in me as I remember that moon over Mt. Mikasa at Kasuga of Nara.

 

 No.182

【バイオマスエネルギー事業篇:最新バイオマスバイナリ発電システム工学Ⅲ】

 

 

私は、炭化装置の専門家ではありません。また、その興味も少ない。なお、木質バイオマス
の炭化装置は川瀬駅西側にある関西産業さんが作っていると聞いています。そこで生産され
たもみ殻の炭化装置が愛東町マーガレットステーション裏に設置され、炭化されたもみ殻を
作り、土地改良用に安価に販売しています。おうみ木質バイオマス利用研究会の中の「森林
発電」事業では、以前は、木質バイオマスを炭にして、炭を燃やして一酸化炭素を発生させ、
エンジンを回転させ、発電をしましたが、現在は、木質バイオマスを燃やし、一酸化炭素を
発生させ、それでエンジンを回転させる研究を継続し、炭化工程を省略させています。

 

       

❦ なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか ❦ No.27        

● 趣意書 『エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議』   

                                          2012年3月20日 設立

東日本大震災から見えてきたこと

東日本大震災の原発事故を機に私たちは多くの犠牲を代償に、子不ルギーのことに正面から
向き合うこととなりました。ともすれば、エネルギー、特に産業の米と言われる電力につい
て、その供給体制に何の疑問も持たず、電気料金さえ支払っていれば欲しいだけ手に入るも
のだと思ってきましたし、その安定的な供給も当たり前だと享受してきました。しかし、今
回の事故でそうではないことに否応無く気づかされました。電力源としての原発の安全性、
安定性、コストなどについて、その危うい実態を知ることになりました。そこで学んだこと
は、原発は安全でも安定でも安価でもない上に、この国の経済の健全な成長と地域の発展に
妨げになるということです。そして、中央は地方の犠牲の上に存立していることも明らかに
なりました。

いわゆる「経済界」の意見の妥当性

メディアを通じてよく聴くのは、「経済界」の意見として「原発がないと電気が足りなくな
り、日本の産業は空洞化し、GDPが下がり、経済が沈み、豊かな生活ができなくなり、皆
さん不幸になる。だから、原発はこれからも必要だ」という言い分です。

冷静になって考えてみましょう。

どんな商売でも(一部の軍事産業や一時的ないわゆる軍需という特需を除いて)、普通に屋
外を歩けて、普通に水が飲めて、普通に深呼吸できるからこそ、おいしいものを食べに行こ
うとか、新しい服を買いに行こうとか、旅行に行こうとかなるわけで、経済活動の前提条件
は、世の中が安全、安心であることではないでしょうか。防毒マスクをし、線量計を携帯し、
四六時中ビクビク怯えながらの暮らしの中で、GDPとか経済長とか何の意味があるのでし
ょう。それが今、福島では現実になっているのです。安心、安全な暮らしがあってこその「
経済」であることを肝に銘じなくてはなりません。GDPの大きさイコール豊かさであると
いう思い込みへの反省の声も急速に高まっています。今一度、私たちのいのちは何によって
支えられているのかを真剣に考えなくてはならないと思います。

さらにGDPと電力の関係についても言及すれば、過去20年間、この国の電力の使用量は3
割増えているにも拘わらず、生活実感を表現すると言われている経済指標のひとつである名
目GDPはその間480兆円でずっと変っていないのです。豊かさの指標であると考えられ
てきたGDPと電力の関係も疑ってみる必要がありそうです。次に産業の空洞化についても
考えてみましょう。企業がその事業の拠点を海外へ移すという決断をするのはどういう理由
からでしょう。円高、労働力、市場などその要因は、業種業態あるいは企業ごとに千差万別
です。空洞化は様々な要因が複雑に絡み合って起こることで、全てを電力のせいにする議論
には恣意的なものを感じざるを得ません。

製造業の工場生産額に占めるエネルギーコストは業種によっても異なりますが、2~7%と
言われています。その内電気の比率は半分程度とすると、仮に電気料金が10%上がったと
しても総コストに与える影響はO・I%~O・3%とかいうレベルです。企業経営者なら容
易に判ると思いますが、そのレベルでコストが上がったからと言って工場を海外に引っ越す
でしょうか。慣れない海外での事業展開のリスクと天秤にかけた時、どんな判断をしますか
。そもそも、わが国以外で電力の安定供給(切断や電圧変動のない電力供給)が存在する国
とは一体どのくらいあるのでしょうか。さらに、こうした海外移転の経営判断は、国内での
雇用を放棄するという重大な意味を持つことも経営者として強く認識しなくてはいけないと
思います。

原発の根本的な問題

今回の原発事故は人災だと言われます。確かに人類が引き起こした事故という意味では人災
ですが、その表現は多くの場合、異なる意味で使われています。今までのやり方に不備があ
ったから、それを修正すれば大丈夫。あるグループの人たちのミス・怠慢だから人を変えれ
ば大丈夫と言っています。本当にそうでしょうか? 未だ事故の真因が解明されていないと
いうのに、どうしてそう結論付けることができるのでしょう。人智を超えた未熟な技術と断
ずるべきではないでしょうか。

私たちはそう思いませんが、仮に百歩譲って原発の稼働の安全性が担保されたとしましょう。
しかし、最後まで残るのは使用済み核燃料の問題です。原発を推進する人たちは言います。
原発の使用済み核燃料は高速増殖炉、プルサーマルで完全なサイクルができるから夢のエネ
ルギーだと。20年前に動いているはずのもんじゅが彼らが言うように2050年に動くと
いう言葉を信じることは難しいです。日本以外の他の国では、すでに諦めて、最終的にはガ
ラスで覆って地下深く埋めるしかないという結論になっています。認めていないのはわが国
だけです。何故でしょうか。今このサイクルの破綻を認めてしまうと彼らの論理は根底から
崩壊してしまうからです。

この状況でいくらお金を積まれても、自分の家の裏庭に引き取って埋めてあげますよという
自治体が出てくるはずはないでしょう。原発を作った時と同じように地元に目くらましのお
金をばら撒いてお金の力で引き受けさせようというのでしょうか。いずれにしても、何万年
という単位でその毒性が消えないものを何世代いや何千、何万世代に残し、問題を先送りす
ることは人として、生き方としていかがなものだろうかと思うしだいです。私たちが次代
に残すべきは、どうしようもない核のゴミなどではなく、夢や希望ではないでしょうか。

新しいフロンティアヘ

今回の震災から学んだこととして多くの方々が挙げるのは、人と人とのつながり、それも顔
の見える関係の大切さです。例えば、被災地への物資支援においてもボランティア活動にお
いても、今まで高度成長を支えてきた中央集権的なしくみが今、限界を示し、それだけでは
問題が解決しないことが露呈しました。そこで、力を発揮しているのは、顔の見える人間関
係をベースにしたピンポイント型、あるいは独立型の活動としくみです。 それはこの原発
に端を発したエネルギーの問題についても当てはまります。電力会社と巨大企業を中心とし
た中央集権的なしくみの危うさが露呈した今、顔の見える関係をペースにした地域自立型の
しくみを併せ持つことが必要です。それぞれの地域でその地域の特性を活かした再生可能エ
ネルギーによるエネルギー自給に挑戦すべきと考えます。

この国には資源がないと言われます。しかし、技術の進歩とともに何か資源かは変ってきま
す。確かに、石油、ウラン、天然ガスはありません。しかし、海も森も川も火山もあるこの
国は自然エネルギーの宝庫です。そして、それらを安全に効率よく使う技術は実用化に向け
て様々な形で、すでに多くの萌芽を見せています。それらの芽は中小企業が持っているケー
スが多く、残念ながら中小企業にはそれらを実用レベルまで持ち上げる資金力やヨコにつな
いでシステム化する力が足りないのです。今まではほとんど全ての資金的なものも含めたサ
ポートは原発とその周辺に行ってしまっています。それらを再生可能エネルギー技術の実用
化とそのために頑張る中小企業に向ければ、あっと言う間に完成度の高い実用システムがで
きるはずです。そうすることで、地域の中小企業に仕事が廻る可能性があります。新たな雇
用を生む機会にもなります。従来の下請けとは異なる、自立型の事業が創出されるフロンテ
ィアが生まれるのではないでしょうか。

1基何千億円という巨額の投資が必要な原発に直接的に関われる企業はそう多くはありませ
ん。地域の中小企業に懇ってくるのは下請けの下請け、孫請けの孫請けといった価格発言権
すらないような仕事だけです。再生可能エネルギーは比較的に小資本で取り組めるので、地
域の中小企業に参入の機会が巡ってきます。また、海外の発展途上国のエネルギー体制構築
には有効かつ適切な方法であることも特筆しておくべきことと考えます。地域でエネルギー
の自給のための会社を起こすことで地域の人の意識と行動が変る可能性があります。その会
社は地域の企業も志民も関われる形態が望ましいと考えます。それによって今までは「他人
ごと」であった子不ルギーのことが「自分ごと」になります。

そして、自分の地域にどんな資源があるか真剣に考え調べるようになるはずです。大都へ向
かっていた意識・関心が自分の地域に向くようになります。まちづくりも変ってくるはずで
す。地域で子不ルギーを手がけることで、地域に仕事が発生し、地域でお金が廻り始めます。
 今までは、お金は電気料金あるいは税金として全て中央へ集められ、様々な経路を経て、
地域には補助金、交付金(特に原発所在地へ)として戻ってきます。そして、一部は前述の
原発を維持するために、毎年数千億の単位で位われています。

お金を牛耳って、それを配分することで自らの存在価値を示してきた国と、それをいただく
ための政策に四苦八苦してきた地方公共団体との関係も変るでしょう。自らの地域に関心を
持ち、地域の課題に自分ごととして積極的に関わり、顔の見える人間関係を大切にしつつ、
お金を廻していく。こういう小さくとも確かな循環が日本各地で起こり廻り始めることで、
この国のあり様を変えることにつながる。エネルギーのことは子不ルギーにとどまらない広
がりのある話なのです。図らずも震災に対する被災者の皆さんの秩序ある尊厳ある行動が世
界中から賞賛を受けました。1億2千万人という大きな数の日本人が、自然に恵まれたこの
国で平和に安全に安心して経済を廻して豊かに暮らす姿こそ、わが国が世界に発信すべき姿
ではないでしょうか。そして、そのノウハウこそ、世界に向けて日本が売り出すべき「商品」
ではないでしょうか。決して原発などではないはずです。

世界、特にアジアの各国に先駆けて、経済、社会、環境等の諸問題を、痛みを感じながら経
験してきた、いわば課題の先進国として、その経験から得た知見を活かし、アジアの隣人を
はじめとする世界の国々の健全な発展に貢献することがわが国の役割であるべきでしょう。
それはわが国の安全保障にも寄与することになるでしょう。

「経済」を問い直す

地域に生まれ、育ち、暮らす顔の見える人々とともに働き、地域に支えられ、地域を中心に
活動している私たち中小零細企業が目指すべきは、かけがえのない自然の恵みの中で、生き
とし生けるもの全てと共に生かし生かされ、全てのいのちが輝く生活の実現だと思います。
私たちが日々悪戦苦闘している商売という経済活動はそのための便法に過ぎません。今、私
たちは、「経済」という言葉の定義をやり直さないとならないのかも知れません。経済とは、
単なるお金のやりとりとその周辺での出来事だけを指すのではなく、本来は「経世済民」、
つまり、世の中をよくしていくための営みのはずです。そのため道具であるお金をいかに上
手に使っていくかという観点でお金というものを捉え直していかなくてはならないのだと思
います。経済を生産、分配、消費として捉えた古典派経済学に代表される西洋的伝統での定
義に対しての、天下を治め、民を枚うと捉えた東洋的伝統での定義に立ち戻ることだと思い
ます。

本来お金とは人と人をつなぐ道具でしかなかったはず。それがいつしかお金を持つことが目
的化し、お金のある所・人が価値があり、そうでない所・人は価値がないということになっ
てしまいました。それがお金をとても冷たいものにしてしまいました。ある地域を犠牲にし
て成り立つ原発のロジックを成立させるために使われてきた、いわゆる原発マネーはその最
たるものかも知れません。ここで今一度、お金に本来の割を取り戻させ、温かく顔の見える
ものにすることが必要です。お金は重要です。しかし、お金のものさしに加えて、もうひと
つのものさし=「いのちのものさし」が本当に必要な時代になったということでしょう。お
金の奪い合いにつながる狭い意味での経済ではなく、もっと広い意味で経済を捉えていくこ
とが必須だと思います。そのことで、この行き詰まり感から脱却し、懐かしく明るい未来が
描けるように思います。企業経営者として企業経営のあり方を再検証することが求められて
いると言えます。

経営者としての新たな実践

そうすることで、先に述べた「経済界」の主張は当たらないことが明白になるはずです。小
さく微力かも知れませんが、同じ「経済界」にいる「経済人」として考え、発言し、行動し
てまいりたいと思います。私たちが具体的に取り組むべきは、単なる反原発運動ではなく、
原発がないほうが健全な国・地域づくりができるという対案を示し、それを実践していくこ
とだと思っております。そのひとつは地域での子エネルギー自給のしくみを、最初は小さく
ともいいから、同時多発的に実現させることであり、そのための活動をしてまいります。た
さな循環を起こし、そのネットワークを創っていくこと。それが私たちの役割だと任じてい
ます。

                                   この項つづく





 




 

をとめの姿しばしとどめむ

$
0
0

 

      
                                        

2 謀  攻

「目的は勝利であって戦いではない」

戦争は目的ではなく手段なのだ。したがって、戦わずに勝つのが最高の勝ち方である。それ
が「謀攻」にほかならない。謀攻は単に小手先の術策ではなく、法則性に順った頬辺のない
勝ち方をいう。

戦わずして勝つのが最高-‐-「百戦百勝は善の善なるものにあらず」

兵法というものは、敵国を傷めつけずに屈服させるのが最高の勝利であり、打ちのめして屈
服させるのは次善の策である。また、敵の軍団を傷めつけずに屈服させるのが最高の勝利で、
打ちのめすのは次善である。旅団、小隊、分隊、いずれも同様だ。

百回戦って百回勝ったとしても、それは最上の勝利ではない。戦わずして相手を屈服させる
ことこそ、最上の勝利なのである。すなわち、最上の策は、敵の意図を見抜いてこれを封じ
ることである。これに次ぐのは、敵の同盟関係を断ち切って敵を孤立させることである。第
三が戦火庶父えることであり、最低の策は敵城攻撃である。つまり、城を攻めるなどという
ことは、あらゆる手立てを尽くしたのち、やむなく用いる最後の手段である。

敵城を攻防するとすれば、攻城器具の準備に三ヵ月はかかる。土塁や物見櫓を築くのにも、
さらに3ヵ月は必要とする。こうした準備万端をととのえるだけでも大変な上に、血気には
やった将軍が不用意な攻撃を命じたとすれば、群がるアリがこぼれ落ちるように、兵力の三
分の一は損失し、せっかくの苦心も徒労に終わる。攻城手段に訴えれば、これはどの犠牲を
強いられるのである。したがって、戦上手は、武力に訴えることなく敵軍を臼田させ、攻城
手段に訴えることなく敵城をおとしいれ、長期戦にもちこむことなく敵国を滅ぼす。すなわ
ち、「全うする」という方法によって、天下を奪う。こうしてこそ兵力の損失を招くことな
く完全な勝利を収めることができるのである。これが、知謀に基づく戦争方式である。 

「形・物」よりも「機能・目的」を重視する考え方 

最近、技術の分野で、「ハード・テクノロジー」から「ソフト・テクノロジー」への移行と
いうことが強調されている。形にあらわれた製品そのもの(ハード)よりも、形にあらわれ
ないもの(ソフト)を重視する。たとえば、人が書物を買うのは表紙の布とか紙(ハードウ
エア)を買うのでなく、なかに盛りこまれた知識、情報(ソフトウエア)を貿うのである。
宿車や自動車は、鉄や水仙という形その物に意味があるのではなく、人や物を安全・快適に
運ぶという機能が目的なのだ。いってみれば当然のことだが、これが忘れられて、既存の「
形・物」が絶対的なものであり、それ自体が目的だと思いこみがちである。「形・物」への
とらわれを脱して、その機能を最適に果たすための手段を追及することにより、新しい発展
や発見がある。『孫子』の説く「敵兵とか敵城とかいう形にあらわれたものを攻めるのは下
策であり、目的はその機能を失わせることだ」という考え方は、まさにこれと其通している。
目的は敵を屈服させることにあるのだから、物理的な摩擦は避けたほうがいいに決まってい
る。
      
★なお、本草冒頭の一節は「自国を傷つけず勝つのが最高で、傷ついて勝つのは次善である
」と解釈する説もある。 

 【下の句トレッキング:をとめの姿しばしとどめむ】


天津風雲の通ひ路吹き閉ぢよをとめの姿 しばしとどめむ   僧正遍照

天の風よ。雲間の通り道を閉ざしてくれ。天女の舞い姿をしばらくとどめておきたいのだ。
Winds high in the sky, close the pathway through the clouds! These angels who have des-
cended to the earth are about to take leave, but I want to see them dance a bit more.

大空を吹く風よ、雲の中の通路を閉じておくれ。天に戻っていきそうな、この美しい天女たちをとどめ
て、今しばらくその舞を見ていたいと思うから。
僧正遍照(昭)(そうじょうへんじょう。816~890)俗名を良岑宗貞(よしみねのむねさだ)
といい、桓武天皇の皇孫で大納言安世(やすよ)の子供でした。蔵人頭(くろうどのとう)
として仁明天皇に仕える。六歌仙の一人で出家する前は「深草少将」と呼ばれ、小野小町に
恋する男として「大和物語」にも登場。仁明天皇が急逝した後、出家して叡山に入り、高僧
となる。

ここで、「雲の通ひ路」とは「天と地をつなぐ道」天女たちが通ると考えていた。「をとめ」
は、「天女」を指す、

 

     

❦ なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか ❦ No.21    

● 対談4 新しい現実をつくる  

『新しい地域経済をつくるには、女性のネットワークの活用を』  



野中ともよ NPO法人ガイアイニシアティブ代表 

いのちと未来の地域を考えるお母さんたちと繋がる

野中 経営者が「自分たちで考えようぜ」と。エネ経会議をフルネームで何というんでした
っけ?
鈴木 「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」です。

野中 ベダですねえ(笑)。このベタがわかりやすい。
鈴木 わかりやすいとおっしやっていただけるとありかたいです。

野中 だから、「気がついたけど、悌介さん、どうしたらいいの」というときに、悌介さん
は「こうしたらいいよ」というメニューをつくり始めている、この営みは大事だと思います。
鈴木 そのつもりですが、そういうふうに認めていただけると励まされます。ただし、メニ
ューを増やすのは今後の課題です。よきアドバイスとして肝に銘じます。

野中 成功してくれないと困るので言いますが(笑)「エネルギーから経済を考える経営者
ネットワーク会議」を支えているのは何だと思います?それは、本業もほったらかし、では
ないと思いますが、そこここで一生懸命に未来の地域の為に頑張るメンバーを支えてくださ
っている女将さんたち、つまり、パートナーであるおけさんたちではないかと思うのです。「
いのちと未来の地域を考えるお母さんのネットワーク会議」とても命名しましょうか。この
つながりが表裏一体になってくると厚みと帽が出ると思います。

やっぱり、女性が十月十日赤ちゃんを自分の体の中で育てるような、そんなプロジェクトを
併せてやっていくとうまくいく,お父さんの給料が上がるか下がるかどうかということより
も、子どもたちの健康が害されるかどうかということのほうが比べものにならないくらい大
事な価値の軸になっていく時代です。お母さんの、「いのち」を大切に見守って育んでいく
愛がどれだけ活かされるか、この高層ビルから見える、とてつもない部面のなかで、そんな
価値軸が街づくりにどれだけ活かされているかと考えれば、ほとんど皆無ですものね。

鈴木 そうですね。素晴らしい切り目を敦えていただきました。
野中 私は東京生まれの東京育ちですし、子育ても東京でしましたけれど、およそ何万年に
わたって受け継がれたDNA、それを元気に発露する場面も土壌もないんです。そもそもの
サムシンググレートがいのちに吸い込んでいてくれている「やさしい心」「思いやる心」と
いわれるものを、皮肉ないい方をすると「育まないで」というのが大都会のルールになって
しまっている。



鈴木 大都市はとこでもそうなんでしょうね。
野中 都市のしあわせは、お金の物差しでしか測れないようになってしまったのですね。お
金を持っていなければ、しあわせは味わえない仕組みになっているのです。お財布に百万円
はいっている男子と、1万円しかはいっていない男子と、どちらとデートする? と聞かれ
たら都市では、圧倒的に前者がモテモテでしょうが、たとえ好みのタイプでなくとも参(笑)。
でも、無人島にとまでいかなくても、自然の豊かな地方にいると、イヤなタイプとのデート
より、ソコで泳ぎが凄くて、強くて優しくて食べるものを獲って作って探してこられる、ナ
マの人間力が問われてくるでしょう?人としての、基本としての笑顔とか、お互いを思いや
る心とか、感謝のきもちとか、ご挨拶とか……。もういちど、「いのち」のちからを取り戻
す作業をしなおさないといけませんね。

鈴木 なるほど。
野中 私たちは、まかり間違うと地球全体がとんでもないことになるというぐらいの大きな
原発事故をいまも、現在進行形で抱えている。いま、日本で、その危機の現状を共有するこ
とが一番大事だと思います。エネ経会議の勉強会などを通じて、いろんな方にそのメッセー
ジを伝えることが、まず一番大事な初めの一歩でしょう。
東京の一部でもチェルノブイリ原発事故の線量でいうと、放射線管理区域になるんじゃない
かと思いますよ。フクシマからはプルトニウムが検出されたし、2万4000年で、あるい
は何他年でようやく線量が半分になるぐらいの様々な放射線を出して、いろいろ調べたくて
も近づけないような状態にもあるわけです。だから、収束宣言なんてウソッパチだし、けっ
して信じちゃいけない。これは現在進行形ですから、早急にそれぞれの国々が、10年後、20
年後、どういうコミュニティになりたいのかという目標を立てて、そこからバックキヤスト
して、いまできることを一つひとつ楽しくやり始めなければ。

  

鈴木 楽しく、ですね。
野中 ハイ。エネ経会議を立ち上げてくださって、ほんとうにありがとうございました。
鈴木 いえいえ。いま、おうかがいしていて、共通していた言葉のIつが「バックキヤスト
」でした。私たちはどうしても「いままではこうだったから、こうしておけば、とりあえず
売り上げはあるよ」という経営方法になりがちですし、大手の企業さんほどそれが上手です。
また、変化をどう読んで対応していくかが生き残る道なんだという、だれが言ったかわかり
ませんが、ダーウィンの言葉を借りたマネジメントの教科書に書いてあるわけなんです。し
かし、それはそれで大切なテクニックではありますが、それだけではいけないと思うんです。
さっき「自分たちはどういう世の中に住みたいのか≒自分の子どもをどういう世の中に住ま
わせたいのか」とか、「そういう世の中で自分の会社がどういう役割を演じたいのか」とい
うことをおっしゃられましたけど、そういうことだと思うんですね。

野中 その通りです。
鈴木 当然、いまの現実の自分とは連になるわけですから、それをバックキヤスティングし
ながら、そこの間をどう埋めていくか、そこが問われているわけですね。ところが、どうも、
電力関連の巨大企業の仕長さんたちのおっしゃることを聞いていると、目先のことばっかり
おっしゃって、特にエネルギーに関しては本音で語られることが少ない。「これからは原発
ばっかりじゃないでしょう」「どういうエネルギーが望ましいか」というところを率直に語
ってほしいし、それに対して「自分たちは貢献します」と言ってくださったほうが、もっと
もっと、みんながしあわせになれると思うんです。仕事だから仕方なく働いているとか、休
みの目が楽しいとか、定年になってからが楽しいとか、働いている人たちをそういうふうに
しないためにも、言ってほしいわけです。

野中 まったくです。でも「悌介さんが太陽光とかいってるけど金がかかるでしょ」とか「
出費がかさむからね」とか。再生可能エネルギーは実現が難しいということで、それが事実
だったらいいですよ。でも、事実じゃない。じゃ、何か事実かをどこで知ることができるか
?というと「マスメディアではない」と言われてしまうような国になっていることだけは知
ってほしいわけです。ということは、真実は努力しないと見えない、とりわけエネルギー問
題に関してはそういえます。だって、「エネルギーが足りない」というのを発表するのはだ
れ?

鈴木 さあ(笑)。
野中 メディアは、電力をつくって、原子力発電所をやめたくないという人たちのデータを、
そのまま流しているだけでしょ。東京電力はこう発表してます、関西電力はこう発表してま
す。だけど、こちらのこのグループに問いたところ、ここはまったく違うことをこういうふ
うに言っています……それをやるのがジャーナリズムだと思うんですよ。だけど、ジャーナ
リズムがそれをやらなくなってしまった。だから、知りたいことは、海外のメディアがどう
いうふうに見ているか、こまかくいえば他にもあるけれど、そういう、いろんなソースを参
考にしないと判断できなくなってしまいましたね。実際にワタクシ事で恐縮ですが「これ、
週刊誌じゃないよね、エリートといわれる犬新聞だよね」と言いたくなるくらい、まるで週
刊誌ネタのような書き方をされた経験があるんです、悲しいかな。でも実際にやられると、
よ1く分りましたよ、大新聞の取材元はどこいらへんかなあとかね(笑)。だから、物事を
自分で判断する癖をつけていかないといけないと思います。テレビにしろ、新聞にしろ、マ
スメディアの伝えることが、「本当だろうか?」と疑いながら読み取っていくクセというの
か、リテラシーを身につけていくことが大事だと思います。

  

鈴木 自分で判断する努力は私もこころかけていますし、社員にもメッセージを送って自覚
して努力するように促しています。今日は深遠なお話から具体的なアドバイスまで、縷々お
聞かせいただきましてありがとうございました。特に「エネルギーから経済を考える経営者
ネットワーク会議を支えているのは、いのちから生きていくことを考えるお母さんネットワ
ーク会議なの」というアドバイスには触発されるものがありました。どうしても私たち男は、
このエネ経会議にしてもまだまだ男ばかりですし、女性の方をもっと’もっと……。

野中 ですよねえ。
鈴木 結構、いろんなところに呼んでいただいて、お話しさせていただく機会が最近はある
んですが、そこには女性の方がたくさんいらっしゃるし、たとえば医療のことをお話しさせ
ていただくようなときは違う視点を持つことができますし、ありかたいなと思っています。
とにかく、エネ経会議は「気がついたやっか自分のできることを決心してやりましょう」と
いうことになっておりますから。それから、もう一つ犬切なことは、その「アホ」をどうや
って増やしていくか、ということです。

野中 おっしゃる通りです。「アホ」は感染しますから(笑)。「3∴とか起きる前の年、
小田原で開いたローカルサミットで「既存の流れを何とか変えてやろうぜ」という市民運動
を立ちあげましたよね。、「アホ」の会議というので。時代を変えるときには「アホ」応力
が応変です。「アホ」というのは「熱くI「惚れる」です。熱く惚れていれば、信じていれ
ば、人が何と言おうと正しいと思って、惚れて突き進む。それが「アホ」の力です。この会
は実は一枚めくるとそんな「アホ」の集まりですよね。エネ経会議も!

鈴木 強力な感染力をまた野中さんにご伝授いただけたらと思います。よろしくお願いしま
す。
野中 はい。

                               2012年9月24日
                六本本ヒルズライブラリーー・ミーティングルームにて

野中ともよ氏の「三洋電機」の経営現場の話に引き込まれるところあり、なので、ここのと
ころの関連情報収集は残件扱い。次回は、石田秀輝氏との対談「ネイチャー・テクノロジー
で未来を拓くパラダイムシフトを」に移る。

   No.173



 【蓄電池篇:凸版印刷が二次電池事業に本格的に参入】 

● 百倍速く充放電する新型電池の量産化へ
 
3月14日、凸版印刷は、次世代二次電池事業に本格参入することを公表する。「エクセル
ギー電池」の開発・製造を手がけるエクセルギー・パワー・システムズと同年2月9日に資
本業務提携を締結しており、約55円を出資とエクセルギー電池事業の共同推進に合意。エ
クセルギー電池は急速な充放電を行えるのが大きな特徴の電池で、2020年度の量産化を目指
す。出資先のエクセルギーは、2011年設立の東京大学発のベンチャー企業。水素を利用した
蓄電池や燃料電池の製造開発を手掛けている。凸版印刷はエクセルギー設立当時から、エク
セルギー電池の共同開発や事業化に向けた実証を進めてきた。このほど、連続的に急速充放
電が可能で、耐久性の高い二次電池の開発にめどが立ったため、資本提携と事業化を共同で
進めていくことに合意。

両社が開発するエクセルギー電池は、電池内部で発生した熱を急速に放熱し、温度の上昇温
度を5度以内に抑える独自構造を持つ。これにより、一般的な二次電池の100倍となる200C以
上の連続的な急速充放電を可能にしたという。ここでいうCとは、充放電レートの単位で、
1Cは60分で満充放電できる電流値を指す。今回開発した電池は、60分/200C=18秒
で完全な充放電を実現、また高い耐久性も特徴とする。電池内部に水素を封入することで、
酸化による電極の劣化を抑えられる。これにより、ハイレート時の連続50C充放電で15
万回以上のサイクル寿命を実現したとする。これは一般的な二次電池の10倍に相当。構成
材料にリチウムや有機溶剤を使用せず、二次電池の安全性試験におけるクギ刺し試験も不要

これらの特徴を持つエクセルギー電池は、従来常用電源からの電力供給が必要だった医療機
器や、高い出力の回生電力の充電を活用した重機などに向くとしている。また、電池の起電
圧を充電電圧で設定できるため、制御装置がない状態でも過充電することなくフローティン
グ充電が行える。そのため、バックアップなどの無停電電源装置にも適用可能とする。凸版
印刷はこのエクセルギー電池の開発に向け、同社の材料設計ノウハウとコーティング技術を
生かして開発した電極を提供。具体的には印刷技術を応用し、ニッケル系基材を独自開発の
導電性インキをコーティングした電極を開発している。両社は、2018年4月からエクセルギ
ー電池のサンプル出荷を開始し、2020年度から量産する予定だ。2025年にはエクセルギー電
池事業で、約百0億円の売り上げを目指す。

❦ 関連特許

❑ 特開2018-014244  電池用負極および電池ならびに電池用負極の製造方法

【概要】
 
非常用電源用途などを目的として定置型の大型電池の需要が急速に高まるなか、大容量の電
力を供給できる二次電池に、鉛蓄電池やニッケル水素電池、リチウムイオン電池などあるが、
これらの電池を大型化するには重量やコスト、安全性などの課題がある。 この中でニッケ
ル水素電池――負極に水素吸蔵合金、正極に水酸化ニッケルを用いる――は鉛電池よりも軽
量で、水系の電解質を用いることからリチウムイオン電池よりも安全性の面で優れるが、負
極の水素吸蔵合金の価格が高く、大型化するとそれだけコストと重量が増大し高容量ニッケ
ル水素電池の技術的隘路になる。

一方、正極に水酸化ニッケル、負極に周知の燃料電池水素極を用いることで、負極活物質で
ある水素をガス状態で電池内部に蓄積させ、人工衛星用などの用途として、気体水素を活物
質することで負極重量を軽減できるが、負極に高価な白金微粒子触媒を使用するためコスト
低下逓減できない。また、負極に水素吸蔵合金を活物質の水素を気体状態で電池容器内に蓄
積させる電池(ニッケル水素ガス電池)があるが、放電中の水素吸蔵合金は水素ガスの吸収
と放電といった2つの反応が同時進行する矛盾を抱える。このように、負極の水素吸蔵合金
が水素吸収と放電を同時に素早く進めることが求められているが、具体的な方策や性能につ
いての検討がなされずにいる。本件は上記事情を背景とし、水素吸蔵合金の水素の消費およ
び放電反応を利用に、負極に使用する水素吸蔵合金の粒径に着目し、これを好適化し優れた
性能を導き出すことができる電池用負極および電池ならびに電池用負極の製造方法を提供を
目的とし、下図のように負極活物質の水素吸蔵合金が、体積平均径で4μm~12μmの範
囲内に、かつ水素収容部の水素と接触できるよう配置し、負極水素吸蔵合金の表面積を増加
させて水素ガスの吸収反応と放電反応の両方の反応面積を向上させる一方で、コストや表面
被毒、出力低下のデメリットを回避させる技術を提供する。


【符号の説明】

1  電池 1A  電池 2 電池用負極  3 電池用正極 4 体水素収容室  5  電解液
7  セパレータ 10 気体水素収容室 11 気体水素移動路

【特許請求範囲】

負極活物質としての水素吸蔵合金を有し、前記水素吸蔵合金が、体積平均径で4μm
~12μmの範囲内にあり、かつ水素が収容される水素収容部の水素と接触可能に配
置されていることを特徴とする電池用負極。 前記水素吸蔵合金が、放電時に前記水素を消費しつつ放電を行うものであることを特
徴とする請求項1記載の電池用負極。 前記水素吸蔵合金が、電解液と接触して使用されるものであることを特徴とする請求
項1または2に記載の電池用負極。 前記水素収容室を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の電池
用負極。 請求項1~4のいずれかに記載の電池用負極と、水酸化ニッケルを有する正極とを備
えることを特徴とする電池。 水素吸蔵合金を体積平均径で3μm~15μmの範囲内に破砕して水素吸蔵合金微粉
末を製造し、前記水素吸蔵合金微粉末に表面処理をして、酸化皮膜を含む表面層を除
去し、表面処理後の水素吸蔵合金微粉末を負極活物質として担持体に担持させて水素
と接触可能に配置されることを特徴とする電池用負極の製造方法。


【蓄電池篇:圧縮/液化空気貯蔵発電システム】

● 冷気中にエネルギー備蓄技術

再生可能エネルギーは日々より効率化されているが、そのエネルギーの備蓄の好適化が問題
となっている。この需給ギャップ問題の解決に、一部の企業は冷たい空気でエネルギー備蓄
開発に投資され、この中で圧縮空気利用技術が注目を浴びている。例えば、スイスのアラカ
エス(Alacaes)社は、山岳の側面に穿孔し”冷たい空気”のエネルギー備蓄法を研究してい
る企業の1社。そこにでは圧縮した冷たい空気でタービン動力源とし貯蔵する。また、英国
のハイビュー(Highview)社はマンチェスター近くの埋立地からの廃ガスを燃焼させ発生熱
を利用し、貯蔵空気中の液体窒素膨張設備を建設。膨張空気は、タービンを通し発電。この
施設が今年発に電力系統網に接続する予定にある。世界では、未来のためには、大規模で、
長時間備蓄の前提はすでに周知されている。これたの技術は、その中でも重要な役割を果た
すものと期待されている。などほど、面白い技術だ(上/下図参照)。

 

 

  ● 今夜の一曲

Pachelbel - Canon - Stringspace String Quartet 
Kanon und Gigue in D-Dur für drei Violinen und Basso Continuo

  

三笠の山に出でし月かも

$
0
0

 

     

                               

 

6 虚  実

味方の「実」で敵の「座」をつき、力ずくでなく敵の優拉にたつ。相手の力、欲望、弱点を
活用することによって主席権をとることができる。味方が果申し相手を分散させれば少数で
も多数に勝てる。

いかにして主導権をとるか

およそ、敵より先に戦闘位置につき、敵の来るのを待ち構えていれば楽な戦いができ、逆に、
敵より遅れて戦闘位置につき、待っている敵にぷフ炉るならば苦しい戦いになるものである。
したがって、戦上手は、相手をこちらに引き寄せるようにし、自分が引き寄せられることを
避ける。それにはどうすればよいか。敵を引き寄せるためには、そうすれば有利だと敵に思
わせることだ。敵を先に戦闘位置につけさせないためには、そうすれば不利だと敵に思わせ
ることだ。もし敵が楽な態勢にあれば、手段を用いて奔命に疲れさせ、敵がたらふく食って
いれば、糧道を絶って飢えさせ、敵が冷静であれば計略を用いて動揺させ、敵が来そうなと
ころには先回りし、敵の思いがけないところに打って出る、このように形勢を逆転すること
が必要である。

敵地に遠征してなお兵を疲れさせぬためには、敵のいないところを狙って行けばよい。必ず
攻め勝孫 つには、敵が守りを固めていないところを攻めればよい。絶対に守り抜くには、
敵の攻めにくいとこ  ろを守っていればよい。したがって、攻撃の巧みな特にかかると、
相手はどこを守ってよいかわから  なくなるものだし、守備にすぐれた特にかかると、相
手はどこを攻めてよいかわからなくなるものだ。このやり方が、どんな場合にも自由自在に
行なえるようになってこそ、敵に対する主導権を握ることができる。

進撃する場合は、敵の虚を衝くことだ。そうすれば敵はふせぎきれない。退却する場合は、
迅速にしりぞくことだ。そうすれば敵は追撃できない。こちらが戦いたいと思ったら、敵が
いくら塁を高くし堀を深くして戦うまいとしても、戦わなければならないようにしむけるの
である。それには敵が放置しておけないところを攻めればよい。こちらが戦いたくないと思
ったら、たとえこちらは地面に線を引いた程度の守りしかないとしても、敵が戦えなくなる
ようにしむけるのである。それには常識外のことをやってみせて、敵を惑乱すればよいのだ。

相手の力を逆用する 「相手を引き寄せ、自分が引き寄せられることを避ける」つまり主導
権をにぎることである。この場合も、孫子は力ずくの手段はとらない。相手の力を利用して
主導権をとる。つまり相手の力をこちらに転移させるのである。いささか長文だが、毛沢東
の主席指扇を引用しよう。日中戦争の勃発後十ヵ月、日本車の大進撃のさなかに発表された
『抗日遊撃戦争の戦略問題』の一節である。

『あらゆる戦争において、敵味方は……主導権のうばいあいに力をつくす。主導権とは、す
なわち軍隊の自由指である。軍隊が主導権を失って受動的な立場においこまれると、その軍
隊は行動の自由を失い、打破られるに至るであろう。もともと、戦略的防禦戦や内線作戦で
は主導権の確保はより困難であり、進攻的な外線作戦の方が主導権をとるのにより容易であ
る。(毛沢東は、これについて-いま〈1938年〉日本に進攻されている中国は主導権をとり
にくい立場にあるが、敵は兵力不足、他国内での戦争、指導のまずさという三つの弱点をも
っているから、遊撃戦によって次第に優劣を逆転し得る-と予言している。)

遊撃戦における主導権の問題は、さらに重大な問題である。なぜなら遊撃隊は……後方をも
たず、敵が味方より弱く、経験不足で、不統一な状態におかれている。だが遊撃戦は主導権
を確立し得る。その主な要件は、敵の三つの弱点を活用することだ。敵の兵力不足に乗ずれ
ば、遊撃隊は広大な活動範囲を戦いとることができる。敵が異民族であり野蛮な政策をとっ
ていることに乗ずれば、遊撃隊は幾百万の人民の支持をかち得ることができる。敵の指揮の
拙劣さに乗ずれば、遊撃隊は自からの聡明さを発揮することができる。……

主導権は、情勢にたいする正当な評価と正しい軍事的、政治的処置によって生まれる。客観
情にあわない悲観的評価と、そこから生ずる消極的な処置は、主席権を失なわせ、こちらを
受動的な立場においこんでしまう。逆に、客観情勢にあわない楽観的すぎる評価と、そこか
ら生ずる不必要に冒険的な処置もまた、導権を失なわせ、ついには悲観論者と同じ道におち
こませる。主導権とは、天才が生まれつき持っているものではなく、聡明な指導者が客観情
勢を素直に研究し、正確に評価し、それに対して軍事的、政治的な行動を正しく処置するこ
とによって生まれてくるものである。

評価や処置のあやまり、あるいは不可抗力的な圧力によって、受動的地位においこまれてし
まったときは、どのようにしてぬけ出すか。その方法は状況によってきまるが、多くの場合、
’逃げる’ことが必要となる。遊撃隊の特徴は逃げることが上手なことだ。逃げることは、
受動的立場から脱して主席的立場を回復する主要な方法である。だが方法はこれだけに限ら
れない。往々にして、敵の力が最高に強まり、こちらの困難が極度に達したときこそ、敵に
不利、われに有利な情特がはじまるときなのだ。。よりIそうがんばる’ことによって有利
な情勢と主席権の回復が獲得されることはよくあることである』

【下の句トレッキング:三笠の山に出でし月かも】 

天の原ふりさけ見れば三笠の山に出でし月かも   安倍仲麿 

大空を仰いで見ると、こうこうと月が照り輝いている。かつて奈良の春日にある三笠山の上に昇って
いたあの月が、今ここに同じように出ているのだなあ。

Looking up at the sky I see the moon shining brightly in all its glory. It strikes a nostalgic
chord in me as I remember that moon over Mt. Mikasa at Kasuga of Nara.

 No.182

【バイオマスエネルギー事業篇:最新バイオマスバイナリ発電システム工学Ⅱ】

バイオマスの炭化工程群技術を考えるあたり、三夜に渡り考察してきたが、おうみ木質バイ
オマス利用研究所の技術参与であり、建築技能士で、彦根市民の飲み水を守る会員、前職の
同僚の佐々木氏に意見を求めたところ下記のようなメールが届く。

 私は、炭化装置の専門家ではありません。また、その興味も少ない。なお、木質バイオ
 マスの炭化装置は川瀬駅西側にある関西産業さんが作っていると聞いています。そこで
 生産されたもみ殻の炭化装置が愛東町マーガレットステーション裏に設置され、炭化さ
 れたもみ殻を作り、土地改良用に安価に販売しています。おうみ木質バイオマス利用研
 究会の中の「森林発電」事業では、以前は、木質バイオマスを炭にして、炭を燃やして
 一酸化炭素を発生させ、エンジンを回転させ、発電をしましたが、現在は、木質バイオ
 マスを燃やし、一酸化炭素を発生させ、それでエンジンを回転させる研究を継続し、炭
 化工程を省略させています。

これにそって、彦根市川瀬に関西産業株式会社の保有技術を俯瞰し、コンパクト/コストダ
ウウンを図る商品開発のアプローチは個々に比較しその見積設計を積み上げていくしかない
という結論に至る(下写真、関西産業販売群製品及び保有特許事例参照)。ただ、前記の合
目的化には炭化前工程でのバイオマス粉砕粒子の平均サイズと平均比重量表面積の好適化は
主要パラメーターとなりそれを実現する費用対効果の見積は必須だと思われる。また、高温
ガス化法として同研究会はガスエンジン方式の開発を行っているが、タールの再付着をはじ
めとする高い保全工数/費用が隘路技術となり、ダウンドラフト炉法が注目されている(燃
料チップの含水率が15%と従来法の1/3以下)。

尚、粉砕工程として、好適な生物触媒法――バイオマスは他の自然エネルギー異なり、カー
ボンニュートラルであり、石炭と同様常時ストック可能で、端的に例示すれば、専用ストッ
クヤードに積載しておき好適な温湿度制御と通気(酸素、二酸化炭素など濃度の要調査)、
あるいは、日照条件を決め開発した酵母、バクテリア(遺伝子改変/蛋白就職の有無)を加
え、一年間放置していくだけで特殊な多段グレーティング下部屋に自然落下させ、最下部受
室(好適目的微細化基準に適合)で目的含水率の調整経て微粉化――バイオマスと生物を燃
料原料として、直接/間接ガス化するかあるいは一旦炭化処理しランニングコストの逓減を
実現する。




❑  特開2000-016888  堆肥と該堆肥製造方法並びに該堆肥製造装置



【符号の説明】(1)  籾殻粉砕部 (2)  籾殻炭化部 (4)  籾殻 (5)  籾殻燻炭 (6) 有機
質資材 (7)  堆肥

【特許請求の範囲】

粉砕した籾殻と、籾殻燻炭とを混合し、この混合物を発酵させたものである事を特徴
とする堆肥 粉砕した籾殻と、籾殻燻炭と、有機質資材とを混合し、この混合物を発酵させたもの
である事を特徴とする堆肥 請求項1又は2の堆肥において、完熟材を粒状にした事を特徴とする堆肥 粉砕した籾殻と、籾殻燻炭とを混合し、次にこの混合材を炭化籾殻製造時の熱にて加
温して発酵を促進させる事を特徴とする堆肥製造方法 請求項4に記載の堆肥製造方法において、有機質資材を混合材に加える事を特徴とす
る堆肥製造方法 籾殻を粉砕するための籾殻粉砕部と、籾殻を炭化して籾殻燻炭を製造するための籾殻
炭化部とを備え、籾殻粉砕部から排出された粉砕籾殻と、籾殻炭化部から排出された
籾殻燻炭と、必要に応じて有機質資材とを混合し、籾殻炭化部の排出熱でこの混合材
を加温発酵させて堆肥とする堆肥製造部とで構成された事を特徴とする堆肥製造装置

ガス化炉では、タール除去処理等の後、水蒸気/一酸化炭素のガス化の後、ガスタービン、
水蒸気タービン及び燃料電池、熱電変換させる方法をれ選択する。ここでガス化温度は低温
タイプ(バイナリー発電)/高温タイプ(ガスエンジン/ガスタービン発電)とに分かれる。
いづれにしと、このフェーズでは日本の得意な特異技術となることが考えられ、地方分散(
ローカル)/グローバルの2方面同時市場開拓が可能と考えら、ここではコンパクト/コン
バージョンのリバーシブルが鍵語となるだろう。


※ バイオマス産業社会ネットワーク第155回研究会2016年2月23日

❑ 特開2017-222735 有機物の熱分解あるいはガス化システムと方法、および
  生成ガスの精製システムと方法 

有機性廃棄物やバイオマスなどの有機物の熱分解あるいはガス化によって得られる可燃性ガ
スを効率よく、かつ低コストで精製するためのシステム、方法を提供にあたっては、下図の
ように、有機物を加熱することによって可燃性ガスを生成するガス化炉と、可燃性ガスを吸
収剤を用いて精製するスクラバーと、吸収剤を遠心分離、あるいは濾過によって精製する再
生装置を有する熱分解あるいはガス化システムが提供される。熱分解あるいはガス化システ
ムはさらに、スクラバーによって精製された可燃性ガスを用いて発電する発電装置を有して
もよい。熱分解あるいはガス化システムはさらに、スクラバーと再生装置の間で吸収剤を循
環させるポンプを有してもよい(吸収剤は、植物油でもよい)。


【符号の説明】
100:ステップ、102:ステップ、104:ステップ、106:ステップ、200:ガ
ス化装置、202:ホッパー、204:フィーダー、206:ガス化炉、208:導入口、
210:排出コンベア、212:搬出ボックス、214:バルブ、216:ガス管、218
:ガス取出し口、220:原料層、222:乾燥層、224:燃焼層、226:還元層、
228:底部、230:開口部、300:スクラバー、302:吸収剤、304:タンク、
306:ノズル、308:気泡発生装置、310:ポンプ、312:フローメーター、314
:圧力ゲージ、316:ガス取出し口、318:バルブ、320:注入口、322:排出口、
324:スロート、326:ガス注入口、328:第1の部分、330:第2の部分、332
:第3の部分、334:第4の部分、338:取出し口、340:対流、342:微小気泡
、400:再生装置、402:ポンプ、404:バルブ、406:遠心分離機、410:回
転体、412:回転軸、414:供給部、416:吐出口、418:スクレーパー、420:
シャッター、422:開口部、424:開口部、430:ポンプ、432:バルブ、450
:濾過装置、452:カラム、454:第1の層、456:第2の層、458:コンテナ、
460:バルブ、462:アスピレータ、500:ホッパー、502:スクリューフィーダ
ー、504:加熱炉、506:窒素ボンベ、508:バルブ、510:熱電対、520:恒
温槽、522:三口ウルフ瓶、524:マグネティックスタラー、526:遠心分離機、
528:温度調整機、530:温度計、532:バルブ、540:サンプリングユニット、
550:曲線、552:曲線、560:曲線、562:曲線、570:曲線、572:曲線、
600:発電装置

 ガスタービン

バイナリ-タービン

 

       

❦ なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか ❦ No.27        

● 趣意書 『エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議』   

                                          2012年3月20日 設立

東日本大震災から見えてきたこと

東日本大震災の原発事故を機に私たちは多くの犠牲を代償に、子不ルギーのことに正面から
向き合うこととなりました。ともすれば、エネルギー、特に産業の米と言われる電力につい
て、その供給体制に何の疑問も持たず、電気料金さえ支払っていれば欲しいだけ手に入るも
のだと思ってきましたし、その安定的な供給も当たり前だと享受してきました。しかし、今
回の事故でそうではないことに否応無く気づかされました。電力源としての原発の安全性、
安定性、コストなどについて、その危うい実態を知ることになりました。そこで学んだこと
は、原発は安全でも安定でも安価でもない上に、この国の経済の健全な成長と地域の発展に
妨げになるということです。そして、中央は地方の犠牲の上に存立していることも明らかに
なりました。

 Apr. 28, 2014

いわゆる「経済界」の意見の妥当性

メディアを通じてよく聴くのは、「経済界」の意見として「原発がないと電気が足りなくな
り、日本の産業は空洞化し、GDPが下がり、経済が沈み、豊かな生活ができなくなり、皆
さん不幸になる。だから、原発はこれからも必要だ」という言い分です。

冷静になって考えてみましょう。

どんな商売でも(一部の軍事産業や一時的ないわゆる軍需という特需を除いて)、普通に屋
外を歩けて、普通に水が飲めて、普通に深呼吸できるからこそ、おいしいものを食べに行こ
うとか、新しい服を買いに行こうとか、旅行に行こうとかなるわけで、経済活動の前提条件
は、世の中が安全、安心であることではないでしょうか。防毒マスクをし、線量計を携帯し、
四六時中ビクビク怯えながらの暮らしの中で、GDPとか経済長とか何の意味があるのでし
ょう。それが今、福島では現実になっているのです。安心、安全な暮らしがあってこその「
経済」であることを肝に銘じなくてはなりません。GDPの大きさイコール豊かさであると
いう思い込みへの反省の声も急速に高まっています。今一度、私たちのいのちは何によって
支えられているのかを真剣に考えなくてはならないと思います。

さらにGDPと電力の関係についても言及すれば、過去20年間、この国の電力の使用量は3
割増えているにも拘わらず、生活実感を表現すると言われている経済指標のひとつである名
目GDPはその間480兆円でずっと変っていないのです。豊かさの指標であると考えられ
てきたGDPと電力の関係も疑ってみる必要がありそうです。次に産業の空洞化についても
考えてみましょう。企業がその事業の拠点を海外へ移すという決断をするのはどういう理由
からでしょう。円高、労働力、市場などその要因は、業種業態あるいは企業ごとに千差万別
です。空洞化は様々な要因が複雑に絡み合って起こることで、全てを電力のせいにする議論
には恣意的なものを感じざるを得ません。

製造業の工場生産額に占めるエネルギーコストは業種によっても異なりますが、2~7%と
言われています。その内電気の比率は半分程度とすると、仮に電気料金が10%上がったと
しても総コストに与える影響はO・I%~O・3%とかいうレベルです。企業経営者なら容
易に判ると思いますが、そのレベルでコストが上がったからと言って工場を海外に引っ越す
でしょうか。慣れない海外での事業展開のリスクと天秤にかけた時、どんな判断をしますか
。そもそも、わが国以外で電力の安定供給(切断や電圧変動のない電力供給)が存在する国
とは一体どのくらいあるのでしょうか。さらに、こうした海外移転の経営判断は、国内での
雇用を放棄するという重大な意味を持つことも経営者として強く認識しなくてはいけないと
思います。

 Jun. 20,2016
原発の根本的な問題

今回の原発事故は人災だと言われます。確かに人類が引き起こした事故という意味では人災
ですが、その表現は多くの場合、異なる意味で使われています。今までのやり方に不備があ
ったから、それを修正すれば大丈夫。あるグループの人たちのミス・怠慢だから人を変えれ
ば大丈夫と言っています。本当にそうでしょうか? 未だ事故の真因が解明されていないと
いうのに、どうしてそう結論付けることができるのでしょう。人智を超えた未熟な技術と断
ずるべきではないでしょうか。

私たちはそう思いませんが、仮に百歩譲って原発の稼働の安全性が担保されたとしましょう。
しかし、最後まで残るのは使用済み核燃料の問題です。原発を推進する人たちは言います。
原発の使用済み核燃料は高速増殖炉、プルサーマルで完全なサイクルができるから夢のエネ
ルギーだと。20年前に動いているはずのもんじゅが彼らが言うように2050年に動くと
いう言葉を信じることは難しいです。日本以外の他の国では、すでに諦めて、最終的にはガ
ラスで覆って地下深く埋めるしかないという結論になっています。認めていないのはわが国
だけです。何故でしょうか。今このサイクルの破綻を認めてしまうと彼らの論理は根底から
崩壊してしまうからです。

この状況でいくらお金を積まれても、自分の家の裏庭に引き取って埋めてあげますよという
自治体が出てくるはずはないでしょう。原発を作った時と同じように地元に目くらましのお
金をばら撒いてお金の力で引き受けさせようというのでしょうか。いずれにしても、何万年
という単位でその毒性が消えないものを何世代いや何千、何万世代に残し、問題を先送りす
ることは人として、生き方としていかがなものだろうかと思うしだいです。私たちが次代
に残すべきは、どうしようもない核のゴミなどではなく、夢や希望ではないでしょうか。

新しいフロンティアヘ

今回の震災から学んだこととして多くの方々が挙げるのは、人と人とのつながり、それも顔
の見える関係の大切さです。例えば、被災地への物資支援においてもボランティア活動にお
いても、今まで高度成長を支えてきた中央集権的なしくみが今、限界を示し、それだけでは
問題が解決しないことが露呈しました。そこで、力を発揮しているのは、顔の見える人間関
係をベースにしたピンポイント型、あるいは独立型の活動としくみです。 それはこの原発
に端を発したエネルギーの問題についても当てはまります。電力会社と巨大企業を中心とし
た中央集権的なしくみの危うさが露呈した今、顔の見える関係をペースにした地域自立型の
しくみを併せ持つことが必要です。それぞれの地域でその地域の特性を活かした再生可能エ
ネルギーによるエネルギー自給に挑戦すべきと考えます。

この国には資源がないと言われます。しかし、技術の進歩とともに何か資源かは変ってきま
す。確かに、石油、ウラン、天然ガスはありません。しかし、海も森も川も火山もあるこの
国は自然エネルギーの宝庫です。そして、それらを安全に効率よく使う技術は実用化に向け
て様々な形で、すでに多くの萌芽を見せています。それらの芽は中小企業が持っているケー
スが多く、残念ながら中小企業にはそれらを実用レベルまで持ち上げる資金力やヨコにつな
いでシステム化する力が足りないのです。今まではほとんど全ての資金的なものも含めたサ
ポートは原発とその周辺に行ってしまっています。それらを再生可能エネルギー技術の実用
化とそのために頑張る中小企業に向ければ、あっと言う間に完成度の高い実用システムがで
きるはずです。そうすることで、地域の中小企業に仕事が廻る可能性があります。新たな雇
用を生む機会にもなります。従来の下請けとは異なる、自立型の事業が創出されるフロンテ
ィアが生まれるのではないでしょうか。

1基何千億円という巨額の投資が必要な原発に直接的に関われる企業はそう多くはありませ
ん。地域の中小企業に懇ってくるのは下請けの下請け、孫請けの孫請けといった価格発言権
すらないような仕事だけです。再生可能エネルギーは比較的に小資本で取り組めるので、地
域の中小企業に参入の機会が巡ってきます。また、海外の発展途上国のエネルギー体制構築
には有効かつ適切な方法であることも特筆しておくべきことと考えます。地域でエネルギー
の自給のための会社を起こすことで地域の人の意識と行動が変る可能性があります。その会
社は地域の企業も志民も関われる形態が望ましいと考えます。それによって今までは「他人
ごと」であった子不ルギーのことが「自分ごと」になります。

そして、自分の地域にどんな資源があるか真剣に考え調べるようになるはずです。大都へ向
かっていた意識・関心が自分の地域に向くようになります。まちづくりも変ってくるはずで
す。地域で子不ルギーを手がけることで、地域に仕事が発生し、地域でお金が廻り始めます。
 今までは、お金は電気料金あるいは税金として全て中央へ集められ、様々な経路を経て、
地域には補助金、交付金(特に原発所在地へ)として戻ってきます。そして、一部は前述の
原発を維持するために、毎年数千億の単位で位われています。

お金を牛耳って、それを配分することで自らの存在価値を示してきた国と、それをいただく
ための政策に四苦八苦してきた地方公共団体との関係も変るでしょう。自らの地域に関心を
持ち、地域の課題に自分ごととして積極的に関わり、顔の見える人間関係を大切にしつつ、
お金を廻していく。こういう小さくとも確かな循環が日本各地で起こり廻り始めることで、
この国のあり様を変えることにつながる。エネルギーのことは子不ルギーにとどまらない広
がりのある話なのです。図らずも震災に対する被災者の皆さんの秩序ある尊厳ある行動が世
界中から賞賛を受けました。1億2千万人という大きな数の日本人が、自然に恵まれたこの
国で平和に安全に安心して経済を廻して豊かに暮らす姿こそ、わが国が世界に発信すべき姿
ではないでしょうか。そして、そのノウハウこそ、世界に向けて日本が売り出すべき「商品」
ではないでしょうか。決して原発などではないはずです。

世界、特にアジアの各国に先駆けて、経済、社会、環境等の諸問題を、痛みを感じながら経
験してきた、いわば課題の先進国として、その経験から得た知見を活かし、アジアの隣人を
はじめとする世界の国々の健全な発展に貢献することがわが国の役割であるべきでしょう。
それはわが国の安全保障にも寄与することになるでしょう。



「経済」を問い直す

地域に生まれ、育ち、暮らす顔の見える人々とともに働き、地域に支えられ、地域を中心に
活動している私たち中小零細企業が目指すべきは、かけがえのない自然の恵みの中で、生き
とし生けるもの全てと共に生かし生かされ、全てのいのちが輝く生活の実現だと思います。
私たちが日々悪戦苦闘している商売という経済活動はそのための便法に過ぎません。今、私
たちは、「経済」という言葉の定義をやり直さないとならないのかも知れません。経済とは、
単なるお金のやりとりとその周辺での出来事だけを指すのではなく、本来は「経世済民」、
つまり、世の中をよくしていくための営みのはずです。そのため道具であるお金をいかに上
手に使っていくかという観点でお金というものを捉え直していかなくてはならないのだと思
います。経済を生産、分配、消費として捉えた古典派経済学に代表される西洋的伝統での定
義に対しての、天下を治め、民を枚うと捉えた東洋的伝統での定義に立ち戻ることだと思い
ます。

本来お金とは人と人をつなぐ道具でしかなかったはず。それがいつしかお金を持つことが目
的化し、お金のある所・人が価値があり、そうでない所・人は価値がないということになっ
てしまいました。それがお金をとても冷たいものにしてしまいました。ある地域を犠牲にし
て成り立つ原発のロジックを成立させるために使われてきた、いわゆる原発マネーはその最
たるものかも知れません。ここで今一度、お金に本来の割を取り戻させ、温かく顔の見える
ものにすることが必要です。お金は重要です。しかし、お金のものさしに加えて、もうひと
つのものさし=「いのちのものさし」が本当に必要な時代になったということでしょう。お
金の奪い合いにつながる狭い意味での経済ではなく、もっと広い意味で経済を捉えていくこ
とが必須だと思います。そのことで、この行き詰まり感から脱却し、懐かしく明るい未来が
描けるように思います。企業経営者として企業経営のあり方を再検証することが求められて
いると言えます。



経営者としての新たな実践

そうすることで、先に述べた「経済界」の主張は当たらないことが明白になるはずです。小
さく微力かも知れませんが、同じ「経済界」にいる「経済人」として考え、発言し、行動し
てまいりたいと思います。私たちが具体的に取り組むべきは、単なる反原発運動ではなく、
原発がないほうが健全な国・地域づくりができるという対案を示し、それを実践していくこ
とだと思っております。そのひとつは地域での子エネルギー自給のしくみを、最初は小さく
ともいいから、同時多発的に実現させることであり、そのための活動をしてまいります。た
さな循環を起こし、そのネットワークを創っていくこと。それが私たちの役割だと任じてい
ます。

                                   この項つづく





 

 

バイオマスで発電事業

$
0
0

 

     

                               

 

6 虚  実

味方の「実」で敵の「座」をつき、力ずくでなく敵の優拉にたつ。相手の力、欲望、弱点を
活用することによって主席権をとることができる。味方が果申し相手を分散させれば少数で
も多数に勝てる。

味方は集中し、敵は分散させる

相手の態勢を固定化させ、自分は自由自在に変化しうる態勢で応ずるならば、味方の力は集
中し、敵の力を分散させることができる。かりにこちらが一つに集中し、敵が十に分散した
とすれば、十の力で一の力を相手にすることになる。つまり味方は多勢で敵は無勢、ぶつか
る相手が少なくてすむわけだ。
どこから攻撃されるかわからないとなれば、敵はあちこちに力を分散して備えなければなら
なくなる。こうして敵の力が分散されればされるほど、こちらとぶつかる兵力は少なくなる
のである。前に備えれば後ろが手薄になり、後ろに備えれば前が手薄になる。左に備えれば
右が手薄になり、右に備えれば左が手薄になる。四方八方すべて備えれば、四方八方みな手
薄になる。

つまり、兵力の多少は絶対的なものではなく、敵味方の態勢のいかんにかかっているのだ。
兵力が少ないというのは、相手の出方がわからないために分散して備えなければならないと
いうことである。兵力が多いというのは、相手にこちらの出方をさとらせず、分散して備え
させるということである。
したがって、戦うべき場所、戦うべき日時を敵より先に知っているならば、たとえ千里の道
を遠征しても敵に勝つことができるが、逆に、戦うべき場所、戦うべき日時を知らなかった
ならば、左翼と右翼、前衛と後衛でさえもたがいに協力しあうことができない。まして数里、
数十里離れて戦う場合はなおさらである。

呉王よ、わたしの戦略をもって判断するならば、敵国越の兵力が、いかに表面的に多いとは
いえ、そのこと自体は決して勝敗に関係はない。わたしは断言する。勝利は自然の成行きで
得られるものではない、勝利は人がっくり出すものである、と。敵がいかに多くの兵力をも
っていても、戦えないようにしてしまうことはできるのだ。

「人を形せしむ」 相手を固定させること。「固定」は死滅を意味する。相手を「固定」ざ
せることによって、その発展をとどめようとする主張は、すさまじいまでに冷厳である。ま
た、優劣は絶対的なものではなく、集中戦略によって相対的優位にたつことができる。

 

 

 No.183

 【バイオマス発電事業篇:最新バイオマスバイナリ発電システム工学Ⅲ】 

● バイオマスの可燃性ガス化から水素製造まで

バイオマス(有機物)の加熱により熱分解反応が進行すると、低分子化して可燃性ガスを生
成する。この時に固体残渣(炭)、液体生成物(タール)が生成し、温度、圧力、処理時間、
処理の雰囲気等の制御で目的生成物の収率を高める。ガス化の場合には、圧力は高くとも数
気圧で800~1000℃程度に加熱するが、この時、吸熱反応であるため反応に必要な熱を加え、
空気または酸素を不全燃焼下で、原料の数割を燃焼する程度に維持(部分酸化)、経済的側
面から純酸素より空気を用いるケースが多く空気中の窒素が生成ガスを希釈するため生成ガ
スの発熱量が低くなる。これを回避するため、反応器の外部から間接的に熱量の供給を行う
ことも行われ(間接ガス化)される。


高温ガス化の技術は古くから知ら、技術的に既に確立されている。最も簡単な装置は固定床
ガス化装置であり、バイオマスを充填した高温反応器に部分酸化の空気を送り、他方から生
成したガスを抜き出すだけでガス化が進行し、連続運転時には、バイオマスを反応器の上部
から供給し続け、反応が終わった後に残る灰とチャーを連続的に反応器底部から除去し続け
る。分解が進むについてバイオマスは下方に移動する。大規模運転には流動層反応器や噴流
床反応器を利用することが可能である。流動層反応器は砂などの固体粒子群を下方から吹き
こんだ水蒸気などのガス化気体で、高温状態に保った浮遊流動下でバイオマスを供給するも
ので、バイオマスは高温の流動化粒子と接触し、迅速に加熱、分解、ガス化が進行。反応器
内の均一な温度分布と高い伝熱係数により効率なガス化を促進する。流動化粒子の多孔質化
により、これに生成するタールを吸着分解し、低温下で促進させるする低温ガス化技術の応
用開発されている。NEDO(バイオマスエネルギー高効率転換技術開発)は、❶木質系バ
イオマスによる小規模分散型高効率ガス化発電システム、❷バイオマスの低温流動層ガス化
技術、❸高含水バイオマスの高効率改質脱水技術を用いたガス化システムの3テーマが採択
されている。

噴流床反応器ではバイオマスを数十μmまで粉砕し、気流にのせて搬送しながら加熱分解を
行う。噴流床ガス化反応器でバイオマスから水素と一酸化炭素を主成分とする合成ガスを生
成し、これから液体燃料であるメタノールを生産するプロセス――バイオマスの高速ガス化
方式によるメタノール等気体・液体燃料への高効率エネルギー転換技術開発――も採択され
ている。バイオマスのガス化は石炭と比較して低温で進行、分解が不完全なままで反応器か
ら流出する有機成分が冷却されると液化してタール分となるが、ガスの通る配管を閉塞、後
段の設備に悪影響を与えるためガスのクリーンアップが必要となり、❶ガス化の後段に部分
酸化反応器を置いたり、❷反応器内で分解をさせたりする工夫がされているが、現在のとこ
ろ❸スクラバで洗うのが一般的。また、❹二酸化炭素の吸収剤を反応器内に導入し水素を主
成分とする生成ガスを得る方法も研究されている(下図表参照)。


以上のように、バイオマスのガス化技術開発の需要は水素製造に限らず、小規模で高効率な
利用的側面から今後も高温ガス化のタール改質、メタン発酵・水素発酵の発酵効率の向上、
超臨界水ガス化の実証の観点から開発が進められる。また、バイオマスの水素製造技術的側
面点から、必要な水素需要に応じた周辺技術開発が今後その重要性を持ち、プロセス全体の
効率向上、経済性も含めた最適システムの構築などシステム的なアプローチが求められてい
る。また、コンパクト化的側面かは下図ような非炉体――連続式熱化学型バイオマス原料ガ
ス化装置が提案されているので参考掲載しておこう(が具体的な装置情報は不詳)。

 
特開2017-14474  連続式熱化学型バイオマス原料ガス化装置

● 低温熱源 バイオマス発電のコア技術 スマートガスタービン

バイナリ発電などの自然エネルギーや省エネの市場拡大にともない低温熱源の小型ガスター
ビン装置開発が盛んとなっている。例えば、下図7に示す特許の小型ガスタービン装置が記
載によれば、小型ガスタービン装置300は、第1コンプレッサ303と第1膨張タービン
307とから構成される第1回転機構に加えて、第2コンプレッサ313及び第2膨張ター
ビン316からなる第2回転機構を備え、第2コンプレッサ313は、第1コンプレッサ3
03で圧縮され出力された空気の一部を受け入れて圧縮。第2膨張タービン316は、第2
コンプレッサ313にて圧縮された空気を膨張させ、第2膨張タービン316の排気を低温
熱源として利用できる構造/構成が提示されている。 



また、下図8に示す特許は、車両搭載に適したガスタービンシステム500が記載されたガ
スタービンシステム500は、ガスタービン装置502と、冷却流体生成装置505と、空
調ユニット506と、熱交換器507とを備えている。ガスタービン装置502は、第1シ
ャフト522により連結された第1圧縮機521及び第1膨張タービン523と、燃焼器5
26と、再生熱交換器527とを含み、ガスタービン装置502は、第1シャフト522に
連結された発電機524を含む。冷却流体生成装置505は、第2シャフト552により互
いに連結された第2圧縮機551及び第2膨張タービン553と、冷却器555と、水分離
器556とを含む。さらに、冷却流体生成装置505は、第2シャフト552に連結された
発電機554を含む。冷却流体生成装置505には、冷却器555よりも上流側に、気化器
557が設けら、空調ユニット506は、混合器562と、ブロア561とを含む。

また、第1圧縮機521は、大気中から取り込まれた空気を吸入して圧縮する。第1圧縮機
521から吐出された高圧の空気は、再生熱交換器527に流入した後に、燃焼器526に
流入。燃焼器526で発生した燃焼ガスは、第1膨張タービン523に流入し、ここで膨張
し大気圧程度まで圧力が減少する。第1膨張タービン523から吐出された燃焼ガスは、再
生熱交換器527に流入する。再生熱交換器527では、燃焼ガスと燃焼器526に流入す
る前の高圧の空気との間で熱交換が行われる。

第2圧縮機551には、第1圧縮機521により昇圧された空気(抽気)をガスタービン装
置502から抜き出すための抽気路504の一端が接続されている。第2圧縮機551は、
抽気を吸入して圧縮する。第2圧縮機551から吐出された高圧の空気は、気化器557及
び冷却器555を通過する。気化器557では、燃料の蒸発熱により第2圧縮機551から
吐出された高圧の空気の温度が低下する。冷却器555から流出した高圧の空気は、第2膨
張タービン553に流入し、ここで膨張して大気圧程度まで圧力が減少する。第2膨張ター
ビン553での空気の膨張により、冷気(冷却流体)が生成される。第2膨張タービン55
3から吐出された空気は、水分離器556を通過した後に、空調ユニット506に送られ、
水分離器556は、第2膨張タービン553から吐出された空気から水分を分離する。

第2膨張タービン553から吐出された空気は、混合器562においてブロア561から供
給された空気と混合されて、所望の温度に調整される。この調整空気が熱交換器507に送
られる。熱交換器507は、混合器562から流出した調整空気と上述した再生熱交換器5
27から流出した燃焼ガスとの間で熱交換を行うことにより、混合器562から流出した調
整空気を空調に適した温度に加熱する。そして、熱交換器507で加熱された空気が車室内
に供給される。ただし、冷房時には、空調ユニット506で空調要求温度に応じた温度に調
整した調整空気を、熱交換器507を経由せずに車室内に直接供給することもできる。この
ように、ガスタービンシステム500において、第2膨張タービン553から吐出された空
気が車室内の空調に利用される。

さらに、これらをふまえ熱効率を高め改良した下図□マイクロガスタービンが提示されて
いる。これによると、作動流体を流入させて圧縮する第一圧縮機、前記第一圧縮機から吐出
された作動流体中に燃料を噴射して燃焼ガスを生成する燃焼器、及び第一シャフトにより、
一圧縮機と連結され、前記燃焼器で生成した燃焼ガスを膨張させる第一タービンを含むマイ
クロガスタービン装置と、第一圧縮機から吐出された前記作動流体の一部である抽気を流入
させ、流入した前記抽気を作動流体として圧縮する第二圧縮機及び第二シャフトにより第二
圧縮機と連結され、第二圧縮機から吐出された作動流体を膨張させる第二タービンを含む抽
気サイクル装置と、を備え、マイクロガスタービン装置は、第二タービンで膨張して第二タ
ービンから吐出された前記作動流体を用いて、前記第一タービンの少なくとも一部を冷却し、
または、前記第一圧縮機に流入されるべき作動流体を冷却することで熱効率を高めている。


上図1のまず、第1実施形態に係るマイクロガスタービンシステム10aaは、マイクロガ
スタービン装置1aと、抽気サイクル装置2とを備え、マイクロガスタービン装置1aは、
第一圧縮機11、燃焼器15、及び第一タービン12を含む。第一圧縮機11は、作動流体
を流入させて圧縮。燃焼器15は、第一圧縮機11から吐出された作動流体中に燃料を噴射
して燃焼ガスを生成する。第一タービン12は、第一シャフト17により第一圧縮機11と
連結され、燃焼器15で生成した燃焼ガスを膨張させる。抽気サイクル装置2は、第二圧縮
機21及び第二タービン22を含む。第二圧縮機21は、第一圧縮機11から吐出された作
動流体の一部である抽気を流入させ、流入した抽気を作動流体として圧縮する。第二タービ
ン22は、第二シャフト27により第二圧縮機21と連結され、第二圧縮機21から吐出さ
れた作動流体を膨張させる。マイクロガスタービン装置1aは、第二タービン22で膨張し
て第二タービン22から吐出された作動流体を用いて、第一タービン12の少なくとも一部
を冷却する。

これにより、第一タービン12のタービン入口温度(第一タービン12に流入する燃焼ガス
の温度)を高めることができる。例えば、第一タービン12の入口温度を1300K以上に
高めることができる。このため、マイクロガスタービンシステム10aは、熱効率を高める
うえで有利である。 第一圧縮機11は、例えば、作動流体として大気圧の空気を流入させ、
例えば、遠心圧縮機であり、図1に示すように、マイクロガスタービン装置1aは、例えば、
電動発電機13をさらに備える。電動発電機13は、第一シャフト17に連結され、マイク
ロガスタービン装置1aの起動時には電動機として機能し、第一シャフト17を回転させる
ことで第一圧縮機11を動作させる。マイクロガスタービン装置1aは、例えば、再生熱交
換器14をさらに備え、この場合、第一圧縮機11から吐出された高圧の作動流体は、再生
熱交換器14に流入。再生熱交換器14に流入した作動流体は、再生熱交換器14で、第一
タービン12を通過した燃焼ガスとの熱交換により加熱される。再生熱交換器14を通過し
た作動流体は、燃焼器15に流入する。

図1に示すように、燃料は、燃料供給路51を通って燃焼器15に供給され、燃焼器15に
おいて作動流体中に噴射される。燃焼器15の内部には、例えばスパーク電極が配置され、
スパーク電極のスパークで燃焼器15で燃焼させ、高温の燃焼ガスが発生する。燃料には、
液体燃料/気体燃料――液体燃料としては、ガソリン、灯油、軽油、及び重油等の石油系燃
料、メタノール及びエタノール等のアルコール系燃料、並びにアルコール燃料を含有するア
ルコール系混合燃料を使用。また、気体燃料としては、例えば、CNG(Compressed Natural
Gas)、LPG(Liquefied Petroleum Gas)、MTBE(Methyl Tertiary Butyl Ether)、及び水
素などを用いる。

燃焼器15で発生した燃焼ガスは、第一タービン12に流入し、第一タービン12で膨張、
第一タービン12において膨張する燃焼ガスから回転トルクとして動力を発生する。この動
力で第一圧縮機11が動作するとともに、余剰の動力により電動発電機13で発電される。
第一タービン12から吐出された燃焼ガスは、再生熱交換器14に流入し、再生熱交換器14
で、燃焼器15に流入する前の高圧の作動流体と燃焼ガスとの間で熱交換が行われ、燃焼ガ
スが温度低下する。再生熱交換器14から流出した燃焼ガスは、マイクロガスタービン装置
1aの外部に排出される。

第一圧縮機11から吐出された作動流体の一部が抜き出されることによって抽気が発生する。
上図1に示すように、抽気は、抽気路52を通って第二圧縮機21に供給する。抽気路52
の入口は、第一圧縮機11の出口と燃焼器15の作動流体の入口とをつないでいる作動流体
の流路の途中に形成されている。マイクロガスタービン装置1aが再生熱交換器14を備え
ている場合、抽気路52の入口は、典型的には、第一圧縮機11の出口と再生熱交換器14
の作動流体の入口とをつないでいる作動流体の流路の途中に形成されている。抽気路52を
流れる抽気の流量は特に制限されないが、例えば、第一圧縮機11から吐出された作動流体
の20質量%~50質量%が抽気として抜き出される。

図1に示すように、マイクロガスタービンシステム10aは、例えば、中間冷却器16をさ
らに備えている。中間冷却器16は抽気路52の途中に配置されており、中間冷却器16に
おいて抽気が冷却水などの熱媒体によって冷却される。このため、中間冷却器16で冷却さ
れた低温の抽気が第二圧縮機21に作動流体として供給。これにより、第二圧縮機21を運
転するのに必要な動力を小さくする。

第二圧縮機21に流入した作動流体は、第二圧縮機21において圧縮されて第二圧縮機21
から吐出される。図1に示すように、抽気サイクル装置2は、例えば、熱交換器24をさら
に備えている。熱交換器24で、第二圧縮機21から吐出された作動流体と燃焼器15に流
入する前の燃料との間の熱交換が行われる。これにより、熱交換器24を通過することによ
り作動流体の温度が低下し、第二圧縮機21から吐出された作動流体が低温高圧の状態に変
化する。低温高圧となった作動流体は、第二タービン22に流入する。第二タービン22に
流入した作動流体の圧力は、第二タービン22において作動流体が膨張することにより低下。
第二タービン22から吐出された作動流体を用いて第一タービン12の少なくとも一部が冷
却される。例えば、図1に示すように、第二タービン22の出口から第一タービン12の少
なくとも一部まで作動流体の流路53が延びている。

第二タービン22において作動流体の圧力は低下するものの、第二タービン22は、例えば、
第一タービン12を流れる燃焼ガスの少なくとも一部の圧力よりも高い圧力の作動流体を吐
出する。この場合、マイクロガスタービン装置1aは、第二タービン22から吐出された高
い圧力の作動流体を用いて、第一タービン12の少なくとも一部を冷却する。第二タービン
22は、第一タービン12を流れる燃焼ガスの少なくとも一部の圧力よりも高い圧力の作動
流体を吐出するので、第二タービン22から吐出された作動流体を燃焼ガスの流れに流出さ
せることができる。

図1に示す通り、抽気サイクル装置2は、電動機23を含む。電動機23は第二シャフト27
で第二タービン22に連結される。電動機23は、典型的には発電電動機の一部として構成。
電動機23は、負荷の調整により第二タービン22の回転数の調整で、第二タービン22か
ら吐出される作動流体の圧力調整する。例えば、このような電動機23の働きにより、第二
タービン22は、第一タービン12を流れる燃焼ガスの少なくとも一部の圧力よりも高い圧
力の作動流体を吐出できる。電動機23の負荷の調整には、インバーターによる制御などの電
動機の負荷の調整方法に関する公知の技術を適用できる。



上図2に示す通り、第一タービン12は、例えば、タービンホイール12a及びタービンノ
ズル12bを含むラジアルタービンである。タービンホイール12aは、第一シャフト17
に固定されている。タービンノズル12bは、タービンホイール12aの半径方向外側でタ
ービンホイール12aの周囲に配置されているノズル翼12cを有する。第一タービン12
は、例えば、ケーシング12j及びケーシング12kをさらに含む。ケーシング12jの内
部にタービンホイール12a及びタービンノズル12bを収容、ケーシング12jはタービ
ンホイール12aに向かって半径方向内側に燃焼ガスを流すための流路を形成する。第一タ
ービン12に流入した燃焼ガスは、タービンホイール12aに向かってタービンノズル12
bを通過して流れる。また、ケーシング12kは、タービンホイール12aを通過した燃焼
ガスを流すための流路を形成している。燃焼ガスがタービンホイール12aを流れることで
タービンホイール12aが回転し動力が発生する。マイクロガスタービン装置1aは、例え
ば、第二タービン22から吐出された高い圧力の作動流体を用いて、タービンノズル12b
のノズル翼12cを冷却する。これにより、第一タービン12の入口温度を高めることがで
きる。上図2における矢印は、第二タービン22から吐出された作動流体の流れる方向を概念
的に図示。



上図3に示す通り、タービンノズル12bは、例えば、タービンノズルリング19により形成
されている。タービンノズルリング19は、第一環状板19aと、第二環状板19bと、周
方向に配置された所定の数のノズル翼12cとを含む。ノズル翼12cは、第一環状板19a
と第二環状板19bとの間に配置。タービンノズルリング19は、例えば、ケーシング12j
に固定。これにより、タービンホイール12aの半径方向外側でタービンホイール12aを
取り囲むように所定の数のノズル翼12cが周方向に配置。

下図4に示す通りノズル翼12cは、流路r1と、フィルム冷却流路r2とを有する。流路
r1は、ノズル翼12cの内部に形成された、第二タービン22から吐出された高い圧力の
作動流体の流路である。また、フィルム冷却流路r2は、ノズル翼12cの内周面からター
ビンホイール12aを向いているノズル翼12cの外周面のみに延びて流路r1及びノズル
翼12cの外部に連通している流路である。ノズル翼12cは、例えば、タービンノズルリ
ング19の軸線方向に延びる筒状の構造を有する。また、図2に示す通り、ケーシング12j
の内部には連通路18が形成される。連通路18によって、ノズル翼12cの内部空間が流
路53に連通している。第一環状板19aは、タービンノズルリング19の周方向及び半径
方向において各ノズル翼12cの内部空間と重なる位置に貫通孔を有す。これにより、第二
タービン22から吐出された高い圧力の作動流体が、流路53、連通路18、及び第一環状
板19aの貫通孔を通過して、ノズル翼12cの内部の流路r1に供給される。流路r1に
供給された作動流体によりノズル翼12cの内周面が衝突冷却され、また流路r1に供給さ
れた作動流体は、フィルム冷却流路r2を通ってノズル翼12cのタービンホイール12a
を向いているノズル翼12cの外周面で吐出される。これにより、タービンホイール12a
を向いているノズル翼12cの外周面がフィルム冷却される。タービンホイール12aを向
いているノズル翼12cの外周面の付近において燃焼ガスの圧力が低くなりやすく、流路r1
を流れる作動流体がフィルム冷却流路r2を通ってノズル翼12cの外部に流出しやすい。
これにより、ノズル翼12cの外周面がフィルム冷却されやすい。

例えば、図3及び図4に示す通り、各ノズル翼12cにおいて、タービンノズルリング19
の軸線方向に並んだ複数のフィルム冷却流路r2の複数のグループがタービンノズルリング
19の周方向に並んでいる。隣り合う2つのフィルム冷却流路r2のグループは、一方のグ
ループのフィルム冷却流路r2がタービンノズルリング19の軸線方向において他方のグル
ープのフィルム冷却流路r2とずれているように配置されている。これによりノズル翼12c
の外周面が均一にフィルム冷却されやすい。




図4に示す通り、ノズル翼12cの内部に、例えば、内筒12dが配置される。流路r1は、
内筒12dによってノズル翼12cの内部で二つの空間に隔てられている。内筒12dは複
数の貫通孔を有し、これらの貫通孔により、ノズル翼12cの内周面と内筒12dとの外周
面との間に形成された空間が内筒12dの内部空間と連通している。第一環状板19aは、
例えば、タービンノズルリング19の周方向及び半径方向において各ノズル翼12cの内部
に配置された内筒12dの内部空間と重なる位置に貫通孔を有す。このため、流路53を通
過した作動流体の一部は、内筒12dの内部空間に流入した後、内筒12dの貫通孔を通過
してノズル翼12cの内周面と内筒12dとの外周面との間に形成された空間に供給される。

例えば、流路53を通過した作動流体の約50%がノズル翼12cの内周面と内筒12dと
の外周面との間に形成された空間に供給される。内筒12dの貫通孔は、例えば、内筒12
dの外周面のうちフィルム冷却路r2が形成されていないノズル翼12cの内周面と向かい
合っている部分に形成されている。この場合、流路r1に供給された作動流体によってフィ
ルム冷却されにくいノズル翼12cの外周面に対応するノズル翼12cの内周面を衝突冷却
できる。このため、衝突冷却とフィルム冷却との組み合わせにより、ノズル翼12cを適切
に冷却できる。フィルム冷却流路r2が形成されていないノズル翼12cの外周面の温度は、
燃焼ガスによって高くなりやすい。このため、望ましくは、フィルム冷却流路r2が形成さ
れていないノズル翼12cの外周面には、窒化ケイ素などによる断熱コーティング(thermal
barrier coating(TBC))で形成される。

図2に示す通り、第一タービン12は、例えば背面流路r3をさらに有する。背面流路r3
は、流路r1に連通し、かつ、タービンホイール12aの背面bfの半径方向の端よりも半
径方向内側に位置する背面bfの部分に向かって延びている。このため、背面流路r3を通
過した作動流体によってタービンホイール12aの背面bfを冷却できる。これにより、ラ
ジアルタービンにおけるタービンホイール12aも冷却されるので、第一タービン12のタ
ービン入口温度を高めやすい。

第一タービン12は、例えば、バックプレート12m及び遮熱プレート12nをさらに含む。
バックプレート12mによって、第一圧縮機11と第一タービン12とが隔てられている。
遮熱プレート12nは、タービンホイール12aの背面bfと向かい合うように配置され、
背面流路r3の少なくとも一部は、バックプレート12m及び遮熱プレート12nによって
形成されている。第二環状板19bは、タービンノズルリング19の周方向及び半径方向に
おいて各ノズル翼12cの内部空間と重なる位置に貫通孔を有す。例えば、第二環状板19b
はタービンノズルリング19の周方向及び半径方向において各ノズル翼12cの内部に配置
された内筒12dの内部空間と重なる位置に貫通孔を有している。例えば、第二環状板19b
に形成された貫通孔によって、背面流路r3が流路r1に連通している。背面流路r3には、
流路53を通過した作動流体の約50%が流路r1を通過して供給される。遮熱プレート
12nの半径方向内側の端部には複数の貫通孔が形成されている。背面流路r3を流れる作
動流体は遮熱プレート12nの複数の貫通孔を通過して、タービンホイール12aの背面bf
に吹き付けられる。これにより、タービンホイール12aが衝突冷却される。タービンホイ
ール12aの背面bfに吹き付けられた作動流体はタービンホイール12aを流れる燃焼ガ
スに混じって第一タービン12の外部に吐出される。タービンホイール12aの背面bfに
は、望ましくは、応力低減のためのスカラップが形成されている。

 

       

❦ なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか ❦ No.28         

● エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議 活動の紹介

活動の大きな柱は二つです。

一つ目の桂は「再生可能エネルギーを中心とした地域のエネルギー自給体制を小さくてもよ
いから同時多発的に構築していくこと」。そのための情報やノウハウを会員間で共有できる
プラットホームとなり、各地の動きを促進します。具体的には、エネ経会議の特派員が全国
を飛び回り、先進的な事例を取材して、事業者の思いや事業立ちあげの経緯を苦労話ととも
に細介していきます。その記事を見てより多くの人が「あそこでこんなことができるなら、
自分のところでもできるかも知れない。やってみよう」と気づき、行動を起こしてもらえる
ことを期待しています。そう思い立ったなら、より詳細な話は直接当事者同士でやりとりし
ていただけます。そのような連携が、エネ経会議のキャッチコピーが「実践のネットワーク
」である所以です。後ほど、二つの地域から具体的事例を報告いたします。

二つ目の柱は「賢いエネルギーの使い方を学び、かつ実践すること」。

省エネに必要な技術や経済性に関する情報を会員個別の案件に合わせてアドバイスできるサ
ービスを提供します。エネ経会議の中に設置した「省・創エネセンター」には現在12名のエ
ネルギー関係の専門家・実務家にテクニカルアドバイザーとして登録していただいておりま
す。省エネだけでなく、創エネ、つまりエネルギーを作り出すことについても会員からの個
別の案件に関する質問やコンサルテーションの要望にリアルタイムで応えられる体制を敷い
ています。

省エネを進めることは、結果的にはエネルギーを作り出すことと同じ効果がありますし、さ
らなる技術革新を促し、新たなビジネスチャンスの開拓にもつながる日本経済の健全な発展
にとっても有意義なことです。さて、ここで再生可能エネルギーを中心とした地域のエネル
ギー自給体制構築の取り組みのうち、エネ経会議の会員が直接運営する実例を二つご紹介し
ます。島根県浜田市と神奈川県小田原市からの報告です。

島根県・浜田から 中国ウィンドパワー株式会社

中国ウィンドパワー株式会社が実質的に運営する浜田市の生湯温泉風力発電所1基、益田市
の高津川風力発電所1基、江津東ウィンドファーム11基、トータル13基で総出力350
万キロワットを発電し、経営が軌道に乗ったことで、「地域にお金をまわす」試みが可能に
なりました。いろんな面で先進事例といえると思います。私たちの会員矢口伸二さんが島根
県の浜田で11年前の2003年6月から風力発電に取り組んでいるのが中国ウィンドパワ
ー株式会社です。まったくの地元資本で、現在、島根県内3ヵ所に計13基の風車を建設、
年間発電量350万キロワット、総事業費57億円の規模で運営されています。

再生可能エネルギーの現況はこれから導入が本格化していく過程の途中の一通過点ですから、
過渡期につきもののさまざまな問題点に直面しております。この一点をあたかも最終結果で
あるかのような扱いで再生可能エネルギーを結論づけてしまうような論評が横行しておりま
すが、中国ウィンドパワー矢口伸二さんの取り組みはさまざまな経緯 を織り込み、一つひ
とつきちんと解決しながら時系列的位置づけを行い、先の見通しまで明らかにして、なおか
つ予測を加えているため、風力発電の本来あるべき姿が非常にわかりやすくなっています。

そういう意味で中国ウィンドパワーの取り組みを風力発電の最適ビジネスモデルの1つと評
価して、エネ経会議の活動の一環とし、2013年2月に会員20数名と共に現地視察に行
き、矢口さんに話を聴きました。中国ウィンドパワーの建設と運営で特筆すべき点は、関発
行為につきものの大規模な反対運動やトラブルがなかったということで、それは今も変わり
ません。大変興味深かったのは次の点でした。今から11年前、「3・11」が起きるより
かなり前のことでしたから全般に再生可能エネルギー、風力発電に対する関心が薄く理解が
なかなか得られないときでした。そんな時代に先駆的に着手するには大変な決断が要ったと
思います。



                                  この項つづく

  

最新量子ドット工学講座

$
0
0

  

      
                                     
6 虚  実

味方の「実」で敵の「虚」をつき、力ずくでなく敵の優拉にたつ。相手の力、欲望、弱点を
活用することによって主席権をとることができる。味方が果申し相手を分散させれば少数で
も多数に勝てる。

自由自在な変化

戦闘に際しては、次の四つの方法で敵情を把捉しなければならない。

一、十分に戦局を検討し、彼我の優劣を計算する。
一、敵に誘いをかけてみて、直ちに行動に移るかどうか、その出方を旅亭する。
一、敵の態勢を固定化させ、その死命を制しうる急所をつかむ。
一、小競り合いを試みて、故障のどこが強力か、どこが手薄かを判断する。

こうして味方の態勢を整えるわけだが、前述のとおり、戦闘態勢の神髄は、変幻自在で固定
した態勢をもたないことである。こちらの態勢が流動的で固定していなければ、敵側の間者
が陣中深く潜入していたところで、何もさぐり出すことはできないし、敵の軍師がいかに知
謀にたけていても、あらかじめ計略をめぐらすことはできない。敵の態勢に応じた自由自在
の変化によって勝利をつかかというやり方は、一般のものにはとうてい理解できないもので
ある。かれらは、こちらの採った戦闘態勢が勝利をもたらしたのだということはわかっても、
その態勢を生み出した根本に、固定した戦闘態勢を否定する変幻自在の考え方があ置にと
いうことまではわからない。したがって一度勝利をもたらした戦闘態勢をくり返し使おうと
しがちであるが、これはまちがいである。あくまで敵の態勢に応じて無限に変化することを
忘れてはならない。

       

❦ なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか ❦ No.29         

● エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議 活動の紹介

島根県・浜田から 中国ウィンドパワー株式会社

当時、中国ウィンドパワーがGE社製風車1基の建設を計画した土地は県立浜田海岸自然公
園に近接していることから島根県景観条例により規制の網がかかっていました。地元の理解
が得られないと条件をクリアできないため申請手続きになかなか入れず、結果として着工が
2年近くも遅れました。ところが、たまたま松江市で反対運動が起きたため、それに反発し
て地元から抗議の声があがったのです。

「なんで、おれたちの意見を聞かないで、松江で勝手に反対するんだ」

こうして地元が応援に転じたお陰で、浜田市の後押しもあり着工の運びになったということ
です。建設時の難題は公道への接続道路が私有地だったため35メートルのブレード(羽根)
を搬入する際に崖を削ったり、ガードレールを一部撤去せざるを得なくなって、地権者の一
人が急に反対にまわり、ストップしたことでしたが、そのときも、誠意を尽くして説得した
結果、トラブルなしに工事が竣工しました。

次に建設したのが益田市の高津川風力発電所で、日本製の2000キロワット風車を1基建
てました。3番目に建設されたのが私たちが視察に訪れた江津東ウィンドファームで、日本
製の風車11基が日本海の海岸線に並ぶ光景はなかなか壮観でした。中国ウィンドパワーの
取り組みから学ぶ点は、建設後も地元との連携を維持していくために、どんなに小さなミス
でも全員に説明してまわり、騒音の苦情があればすぐに謝 りにいってメーカーと対策を講じ
るなど、クレームから逃げずに前向きに対応してきたことです。地元と顔の見える関係を築
くために自治会と一緒に広い海岸の清掃に汗をかいていること、あるいは地元にお金(税金)
をまわすために高津川の風車は益田ウィンドパワーという別会社にして地元に登記したとい
うことなども、「他人の赤ちゃんの泣き声はうるさいが、一度でも抱っこしたことがある親
戚の赤ちゃんの泣き声はかわいい」のと同じことで、苦情より応援の声が大きい現状の原因
といってよいと思います。

中国ウィンドパワーの成功は、運営面ではこれまで述べたように地域とお互いに顔の見える
関係を築いたことが大きいといえますが、保守が行き届くように国内メーカーと提携したこ
とも見落とすわけにはいきません。島根県多伎町の風車はヴェスタスといって世界でベスト
セラーになっている機械ですが、止まったときなかなか修理に来てくれないため1カ月も止
まっていたりすることがあるということですし、島根県企業局の風車はノルディックスとい
う会社の風車で、建てたのがIHI石川島播磨でしたが、IHIが風車事業から手を引いて
しまったため、何かと不便をきたしているというように、管理とか定期点検をする会社を選
び間違えると宝の持ち腐れみたいになってしまいます。それに対して中国ウィンドパワーは
機械の性能はメーーカーによるバラツキは道からずなくなることを見越して、計画段階から
管理・保守を重視してメーカーを選定したことは大変賢明だったと思いました。維持する人
さえ来てくれれば風車は故障しても動くわけです。ところが、来てくれなければ風車はいつ
までも止まったままです。

建設面の成功の要因ということがらいうと、中国ウィンドパワーの江津東ウィンドーファー
ムはトータル11]基の建設費は49位円でしたから、1基当たりの建設コストは4億円にな
ります。近くの県企業局は同じサイズで9基63位円でしたから1基当たり7億円もしたこと
になります。行政は入札でしかメーカーを決められないため結構いい値段で買わされるわけ
ですが、道路の建設費がコストに入っていないことを考慮しますと、極めて高くついたとい
えそうです。隣県の鳥取県北栄町は9基27億円でしたから1基当たり3億円でつくったこ
とになり、行政同士の比較でも大きな差が出たことになります。

中国ウィンドパワーの場合は、風況調査は当然のことながら、高圧線の敷設コストが1キロ
メートルー位円という現況を重く受け止めて、中国電力の高圧送電鉄塔の近くに立地させた
こと、取り付き道路の建設コストを低く抑えられたことなどが成功に大きくエネルギーから
経済を考える経営者ネットワーク会議 活動の紹介あずかっていると感じました。

そうした取り組みの中で特筆されるのが、「3・11」後に発足した固定価格買取制度の対
象から一時はずされかけたときの対応です。先発事業者の売電価格は適用になる後発の約半
分ですから、さらなる倒産が予想されました。ましてや、全国の風力発電のシェアの半分近
くをユーラスエナジーとJパワー2社が占める現状の中で、零細の風力発電事業者はリーマ
ンショックなどの影響で運営に行き詰まり大手に吸収されることが多かったときです。危機
感を抱いた矢口さんは地域経済の担い手を自覚して運動を展開し、適用を受けられるように
するなどハ面六背の働きをしてきました。こうした経験と実績を10年以上も前から持つ矢
口さんをエネ経会議のメンバーに迎えられたことは嬉しいかぎりです。



神奈川県・小田原から ほうとくエネルギー株式会社

2012年12月には小田原市にメガソーラーを中核事業とした小田原ほうとくエネルギー株
式会社が誕生しました。小田原はかまぼこはもちろんですが、干物、みかん、銘菓、木工製
品、鋳物、曽我梅林の梅干、などなど、ご当地「小田原」ブランドを大切に守り育てるため
に結束して何かをするという精神的土壌とでもいうような、つまり「顔の見える関係」を大
切にする気風が昔から強く存在しました。小田原のご当地電力「ほうとくエネルギー」誕生
までのいきさつには、そうした精神的土壌が強く働いたように思われます。

ほうとくエネルギー副社長の志滓昌彦さんには子不経会議の臨時総会(2012年11月1
7日)で小田原再生可能エネルギー事業化検討協議会のコーディネーターとして事例発表を
してもらいましたし、新会社のお披露目イベントとなった「小田原電力、はじまります。」
(2013年3月10日)でも、現職の立場で事例発表していただきました。そのときのス
ピーチの記録を元にして紹介します。冒頭にも触れましたが、小田原では古くから漁業農業、
林業、観光業、商工業全般を問わず地域起こしの取り組みが伝統的に営まれてきました。遠
く遡れば小田原北条氏の時代に達します。最近になって、そうした物心両面の営みを土台に
多様な市民団体を取り込んだ「無尽蔵プロジェクト」が生まれたのがよい例といえるのでは
ないかと思います。

小田原市のご当地電力の発足はいわば協働の精神的風土と加藤憲一市長が就任早々から地域
での再生可能子不ルギー自給化に取り組んだ成果といえるかもしれません。まず市主導の「
小田原まちづくり学校」が始まりました。第2弾の勉強会がまさに再生可能エネルギーをテ
ーマにしたもので、講師役の飯田哲也(環境エネルギー政策研究所)さんと加藤市長がいろ
いろとやり取りする中で「小田原電力」のアイデアが生まれたわけです。さらに地元の商工
業者、地元の金融機関、地元の大学などが協議会を立ち上げそこでまとめた小田原電力の計
画が環境省の2011年度地域主導型再生可能エネルギー補助事業7件のうちの1件に選ば
れました。それを受けて、小田原再生可能エネルギして、2012年12月11日、元ソニ
ー上席常務としてパソコンやビデオ機器など半導体関連の具体的なビジネスモデル事業化に
多くの実績を持つ蓑官武夫さんを社長に迎え、志澤さんを副社長として、地元企業24社の
出資で「ほうとくエネルギー株式会社」設立の運びとなりました。

2013年3月10日、「小田原電力、ばしまります。」のキャッチコピーで、同社とエネ
経会議の共催でローカル子不ルギー・ミーティングを開き、映画『第4の革命』の監督カー
ル・フェヒナーさんをお招きしてダイジェスト販の上映とミニ講演を企画、併せて「ご当地
電カミニサミット」を行ないました。小田原には空かあり、海があり、豊かな森があり、川
があって、地熱にもめぐまれています。当面は小水力事業なども視野に入れながら小田原市
の「屋根貸し事業」に応募するなどしてメガソーラーから着手しますが、地域のコミユニテ
ィづくりのため市民ファンドのかたちで参加者を募ります。小田原は二官金次郎の経世済民
「報徳思想」を重んじる土地柄です。いわゆる「分度」の考え方で、使うエネルギーの量を
決めて使える範囲でやっていく(省エネ、節エネ)ことを旨とし、使えるだけ使ってしまう
といった従来のライフスタイルを深く反省して必要なエネルギーは自分たちでつくっていく
(創エネ)、太陽光だけでなくさまざまな再生可能エネルギーをビジネス化することで地域
にお金をまわし、くらしやすいまちにして未来へつないでいく(推譲)、こうしたことを使
命としているところがほうとくエネルギーの大きな特徴で、大規模にやっているところとの
違いはここにあるといえます。ここではすべての活動を説明するだけのスペースがないため、
ごく一部の活動事例のみをご紹介しました。全体としては以下のような活動計画で臨んでい
ます。



【巻末資料】

エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議 今後の活動計画

1 地域で再生可能エネルギーを中心としたエネルギーの自給体制をつくることに資する活動

①各地での取り組みに関する情報の収集と共有

●全国各地で計画中あるいは進行中の再生可能エネルギーを中心としたエネルギー自給の取
り組みに関する情報を収集し、データベース化し、WEBサイト上にて会員間で共有できる
ようにします。
●情報収集と取材の体制を確立します。

②行政の施策についての勉強会の開催

●各地のエネルギー自給の取り組みの紹介や、環境省等からの講師派遣を受け、国行政の助
成メニューについての説明・意見交換等を行う勉強会を開催していきます。
●月1回ペースで全国9ヵ所で開催予定。(場所、日程は今後の調整に依る)
●対象は原則、会員。入会促進の機会にもしたいので、入会希望者も参加可とします。

③先進地事例視察

●再生可能エネルギーの地域での自給体制構築に向けての動きの実例について現地視察を行
います。
●年4回程度実施予定。
●上記②の勉強会との併催も検討中。
●対象は原則、会員。入会促進の機会にもしたいので、入会希望者も参加可とします。

④各地域での志民、行政、各種諸団体との連携、協議、情報交換と啓発活動

●本会と目的を一にする団体、地域でエネルギーの自給に取り組む団体等との連携を図りま
す。
●友好団体からの情報(例えば、勉強会やイベントの案内など)を適宜判断をし、WEBサ
イト上で告知します。

2 賢いエネルギーの使い方を学び実践することに資する活動

①省エネ・創エネについての知恵・技術情報の共有

●省エと創子不の知恵とノウハウについての情報を収集し、WEBサイト上にて会員間で共
有できるようにします。
●会員事業所での成功・失敗事例に関する情報を会員間で共有できるようにします。

②省・創エネセンターとテクニカルアドバイザー(技術的専門家グループ)の設置

3.組織確立と強化に資する活動

①法人化(一般社団法人)
②機能強化

●事務局体制の充実と強化をします。
●省・創エネセンターを創設し、稼働開始します。
●PR/広報チームを設置します。

③財政基盤の強化

●収入源の創出について調査研究します。

4.積極的な意見発信と発言力の強化 に資する活動

●社会への意見発信力の強化を図ります。行政や国への提言や要望を提出していき ます。
●様々な多数の会員が活動している組織であることの発信に心がけます。

5.会員間での情報の共有と連携促進に資する活動

①会員同士の情報/意見交換の場の設営(リアル&バーチャル)

●上記の勉強会、先遅延視察などと絡めて、各地域で会員の交流の場を設けます。

6.会議

●総会の開催 2013年5月
●臨時総会の開催 2013年11月新法人立ち上げ
●地区別会議の開催

その他 今後に向けての検討課題

①持続可能な企業経営と経済の実現のための調査研究と提言発信

●この国のエネルギーの方針は二回に明確にならず、国政選挙も絡み、まだまだ混沌とした
状況が続きそうです。そんな中、2年目を迎えたエネ経会議としては、法人化を含む組織の
機能強化と会員の拡充を回りつつ、世の中の動向にアンテナを掲げつつ、今とるべきアクシ
ョンとじっくり取り組むべき課題を峻別し、迅速かつ的確に活動をしていきたいと思ってい
ます。

あとがき

東日本大震災から2年半がたち、エネ経会議発足から1年半がたちました。原発問題を含め
たこの国のエネルギー政策は国民的な議論がないまま、いまだはっきりとしていません。
原発を動かさなければという議論は、電力会社とそこにお金を貸し込んでいる一部金融機関
の財務的な経営問題に起因するものでありましょう。いつぞやの銀行の不良債権問題と同じ
姿が見え隠れします。原発という不良債権の処理を一日も早く決断することによって新しい
動きに拍車がかかります。また、使用済み核燃料という負の遺産もこれ以上増やすことをや
めなくてはなりません。

限られた天然資源と温暖化に代表される自然環境の制約、人目の減少・高齢化の中で、省エ
ネを進め、安全・安心なエネルギー体制をつくっていくことは必須です。そのことは地域が
自立した持続可能な社会のあり方を実現していくため、この国の産業構造を変えていくため
の大きな力であり、いまがそのために舵を切るチャンスなのだと思います。これからもっと
食料も子不ルギーも必要になる発展途上国にとっても、早晩わが国が経験してきた問題に直
面するであろうアジアの国々にとっても、モデルとなりるあるべき姿を示すのが世界に向け
ての日本の責務だと思います。

経済界も先の利益だけに右往左往するのでなく、あるべき姿をきちんと描いて、それに向か
って現実対応しながら∵歩一歩進んでいく。売り上げとかシェアとかだけでなく、どんな世
の中を目指すのか、そのなかで自社がどういう役割を果たしていきたいのかをしっかり示し
ていくこと。それが会社という社会の公器の経営に責任を持つ者の醍醐昧だと思います。
世界に影響を及ぼすような巨大企業の社長であろうと、私たちのような、今月の資金繰りに
頭を悩ませながら、切った張ったの商売に四苦ハ苦の日々を暮らしている地域に根差したち
っぽけな中小零細企業の経営者であろうと、会社の規模に大小はあっても志の大きさには違
いがあってはならないのだと思います。政局がどうなろうと私たち地域の中小零細企業の経
営者ができること、やるべきことは変わらないと思います。けっして政治を諦めるのではな
く、経済人としてできること、やるべきことを粛々とやっていきたいと思います。それは自
らの決心と覚悟が求められることだと自戒を忘れることなく。

さいごに、この本の出版に際してお世話になった合同出版のハ尾浩幸さんはじめ多くの皆さ
ま、なかでもボランティアそのもので対談にお付き合いくださったアドバイザーの皆さま、
エールをお寄せくださった菅原文太さん、米倉誠一郎さん、同志であるエネ経会議会員の皆
さま、勝手気ままな息子、弟、副社長を温かく見守ってくれている鈴威かまぼこの会長の智
恵子、社長の博晶、社員の皆、そして、留守がちな家をしっかり守ってくれているわが妻知
子に心より御札を申し上げます。
                                    鈴木悌介

どっかりと地に足をつけた市民運動が展開されていくさまに触れ感銘する。方や製造責任を
忘れたかのような原発再稼動を急ぐ、支離滅裂漂う政府・大手電力会社の動き。ノーモア!
原発、ノーモア!核兵器である。

                                                        この項了

 No.184 
【量子ドット工学講座 No.52:最新量子ドットLEDディスプレー事業】

矢野経済研究所は2018年3月、量子ドット(QD)ディスプレイとその関連部材の世界市場を
調査し発表した。QDディスプレイ市場は2017年見込みが200万枚となり、前年比58.5%と大き
く落ち込んだ。その後は回復し、2019年には550万枚の市場規模が予測されている。QDディ
スプレイは、光エネルギーを吸収、変換する機能をもつQDを液晶ディスプレイ(LCD)に応
用した製品。バックライトの消費電力を増やさずに高い色再現性を実現する。ただ、QD材料
やQDシートなど関連材料が高価であることや、QD粒子にガドミウムが含まれることもあって、
QDディスプレイ搭載のTVを量産している企業が、これまでは限定的であった。こうしたこと
から、QDディスプレイのメーカー出荷数量は、2016年の342万枚に対して、2017年は200万枚
まで落ち込む見込みだ。これに対して2018年からは、先行する韓国と中国のセットメーカーに
加えて、複数のセットメーカーやディスプレイメーカーが、QDディスプレイ搭載のTVやモニ
ターの量産を始める予定。同時に画面サイズの大型化や中級機種のTVにも搭載が見込まれる。
これらの状況を踏まえ、2018年は350万枚、2019年には550万枚へと、市規模は一気に拡大す
ると予測した。

Mar. 28, 2017

QDディスプレイ関連部材には、QD粒子とバインダーレジンを配合した溶液である「QD材料」
QD粒子を面状発光体にした「QDシート」、QDシートの上下に貼り合わせてQDの劣化を防
止する「QDシート用バリアフィルム」、発光効率や色純度を向上させる「QDカラーフィル
ター」、QDをエレクトロルミネッセンスとして用いた「QLED」などがある。今回の調査で
は、関連部材の中でQD粒子の出荷数量(重量ベース)について予測した。2016年は3.11トン
となったが、2017年は1.9トンに縮小。しかし、2018年には3.85トンに増え、2019年は7.15ト
ンに拡大すると予測。 今回の調査は、2017年12月~2018年3月に実施。QDディスプレイ関
連部材メーカー、QDディスプレイメーカー、セットメーカーなどに対し、専門研究員が直接
面談や電話/メールによるヒアリングなどを行った。調査結果は「2018年版 量子ドットディ
スプレイ部材市場の現状と将来展望」としてまとめている。

● アップル社が開発中の「MicroLED ディスプレイ」

スマートフォンやスマートウォッチに使われているディスプレイは液晶や有機ELが大多数。
Apple(アップル)社は「MicroLEDディスプレイ」をApple Watchや、ARメガネなどのAR(
拡張現実)ウェアラブルデバイス用に開発中。この原理は、ミクロなLEDを高密度に敷き詰め
ることで、有機ELをも超える明るさ、色再現度、長寿命、そして省電力性が実現できると期
待されている。台湾紙のDigiTimes社によれば、Appleは台湾半導体ファウンダリのTSMCと共
同でふたつの大きさのMicroLEDディスプレイを開発しているとのこと。1.3~1.4インチの
Apple Watch用と、0.7インチ~0.8インチをARウェアラブルデバイス用の2種類。また、別の
プロジェクトではMacBookよりもずっと大型なデバイス用のMicroLEDも開発忠である。これ
らのMicroLEDディスプレイは、2018年後半から2019年かけて量産予定。2018年後半の「Apple
Watch Series 4」か、2019年の「Apple Watch Series 5」あたりで採用予定か、一方で、ARウェア
ラブルデバイス用のディスプレイの量産時期は決まっていないが、大型のMicroLEDディスプ
レイは2019年に量産予定。このMicroLEDディスプレイは同型の有機ELディスプレイよりおよ
そ5倍ほど価格が高く、Apple Watchの最上位モデルに搭載されるのではとか普及には製造コ
ストダウンが前提とか噂されている。

 Apr. 3, 2018

AppleのMicroLEDディスプレイについては、BloombergがAppleのカリフォルニア本社近くの
製造工場で開発・少量生産が開始されていると報じている。高価格が気になるが、まずはど
れだけ美しいのかをこの目で確かめる必要があると ギズモード・ジャパンは伝えている。

❑ 特開2018-044142 半導体ナノ粒子およびその製造

【要約】

コアと、コアの表面を覆いコアよりもバンドギャップエネルギーが大きくかつコアとヘテロ接
合するシェルと、を備え、光が照射されると発光する半導体ナノ粒子であって、コアが、M1、
M2、およびZを含む半導体であって、M1が、Ag、CuおよびAuからなる群より選ばれる少なくと
も一種の元素であり、M2が、Al、Ga、InおよびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の元
素であり、Zが、S、SeおよびTeからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素である半導体か
らなり、シェルが、第13族元素および第16族元素を含む半導体である半導体ナノ粒子を特徴と
する、低毒性の組成とし得る三元系ないし四元系の量子ドットからバンド端発光が得られる構
成を備えた、半導体ナノ粒子及びその製造方法を提供する。



❑ 特開2018-049268 表示パネル、表示装置、入出力装置、情報処理装置、表示パネルの作製方法

【要約】

第1の機能層は画素回路および第1の絶縁膜を備え、第2の機能層は着色膜および第2の絶縁
膜を備え、第1の絶縁膜および第2の絶縁膜はいずれも0.5μm以上3μm以下の厚さおよ
び3GPa以上12GPa以下のヤング率を備え、封止材は第1の基材および第2の基材の間
に挟まれる領域、第1の基材および第2の基材を貼り合わせる機能を備え、構造体は第1の基
材および第2の基材の間に挟まれる領域、第1の基材および第2の基材の間に所定の間隔を設
ける機能を備え、画素は第1の基材、第2の基材および封止材に囲まれる領域、表示素子、画
素回路および着色膜を備え、表示素子は画素回路と電気的に接続され、着色膜と重なる領域
液晶材料を含む層を備え、液晶材料を含む層は上記の間隔を満たす表示パネルの提供。


 

 ● 今夜の一曲

『ときめきのルンバ』

「2009年8月19日にコロムビアミュージックエンタテインメント(現日本コロムビア)から発売され
た氷川きよしの19枚目のシングル。デビュー10周年シングル第2弾。A面の「ときめきのルン
バ」はこれまでの演歌路線とは異なり、昭和歌謡風の楽曲となる。

 

 


雨の後こそ色まさりけれ

$
0
0

      
                                     
7 軍  争

つまり戦闘の心得である。この場合も「正」と「奇」の組合せ、「静」と「勣」の運用によ
って、合理的に勝利することが強調される。

「迂直の計」

およそ戦争というものは、まず将帥が君主の命を受けて兵士を染め、軍を編成し、陣を構え
て敵と対峙するという順序で展開するのだが、本当に難しいのは、そのあと、つまり戦闘の
やり方である。戦闘の難しさは「迂をもって直となし」(急がば回れ)「患をもって利とな
す」(禍いを転じて福となす)ところにある。たとえば、敵より遅れて出発しながら、わざ
と回り進をして敵を安心させ、妨害のないのに乗じてかえって先に到着する、これが「迂直
の計」である。

戦闘において勝利と敗北は紙一重、この「迂直の計」をわきまえているか否かにかかってい
る。全軍を一挙に戦線に投入するようでは、かえって勝利はおぼつかない。また、勝を焦っ
て、勢いにませて全軍を猛進させるようでは、後続する補給部隊が切り離されてしまう。戦
闘に際しては、次の四つの方法で敵情を把捉しなければならない。これは遠征する場合、と
くに注意を要することだ。重い鎧をまとって打殺兼行で急行軍するとなると、その損害は甚
大である。こういうやり方で百里遠征すれば、総大将が捕虜にされてしまう。

なぜなら強い者だけが先になり、弱い者は取り残されて、十分の一の兵力がやっと戦場に到
着して戦うことになるからである。また、五十里遠征するとなれば、半分の兵力しか戦場に
到若しないから、上将が捕虜にされてしまう。三十里遠征する場合でも、三分の二だけが戦
場に到着して戦う結果になる。軍に補給部隊がなければ敗北し、食糧その他の貯えがなけれ
ば敗北するのである。このほか遠征に際しては、敵国のはかりごとを知らずして兵を勁かす
のは危険である。敵国の山川、森林、沼沢などの地形を知らずに行軍することはできない。
また道案内を用いなければ、地の利は得られない。

ネガティブな発想 「迂直の計」は、自然法則の冷静な観察からうまれたものであり、単純
に「だますテクニック」とみることはできない。それは、老子の哲学によって高づけられて
いるのである。「まさにこれを拉めんと欲すれば、必ず固くこれを張ス。まさにこれを弱め
んと欲すれば、必ずこれを強くする。・・・ まさにこれを奪わんと欲すれば、必ず固くこれに
与う」(縮めたければ、まず伸ばしてやる。弱めたければ、まず強めてやる。・・・ 奪いたけ
れば、まず与えてやる。『老子』)


立ちまよふちりをしづめて桜花雨の後こそ色まさりけれ   樋口一葉

【樹木トレッキング 23:シウリザクラ 】

シウリザクラ(Prunus ssiori)は、バラ科サクラ属の落葉高木。別名、ミヤマイヌザクラ、シ
オリザクラ。幹の高さは10~20メートル、径は60センチメートルに達する。樹皮はやや紫色
を帯びた淡褐色から灰褐色で、老樹になると縦に裂け目が入り、不規則な小裂片となって裂
け落ち、独特な香気を発する。若い枝は紫褐色で毛はない。葉は互生し、葉柄は長さ2~4セ
ンチメートルになり毛はなく、2個の蜜腺が葉柄の上部につく。葉身は長さ7~16センチメー
トル、幅3~7センチメートルの倒卵状長楕円形から長楕円形で、先端は尾状にとがり、基部
は心形となる。葉に側脈が11~14対あり、表面は深緑色で無毛、裏面は淡緑色で脈の腋に毛
があるほかは毛はない。縁には先が芒状または刺状になってとがり先端が腺になる鋸歯があ
る。

 Wikipedia

花期は5~6月。花は葉の展開後に咲き、新しい枝の先に長さ10~20センチメートルの総状花
序をつけ大きな試験管ブラシ状に多数の花をつける。花序枝の下部に3-5個の葉がつく。花
は径7~9ミリメートルで、淡黄色を帯びた白色の5弁花、花柄は長さ6~8ミリメートル、花
弁は円形で長さ4~5ミリメートルになり花時には水平に開く。萼筒は長さ約3ミリメートル
の杯形で、内側の基部に軟毛が生え外側は無毛、萼の先は5裂し裂片の縁には腺毛状の鋸歯
がある。雄蕊は多数あり、花弁より短いかほぼ同じ長さ。雌蕊は1個あり、無毛で花弁と同
じ長さ、先端は盤状に広がった柱頭になる。果実は長さ7-10mミリメートル、径8ミリメー
トルの卵状球形の核果で、赤く熟し7~8月には暗赤色から黒色に熟す。完熟しても苦味があ
る。日本では、北海道、本州の中部地方以北、隠岐の島に分布し、山地の川沿いや谷間などに生
育する。北海道に多く、土地が肥え水分に恵まれた場所に多い。また、ウワミズザクラより高冷地に
生育する。世界では、中国大陸(東北部)、ウスリー、樺太、南千島に分布する。

【類似種】

イヌザクラ(Prunus buergeriana )は花序枝に葉がつかない。シウリザクラ、ウワミズザクラ
(Prunus grayana )、エゾノウワミズザクラ(Prunus padus )は花序枝に葉がつくが、シウ
リザクラは花序が長く太く、花弁と雄蕊がほぼ同長、葉の基部が明らかな心形で蜜腺が葉柄
の上部にあるのに対し、ウワミズザクラは花序が短く、花弁より雄蕊が長い、葉の基部が鈍
形・円形で蜜腺が葉身の基部にあること、エゾノウワミズザクラは花序が短く、花弁が大き
く、花弁より雄蕊が明らかに短い、葉の基部が円形・やや心形なこと(蜜腺は葉柄の上部に
あるの)で区別がつく。

 

 
【宅トレで楽しく健康づくり:その2+iPhone7習得日誌】

過日、テレビを流れていた記憶を整理整頓することに1つは、 スマートフォンを使用し続けると眼
精疲労を酷くさせ、ドライアイを誘因、うつむき加減で猫背姿勢となること、そして唾液腺
を圧迫し、通常、1日に1~1.5リットルもの量が分泌されるだ液量が少なくなり(ドラ
イマウス)、これが口臭――唾液量の減少による口腔内の乾燥は、若者から高齢者まで幅広
い年齢層で誰もがなる症状、口の中が乾燥すると、口臭の発生や虫歯の悪化、食事のしづら
さ、味覚異常、舌の痛みなど、日常生活において多くの問題を引き起こす――がひどくなり
歯周病にはじまり身体に様々な悪影響を及ぼす。唾液量減少を直すためのマッサージがネッ
ト上で紹介されている(下図)。



肩こりを直すには疾患部の筋肉のこわばりをストレッチやマッサージほぐせばよい。その強
度の数値化にはデュロメータや歪みメータで計るればよい(下図)。話はそれる。計量メー
カのタニタは、すでに肉質測定装置(デュアルタイプ体組成計 インナースキャンデュアル―
―医療分野や研究施設等で使われているプロフェッショナル体組成計に近い高精度測定を2
つの周波数で測定を行うデュアル周波数測定)を販売している(下図特許事例参照)。次世
代の体組成計 最高峰モデル・高精度デュアル周波数測定と部位別測定を搭載したタニタ最
高峰モデル。❶タニタがこれまで培ってきた技術を全て搭載し、測定項目数はタニタ史上最
多の26項目(50g単位の高精度測定)、❷iPhone・Androidスマートフォンと連携、❸Blueto-
oth通信に対応し、対応のiPhone・Android端末にデータを転送。対応アプリ「ヘルスプラネッ
ト」で測定データを管理できる。❹世界初の部位別筋質測定――グリップを握る8電極方式の
採用で、全身と5つの部位ごと(左腕・右腕・左脚・右脚・体幹部)の体脂肪率、筋肉量、筋
肉スコアを測定、❺世界で初めて部位ごとの筋質点数測定を実現。両腕・両脚はそれぞれ筋
肉の質を指標化した「筋質点数」測定が可能。❻新機能「脈拍測定機能」を搭載――①体組
成測定と脈拍測定をこれ1台で測定、②アプリ「ヘルスプラネット」を使えば、体組成計で測
定した平常時の脈拍から「運動時目標脈拍数」を自動的に算出。心肺能力に合わせたトレー
ニングが可能。価格は53,784円(税込)とそれなりに高いが世界にはないものと考えれば、
”お安い”のでは。、

❑ 特開2015-029832 筋質評価装置

【要約】

生体電気インピーダンスの抵抗成分及びリアクタンス成分、並びに生体に所定の低周波数の
交流電流を供給して計測される第1インピーダンス及び前記生体に所定の高周波数の交流電
流を供給して計測される第2インピーダンス、の少なくとも一方の生体電気情報を取得する
第1取得部20と、前記生体の体格に関するパラメータである体格パラメータを取得する第
2取得部21と、前記抵抗成分と前記リアクタンス成分との比で表される第1パラメータ、
及び前記第1インピーダンスと前記第2インピーダンスとの比で表される第2パラメータ、
の少なくとも一方のパラメータと、前記体格パラメータと、に基づいて、筋組織における筋
線維と間質組織との割合に応じた指標を算出する算出部22と、を備え、細胞内液と細胞外
液とが同程度に減少又は増加した場合であっても、筋細胞の萎縮又は発達を反映した指標を
算出可能な筋質評価装置を提供する。


しかし、これは休憩をとることで防ぐことができる(ちいさな働き方改革ですね、これは)。
あるいは、緑茶などで口腔内の乾きを防ぐことも、または作業姿勢、真正面をみてスマート
フォンを操作することでも解消できそうだ。デスクワークの情報端末器を日常的におこなう
わたしたちも同様で、自身では気づかないひどい口臭→歯周病→ひどい体臭→ストレス→成
人病(肥満、糖尿、血栓、梗塞、発ガン)の疾症リスクを高めるから宅トレ励行は必須とな
るが、それがこなせてない。

 

 

映画『ドクトル・ジバゴ』

高一のときに映画鑑賞している(記憶は断片的だ)。BS放送で途中から再度鑑賞する。色
褪せてはいないが記憶は断片的だが様々な思いが去来し胸熱くなる。『ドクトル・ジバゴ』
(Доктор Живаго, Doctor Zhivago)は、ソ連の作家ボリス・パステルナークの小説。1957年
出版。ロシア革命の混乱に翻弄される、主人公で医師のユーリー・ジバゴと恋人ララの運命
を描いた大河小説。「戦争と革命の最中でも、人間は愛を失わない」内容でノーベル文学賞
を授与された。パステルナークが住んでいたソ連では自国の社会像が赤裸々に込められた『
ドクトル・ジバゴ』はロシア革命を批判する作品であると考えられたために発表・出版はで
きず、イタリアで刊行され、世界的に知られることになった。18カ国に出版され、翌年には
ノーベル文学賞がパステルナークに授与されることになったが、ソ連共産党がパステルナー
クをソ連の作家同盟から除名・追放すると宣告するなどして受賞の辞退を強制した。受賞す
れば亡命を余儀なくされると考えたパステルナークは「母国を去ることは、死に等しい」と
言い受賞を辞退した。これは、政治的な理由でノーベル賞の受賞を辞退された初の例になる。
ソ連の共産党は「(『ドクトル・ジバゴ』は)革命が人類の進歩と幸福に必ずしも寄与しな
いことを証明しようとした無謀な試みである」と非難した。当時「社会主義革命の輸出」を
していたソ連政府にとっては「ロシア革命は人類史の大きな進歩である」という政府の見解
に疑問符をつけることは許しがたいことであった。ただし、ノーベル委員会はこの辞退を認
めず、一方的に賞を贈った。パステルナークは辞退扱いにはなっておらず、公式に受賞者と
して扱われる。



映画は、1965年のアメリカとイタリアによる合作映画。ジャンルは恋愛、ドラマ。ロシア革
命の渦中に生きた医者ジバゴを主人公に、ラーラとトーニャという2人の女性への愛を通し
て波瀾に満ちた生涯を描いてゆくが、モーリス・ジャールによる挿入曲「ラーラのテーマ」
が有名となる。米アカデミー賞で5部門を受賞。現在、DVD発売中。大作であることから2
枚組となり、1枚目(片面2層)にイントロダクションと本編の前半、2枚目は珍しい両面
1層でA面に本編の後半、B面に豪華特典が収録。見終えて哀愁と「個が類に翻弄されていく
様(時代背景)」のすさまじさのコントラストに深く感慨、優しい気持ち満たされることと
なる。そして、現在目耳する事柄に少なくとも誠実にコミットしていくことを密やかに誓う。

 

 ● 今夜の一曲

『ララのテーマ』



※ How the CIA secretly published Dr Zhivago  BBC News  June 24 2014


 



 

 

咲き出てし桜しづかなるかも

$
0
0

      
                                     
7 軍  争

つまり戦闘の心得である。この場合も「正」と「奇」の組合せ、「静」と「勣」の運用によ
って、合理的に勝利することが強調される

「疾きことは風の如く」

戦術の根本は、敵をあざむくことである。行動の決定は、敵をあざむくことによって作り出
された。有利な状況の中で行なわれる。しかもその行動は、兵力の分散と集中が巧みに行な
えるような変幻自在のものでなければならない。疾風のように行動するかと思えば、林のよ
うに静まりかえる。烈火の勢いで襲撃するかと思えば泰山のごとく微動だもしない。暗夜に
姿をひそめたかのように隠密裡に行動するかと思えば、雷鳴のようにとどろきわたる。戦闘
というものは、敵の村落を襲撃して人的資源を奪い、敵地を占領して物的資源を奪うのだが、
何よりも以上のように変幻自在に行動することだ。要するに、敵に先んじて「迂直の計」を
用いれば、必ず勝つ。これが戦闘の原則である。

風林火山 武田信玄の旗印「風林火山」は、この章からとったといわれている。信玄の兵法
は、「正と奇」「静と勣」の運用を眼目としている。 

【樹木トレッキング 24:ヤマザクラ】


いついつと待てればいつか木がくれに咲き出てし桜しづかなるかも   若山牧水

※ 木がくれとは、木の枝や葉の陰に隠れて見えないことをいう。


● 週刊MEGA地震予測

 Apr. 4, 2018

 

● 事件背景と告発の意味 Ⅹ

第2章 信教の自由・プライバシーと監視社会-テロ対策を改めて考える  

第8節 メディアの役割

フェイクニュース(偽ニュース)やオルタナティブ・ファクトという言葉が世間をにぎわせ
ています。日本では「マスゴミ」や「御用メディア」といった批判も聞かれます。しかし、
ワイズナー氏が述べる通り強力で独立したメディアは政府の監視を監督するために不可欠で
す。日本のメディアの現状を青木理氏に伺います。



公安警察が権限を拡大させる一方、日本の市民社会、メディアの警戒感は非常に薄い

井桁 日本において、メディアは警察の監視捜査を監督する役割を果たしているのでしょう
か。
青木 私もそのメディア界で禄を食んでいる身ですから、申し上げにくい面もありますが、
日本メディアの権力監視機能について少しお話ししたいと思います。
先ほどから申し上げている通り、日本には専門の情報機開かありません。これは戦後民主主
義のそのひとつの成果というか、まだ制御が効いている部分ではあると思います。その役割
を公安警察が担ってきたわけですけれども、実は公安警察という組織もある時期までは権力
の行使にそれなりに謙抑的なところがあったわけです。確かに公安警察が「過激派」だと判
断すれば、微罪だろうが別件だろうが検挙し、身体拘束し、時には違法盗聴すら手を染めて
監視活動を行ってきたわけですが、たとえばオウム真理敦のような集団の危険性を事前には
ほとんど察知できなかった(30)。「テロ対策」ということであれぼ、公安警察はほとんど
機能しなかったわけです。これはなぜか。ひとつには、「反共」という公安警察のレーゾン
デートルに囚われすぎていたことが挙げられるでしょう。オウムのようなカルト宗教は公安
警察が相手にするものではない、という態度が危険性の察知を妨げた。ただ、これは他方か
ら見ると、信仰の自由という大原則に守られるべき宗教団体に公安警察が手を出してはマズ
い、というタブー感があったことも間違いない。

(30)オウム真理教はかなり早い段階で大規模なテロを計画していましたが、日本の公安警
察がそのことを把握していた形跡は皆無です

つまり、戦後日本の治安機関が謙抑的な面を維持していたことと無縁ではないと思うのです。
ところがオウム事件、あるいは9・11などの発生によって、そうした謙抑感が次々と取り
払われてきている、というのが現状です。先ほどスノーデン氏もおっしやっていましたが、
特定秘密保護法というような悪法も成立してしまいました。多少は批判の声もあがりました
が全国民的な批判にはならなかった。

また、ほとんど話題になっていませんが、つい1、2週間前(2016年5月)に、ほぼフ
ルスペックの盗聴法、すなわち改正通信傍受法が成立してしまいました。この1,2年の間、
公安警察が猛烈な勢いで権限を拡大させているのに、それに対する市民社会、そしてメディ
アの警戒感は非常に薄い。これはおそらくメディアだけの現象ではなく、戦後70年経って
日本社会全体が変質していたことも影響しているのでしょう。

政府の持つ情報は誰のものか。原則的には市民全員の共有財産であって、仮に一時的に秘密
が必要な場面があったとしても、それはいずれ公開されて歴史の検証を受けなければならな
いという原理原則が日本社会にいまだ根付いていない。しかも日本では、政府に任せて守っ
てもらえば「安心・安全」だというお上依存体質も非常に強い。その上で井桁氏からの問い
かけに答えるならば、昨今の日本メディアは公安警察をはじめとする権力を監視する機能が
ますます弱まっていると思います。公安警察、あるいは警察のディープな活動実態を知らせ
てくれるような新聞、テレビ、あるいはフリージャーナリストの活動というのは、正直言っ
て皆無に近いのではないでしょうか。

井桁 皆無に近い、ですか。
青木 ええ。警察がさまざまな捜査の結果として誰それを捕まえた、といったようなことは
大量に報じられていますが、その警察捜査の実態、なかでも公安警察の捜査の実態はほとん
ど伝えられていません。たとえば、デジタルデバイスがこれだけ発達し、警察もGPSなど
を捜査に駆使しているわけです。容疑者の車にGPS発俗談を取り付けるなどというような
ことが現実に行われていて、裁判でもこれを合法とするか違法とするかの判断は分かれてい
ます。しかし、こうした捜査がどれくらい行われているかの実態に関する報道はあまりに少
ない(31)おそらくはもっとやっているでしょう。
あるいはスマホなどはどうでしょう。スマホや携帯電話に内蔵されたGPSデータは捜査に
使われていないのか。公安警察の情報収集活動に活用されていないのか。アメリカでこれだ
け行われていて(32)、日本でまったく行われていないとは思えないのだけれども、その辺の
データや情報が出てこない。アメリカではスノーデン氏が現れて、その告発を真正面から受
け止めるジャーナリストが大手メディアのなかにもいたわけですが、果たして日本ではどう
かと想像してみると、残念ながらあまり自信を持てないような状況にあるわけです(33)。

(31)第1章前註(1)で紹介した記事のとおり、2017年1月に警察が秘密裏にGPS捜
査を行っていたことは明らかになりましたが、運用の基準や実施件数などはいまだに明らか
にされていません。
(32)アメリカでは逮捕時にスマホが押収され、個別の令状なく中身を警察が無断で確認する
という実務が横行していましたが、2014年6月、アメリカ連邦E娶同裁は、スマホの中
には詳細なプライバシー情報が含まれているので中身を確認するためには個別の令状を取得
る必要があると判断しました(Riley v, Califomia)現代社会おけるスマホの重要性を詳細に
分析した画期的な判決と評されています。
(33))実際、ムスリムの監視もアメリカではメディアの調査報道によって暴かれましたが、
日本では2010年10月にインターネット上に公安資料が流出するまで一切明らかにされ
ていませんでした。警察が主要なすべてのモスクに監視カメラを設置し、出入りする人をす
べて監視するなど、極めて大規模な監視捜査を実施していても、メディアは把握できなかっ
たか、あるいは把握していても報道しなかったということです。



沈黙は独裁者や圧制者にカを与えることになる

井桁 こうした状況に対する打開策はないのでしょうか。ジャーナリズムが警察の監視活動
の透明性を高めるために、我々ができることあるいはジャーナリスト自身ができることはな
いのでしょうか。

青木 僕もメディアを舞台に働いているわけですから、俣らが踏ん張るしかないということ
に尽きるでしょう。と同時に、政治や市民社会がメディアとジャーナリズムの仕事をもっと
きちんと理解してほしいという気もします。今日の話題とは少しそれますが、先日、シリア
で取材中たったジャーナリストの後藤健二氏が殺害されたと伝えられました。その直後、ア
メリカではオバマ大統領が声明を出しました。

その声明の中には、こんな一文がありました。「後藤さんは勇敢にも自らの報道を通じてシ
リアの人々の窮状を世界に伝えようとしていた」と(34)。ジャーナリストとしての後藤氏
の仕事に対する敬意がそこには込められています。一方、我が首相もコメントを出しました
が、「テロは断固許さない」といった勇ましい言葉は口にしても、オバマ大統領のような後
藤氏の仕事への敬意は一言もない。それぽかりか、直後にはシリア入りしようとしたフリー
カメラマンのパスポートを日本政府は取り上げてしまい(35)、これに対する批判もほとん
ど起こりませんでした。※

(34)原文は"Through his reporting. Mr Goto courageously sought to convery the plight of the Syrian
people to the outside world.' 全文はこちらで読むことができます。


Statement by the President on the Death of Kenji Goto
The United States condemns the heinous murder of Japanese citizen and journalist Kenji Goto by the
terrorist group ISIL.  Through his reporting, Mr. Goto courageously sought to convey the plight of the
Syrian people to the outside world.  Our thoughts are with Mr. Goto’s family and loved ones, and we
stand today in solidarity with Prime Minister Abe and the Japanese people in denouncing this barbaric
act.  We applaud Japan’s steadfast commitment to advancing peace and prosperity in the Middle East
and globally, including its generous assistance for innocent people affected by the conflicts in the region. 
Standing together with a broad coalition of allies and partners, the United States will continue taking
decisive action to degrade and ultimately destroy ISIL.(Jan. 31, 2015)

「オバマ大統領の後藤健二さん殺害事件についての声明」

合衆国は、日本の市民でありジャーナリストである後藤健二さんを、テロリストのグループ・
ISILが凶悪にも殺害したことを非難します。後藤さんは報道を通して、勇敢にもシリア
の人々の窮状を世界に伝えることを求め続けました。私たちの思いは、後藤さんの御家族と
彼が愛した人々とともにあります。そして、私たちは今日、この野蛮な行為を糾弾すること
において、安倍首相と日本国民と共に連帯します。私たちは、中東および地球全体において、
地域紛争にみまわれている無辜の人々に対する惜しみない支援をはじめとした、日本の平和
と繁栄を前進させるためのしっかりとした関わりを称讃します。同盟国および提携国たちと
の広範な連合と団結し、合衆国はISILの力を弱めるために断固たる行動をとり続け、最
終的にはISILを壊滅させる所存です。


同じ時期、俣はアメリカ国務省のホームページで知ったのですが、国務省は紛争地取材にあ
たるジャーナリストやメディア記者たちを集めて勉強会を開いていて、そこでケリー国務長
官がこんな趣旨のことを言っているのです。「危険地で取材するジャーナリストの危険性を
ゼロにすることはできない。唯一の方法があるとすれば、それは沈黙することだ。しかし、
沈黙は独裁者や圧制者に力を与えることになるから、それはするべきではない。政府にでき
ることがあれば言ってほしい」と。

僕はアメリカが全部いいなんてまったく思いませんけれども、こうしたアメリカなどの状況
と比べ、日本ではジャーナリズムやメディアの仕事に対する理解が、政権レベルでも市民レ
ベルでも非常に低いと思います。これは僕らがサボってきたという面もあると思うのですが、
紛争地取材にあたるジャーナリストを「自己責任だ」などと言って切り捨ててしまうという
風潮強まれば、僕たちは紛争地の真実を知ることができない。あえて攻撃的に言えば、この
程度の市民があってこそ、この程度のメディアと言えるのかもしれません。

                                   この項つづく

 

 No.185

【蓄電池篇:最新シリコン系負極リチウムイオン電池技術】

研究開発を重視する上写真の化学メーカーのI.S.T(株式会社アイエスティ:滋賀県大津市一里山
)は、容量密度の向上が期待できるシリコン系材料を負極に使ったリチウムイオン電池を開
発、既存のリチウムイオン2次電池並みの4百回のサイクル寿命を開発品の試験で確認した
ことを公表(下図: 日経 xTECH(クロステック)Apr.6.2018)。

それによると、SiをLiイオン電池の負極に使うと、負極単体で10倍以上の容量密度――Siは
充放電(リチウムイオンの吸収と放出)によって体積が4倍変化、充放電を繰り返すと電極
に剥がれなどが生じることがある。そこで同社は負極にポリイミドを混ぜてSiの膨張・収縮
に伴う電極の劣化を抑える研究続けている――が得られ、正極や電解質など他の材料をその
ままにしても、負極の材料を減らせ、電池全体の容量密度を高められる。今回、Siよりは容
量密度は低いが膨張率が2.2倍と小さなSiO(酸化シリコン)を負極材料に適用して、実用レ
ベルのサイクル寿命を実現できた。正極には、比較的大容量化ができる材料(ニッケル、コ
バルト、マンガンによる3元系材料)を使った。負極の軽量化と、電解質、部品なども見直
し、電池パックとしての容量密度は既存のLiイオン2次電池の約1.5倍になる。


製造工程が既存品から大きく変わらないようにできるとする。一般に負極を形成する際に銅
箔にスラリーと呼ぶ材料を塗布して乾燥させる。このスラリーにポリイミドを混ぜる。ただ
し、乾燥工程は変更することになる。既存のスラリーの乾燥は100℃程度で済むが、ポリイ
ミドでは最低でも200℃ほどになる。高温でCu箔が酸化することがないように、不活性ガス
のAr(アルゴン)雰囲気下で処理することになる。今後、膨張率が高く量産化が難しいSiの
適用を目指す。強度の高いポリイミドを使うなどの工夫で実現できるとみる。電池パックと
しての容量密度は、既存品の1.7倍程度になるという。同社は、1994年に米デュポンのポリ
イミド事業を買収して以降、同事業を自ら開発・製造している。既存の電池メーカーのほか、
電池製造に新規に乗り出す企業へ技術供与することで実用化を目指す。まずはSiO適用品を
早ければ2020年に量産化する意向。

尚、関連事例として下に特許事例2件を掲載しておく。

❏ 特開2016-100054  リチウムイオン電池  独立行政法人産業技術総合研究所

【概要】

従来のリチウムイオン二次電池は、正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)、負極活
物質としてカーボン材料、電解質としてプロピレンカーボネート等の有機溶媒にリチウムイ
オンを溶解させた非水電解液が使用されている。これらの材料は充放電によってリチウムイ
オンを可逆的に吸蔵および放出する電極活物質として機能し、非水電解液あるいは固体電解
質により電気化学的に連結したロッキングチェア型二次電池などで構成される。

ここで、正極活物質であるLiCoO2の容量は、リチウムイオンの可逆的な挿入/脱離量に依存、
このためち正極活物質からLi脱離量を増やすと容量が増加するが、正極活物質からのLi脱離
量が増加し正極結晶構造が破壊しサイクル特性が低下、Co の一部をLiやNiやMnで置換し対
応するリチウム-コバルト-ニッケル-マンガン酸化物の研究が進められてきた。 

一方、負極活物質として用いられる炭素質材料は、初回充放電効率(初回の充電容量に対す
る放電容量の比率)に優れるものの、炭素1原子当たり0.17個しかリチウムを吸蔵および放
出できず、高エネルギー密度化が困難という課題――化学量論量のリチウム吸蔵容量を実現
できてもハードカーボンの電池容量は約 372mAh/g が限界がある。最近は、炭素質材料の負
極活物質を上回る高容量密度を有す材料として SiやSn含有負極活物質が提案され、SiやSiO
を含有する負極活物質は、電池容量が炭素質材料に比べ大きい利点がある。Si負極活物質は、
初回充放電効率が炭素質材料と同等であるため、電池の高エネルギー密度化が可能であった。
一方、SiO負極活物質は、初回の充電容量に対し放電容量(初回充放電効率)が低いという問
題があり、SiO含有材料の負極活物質とし用いたリチウムイオン二次電池では、初めの充電
時、正極から脱ドープリチウムが負極にドープ、その一部が負極に溜り、続く放電では正極
に戻らなくなる。このような負極中残留リチウム容量(不可逆容量)は、初期放電容量(電
池容量)を低下させ、正極容量利用率を低下させ、エネルギー密度が低下してしまう。この
ような大きな不可逆容量は、高容量が要求される車両用では大きな課題として、不可逆容量
を抑制が試行――例えば、予め所定量のリチウム粉末やリチウム箔をシリコン負極の表面に
貼り付ける方法で、負極に初回充放電容量差分相当量のリチウムを予備吸蔵させ、電池容量
が増加しサイクル特性の低下が改善させている。また、負極活物質は、Li吸蔵放出量が多く
充放電に伴う結晶格子の体積変化が激しく、電極が劣化によるサイクル性能劣化抑制課題も
ある。

これ以外にも、低温環境で負極上でリチウム析出や逆に高温下でのポリフッ化ビニリデンバ
インダー膨張による電極劣化などの問題と克服のため課題――単に一つの材料、例えば活物
質だけを代るだけで電池特性を改善できないが。逆に、既存材料の組み合わせで、予想し得
ない性能を発揮することもあり、電池として評価し、活物質、バインダー、電解液等との好
適条件の調整も必要な上に電極や電池構造の設計が重要となる。これらを踏まえリチウムイ
オンを吸蔵放出でき、かつ初期充放電で不可逆容量をもつ正極と負極との間にセパレータを
備え、セパレータにおける空隙部分にリチウムイオンを含む非水電解液を満たした構造で、
正極活物質は、金属Liを対極として充放電させた場合の初回充放電効率が80~90%、負極活
物質が、シリコン化合物と炭素材料との混合材料からなる負極で、初期充放電における不可
逆容量分のリチウムがドープされていない状態に,正極と負極の初期充電電気容量が、正極
に対する負極の容量比が0.95~1であり、正極に含有される正極バインダーが水系バインダ
ーで、負極に含有される負極バインダーがポリイミドであり、非水電解液にリチウムビス(
オキサレート)ボレートを含有すことで、製造プロセスが簡便で,高エネルギー密度と耐熱
性を有すリチウムイオン電池を提供する。 


【特許請求範囲】

正極、負極、非水電解液、セパレータを備えるリチウムイオン電池であって、前記正
極に含有される正極活物質は、金属Liを対極として充放電させた場合の初回充放電効
率が80%~90%であり、前記負極に含有される負極活物質は、シリコン化合物と炭素
材料との混合材料からなり、該負極は初期充放電における不可逆容量分のリチウムが
ドープされていない状態であり,前記正極と前記負極の初期充電電気容量において、
前記正極に対する前記負極の容量比が0.95以上1以下であることを特徴とするリチウ
ムイオン電池。 前記負極活物質は、純シリコン(Si)と一酸化シリコン(SiO)とハードカーボン(HC)と
の複合体であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池。 前記負極活物質は、金属Liを対極として充放電させた場合の初回充放電効率が70%以
上であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池。 前記負極活物質は、SiとSiOとHCとの質量比の合計を100質量%とした場合、前記Siを
10%~80%、前記SiOを0%〜45%、前記HCを0%〜80%含有することを特徴とする請求
項1に記載のリチウムイオン電池。 前記負極は、ポリイミド樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載のリチウム
イオン電池。 前記正極活物質が、下記化学式1で表されることを特徴とする請求項1に記載のリチウ
ムイオン電池。
[化学式1]
aLi[Li1/3Mn2/3]O2・(1-a)Li[NixCoyMnz]O2
(0≦a≦0.3、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1) 前記正極は、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリル酸ナトリウム、アル
ギン酸ナトリウムバインダーからなる群から選択される少なくとも一種以上を含有す
ることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池。 前記非水電解液は、溶媒と支持塩とを備えており、前記溶媒は、少なくともγ−ブチロ
ラクトン(GBL)を含有しており、前記支持塩は、少なくともリチウムビス(オキサレー
ト)ボレート(LiBOB)を含有していることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオ
ン電池。

❏ 特開2018-19069  リチウム電池用結着剤、電極作製用組成物および電極  

 

 ● 今夜の一枚

『2017年、再生可能エネルギー百%達成』(詳細は上写真/下ず参照)


 


春の心はのどけからまし

$
0
0

      
                                     

7 軍  争

つまり戦闘の心得である。この場合も「正」と「奇」の組合せ、「静」と「勣」の運用によ
って、合理的に勝利することが強調される。

「民の耳目を一にする」

古来の兵書に「多数の兵士を統率するには、口でいっても聞こえないから合図の鳴物を使い
遠くからでは見えないから目印の施旗を用いる」とある。合図の鐘、太鼓、目印の旅旗とい
うものは、大勢の耳目を一つにするためのものである。これによって大軍を統一し、勇猛な
者でもひとりで抜け駆けすることを許さず、臆病な者でも勝手に追げだせないようにするの
だ。これが大勢の人間を統率する秘訣である。
鐘鼓や旅旗はまた別の用い方がある。すなわち夜戦には大いにかがり火をたき太鼓を打ち、
長唄には旅旗を多くたてるのだ。こうすれば味方は実際以上に多く見え、敵の耳目をまどわ
すことができ、敵の士気をくじき、とくに敵将の心理を撹乱することができる。

「敵を制御する四つの法」

人間の気分は、朝は精気がみちており、昼はだれ気味、夕方は休息を求めるものであるが、
士気もこれと同じように状況によって変化するものである。戦上手はこの士気の変化を見定
め、精気のみちた敵は避け、だらけたり士気の衰えたりしている敵を撃つ。これが「気を治
める」ということである。味方の内部を掌握しておいて敵の乱れを窺い、味方は静かに準備
しておいて敵が軽はずみにやってくるのを待つ。これが「心を治める」ということである。
地の利を得た場所に陣を布いて遠来の敵を待つ、余裕をもって敵の疲れを見守る、こちらは
腹いっぱい食べて敵の飢えを待つ。これが「力を治める」ということである。
十分な準備と自信をもって攻撃してくる敵、堂々たる陣を張って守る敵に対しては、正面衝
突を避け、奇策を用いて意表を衝く。これが「変を治める」ということである。

【樹木トレッキング 25:ソメイヨシノ】

世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし   在原 業平  

世の中に桜と云うものがなかったなら、春になっても、咲くのを待ちどおしがったり、散る
のを惜しんだりすることもなく、のんびりした気持ちでいられるだろうに。
If there were not anything called cherry blossoms in the world, even if it is spring, I will
be able to stay relaxed without waiting for blooming or forgetting to scatter.


散ればこそいとど桜はめでたけれ憂き世になにはひさしかるべき (反歌)

染井吉野(学名: Cerasus ×yedoensis (Matsum.) Masam. & Suzuki ‘Somei-yoshino’)は、エドヒ
ガン系の桜と日本固有種のオオシマザクラの雑種の交配で生まれた日本産の園芸品種のサク
ラ。遺伝子研究の結果、ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラの雑種が交雑してでき
た単一の樹を始源とするクローン。日本では、サクラは固有種を含んだ10類の基本の野生
種を基に、これらの変種を合わせて百種以上の自生種があり、さらにこれらから育成された
園芸品種が二百種以上あり、分類によっては六百種ともいわれる品種が確認されているが、
ソメイヨシノは明治の中頃からこれらの多品種のサクラのうち圧倒的に多く植えられた品種
であり、今日では、メディアなどで「桜が開花した」というときの「桜」はソメイヨシノ(
の中の、気象台が定めるなどした特定の株)を意味するなど、現代の観賞用のサクラの代表
種となっている。と、いうから複雑だ。

 

 

● 事件背景と告発の意味 11

第2章 信教の自由・プライバシーと監視社会-テロ対策を改めて考える   

第9節 新しい監督の仕組み――ムスリム監視に関する司法の取り組みを例に

青木 アメリカでは司法による監督の勤きも出始めています。ムスリムに対する監視をめぐ
る訴訟では、裁判所が新たな監督の枠組みを作る動きがみられます。

ムスリム監視事件の和解に盛込まれた警察の監視活動を監督するシステム

井桁 少し話を戻して、途中でマリコ・ヒロセ氏から、地元警察の監視活動に対する監督は
通常の法執行業務と異なるため容易ではないという話がありました。それとの関連で少し伺
いたいのですが、ニューヨーク市費が行っていたムスリムの監視に関しては、ひとつの訴訟
が和解で終結し、その際警察の監視活動を監督するシステムが盛り込まれたとも伺っていま
す。その点を少しご説明いただけますか。

 Jun. 4, 2016
Mariko Hirose

ヒロセ 和解はラザ事件という訴訟で取り交わされました。ラザ事件は、ムスリムに対する
監視プログラムについて提起された三つの訴訟のひとつです。三つの訴訟とは、私たちが提
起したラザ事件、ニュージャージー州で提起されたハッサン事件、そしてハンチュー事件で
す。
ハンチュー事件については少し解説が必要です。ハンチュー事件とは、1970年代に提訴
されたクラスアクション、すなわち原告が政治的信念や信仰に基づき自由な言論を行うすべ
ての人々を代表して起こした訴訟でした。ワイズナー氏が先ほど述べた通り、当時、ニュー
ヨーク市費が政治的な活動などを不当に監視していることが発覚し、裁判となりました。
1985年に和解により、ニューヨーク市費が監視捜査をする際には、政治的な言論の自由
を尊重しなければならず、そのための監督体制を作ることを約した合意が取り交わされまし
た。
2011年にAP通信によってムスリム監視の報道がなされた際、ハンチュー事件の代理人
は、和解当時の§意に基づき、詳細な情報を提供するようニューヨーク市費に対して申し立
てを行い、その後ムスリム・コミュニティに対する監視はハンチュー事件で取り交わされた
合意事項に違反するとして訴えを提起したわけです。裁判所によってハンチュー事件とラザ
事件は併合して審理されており、和解に際しても併せて協議されています。



井桁 警察のムスリムに対する監視活動に関して、どのような和解内容が盛り込まれたので
しようか。
ヒロセ いくつかあります。そのうちのひとつは、ニューヨーク市賢がウェブサイトに掲載
していた「西洋における過激化」(Radicalization in West)という報告書を削除するというもの
です。この報告書は、テロリズムの思想とイスラム教の信仰を危険な方法で混同させること
で、ムスリム・コミュニティにテロリスト予備軍の焙印を押すものでした(36)。ニューヨ
ーク市費は、今後のテロ捜査に当たってはこの報告書に依拠しないことを明らかにするべく、
ウェブサイトから報告書を削除することに合意しました。

もうひとつの重要な内容は、ハンチューハロ意で設けられた枠組みを強化することです。た
とえば、言論の自由や信教の自由に干渉する調査を開始する前に検討すべき考慮要素や、捜
査の手法ごと(37)の期間制限が設けられました。特筆すべき点け、捜査の開始の是非を決
定する委員会に、市民代表法律家(Civilian Representative)と呼ばれる民間の法律家が加えら
れた点です。これにより捜査プログラムの決定プロセスをモニタリングし、嫌疑なきムスリ
ム監視プログラムのような事態を防ぐことが期待されます。

井桁 ムスリム監視をめぐるもうひとつの訴訟であるハッサン事件についてもご説明いただ
けますか。
ヒロセ これはニュージャージー州で行われた訴訟です。ニューヨーク市費の監視プログラ
ムは、ニューヨーク市から川を挟んだニュージャージー州にも及んでいました。この事件は
第三巡回区連邦控訴裁判所において、訴えを却下していた原審を差し戻し、本案審理を求め
る素晴らしい決定が下されました。
連邦控訴審は、ニューヨーク市費の差別的捜査は具体的で審理に値するものであり、また宗
教に依拠した差別を行う際には極めて高度な正当化事由が必要であると判示しました。この
決定にあたって控訴審は、今回の監視プログラムが第二次世界大戦中の日系アメリカ人の強
制収容に酷似しているとして、私たちは過去と同じ過ちを繰り返すべきではないと判示した
のです。

井桁 テロ対策の必要性ということは考慮されなかったのでしょうか。
ヒロセ ニューョーク市警は、監視は宗教差別ではなくテロ対策を目的とするものであると
主張しました。これに対し裁判所は、テロ対策だとしても、宗教に基づきコミュニティすべ
てを監視した以上、宗教に基づく差別を禁止したアメリカ合衆国憲法の平等条項に違反する
疑いがあるとして、本案審理を進めるのに十分であると述べました。

 Hiroshi Miyashita

第10節 日本やEUの取り組み

井桁 ここまで主にベン・ワイズナー氏とマリコ・ヒロセ氏に、アメリカにおける監督のシ
ステムを伺いました。続いて日本やEUにおける監督システムを伺います。
宮下氏に伺います。日本では政府や警察による監視活動を制御するために、どのような監督
システムがあるのでしょうか。
宮下 国連が2013年12月に決議(38)をひとつ採択しております。デジタル時代のプラ
イバシー権という決議でありまして、これには日本も賛同しています。この決議は、スノー
デン事件を受けて行われたものです。決議内容には、国連のすべての加盟国は、監視活動に
対して独立して効果的な監督機関を設けるべきであるとする条項が含まれています。

井桁 これは国連総会決議ですか。
宮下 国連総会の決議です。その後、2014年には国連総会に報告書なども出されており、
国連の特別報告者という方も任命されております。この特別報告者が日本を含む各国の国連
決議の実施状況について調査しております。
では、日本の状況はどうでしょうか。日本の警察捜査機関の監視活動を監督する機関はある
のでしょうか。実はあるといえばあります。今年(2016年)の1月にできたばかりの個
人情報保護委員会です。委員長は堀部政男先生、私の恩師であります。堀部先生は、昨年(
2015年)のルイス・ブランダイス・プライバシー賞を受賞しておられます。今年のルイ
スーブランダイス・プライバシー賞受賞者は、国連の特別報告者であるケナタッチ教授です。
この個人情報保護委員会、今年の1月にできたばかりですので、チェック機能がどれだけ働
いているかはわかりません。

気を付けなければならないのは、この日本における監督委員会というのは、原則として、民
間部門による監視活動に間するものについてのみ監督を行っているということです。では公
的部門はどうでしょう。実は、ほとんどメディアで取り上げられておりませんが、つい先月
(2016六年5月)、センシティブな情報を保有する行政機関(警察、防衛、外務等)に
対し、個人情報保護委員会の監督権限を及ばせることを可能にするための、行政機関等の保
有する個人情報保護に間する法律の改正案が成立しました(39)。ところが、その法律の中で
は、あくまで匿名情報のみを監督することができるとされており、一般的な捜査活動に対し
ては監督活動が及ばないことになっております。国連の決議を履行するためには、すべての
行政機関に対して第三者の監督機能を特つことが必要だと思います。

脚注

(36)具体的には過激化に至る段階を以下の4つに分け、すべてのムスリムはいずれかのステ
ージにあるとしていた。ステージー1:前過激化(Pre-Radicalization)、ステージ2:自己規
定(Self-ldentification)、ステージ3:教化(lndoctrinatjon)、ステージ4:聖戦主義化(Jihadization)。
この理論に基づき、すべてのムスリムがどのステージにあるかを把握するために監視が正当
化されていました。日本語の文献としては、松本裕之『ムスリムの過激化対策を考える~ア
メリカでの実例、インタビューから~』警察楽論集65号7号102頁以下がある。

(37)和解ではテロ対策捜査を大きく、捜査の端緒(Checking of Leads)ゴ予備的調査(Preliminary
lnquiriesy)、本格捜査(Full lnvestigation)の三つの階層に分け、それぞれの段階でなしうる捜
査手法を細かく規定している。

(38)United NationsGenera1 Assembly,Resolution 68/167 The Right to Privacy in the DigitaI Age,
December 18, 2013.

(39)行政機関等の保有する個人情報の適正かつ効果的な活用による新たな産業の剔出並びに
活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するための関係法律の整備に関する法律(
平成28年法律第51号)。                 

                                   この項つづく

 No.186

【黒の革命篇:最新白金代替水素発生電極技術】

今夜は、最新全固体型電池技術を掲載する予定を変更して、太陽光発電などの再エネによる
最新水素製造技術を掲載することに。



先月30日、筑波大学数理物質系の伊藤良一准教授らの研究グループは、腐食耐性に優れ水素
発生効率の高い卑金属電極開発したことを公表。この卑金属電極は、白金などに代わる安価
な水素発生電極になることが判明。水素製造時における純度とエネルギー変換効率に優れて
いる固体高分子電解質膜(PEM)水電解に着目した(下記、特許事例2件参照)。この方法
は電極に用いる白金のコストが課題となってお、代替材料の研究を行ってきた。同グループ
は0.5Mの硫酸水溶液中で、グラフェンで卑金属表面を完全に覆う手法が報告されているが水
素発生能力が極めて小さいという課題があったが、今回、部分的にナノサイズの穴が開いた
グラフェンを用い、❶卑金属と水素イオンが直接接して化学反応を起こし、❷水素が発生す
る面積を最小限に抑えると同時に、大部分をグラフェンで覆うことにより、腐食を極めて小
さく抑えることのできる構造体にする(上図参照)。孔の開いたグラフェンで保護された多
孔質卑金属合金(ニッケルモリブデン多孔質体)は、化学気相蒸着(CVD)法で、ワンステ
ップ作製➲量産性に優れている。具体的には、超臨界水熱合成法を用いて合成した酸化ニッ
ケルモリブデンナノファイバーに、粒径20nmのシリカナノ粒子を混ぜて固めたシートを、
水素雰囲気下で加熱還元しながらナノ多孔質構造を形成➲グラフェンで保護していないニッ
ケルモリブデン電極と、ナノサイズの穴が開いたグラフェン/ニッケルモリブデン電極は、
白金/炭素(白金10wt%)よりも、還元電流値が大きくなり、水素発生能力に優れているこ
とが分かった。



また、電源のオンオフに相当する試験も行った。グラフェンで保護していないニッケルモリ
ブデン電極は、オンオフを1000回繰り返したところ、❶還元電流値はほぼゼロに減少し電極
も溶解。❷これに対して、ナノサイズの穴を開けたグラフェン/ニッケルモリブデン電極と、
マイクロサイズの孔を開けたグラフェン/ニッケルモリブデン電極も、還元電流値は減少し
たが、最大68%の性能値を維持していた。マイクロサイズの孔が開いた電極は溶出が激しく
溶解。これらの結果から、ナノサイズの孔のグラフェンで卑金属表面を保護すれば、寿命と
性能を両立できることを確認する。同グループによれば、今回の研究成果は水素発生電極に
加え、固体触媒や燃料電池用電極、スーパーキャパシター、蓄電池といったエネルギー関連
材料にも広く応用できる。

 

❏ 特開2016-204745  水素製造装置および水素製造方法 エクセルギー・パワー・
システムズ


【概要】

水素は、化学工業及び石油精製などに使用される工業ガスだけでなく、環境負荷物質を生成
しないクリーンエネルギーとして、水素エネルギーとして期待されているが、その製造方法
として、熱化学的方法と電気化学的方法がある。

❶熱化学的方法:水蒸気改質法、部分酸化法、自己熱改質法がある。水蒸気改質法は、天然
ガスやナフサなどの化石燃料を高温・触媒の存在する環境下で水蒸気と反応させて合成ガス
を得る方法である。例えば、石炭等の化石燃料を流動層によりガス化を行い、シフト反応で
水素ガスを生成する技術が広く知られている。また、赤熱したコークスに水蒸気を吹き付け
て一酸化炭素と水素ガスの混合気体を得る方法が知られているが、これらの方法は、半導体
の製造工程で必要とされる高純度の水素ガスを得るには適していない。 

❷電気化学的方法:電気エネルギーを用いて水の電気分解による水素を生成する方法がある。
中でも、太陽光、風力および水力等の自然エネルギーから得られた電力を利用して水素を製
造する方法は、二酸化炭素を発生しないため、環境負荷が一番小さいといわれている。電気
化学的方法は、従来から、➀アルカリ水電気分解法と➁固体高分子電解質水電気分解法があ
る。固体高分子電解質水電気分解法は固体高分子電解質膜中のプロトンの導電性を利用した
方法である。

一方、アルカリ水電気分解法は、電気エネルギー(電力)を化学エネルギー(水素または酸
素)に変換しているが、総合熱効率は低い。また、従来のアルカリ水電解法の場合は水素ガ
スの発生と酸素ガスの発生が同時に起こり、水素と酸素が同時に発生して、水素と酸素が混
合するおそれがある。さらに、アルカリ水電気分解法は、製造されるガスが、水素と酸素の
比率が2:1となるブラウンガスであり、取り扱いに安全性の確保が必要となる。この様な
問題に、水の電気分解で発生した水素ガスと酸素ガスの混合ガスから、ガス分離膜を利用し
て、水素ガスを分離する方法が提案されている)が、製造コストが高くなる。

高純度の水素ガス得る別法として、固体高分子電解質膜を利用した水素ガス製造装置が提案
されている。この方法は、固体高分子電解質膜の両面に白金系触媒を担持した多孔質炭素電
極を接合し、これを挟持する電極板に通電することにより、陽極側で純水が分解され、酸素
ガスが発生する。酸素ガスと同時に生成されたH+イオンは、電場の働きによって固体高分子
電解質膜内を移動して、陰極側においては電子を得て、水素ガスが発生する。この方法は熱
効率が高いが、触媒や電解質膜などの高価な材料を使用するため、高コストであり、装置の
大型化は難しい。

また、固体高分子電解質膜を備えた電解セルに電流を通電し、純水を電気分解して水素ガス
と酸素ガスとを製造する水素・酸素発生装置が提案されている。この装置によれば、純水製
造ユニットで製造された純水を電解セルの固体高分子電解質膜ユニットの陽極室に供給する。
このとき陽極室の圧力を陰極室と同程度の加圧状態とし酸素ガス溶解度を高水準に維持し、
これにより酸素発生量の少ない低電流負荷率運転時でも陽極室から取り出される水の酸素ガ
ス溶解度を高水準とし、酸素分離タンク内で水に溶解する酸素ガスの量を抑え、陽極室の内
圧低下を抑える技術が提案されている。

取り扱いに安全性の確保が必要性なブラウンガスが発生することなく、水素ガスと酸素ガス
を分離して、水素ガスを製造する方法として、固体高分子電解質膜を利用した方法が提案さ
れているが、固体高分子電解質膜を利用した電解セルは、高コストであるばかりでなく、水
素ガスと酸素ガスの圧力差が大きいと電解セルが損傷するおそれがあるり特に、低負荷運転
で電解セルの差圧が増大し、電解セルが損傷するおそれがある。

水の電気分解法は、水素ガスと酸素ガスを分離が電極間の距離が長くなり、電気抵抗が大き
く、電解電位が高く熱発生しエネルギー損失が大きくなる。また、大気圧下で電気分解する
と、水素ガスと酸素ガスは大気を押す仕事を行い、エネルギーロス(熱損失)を発生し、発
生する水素ガスが高圧力状態で保持されれば、水素ガスの利用に際して昇圧の必要がなく、
エネルギーロス防ぐことができる。撥水性樹脂を被着した水素吸蔵合金蔵を用いたニッケル
水素電池の技術が提案されているが、水素吸蔵合金表面が撥水剤により覆われると、電解液
由来の水素吸蔵合金の酸化が抑制され、電極の寿命は改善されるものの、この方法では、電
極と電解液との接触面積が少なくなるので反応が進まなくなり、反応効率が低下。また撥水
剤は電子導電性に乏しいため、電極の内部抵抗が上昇しエネルギーロスが大きくなる。

以上のように、寿命特性を向上させるために、出力特性を犠牲にしなければならず、出力特
性とサイクル寿命特性はトレードオフの関係にあったが、これらを課題整頓すれば次のよう
になる。

(1)水素ガスと酸素ガスを分離して、ブラウンガスの発生を抑えて安全性の確保を図りつつ高
純度の水素ガスを得ること。
(2)水素ガスと酸素ガスの使用状況(運転状況)に差が生じても、装置が損傷することがない
こと。
(3)エネルギーロスが小さいこと(効率が高いこと)。
(4)出力特性を維持しつつ、電極の長寿命化を図ること。

以上のことを踏まえ、下図のように第1電極と、撥水剤を塗布した部分を有する水素吸蔵合
金と撥水剤を塗布しない部分を有する水素吸蔵合金とを造粒した複合粒子を含んでいる第2
電極と、電解液とが密閉容器に収納されていて、電解液が電気分解することにより第1電極
から発生する酸素ガスと、第2電極から発生する水素ガスを個別に密閉容器から取り出すこ
とで安全性が高く、運転状況により損傷することがない、効率の高い水素ガスの製造装置を
提供できる。


【符号の説明】

1  水素吸蔵合金 2  撥水剤 5  造粒助剤 6  導電剤 7  複合粒子 10  水素製
造ユニット 11  陽極 12  陰極 13  隔離シート 14  密閉容器 15  電解液 
17  水素ガス流出口 19  直流 電源 25  調節弁 31  バッファータンク 34 
酸素ガス流出口 35  調節弁 36  電解液 37  気泡(酸素ガス) 50  電極スタック 51  正
極(第1電極) 52  負極(第2電極) 53  中間電極(第3電極) 54  セパレータ 55  交流電源
56  第1ダイオード 57  第2ダイオード 60  水素製造ユニット 61  密閉容器 63  電解液 64 
直流電源 70  ガス取り出し口 71  遮断弁 72  吸引ポンプ 73  貯蔵タンク 

【図3】本発明の第1の実施形態の水素製造装置の機器構成系統図
【図4】水素製造ユニットの構成を説明するための模式図
【図5】図3のバッファータンクの構成を説明するための模式図
【図6】電極の構成を説明するための図
【図7】電極の構成のバリエーションを説明するための図

尚、本件で使用される負極材料の水素吸蔵合金は、例えば、AB5型の希土類-ニッケル合金
で、MmNiCoMnAlのミッシュメタルを含んだ5元系合金、あるいは、超格子水素吸
蔵合金といわれるLaMgNi系などが例示されており、好適な水素吸蔵合金の表面に撥水
剤が分散配置構造(下図1)が例示されている。


さらに、負極材料のカーボン系導電剤添加の好適事例として、グラファイト、ソフトカーボン、
ハードカーボン、ガラスカーボン、アセチレンブラック(AB)、ファーネスブラック、チャ
ンネルブラック、サーマルブラック、ケッチンブラック(KB)、気相成長炭素繊維(VGC
F)、カーボンナノチューブ(CNT)、グラフェン、活性炭、などが例示されている。

 ❏ 特開2017-210638 水電解用炭素触媒及びその製造方法、及び該炭素触媒を用
いた水電解用触媒インキ並びに水電解装置 東洋インキSCホールディングス株式会社





【概要】

水素は、化学工業及び石油精製などに使用される工業ガスだけでなく、環境負荷物質を生成
しないクリーンエネルギーとして、水素エネルギーとして期待されているが、その製造方法
として、熱化学的方法と電気化学的方法がある。
窒素を含有し、X線光電子分光法(XPS)によって測定した、触媒表面の全元素に対する窒
素原子のモル比をNとし、触媒表面の全窒素量に対する、XPSのN1sスペクトルのピーク
分離により求めたN1型窒素原子量の割合とN2型窒素原子量の割合の合計(%)を(N1+N2)
としたときの、表面末端窒素量{N×(N1+N2)}が1.0~13.0であることを特徴
とする水電解用炭素触媒より、コスト、資源量などの観点より使用量低減が求められる貴金属
触媒の代替として、高い電子伝導性及び比表面積の大きい炭素担体を含む安価な水電解用炭素
触媒、及び該炭素触媒を用いた水電解用触媒インキ並びに水電解装置を提供する。

 ● 今夜の一枚

4年後の2022年に、スタートアップオリオンスパン社は1人約10億円、12日間滞在の宇
宙高級ホテルを起動に載せたいと考えている。これは驚きだ。

 

風ある日なり山さくら花

$
0
0

      
                                     

8 九 変

表があれば浦がある。陽があれば陰がある。その変化と発展の法則を見きわめることが勝利
への第一歩であろ。

完全包囲はするな

攻撃にさいし、避けるべき9つの原則がある。

1、高地に陣どった敵を正面攻撃してはならぬ
2、丘を背にした敵を正面攻撃してはならぬ
3、わざと逃げる敵を深追いしてはならぬ
4、精鋭な敵をまともに攻めてはならぬ
5、おとりの敵兵にとびついてはならぬ
6、帰心にかられている敵をかりにおしとどめてはならぬ
7.敵を包囲するには、どこかに逃げ口をあけておくべきで、決して完全包囲してはならぬ
8、窮地におちいった敵にうかうか近づいてはならぬ
9、本国から隔絶した敵地に長くとどまっていてはならぬ

勝利を全うするためには、5つの法則がある。

1、道には通ってならぬ危険な道もある
2、敵とみたら何でも攻撃すればよいというものではない。攻めては大局的に不利をまねく
こともある。
3、敵城を攻めるのにも同様である。
4、土地を争うにも同様、争って意昧のないところがあるのだ。
5、君命は従うべきものだが、場合によっては反対した方がよいこともある。

さて、九変――攻撃の九原則に精通している将こそが、本当に用兵の法を理解しているもの
である。これに精通していなければ、いくら地形がわかっていても地の利は得られない。ま
た、これに通じていなければ勝利の五法則を知っていても、将としての任務を果たすことは
できないのである。

「囲師は周するなかれ」「相手を徹底的に追いつめてはいけない」ということは、処世の
知恵としても活用されている。現代中国ではこの考え方を階級闘争に適用することの危険性
が説かれ、「水に落ちた犬は撃て」という魯迅のことばがよく引用されるが、現実の戦術で
は、状況によって柔軟なやり方をとっている。

  ケエゾヤマザクラ

【樹木トレッキング 26:オオヤマザクラ】

山越えて空わたりゆく遠鳴の風ある日なり山さくら花   若山牧水

Mountain cherry trees blossom with a windy day of the faraway sky over the mountains.

 

水の音に似て啼く鳥よ山ざくら松にまじれる深山みやまの昼を 

なにとなきさびしさ覚え山ざくら花ちるかげに日を仰ぎ見る 

山越えて空わたりゆく遠鳴の風ある日なりやまざくら花 

朝地震あさなゐす空はかすかに嵐して一山いちざん白きやまざくらばな 

行きつくせば浪青やかにうねりゐぬ山ざくらなど咲きそめし町 

朝の室むろ夢のちぎれの落ち散れるさまにちり入いる山ざくらかな 

阿蘇の街道みち大津の宿しゆくに別れつる役者の髪の山ざくら花 

母恋しかかるゆふべのふるさとの櫻咲くらむ山の姿よ 

父母ちちははよ神にも似たるこしかたに思ひ出ありや山ざくら花 

春は来ぬ老いにし父の御みひとみに白ううつらむ山ざくら花

大山桜(学名:Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)は、樺太、北海道、本州北中部、挑戦など
に分布する落葉高木。北海道に多いのでエゾヤマザクラの名もあり,また花が淡紅色を帯び
るのでベニヤマザクラともいう。葉はだ円形または原状だ円形,下面はやや帯白色で紐毛,
ヤマザクラよりやや大きく,基部はときに浅い心形をなすものもある。葉下面、葉柄、花梗
などに毛のあるものをケエゾヤマザクラ(forma pubescens OHWI)という。サクラの属名は日
本では長くPrunus、和名ではスモモ属とする分類が主流だったが、昨今の研究ではCerasus(サ
クラ属)とするものがある。日本では前者、分けてもサクラ亜属(subg. Cerasus)とするものが
多かったが、近年は後者が増えている。しかしCerasusとすることで決着した訳ではない。海
外では、現在もPrunusに分類するのが主流である。花弁の色:淡紅色~紅紫色、形:一重咲
花の大きさ:中輪~大輪、樹形:広卵状。花は直径3~4.5cm。色は淡紅色だが、ソメイヨシ
ノ等の白い種と比べるとしっかりと色がつく。本州中部ではカスミザクラより標高の高いと
ろに分布するが、分布の下部においてカスミザクラと混在する。また、カスミザクラと交雑
していることも多く、区別のつきにくい個体も多い。

 

オオヤマザクラは7~15m程度の高さに育つ落葉樹。20m程度まで育つこともある。また根元
近くから枝を生やし、枝の範囲も1~15m程度にまで成長する。葉は長めの卵形で、葉は鋸
状になっている。大きさは8~15cm程度に広くなり、互生している。若いものは赤い色をし
ているが、夏には暗い緑色に変化する。秋になると葉は紅葉し、赤、黄色、橙色と様々に色
を変える。葉には毛が少ないか、なく、葉の裏面が緑色で光沢を帯びないことでカスミザク
ラと区別できる。夏になると黒紫色の実をならす[6]。実は小さなえんどう豆程度の大きさ
だがなりやすい。鳥が良く食するが、人間にとっては小さく目立たないため食用にはされて
いない。東アジアに分布し北海道、本州、四国、南千島、樺太、朝鮮半島などで野生のもの
が見られる。日本において、九州での分布は知られていなかったが、宮崎県の白岩山で変種
が確認され、キリタチヤマザクラ(霧立山桜)と命名された。

 

    
高橋洋一 著 『戦後経済史は嘘ばかり』   

第4章 プラザ合意は、日本を貶める罠だったのか?

第1節 レーガノミクスが生んだ「双子の赤字」でプラザ合意が行われた?

前章でも見てきましたが、ニクソン・ショックによって、1973年2月から変動相場制に
移行したといいつつ、日本は裏で「ダーティ・フロート」を行っていて、実質的には固定相
場制が続いていました。そして、日本国内で発生した様々なインフレも、そのことが大きな
引き金となっていました,しかし1985年9月22日に、いよいよプラザ合意が行われま
す。この日、ニューヨークのプラザホテルで、G5(先進5カ国蔵相・中央銀行総裁会議)
が行われ、為替レート安定化に関する合意がなされたのです。


これにより、流れは劇的な「円高」に向かいます。プラザ合意の前は、ほぼIドル=235
円前後で推移をしていましたが、プラザ合意から一年後にはIドル=150円前後となった
のです。なぜ、プラザ合意が必要だったか。一般には次のように説明されます。まず、この
段階に至るまでの円ドルレートの推移ですが、1973年2月の変勤相場制導人直後に1ド
ル=260円台まで「円高」となったのち、1973年秋の石油ショックを機に再び1ドル
=300円近くまで「円安」となりますが、1978年にはIドル=180円まで「円高」
が連んでいました。ところが、1980年代に入ると、再び「円安」となります。通常、そ
の理由として説明されるのがアメリカ国内で行われていた「レーガノミクス」です。

レーガン政権(1981年1月~1989九年1月)が誕生する前の1970〇年代のアメリ
カは、景気低迷で失業率が高く、インフレ率の高い状態でした。また、生産性が上がらず、
1970年代後半の生産性上昇率はゼロに近くになっていました。この状況を変えようとし
たレーガン政権は「レーガノミクス」と呼ばれる経済政策を打ち出します。これは、金融引
き締めを行ってインフレを抑制しつつ、減税、規制緩和、福祉関連予算を中心とした歳出削
減と軍事費の増大という歳出拡大によって、経済を活性化させながら失業率を低下させよう
とした政策でした。ことに、ここでインフレ抑制のために行われた金融引き締めは非常に厳
しいもので、アメリカは高金利となります。アメリカが高金利になると、世界中のマネーが
アメリカに集中することになります。

そうすると、必然的にドルは高くなります。ドル高になればアメリカ国内の輸出産業は不利
となり、輸出が減少します。一方、減税で需要が刺激されていますから輸入が増え、貿易赤
字が増大していくことになります。国際収支は大幅な赤字となりました。さらに、金融引き
締めを行う一方で景気を支え、失業率を改善するために軍事費などの財政支出を増大させま
したから、財政赤字も拡大しました。世にいう「双子の赤字(貿易赤字と財政赤字)」です。
1985年にはアメリカは世界最大の債務国となり、ドルの信認が低下。ここでドル暴落
の危機を恐れた先進各国は、協調的なドル安を図ることで合意した。それがプラザ合意であ
り、ことにアメリカの貿易赤字の中でも対日赤字が大きかったので、円高ドル安にすること
が求められたのだ、というのが普通になされる説明です。

第2節 プラザ合意までは為替介入していたことを裏づける「円高容認」発言

以上、説明してきたような「通説」だけを見ていると、あたかも、もっぱらアメリカのせい
で、日本は円高を呑まされたように思えてきます。プラザ合意は日本を認める罠だったとま
でいう人もいます。しかし、そんなことばかり考えていると、実態を大きく見誤ることにな
ります。実は、プラザ合意のときに、「円高容認」という言葉が使われました。これは、考
えてみれば不思議な言葉です。変動相場制で本当に市場に為替相場を任せていたのだとした
ら、「容認」というのはおかしな言葉です。政府が容認しようがしまいが、為替は自由に変
動します。

株式市場で株価が変動したときに「容認」という言葉を政府は使いません。株価は市場が決
めるものだからです。ずっと日本政府は「ダーティ・フロート」で介入し続けてきたのです
が、1973年の変場制移行以後は、建前上は政府は為替相場に介入していないことになっ
ています。それで、プラザ合意のときに「裏のダーティな介入をやめます」とはいえず、「
円高容認」という言葉を使ったのです,その点を理解しないと、プラザ合意の意味がわから
なくなります。

「プラザ合意以降、アメリカの圧力を受けて政府が介入して円高誘導するようになったから
日本企業は苦しむようになり、長期不況に陥った」と思っている人はたくさんいますが、そ
れは正しい見方ではありません。企業はプラザ合意までは、政府の裏の介入でゲタを履かせ
てもらっていたけれども、プラザ合意以降は実力で勝負しなければならなくなったというの
が真相です。プラザ合意以降に介入が始まったのではなく、プラザ合意以降は「介入をやめ
た」のです。政府が為替介入して円安誘導するのをやめて、プラザ合意以降は市場にそのま
ま委ねる形となりました。

為替介入がなくなると、為替の動きは、よりシンプルになります。たとえば、金融緩和で円
を大量に増やせば、相対的に円の価値が安くなって「円安」になります。逆に、各国が金融
緩和をさかんに進めているのに日本が緩和しなければ、円の価値が相対的に上がって「円高
」になります。ちなみに「失われた二十年」は、まさに日本が必要以上に金融引き締めを続
けたので 「円高」で苦しんだ時期と重なります。ことにりIマン・ショック以後、欧米が
そのショックを和らげるために大きく金融緩和に踏み込んだのに、日本銀行がそれを無視し
たことは致命的でした。いわば「マイナスのゲタ」を履いたようなものです。

前に、「変動相場制では金融政策が効くので重要である」と述べました。プラザ合意以降の
二、三年後からその時代です。ところが、「重要な役割」を与えらだ金融政策であるにもか
かわらず、後の第5章で述べるように、バブルのときに資産価格と一般物価を勘違いして不
必要な金融引き締めをするという、ミスを犯してしまいます。そして、日銀官僚の無謬性を
保つために、その後もミスをし続けました。これは、日本経済にとって悲劇でした。
 市場に委ねられた世界で、当たり前のことを当たり前にしないと、そういう結果を招来し
てしまうのです。本来ならば、リーマン・ショックの悪形響から最も進かったはずの日本経
済が、塗炭の苦しみに叩き落とされてしまいました。そのことは、第6章で見ていくことに
しましょう。

第3節 「レーガノミクスは反ケインズ政策」は大きなウソ 

レーガン政権が推し迷めた「レーガノミクス」も、多くの人から誤解されています。
レーガン政権は「小さな政府」を標榜して、歳出削減を目指していましたので反ケインズ的
な政策と見られがちですが、実際には典型的なケインズ政策でした。先ほど述べたように、
レーガノミクスとは、1970年代のアメリカの景気低迷・高失業率・高インフレ・低生産
性という状況を変えるためのものでした,厳しい金融引き締めを行うことでインフレを抑制
しつつ、減税と財政支出(軍事費など)の拡大によって経済を活性化させ、失業率を低下さ
せようとしたのです。

これによってアメリカは高金利となりますが、この高金利について「レーガン政権が推し進
めた個人減税が貯蓄を増やすのではなく、消費に回ってしまったため、資金不足に陥ってし
まい、アメリカはさらに世界から資金を集めなければならなくなったために高金利を設定し
たのだ」と説明する論者もいます。そういえなくもありませんが、それは後づけの見方であ
り、実態としてはインフレ対策という側面のほうが強いでしょう。それに、レーガノミクス
における個人減税は、はなから貯蓄を増やすというよりも、需要の拡大を期待するものだっ
たと考えたほうが妥当です,

「レーガノミクスは供給面からの改革だ」と主張する経済学者もいます。減税と規制緩和に
よって民間投資が活性化され、生産性を向上させる供給面の改革だという論理です。しかし、
実際にはレーガノミクスは需要面に影響を与えただけの政策でした。経済理論的にいえば、
政策で供給サイドに影響を与えることはかなり難しいのです。政府は短期的には需要サイド
にしか影響を及ぼすことができません。スタグフレーションの説明のところで述べたように
、供給は突発的な出来事によって急変することはありますが、通常はゆるやかに長期的に変
化するものです。政策で供給サイドを変えようとしてもかなり時間がかかります。

レーガノミクスを詳細に見ていきますと、個人減税は需要をつくり出すための政策でした。
企業向けの設備投資減税もしましたが、こちらも基本的には需要を喚起するものです,政府
支出に間しては、福祉関連予算を削った代わりに軍事費を増大させています。軍隊に予算を
つけるのは、日本でいえば公共事業と同じです。軍事予算を増やせば、軍人を雇うことがで
きて失業対策にもなります。レーガノミクスのうち減税も軍事費の拡大も、ケインズの「総
需要管理政策」そのものです。総需要管理政策においては、どこにお金をつけるかは関係あ
りません。軍事だろうと福祉だろうと中身の配分は関係なく、総枠でどのくらい増やしたか
がポイントです,結局のところ、レーガノミクスは総需要管理政策をやったということであ
り、典型的なケインズ政策でした。

レーガノミクスによって財政赤字が増えましたが、ケインズ政策を行ったわけですから当然
の成り行きです。赤字をつくって有効需要を増やしたのです。レーガノミクスに間しては「
規制緩和」もよく取り上げられます。規制緩和はそれなりに効果があるものですが、効果が
現れるまでには時間がかかります。中長期的には意味かおりますが、短期的な目前の景気と
はあまり関係かおりません,

第4節 レーガノミクスの金融面はミステリアスなところがある

レーガノミクスの金融政策に関しては、ミステリアスな面があります。1970年代のアメ
リカは必ずしもマネーをたくさん刷っていたわけではないのに、インフレになっていました
その原因はベトナム戦争(1960年12月~1975年4月)だとする説明もありますが、
この時代のインフレについては、私もすっきりとした説明はできません。
マネーが出回っていなくても、みんなが「インフレになる」と思っているとインフレになる
ことはあります。マネーの問題というより先読みの問題です。「これからアメリカはたくさ
んの物をつくれなくなるのではないか」と考える人が増えると、インフレ気味になってきま
す。それに、積極的な財政政策なので、需給ギャップ(潜在GDPと現実GDPの乖離)が
小さくなってインフレになったという側面もあるでしょう。

レーガン政権はインフレを抑えるために金融の引き締めをして、それによってインフレはす
ぐに収まっていきました,対処方法としては間違っていなかっただろうと思います。今から
振り返ってみると、インフレを抑えるためにしゃがりきになって、少し引き締めすぎてしま
った面はあったかもしれません。ただ、金融を引き締めた代わりに財政を吹かしましたので、
うまく乗り切ることができました。もし、金融引き締めをして財政を増やさなければ、経済
が失速状態になっていた可能性があります。

マネーを増やしすぎないようにしながら、財政を吹かして総需要をつくったのがレーガノミ
クスです。特別な経済政策ではなく、オーソドックスなケインズ政策です。レーガノミクス
自体は悪い政策ではありませんでしたが、「レーガノミクスは反ケインズ政策である」とい
う前口上はデタラメです。立案者が意図していたストーリーとはまったく違ったものになっ
ています。
レーガノミクスがうまくいったとすれば、それはケインズ政策だったから、つまり、有効需
要に着目した政策だからうまくいったのです。「レーガノミクスは供給サイドの改革だ」と
か「減税で経済が成長する」という理屈づけは間違いです。間違った論理でレーガノミクス
を正当化する人がいるために、レーガノミクスはあまり信用されていないのだろうと思いま
す。

第5節 減税論者が主張する「ラッファー・カーブ」はデタラメの論理

1980年の米大統領選挙の共和党予備選挙では、ロナルド・レーガン候補≒ジョージ・H・
W・ブッシュ候補が指名争いをしました。予備選挙中にブッシュ候補はレーガン候補の政策
に対して、「ブードゥー経済学(呪術経済学、まじない経済学)」といって批判をしました。
最終的には、2人が手を組んで当選し、レーガン大統領、ブッシュ副大統領となりましたの
で、ブッシュ副大統領がレーガノミクスを批判することはなくなりました。しかし、レーガ
ノミクスを支えた理屈はまさしく「ブードゥー」です。レーガノミクス信奉者や減税論者が
根拠として使う「ラッフアー・カーブ」の理屈は、デタラメとしかいいようかおりません。
図4に示しだのが「ラッフアー・カーブ」です。横軸が税率、縦軸が税収です。

 
税率がゼロ%なら税収はゼロ、税率が100%になると経済活動がなくなりますから、税収
はゼロです。税率が中間くらいのところが税収が一番高くなります。ここまでの理屈は間追
っていません。しかし、ここからウソの理屈が始まります。レーガノミクス信奉者は、図の
カーブのうち、Aの位置よりも、Bの位置のほうが税収が高くなるから、減税が必要だと主
張します。「今は税率が高くて税収が低い。だから減税をすべきである。そうすれば税収も
上がる」というのです。
どこがウソかというと、現在Aの位置にいるとは限らないからです。Cの位置にいるのだと
したら、税率を下げれば税収は下がります。また、カーブの形が正しいかどうかもわかりま
せん,図5に示した形のカーブになっているかもしれません。図5のカーブであれば、現在
Aの位置にいて、減税をしてBの位置になれば税収は下がります。

そもそも、税収は税率との関係だけで決まるものではありません。税率よりも、経済成長率
のほうが大きな影響を及ぼします。経済が成長していれば税収は上がり、経済が低迷すると
税収は下がります。最大の要因を考慮せずに、税率だけで因果関係をつくりあげてしまって
いるところが、デタラメのロジックなのです。税収の9割ぐらいは経済成長率で決まること
は、実証されています。数式で書くと、すっきりします。

R(税収)、t(税率)、g(経済成長率)とすると、「ラッフアー・カーブ」の関数は、

R=f(t)

です,しかし、本当の関数は、

R=f(t,g)

です,このうちg(経済成長率)が9割くらいのウエートを占めています。t(税率)の影
響は大きくないのです,ただし、税率と経済成長率は独立した変数ではなく、税率が経済成
長に影響を及ぼすことかあります。一般的には、増税すると経済成長率が低下する可能性が
高くなります,では、減税すれば経済成長率は高まるのでしょうか。必ずしも、そういえな
いところが難しい点です。減税すると経済が伸びるときもありますし、伸びないときもあり
ます。

レーガノミクス信奉者は、「減税すると税収が伸びる」との主張に加えて、「減税すると経
済が伸びる」と主張します。そこが怪しげな点です。減税によって経済が伸びるか、伸びな
いかは、経済環境次第でしょう。さらにいえば、私は税金には重きを置いていません。マク
ロ経済政策によって経済成長させることを主張しているだけです。経済成長すれば、経済活
動が活発になる分、付随的に税収が増えますから、税収のことなど事前に考慮する必要はな
いのです。

                                   この項つづく

 ● 今夜の一曲

Rock and Roll All Nite

「ロックンロール・オールナイト」 (Rock and Roll All Nite) は、アメリカ合衆国のロックバ
ンド、キッスの楽曲。1975年3月19日にリリースされた彼らの3枚目のスタジオ・アルバム『地
獄への接吻 (Dressed To Kill)』の収録曲。後にシングル・カットされ大ヒットした。そのキャ
リアを通じてキッスの象徴ともいえる代表的ナンバーであり、その後のほとんどのコンサート
でエンディングナンバーとして演奏されるようになった。

You show us everything you've got
You keep on dancing
and the room gets hot
You drrive us wild,
We'll drive you crayzy

You say
you wanna go for a spin
The panrty just begin,
we'll let you in
You drive us wild
we'll drive you crazy

You keep on shouting
you keep on shouting

l wanna rock and roll all night
and party every crady

歴史は三度繰り返す

$
0
0

      
                                     

8 九 変

表があれば浦がある。陽があれば陰がある。その変化と発展の法則を見きわめることが勝利
への第一歩であろ。

「敵の来たらざるを恃(たの)むことなく、われのもって待つあるを恃む」

智者が方策を練る場合は、必ずアメとムチを使い分ける。アメで誘えばらくらくと目的を達
することができ、ムチを与えておけば、災いを未然に防ぐことができる。敵国を屈伏させよ
うとする場合にはムチを加え、疲れさせようとする場合は次々と事をおこして奔走させ、味
方につけようとする場合にはアメで誘う。つまり戦争に際しては、常にこちらの意のままに
敵を勁かすことが感荷である。戦争においては、敵が来ないであろうことを特みにするので
はなく、敵が来られないような、わが備えを恃みとすることである。敵が攻めないであろう
ことを恃みとするのではなく、敵に攻める隙を与えないような、わが備えを特みとすること
である。

※ここでは、「願望」と「備え」の「notA or B」の「不戦」「非戦」を能動的に行う第
三(オルタナ)の選択(日本国平和憲法)を備忘しておく。

【樹木トレッキング 27:オオヤマザクラ】

山越えて空わたりゆく遠鳴の風ある日なり山さくら花  

 

   
高橋洋一 著 『戦後経済史は嘘ばかり』   

第4章 プラザ合意は、日本を貶める罠だったのか?

第6節 冷戦で西側が勝利したのは、経済パフォーマンスの差

1985年にゴルバチョフがソ連共産党書記長となり、ペレストロイカ(政治・経済の立て
直し改革)を推進しますが、1989九年にはポ-ランド、ハンガリー、チェコスロバキア
などで共産党体制が崩壊,1989年ドイツ国民らもハンガリーなどから一斉に国境を越え
て西ドイツに脱出するようになり、1989年11月には東西ドイツを分断していた「ベル
リンの壁」が崩されることになります。そして同年12月、マルタ島でゴルバチョフ書記長
とアメリカのブッシュ大統領が会談し、第二次世界大戦以降、国際社会に大きな影響を与え
てきた東西冷戦が終結しました。

冷戦が西側の勝利に終わったのは経済パフォーマンスの差であった、といってもいいと思い
ます。資本主義国のほうが社会主義国よりも経済パフォーマンスが良かったために勝利した
のです。もし、資本主義国の経済パフォーマンスが悪く、失業者を増やしていたら資本主義
国が勝ったかどうかはわかりません。資本主義が積極的に勝ったというより、共産主義の経
済運営よりは効率が良く、失業者の増加も少なく抑えることができたため、負けずにすんだ
というのが実態でしょう。

資本主義は問題の多い制度ですから、運営がまずいと恐慌になってしまう可能性があります
。しかし、社会主義より修正が利きやすいので、うまく運営すれば社会主義より経済パフォ
ーマンスが良くなります。資本主義は100点ではないけれども、落第点ではないレベルで
す。社会主義と資本主義の違いは「ミクロ経済学の領域」への政府の介入の度合いの差です。。
官僚がミクロに介入して賢く運営しようとするのが社会主義です。一方、官僚はマクロのこ
とだけをやり、ミクロのことは分権化して市場に任せるのが資本主義です。

官僚が細かいことまで賢く運営するのは極めて困難です。どんなにスーパーマンのような官
僚でも、末端の取引のことまで全部わかるはずがありません。データを集めるだけでも大変
で、それだけで頭が痛くなってしまうような世界です。官僚がミクロのことまで全部取り仕
切ることはできないと考えて、分権して市場に任せるのが資本主義です。私はもともと理系
の人間なので、理科の法則で物事を考えます。社会主義がうまくいかないことは、物理の発
想で直感的にわかっていました。

物理学には、分子の1つひとつの動きをすべて運動方程式で記述できれば、世の中の物事が
完璧にわかるという「ラプラスの悪魔」という命題があります。頭の中で考えると実現可能
であるかのように思えます。しかし、現実には計算することが多すぎて、その命題を解くこ
とは実行不可能であることが証明されています,どんなに高速のスーパーコンピュータを使
っても時間がかかりすぎて計算できないのです。

また、物理学には「二体問題」というものもあります。2つの問題はうまく解くことができ
るのですが、3つ、4つと増えるにつれて計算がものすごく大変になり、三体問題、多体問
題は特別なケースを除いて解けないことがわかっています。

物理学では、すべてのことについての計算はできないので、全体のざっくりした法則を研究
対象とするようになりました。そのような物理学の法則を知っていましたので、経済学を最
初に習ったときに「社会主義はうまくいかないだろう」と感じました。左派経済学者の人た
ちは、物理学の法則はあまりご存知ないでしょうから、社会主義が可能であると思ったので
しょう。社会主義体制下で官僚がやるべきことは10個や20個

Viewing all 2430 articles
Browse latest View live