Quantcast
Channel: 極東極楽 ごくとうごくらく
Viewing all 2435 articles
Browse latest View live

肉味噌のごとく熟成

$
0
0

 

 

 

 

● 「寒」の干牛肉  高校生達が肉みそを商品化

  

滋賀県立国際情報高(栗東市)の生徒たちが、地元の精肉店やみそ店と共同で、近江牛を
使った肉みそを商品化。栗東産の塩こうじを効かせたまろやかな舌触りと甘辛い味付けで
好評を得て好評だという。同高の国際ビジネス系列で商業を学ぶ3年生15人が、来夏に
県内で開かれる全国高校総体と全国高校総合文化祭(びわこ総文)で販売することを目標
に、「栗東の特産品を生かした商品を作ろう」と4月に企画した。常温で保存、販売でき
るため肉みそを商品化を決める。同市安養寺7丁目の精肉店「岡山」と同市上砥山の「青
木味噌商店」に協力を依頼し火加減や味付けの指導を受け作った。

江戸時代,彦根藩では牛肉を乾燥させていたという記録が残っている。この干牛肉は,塩
加減をできるだけ少なくするため,1年で最も寒い1月上旬から節分までの1ヶ月間で作ら
れていた。古来この1ヶ月間は「寒(かん)」と呼ばれていたため,「寒」干牛肉として
薬用に食されていたという。その頃の干牛肉の「製法書」が残っている。「寒中に肉を割
き筋を取り去り,清水に漬けて臭気を抜き,蒸してから糸につないで陰干しにする。寒中
でなければ,寒明けの頃でも塩を加えなければ痛んでしまう。温暖な季節でも塩を多く使
用すれば製造できるが,薬用としての性味が失われ,御用に立たない」 と書かれている。

 

【オールソーラーシステム完結論 32】 

● 太陽光発電の「自己消費モデル」の実証段階へ

新エネルギー・産業技術総合開発機構がドイツの南西部にあるシュパイアー市で、集合住
宅を対象にしたスマートコミュニティの実証事業を計画中している。日本が先行している
蓄電・蓄熱技術を導入して、太陽光発電の電力を最大限に利用する「自己消費モデル」の
確立を目指すとのこと。この自己消費モデルには3つの技術を組み合わせる。太陽光発電
の電力を充放電するための蓄電池に加えて、外気を活用したヒートポンプによる蓄熱型の
温水器、さらに住宅全体のエネルギーを最適にコントロールするHEMS(家庭向けエネルギ
ー管理システム)で構成する(上図/左参照)。いずれの分野でも日本の技術や製品の評
価が高い。

実証事業で検証するポイントは4つあり、その1つが「逆潮流量の最小化」である。逆潮
流は自家発電設備から電力会社の送配電ネットワークに向けて電力が流れる現象で、発電
量が消費量を上回った場合に発生することが問題となっている。こうした逆潮流が増える
と、地域内に供給する電力の品質が低下することから、ドイツでも日本でも規制が設けら
れているが、ドイツでは2000年に再生可能エネルギーの固定価格買取制度を開始して以降、
太陽光発電を中心に導入量が拡大して、現在では国全体の発電量の20%を超える水準に
達し、それに伴って太陽光発電のコストが低下して、電力会社の電気料金よりも安くなっ
た結果、余剰電力を売電するメリットが薄れてきている。

 

図1   

● 人工光合成世界最高効率 二酸化炭素から燃料原料生成に成功

東芝は、光利用効率の高い可視光を吸収する多接合半導体とナノサイズの構造制御技術を
適用した金ナノ触媒を用いることで、燃料の原料となる一酸化炭素への変換を世界最高の
1.5%の効率で達成。ナノメートルオーダーの金ナノ触媒の作製条件を検討することで、
二酸化炭素を一酸化炭素に変換する活性サイトを増加させ、さらに電解液も工夫すること
で効率を向上させることに成功したという(上図参照)。この技術で二酸化炭素排出設備
(火力発電所、工場など)に付随する二酸化炭素の分離回収システムへの適合を目指す。

図2 

東芝の1.5%という効率は、植物の光合成と比較してどの程度の能力なのだろうか。実は
高等植物と比較する限り、既に上回っている。例えば増殖能力が高く(光合成の能力が高
く)バイオエタノールの原料として研究が続くスイッチグラスの効率は0.2%。東芝の成
果は、光合成の能力に優れる藻類とほぼ同程度だということができる。

二酸化炭素と水素イオンから一酸化炭素と水を生み出している。一酸化炭素は毒性がある
ものの、さまざまな化学合成の原料となり、燃料として使うこともできる有用なガスだ。
実験では触媒の表面から一酸化炭素の泡が発生している様子も目視でてきる。上図2の特
徴は濃い青で描かれた部分と、濃い黄色で描かれた部分にある。まずは濃い青で描かれた
四角形の部分だ。「アモルファスシリコンを用いた3層の太陽電池と同じ材料を用いた(
多接合半導体)。それぞれの層が吸収する光の波長は異なる。このため、太陽光に含まれ
る幅広い波長の光を効率良く吸収できた。従来の人工光合成では太陽光に3%しか含まれて
いない紫外光だけを利用するものもあった。同社の技術は太陽光に53%含まれている可
視光も吸収できる。

濃い黄色で描かれた部分の特徴は、ナノメートルサイズの構造をもつ金ナノ触媒を使うこ
と。金ナノ触媒の作製条件を検討した結果、二酸化炭素が一酸化炭素に変化する「場」(
活性サイト)を増やすことができ、これが効率向上に役立ったという。ナノサイズの構造
制御技術である(【オールソーラーシステム完結論 ⅩⅢ】/『オールソーラーシステム完
結論
』)。



● メガソーラーの収益を地域に還元へ

固定価格買取制度によって全国各地で再生可能エネルギーの導入量が拡大した結果、利用者が
負担する「賦課金」の増加が問題視されている。一方で原子力発電に巨額の税金が投入され続け
ていることを考えると、人体にも環境にも優しい再生可能エネルギーの負担が増えるほうが国益
にかなうが、電気料金が相次いで値上がりする状況では、賦課金は可能な限り抑えたいと、
そこで広島県は中国電力グループと組んで「地域還元型再生可能エネルギー導入事業」を
2013年に開始した。両者が共同で設立した組合を通じ、県有地や市有地にメガソーラーを
建設して売電収入を得る計画(下図参照)。 

 

第1期と第2期に分けて合計7カ所に10.4MW(メガワット)のメガソーラーを稼働させる。
すでに第1期の4カ所のうち3カ所で運転を開始した。2014年度は運転中の3カ所からの売
電収入が約2億4000万円になり、1年間で3800万円の利益が出る見通し。広島県の試算では、
固定価格買取制度を通じて2012~2014年度の3年間に設置予定の発電設備に対して、広島県
民が負担する賦課金の総額は20年間で400億円に達する。7カ所のメガソーラーで得られる
県の収益(約13億円)は400億円の3%強に相当する。さらに発電設備を拡大して地域に還
元できる比率を高めていく必要があるという。

  

太陽光由来の再生可能エネルギー(再エネ)は、シンクロナイズし急速な進展を遂げてい
ることが見て取れる事例ニュースが続々と入っきている。わが太陽道事業(サンロード・
プロジェクト)は、"肉味噌のごとく熟成"、もはや、この流れは止められない。

 

  ● 今夜の一曲


   君とよくこの店に来たものさ

   訳もなくお茶を飲み話したよ

   学生でにきやかなこの店の

   片隅で聴いていたボフ・ディラン

   あの時の歌は聴こえない

   人の姿も変わったよ

   時は流れた

    
   あの頃は愛だとは知らないで

   サヨナラも言わないで別れたよ

   君と



   君とよくこの店に来たものさ

   訳もなくお茶を飲み話したよ

   窓の外街路樹が美しい

   ドアを開け君が来る気がするよ

   あの時は道に枯葉が

   音もたてすに舞っていた

   時は流れた

   あの頃は愛だとは知らないで

   サヨナラも言わないで別れたよ

   君と君と……

 


                                            『学生街の喫茶店』

                                                   唄 ガロ
                             作詞/作曲  山上路夫/すぎやまこういち


「学生街の喫茶店」は、GARO(ガロ)のシングル。1972年6月20日発売。発売元は日本コロ
ムビアのマッシュルームレーベル。セカンドアルバム『GARO2』からのシングル・カット。
リリース時は「美しすぎて」がA面、「学生街の喫茶店」がB面というスタイルであった。
のちに「学生街の喫茶店」が有線放送やラジオを中心に人気が出た(TBSラジオ『ヤングタ
ウンTOKYO』では「今月の歌」に選ばれた)ため、1972年12月前後からジャケット写真はそ
のままに、「学生街の喫茶店」のタイトルが目立つようにレイアウト変更されたリニュー
アル・ジャケット盤に切り替えられていった。堀内護(愛称MARK(マーク)1949-2014)日
高富明(愛称:トミー)1950-1986)、大野真澄(愛称:ボーカル1949-) の3人グループ
としてデビュー。全員が生ギターとボーカルを担当するのが基本的な編成。ガロという名
前は、当時ザ・タイガースのマネージャーで三人の世話役でもあった中井國二が自分の子
供にと考えていた「我朗」から名付けられたという。

元メンバーの堀内護は今月上旬、病気のため死去。享年65。なお、同じく日高富明は1986
年夭折、享年36。

                                      合唱

 

 


翳すだけで解決

$
0
0

 

 

 

 

 

【オールソーラーシステム完結論 33】 

 




● 2014年版のエネルギー技術展望から見えてくるもの

ETP 2014は、2050年までのエネルギーの未来について以下の3つの可能性を分析している。

■6℃シナリオ(6DS):世界が現在進んでいる、破滅的な結果をもたらしかねないシナリオ。
■4℃シナリオ(4DS):排出量の削減とエネルギー効率の改善に向けた各国の公約を反映したシ
            ナリオ。
■2℃シナリオ(2DS):温室効果ガスと二酸化炭素(CO2)の排出量を削減した持続可能なエネ
                       ルギーシステムの展望を提示するシナリオ。 

再生可能エネルギー技術の目覚ましい進歩は、供給の未来像を一変させつつある。2011年時点で
まだ化石エネルギー担体が世界の電力構成において一次燃料の3分の2を占め、近年の需要増の
大半を満たしていたとしても、これは確かなことである。この数年間、風力発電と太陽光発電が
2桁の成長を記録したことなどにより、2011年には再生可能エネルギーの割合が世界全体で20%
まで押し上げられた。2DSでは、その割合が2050年までに65%に達する可能性がある。2DSの再生
可能エネルギー拡大シナリオ(2DS hi-Ren)では、太陽エネルギーは2040年までに主流の電源と
なり、2050年までに世界発電総量の26%を供給するようになる。 

 

 

太陽光発電の収斂とE-モビリティによる需要増のスマートカップリングが実現すれば、この両方
の技術の普及が助長されるだろう。太陽光発電と電力貯蔵の組み合わせが、新たな可能性を拓く。
電気自動車と家電による電力需要の増加を効果的に管理すれば、既存のインフラおよび技術の有
効活用と新たなオプション利用の最適化によって、統合型システムの運用を下支えすることがで
きる。電気自動車の充電をうまく管理しなければ、需要のピークはさらに高まる恐れがあるが、
日中とオフピークの充電をうまく管理編成すれば、負荷曲線の平準化や、太陽光発電の統合が容
易になる。電化の分野では、負荷管理、相互接続、柔軟な発電、貯蔵容量などはどれも太陽光発
電の大部分を統合するために利用できるものであり、費用対効果を競うことができる。小規模な
電力貯蔵と組み合わせた太陽光発電パネルは送電線網を利用しない場合に適しており、遠隔地に
おける電力アクセスを提供することができる。

2012年7から導入された固定価格買取制度(以下、FITと略記する)は、2年を過ぎて3年目。太陽
光の大量設備認定順題とそれにともなって、電力需給ハバランスに支障が生ずるのではないかとの
懸念もされている。日本は、これまで、世界的にみて自然エネルギーに消極的であったが、上図
は世界各国で1990年の自然エネルギーの割合に比べて2012年にはその割合がどのように変化して
いるか表している。日本は1990年に比べて自然エネルギーの割合を-0.1ポイント減らした。
ドイツの19.5ポイン増とは比べるまでもなく、米国の0.5ポイントよりも低い。しかし、日
本はこうした20年間にわたる自然エネルギー停滞の時代から福島第一原発事故を経て、自然エネ
ルギーの大幅導入を目指して2011年にFIT導入を決定、導入後、わずか25ケ月(2014年7月末時点)
で、1,186万キロワットの新規の自然エネルギー電源が運転したことで発電量は急速に増大(下図
参照)。

他方で、自然エネルギーの急速な増大は、同時に買取費用の増大にもつながっており、この点が
懸念されている。 2013年度の FITのもとでの買取費用は5,792億円に達したが、同時に、多様な
便益が発生している点が見逃されるが、これは、二酸化炭素削減効果や価格変動リスク低減効果
など、自然エネルギーの便益には目に見えにくく、普及の初期段階では、自然エネルギー技術の
コスト高が影響するが、普及が進むにつれてコストの低減が進む。実際に、普及が先行している
太陽光発電においては――10キロワット未満の太陽光発電のシステムコストは、2010年度に比べ
て37%のコストダウンを実現。 1キロワット以上の太陽光では普及が進む 10~50キロワット
規模の中規模太陽光の場合、2010年度のコストが62.8万円/キロワットが、2013年10~12月は36.9
万円/キロワットと41%のコストダウンを実現する(下図参照)。

その影響による自然エネルギーの増大による主なメリットは、(1)化石燃料の消費量の削減で
あり、これにより、海外から輸入する燃料費の低減につながる。本財団の試算では、13年度は、
2441億円から3420億円の燃料費削減)。(2)二酸化炭素の削減――削減量は738~1,234万トン
に相当推計、これは家庭140~234万世帯の年間排出量に匹敵。(3)、化石燃料の価格変動リスク
も軽減させるとともに、輸入化石燃料価格は、世界の需要動向や中東の政治情勢、為替など様々
な要因変動を抑制する。


● 全量固定価格買取制(FIT)の運用上の課題

2年間のFITの運用を通じて、自然エネルギーの急速な普及拡大を実現し、コストダウンも進んで
いることがわかったが普及にともなってコストダウンが進んでも、それが国民負担の軽減につな
がらない制度上の欠陥――設備認定のプロセスで、量と買取価格が非連動している。特に太陽光
発電は、量が増えるとコスト逓減することが経験則としてわかっている。下図は太陽光モジュー
ルの累積導大量を横輔に縦軸にモジュールの価格を示す。太陽光発電の累積導入量が2倍になる
と、太陽光モジュールの価格がおよそ20%低下する傾向(太陽光発電システム全体についても
その相関)がみられる。したがって、FIT を適切に運用しようとすれば、価格を太陽光の導入に
応じて下げなければならない。日本のFITの場合においても2012年度から 14年度 にかけて、毎
年度買取価格を大幅に下げる。しかし、現在の認定運用においては、設備認定を通じて事業計画
段階で買取価格が確定できる。 

今考えられているFIT改善の方向性は、導入の速度が速い太陽光発電に対し、量と価格が自動的に
連動するような仕組みを導入する必要――基準として年1回大幅に買取価格を見直すのではなく
量に応じて価格が自動調整されるような仕組みの導入が検討されている。

また、これ以外に、 政府の自然エネルギー普及の明確な政策目標が示されていないのが問題で
2014年4月に閣議決定された「エネルギー基本計画」では、自然エネルギーは、「これまでのエネ
ルギー基本計画を踏まえて示した水準を更に上回る水準の導入を」目指すと記載されているのみ
であり、極めて曖昧なものになっている。 国の目標が重要なのは、それが企業の投資行動に影
響を与えるからである。国が明確で、信輸陛の高い定量的な目標値を設定することで、企業は将
来的に自然エネルギー技術が市場に導入していくことが見通せるため、技術開発を積極的に進め
関連部材の工場建設など大型の投資を行えるが、2014年においても政府はあいまいななままであ
る。

さらに、エネルギー基本計画での数値を上回る水準とは 「2030年に20%」である。これは他
の先進国で掲げている水準に比べて極めて控えめなものである。英国やフランスといった欧州主
要国、米国の主要州のカリフォルニア州など、「2020年」までに電力の20~30%程度を自然エネ
ルギーでまかなうことを掲げ、ドイツやスペインは、さらに進んでおり、自然エネルギー電力の
割合を2020年に30%後半にする目標を掲げている。これらの国の多くは、かならずしも大規模
水力発電が豊富にあるわけではなく、水力発電が豊富な日本よりも目標達成に対するハードルが
高い。



次に、九州電力をはじめとする電力会社による系統接続保留などに象徴される、系統を運用する
電力会社側では自然エネルギーの受け入れの態勢が十分出ない。(1)上流系統(特別高圧線)で
の接続制約が発生しているケースが増えているものの、それに対する整備費用の負担の仕方が自
然エネルギー電源に適した形になっていない。現行ルールでは、最初に系統接続する事業者が、
必要な上流系統の増強費を全額支払い、その後3年以内に他の事業者が増強された系統を共用す
る場合に当初要した費用を案分して負担するが、この仕組みでは最初にコストを負担する事業者が
巨額の費用を負担するリスクを負う(後続者が得する)。(2)第2に系統全体で太陽光や風力
といった自然変動電源の出力変動に対応する運用体制が整っていない。変動電源を系統に大量に
受け入れるには、変動電源の出力の変化を適切に予測し、必要な予備用の電源のコストの最小化
が求められるが、需給調整のエリアを拡大することで、変動電源の変動性は平滑化でき予備電源
が逓減でき、自然エネルギーの受け入れだけでなく、国全体の需給調整の効率化にも寄与ための
自然エネルギー受け入れのための態勢づくりが求められている。





● デジタル通信と光の融合 翳すだけで解決?

パナソニック株式会社は、LED光源を高速点滅させることでさまざまな情報を送ることができる
可視光通信技術を発展させ、その光源から発信されるさまざまな情報を搭載したID信号を、スマ
ートフォン搭載のイメージセンサーと専用アプリを用いて高速受信する技術を独自に開発。従来
の可視光通信方式を利用した光IDをスマートフォンを用いて読み取るためには、(1)専用の受
光器をスマートフォンに装着して用いなければならない、(2)低速(約10数bpsレベル)でしか
データ送受信を行えない、などの制約条件があった。この技術を利用すると、スマートフォンに
専用のアプリケーションソフトをインストールするだけで、スマートフォンと光IDの発信機器
(デジタルサイネージ、LED照明など)の間での光ID送受信が可能になる。また、従来技術の数
百倍の通信速度(数キロbps)で光IDを高速送受信することが可能となる。

 

 


【要約】

従来、発光ダイオード(LED)を光源として備える照明器具において、照明光の強度を変調す
ることによって信号を送信するものが提案されており、このような照明光通信装置では照明光そ
のものを変調することで信号を送信するため、赤外線通信装置のような特別の機器を必要としな
い。また、照明用光源として発光ダイオードを用いることで省電力が実現できるから、地下街な
どでのユビキタス情報システムへの利用が検討されている。照明光通信装置は、定電流源と、平
滑コンデンサと、負荷回路と、負荷変動要素と、信号発生回路と、スイッチ要素とを備える。平
滑コンデンサは、定電流源の出力を平滑するものである。負荷回路は、複数の発光ダイオードを
含み、定電流源の出力が供給される。負荷変動要素は、一部の発光ダイオードに並列接続された
抵抗器から成り、負荷回路に負荷されることで負荷回路の負荷特性を部分的に変化させる。信号
発生回路は、2値の光通信信号を発生する。スイッチ要素は、負荷変動要素である抵抗器と直列
に接続されたスイッチング素子から成り、光通信信号によりオン/オフが切り替えられることで、
負荷変動要素を負荷回路に付加するか否かを切り替える。これにより、負荷回路の負荷特性が光
通信信号に応じて変化するため、発光ダイオードを流れる負荷電流が光通信信号の波形に変調さ
れる。

このような照明光通信装置では、通常、受信端末において通信信号を正常に受信できているか否
かを判定するために、CRC(Cyclic Redundancy Check:巡回冗長検査)符号を通信信号に付加
して送信するが、照明光通信装置が送信するデータは、屋内における照明器具の位置情報や、照
明器具の固有ID(Identifier:識別子)、または設置場所を特定するIDのようなIDデータ
であり、固定されたデータで、通信信号を送信する度にCRC符号を演算する必要がなく、予め
メモリに記憶されているCRC符号を通信信号に付加すればよい。しかしながら、例えば想定を
超えた雷サージや静電気の発生などにより予期せぬメモリの劣化が生じ、IDデータが書き換わ
る場合がある。この場合、上記従来例のような照明光通信装置では、IDデータが書き換わるこ
とを想定していないため、通常時と同様にCRC符号を通信信号に付加して送信し、このCRC
符号は、書き換わったIDデータと対応するものではないため、受信端末では、通信信号を正常
に受信できず判定してしまうため、このような照明光通信装置では、何らかの異常が発生して送
信するデータが書き換わった場合でも、通信信号は通常通り送信可能であるために誤った通信信
号を送信し続けるという問題があった。

そこで、上図の光源部3の出力する照明光の光強度を変調して2値の通信信号を重畳させる制御
回路11を備え、制御回路11は、通信信号で送信するデータに基づくCRC符号を予め記憶す
るメモリ110と、データに基づいてCRC符号を演算するCRC演算器112とを備え、少な
くとも起動時に、各CRC符号を比較し、一致すれば正常、一致しなければ異常と判定する第1
処理と、第1処理で異常と判定すると異常を外部に報知する第2処理とを実行する回路構造で、
何らかの異常が発生して送信するデータが書き換わった場合に、誤った通信信号を送信し続けるのを防
止するするという新規考案である。
         

 

 

 

 

 

 

南天の檸檬

$
0
0

 



 

 

 

 
   

● 氷雨に南天の檸檬 ここはレモン鍋の温かさ

寒波襲来とのニュースに身構えていたが、いつものように朝から作業をすませ、疲れを癒すために
ルームランナーでウォーキング(最大斜度6°、最速6メートル/時、最大脈拍130~140、1キロ
メートル運動委し(過剰の有酸素運動は逆効果、毎日20分程度で血中の中性脂肪地は低下する)、
表にでてみると、南天や檸檬の実――たった1つしか結実しなかった――が、氷雨に濡れ美しい。
そこで、デジカメに収める。

 

一昨年あたりから、檸檬鍋が流行りだしているという。 レモンを鍋に入れることの最大のメリッ
トは皮まで食べることにあるとか。レモンの皮は、実の部分の約5倍のビタミンCを含んでいる。
しかし、農薬、ワックスなどのない無農薬檸檬に限る(檸檬リキュール酒造は、チリ産の檸檬を
使いしくじっているが)。健康面は、寒い時期の風邪を予防、インフルエンザなどの感染症にビ
タミンCは免疫力をアップさせる効果があり、抵抗力をつけると信じられている。さらにクエン
酸も疲労回復に効果を発揮するので、疲れを感じたときや、体力を温存して仕事に臨みたいとき
などにも良い。また、二日酔い防止や改善にも役立つ。

されに、シトラールという香り成分は柑橘系の植物に含まれ、リラックス効果の高い香り成分。
アロマテラピーで使用される。このシトラールもビタミンCと同じように、皮に多く含まれる。
果汁と比較して約7千倍もの含有し、リラックス効果や、集中力を高めることことができるとか。
レモンは皮を食べてこそ栄養を摂取できるが、食感が余り良くないので煮込んで食べるのが一番
の食べ方だという。

調理方法は、レモンは塩との相性が良く、鍋のベースは塩味の和風鍋が最適。具は牡蠣やホタテ、
エビ、魚介。鶏肉や豚肉と和風食材になり得るものなら何でも合うが、牛肉やソーセージなどは
ちょっと工夫が必要だとされている。レモンと一緒にカボスをプラスしても、和の味が増して美
味しく頂け、野菜類は白菜や大根などの根菜。椎茸やえのきだけなどのキノコ類。洋風野菜でも
あるブロッコリーもレモンも良いという。いずれにしても今年の冬に、無農薬・ワックス・フリ
ーが手に入れば調理試食しようと思う。来年には家で栽培した檸檬の実るのでそれからでも遅く
はない。

 

 

● 総括 衆院選挙 失速した時の置き薬                 

予測通りの選挙が終わりった。特にコメントすべきことは?経済が失速したときの処方箋は下記
通り高橋洋一がしたためているので、今夜はそれを確認し総括としておく。

 

                             消費税を「社会保障」目的税とする国は世界にはない

 消費税増税についての根本的な問題を指摘しておきたい。「なぜ消費税を増税するのか」と
 いう点である。多くの国民は「このままだと年金が払えなくなる。年金を払うために消費税
 を使う」といわれて、消費税が社会保障に必要だと思わされている。これこそが最大のまや
 かしである。
  増税の理由として、「財政破綻を防ぐため」といわれても一般国民にとってはピンとこな
 い。しかし、「年金のため」といわれれば、「増税は必要だ」と思ってしまう。これは増税
 派の巧妙な手である。

  多くの国民は、消費税は社会保障のために使われると信じており、それが最も良い方法だ
 と思わされている。しかし実は、世界の先進国で社会保障の目的税として消費税を充てよう
 という国は、日本を除いて一つもないのだ。「北欧諸国の社会保障を支えているのは消費税」
 というのも、厳密にいえば誤解である。

  社会保障は、給付と負担の関係が明確な保険料方式でやるのが筋である。とはいっても、
 保険料を支払えない人もいるから、その人たちに対しては何らかの手を打だなければならな
 い。高額所得者から累進課税で所得税を多く取って、低所得者の保険料に充てる。これで社
 会保障の話は終わりである。消費税など出てくる余地は一切ない。社会保障論と税理論からいえ
 ば、財務省が主張するような消費税を社会保障目的税にするのはおかしなことである。

  なぜ、こんなおかしなことが日本で起こったのかというと、1999年の自自公連立時に、大
 蔵省が小沢一郎自由党党首(当時)に「消費税を上げるために社会保障に使うと書いてくだ
 さい」と入れ知恵したからだ。政治上の取引として与党に了解されたものである。大蔵省と
 与党の「政治的な取引」であったので法律に書き込むことはなく、予算総則に書かれること
 になった。

  2000年の税制改正に関する答申(政府税制調査会)の中には「諸外国においても消費税等
 を目的税としている例は見当たらない」との記述がある。私自身が関係していたからよく覚
 えている。何年かはその記述は続いた。ところが、いつのまにかその記述は一切書き込まれ
 なくなった。消費税を社会保障に使うという理屈は、消費税を上げたい人たちの国民向けの
 ごまかしである。「社会保障目的税」といわれたら、国民は反対しにくくなる。

  その後、民主党がマニフェストに「最低保障年金は税方式」と書き込み、この時点から本
 格的におかしくなった。現行制度の社会保険料方式でも税が投入され ているので、税方式
 はその割合を高めることだという民主党議員もいたが、まったくの認識の間違いである。世
 界の先進国で、社会保険料方式から税方式に移行した国もない。移行にコストと時間がかか
 り、メリットは少ないためだ。税財源の役人は、給付と負担の関係を不明確にして、社会保
 障への信頼を失いかねない。
  しかし、その民主党が政権を取って、社会保障目的のための税であるかのように見せかけ
 て、増税を決めたのだ。法律の名前は「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な
 改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律
」である。

                   第2章 検証!「増税」を正当化するデタラメな議論  
                          高橋洋一著 『アベノミクスの逆襲』


             経済の失速を止めるには、もう一度、第一、第二の矢をやり直せ 

  景気が失速した以上、セオリーどおりもう.度、第一の矢(金融政策)、第二の矢(財政
 政策)からやり直すしかない。ただし、金融政策が本格的な効果を上げるまでには二年程度
 かかる。第一回目のアベノミクスによる金融政策も、増税をしないでもう少し続ければ、2
 年目くらいからは効果が最大になるはずだった。飛行機が離陸し、巡航速度に入る前の上昇
 中の段階で、2014年4月の消費税増税によって失速してしまった形だ。

  第一の矢の財政政策は、金融政策よりもいく効く。しかし、公共事業はすでに人手不足な
 どで供給制約の壁にぶち当たっている。予算の執行状況について、執行時期や規模の具体的
 な数値目標を定める方針になっているが、目先の供給制約はいかんともしがたく、目標を定
 めたところでどうにもならない。むしろ目標合わせの小細工を誘発しかねず、建設資材価格
 の高騰すら招きかねない。
  となると、財政政策の対応は、従来のような公共事業の積み増しでは難しい。減税・給付
 金のような別の形のフハラマキ」によって、有効需要創出に制約のないものにしなければな
 らない。

  第三の矢の成長戦略は、実行すれば長期的に効いてくるものである。ただし、最初の5年
 間くらいは効果が出にくい。成長戦略を実行しても当面の間は経済にはほとんど影響は及ぼ
 さないだろう。その問は気長に待つしかない。しかし五年くらい経つと、かなり経済が楽に
 なってくる。
  経済の失速を止めるには、この三本の矢、特に第一の矢、第二の矢をきちんとやることで
 ある。一番良いのは消費税の税率10%への引き上げをスキップすることであり、8%に上
 げた分の税を返すこと。それが政治的に無理であれば、第一の矢、第2の矢からやり直して、
 影響を最小化していくしかない。安倍首相はそれらの点は十分に視野に入れているはずであ
 る。

 

                       第5章 今こそ「アベノミクスの逆襲」の時
                          高橋洋一著 『アベノミクスの逆襲』

  

 

 

    ● 今夜の一絵

草むらの動物 ANIMALI NEL PRATO

字のないボードブック(最初に少しだけあります)ですが、絵をながめていると、草むらのなかに
いる動物達の色々な物語が見えてくる。本を見た後に、実際に草むらを歩いて、そこにある色や匂いを
感じたり、音に耳を傾けたり、花や虫を見つけたりするのも楽しい世界が広がる。

● イエラ・マリ(Iela Mari)

イタリア出身の作家。夫であるエンツォ・マリと共に、グラフィック・アートの面から優れた絵本
を発表している。その芸術性の高さ、絶妙な色彩感覚や画面構成をもついっぽう、科学性をも失わ
ない絵本として、日本をはじめ欧米でも高い評価を受けている。イエラは、1931年ミラノに生まれ、
ブレラ国立美術学校で絵画を学ぶ。そこで出会ったエンツォ・マリと結婚し、1960年代半ばまで生
活を共にした。デザイナーとして仕事をしていた2人は、子育てをしながら新しい絵本のアイディ
アを練り、1960年、『りんごとちょう』を発表。その後イエラは、イタリアの子どもの本の歴史に
大きな足跡を残したエンメ出版と出会う。代表作『あかいふうせん』『木のうた』を含め、1967年
から10数年間に、同社で8冊が刊行される(うち2冊はエンツォとの共作で、『りんごとちょう』
改訂版を含む)。晩年、長い間世間から隠れるように暮らしたイエラは、多くのことを語らないま
ま、2014年1月逝去。

 

 

 

往く道は精進にして

$
0
0

 

 

  Wikipedeia

● びっくり!大間原発建設申請 

電源開発(Jパワー)は16日、青森県大間町に建設中の大間原発の稼働に向けた安全審査を
原子力規制委員会に申請したという。しかも、申請は14原発21基目だが、建設中の原発で
は初めて、この原発は、全炉心にウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使う世界
初のフルMOX商業炉。2008年に着工し、東京電力福島第1原発事故で建設を中断してい
たが、12年10月に工事を再開。16日現在の進捗(率は37.6%、20年12月完成を
目指す。出力は138万3000キロワットと国内最大級。運転開始には、安全審査――耐震
設計で想定する最大の揺れ「基準地震動」を450ガル(≡加速度の単位)から650ガル、
最大の津波の高さ「基準津波」も4.4メートルから6.3メートルに引き上げた――が前提。
しかし、中俊一規制委員長は「フルMOXは世界でも実例がないから慎重に評価する」と話し
ており、対岸の北海道函館市では、原発建設地から30キロ圏内に市の一部が入ることなどか
ら今年4月、国とJパワーを相手取り、大間原発の建設差し止めを求める訴訟を東京地裁に起
こしている。核燃料の最終処理が決まっていない段階では全ての原発システを"試用レベル"と
位置付け規制強化すべきと考えているからこれは驚きだ。

   大間原子力発電所の建設計画

 

 

【オールバイオマスシステム完結論 Ⅵ】 

● 三重県多気町に木質バイオマス発電所建設!

中部電力グループの中電プラントサービスは2016年6月稼働をめざし 三重県多気町にグルー
プで初となる百%木質バイオマスの発電所、多気バイオパワーを建設する発電規模は6千7
百キロワット――これは多気町の総世帯数 5,540世帯の年間使用電気量の2.5倍にあたる
―を予定し、年間10億円の売電収入見込み、バイオマス発電により末利用のまま廃棄され
ていた間伐材なとを燃料として使用し、売電事変とともに森林事業の活性化と雇用促進など
につなげる。
 
燃料として使用する木質チップは年間6千5百トン程度を見込み、木賢チッブは隣接する松
阪市のウッドビア木質バイオマス協同組合から供給する。同協組は2001年4月に国、県、市の
全面的な支援を受けて操賓を間始した国内切の国産材コンビナートで、チッブの年間生産量
は計画取扱量で2千7百トン。バイオマス発電は太陽光発電や風力廻電と異なり燃料の確実
な調達と運搬が必要となるため建設地として林業の盛んな中部地区に注目し、そのなかから
木材の一大集積地を持つ三重県を選ぶ。多気バイオバワー建設予定地は、液晶産業を核に商
業の振興を計画し忿業誘致を進める多気クリスタルタウン工業ゾーンにある。同地区を選定
した理由は電力や工業用水の確保が容易なこと、またウッドビア松阪に近いことから燃料の
輸送コストを抑えられることなどによる、多気クリスタルタピンの工業地区は発電所建設に
必要な環境対策に十分対応可能で、既設の送電線からの延線も容易に行える,また進出にあ
たっては多気町から強力な支援を受け、土地の購入には補助金の交付もある。固定買い取り
制度で木質バイオマス発電のうち未利用材を燃料とした電力の買い取り価格は、32円/キ
ロワットアワー(20年間),これにより年間10億円の売電収入を見込む。



中電プラントサービスは水力発電や火力発電など発電設備の工嘔とメンテナンスに実績のある企業
で、これまで、太陽光発電、風力発電、小水力発電など再生可能エネルギー分野にも積極的に取り
組んでおり、今後はバイオマス事業にも汪力することになる。なお、中部電カグル一プのバ
イオマス発電はこの他、愛知県碧南市の中部電力碧南発電所で2012年4月から木質チップと石
炭を混焼させた発電を行っている。燃料は木質バイオマスを送炭コンベアーで石炭と混合し
既設の微粉炭機で粉砕してつくる。




● 環境ビジネスの市場規模 2020年に120兆円

ところで、5年前の環境省の日本版「グリーン・ニューディール」構想(「緑の経済と社会
の変革」)では、環境ビジネスの市場規模は06年の70兆円から20年までに 120兆円、雇用も
2倍の280万人程度になると予想 ――日本が世界最高水準の技術を持つ環境分野への戦略的
な投資により、環境と経済の統合的向上や低炭素社会、循環型社会、自然共生社会の統合的
な実現などを基本的として、具体的施策として、①緑の社会資本への変革、②緑の地域コミュニティ
ーへの変革、③緑の消費への変革、④緑の投資への変革、⑤緑の技術革新⑥緑のアジアへの
貢献を示し、省エネ住宅への改築や小型家電修理などの「改築・修理」(循環ビジネス)分
野の雇用規模は20年に06年の3倍の90万人、市場規模も20年には06年の2倍に当たる20兆円
と試算。公的施設への太陽光発電設備設置、省エネ家電普及による「省エネ設備・機械機器」
分野は20年に30兆円程度、雇用規模が20万人――としている。このうち木質バイオマス発電
の実績の伸びがどのようになるか今暫くリサーチするとして、今後が楽しみだ。



 


● “廃墟モール”ピエリ守山が改装オープン 

“廃墟モール”として話題となり、一躍名前が知られるところとなった滋賀県守山市の商業
施設「ピエリ守山」が2014年12月17日にリニューアルオープンする。今回のリニューアルで
は、「H&M」「ZARA」など外資系ファストファッションブランドの集積を目玉とし、琵琶湖
湖畔という立地条件を活かしたアウトドアの体験型施設もお目見えする。テナントを一新し、
新たな戦略で競合店に一矢報いる構えと報じられている(2014.12.16「日経 トレンディ」)。

なぜ海外人気ブランドが続々出店? 地元民や業界関係者からは「改装してもまた失敗する
のでは」という厳しい声があるなか。交通アクセスが悪く、不利な立地環境や他店との競合
状況が依然変わっていないと、商業施設としてマイナスイメージが浸透してしている。わず
か5年で“廃墟”へと追い込まれたのは、開業当時の社会情勢と流通戦争の激化が大きく影
響していた分析する。



その1つが、同施設は2008年9月、店舗面積約5万5000平方メートルに約200店舗が出店する
県内最大級のショッピングモールというフレコミでオープンし、年間売り上げ190億円を見
込んでいたところが、同時期にリーマンショックが発生。2つめに、オープン2カ月後には
隣接する草津市にイオンモール草津が開業し、規模とテナント構成で見劣りするピエリ守山
は商圏内の顧客を奪われ、わずか半年で売り上げが下降。イオンモールとのテナント誘致合
戦で有力ブランドを誘致できなかっこと、3つめは、2010年には、三井アウトレットパーク
滋賀竜王が名神高速竜王IC近くに開業。近隣に大型商業施設が相次ぎオープンし、売り上げ
減少に歯止めがかけられなかったこともテナントの撤退を加速させたとし、V字回復した「
モレラ岐阜」に復活のヒントに、リストラクチャアリングを構想する。

モレラ岐阜も不利な立地環境とイオンモールの攻勢に苦しんだ。立地する本巣市は県中心部
から約9キロ北西部にあり、後背地には奥美濃の山脈が連なる。琵琶湖の東湖畔に立地する
ピエリ守山も、琵琶湖大橋を利用すると予想された湖西の客を取り込めなかったという。さ
らに開業後、県内にイオンモール大垣、イオンモール各務原が相次いで開業。その影響で開
業翌年には売上げが激減し、「開業5年でつぶれる」という噂が広まったとも。 

   

  琵琶湖大橋


そんなモレラ岐阜が再生できた決め手となったのが、H&M」「ZARA」「GAP」「ベルシュカ
」「オールドネイビー」といった海外人気ブランドの誘致だ。このころ、これらのブランド
は郊外SC(ショッピングセンタ)への出店を加速。誘致交渉を始めたとき、東海地区にH&M
は1店舗も出店しておらず、2000平方メートル級の大型店を出店できる郊外SCは数少なかっ
た。そこでキーテナントとしての誘致を早期に決定し、ほかのテナントの誘致を有利に進め
ていった。

● モレラ岐阜モデルで完全復活めざす

ピエリ守山のリニューアルでは、モレラ岐阜の成功パターンが導入されている。1階フロアのメイ
ンには、ZARAが2,640平方メートル、H&Mが2,970平方メートルでメゾネットタイプの大型店
を出店。2階からも入店可能にし、人気店によるシャワー効果を狙う。また、ZARAの姉妹ブ
ランド「ベルシュカ」と「ストラディバリウス」も330平方メートルの大型店を構え、海外
ファストファッションを集積する強みを際立たせる――モレラ岐阜では全店舗の3分の1を刷
新したが、ピエリ守山ではテナントを一新。総店舗数140店舗のうち10店舗が関西初、42店
舗――さらに、抜群の眺望と自然豊かな琵琶湖畔という立地環境を活かし、アウトドアライ
フをコンセプトにした体験型付帯施設を配置。フットサルコートとアスレチック施設(2015
年4月開業予定)を整備するほか、スポーツ用品専門店「ヒマラヤ」とアウトドア用品専門
店「ロゴスショップ」も導入。また飲食スペースを湖畔に面して配置するなど、リゾートを
感じながらショッピングを楽しめる施設をめざす。さらにモレラ岐阜との共通点でもうひと
つ忘れてはならないのが、人口増加エリアだということ。モレラ岐阜がある岐阜県南部は愛
知県のベッドタウンである尾張・一宮地区にも接しており、人口密度が高い。しかも地方の
郊外SCの場合、クルマで1時間かかっても来店する客が多く、商圏人口は140万人を想定して
いる。一方、ピエリ守山のある守山市も全国住みやすさランキングにトップテン入りするな
ど、京都、大阪のベッドタウンとして人気上昇中。10キロ圏内の人口が2005年と比べて2010
年には4.1%増加、世帯数でも110%伸びている――が滋賀初の出店となる。

  Gigazine 2014.12.15

● 琵琶湖大橋のフリーウェー化

ここで述べられているが成長戦略の「規制緩和」である「楽市楽座」を実現する絶好の好機
である。無料化することで貨幣が流動し、事業収益が逓増することでこの橋の常態桂皮が充
分賄えるはずだ。あるいは、車両に掛かる目的税の分配を公平化する法改正で賄えることに
しておけば、運用の弾性値は上がり運用(あるいは管理)の安定化に繋がるはずだ。所得が
増えれば滋賀県の税収も逓増する。

そうだ、この交際だから言ってしまおう。地方分権を推進するために、法人税の首都圏集中
をぜせいするために、(1)首都圏、政令都市(圏)、その他の地方都市(圏)の3クラス
に分け、順に逓減させ法改正をおこなうか、(2)国内法人の各事業所に法人を按分し納税
する法改正することでインセンティブを与えることだろう。これには中央官僚の反発がある
だろうが、首都移転よりは改革に要する費用は少ないし、このことで自動的に、簡単に富を
分散させることで、消費税の増収が地方で見込まれるはずだ。いまの安部政権の勢いなら実
現可能なように思えるが如何に?!

 

●「住く道は精進にして、忍びて終わり、悔いなし」

  
 

 「お滝を受けてみたい。」僕がいうと、京都のスタッフの伝手で紹介を受けたのが、比
 叡山飯室谷長寿院だった。このことが後に、院に大きな影響をりえてドさった天台宗北
 嶺大行満大阿闍梨酒井雄哉さん(以後、阿闍梨さん)との出逢いのきっかけとなった。
  最初にお滝の受け入れをして下さったのは、先代箱崎文応大僧正。当時、阿闍梨さん
 は箱崎大僧に仕える小坊主だった。
  生き仏ともいわれる"阿闍梨"とは、壮絶な修行千目回峯行ののち認められる。酒井さ
 んは.1980年と1987年のニ度満行されている。千年をこす比叡山の歴史の中で、
 二度の満行を成功させたのはたった三人しかいらっしやらない。
  後に、阿闍梨さんが亡くなる少し前に出版された「あなたにはかせになる力がある」
 (PHP研究所刊)という本の中で、"出会いや縁は、将来どこでつながるかわからな
 い"というテーマで僕との出逢いのことを書いて下さっている。
 「僕も、縁について不思議な体験をしたことがあるんだ。任侠映画がすきだった僕は、
 高倉健さんが駆け出しの俳優だった頃から、スクリーンでよく観ていたんだ.ある日、
 いつの間にか主役を演じている健さんを観て、「頑張ってるなぁ。自分も一生懸命勉強
 しないとな」と思えて、健さんに励まされていろような気持ちになったのを今でも覚え
 ているよ。
  それで、僕にできることを毎日コツコツ頑張ったんだ。するとある日、健さんがおかにフラッと
 いらっしやったんだよ。たびたび映画を観ることで、健さんを身近に感じてはいたけど、
 まさかご本人に会える日がくるなんて思ってもいなかったから、本当にびっくりしたよ。
 地球上にはたくさんの人がいるけど、出会う人はその中のほんの一部。接点がないと思
 っていた健さんと出会えたことは、何かの意味があると思ったんだ」

  酒井さんが阿闍梨さんになられ長寿院を継がれてからも、不思議な縁は途切れること
 がなかった。大抵は日帰りだったが、四、五日、泊りがけの時には、一緒に僕の映画を
 観たり、きつねうどんを食べさせて戴きながら、修行中のお話を伺った。修行中、山道
 の途中で唸り声とともに出くわした野犬こ匹が、やがて阿闍梨さんを先導するかのよう
 に一緒に山道を少くまでになったとか。かといって、最後までついてくることはなく、
 必ず山のある場所で離れていくのだという。、
  いつも温和な阿闇梨さんが香を焚き経を唱え始めると、その煙が徴動だにせず、真っ
 すぐにひたすらまっすぐに立ち止まっていった、その様にただならぬ気を感じた僕は、
 の煙が徴動だにせず、真っすぐにひたすらまっすぐに立ち止っていった、その様にただ
 ならぬ気を感じた僕は、阿闍梨さんにそのことを伝えると、ご覧になりましたか。とい
 うように、ただ静かに頷かれていらした。、
 「南極物語」という映画のオファーを受け、出演を迷っていた時、阿闍梨さんに戴いた
 言葉は、「住く道は精進にして、忍びて終わり、悔いなし」阿閤梨さんからの最大のエ
 ールに思えた。
 「南極物語」は、南極、北極に実際に足を運んで撮影した映肖史上初めての作品となっ
 たが、人の事故者もなく無事撮り終えられたことが、何より嬉しかった。



                        ● 今夜の一冊



今年最後の散髪を終え『高倉腱 最後の手記』を手に入れようとして書店にいけど売り切れ
ということで、急遽、電子ブックで入手するも、途中までとなり、後日続きを読むことに。
電子ブックも普及していることを実感した日となった。大寒波が襲来している。

 

車両用非接触給電工学

$
0
0

 

● 北海道に猛烈な寒波襲来 

急速に発達する低気圧の影響で、18日にかけ全国的に大雪や強風など大荒れの天気になるとし、
気象庁は、暴風雪や高波、雪崩などに警戒を呼び掛けた。特に北海道については「見通しが全くき
かないような、数年に一度の猛吹雪となる恐れもあり、不要不急の外出を控えるなど注意してほし
い」という。気圧配置図をみて、気圧値空間関数三次元マップが作製できないか、ふと、そんなこ
とを考えた。これから起こる気象事象を、予断亡くビックデータ化すること、そしてそのデータか
ら読み取れる現象パターン解析を、気象衛星や地上測定網を総合し行っておくことは大変貴重なア
ルゴリズムを生みだし災害予防に役立つのではと考えてみたが、入ってくる映像を前にしても、北
海道の被災者の人たちはかわいそうやなぁ~と思い、全国のインフラである「高架線の地下埋設」
は防災事業は是非実現しなあかん!と再確認したわけだ。が、それだけではだめだ、1つは道路や
鉄道の融雪・除雪の自動化と、2つめは鉄道の架線(Overhead line)の地中化あるいは、地上化(
Ground-level power supply)が必要だとの思いに至る。

● 鉄道車両用非接触給電システム

感電の心配や摩耗がなく、移動体や回転体にエネルギー供給の可能な非接触集電技術を用いた電池
バスや工場内搬送装置の実用化が進んでいるが、これらの背景には、地球温暖化に対する省エネル
ギー効果、安全性、保守性と、大規模気象変動への防災強化への期待がある。一方、最近の半導体
の高速スイッチングに象徴されるパワーエレクトロニクスの発達、電磁界解析技術の高度化、磁性
材料の進歩など、非接触集電技術に欠かせない要素も発達してきていることもある。そこで、非接
触給電システムを原理的に分類すると、

(a)電磁誘導を用いたリニア変圧器方式
(b)走行体の運動エネルギーを用いたリニア発電機方式
(c)電磁波を用いたマイクロ波方式
(d)その他
 
に分けることができるが、上述の電池バスや搬送装置では、(a)方式すなわちリニア変圧器方式
が採用されている。これは、(b)方式は磁気浮上式車両のような地上1次システムでしか実現で
きないことや、(c)方式はエネルギー密度が極端に小さい等の理由からと考えられる。もっとも、
(a)のリニア変圧器方式も高周波電流を使用するため渦電流損が大きい、ギャップ変動の影響が
大きい等の克服しなければならない問題もある。 ところで、鉄道車両の非接触給電システムとして、リニア
変圧器による給電(集電)方式を適用することが考えられている。この場合、運転時のエネルギー供給の他
デッドセクションや保守基地での電力供給などへの利用が考えられる。しかしながら、在来鉄道では、互換
性や相互乗り入れが重要視されるため、現状の設備や車両を大幅に変更することは難しい。このため、現
在の車両限界や建築限界内に給電コイル等を配置しなければならないといった課題がある。

 
そこで、上図の新規考案は、鉄道車両用非接触給電システムで、軌道A上に敷設される鉄道レール
2,2′間に配置される8の字形状の給電コイル3と、この給電コイル3に給電する高周波電源1
と、この鉄道レール2,2′を走行する鉄道車両4の底部に配置され、この8の字形状の給電コイ
ル3に走行時に対向する8の字形状の集電コイル6と、この集電コイル6に接続されるコンバータ
7と、このコンバータ7に接続される充電式電池8とを備え、前記給電コイル3に対する前記集電
コイル6の相対的移動により前記集電コイル6からの出力を前記充電式電池8に充電するようする
ことで、地上側の鉄道レール間に給電コイル、車上側に集電コイルを設置するという簡単な構成で、
より従来の設備を変えずに非接触給電を行い、しかもレールの発熱量を低減できる鉄道車両への非
接触型給電システムが提案されている。


● 常電導吸引型磁気浮上式車両用除雪装置

さらに、下図では、磁気浮上式車両は、レールを含む軌道の上面より浮上して走行するが、軌道上
に積る雪等の異物は排除する必要があり、常電導吸引型磁気浮上式車両は、レールの下面に対向し
て配設される常電導磁石を有する複数のモジュールと、モジュールに対してサスペンションを介し
て支持される車体を備え、車両の前部に配設される除雪装置を備え、除雪装置はプラスチックシー
トと、プラスチックシート内に束ねられて格納されるプラスチック製のブラシとを有する除雪部材
と、除雪部材を軌道に向けて押圧するコイルバネを備え、さらに、除雪部材は車両の進行方向に対
して両端部が後退するように折り曲げられて配設することで――常電導吸引型磁気浮上式車両が浮
上しない間は、軌道K1上の上面S2に補助車輪で接地する。車両の前部にとりつけられる除雪装
置100は、ブラケット130に対してコイルバネ180を介してとりつけられる除雪部材200
を備える。除雪部材200は、多数のブラシ220を有し、バネ力P1で軌道上に押し付けられ、
除雪を行う新規考案を提案している。

● 潜熱蓄熱システム

不用の熱を蓄えておき、必要なときに蓄えた熱を用いるための蓄熱システムが数多く提供されてい
るが、近年、蓄熱材として潜熱蓄熱材料であるPCM(Phase Change Material、相変化物質)を用い、
潜熱を利用して吸熱及び放熱を行う潜熱蓄熱システムが提供されている。しかし、潜熱蓄熱材料は、
放熱時に固相化し、流動性がなくなる。このため、潜熱蓄熱システムにおいては、一般に、吸熱(
蓄熱)の際に、熱源から熱を運んでくる伝熱媒体と蓄熱材料であるPCMとの間で効率的に熱交換
することが難しいが、潜熱蓄熱材料(エリスリトール)を油の中に混ぜることで流動性を持たせ、
吸熱・放熱時の熱交換の効率を上げる方法があるものの潜熱蓄熱材料を油と一緒に混ぜ、熱交換器
等において循環させる場合、何らかの要因により油が漏れたりすると、汚染や発火等の危険がある。

下図は、潜熱蓄熱材料5と、潜熱蓄熱材料5との間で熱交換を行う第一伝熱媒体6と、潜熱蓄熱材
料5と第一伝熱媒体6との間で熱交換を行うための主熱交換装置70と、外部から熱を運び込み、
第一伝熱媒体6へ熱伝達するための第二伝熱媒体7と、第一伝熱媒体6と第二伝熱媒体7との間で
熱交換を行うための受熱用副熱交換装置80と、第一伝熱媒体6との間で熱交換を行い、外部へ熱
を供給するための第三伝熱媒体8と、第一伝熱媒体6と第三伝熱媒体8との間で熱交換を行うため
の給熱用副熱交換装置85と、を備える構成とすることで、潜熱蓄熱材料と伝熱媒体との間との熱
交換において、安全で高い伝熱効率を発揮することのできる潜熱蓄熱システムが提案されている。

尚、除雪・融雪システムでは様々提案がなされているが、今夜の調査ではこれと言った手がかりに
なるものを見いだせなかった。この件についてさらに調査をすすめたいので残件扱。難しいが、難
問であればあるほどファイトが湧く性格は昔から変わっていないようだ。自分の性格が、実に面白
い! そういえばこの間、親友に"お前は、ベンチャーだなぁ~。"と言われたっけ。



 

● 花柚子から山椒モドキへ 

今年は5月に花柚子が咲き誇り果実がたくさん実りました。いまは全て収獲し、柚子風呂用に冷凍
しストック分が残るのみ。そこで、棘が蔓バラと同様にあり少量ならそのリスクを最小限できるの
で、その常緑を生かし来年は花柚子1本と檸檬を1本生け垣用に植えようと考えている。柚子も檸
檬も耐寒温度マイナス5℃前後で寒さにやられる可能性があるがそこはそのときとして計画。さら
に、「ブラックペッパーの家庭内菜園」(『エアバック工学』)で掲載した、ブラックペッパーと
さらに山椒モドキ(ブラジルペッパー)を専用の温室を必要とするが試験栽培する計画でいる。

ところで、柚子は檸檬の5倍ビタミンCが多く含まれ、皮下部位には「ヘスペリジン」という成分
が多く含まれ、ビタミンCが体内に吸収されると、動脈硬化やがんの原因となる活性酸素を取り除
く機能を発揮するが、酸化分解されやすい欠点をもつ。この時、ヘスペリジン(ビタミンP)と一
緒にビタミンCを摂取すると、ビタミンCが酸化しても、ヘスペリジンが元に戻してくれる。

 


● 正しい柚子湯の入り方 

搾り方によって果汁に含まれる精油がどれだけ違うのかを測定したところ、皮をむいて搾った果汁
には、精油はゼロ。果肉を下にして搾るのに対して、皮を下にして搾ったほうが精油の濃度が2倍
以上だというデータがあるが、ゆず湯と、水道水をわかしただけのさら湯で、体の温まり方の比較
試験したところ、(1)まず、入浴前にモデルの深部体温を測定してから、41℃のさら湯に15
分間入り、入浴後に再び深部体温を測定すると、入浴前と比べて1℃上昇。(2)2時間あけ体温
を元に戻したあと、今度は、41℃のゆず湯に15分入浴してから深部体温を測定すると、入浴前
よりも1.6℃ に上昇。さら湯のときと比べて、深部体温の上昇は0.6℃の差だが、硫黄泉に入
るのと同じぐらいの温まりで、20分の保温効果がある。

 

このポカポカ効果の最大化には、4等分に切ったゆずの皮を袋に入れ、湯をためる前に浴槽に入れ
るのがポイント。湯をためる前にゆずの皮を入れると、湯をためている間に皮に含まれる精油がど
んどん溶け出し、水面に精油が浮いた状態になる。この精油が、ポカポカ効果をもち、精油成分の
1つである「リモネン」は、皮膚付着すると、毛細血管を刺激し血管を拡張し、深部体温が上昇。
また、体を覆った精油が、入浴後に体内の熱が外へ逃げるのを防ぐので、湯冷めしにくくなるが、 
精油が滲み出す時間長く、湯をためる途中やたまってから皮を入れても、精油が十分出ないので要
注意。

気がつけば、今夜は何だか柚子三昧で終わってしまったようだ。



 

新技術プッシュ倶楽部

$
0
0

 

 

● SONY スポーツ用のコンセプトモデル「SmartEyeglass Attach!」参考展示

このモジュールでは、超小型高精細カラー有機ELディスプレイと、その高画質を活かす超小型光学
ユニットに加え、スマートフォン相当の演算処理能力を持ちながら高密度実装技術により小型化した
制御基板を搭載し、アイウェアに装着できる小型・軽量化を実現。モジュールをファッション性の高
い眼鏡やゴーグル、サングラス等のアイウェアに装着することで、日常生活をより便利にする情報を
始め、スポーツや業務での作業支援など多様な用途に向けた情報を表示し、視界を妨げないサブウィ
ンドウとして活用できまる。さらに本モジュールは装着型で容易にアイウェアと付け外しができるた
め、TPOに合わせ使用時にのみ従来のアイウェアに装着することで、より身近に、手軽に生活シー
ンに取り入れるとソニーは唱っている。

当面は、スポーツやエンターテインメント、業務用ソリューションなどへの活用を目指し、ソフトウ
ェア開発キット(SDK)と合わせてパートナー企業に提供する。サイクリング中の情報提供や、工場
などでの作業支援といった活用を想定、幅広くパートナーに販売するソリューションビジネスを展開
していく。「2015 International CES」(2015年1月6~9日、米ラスベガス)で本モジュールを初公開し、
スポーツ用のコンセプトモデル「SmartEyeglass Attach!」を参考展示するとのことだが、各産業の警
備保障分野で先行展開させそうだ。

 



● 親指サイズのX線発生デバイス

同志社大学、京都大学らの研究グループが、親指サイズの小型X線発生デバイスを開発。X線発生源
である結晶材料や発生の仕組みを工夫し、高さ40ミリ×直径30ミリメートルの試作品を作製。発
生するのは波長が1ナノメートル以下の、医療用X線などで利用される比較的短い波長のX線。分析
装置の小型化や可搬型装置向けに提案。制動輻射と呼ばれる従来のX線発生原理を工夫し、小型化を
実現した。発生源の焦電性結晶の材料にタンタル酸リチウムを採用した。ペルチェ素子を用いて結晶
の温度を上げ下げして電界を作りX線を発生。さらに結晶が強い電圧を発生させることで電子を加速
するが、これまで必要だった高圧電源や加速機構が不要になるという。発生するのは波長が1ナノメ
ートル以下の、医療用X線などで利用される比較的短い波長のX線。分析装置の小型化や可搬型装置
向けに提案していくというから、汎用性と機動性の高い測定装置として市場を牽引していく楽しみが
ある。これは面白い!

 

ニオブ酸リチウム(LiNbO3)やタンタル酸リチウム(LiTaO3)等の異極像結晶を用いた
X線発生装置は、高圧電源装置を必要としないので、小型軽量で可搬性に優れており、従来のX線管
球に代わるX線源として注目されている。従来Hは、内部に低圧ガス雰囲気を維持する容器と、容器
内に配置された異極像結晶と、異極像結晶の温度を昇降させる温度昇降手段と、容器内における異極
像結晶から生じる電界の到達範囲内に配置された箔状のX線発生用金属ターゲットを備えたものだっ
た。この装置では、容器内の異極像結晶は、定常状態においても分極し、分極方向の一方の端面が正
の電気面を形成し、他方の端面が負の電気面を形成。正の電気面と負の電気面は、それぞれ、電荷量
と等量で異符号の電荷が吸着し常時は電気的に中性である。

ところが、異極像結晶が加熱および冷却を繰り返されると、その温度変化に伴い、結晶内部の自発分
極が増減し、正および負の電気面の吸着電荷がその変化に追従できなくなって、電気的な中和が破ら
れ、結晶の周囲に強い電界が生じるが、容器中の電子が、金属ターゲットから異極像結晶に向かう電
界により、金属ターゲットに向け加速され、金属ターゲットに衝突し、制動輻射によって金属ターゲ
ットを形成する物質に固有の特性X線および連続X線が発生する。異極像結晶と金属ターゲット間に
発生する電界が、異極像結晶からの距離の増大につれて急激に減衰するので、金属ターゲットに衝突
する電子のエネルギーを上げ難く、実用的十分な強度のX線が発生しないという問題がある。

そこで、上図1のように、内部に低圧ガス雰囲気を維持する容器1と、それぞれ一方向に分極し、容
器内に、正負の異なる電気面が互いに対向するように一列に配置した少なくとも2個の異極像結晶2、
3を備え、異極像結晶はそれぞれ分極方向にのびる貫通孔4、5を有し、貫通孔が互いに整合配置す
る。対向する異極像結晶の間には、金属ターゲット6が配置し、金属ターゲットを挟み隣接する異極
像結晶同士が電気的に接続し、異極像結晶と金属ターゲットでなる1つの積層体7を形成。積層体を
容器内の所定位置に固定する手段と、異極像結晶の温度を昇降させる温度制御手段8~10を備え、
異極像結晶の温度の昇降に伴い、貫通孔内に生じる電界により、電子を金属ターゲットに衝突させる
ことでX線を発生させることで、異極像結晶を用い、強いX線が発生できるX線発生装置を考案。

こうして、異極像結晶の昇温時および降温時のいずれの場合にも、金属ターゲットをほぼ垂直に貫通
する強い電界を生じさせ、それによって、金属ターゲットに対してほぼ垂直に電子を衝突させて、金
属ターゲットから電子の衝突方向に発生した強いX線を外部に照射させることができ、また、スパッ
タリングによって外に弾き出された金属ターゲットの構成原子は、その大部分が貫通孔の内壁に付着
できるため、異極像結晶の電気面の汚染が防止され、異極像結晶から発生する強電界が長時間にわた
って維持できるようになった。



圧力計測アンプ アナログ電圧出力タイプ MPV04/双葉電子工業株式会社(同上の共同出願者)



●  高効率モータの世界最高水準の省エネを実現!

東北大学とパナソニックは、ナノ結晶軟磁性合金を用いた高効率な家電用モータの試作に成功。実証
試験により、従来の電磁鋼板(ケイ素鋼板)を使用した従来モーターに比べ、電力損失が約70%減
ることを確認。東北大の試算では、白物家電など家電用モーターに使った場合で3%以上の効率改善
が見込める結果を得という。この成果は、東北大学の生み出した特異な自己組織化ナノヘテロアモル
ファス構造の結晶化を利用し、超高鉄濃度ナノ結晶軟磁性合金の研究開発と、同合金を使用した各種
モータやトランスの実証を通じ、現状の電力損失を、70%以上削減する『省電力』を達成すしたこ
にある。


尚、評価結果は、表1に示すように本開発素材を搭載した試作モータは電磁鋼板製モータに比べて鉄
損が約70%下がり、大幅なモータ効率が改善。これは、低鉄損の特性が活かされた結果、既に90
%を超える高効率なモータにおいても3%以上が効率改善できると試算、このため世界最高水準のモ
ータ効率が達成できるとしている。 

  Light Bandit System

● 百パーセント自然光照明システム

太陽光ボックスと導光ケーブルから構成された「Light Bandit」システム。ボックスにたくさんのミラ
ーを内蔵し、十分な太陽光を集めて、ケーブル経由で室内の隅々に伝える。蛍光灯や電球などの照明
効果に見えるが、実は百%太陽光。ハイテクではないが、家庭やビルだけで、公共機関の建造物、農
林水産業、鉱工業産業でも応用普及していきそうだ。これは面白い。、

 

 

今夜はあっというまだった。積雪の中、午前10時に起床、いつもの午前中の作業をすまし、彼女とイ
タリアンのランチにで、午後からの作業。ところが、ブログを掲載するエネルギーは残っておらず、
テーマを「最新新技術&商品」のアラカルトに。それで良いのだ。自己のモットー「自立、自尊」に
従ったまでと腑に落とす。

ソフトパワー制御思考

$
0
0

 

 

【ソフトパワーの源はまたしても地下化石燃料】

● 米国・キューバ正常化へ!

オバマ大統領は12月17日、1961年以来する方針――半世紀以上も外交関係が断絶しているキ
ューバと、国交正常化に向けた交渉を始める。2015年に国交が回復すれば、54年ぶり。両国
は相互に大使館を設置し、貿易と旅行の規制を緩和する。米国から約 150キロしか離れてお
らず、米国の保護国だったキューバーのフィデル・カストロらがキューバ革命で当時のバテ
ィスタ政権を打倒したことで米国と対立する。困窮する農民や労働者らの解放を目指す政府
を掲げたカストロ政権が、当初、米国との友好を求めたものの、農地改革の過程で米国企業
を接収を契機として起き、対抗手段として米国はキューバの主要産業である砂糖の輸入を停
止冷戦関係にあったソ連がキューバに砂糖の買い付けなど経済協力を申し出たためキューバ
は急速にソ連に接近。東西対立に巻き込まれていく。

これに対し1961年に米国はキューバとの国交断絶を通告。キューバが革命を宣言する。カス
トロが米国の圧倒的な力に対抗するために選択したのが、ソ連の強大な力を借りたことでソ
フトスターリン主義の一国社会主義路線に組み込まれていく※。そして、1962年10月、ソ連
がキューバに核弾頭ミサイル基地建設を進めていることが明らかになると、アメリカが戦艦
と戦闘機でキューバを海上封鎖するキューバ危機が発生。ソ連が譲歩してミサイルを撤去し、
衝突は回避されたものの、世界中を核戦争の瀬戸際に陥いる。その後、米国はキューバとの貿
易を全面的に禁止するなどの経済制裁を発動し、この措置が現在まで継続されていく。

※このことを故吉本隆明は「ほぼ日刊イトイ新聞」の糸井重里の対談(「吉本隆明『ほうと
 うの考え』」)で――ファシズムというのは「資本主義を財源としている独裁国家」とい
 うことなんですよ。資本主義を味方にしていることはドイツやイタリアのナチズムとファ
 シズムの非常に大きな、西欧的な特徴です。日本なんか、どう考えたって、それだけの器
 量がなかったと思います。その見識をちゃんと持っていたのは、花田清輝さんの「東方会」
 だけでした。これは、日本資本主義と独裁制を一緒にしたものを党派のイデオロギーとし
 た唯一の日本の政党なんです。(中略)中国や北朝鮮は、そこまで行かないで、近代化真
 っ最中の時期でしょう。昔のスターリンの末期のロシア・マルクス主義がやったことと同
 じことをやっているわけです。それと同じように、キューバやメキシコの革命も近代革命
 なんですよ。時代がおなじだからと言って、どこもおなじに見てはいけないんです。――
 と語っている。

 

● フィデル・カストロの後を次いだ、弟のラウル・カストロ国家評議会議長とオ
  バマ大統領  昨年、2013年12月、ネルソン・マンデラ氏の葬儀で歴史的握手

その後、キューバは海外からの投資の誘致や市場経済化を進め、ロシアや中国が経済的関係
の強化を模索。アメリカの政財界からはビジネスチャンスを逃さないよう、経済封鎖の解除
を求める声があがっていたが、ハフポストによると、キューバ政府はこの17日、2009年から
スパイ容疑などでキューバで拘束されていた米国人、アラン・グロス氏を5年ぶりに解放。
米国側も、スパイ容疑で拘束していたキューバ人3人を釈放する。グロス氏が開放された数
時間後に、オバマ大統領が演説。キューバを国際的に孤立させることによって、キューバの
民主化促進を目指すとしてきたこれまでの米国の政策についてオバマ大統領は、これまで失
敗してきた時代遅れの手法を終わらせるとして、これまでの封じ込め戦略失敗を認る(巻頭
写真クリック)。この間、朝日新聞によると、これまで国連総会では過去23回「米国の対キ
ューバ経済・通商・金融封鎖を終了させる必要性」の決議案がキューバ共和国から提出され、
圧倒的多数で経済制裁解除を求める決議が行われいるが、ブッシュ前大統領が、キューバ制
裁措置を強化した政策を、一転、オバマ大統領が、キューバとの対話を重視し、これまでの
強硬な対キューバ路線変更キューバとの対話に踏み切る。また、進展背後には、カナダ政府
やローマ教皇などの仲介があり、米国の高官とキューバの高官がカナダで会談。また、ロー
マ教皇はカストロ議長とオバマ大統領の両方に対し、正常化を督促する手紙を送っている。

 

● ルーブル暴落!ロシア金融危機の悪夢再来か 

原油価格の急落と経済制裁により、ロシア経済が崩壊の危機に瀕している。この影響は世界
中に波及する恐れがある。ロシア中央銀行は16日未明、投資家のロシアから資金を引き揚げ
を防ぎ、事態悪化を食い止めのため、大幅な利上げを行った。政策金利は10.5%から17%に
引き上げられたが、これは1998年のロシア財政危機以降で最大の引き上げ幅だ。特に原油価
格が1バレル60ドル前後で推移すれば、来年の国内総生産(GDP)は4.5%も縮小するおそ
れがあるとロシア中銀が15日に発表。ロシアの「ルーブルの暴落」は、米国とOPECの連
携による経済制裁?と情報あるが、この事態は、米国をはじめとする世界経済にも影響する
可能性がある。1998年のロシア財政危機では、米国のヘッジファンド「ロングターム・キャ
ピタル・マネジメント」(LTCM)が破綻し、連邦準備理事会(FRB)が救済に乗り出し 各銀
行にも支援要請したが、直面するルーブルの暴落は、この1998年の大混乱より悪い事態にな
りそうな様相を見せるが、先回の危機は大手ヘッジファンドだったが、今回は相次ぐ危機に
見舞われに経営状態が悪化している欧州の銀行になるだろう。
仮に、ウクライナ動乱に対する米国によるロシア制裁の原油安誘導だとすると、行き過ぎた
ソフトパワー(経済制裁)の封じ込めは、"窮鼠猫を噛む"、いや、熊(プーチン)を追い詰
めると新たな火種となりうる。これは戦前の日本の封じ込め政策が結果として南方の油田争
奪の太平洋戦争へと突入した全面戦争ではなくとも、局地的な戦禍などの引き金となりうる。
この場合、関係国の外交空白(齟齬)が絶対にあってはならないと考える。
 

● 中央新幹線は必要 ?

新聞を読んでいた彼女が、人口減少しているのに、莫大な電気代が必要で、トンネルばかり
の移動になるし、リニアモーターカーって本当に必要なのと突然質問するので、少し考えて
人口減少はあまり関係ないんじゃないかなぁ。インターネットの高度な情報社会では、テレ
ビ会議の方が素早く情報交換できるからね。それでも対面交渉が必要というなら、それはそ
れで必要かも知れないが、他の方法でも日本の科学技術水準であれば、代替案はいくらでも
ありそうだからね。必要かと聞かれれば、充分条件だと思うがと答え、優先すべきことは防
災と復興と社会保障の拡充、地方再生の4つだから第5位以下に入るかな。と答えるとわし
もそう思うよ。と、彼女も賛同した。


  

とは言え、中央新幹線についてまとめて考えたことがなかったものだから、今日考えてみた、
さっと俯瞰してみた。2027年に先行開業にあわせて、父親の出身地である生駒市では誘
致促進(奈良先端科学技術大学院大学のある学研都市に新駅建設)の市民運動が始まってい
ることを、母親の満中陰の折りはじめて知る。しかし、対費用効果や環境事前審査などは、
設計条件(基本仕様)で大きく影響するから、例えば「消費電力」なら従来の新幹線との比
較しようにも、時間当たりにするのか距離当たりにするのかなど、提示されているデータだ
けでは分からないというのが正直の感想。キーテクノロジは超伝導温度を決定するマテリア
ルイノベーションに依存するから(下表参照)、ライン(軌道)を建設すれば、後から載せ
替えることが可能だろうし(逆に載せ替えが難しいかもしれない)、コスト逓減できるかも
しれないだろう。



そんなふうに考えている、明確な反対の立場のひとたちから非難されるだろうが、そんな緩い結論に
今夜はなってしまった。最後に、関係する新規考案の事例を掲載しておく(参照)。

特開2009-250649 鉄道車両の模型実験装置 東海旅客鉄道株式会社 他
特開2009-100632 初期位置位相検知システム 東海旅客鉄道株式会社
特開2007-166811 リニアモータカー 東海旅客鉄道株式会社
特開2007-135308 リニアモータシステム 東海旅客鉄道株式会社
特開2007-106217 加速装置 東海旅客鉄道株式会社
特開2005-224074 リニアシンクロナスモータ車両のき電制御システム及び方法 東海旅客鉄道株式会社
特開2005-176515 浮上式鉄道の駆動制御装置 株式会社東芝 他
特開2005-176443 リニアモータ用インバータ装置及びその制御方法 東海旅客鉄道株式会社
特開2005-176442 リニアモータ車両の給電制御装置、方法及びプログラム 東海旅客鉄道株式会社
特開2005-132353 車両用ドア装置 東海旅客鉄道株式会社 他
特開2005-129412 MgB2超電導線材とその製造方法。 独立行政法人物質材料研究機構 他
特開2004-343940 磁気浮上式鉄道用地上コイル装置 三菱電機株式会社 他

 


● 地域繁栄型法人税制

 
久しぶりに、素人なりに税制を俯瞰してみた。というのもある意味経済は税金が全てである?
ことは分かっちゃいるが余りに煩瑣なため意欲が湧かなくなる、と。まぁ渋々学習してみた
わけですが、上のグラフみると世界中が格差拡大していることが一見で理解できる。今回は
往く道は精進にして』で取り上げた首都圏一極集中の是正策の法人税の見直しと「地方再
生税制」(5年程度の時限立法案)のスケルトンを構想した。

 

つまり、国内企業を対象――例外として海外企業は全国一律の税率を設定――として3つの
税率に逆差別化するというもの。例えば、A地区:首都圏とし、40%(但し、海外企業は、
15%)、B地区:名古屋・大阪・北九州圏を対象とし、20%、C地区:A・B地区以外
を対象として、5%とするというもの。これなら税制が楽しくなるという基本構想で、自画
自賛というもの。 ^^;

 

それにしても税制って複雑過ぎますよね、ここはまず、整理(切り捨て)、整頓(最適化)が必要である
ことを再確認したわけで、今後も税制については学習していこうと後ろ向きに?考えている。 

スマート水素ステーション工学

$
0
0

 

 

  

【オールソーラーシステム完結論 34】 



● 世界展開!スマート水素ステーション

 

 

北九州市、岩谷産業、ホンダと共同で、ホンダの独自技術である高圧水電解システムを採用した、
パッケージ型「スマート水素ステーション」を、北九州市エコタウンセンター内に設置し、15
日に開所式を行った。この装置の特徴は、ホンダ独自の、コンプレッサーが不要な高圧水電解シ
ステムを採用し、高圧水素タンクから充填ノズルまでの主要構成部位をパッケージ型に収納した
ものです。これにより、設置工事期間と設置面積の大幅な削減が可能となっている。また、北九
州市エコタウンセンターでは、敷地内の太陽光パネルで発電された電力を使い水素を製造してい
る。将来的には風力発電などの多様な再生可能エネルギーを積極的に取り入れた二酸化炭素排出
ゼロの水素製造も視野に入れている。  

現在、ホンダは燃料電池自動車「FCXクラリティ」を用い、「北九州スマートコミュニティ創
造事業」の共同実証実験で、燃料電池自動車から家庭への電力供給(V2H)※1や、蓄電池への継
ぎ足し充電(非常用V2L※2)を行っている。今後は、今回設置したスマート水素ステーションに
より製造過程の二酸化炭素排出ゼロの水素を供給し、エネルギーの地産地消を実現するV2H・非
常用V2Lの実証試験を進める。

※1 Vehicle to Home(ビークルトゥホーム)の略
※2 Vehicle to Load(ビークルトゥロード)の略

 
● 北九州スマートコミュニティ創造事業パンフレット

 

● 高圧水電解システムとは

               初代ソーラー水素ステーションの実証試験結果

ホンダは、当初、ソーラー水素ステーション(SHS1)を試作する。下図はその構成とエネルギー収
支を示している。この水素ステーションを用いて、太陽光由来の水素製造の研究を進めてきたが、
コンプレッサの起動時の消消費電力割合が大きいことに気づく。SHSI搭載のコンプレッサは、将
来の家庭用水素供給装置をにらんで小型小流量タイプを採用。大流量コンプレッサに比較しフリ
クションロスが大きくなり効率の低下が生じる。また水素精製(除湿)用の吸着塔再生用ヒータの
消費電力も大きく、効率低下を引き起こす。家庭サイズ再生可能水素ステーションに向けては、
さらなる小型高効率の水素ステーションが必要であり、攻めどころを(1)水素の除湿と(2)
水素コンプレッサーのエネルギーを削減が重要であることを明確にした。

                         差圧式高圧水電解スタックの開発

先に示したSHS1の実証試験結果から、家庭設置可能な小型で型で、高効率の水素供給装置の実現
には『差圧式高圧水電解システム』の開発が有効だと考え開発を進める(下図の「差圧式高圧水
電解セル模式図」参照)。固体高分子膜(PEM)を用いた水電解セルは、純水を供給し、PE
Mに電圧を加え続ければ酸素と水素を発生し続ける。したがって、水素出口側に高圧タンクを設
置するとタンク内の圧力は徐々に上昇し続け、最終的には高圧水素を得ることができる一方、酸
素は大気圧にし制御することで、差圧式高圧水電解セルで、PEMを介して圧力差が生じる。P
EM間に電圧を加えると酸素極側で純水が酸素とプロトンH+になり、プロトンは対極へ移動し
水素となる。この現象は一般的な常圧水素電解と同じだが、プロトンが対極へと移動する際には、
水素の分圧差による起電力を加える必要がある。



常圧水電解の理論電解電圧(E1)とセル抵抗ωに加え、ガス濃淡電池に必要な水素濃度差電位を
印加することにより達成される。上式の第二項がネルンスト式の水素濃度差による起電力になる。


                        差圧式高圧水電解スタックの性能評価結果

差圧式高圧水電解スタックをもちいて水の電気分解をおこない、発生した水素の圧力を常圧から
35MPaまで昇圧したときに実測した消費エネルギー推移と上式から求めた計算値を下図に示しす。
水素圧力が常圧のときの全消費エネルギーは約4千Wh/Nm3であったが、そのうちのお44Wh/Nm3
が理論電解エネルギーであり、残りがセル抵抗である。なお、セル抵抗には、膜と電極聞や電極
と給電体間の接完封蹴ヰ模抵抗酸素極キ水素極の過電圧、オーム損がある。水素圧力が3MMPaの
ときの昇圧エネルギーは約200Wh/Nm3で、あり、ほぼ計算値と一致したが、圧力が低い領域
では、計算値よりも実測値の消費エネルギーの方が低い値を示した。これは圧力の上昇にともな
ってセル抵抗成分のうち、主に膜と電極間の接触抵抗の減少と膜厚変化による膜抵抗の減少によ
ると考える。

差圧式高圧水電解スタックにおける水素圧力35MPaで、の全消費エネルギーは4200Wh/Nm3で
あり全消費エネルギーに対して約84%の効率と、高圧水素発生装置としては省エネルギーなも
のであるといえる。

 
このようにホンダの差圧式高圧水電解スタックを用いた場合の有利な特徴は、(1)水と電気だ
けを用い、その場で水素を製造でき、装置に55~60kWhの電力を与えると、水素を1キログラ
ム製造でき、使用する水の量は9キログラム。水素を外部からステーションに運び込んだり、都
市ガスを改質して水素を作り出す場合に比べて、設置場所を選びやすく、離島でも導入可能だと
いうことと、(2)世界初のステーション全体を1つ小規模パッケージ型(高圧水素タンクや充
填ノズルなど主要構成部位を全てパッケージ型に収納)にある。



● 水素を「水」から作り出す、四畳半のステーション



● 特開2014-105347 水電解システム及びその排水方法 本田技研工業株式会社

  ● 自律型浮体空港システムの再考

以上、ホンダのオールソーラーシステムの水素製造パッケージは、再エネ社会の扉をいち早く開
け放つものだ。その1つの形としてブログ掲載(『縄すてまじ!』2012.12.15)した「自律型浮
体空港システム」(上図)であり、沖縄の美しい海辺を埋め立てずにすむ、海洋都市システムへ
にもつながる、新しい防衛システムのの提案であった。さあ、古い上着を脱ぎ捨て、地球温暖化
問題を解決し、新しい世界を切り拓こう。



ゼロ・エネルギー住宅工学

$
0
0

 

 

  

【オールソーラーシステム完結論 35】 

● ゼロ・エネルギー住宅工学

 

トヨタホームは、18日住宅のエネルギー収支をゼロ以下とするゼロ・エネルギーハウス――エネルギーを
生み出す創エネ設備、先進的な省エネ設備を導入することにより、住まい全体で年間の一次エネルギーの消
費量を正味でゼロまたは概ねゼロにする住まい――を発売。今回発売する住宅は、高断熱の優れた基本性能
に、先進的で高効率な省エネ設備、創エネ設備を組み合わせることで、年間の一次エネルギーの消費量にお
いて、正味で概ねゼロを達成した。高い断熱性能と省エネルギー機器によって家庭内のエネルギー消費を抑
えつつ、消費するエネルギー以上の電力を太陽光発電システムによって作り出すという。なお、同住宅は、
平成26年度ネット・ゼロ・エネルギーハウス支援事業」の基準を満たしている。これで、大手では積水化
学工業、積水ハウス、大成建設、パナホームに続いての販売となる(下図のゼロ・エネルギーハウスの市場
予測調査報告参考)。


● 富士経済、創エネ住宅とオール電化住宅の動向

※(株)富士経済は、2013年5月から8月にかけ、創エネ住宅とオール電化住宅の地域別の動向を調査、その
  結果をまとめた報告書「需要家別マーケット調査シリーズ2013 住宅エネルギー・関連機器エリア別普及
   予測調査」を発表。太陽光発電もしくは家庭用CHP(エネファーム・エコウィルなど)を設置した「創エ
   ネ住宅」は、固定価格買取制度(FIT)の開始や節電、ZEH(ゼロ・エネルギー住宅)の新築住宅標準化
   への動きから、関心が高まり普及が進んでいる。今回の調査によると、「創エネ住宅」は、2012年度は
   前年度比49.8%増の42.4万戸となった。2025年度には年間100万戸を突破し、累計1,176.2万戸・普及率23
   %となり、地域別には中部・中国・四国・九州で30%を超えると予測される。一方、厨房・給湯に電気機
  器を採用した「オール電化住宅」は、2012年度は2005年度時点の水準まで減少したが、2025年度には1千
  万戸を突破すると予測、普及率は20%になる。

●トヨタの「シンセ・グレートソーラー・ゼロ」の特徴は、

(1)高断熱仕様を標準装備し、UA値※ 0.60以下を実現

※UA値:住宅の内部から外部へ逃げる熱量を、外皮全体で平均した数値。数値が小さいほど建物の断熱性
 能が優れていることを示す。

(2)大容量の太陽光発電だから家もクルマ※ もまとめてエネルギー収支をゼロにする

※「プリウスPHV」を1日1回充電するエネルギー



●「エスパシオ・LX・ゼロ」の特徴は、

(1)重厚外壁「LXコンクリート」の採用などによりUA値(※)0.60以下の高い断熱性能を実現
(2)高効率太陽光発電システムの採用により、創エネルギー効果をアップ
 

 

トヨタより先行するパナソニックは、正味のエネルギー消費量がゼロになり、光熱費を不要にできる戸建て
住宅「スマートエコイエゼロ」の販売を2014年4月に開始している。高い断熱性を持たせることで空調に必
要なエネルギーを抑えたことが特徴。勿論太陽光発電も併用している。これらの背景には、あと6年足らず、
の2020年までに新築住宅の基準が変わる。標準的な新築住宅では一次エネルギー消費をゼロにする――この
ような政策を経済産業省や環境省、国土交通省が推進。「ゼロエネルギーハウス」を実現する一般的な方法
は、住宅に省エネ、創エネ、蓄エネを取り入れること。消費するエネルギーを省エネでまず減らす、その上
で太陽光発電システムなどの創エネを導入し、使った以上のエネルギーを生み出す。夜間の消費は蓄エネで
まかなうもの。

 

住宅が利用するエネルギーのうち、空調が占める割合は高い。地域によって多少異なるものの、4分の1を
超える。空調があまり必要ではない家を作ることによって、遠回りのようだが、省エネや節電の効果を倍増
できる。西日が厳しい家や底冷えがする家ではゼロエネルギーハウスは難しい。ゼロエネルギーハウスに最
も近い住宅が、「スマートハウス」。省エネ、創エネ、蓄エネによって光熱費を減らし、停電時の非常用電
源を確保することがスマートハウスの目的だ。積水化学工業の調査によれば、同社のオール電化住宅のうち、
13%でゼロエネルギーを実現できている(下図1)。

 

● パナソニックは太陽電池3.8キロワットでゼロを達成!決め手は断熱

パナソニックは街区全体をゼロエネルギー化するなど、これまでもゼロエネルギーに注力。2014年4月に販
売を開始した「スマートエコイエゼロ」(下図)では高い断熱性能を実現する「サーモロックシステム」を
打ち出した。外壁と壁面内部、天井、床、窓の全てを高断熱にすることで、家庭内の電力料金を削減する。
結果として温度差が少ない室内空間を実現できるため、これも空調を減らすことにつながる。外壁にはサー
モロック壁パネルをかぶせ、壁面内部には厚さ10ミリメートルのロックウール断熱材を入れた。天井のロッ
クウール断熱材の厚さは200ミリメートル。床面下には厚さ100mmのフェノールホーム断熱材を敷く。熱の出
入りが一般に最も激しい窓にも工夫がある。空気よりも熱を伝えにくいアルゴンガスを封入した低放射ガラ
ス(Low-Eガラス)と、やはり熱を伝えにくい樹脂サッシを組み合わせている。

 

高断熱を生かして空調費用を削減できるため、スマートエコイエゼロでは屋根に出力3.8キロワットの太
陽電池
を設置すると、エネルギー収支がプラスマイナス0になる。太陽光発電普及拡大センターの調査によ
れば、2013年10月~12月の期間、太陽光発電システムを導入した新築住宅の平均設置容量は4.13キロワ
ット。つまり平均よりも1割程度少ない設置容量で達成できる。同社が計算したモデルプランにおけるエネ
ルギー収支と光熱費の収支は、年間のエネルギー消費量(68.2GJ)を103%削減して、正味2.2ギガジュー
ルを生み出す。年間約23万2000円だった光熱費は、約2万4000円の「黒字」に変わる。つまり、(1)夏季の
「熱ごもり」を防ぐ、建物内の24時間換気システム「ココチイーシステム」。PM2.5や花粉を除去する仕組み
を備える。(2)HEMS「AiSEG」(関連記事)と、AiSEGに結び付く次世代住宅分電盤「スマートコスモ」、
(3)木材と鉄の複合梁(はり)であるテクノビームを用いた構造体テクノストラクチャー。軒を持ち出し
た(張り出した)屋根構造を採りやすいため、夏季の太陽光をカットでき、かつ、冬季は太陽光を妨げない
と、いう3つの要素技術を工学していることが特徴である(下図参照)。

 

 

さらに、大成建設では、6月より同社の技術センターで、建物単体で年間の1次エネルギー収支がゼロにな
る「ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)実証棟」が完成し、日本ではエネルギーの約40%がオフィスビル
等の建物で消費。オフィスビルのネルギー収支をゼロにすることは全体のエネルギー消費量削減や、二酸化
炭素排出量の大幅削減となるが、今回完成したZEB実証棟は、新しいシステムの開発や、従来技術の効率
的な組み合わせにより、徹底的な省エネルギーを図ったもの。年間のエネルギー消費量を一般的なオフィス
ビルと比べ75%削減できる一方、消費するエネルギーの残り約25%は、太陽光パネルによる創エネによ
り賄い、消費エネルギーと生成エネルギーの収支がゼロとなることを目指、検証を進めている。


以上、大手の住宅・ゼネコンばかりを掲載したが、各地方でも住宅メーカもこの事業に参入しているので事例研究対
象として注目している。わたし(たち)「ゼロエネルギー住宅事業」を成長戦略の重要なテーマとして注目
している。法律をすこし変えるだけでも?日本の国土の価値を高め、雇用を増やす"キープロジェクト"とし
て注目しているのだが、それを可能とする技術・工学のレベルの高さも、再確認できた。 

 

自動融雪工学

$
0
0

 

 

【融雪・除雪作業の自動化】

 

 

先日、北海道を中心とした豪雪をきっかけに「雪寒地帯事業」の根本的な対策事業を行わなければと
いう思いに至る(『車両用非接触給電工学』 2014.12.17)。日本は 国土の約60%が積雪寒冷の度
がはなはだしい、いわゆる雪寒地域であり、約4分の1にあたる人が暮らしている。その地域の人口
密度は、112人/km2と他国に類を見ないほどに高く、豪雪地域の積雪被害の経済損失は全国で年間2、
3千億円程度ではないかと仮定した(道路の除雪・凍結防止を中心として、「雪対策施設の整備概要-
札幌市
」(2006.07.06)の除雪費用が167億円/年であり、その20倍程度)。意外と去られてい
ないのが日本が世界でもまれにみる豪雪地帯だ。ということに対する、無知さを知った(上/下図参
照)。つまり、除雪・融雪・消雪の作業、あるいは、凍結防止作業の諸事業を根本的になくすことが
できれば、自動対応かできれば、転落死・圧死・凍死が防げ、そこに割かれるパワー(人間力)は他
にシフトさせることが可能となり、それはまた、総合的な生産性を高めることに繋がる成長戦略の1
つに位置つけることができるはずだ(10年で3兆円前後の付加価値が生まれる)。


● 除雪・消融雪方法

除雪事業は、機械除雪を主体に消雪パイプや流雪溝などの施設を有効に利用し、冬期の道路交通を確
保するもの。産業の振興と安全で安心な暮らしのために、除雪機械の増強・更新を図りつつ、道路除
雪を行っている。また、歩道除雪には、歩行者の安全確保や効率的な歩道除雪に取り組まれている。
下図は 除雪・消融雪対策の概説図。 

 

● 最新の融雪技術

・省力化と自動化に容易に対応できる融雷技術

雪国ではさまざまな克雪技術か実施されてきたが、人々の居住地域で問題となるのは積雪処理であり
人力に頼らざるを剤ない除雪作業。一方、過疎地域に住む人々の加齢叱のスビードは都市部のそれを
大きく上回っており、人口減と高齢化による二次災害の発生か大きな間題となっている。降雪や積雪
部を消融雪する「融雪技術」の重要性はますます増している。融雪技術は、化学的あるいは熱的な手
段により雪を溶解し融雲水として除去し、対象面の両凍結を防止したりするものであり、一度設備化
すれば長期にわたって施工地域の積雪や凍結を安定して防止でき、雪国で暮らす人々に安全で快適な
生活を保障できるものとなる。融雪枝衝の利点は、省力化や自動化運転に容易に対応できるところに
あるか、一方で設脈化や運転・維持コストか高いという不利もある。コスト的課題は、低コスト熱源の活用や
各種センサや気象情報とリンクさせた高精度自動運転の実現により克服されつつある。 

 

● 地中熱・空気熱利用の融雪技術

従来より、道路の凍結や積雪を防止するために道路表面近くの地中に融雪発熱体を埋設し、発熱体に
は、電気ヒータ等が使用されているか、または地上表面近くの路盤上の舗装体(アスファルト層やコンクリ
ート層)に埋設した配管に温水を循環させる方法が融雪ないし凍結防止手段として使用されている。
ところで、従来の温水による融雪は、地表近くに埋設した融雪管に空気を熱源とする温水加熱を目的
とするヒートポンプが使用されているが、電源遮断時には融雪が不可能となり何らかの対策が必要と
する。また、空気熱を熱源とするため、空気熱の供給源であるヒーティングタワーの伝熱面の着霜が
熱効率の低下に繋がりデフロストが必要だが、このデフロストには一時融雪を停止する問題がある。
また、一時的な異常気象による豪雪に対処は従来の融雪手段では熱容量に余裕がなく柔軟性に欠ける
問題もある。また、積雪地帯では、融雪に融雪用の電力契約があるが、該契約に伴う特定時間帯にお
ける電力遮断(ピークカット)を余儀なくさせられ、そのため融雪を停止せざるを得ない問題もある。

 


ところで、近年、地球温暖化、オゾン層破壊、省エネルギ等の環境問題が叫ばれ、自然冷媒・自然エネルギの
有効利用も求められている中で、大地はどこにも存在する安全で自然の材料であり、特別なスペースを必要と
しない等の特徴を持っており、この地中熱の有効利用並びに大地の蓄熱性の利用推進から、地中熱の
利用に対する技術提案が盛んである。 例えば、先日の『温度差エネルギー変換工学』(2014.11.25)
では、積水化学が、下水熱利用システム「エスロヒート下水熱-管底設置型」を12月1日より発売、
下水道管路の底部に敷設した集熱管で下水熱を回収し、地上に送るシステムで、あらゆる管形状に対
応が可能で、下水の温度は年間を通して外気温よりも安定しているため、冬場は温熱源として、夏場
は冷熱源として活用でき、空気熱源ヒートポンプシステムと比較して電力コストを約30%削減でき
る技術を紹介掲載。管底に敷設した集熱管を通し下水の熱を熱媒体(水・不凍液)に回収し、この熱
媒体を循環させて地上部へ熱を供給する。「エスロヒート下水熱-らせん型」(上図参照)と同等の
採熱性能を有し、高い省エネ性と二酸化炭素の排出削減効果が期待できるものである。




【事例研究】路面融雪構造

路面融雪手段として、その熱源を地熱に求める手段は種々提案され実施されている。例えば地中と路
面との間にヒートパイプを埋設し、地中部分で蒸発(吸熱)させ路面埋設部分で凝縮(放熱)するよ
うに作動液を循環させて路面融雪を実施している。また、地中を蓄熱部として利用する手段として、
路面下の地中に蓄熱型伝熱路を形成し、路面上の熱を地下に放熱して地熱の昇温に使用し、地熱の伝
熱路による熱移動で路面融雪を行うことや、地中に蓄熱槽を形成し、不凍液を循環させて、地中の蓄
熱槽配管で温めた不凍液を、舗装体内の循環管路に通して舗装体を温めて路面融雪を行う手段などが
提案されている。


尚、舗装体層内に電熱線や温水循環管等の発熱体を埋設し、電気や燃料などの外部エネルギーを使用
し、舗装体を直接加熱する融雪手段は、舗装体の熱が地中に逃散しないように、路面下に断熱層を形
成することが知られている。地熱利用を路面融雪装置における、ヒートポンプを使用する手段は、現
実的な融雪を実現するために、

(1)深さ10~20mの穴掘削を行い、このボーリング孔にヒートパイプを埋設し、且つ作動液が
  漏洩すると機能しなくなるので、ヒートパイプ自体を堅牢にする必要があり、その建設コストが
  非常に大きくなってしまう。
(2)また、単に蓄熱型伝熱路を構築する手段では、伝熱路以外の箇所の地中温度が、路面温度の影
  響を受け、伝熱路自体以外の蓄熱効果を期待できない。
(3)さらに、地中の蓄熱部分が他の地中部分(路面温度の影響を受ける箇所)の影響を受けること
  なく、地中部分に断熱層で囲繞した蓄熱槽を構築する手段は、設置工事が大規模になってしまい、
  また不凍液の循環のためのランニングコストも必要となる。



・ 課題を解決の手段

所定の舗装体で舗装路面を構築する際に、舗装路面の直下の地中部分が地表温度の影響を受けないよ
うに相応の範囲で断熱層部を形成すると共に、断熱層部に透孔を適宜間隔毎に穿設し、透孔内に伝熱
部を組み込むと共に、伝熱部の表裏に伝熱部と熱伝導可能に組み込む受放熱部を設けることが1つ特徴
であり、また、舗装路面下の断熱層部の地中(地盤)は、表層部分である舗装体の温度の影響を受け
ない範囲で断熱層部が形成されているので、断熱層部直下においては、気温の影響を受けない地下数
メートル(5~10m)と同様の地中温度(平均的に15℃程度)となる。従って、伝熱部を介在し
て、断熱層部直下の地熱が舗装体に伝達され、舗装体の温度を高めて降雪時の路面融雪を実現する。

この路面融雪構造では特に、表側受放熱部が、断熱層部の表面に設けた受放熱板と、舗装体内に配置
した受放熱金属網を形成し、裏面受放熱部との熱伝導に際して、舗装体への熱伝導効率を高めている。
また、裏側受放熱部が、断熱層部の裏面に設けた受放熱板、又は地中に打設した受放熱杭で形成、表
側受放熱部との熱伝導に際して、地盤中への熱伝導効率を高める。さらに、特に伝熱部が、降雪気温
以上で伝熱遮断を行う熱動作部を備えてなるもので、降雪気温以上(4~6℃程度)においては、伝
熱部の熱伝導を遮断することで、気温によって平均的な地中温度(15℃程度)より低くなっている
舗装体に対し、地熱の伝導に伴う放熱を阻止することで、地中温度の低下を防止して、融雪効率を高
める。また、熱動作部を備えた伝熱部では、伝熱部が、所定の温暖気温以上で熱伝導を行う、熱動作
部を備えてなるもので、気温(舗装体温度)が例えば平均的な地中温度15℃以上となると、伝熱部
が熱遮断から熱伝導の状態に移行させ、舗装体の熱を地中に放熱して蓄熱を行う構造が特徴(上図)。

このように、所定の舗装体で舗装路面を構築する際に、舗装路面の直下の地中部分が地表温度の影響
を受けないように、相応の範囲で断熱層部を形成すると共に、前記断熱層部4に透孔を適宜間隔毎に
穿設し、透孔内に伝熱部を組み込むと共に、伝熱部の表裏に伝熱部と熱伝導可能に組み込む受放熱部
を設けてなることで、自然エネルギーのみを利用する路面融雪手段であって、特に簡易な構造で設置
工事が容易で、且つランニングコストを必要としない路面構造を提供する。 

 

【事例研究】相変化物質 PCM

従来から、不用の熱を蓄えておき、必要なときに蓄えた熱を用いるための蓄熱システムが数多く提供
されているが、近年、蓄熱材として潜熱蓄熱材料であるPCM(Phase Change Material、相変化物質)
を用い、潜熱を利用して吸熱及び放熱を行う潜熱蓄熱システムが提供されている。潜熱蓄熱材料は、
放熱時に固相化し、流動性がなくなる。このため、潜熱蓄熱システムでは、一般に、吸熱(蓄熱)の
際に、熱源から熱を運んでくる伝熱媒体と蓄熱材料であるPCMとの間で効率的に熱交換することが
難しい。例えば、(1)潜熱蓄熱材料(エリスリトール)を油の中に混ぜることで流動性を持たせ、
吸熱・放熱時の熱交換の効率を上げているが、潜熱蓄熱材料を油と一緒に混ぜ、熱交換器等において
循環させる場合、何らかの要因により油が漏れたりすると、汚染や発火等の危険がある
。(2)潜熱
型の蓄熱材として、水の融解-凝固に伴う状態変化における潜熱を用いたものがよく知られている。
潜熱型の蓄熱材は、顕熱型の蓄熱材と比較して一般的に蓄熱量が大きいという利点があるが、潜熱型
の蓄熱材として代表的な水の融点は大気圧下でほぼ0℃であり、0℃付近の温度帯にしか使用できな
い。潜熱型の蓄熱材には各蓄熱物質固有の相変化温度領域に使用が制限されるという問題がある。



(3)一方、水以外の潜熱を利用できる化合物として、工業的に有用な潜熱量と炭素数に応じた融点
をもつパラフィン化合物や脂肪酸エステルが知られている。これらは炭素数に応じた相変化温度を有
するため、所望の炭素数のものを選定することで使用したい温度領域で蓄熱効果を得ることができる。
脂肪酸エステルは、パラフィン化合物より化学的安定性に若干劣る、臭気が強い、という性質がある
ものの、一般にパラフィン化合物より引火点が高く、安価であるため蓄熱材としての有用性が認めら
れる。(4)脂肪酸エステルを蓄熱物質として蓄熱材に用いる場合、安全性の観点および工業上多様
な用途観点からポリマー等により固定化していることが好ましく、危険物に相当する脂肪酸エステル
を指定可燃物として取り扱うこともできるが、脂肪酸エステルと水添共役ジエン系共重合体を加えて
固定化する構成では、蓄熱材から脂肪酸エステルが染み出す(=「ブリード」)課題が残る(上表)。
以上の問題解決のための考案が提出され改良が日々なされている。

日本の国土の60%を占める雪寒地帯の生産性を高めることができれば、潜在的国民総生産力の掘り
起こしが可能となり結果、付加価値を高めることになる。今夜俯瞰してみて、技術的にも経済的にも
それは可能だろう考える。これは面白い!

● 頭脳と肉体の幾何学的の美しさ

日本大学選手権決勝「パナソニック杯 第69回毎日甲子園ボウル」は14日、兵庫県西宮市の阪神
甲子園球場で観衆3万2000人を集めて行われ、西日本代表の関学大(関西)が55−10で東日本
代表の日大(関東)を破り、4年連続27回目の優勝を飾った。自らの大会最多優勝記録を更新し関
西勢が8連勝となったが、ひときわ目立ったのが今年2年生のはランバック(running back)の橋本誠
司選手による中央突破だ。野球も幾何学的な美しさがあるが、アメフトのそれは機動的で集団的で密
集戦の頭脳と肉体の2・5次元の幾何学的の美しさだ。これは関学の連覇が続きそうな予感だ。



 

 

デジタル革命!大爆破

$
0
0

 

 

  

【オールソーラーシステム完結論 36】 

● そして、直流送電時代がやってきた!

 

日立製作所とスイスABB(アセア ブラウン ボベリ アクチーボラグ)社は16日、国内向けに高圧
直流送電(HVDC)事業を展開するための合弁会社を設立することに合意したと発表した。日立製
作所の営業ネットワークやプロジェクトマネジメント能力を、ABBの先進HVDC技術と組み合わせる
ことで、再生可能エネルギーの大量導入や国内の電力系統強化に役立てるという。今回の日立製
作所の発表の背景には、地球環境問題への取り組みの世界的高まりとパワー半導体技術や送電ケ
ーブル技術の向上、さらに、世界的な統一規格が整ってきた背景がある。つまり、グローバルで
のHVDC市場は、1970年代より他励式HVDCによる多くのプロジェクトがある一方、2000年頃より、
新技術である自励式HVDCの開発が進んできました。特に近年は再生可能エネルギーの連系におけ
る利用に注目が集まっており、系統安定化のメリットも大きい自励式HVDCの新たな設置ニーズが
増加。自励式HVDCは、地中や海底などの長距離にわたる送電や電力系統の相互接続以外にも、幅
広い分野への適用が増加している。

 

具体的には、陸上の大規模再生可能エネルギー発電、洋上風力発電との連系や、本島から離島へ
の電力供給、海洋石油・ガスプラントや設置面積が制約となる都市の中心部への電力供給、海を
隔てた2国間の相互接続など。適用分野を問わず系統連系規定に準拠し、強固なネットワーク接
続を確かなものにする。日本では、2006年までに9つのHVDCプロジェクトがあり、それらは全て
他励式によるものだったが、今後は再生可能エネルギー導入の拡大や電力システム改革を背景に、
送電系統の広域連系や洋上風力発電との連系など、自励式HVDCの需要が高まることが見込まれて
いる。ここで、他励式HVDCとは、オフの際に通過電流をゼロにする必要があるパワー半導体デバ
イス(サイリスタ)により変換機を構成する方式。1970年以降の主力方式であり、多くの稼動実績
がある。システム構成が簡素で技術的にも成熟しているが、設置にあたっての電力系統への制約
が多く、無効電力補償などの系統安定化の対策が必要となることもある。また、自励式HVDCとは、
任意の時点でオン/オフの切り替えが可能なパワー半導体デバイス(IGBTなど)により変換機を構
成する方式。設置にあたっての電力系統への制約が少なく、無効電力の供給など系統安定化のメ
リットも大きい。系統安定化対策が不要であるため、HVDCの全体構成を他励式に比べ簡易化する
ことが可能である。

日本国内の具体的な動きは、既に 2016年度からNTTがグループの通信ビルやデータセンターで、
HVDCシステムの本格導入を開始。これを受けてNTTファシリティーズは、サーバに380Vの直流を
給電するHVDCシステム構築サービスを2014年8月から開始した。500kW規模の案件では、約1億
7千万円で構築できるという。同社が狙うHVDC化のメリットは上図の通り。消費電力量(二酸
化炭素排出量)が20%減ることが最大のメリットだという。尚、通信とICT関連の企業が参加
するベルギーGeSI(Global e-Sustainability Initiative)が2008年に公開したレポート「SMART 2020」に
よれば、ICT分野における二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量は8.3億トン(二酸化炭素
等価)。これが2020年には14.3億トン(同)に増加するという。HVDCはこのような傾向を抑
える役に立つ。

● 高圧直流送電の特徴

  長所 同実行電圧の交流よりも、最高電圧が小さく絶縁が容易である。 表皮効果を生じないため導体利用率がよく、電力あたりの電流が小さいため電圧降下・
電力損失が小さい。 2条の導体で送電できる(大地を帰路とした場合は1条でも可能であるが電蝕や通信へ
の影響が大きいのでその対策が必要)。 交流の電力系統を分離でき、潮流調整が容易となる。 電線路のリアクタンスによる電圧降下や、静電容量によるフェランチ効果(電圧上昇)
が無い。

  短所

大容量の直流遮断は難しい。交流は電流零点を有するため、この点で電流を遮断する事
が可能である。電力系統で使われる遮断器は容量が大きいため遮断する段階での細工は
必要である。一方直流は零点がないため、大容量の遮断器では零点を作る細工が必要で
ある。通常は外部に蓄えたエネルギーを逆電流として挿入するか、直流に自励振動の電
流を重畳させて零点を作るかする工夫が必要である。一部低電圧では実用化されている。
高電圧大電流用にも開発が終了し実用化の検証が終了している。 交直変換の際の高調波に対する対策が必要である。3相の全波整流(6アーム構成)では
6n±1の高調波が交流系統側に、6nの高調波が直流系統側に流出する(nは自然数)。交
流系統と連系する変圧器(変換用変圧器)2台を位相を30度ずらして接続すると交流系
統への流出高調波は12n±1に、直流系統への流出高調波12nになる。これらの高調波が
系統に与える影響を抑えるために変換所には高調波フィルタを設置する必要がある。
影響は交流、直流の系統構成によって異なるため、事前の解析が重要である。 交流送電に比べて(直流 - 交流変換の設備が必要な分だけ)初期投資が高価である。

 

 

※ 関連特許

・特開2014-220993 HVDCバルブタワー  エルエス産電株式会社
・特開2014-180131 電力変換装置  株式会社東芝
・特開2013-161642 電流遮断回路、送電システム及び電流遮断回路制御方法
・特開2011-216292 直流油浸電力ケーブル 古河電気工業株式会社 
・特開2006-351825 光点弧半導体装置  東芝三菱電機産業システム株式会社
・特開平08-317548 高圧直流送電設備の2極式変換所用保護装置 アセア ブラウン ボベリ ア
         クチーボラグ
・特開平08-205409 高圧直流送電設備の制御方法および装置 アセア ブラウン ボベリ アクチ
         ーボラグ
・特開平10-336889 送電プラント  アセア ブラウン ボベリ アクチーボラグ

 

 

 

● そして、次世代―二次空気亜鉛電池時代もやってきた!

 

日立造船が次世代二次電池として期待される「亜鉛空気電池」の円筒型二次電池を開発し、仕
様や量産化技術の確立、耐久性の検証を進め、2016年度末までに製品化するというニュー
スで株価が高騰し話題となっている――造船不況で、「ウコン茶」「半導体製造装置」など様
々な事業開発していることは仕事を通して知っていたが、いきなりの金属-空気二次電池の開
事業化にびっくり――ところで、充電できる同じ金属-空気二次電池のリチウムイオン二次電
池に比べ、(1)重量当たりのエネルギー容量は約5倍。(2)出火などのリスクがほぼなく、
(3)充放電を繰り返しても性能劣化がほとんど起こらない。この空気-亜鉛電池を自然エネ
ルギーによる分散型小規模エネルギー網(マイクログリッド)市場や車載電池市場へ売り込む
という。また、日立造船が持つ、多孔質セラミックス円筒の外側にゼオライト薄膜をコーティ
ングする一連の技術を応用した。円筒の中心の亜鉛電極周辺に電解液が入り、その外側をアル
ミナのセパレーター、空気極支持管、空気極触媒層が取り囲む形状。陽極にあたる空気極に炭
素を使わず、ペロブスカイト型酸化物のみで形成して劣化を抑えたという(「日刊工業新聞」
2014.12.22)。

 

ところで、空気亜鉛二次電池は、正極活物質として空気中の酸素を用いる金属-空気二次電池の
一種で、その名称は負極活物質に亜鉛(Zn)を用いることに由来。金属-空気二次電池の最大の
特徴は、リチウム-空気二次電池と同じく、セル外の空気中から酸素を内部に取り込んで使用す
るため、正極活物質をセル内に準備する必要がないと言う特徴をもつ。このことは正極活物質を
セル内に保持することで発生する体積、重量がなくなることを意味、一般的な二次電池と比較し
て体積密度、重量密度の両面で有利となる。亜鉛-空気二次電池は、金属-空気二次電池の中でも
最も活発に研究が進められてきた二次電池のひとつ。
亜鉛-空気二次電池の特徴は、1.3kWh/kgという高い理論エネルギー密度。この亜鉛-空気二次電
池の理論エネルギー密度は、現在実用化されている二次電池の中で最も高い理論エネルギー密度
をもつリチウムイオン電池の約2倍に相当する。また負極活物質である亜鉛の資源量が豊富で安
価なためレアメタルであるリチウムを使用するリチウム-空気二次電池など比較して安価で製造
できる点も、亜鉛-空気二次電池の長所と言える。亜鉛-空気二次電池の充放電サイクル寿命や出
力密度を改善して、実用するためには以下のような課題を解決する必要がある。

(1)充放電反応の繰り返しによる樹枝状析出を起こさない亜鉛極の開発
(2)放電(酸素の還元)と充電(酸素の発生)の繰り返しに耐えうる触媒の開発

以上のように看ていくと、実績データーが揃って品質・信頼性が確認されていけば、前述した、
スマート・グリッドの、下記に関連特許を紹介しておこう。

 

 

  

● 牛乳豆腐に夢見る

モッツァレラチーズ(水牛)あるいは、カッテージチーズ(乳牛)は日本では、牛乳豆腐と呼ば
れる、と思い返したのは、池田牧場から帰宅してからだ。彼女がチーズをつくっている牧場があ
るというので、正午前車を走らせ目的地に着くも、そこではチーズは作っていないというので、
ジェラートを二人で注文し、「香想庵」で、ランチ(田舎御前と鹿ロースト)を戴く。ビジエ料
理として、燻製として食べるのも美味しいが、鹿ローストは油ぽさもなく、調理が上手なことも
あり、あっさりとして大変美味しいものだという体験をさせて頂いた。牛乳豆腐はお土産として
販売されていたもので、夕食には、自家菜園のルッコラを添えワサビ醤油として食す。そこで、
漠然としてだが、加熱した方が大豆豆腐より美味しく頂けるのではと考えた。例えば、オリーブ
オイルとガーリックパウダーを振りかけ電子レンジ加熱するというもの。今夜はこの辺にしてお
こう。

 

 

 

太陽と山羊のプロジェクト

$
0
0

 

 

● 太陽と山羊のプロジェクト

昨夜の続き(「牛乳豆腐に夢見る」)。ソフトバンクグループで自然エネルギー事業などを行うソフ
トエナジー株式会社と三井物産株式会社が設立した「鳥取米子ソーラーパーク株式会社」と鳥取県米
子市で建設業などを行う株式会社大協組は、「ソフトバンク鳥取米子ソーラーパーク」で、「とっと
り自然環境館」および駐車場周辺の約9百平方メートルを対象にヤギ2頭を配置し、現場植生への除
草効果、除草品質および地域住民への癒し効果や環境への理解促進効果などの調査結果を公表。それ
によると、採食活動には嗜好性が見られ、クローバーやヨモギなど、葉の柔らかい草を好んで食べた
一方で、ススキの葉のような萱や丈の高い草、セイタカアワダチソウなど太い茎は避ける傾向が見ら
れる。また、歩行によって踏み倒された草も枯れることから、これらも除草効果として認められたと
いうことだが、併せて集客と環境教育に貢献したという(下写真をクリック)。 


ところで、ヤギは家畜として古くから飼育され、用途により乳用種、毛用種、肉用種、乳肉兼用種な
どに分化し、その品種は数百種類に及ぶ。ヤギは粗食によく耐え、険しい地形も苦としない強靭な性
質から、山岳部や乾燥地帯で生活する人々にとって貴重な家畜となっている。ユーラシア内陸部の遊
牧民にとっては、ヒツジ、ウシ、ウマ、ラクダとともに5種の家畜(五畜)のひとつであり、特にヒツ
ジと比べると乾燥に強いため、西アジアの乾燥地帯では重要な家畜であり、その毛がテントの布地な
どに使われる。ヤギの乳質はウシに近く、乳量はヒツジよりも多い。明治以降、日本でも数多くのヤ
ギが飼われ、「貧農の乳牛」とも呼ばれたが、高度経済成長期を境として減少傾向にあるが、近年で
はヤギの愛らしさ、粗放的飼育に耐えうる点等が再評価されつつあり、これを受けて、ヤギ愛好者・
生産者・研究者が一堂に会する「全国山羊サミット」が年に1回、日本国内で毎年開催場所を変えて
開催されていて、年々盛況になっているという。

ヤギと人類の共生歴史は古く、新石器時代の紀元前7千年ごろの西アジアの遺跡からヤギ遺骨が出土、
家畜利用が始まったのはその頃だとえられている。従って、ヤギの家畜化はイヌに次いで古いと考え
られるが、野生種と家畜種の区別が難しく、起源は不確定である。また、初めて搾乳が行われた動物
がヤギだとされ、チーズやバターなどの乳製品も、ヤギの乳から発明され、乳用のほか、肉用として
も利用され、皮や毛も利用される。群れを作って移動するヤギは、遊牧民の生活にも都合が良く、肉
や毛皮、乳を得ることを目的として、家畜化された結果、分布域を広げていったと考えられる。一方、
農耕文明においては飼育されていたものの遊牧民ほどは重宝しなくなった。ヤギは農耕そのものには
役に立たず、ヒツジの方が肉や毛皮が良質であり、また、新たに家畜化されたウシの方が乳が多く農
作業に適していたためだが、現在でも多くの品種のヤギが飼育され、宗教上ウシやブタを利用しない
文化ても、重要な家畜とされている。

また、山羊は草食の反芻動物なので繊維質飼料が不可欠で、粗飼料を基礎飼料として与え、穀物(と
うもろこし、大麦、ふすま)、粕類、根菜類などを補給するというのが基本たが、飼料にはコストを
かけず、道路沿いや河川の畦畔野草、山林の下草、作物残渣、食品製造副産物などの自給飼料主体で
飼うのが山羊本来の姿とされる。山野草の中には薬草として寄生虫や皮膚病の駆虫に役立つものもあ
り、できるだけ治療薬にお金をかけず工夫する。しかし、山野草を利用すると言っても有毒植物には
要注意。山羊は本能的に有毒植物を避けて摂取するが、放牧経験がない場合や草量が少ない場合には
採食して中毒を起こすことがある。症状としては、元気喪失、歩様異常、流涎、嘔吐、発泡、昏睡、
痙攣、呼吸困難などがあり、重度の場合には死に至るケースがある(上表クリック)。



そこで、全国でヤギを放牧し除草するメガソーラーパーク(あるいはステーション)を中核――その
他に自治体管理の河川の堤や鉄道・フリーウェイの高架軌道など法面なども含め――とした雑草の栽
培管理・除草管理と連結させながら、ヤギのミルクやチーズなどの乳製品や食肉の生産させていく事
業を起業すれば面白いのではないかと昨夜から考えていたので、ソフトバンク・エナジー社のこのニ
ュースは渡りに船のようにイメージを膨らまさせることになった。


 

それでは本題に入ろう。山羊乳は栄養価が高く、成分が母乳に一番近いため消化が良く、アトピーの
子供や糖尿病の予防など、自己免疫力を高める効果があり昔から体に良いと言い伝えられてきている。
また、ヤギのチーズはシェーブル(フランス語でヤギを意味する)チーズと呼ばれ、何千年も作られ
てきており、最古の乳製品の1つとされている。最も簡単なものでは、生の乳を天然に凝固させ、脱
水、成形してカードとし、乳を凝固させるために酢やレモン等の酸やレンネットが用いられることも
ある。シェーブルチーズは世界中の家庭で作られていて、チーズクロスにカードを入れて数日間暖か
い場所に吊るして脱水、保存した後、塩に漬けて皮を作り、数ヶ月間冷たい洞窟等で保存されてきた。
なお、シェーブルチーズは熱すると柔らかくなるが、牛のチーズのように溶けることはないし、皮の
ついたシェーブルチーズは、バターやマーガリンのようにパンに塗るためにオーブンで焼かれて調理
される(下写真をクリック)。 

 

 

● 武器貿易条約が発効!通常兵器取引に初の規制 国連に新風!

24日、戦車やミサイルなどの通常兵器の取り引きを規制する初めての国際条約で、日本などが主導
した「武器貿易条約」が発効し、武器の取り引きの管理が強化されることで、紛争の拡大防止などに
つながっていくのか注目されている。「武器貿易条約」は、核兵器などの大量破壊兵器とは異なり、
これまで規制が無かった通常兵器の国際的な取り引きを規制する初めての条約で、日本などが主導し
て去年4月に国連総会で採択された。



条約では、戦車やミサイル、小型の銃などの取り引きについて各国が管理を強化し、国連安全保障理
事会の決議や国際法に違反する事態を招くおそれがある場合には、取り引きを禁止することなどを定
めている。条約は、日本を含め発効に必要な50を超える国が批准の手続きを終えてから90日が経
過したことを受け、24日発効。一方で、主要な武器の輸出国のアメリカは署名はしたものの批准し
ておらず、ロシアや中国などは署名もしていない。

国連のパン・ギムン(潘基文)事務総長は、声明を発表し「武器が紛争地に流入するのを防ぎ、テロ
リストや犯罪組織の手に渡らないようにすることで、人々の苦しみを和らげたい」として、条約の意
義を強調するとともに、主要な武器の輸出国に対しても改めて早期加盟を促した。

    

 

 

 

 

 

 

 

レンズフリー顕微鏡工学

$
0
0

 




● ムーアの壁はどこだ?! 

一昨夜の続きだけれど、国道307号から八風街道にかけて、建設中あるいは導入済みのプチ
メガソーラーを数多く見かけた。過熱気味ということで、見直し問題が浮上していて、予測の
甘さを指摘する意見をネット上で見かけるが(産経新聞系は顕著)、資本主義的な政策はこん
なに効果があるのかと、寧ろ感心して看ている。さて、その光電変換素子の半導体の話。世界
半導体市場統計(WSTS)は2日、2014年秋季半導体市場予測を発表し、2014年の世界半導体市
場規模は、前年より9.0%成長し、3331億5100万米ドルに達する過去最高の見込みだという。

もう一つは、米国で開催された「IEDM(International Electron Devices Meeting)2014」の報告で
は、Intel社の14ナノメートル FinFETプロセスやTSMCの16ナノメートル FinFETなどの開
発状況をはじめ、多くの論文が発表されている。ムーアの法則に壁はないのか、あるとしたら
どのぐらい先なのか、そんな疑問も湧いてくる。そこで、インテル社のシニアフェローである
マーク・ボアーは、7ナノメートルプロセスについて、下記の楽観的な見方を示しているので
掲載しておこう。

 研究開発においてわれわれは、微細化は、少なくともあと10年は続くとみている。この考
 えは、10年前や30年前から変わっていない。微細化は世代ごとに難しくなっているものの、
 トランジスタ当たりのコストを前世代のプロセスよりも下げられるような技術開発に取り
 組んでいる。私は、1マイクロメートルが壁だった時の、身もすくむような気持ちを覚え
 ている。われわれの22ナノメートルプロセスは、これまでで最も歩留まりが高く、最も欠
 陥が少ないプロセスになっている。14ナノメートルプロセスも同様になるだろうが、その
 ためには多くの課題を克服しなければならない。(EE Times 「微細化は今後10年続く」
 2014.12.24)

 

● レンズフリー顕微鏡 がん細胞検出精度99%

米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究グループは17日、大型で高価な光学顕微鏡と
同等レベルの精度で、がん細胞や、その他の異常を細胞レベルで検出できる、“レンズを使わ
ない顕微鏡(レンズフリー顕微鏡)”を開発したと発表。血液や組織などの一般的な検査を実
施するための、持ち運びしやすい顕微鏡を製造できる可能性がある。レンズフリー顕微鏡は、
サンプルを置くスライドガラス、CMOSイメージセンサーアレイを搭載したマイクロチップ、光
源(レーザーか LED)で構成される、非常にシンプルなものだ。スライドガラスは、マイクロ
チップに直接触れることがないようサンプルホルダーに置かれる。レーザーかLEDの光を上から
サンプルに当てると、イメージセンサーは、そのサンプルの影影のパターンなどを捕捉して記
録する。さらに、センサーの情報を使って3次元画像を映し出す。画像を再構成するアルゴリ
ズムによって、画像のコントラストがより強くなり、異常を検知することが容易になる。この
事例によると、子宮頸がん検査向けのパップスメア(細胞診検体)、乳がん細胞を含む組織標
本、血液サンプルを使用して、レンズフリー顕微鏡を評価した。その結果、がん細胞検出の精
度は99%だった。尚、レンズフリー顕微鏡のもう1つの利点は、視野を拡大できるので、従来
の光学顕微鏡よりも迅速に検体を処理することが可能になる(下図参照)。

 

● 事例研究 特表2013-508775
  オンチップでの非干渉性のレンズフリーのホログラフィおよび顕微鏡法

ところで、何10年もの間、光学顕微鏡法は工学、物理科学、医学および生物学を含む様々な分
野に貢献してきた。その長い歴史にも関わらず、比較的最近まで、光学顕微鏡のデザインや動
作原理の著しい変化はなかったが、ナノ世界の域の探求動機を背景に、回折限界などの光学画
像化基本的制約事項に対する、超解像技術が光学顕微鏡法の革新がはじまる。その反面、光画
像化プラットフォームの全体的な複雑さや費用が逓増してきた。その一方で、小さいピクセル、
優れたダイナミックレンジ、フレーム率および信号雑音比を有する著しく大きな領域と、より
早く、安く、より強力なデジタルプロセッサとメモリとを有するかなり安価な2次元の固体検
出アレイを用いるデジタル技術における急速な進歩により、デジタル革命はさらに、進歩した
画像化理論と数値アルゴリズムと組み合わせることで、光学画像化と顕微鏡法の光学画像化装
置をダウンサイジング(簡略化)とデフレーションにより、著しく小型で費用効果をもたらし、
使い易いものとして変貌してきた。

数10年の間、レンズは所望の視野および画像の分解能によって決まる最低の空間-帯域の積で
動作するように検出器を補助してきたが、デジタル革命は、1千万-2千万以上の2次元の空
間-帯域積が処理できる最先端技術が進化。このことは、検出器アレイの回折歪みを素早く是
正処理に反映されるが、光学画像化でレンズ使用の絶対的な必要性を意味し、さらに、新しい
アルゴリズムとデジタルプロセッサは、瞬間的に、物理レンズの役割をすべく検出器の末端で
取得された情報処理に適した形態でもある。光学画像化で広く使用されるレンズ(または同様
の波面形状要素)は、デジタルドメインについて複雑さを欠いた光学要素を費用効果が高く小
型で、より単純な光学構造で補完できる。

最近の10年間、マイクロ流体工学は、必要なデバイスと試薬の量、関連費用を逓減させセルの
ツールセットを激変させ、いわゆるラボオンチップの適用が可能となり、光学技術とマイクロ
流体工学との融合により、光学顕微鏡プラットフォームとマイクロ流体機構の一体化により、
「その場計測」可能にし、この手法は既に文献に発表されており、様々なレンズフリーのオン
チップ画像化構造が実証されている(下図参照)。これらの手法の中で、レンズフリーのデジ
タルホログラフィは、新たな計算アルゴリズムおよび数学モデルを用い、このデジタル革命に
より最大のものを作り出す可能性がある。

 

しかし、上図のセルや微小生物の高分解能顕微鏡法について実証されてきたものの、従来の干
渉性のレンズフリーのインラインホログラフィ法は、照明に対し完璧な空間干渉性の要求があ
り、空間的にフィルタリングし、波長と同じサイズの小さな開口にレーザ光を収束する必要が
あり、例えば、1~2マイクロメートルの開口サイズでは、光処理量の向上にレーザ放射の集
束レンズと安定化システムが必要であり、さらに、長時間にわたり開口部をクリーンな状態に
維持することが課題であり、また、従来のレンズフリーのインラインフォログラフィは、対象
のセルにセンサ表面から1~2センチメートル以上で配置されことで、各セルのホログラフィ
ックシグネチャはセンサ領域全体にわたって実質的に拡がり、全てのセルの特定のホログラフ
ィックシグネチャがく重なってしまう。このような手法では、残念ながら細胞における画像化
視野(FOV)を制限してしまう。全てのこれらの要求事項が、光学機器の費用やサイズを増
加させる。さらに、これらの制約は、野外などの資源が限られた環境において使用する従来の
干渉性レンズフリーインラインホログラフィ法は不便であった。

また、ホログラフィにおける非干渉性または部分的干渉性光源は、異なるレンズベースの光学
機構にも利用され、これらのホログラフィック画像化技術は、様々な大きい光学要素を利用す
るため「オンチップ」に分類されず、前述の高性能画像化様式と同じカテゴリ下にある。部分
的に干渉性のレンズフリーのインラインホログラフィを用いるより簡便な手法は、ラテックス
粒子の画像化で実証されているが、これらの技術も対象の物体をセンサ面から離れて配置する
ため、視野が小さいという問題があった(Partial spatial coherence effects in digital holographic mi-
croscopy with a laser source  Frank Dubois, Maria-Luisa Novella Requena, Christophe Minetti, Olivier
Monnom, and Eric Istasse Applied Optics, Vol. 43, Issue 5, pp. 1131-1139 (2004
))。

以上の課題を解決するために、細胞試料を画像化するためのシステムは、細胞試料を保持する
よう構成された試料ホルダを有する。空間フィルタは試料ホルダの第1の面において試料ホル
ダからz1の距離に配置され、この空間フィルタは、その中に配置され、照明が通過できるよう
構成された開口を有する。画像化センサアレイは、試料ホルダの第2の反対側の面において試
料ホルダからz2の距離に配置される。照明光源は開口を通して細胞試料を照明するよう構成
されており、空間フィルタは照明光源と試料ホルダの間に置かれた構成特許が下図のように提
案されている。


上のザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア社の特許翻訳を紹介掲載
させたもらったが、"デジタル革命"という言葉が多用されていることが特徴だった。

  ● 今夜の一曲


天気もよく、朝のうちから、宗安寺に墓掃除を済ませ、田中豊一の墓参りをすませ、年末掃除
ということで、洗車しはじめたのは良いが、チョットした操作ミスがあったのかよくわからな
いがで?ハードトップが開閉不良となり、屋根のない状態で販売会社に整備に車を走らせた。
原因はプログラム上での動作不良のインターロック作動ということではあったが、ルーフ収納
部ゴムシール部の不具合ということで、ロック解除と潤滑剤を補充し整備は終わったが、場合
によれば再び不具合が生じることもあるとのことだ。ところが、ブログ掲載しているとテレビ
で小椋佳が『生前葬コンサート』で偶然にこの「屋根のない車に乗って」を歌っていた。小椋
佳の曲をはじめて紹介してくれたのは、若くして他界した同僚のNだったが、小椋佳の聴くう
ちに、思わず叫び出したくなるような衝動に襲われたのち暫く深い郷愁と変わっていった。



   ある日公園でみたことのない大きな鳥がいた

   みたことのない輝<鳥がいた

   屋根のない車にのって俺は追いかけた

   空をかけるその鳥を追い街をすぎ去った

   その鳥を追い丘をすぎ去った

   屋根のない車にのって俺は追いかけた

   ある日野原に鳥はありたち

   鳥のそば近<みたことのないかわいい娘がいた

   屋根のない車をおりで俺は近づいた

   鳥はとびたち俺と娘は小屋をつくって

   俺と娘は一緒にくらした

   屋根のない車はもう俺は忘れはて


                             
                            作詞/作曲 小椋 佳




その彼の1994年の作品である「流されはしなかった」の曲を掲載したかったが、そのよう
な経過から、これをを選曲。

そういえば、今日は総本山知恩院の除夜の鐘試し撞きでもあった。         

                                       合唱        
                                                                                                    

 

地球温暖禍 多発顕在

$
0
0


 

 

 


● 地球温暖禍 多発顕在

北アフリカのモロッコで大規模な洪水が発生し、30人以上が死亡した。モロッコ南部では先月24
日から大規模な洪水が発生し、ロイター通信によると、これまでに少なくとも32人が死亡した。最
も大きな被害を受けたゲルミンでは、住民らによる復旧が始まったが、一部の町では政府の支援の遅
れに抗議するデモも行われたという。

マレーシアで大雨による大規模な洪水が発生し、これまでに5人が死亡、16万人以上が避難している。ロイ
ター通信などによると、マレーシア北部で季節風による大雨の影響で大規模な洪水が発生し、これまでに5人
が死亡、16万人以上が避難した。マレーシア政府は過去30年で最悪の洪水だとしていて、ナジブ首相が休
暇していたアメリカ・ハワイから急きょ帰国し、当初の見通しより大幅に規模を拡大して救援にあたると発表し
た。AP通信によると、ナジブ首相は洪水が発生した当初、ハワイでアメリカのオバマ大統領とゴルフをしてい
たということで、市民からは早く帰国すべきだとの声が上がっていたと伝えている。

 

  ← ここをクリック

 

● 再生可能エネルギー導入を拒む理由?




このように、異常気象が多発顕在している状況での対応が急がれているなか、欧州では規制機関も進
化、欧州エネルギー規制協力庁 (ACER) というEU全体の強力な独立規制機関が同じく2010年に設立。
規制機関は、電力の安定供給を前提とし、再エネ導入を促進していおり、電力セクターを厳しく監督
している。例えば、IEA Wind Task25(国際エネルギー機関風力実施協定第25部会:風力発電
大量導入のための電力系統の設計と運用)で、「過去に実際に生じた系統負荷および負荷予測を用い
た負荷変動との組み合わせによる風力の変動性の検証」をはっきり謳い、風力発電や太陽光発電の出
力を模擬する場合は、確率論的手法などで恣意的に合成してはならず、過去数年分の実際の需要や風
力・太陽光の実績値の同時刻時系列データを用いることを義務付けている。 これに比べ、日本の再生
エネ導入計画での上表の抑制率は、既存連系線の活用や電力市場の利用などの工夫で、逓減される可
能性も出てくる。風力発電の導入率が20%を越すスペインでは抑制率は1%未満である。これが世
界レベルとなりつつある。この例からも、「接続可能量を決める技術的根拠は最初から存在しない」
といえる。となると恣意的に「公準的な抑制率」の決定についてもっとオープン議論し開示されなけ
ばならないと指摘されている(「日本の電力技術は遅れている、と言うべき日が来た」安田 陽 環境
ビジネス、2014.12.22日号、「九州電力管内での自然エネルギー大幅導入は可能」WWF:世界自然
保護基金ジャパン 2014.11.12※ )。

※ 九州電力を含む電力各社の再生可能エネルギー接続保留問題。この問題をめぐり今、日本の電力
  系統システムがクローズアップされています。果たして電力各社の言うとおり、既存の日本の電
  力系統システムにおいて、再生可能エネルギーを大幅に導入することは、本当に不可能なのか?
  この問題についてWWFジャパンは、九州電力管内における再エネの導入について、シミュレーシ
  ョンを実施。揚水発電や地域間連系線など活用すれば、現状の系統システムで吸収可能であるこ
  とを明らかにしている。

 




● 事例研究 太陽光・太陽熱併用型パネル

LIXIL社は、16日、集熱と発電を一度に実現できる「高効率太陽熱光ハイブリッドパネルシステ
ム」の実証実験の結果を発表した。それによると、戸建住宅の総消費エネルギーの約80%が削減可
能であることを実証。既築住宅をゼロエネルギー化するために役立つ技術だとのこと。日本エネルギ
ー学会第23回大会で、同社が発表した「ストック住宅における太陽熱の高度利用に関する実験的研究
その2 実験結果」によれば、2014年2月16日の集熱効率は最大24.5%(平均17.6%)、発電効率は最
大11.0%(平均9.5%)。1日当たりの集熱量は16.99kWh、発電量は9.97kWh。その結果、省エネ率は
81.1%となった。築28年の2階建住宅(延床面積130平方メートル、4LDK)に設置した。木質2X4工法
を採用しており、外壁・屋根・床とも5ミリメートルのロックウール断熱材を導入。居住形態は高齢
者2人暮らしを前提として実施。

 

 

  ● 今夜の一曲 

 


   早い流れ 急な流れ 若さを抱え 

   僕らはボートを降ろし 敢えて挑んだね

   川下から 川上へと 流れに逆らい 

   決して 楽は望むまい それを誓ったね 

   僕らをあの日襲った囁き 

   河に飲み込まれるな 下るなと聞いた 

   信じてみたいんだ 漕ぎ昇る先の夢を 

 

   心込めて 愛を込めて 精一杯漕いだ 

   オールの汗と涙は過去へ流れても 

   薄れないさ 忘れはしないさ 約束しよう 

   妙に利口にはならないと君と別れても 

   流れに乗って下った者達 

   海に放り出されて 漂うと聞いた 

   祈るとしようか 残された時間の夢を 

   僕らは今や挑み終えた河を   

   見限ることにしよう 新しい流れ 

   信じてみるんだ 自ら生み出す夢を  

   信じてみるんだ 自ら生み出す夢を 

   祈るとしようか 残された時間の夢を


                               
                                                小椋 佳  『流されはしなかった』 

                                      作詞          小椋 佳
                                      作曲 エリック カルメン
                               


この曲は小椋が第一勧銀(現みずほ銀行)を退職後、最初に発表されたアルバム「テオリア(94.7)」
に収録。エリック・カルメンの「Boats Against The Current(邦題:雄々しき翼)」に小椋が詞をつけた。
30年近く務めた銀行生活を終え、それまでを振り返り、新たな人生へ向かう小椋の決意を表したマイ
ルストーン的な楽曲。大学時代の漕艇部で活動した思い入れのある楽曲で、デビュー30周年の際に発
表されたアルバム「Debut (2000.10)」でアレンジを変えて再録音され、コンサートでもよく歌われ
ている。NHKの「生前葬コンサート(特別編)では、個を囲い込み組織化を図った時代から個の自
主性を重んじる時代への転機(「小椋佳が感じた日本人の変化」)だったと映像で語っているが、こ
の年、職域の経営転換を迫ったわたしの行動ともダブる一曲である。

周知の通り、小椋 佳(本名:神田 紘爾、1944年1月18日 - )は、東京都立上野高等学校、東京大学
法学部卒業後、日本勧業銀行(後の第一勧業銀行、現:みずほ銀行)に入行した。銀行マンとして証
券部証券企画次長、浜松支店長、本店財務サービス部長などを歴任する傍らで音楽活動を行ってきた
日本のシンガーソングライター。作詞家、作曲家である。1971年、歌手デビューした。当初は、フォ
ークソングあるいはニューミュージックに分類されていたが、次第にジャンルを広げていった。初コ
ンサートは1976年10月7日NHKホール、2度目は1982年1月普門館。1993年、銀行を退職し東京大
学文学部哲学科に学士入学。歌手活動と並行して6年間にわたり学業に励む。

ことし9月、生前葬としてNHKホールで4日間連続の歌が重複しない百曲コンサートを行った。


  

 

 

いちごと異常気象

$
0
0

 




 

● いちご鮮度3倍に伸ばすケース!

農工融合ベンチャー、工農技術研究所は、鮮度を従来比で3倍以上長く保つ大粒完熟イチゴ専用の容器
を2015年に発売する。イチゴを弾性体に置き、茎を底部より引っ張りながら上からキャップをして搬送
することで、果肉が手に触れず傷まない(下図参照)。今回開発した専用容器は重さ約25グラム、高
さ約百ミリメートル、外径約70ミリメートル。ポリエチレンテレフタレート(PET)製キャップの
ほか、発泡ポリエチレン製クッション、アウター、インナーで構成する。輸送中は窒素ガスなどは使わ
ず、約6度Cで冷蔵保存する。これまでアジアや欧州に試験輸出し、損傷がなく、イチゴの品質上問題
がないとの結果を得た。容器は生産・流通販売業者に百個以上購入の場合1個200円程度(消費税抜
き)で販売する予定だと伝えている。




● 磁気センサを使用した移動ロボットのナビゲーション

ここに関わったの企業や大学の保有技術は上の新規考案も驚くのだが、下図のように機械制御領域の技
術にも驚く。様々な場面で多種多様なロボットが活動しているが、移動中の自己位置を認識し自律移動
するロボットは、工場内やオフィス内、病院内などでの人間の手助として期待されている。自律移動さ
のための誘導方式の1つに、磁気マーカ法――典型的には、移動経路上に例えば磁気テープのマーカを
設置しロボットに磁気センサを設け、自己位置を認識するものがある。この方法では、事前に環境の磁
場分布を求め、磁気的なノイズの少ないところに磁気マーカを設置する必要があり、磁気マーカを設置
作業の負担が大きい。また、建屋の鉄骨や鉄筋、建屋内に設置される装置などの強磁性体は製造及び施
工の過程で不可避的に着磁され残留磁気を帯びる。この残留磁気は、時間の経過に対し強さが減衰しな
い。そこで、屋内外の環境の磁気を予め教示データ登録し、この教示データと移動時に計測される実測
データとを比較することで自己位置を認識して自律移動する手法もある。尚、この環境磁気は、地磁気
も含む。

図6の提案は、ステップ1:互いに反転して配置される第1センサ201及び第2センサ202で磁気、
方位を計測し、記録しておく。このデータを教示データ(第1教示データ、第2教示データ)という。
ステップ2:自律移動する際に、各々のセンサで磁気、方位を計測する。このデータを実測データと(
第1実測データ、第2実測データ)いう。ステップ3:実測データを教示データに照合して両データの
偏差が0になるように位置を制御する。この照合に際し、不安定な磁気要素を相殺することで、環境磁
場を利用する自律移動を屋外で行う場合でも、ロボットが自己位置を誤って認識するのを防ぐことがで
きるというもの。と、まぁ~これは蛇足だけれど面白い!

 




 

● 話題だと言う本 ピケティ箸『21世紀の資本』

資本収益率が産出と所得の成長率を上回るとき、資本主義は自動的に、恣意的で持続不可能な格差を生
み出す。本書の唯一の目的は、過去からいくつか将来に対する慎ましい鍵を引き出すことだという。

目次

第1部 所得と資本(所得と産出;経済成長―幻想と現実)
第2部 資本/所得比率の動学(資本の変化;古いヨーロッパから新世界へ;長期的に見た資本/所得
    比率;21世紀における資本と労働の分配)
第3部 格差の構造(格差と集中―予備的な見通し;二つの世界;労働所得の格差;資本所有の格差;
    長期的に見た能力と相続;21世紀における世界的な富の格差)
第4部 21世紀の資本規制(21世紀の社会国家;累進所得税再考;世界的な資本税;公的債務の問題)

ポール・クルーグマンは本書を「素晴らしい」「不均衡についての考え方を一新するもの、さらには「
今年、そしておそらくこの10年間で最も重要な経済書」と称している[15]。彼は本書を、ベストセラー
になった他の経済書と比較して、「重大で、これまでとは異なる研究方法」で成り立っている点が異な
るとしているとし、次のようにも述べている。


 富や収入が少数の人の手に集まっていることが中央政府の課題として再び問題視されるようになっ
 てきたとき、ピケティは、歴史的に見ていったいどんなおかしなことが起きているかについて、資
 料を出して教えてくれるだけではない。彼はまた、不均衡問題、すなわち平等な経済成長、資本家
 と労働者の所得の分配、個々人の間での富と収入の分配、といった問題の統一的な理論となるもの
 をも提示しているのだ。『21世紀の資本論』は、あらゆる面でとてつもなく重要である。ピケティ
 は我々の経済言説を変えてしまった。我々はもはや、かつてのような切り口で富や不均衡について
 語ることなど決してないであろう。


さらに、『アベノミクスの逆襲』の著者の高橋洋一は次のように要約する(「全く退屈しないデータ満
載の歴史書 ピケティの『21世紀の資本』を読む」ダイヤモンドオンライン「高橋洋一の俗論を撃つ!」
2014.12.25)。


 本書のエッセンスだけをいえば、おそろしく簡単だ。資本収益率(ほぼ4~5%)が所得成長率(ほ
 ぼ1%~2%)よりも高いことを、各国の歴史データで示している。これを高所得者と高資産保有者
 がますます富むことの理由に挙げ、多くの国での格差拡大を証明したのである。格差社会を好まな
 い彼はこの現状を打破するため、資本収益率を下げることが有効と考え、資本課税の強化を主張す
 る。それも国際協調のもとですべての国で課税強化策を採用すべしという政策提言になる。

                                          -中略- 

 さて、ピケティは日本に対してどのように見ているのだろうか。先日、日経新聞に興味深いインタ
 ビューが出ていたので、まずそれを紹介しよう。それによれば、日本の現状をどう見ますかという
 質問に、「財政面で歴史の教訓を言えば、1945年の仏独はGDP比2百%の公的債務を抱えていた
 が、50年には大幅に減った。もちろん債務を返済したわけではなく、物価上昇が要因だ。安倍政権
 と日銀が物価上昇を起こそうという姿勢は正しい。物価上昇なしに公的債務を減らすのは難しい。
 2~4%程度の物価上昇を恐れるべきではない。4月の消費増税はいい決断とはいえず、景気後退
 につながった」と、アベノミクスには及第点をつけている。きわめてまっとうな答えだろう。

 日本のg(所得成長率)はここ二十数年間で世界の最低ランクだ。まずデフレ脱却して、2%程度
 の物価上昇にするのは、g(所得成長率)を高めることの第一歩である。g(所得成長率)が高ま
 れば、累進課税などによって、格差の問題を解決するのは、それほどたいした話でなくなるだろう。

 

ということだが、それでどうした!というとになる。国際的なデータは持ち合わせていないが基本的な
データでピケティの結論と、わたし(たち)とは同じなのだ。"日本的財政規律主義"という"阿片"を撲
滅し、さっさとネクスト・ステージに移してもらえば良いことなのだから。

   


● 地球温暖禍 高度農林水産業の整備

昨夜の『地球温暖禍 多発顕在』の続き、「日本列島強靱化」や「分厚い中間層」政策の具体例として
これまで、「送電線・通信網地中化」や「融雪・除雪作業の自動化」などの防災・安全保障に関わる長
期的な財政出動(第二矢)として巻頭の記事の「いちご鮮度の外延」を提案している"工農技術研究所"
に刺激を受け、異常気象策と食糧安全保障(目標需給率達成)の「高度農林水産業整備の法」をイメー
ジ。これは「ソーラー・シュアリング」も深く絡むのだが、そのための「初期投資」を軽減する法整備
であり、その運用は民営化を前提としているものの国家社会主義的政策が特徴(対極に、国家資本主義
的政策が位置する)。そのスケルトンは(1)初期投資のゼロ金利融資支援、(2)同投資金額の半額
政府支援※、(3)不動産及び設備の譲渡に関わる規制の強化(あるいは最適化)、(4)投資支援と
して、"グリーン長期国債"による産助の4つである。その運用に現行の建築基準法ような法制整備が必
要だろう。立法までの許容時間はそう長くない、言い換えれれば、まったなしであると考えているが如
何に。^^;

※ あくまでも大胆な援助という例示としての数字

● 今夜の防災グッズ

 


緑寿に短歌行

$
0
0

 

 

● ルート66は緑寿だった。

明日は大晦日。ことしを振り返ると母が他界したこともあり、疲労の色に支配された年だった。そん
なこともあり百名山登破は一岳のみ終わったが、時の趨勢にも助けられテーマの再生可能エネルギー
のミッション(調査研究領域)は一応達成された(参考『オールソーラーシステム完結論 35』)。
ところで、今年で緑寿を向かえていたこについ最近気ついた。緑寿は他の長寿の祝いと異なり、2002
年9月に日本百貨店協会から提唱された商業主義的なお祝いとか。数え年の66歳は高齢世代で介護
も必要な<、現役世代と高齢世代の節目と世間では考えられているといるため、新たな社全活動への参
画を促すスタートラインに泣置づけられ21世紀が「環境の世紀」といわれることから「緑」をイメージ
し、66歳なので「緑縁寿」となるところを簡潔にしたものであると説明されている。長寿大国の日本
では、長寿祝いを行う機会も多く、一言で長寿のお祝いと言っても様々だが、ニューカマーな祝いだ
が、現代社会にマッチし、どんどん浸透していきそうだとも言う。

"66"から最初に連想したのは米国のテレビドラマ「ルート66」(米国では1960年のCBSテレビ
で放映)。この時の主題歌がジャズ・ピアニストでソングライターのボビー・トゥループが1946年に
作詞・作曲。もとはナット・キング・コールがヒットさせたスタンダード・ジャズだ。「ルート66」
とは、イリノイ州シカゴとカリフォルニア州サンタモニカを結ぶ国道66号線。テレビではルート6
6をひた走るコルベット・スティングレーで突っ走る二人の若者が、途中の町々での出来事を様々に
物語る、友情・愛・恋をテーマにしえいる。尚、ローリング・ストーンズはデビューアルバムA面の第1曲
目に挿入している。その次に浮かんだのが、近年、『三国志演義』の影響によって悪役としての評価
が定着した曹操であるが、1950年代以降に入ってからは逆転し再評価されているという曹操。 




● 揺れ動く評価 曹操は英傑?!

近代の中国においては、西欧の進出に対してその劣位が明白になり、幾度となく近代化を目指しては失敗した
背景として、思想的な儒教・華夷思想への偏重などがあったと反省され、思想的な枠組みを超えて合
理性を追求した曹操の施策が、魯迅など多くの知識人によって再評価されてくる。特に曹操再評価を
盛り上げたのは毛沢東で、彼の主導の下、曹操再評価運動が大々的に行われた。郭沫若が戯曲におい
て曹操を肯定的に評価したのもこの頃である。また、文化大革命の時の批林批孔運動でも、反儒教の
人物として肯定される、永寿元年 - 建安25年にかけ活躍した中国後漢末の武将、政治家。詩人、兵法
家の曹操が没したのも66歳といわれている。

歴史学的には、まず郭沫若らの曹操論争があって文学的な評価が進み、その流れを受けて日本で、京
都大学の谷川道雄、川勝義雄らによる曹操集団および曹魏政権に対する再評価が進む。曹操の政策と
して知られる九品官人法は魏晋南北朝時代の貴族制度の前史として言及されることが多く、川勝らの
曹操(曹魏政権)、魏晋南北朝理解に対し、1950代~1970年代の間に議論があり、後漢が建国の経緯
から豪族・知識人糾合政権であり、統治機能が失われた黄巾の乱以降に、いち早く豪族・知識人を糾
合に成功させた曹操と袁紹であり、曹操が袁紹に勝利した要因には上述の九品官人法のような現実的
な人材登用制度の採用がある。また屯田制は豪族による土地と農民の所有制度の対抗のために導入。
結果、全ての土地が曹氏に収奪される(=地公民制度の端緒)。しかし、1990年代以降、行き過ぎた
曹操の再評価に対して抑制がかかる。

 

さて、建安25年(220)、病のため死去。「戦時であるから喪に服す期間は短くし、墓に金銀を入れ
はならず」との遺言を残した曹操。死後、息子の曹丕が後漢の献帝から電城禅譲を受け皇帝となり、
太祖祖武帝と追号された。そして。2009年に曹操の陵墓が発見、その真偽を確かめるために、復旦大
学では、被葬者の男性のDNAと全国の曹姓の男性のDNAを照合するが、漢民族では姓は男系で継承され
るため曹姓の男性は曹操のY染色体を継承する考えられるためである。曹髦の66代目の子孫、曹操か
ら数えて70代目の直系子孫にあたると伝えられる曹祖義が遼寧省東港市に住む。最近発見された曹操
の墓の真偽判定のため、復旦大学で DNA鑑定を受ける一方、曹操の墓の発見を受けて曹操の子孫を名
乗る人々も現れている。なかには司馬氏の迫害を逃れるために「操」姓に改姓したという「操氏」の
人々もいるとか。



● 曹操のイメージを変えた 西高穴2号

西高穴2号墓は、中国の河南省安陽市安陽県安豊郷西高穴村に位置する後漢末期の墓。2009年12月27
日、河南省文物局によりその発見が公表、後漢末の権臣曹操の墓であると認定。曹操高陵とも称され
る。2010年6月11日、国家文物局により西高穴村墓は2007年12月に盗掘に遭い、2008年秋に盗掘団が
摘発されて画像石などの遺物が押収された。同年11月、河南省文物局は地下文物の保護のために緊急
発掘をおこなうことを決定し、国家文物局の認可をえた。同年12月6日より河南省文物考古研究所に
よる発掘が開始された。2009年4月、発見された2基の墓に1号墓・2号墓と番号がふられた。同年11月、
河南省文物考古研究所は専門家を招聘して発掘成果について協議した。同年12月、西高穴後漢大墓発
掘専門家論証会が開かれ、討論の末に西高穴2号墓の墓主は曹操であろうと結論される。

2号墓の墓葬平面は甲字形を呈し、スロープ状の墓道をもつ多室磚室墓である。西から東向きで、方
向は110度。墓道・墓門・甬道・前室・後室および4つの側室からなる。墓道の長さは39.5メートル、
幅は9.8メートル、最深部は約15メートルの深さがある。墓口平面は梯形で、墓室の面積は約380平方
メートル、墓の総面積は約736平方メートル。前室は方形で、四角錘状の天井をもち、平面長方形の南
北側室がある。後室平面も方形で、四角錘状の天井をもっている。平面長方形の南北側室があり、ド
ーム状の天井をもつ。側室はみな石門で封じられていた。

2号墓の墓室からは3人分の遺骨と3組の棺材が発見されており、遺骨の内訳は男性1人と女性2人で
ある。男性の頭骨は前室の前部から出土し、中国社会科学院考古研究所の王明輝の鑑定では60歳前後
あるいは60歳以上である。ひとりの女性の頭骨は後南側室付近から出土し、鑑定では50歳あるいは50
歳以上である。もうひとりの女性の頭骨は後北側室付近から出土し、鑑定では20歳から25歳である。
女性ふたりには出産経験の痕跡が認められる。2号墓の副葬品は男性用のものが主であり、墓主は男
性であると考えられるという。 

● 文人・詩人としての曹操

曹操は「槊を横たえて詩を賦す」と後世に言われたように、政治・軍事に多忙な中、多くの文人たち
を配下に集めて文学を奨励すると同時に、自身もすぐれた詩人であった。彼は建安文学の担い手の一
人であり、子の曹丕・曹植と合わせて「三曹」と称され30数年間、昼は軍略を考え、夜は経書の勉強
に励み、高所に登れば詩を作り、詩ができると管弦にのる。曹操は軍隊を率いることせ音楽の歌詞に
したという。その記述の通り、現存する曹操の詩は、いずれも楽府という音楽の伴奏を伴った歌詞で
あり、代表的な作品として『文選』27巻 樂府上 樂府二首に収録された下に記す天下泰平に望み、そ
のため逸材を欲する歌である「短歌行」が有名である。


   對酒當歌     酒に対して当に歌うべし
   人生幾何     人生 幾何ぞ
   譬如朝露     譬えば 朝露の如し
   去日苦多     去りし日は苦だ多く
   慨當以慷     慨して当に以て慷すべし
   幽思難忘     幽思 忘れ難く
   何以解憂     何を以て憂いを解かん
   唯有杜康     唯だ杜康 有るのみ 

   青青子衿   青青たる子が衿
   悠悠我心   悠悠たる我が心
   但為君故   但だ君が為の故 
   沈吟至今   沈吟し今に至る
   呦呦鹿鳴   呦呦と鹿鳴き
   食野之苹    野の苹を食す 
   我有嘉賓   我に嘉賓有らば、  
   鼓瑟吹笙   瑟を鼓し笙を吹く

   明明如月   明明として月の如きも、  
   何時可採    何れの時にか採るべし
   憂従中來     憂いは中より来たりて
   不可断絶      断絶すべからず
   越陌度阡      陌を越え阡を度り
   枉用相存   、枉げて用って相存す
   契闊談讌      契闊談讌し、心念旧恩

   月明星稀   月明らかに星稀に、   
   烏鵲南飛    烏鵲南に飛ぶ
   繞樹三匝      樹を繞ること三匝、
   何枝可依      何れの枝にか依るべき
   山不厭高      山は高きを厭わず
   海不厭深      海は深きを厭わず
   周公吐哺      周公哺を吐きて
   天下帰心      天下心を帰す
   

 

以上、"66”に拘った「ルート66と曹操」の話だが、天下統一を担える人物は、日本の源頼朝や
織田信長などと漸近すると言えよう。いや、寧ろ時代を、状況を切開しうる歴史上の英傑人物とは、
いかなる場合も同じだと言えるのではないか。ならば、政治権力の中枢の劇場外の、齢66とはい
かなるものだろうか。齢69で「生前葬コンサート」を行った小椋佳(神田紘爾)は自分のことを
次のように語っている。


 いま、私自身が人生から過く時が来ている。資産のことでいえば、すでに妻や息子たちにその内
 容を開示し、どう振り分けるべきかも言い伝えてある。妻も息子たちも、その人間としての誠実
 さと優しさに私は満足している。一方で、私から見ると、それぞれ生きてゆくことに鷹揚過多で、
 緊張感と貪欲さに欠けている点が少なからず心配であるが、いまさら私の説教など効果があると
 も思われず、まあ「なるようになるさ」か、「なるようにしがならないさ」のいずれにせよ、こ
 こにだけは、運命論とか決定論とかを採り、諦観達観を獲得しておくことにしよう。妻、息子そ
 してその嫁さんたちに幸運が降り続きますように。


   「落日、燃え」

   西の空を紅く焦がし ことさら輝くあの落日

 
   若い日なら顔を上げて 明日の憧れ映したもの

   今はどこか舞い散る花 浴びる時の感傷のように

   命ひとつ尽きる前の 名残りの祭りと視る



                                              小椋 佳 箸 『前葬コンサート』


ある水準を持った個人が目標を達成し充足感に包まれ、放物線の落下を意識する。これを言い換える
と――往く道は精進にして、忍びて終わり、悔いはなし(酒井阿闍梨)――であり、侘び、寂びの非
対称的な欠落感覚と結界に匂う抹香の世界を強く意識する。それを彼は運命論と決定論とを採り語っ
ているが、わたしも、抹香臭くなっているのだろうか? それは自分でも分からない。

   ● 今夜の一曲 

   「便り届くなら」

   ・・・・・・・・・

   今 僕の周りに 仲間もいるし 恋する人もいるよ

   
   今 僕の心に 幾つか夢も 見えている けれど

   時折眠い朝 あなたの声は無くて 僕を起こすよ 目覚まし時計

   ・・・・・・・・・

   全てを僕の為に生きたあなたに便り届くなら

   あなたにたった一言でも 幸せですと ただ一言でも


   「便り届くなら」は、若い日、母の死を悼んだ歌である。いまさら母を懐かしむ歳でもない
  が今福ではいままであまり触れなかった母の一面について記そう。それは意図せず母の身に備
  わった特技というべきもの。母は霊媒であった。 
   母にいわせればそれは彼女が19の厄年の折、厄落としにどこかの寺にお龍りをした折から身
  についたものとのこと。母の場合、それは、目を閉じ20分ないし30分ほど手を合わせていると、
  霊と呼ぶべきものが母の身体の中に入ってくるという現象。したがって母は、誰か特定の霊を
  呼ぶという能力はなかった。なぜかということも、区別の基準も、私には分からないが、合わ
  せた手が上へあがるといわゆる「偉い」人の霊が乗り移り、手が下がると、さほどでもない人
  の霊、時には生霊であったりする。母のこの霊媒行為は、我が家では疑問ももたれずごく自然
  に月にI度、多い時で数回行われていた。母は家族以外の人に頼まれてこの霊媒行為をやるこ
  ともあったが、決して、それを商いにしたことはないし、礼金を取るということもなかった。
  私はこの「憑依」という特殊超常現象を格段に異常なこととも思わずに何度となく体験して育
  った。なかには、盗人の判明であったり、失踪人の居場所割り出しであったり、滑稽な死亡者
  からの墓造り請求であったり、事件の予知であったり・・・。母の霊媒行為とその観察を通し
  て私の中には、「通常われわれが魂と呼んでいるようなものが、現世の人には不可視状態で、
  空間にうようよしていること、人間の魂はなぜか死後2年間くらいはこの世をうろうろしてい
  るが、その後はとこか別の地へと移り行くこと」などの妙な感覚が植えつけられてしまってい
  る。それはちょうど幼い日から毎週日曜日、教会に通わされる西洋人の多くが、知らぬ間にキ
  リスト教徒になり、絶対神の存在を信じてしまうのと同じようなことであろうか。
   私は、自分が特異な心情にとらわれている人間であることを告白したわけであるが、それで
  もなお不可知論者であるといいたい。信仰の自由を否定する者ではないし、信仰者を蔑視する
  者でもない。ただし、これからの日本人社会については、宗教信似非依存型社会の構築を、そ
  れも言語練磨の上での独自の国民総意としての、曖昧でない「理」をもった社会の構築を標榜
  したい。


  「甘いオムレツ」


   「ため息なんて、おつきじゃないよ」それがあなたの口癖だった

   泣き虫を責められて 物置に閉じ込められて あなたを恐れていた7歳

   酒と祭りと喧嘩大好き 絵に描いたような江戸っ子だった

   宵越しの企もたず 計画を立てぬ買い物 あなたに はらはらした10歳

   子供らが喜ぶという理由だけで 料理にはやたら砂糖を注ぎ込んでた
  

   甘いカレー 甘いオムレツ

   母として理想的かは知らないけど 懸命に愛のしるしを注ぎ込んでた

   甘いカレー 甘いオムレツ

   甘くなければカレーじゃないし 甘くなければオムレツじゃない

   そう思う僕たちは紛れなくあなたの息子 あなたを失ってた25歳

    ・・・・・・・・・

   何かしら疲れ感じて肩落とすとき 心にはため息つかない母の声

   甘いカレー 甘いオムレツ

   ・・・・・・・・・

 「甘いオムレツ」は母を歌った比較的長い詩の歌である。母は感情豊かに精一杯生命力を溢れさ
 せて生きる様を息子らに遺して逝った。父は地味に思慮深く生き、母の死の10年後、こつこつと
 貯めたしかるべき財産を(自らの愉しみに浪費すること一切なく)子どもたちに繋いで死んだ。
 思えばありかたい父母であった。

                            小椋 佳 箸 『前葬コンサート』



今夜はこの歌を聴くことで、母と父の思いと彼の父母への思いを重ね、己の至らなさを思い知るこ
ととなった。
  
                                                                                合掌


  

農産物完全自給プロジェクト

$
0
0

 

 

 

つい最近ののことだったと記憶しているが、車の中で、彼女が突然、あなたは農業をやらないのと尋ね
た。あ~ぁ、そのことは考えていたこともあったが、再生可能エネルギーの事業を優先させてたから、
やる気はないよ。たとえ、やるとしても、農業の工業や工学を取り入れた高度化した農業を考えている
から初期投資は従来とは比べものにならないが、一旦、関連プロジェクトが軌道に乗れば生産コストを
逓減し、供給力は安定させる自信はあるよ。勿論、産出する農産物は千差万別だから、その費用効果の
幅は大きい。工業製品もそうだけれど、農産物も百パーセント近く国内で生産可能だが、海外需要の消
費地への供給には、プラットフォームやシステムの輸出が、贈与で対応できる。このプロジェクトでは
人件費削減目的の委託生産は無用だ。それができないのは総合力のない経営(能力)の問題だと思って
いる。というふうなことを返事していた。

そのあと、酒の肴の焼きめざしを食べはじめてから?アレルギー発症(免疫機能の異常)の閾値が下がったことを
伝えると、それは中国製品だからよと言うので、ラベルを確認してもそれを否定する表示がない。そのような経過
から、 紀伊国屋書店の電子書籍をネット注文し、高橋五郎著の『日中食品汚染』を速読する。以下、書籍の紹介
と要約と感想を記載する。

 

● 本書は3つの骨格から成る。

危険な農薬、正体不明の加工品、杜撰な管理体制。日中同時に進む食品汚染の実態と業界のからくりに
現地事情に精通した研究者が迫り、国籍・原材料不明の加工食品が増えている。中国産ホウレン草が野菜エ
キスとなって輸入され、他の食材や添加物と混ざり、冷凍食品として日本で売られる。断ち切れない汚染連鎖の
実態、日本の甘い検査体制に警鐘を鳴らす。解決策はあるのか?チキンエキス、カレールー、麻婆豆腐の素、
チョコレート、昆布粉末…「中国産」と表示されない恐怖を解き明かす(※上図/上の「がんマップ」参照)。

・目 次 

第一章 見えない食品の恐怖
第二章 中国の食品汚染地図
第三章 食品汚染のヒトへの影響
第四章 なぜ汚染連鎖が絶ちきれないのか
第五章 重金属汚染という新たな難題
第六章 日本の食品は安全といえるか


● 増え続ける食品添加物



中国産食品には危険性がつきまとうがそれはなぜか。果たして日本産食品の安全性は確かなのか。今後
安全性を高めるにはどんな対策がありうるのか。これらに取り組むため著者が、改めて中国現地調査を
3度、日本のスーパーマーケットの食品売り場調査、日本の食品メーカーの工場見学、段ボール箱約3
個分の中国語と日本語の資料収集、食品汚染に関する中国語と日本語による著書・論文の精査、日本の
食品行政を所管する官庁へ数度にわたる取材を行う。

この過程で最も困ったのは中国の食品加工工場調査だったという。中国産食品を研究する日本人に、工
場内部をさらけ出してくれるところはほぼなかった。許される範囲で情報をかき集め、中国の大中小、
グレード別のスーパーマーケットの食品売り場の様子を眺め、加工食品の包装袋記載の成分、食品添加
物賞味期限などの表示を読み、家で試食することもあった。それで分かったことは、中国で販売されて
いる加工食品の種類や品目数が日本に比べて数段に多いことだった。もともと著者は中国の農村や食料
調査が本業で、これまでに集めて来た資料や現地調査が今回ほど役立ったことはない。農村では農薬、
水質、土壌、肥培管理、都市では食品販売、食品添加物、味付けなどに関心を寄せてきた。


● 地上と地下から汚染される

中国語表記の農薬、食品添加物を和訳するのに数日を費やしたことも。中国では日本にない農薬、食品
添加物が沢山使われている。中には違法なもの、すでに製造が禁止されたのに流通している農薬や食品
添加物があり、ほとんどの中日辞典では頼りにならなかったという。

本著書は3つから構成されている。1つは中国産食品の危険性について。ただ、危険、汚ないと指摘す
るだけでなく、構造的な問題を正面から掘り起こした。根底には、中国に於ける農薬、食品添加物、遺
伝子組換え、重金属、土壌や水質汚染、農業生産現場や流通、食品加工メーカー、食品行政、人々の食
に対する意識などの問題がある。農薬や抗生物質の薬剤耐性や交叉耐性の懸念が高まるほど、逆にそれ
らが大量に使われ、より強い薬剤を求める悪循環が始まっているのだ。次に、2つめは一見しただけで
は元の農畜林水産物が何であったのかわからない食品の品目数が増え続け、そのことが日本の食品輸入
先の分散と増加を誘発した。たとえば中国が北朝鮮から輸入したハマグリを加工して製造したエキスを
日本が輸入するような場合である。エキスに味噌、香料、食品添加物が加えられると元の姿は一層見え
なくなる。この仕組みを解明するため、著者が「食品モジュール」(下図/上)「食品アンブレラ」(}
下図/下などの表を独自に作成し、食品の原材料がたどる過程を目に見える形で示している。3つめは
金額で計ると日本の最大の食品輸入相手国はアメリカ。2番目は中国。金額ではアメリカに劣る中国だ
が、輸入品目数では世界トップで、2012年で700品目に達する。輸入加工食品が増えるほど、1つの食
品ができる間に超える国境の数も増える。生鮮食品は中国から直接来るが、中国が輸入した加工原材料を
現地で中間加工して輸出することも多く、それを繰り返えしている間に、残留農薬、食品添加物など身
体に害のあるものが混ざる危険性が高まると指摘する。

● 日本の検査体制は万全とはいえない

これをには、受け入れる側の日本の輸入食品検査制度にも問題があり、水際で厳重なフィルターを掛け
ているので安心だというのは本当だろうか? 日本産食品は安全だということも神話にすぎないのでは
ないか? 輸入検査制度、残留農薬基準の決め方には問題がないのか?、例えば、残留農薬問題は200
6年以降、制度が変わり、厳しく取り締まられてきたが、残留農薬の発見自体が十分にできる制度でなけ
れば効果は薄かろう。はじめから農薬は安全ということを前提としているような制度のような気がして
ならないと危惧している。また、被検対象の重金属はナマリ、ヒ素、カドミウム、同じく食品はトマト
キュウリ、コメなどに絞られていて、不安を払拭するには心もとない。日本産食品にも残留農薬、カド
ミウム汚染などの疑念が消えていない。

最後に、以上の考察を通じて浮かび上がった課題にどう対処したらいいのか、具体策を提案した。国レ
ベル、個人レベルの取り組み方があろう。前者は国際的なものでなければ意味が薄い。たとえば重金属
や食品添加物についてのポジティブリスト化、輸入加工食品工場の指定化など。個人レベルの取り組み
は家庭料理の見直し、加工食品摂取の頻度を下げるなど。日本人の食をめぐる危険性がますます高まる
中、本書が視野を広げて冷静に、安全とは何か? を考える機会になれば幸いであると結ぶ。

 

 



● 全てはコストを下げるため

流通の一翼を担ういわゆる中間業者組織も複雑で、個人経常のブローカーや代理商が現危を持って買い
付けに飛び回り、買い付けた農産物を自前の無蓋トラックで運ぶのが.一般的なスタイルになっている。
また、そういった簡素な装備で数千キロ先の消費地に運ぶことも少なくない。たとえばウルムチのリン
ゴを広州巾に運ぶには、6000キロを数日間かけて走り通さないと、鮮度が維持できない。中国の陸
上輸送業は競争が激しく、いかにコストを下げるかが生き残りに関わってくる。結局は、運転手の待遇
節約でなんとかしようということになる、炎天下、数日間も運転し続ける運転の中には、途中の町で逃
げ出す者も現れる始末だが、GPSによる運行管理が未発達の中国では、この方面の管理はほとんどで
きていない。中国のスーパーに行くと、わたしは良品売り場をのぞくが、いつも思うのは、野菜、肉、
魚の鮮度の悪さだ。氷の上に無造作に並べられた魚はどれもふやけたようにだらしなく寝ころび、カッ
トされたものも包装されたものも、鮮度が明らかに悪い。果物や野菜も同じで、シヤキッとした商品は非常に限
られている。日系のスーパーはよいほうだが、鮮度維持策は小売業者がいくらがんばっても限界があり、やはり
日本の店舗に並ぶ商品と比べると落ちる。これは、産地から小売店舗までの物流システムに問題があるためだ。 

● 氾濫する遺伝子組み換え食品 

遺伝子組換え食品に関する中国政府の姿勢は、日本やアメリカ、EU委員会と同様に安全だというもの
だ。中国政府も遺伝子組換え農作物が農地の節約や農業コストの低下につながり、生産量の大幅な増加
をもたらす点を宣伝している。「農業遺伝子組み換え生物安全管理条例」など法的な規制もかけている
ので、国民は何ら心配することはないという立場をとりている。2012年、フランスの学者が遺伝子
組み換え飼料を2年間与え続けたモルモットにガンが生じたと報じたとき、EU委員会が「実験データ
数や仮説実証過程が限られているので信用きない」と否定的な見解を示したことを援用し、中国政府も
これに同調した。

だが、この報道は遺伝子組み換え食品の危険性を論じた研究を、容認派がフクロ叩きにしたと読み取る
べきである。日本でも同様に、容認派がこの実験を非科学的だと批判したことで注目された『しかし容
認派は、遺伝子組み換え食品批判派から出されている―一安全性を実証せよ」という要求には、まだ、
目をつむり通したままでいる。遺伝子組換え食品が安全だという科学的な実証をした例は皆無だが、そ
れでも多くの国の政府は安全性を強調する点で一致している。これに反対する意見には、健康に対する
被害、安全性が実証されていない未知の食品を摂ることへの心理的な抵抗などさまざまある。
 

● 中国が遺伝子組換え食品に熱心なわけ

ではなせ、中国政府は遺伝子組み替え食品を守ろうとするのか?その答えは比較的単純で、農産物生産
の危機があるゆる角度度から迫っていることを自覚しているからだ、土壌は化学肥料やa薬のまきすぎ
その能さまざまな理由から破壊され、農業を継ぐ片も激減。水も枯渇し汚れている。しかし人口は今後
も増え続けるから、農産物生産は.を減らすことはできない、中国政府にとって遺伝子組換え食品は、
そのための救世主なのだ。

しかし、中国政府は遺伝子組換え良品の危険性を甘く見ていると思う。輸入管理ひとつとっても、国内
で許可していない種類の組み換え大豆がアメリカから大量に輸入されていることが判明するなど、輸出
国から足元を見られている、それは、国内の遺伝子組換え食品の反対派を抑え込むなど露骨な擁護策を
とりすぎたことで、輸出国側の節度や自制心を損なっているからではないだろうか。

遺伝子組み替え食品が品種改良食品と決定的に異なるのは、次の点につきる,遺伝子組換え食品は、原
理的に、サルの遺伝子を人間の遺伝子と入れ替え、サルを人間のような生き物に変えることに等しい,
これに対して品腫改良とは、サルはサルのまま健康体力を豊かにすることだ,遺伝子組換え大豆は、大
豆の形をした大豆ではない「大豆的な植物」と考えた方が良い。と指摘する。

                                       この項つづく   

 

色素とペロブスカイトの巡拝

$
0
0

 

 

  

【オールソーラーシステム完結論 37】 

● ハライド系有機-無機ペロブスカイト半導体の衝撃

日刊工業新聞で色素増感型太陽電池の商品開発の記事が掲載されている。リコーのエネルギーハーベステ
ィング(環境発電)であり、色素増感太陽電池は大きな電力(出力)を発電できないが、未利用の室内光
を電力に変える。リコーの色素増感太陽電池の1平方センチメートル当たりの出力は13・6マイクロワ
ット。電卓やソーラー時計に使う非結晶シリコン太陽電池より2倍多い。リコーは電解質をコピー機の有
機感光体材料と類似した有機p型半導体と固体添加剤に置き換えた。液体が原因で色素がはがれなくなり、
耐久性が向上。従来の液体型と比べ1平方センチメートル当たりの出力を60%高めたというもの。環境
発電というキーワードでは、同じく、国際先端技術総合研究所のナノ二酸化ケイ素の人工水晶を用いた太
陽光なくても発電できる光発電素子で2013年4月に公表されたものを日刊工業新聞は12月に再掲載して
いる。




色素増感型は、(1)製造コストの安さや(2)カーラー表示できる意匠性、(3)結晶シリコン系(無
機)は直射光だけでなく散乱光も取り込めるという優れた特徴があるものの(1)変換効率の低さ、(2)
電解溶液使用による安全リスク、(3)セルの堅牢性・耐久性のリスクからその商品化が遅延していた。

そんな折り、昨年8月1日、山田泰裕 化学研究所特定准教授らのグループが 新しい太陽電池材料として
近年活発な研究が行われているハライド系有機-無機ハイブリッド型ペロブスカイト半導体(CH3NH3PbI3)
中の電子の振る舞いを解明したと公表。無尽蔵の太陽光エネルギーを利用する太陽電池は、最も重要な再
生可能エネルギー創出技術の一つとして、重要性が増しているが、太陽光エネルギーをさらに有効に利用
普及には、安価で高効率な太陽電池の実現に向け開発競争が世界中で活発している。現在、最も普及が進
んでいるシリコン太陽電池の場合、太陽光エネルギーの電気エネルギーへの変換効率はおよそ25%に達し
さらなる太陽電池の普及には、低コスト化・高効率化が求められていた。このハライド系有機-無機ペロ
ブスカイト半導体(CH3NH3PbI3)は、2009年に初めて太陽電池材料として報告された材料、基板やフィ
ルムに「塗る」ことで作製できる。これを光吸収材料に用いたペロブスカイト太陽電池は「印刷技術」に
より作製でき、従来の太陽電池に比べ、製造コストを大幅に下げることが可能な新たな太陽電池として世
界中で急速に注目を集める。2012年以降、その光電変換効率は驚異的な速さで改善が進み、一躍、次世代
太陽電池研究の主役の座に躍り出る。しかしながら、急速に進む応用研究の一方で、高い変換効率をもた
らす基礎的な物性の理解が不明であった。特に、「光によって半導体中に形成される電子の振る舞い」に
ついて、発光や光吸収の時間変化を追跡することで、ペロブスカイト半導体の薄膜中で光によって生成し
た電子の状態解明に成功。その結果、これまでは有機太陽電池材料のように電子と正孔が励起子と呼ばれ
る束縛状態を形成すると考えられていたが、実際には電子と正孔はそれぞれ自由に運動していることを初
めて突き止める。



● マーティングリーン教授も驚嘆

このことを、このことを、内田聡東大先端科学技術研究センタ特任准教授は、「不定期日記」(2014.12.
31)で以下のように語っている。


  ゲーム・チェンジングという言葉が正に当てはまるような、ペロブスカイト太陽電池が大躍進の1年
  でした。太陽電池の権威であるマーティングリーン教授が、結晶シリコン一筋40年の大先生ですが、
 わざわざ国際会議でペロブスカイト太陽電池の講演をしなければならないくらい、その波及効果は大
 きなインパクトを持って迎えられました。その一番の要因は急激な効率の上昇にあります。即ち、昨
 年5月のHOPV2013の発表でη=15%(by Prof. Graetzel)という衝撃的なアナウンスがされてから、現
 在の最高値であるη=20.1%の報告(by Dr.Seok)まで僅か18ヶ月。3.3%/Yearの伸びを示しました。
 電解液を用いた2009年の報告から数えても、この5年7ヶ月の間に平均2.9%/Yearで伸び続けている
 計算になります。通常、太陽電池の進捗は種類によらず大凡 0.3%/Year程度ですので、実に10倍も
  の速さで効率が上がっていることになります。そしてこの間、遂に既存の太陽光発電の一部を支える
 アモルファス太陽電池の最高効率を上回り、CIGS とほぼ肩を並べる存在にまで到達致しました。つ
 い数年前まで、有機系太陽電池がここまで前進するというのは誰も想像できなかったことであります。

 今にして思えば、全てが薄氷を踏む思いでありました。本人の尋常じゃない努力はもちろんのこと、
 Firstプロジェクトでドライルームを設置していたのも幸いでした。とかく再現性に苦慮しがちなペロ
 ブスカイトですが、湿度の影響を排除できたことで研究のスピードを格段に加速することができまし
 た。操作性の悪いグローブボックスでちまちまやっていたのでは、とても追いつかなかったと思いま
 す。また、これに並行して情報収集も精力的に行いました。最初から予定していたわけではないので
 すが、私、今年の国際会議参加による海外出張は10件という、いつに無いハイペースでした。写真に
 納めたスライドはSSSC(Oxford)だけでも1500枚。全部合わせれば1万枚は越えると思います。かつ、
 これらを全て後で精査しています。 


このように考えていくと、初めて色素増感型太陽電池の開発に手を染めから大凡6年経過して、ある意味
この研究を選択したことは幸運だったと思える心境にある。ただし、(1)鉛を使うという安全上のリス
ク(代替として錫など考えられている)、(2)カラー表示という意匠性の夢が絶たれるという問題もあ
る。しかし、これも考え方だ、化合物半導体を構成するヒ素やガリウム、インジウムなどもその意味では
鉛と同様な安全上のリスクを抱えているから、廃棄物のリサイクル、事故時の対応など是正工学を充実す
ればリスクを抑制できるだろう。また、カラー意匠性どは、表面をカラーフォルム層を被覆すれば解決で
きるからコストとのトレード・オフできると考えられる。当初の色素増感型とは異なるが、今年から試作
品が市場投入されてくるだろう。

太陽電池だけではない。『デジタル革命!大爆破』 (2014.12.25)で掲載した次世代金属空気二次電池
にも応用展開――北海道大学触媒化学研究センターの竹口竜弥准教授、物質・材料研究機構の魚崎浩平フ
ェローらの研究グループが、次世代二次電池の材料として期待されるエネルギー密度の高い「金属・空気
二次電池」に使用する高性能空気触媒の開発に成功。二次電池は電気自動車などで需要が一段と高まって
おり、今回の研究成果によって高性能化に役立つと期待される。従来技術による金属・空気二次電池では、
空気極(空気中の酸素を用いる正極)の放電・充電反応が遅く、大きなエネルギーロスが生じていた。研
究グループが、新たに「ペロブスカイト」という構造を持つ3層の酸化物を開発。空気触媒として用いた
ところ、エネルギーロスがほとんど生じないことを確認――されていくものと期待できる。

 

尚、プラグインハイブリッド電気自動車,電気自動車用電源として,リチウムイオン電池が使われていが,
本格的普及に向けて航続距離を延長させるためにはエネルギー密度の高い次世代二次電池の開発が望まれ
ている。有望な次世代二次電池の一つである金属・空気電池の理論エネルギー密度は,現在実用化されて
いるリチウムイオン電池の200 Wh/kg をはるかに凌ぎ,リチウム・空気電池では11,140Wh/kg,アルミニ
ウム・空気電池では8,100 Wh/kg で,ほぼガソリンのエネルギー密度に匹敵する。

 

今夜は、色素増感型太陽電池→ハライド系有機-無機ハイブリッド型ペロブスカイト半導体→ペロブスカ
イト構造電極などを俯瞰したが、シリコン結晶系やシリコン量子ドット系などの(下図参照)の開発も地
道にしかし着実になされてきている。時代は確実に原子力発電に象徴される原子力系からバイオミミック
リ系物理学あるいはデジタル物理学にに移行していることを実感している。今年もワクワクすること間違
いない! ^^;。

 

さて、大晦日は珍しくNHKの紅白歌合戦を熱心に観ていた。大道具や美術も大きく変わり、4K、8Kのデジタル大
道具-特殊映像効果技術-の時代だ。

アンブレラにスマートフォーン

$
0
0

 

 
● 株価はリーマンショック前に!

 

昨夜は、除雪作業や慢性的な眼精疲労などを癒すため少し早くの就眠となったが、午前3時に目が覚め、
三菱電機の株価が気になり、書斎に戻りマイピーシーを起動させた。太陽光発電やパワー半導体生産など
影響でか、リマンショック直後の5百円(購入当初)から3倍に上昇したものの6年前と同じ水準に戻っ
たに過ぎず期待はずれのチャート軌跡を示していた。これを、上図/下の村田製作所と比較すると復元・
反発・上昇は劣るようだが、これは企業業種特徴(スマートフォーン用部品―希少価値が高い)によるも
のと判断。もう少し言うと、付加価値の高い企業群はリーマンショックを脱しそれを上回る軌道に入って
いるようだ。

    

● 違法伐採から熱帯林を守れ!

リサイクルスマートフォンが違法伐採活動と動物の密猟から絶滅危惧雨林を保護するための検出装置にな
っているという。 つまり、チェーンソー、銃声などのノイズを熱帯雨林固定した使い回されたリサイクル
スマートフォンでキャッチし、リアルタイムでのアラートを送信することができるという。しかし、人工
衛星でも可能ではないかという質問、密林(ディープ・グリーン)の破壊監視、抑制するには、破壊が発
生した後に、画像を数日から数週間かかるため レスポンスが遅いと、同ボランティア運動のリーダや仲間
は話す。また、 携帯電話の高性能のマイクやGPS機能を応用すれば、高性能な監視システムが安価
に構築できるというのだ。これは面白い!そして、頭が下がる思いにさせる話だ。 ^^;^。

 

 

● 日中食品汚染Ⅱ 「千切り大根の煮もの」の食品アンブレラの場合


消費者が自らの健康を守るために、きっちりと情報を入手する技術手段はほぼ確立できる――例えば、消費
者が購入した食品の包装品やケースに日本の豊田中央研究所が開発したQコードなどで明示できるように―
―表示義務化の法整備を行えば、スマートフォーンなど、携帯情報端末やパソコンの光学式読み取りデバイ
スで情報を読み込み、ディスプレイに表示するようにできればトレーサービリティ(追跡検証)は取れる―
―はずだが、加工品となると現状では困難――ここでは、加工冷凍惣菜「千切り大根の煮ものを例とし「目
に見える食品や惣菜いほどアンブレラは大きくなるが、主な食品や食品添加物のうち、不可視部分が90%
であるような食品が決して珍しくない。」と言うように、"食品安全のトレーサービリティ・システム"の構
築には今暫く時間を要する。

                                   食品モジュール表の考案

 この輸入食品の品目を生物分順法を利用して分類すると、中国からの輸人良品がいかにモジュール化し
 ているかという実態がわかりやすい、2012年に中国から輸入した食品群を例に一輸入中国食品モジ
 ュール表1を作ってみたのが表3だ。右へ行くほど.几の形から遠ざかり、ついには形が消えてしまう
 食品になることを示している.、たとえば収穫したすぐの段階では一門」に分類されるホウレンソウ(
 野菜)も、「綱」の段階に移ると加工され、乾燥ホウレンソウや冷凍ホウレンソウとなって日本にやっ
 て来る。日本では、湯に浸けられたり解凍されたりして調理されろ前の段階の「目」の分類に侈る。そ
 の後、「科」の段階に侈り、味付けされたり油揚げやゴマなどと混ぜられ弁当のおかずやスーパーの惣
 菜コーナーに並ぶ。さらには、味.噌汁やスープの具.あるいは木っ瑞微塵に切り刻まれて他の材料や
 調味料と混合され野菜粉末などに姿を変える。最後の姿は「鮪一に侈ることだ。そこでは、機械で絞り
 上げられ、あるいは乾燥させられて野菜エキスヘと姿を変える,

 ホウレンソウに限らず、あらゆる良品は形を変え続け、「種」の段階になると元が野菜だったのか海藻
 だったのか、匂いでも咬いでみるか、極端なことをいえばDNA鑑定でもしない限り、区別できないく
 らいに変化する。、
 現代の肢体畜水産物のほとんどがこのようにモジュール化されている。このうちの「編」あるいは「目」
 の段階あたりまでは、以前は家庭で加工され、食卓を飾ったものばかりだ。それがどうしたことか、家
 庭ではこうした調理はぱったりとされなくなり、ビニールや銀色の袋に入った加工良品が幅を刊かすよ
 うになっていった.、
 とくにスープやエキスとなると、良品モジュールの極限にたどり首いたようなもので、原材料は不明、
 産地も不明、謎だらけのつかまえどころのない食品となる。これらは日本でも中国でも製造され、両国
 で使用されている。中国に進出した日系食品メーカーが現地で製造し、日本へ輸出する食品に使ったり、
 原注を日本へ輸出したりするケースもある。それを輸入した日参の食品メーカーはカップラーメンやス
 ープ、さまざまな調理の味付け、香り付けのための液体として利用している。また中国の食品メーカー
 が日本へ輸出するケースもある。



                                     ナマモノから加工品へ
   
 さて表3をもういちど振り返ってみよう,食品モジュール化はとくに21世紀に大ってから顕著になった
 食品の姿だが、日本にとって、もっとも便利なのは日本で作るよりも近くの国から輸入することだった。
 農林畜水産物資源が豊富で、加工食品を生産するための賃金が安い中国が最適なバートナーとして認識
 されていったためだ。
 中国から輸入される食品の内容は、時代とともに変化してきた。1980年代までは「界」や「門」、
 つまりは農林畜水産物の原形が目で見てわかるもの(たとえば鶏肉、生鮮ホウレンソウなど)が大部分
 を占めていた。 

  しかしこのような範囲にとどまっていた時間は短く、90年頃からは冷凍・冷蔵技術や食品添加物の発達
 が食品の保存期間を長くし、それにともなって食品の包装や形自体も変化し始めた。固形物から半固形
 物原材料と、農林畜水産物を熱したり、混ぜたりすることが起きた。「綱」の時代の到来である(冷凍
 野気、そば粉など)。
 さらにこの頃から、進んだ技術を持つ日系食品メーカーの中国進出が加速し、現地の安価な農林畜水産
 物を原材料に、高度な加工を施して目本に輸出するというビジネスモデルが定着し始めた。当時は、あ
 らゆる産業が中国を目指し、中にはこんなはずではなかったと撤退する企業も後を絶たない有様だった。
 この中国ラッシュがピークを迎えるのが概ね90~2000年頃だった。この時期には中国からの輸入食品が、
 「綱」から「目」ヘと徐々に細かくなっていった,

 このようにして食品のモジュール叱が進み、時期的には中国がWTOに加盟(2001年)した頃から
 「科」(餃子)、ニンニクの粉、カラメルなど)から「属」(スープ、ピザ、油脂など)、「種」(肉
 エキス、野菜エキス、昆布エキスなど)へと細分化する時代となった。原材料の農林畜水産物は、互い
 に混ざりながら質の異なった要素を加えたり、あるいは、逆に分解するようなモジュール化か起きて、
 さらに進化していった。
 スーパーやデバ地下などに並ぶ弁当から、ひとつを選ぶ場合い、決め手になるのが惣菜だ。サバの塩焼
 き、サバの煮つけ、焼き鮭や肉団子、野菜煮物やサラダ、コロッケやハンバーグ、エビフライや野菜天
 ぶら、そしてキンビラや煮など、色とりどりの惣菜を眺め、迷いながらも手に取る。そして、家や会社
 にもどってからの楽しみとする。このとき、我われ消費者が利用できる情報は、目に見える惣菜だけだ。

 しかし、本当に参考にすべき情報は、弁当箱の表か裏に貼ってある良品表示法に従った食品名や食品添
 加物の明細のはずだ。
 これを見れば、どの弁当を買うかの決め手には、おいしそうかどうかに、食べても安全かどうかという、
 別の基準が加わることになる。
  問題は、そこに記載されている明細には、食品や食品添加物がどのような役割をし、一方でどんな問
 題が指摘されているかなど、本当に知りたい情報が書かれていないことだ。表示されている食品や食品
 添加物の中身を知りたいのに、それを作るための、さらに多様な種類の原材料がまったく見えないまま
 になっているのである。
  食品モジュール化の進展は、見えない食品を膨大な数に増やす。目に見える食品や記載された食品添
 加物の背後には、消費者が知るべきなのに、その存在すらも知ることのできない食品や食品添加物が隠
 されているのだ。

                                中身が見える「食品アンプレラ」

 この状態を目に見えるよう図にしたのが、「食品アンブレラ」だ,目に見えるひとつの食品や惣菜を頂
 点(傘の突端)に、食材や味付けに使った調味料や甘味料、保存料など、そしてそれを作るための原材
 料となる化合物や加工食品、さらにそれらの添加物の原材料……というように、傘状にして記したもの
 だ。幾重にもおよぶ食品や食品添加物、そして食品や食品添加物を作るための基礎である農薬、化学肥
 料、抗生物質などが、最後には水、空気、土壌へと連なる重層構造になっている。もし、大本の水や土
 壌が重金属や危険物質で汚染されていれば、食品汚染は大変なことになる。
 これだけではわかりにくいと思うので、日本のN社が中国産(すべての原産地が中国かどうかを確認す
 ることは不可能だったが)の農産物を使い、自社工場で作って、日本に輸出し、スーパーで販売してい
 る加工冷凍惣菜「千切り大根の煮もの」を例に説明しよう。

 この食品はビニール製の袋に入っており、中身の様子は写真に写っている。消費者は袋の写真を見て、
 中身を想像しながら買うかどうかを決めているはずだ。
 図1はこの惣菜の「食品アンブレラ」である。袋を破って中身を取り出したときに、この図の一番上に
 書いてある6つの食品が「千切り大根の煮もの」として目に見える。  

 味付き千明り大根、味付き人参、味付き油揚げ、味付きしいたけの4つの食品がこの惣菜の主な構成物
 となる。植物油脂と醤油は買い手にとってはさほどの意味はないが、色や光沢で確認できるだろう,消費者が食
 べたいと思う対象は以上であり、食品表示に記載されている。
 次の1段下のチキンエキス、蛋白加水分解物、乳糖、こんぷ粉末、pH調整剤など15個の集団は目では
 確認ができないが、内容成分としてこのままの表現で記載されている食品と食品添加物だ。これらはこ
 の惣菜を加工して作るまで、あるいは品質を維持したり、見かけをよくしたりするために、重要な役割
 を担っているはずの食品や食品添加物である。

 この惣菜に与えられている情報は、図の上から2段目までに記載してある食品や食品添加物だけである。
 この情報によって、消費者は安全性、原材料や味付け、食品成分などを想像し、価格を考慮して買うか
 どうかを決める,
 しかし、表示された原材料や食品添加物を作るためには記載された以外にもたくさんのものが関わり原
 材料や加工原材料となっている。たとえば2段目の水あめの製法のひとつはデキストリンを原料とする
 ものだが、これはさらに澱粉を原材料としているし、澱粉はジャガイモや豆類、穀類などさまざまな原
 材料が元になってできている。
 
 そして、それらの農産物を作るために農薬と化学肥料が不可欠で、水、土壌、大気もなければならない。
 ひとつの食品や食品添加物はそれ自体で初めから存在するのではなく、いくつもの原材料や基礎物質が
 連なって関わっている。末広がりの末端から傘のてっぺんに向かって、ひとつの食品として収斂してい
 く。食品アンブレラとはそういう形態から名付けたものだ。

 あらゆる食品はこれと同じような構造を持っているので味付き大根や味付き人参などさまざまな惣菜の
 種類を先頭に、一つひとつの背後には同じような食品・食品材料とする構造が広がっている。ひとつの
 食べもパック入り惣菜)の中で、目に見える食品や惣菜ほどアンブレラは大きくなるが、図からわかる
 主な食品や食品添加物のうち、不可視部分が900%であるような食品が決して珍しくない。
 そして目に見えない食品や食品添加物が増える危険因子が入り込む余地も膨らむ。食品すべてが中国産
 の場合は、中国国内の政府系報道機関や研究者が発している警告や事件は、食を通じて我われとも関連
 があり、そを共有する必要がある。

                                 高橋五郎 箸 『日中食品汚染』

                                                             この項つづく

   

【オールソーラーシステム完結論 38】 

● 最新付着防止表面処理技術

産業技術総合研究所の高耐久性材料研究グループが、各種粘性液体や氷の付着を大幅に抑制できる表面処理
技術を開発。現在、はつ液処理(はっ水とはつ油処理)の多くは、有機フッ素化合物による処理や表面の
微細加工に依存しているが、有機フッ素化合物は製造コストや廃棄コストが高く、微細加工は特殊な装置
や長い加工時間を必要とし、有機フッ素化合物や微細加工に依存しない安価なはつ液処理技術が求められ
ている。今回開発したはつ液処理技術では、樹脂やゲルにみられる離しょうやブルーミングという現象を
利用している。はつ液成分を含むゲルを固体表面に形成すると、ゲルから離しょうによってはつ液性分が
表面ににじみ出して薄い層を形成し、優れたはつ液性能を示す。表面に形成されたはつ液層と親和性のな
い液体は、粘性液体であっても表面に付着できずにスムーズに滑落していく。この処理技術は特殊な装置
や反応条件を必要とせず、塗液を塗布するだけで成型できる。また、処理後の表面は透明であり、大面積
化(A4サイズ)も可能だという。今回開発した表面処理技術により、さまざまな粘性液体の付着の抑制や
氷の付着力を低減できるため、包装容器、金型、船底、取水口、建材など、粘性液体や氷が付着しやすい
固体表面への使用が期待できる。意匠性の維持、コスト削減、エネルギー消費の削減、メンテナンスの簡
易化、安全・信頼性の向上が可能となる(上/下図参照)。
特開2014-185334 撥水/撥油皮膜及びその製造方法

この技術を応用すれば、(1)固体表面から液体をにじませて、粘性液体の付着抑制や氷の付着力を大幅に低減で
き、(2)有機フッ素化合物を使わず、一般的な元素を使用するため低コスト低環境負荷、(3)材料やエネルギー損
失の削減、太陽光発電の稼働率向上、交通機関の安全運行への貢献に期待できる。特に、太陽電池パネルの表
面の汚染固着を抑制し、雪や氷の付着抑制でき、稼働率、平均エネルギー変換効率を向上させ、パネルメンテナン
ス作業の軽減が図ることができる。

諸君!狂いたまえ。

$
0
0

 

● 花燃えて豊穣  諸君!狂いたまえ。 

書斎での作業は、付け流のテレビと、電子書籍閲覧、そしてインターネット検索の3種のメディア利用
が常態化しつつある。そんな環境のなか、また、明治維新ものかと食傷気味に思っていたが、同放送の
『花燃ゆ』の予告ダイジェスト版に伊勢谷友介扮する吉田寅次郎のセリフ『諸君!狂いたまえ』がグサ
ッと腹に刺さる。あまりにも『龍馬伝』の印象が深かった彼だ。即座に、これは必見とUターン。

 NHK大河ドラマの『龍馬伝』は島津斉淋・井伊直弼・吉田松陰時代からいよいよ佳境の高杉晋作・
 坂本龍馬・沖田総司の時代に。舞台は長崎丸山、伊勢谷友介扮する高杉晋作の登場に思わずカッコ
 イィ~! と大声を発してしまいそうな「リアリティ」だ。申し分ない。そう「バーチャル・リアリ
 ティ」を「実際の画像ではないが、限りなく実際に漸近させようとする映像編集とその体系」と定
 義するとそのように言えるが、なぜ龍馬より晋作に惹かれるのか? 彼自信が季語なのだ、龍馬よ
 り四歳短く、熱くそして夏の青春の太陽、オー・マイ・サン。(「散切り頭の夏休み」2010.07.19)


当の伊勢谷は、「松陰先生は人を一人も切らずに、哲学的なことを考えている方なので、お話をする機
会が多く、せりふがこれから大変だなと思っていますが、その想い、志をしっかり持ったせりふを話せ
ることが、役者としても個人的にも非常にうれしく思っています」「この時代は、どんどん変わらなき
ゃいけない局面で、誰かが狂わなきゃいけないという風な時代だと思っています。私が演じる吉田松陰
先生も『諸君、狂いたまえ』という言葉を発せられましたし、私自身もそうあれたらいいなと思ってお
ります」と気持ち新たに、「このドラマをきっかけに、見た方々が、ちょっとでも今の常識におしつぶ
されずに、狂って、新しい未来、自分なりの未来を提供できるようなドラマになっていったらいいなと、
頑張っております」と使命感をにじませたことが報じられている(「『花燃ゆ』長崎ロケ開始 伊勢谷
“松蔭”使命感語る」 2014.08.19 オリコンスタイル )。


このドラマは、幕末の長州藩士で思想家の吉田松陰の妹・文(井上真央)――天保14年(1843年)、杉
百合之助(常道)の四女として誕生。文と名付けられ、これは叔父であり松下村塾の創立者である玉木
文之進から一字をとって与えられた。兄に梅太郎、寅次郎(吉田松陰、この頃すでに吉田家へ養子に出
て家督を継いでいた)、姉に千代、寿、艶、弟に敏三郎がい艶は文の生後すぐに夭折し、長女の千代は
児玉祐之に、次女の寿は小田村伊之助(後に楫取素彦)のもとへそれぞれ嫁ぐ。文は久坂玄瑞の妻とな
るが、死後、彼の遺稿や、文に宛てた書簡21通をまとめて「涙袖帖」と題したのは次姉・寿の夫であっ
た小田村伊之助。1876年(明治9年)に楫取素彦が群馬県令となっていたが、1881年(明治14年)1月30
日、次姉の寿が胸膜炎を併発し43歳で死去。2年後の1883年(明治16年)、素彦の身辺と二人の孫の行
く末を案じた母・瀧子の勧めがあり、文は楫取素彦と再婚する。晩年は山口県防府市で過ごし、1921年
(大正10年)に79歳で死去――の生涯を描く。 

さて、吉田松陰の死生観は 「17、18の死が惜しければ、30の死も惜しい。80、90、100になってもこれ
で足りたということはない。半年と云う虫たちの命が短いとは思わないし、松や柏のように数百年の命
が長いとも思わない。天地の悠久に比べれば、松柏も一時蠅(ハエのような存在)なり。」によく表れ
ているが、念頭に当たり、今年の指針を一言で表せば、「時代はAKB48と嵐」とかってブログ掲載
したが、"嵐"は「地球温暖化の大規模気象変動による世界動乱到来」の比喩で、外部環境が"嵐"ならば、
主体的な言葉として、"狂"を対置させたいと考えていたから、『諸君!狂いたまえ』が衝撃をもってシ
ンクロナイズした。と、まぁ~、左様なことで、「ルート66」を松陰の志と強引に重ね合わせてみる。




【オールバイオマスシステム完結論 Ⅶ】 



● 直交集成板で国土豊穣化 ?

国土交通省と林野庁は、昨年11月11日クロス・ラミネイテッド・ティンバー(直交集成板、CLT)の普
及に向けたロードマップを公開した。2015年度に燃えしろ設計の告示を、16年度には基準強度と一般的
な設計法の告示を公布することを目指す。CLTの本格的な普及を促進するためには、(1)建築基準(基
準強度・設計法)の整備、(2)実証的な建築事例の積み重ね、(3)CLTの生産体制の構築、といった
施策を総合的に推進することが必要で、林野庁と国土交通省は、こうした施策を計画的に進めるととも
にその具体的内容と想定するスケジュールについて供給側や需要側などに対して幅広く周知し、関係者
の取組を促進するため、「CLTの普及に向けたロードマップ」を取りまとめた。
しかしながら、森林ジャーナリスの田中淳夫は以下のような批判や疑問を投げかけている。
 

 まず建設業者は期待を持っているかもしれない。コンクリートよりも軽くて輸送が便利。木造ゆえ
 にコンクリートの養生期間が必要なく工期が短くなる。またコストも安くなることが見込まれてい
 る。太い柱がなくなる(ツーバイフォーやCLTは壁で建物を支える)ために内部の間取りにも余
 裕ができる。設計の自由度が広がるだろう。またツーバイフォー材やCLTを生産する木材加工業
 者、あるいは輸入業者も、新たな需要開拓になるのだから喜ぶだろう。 

 木材の使い道は、これまで住宅資材が大半だったが、今後は先細りだし1軒当たりの使用量もそん
 なに多くない。ビルディングに使われるとなると、これまでの数倍の需要が生み出されるからだ。
 では、林業関係者は。「これで木材需要が伸びる」と期待しているのだろうか。 

 まず考えるべきは、建材価格だ。ツーバイフォー材は、ホームセンターでも並んでいるのを見たら
 わかるが、非常に安い。これらは輸入材だが、国産材で作ったからと言って高くすることはできな
 いだろう。CLTは日本ではまだつくられていないが、作り方や材料の性質を考えれば、合板CL
 Tのフォーラムのために来日したイタリアの関係者は、CLTの立米単価は約2万円だと言ったそ
 うだ。為替などの変動もあるが、極めて安い。これから材料価格を想定すると、だいたい10分の1
 くらいではないか。つまり1立米2000円。高くても3000円までだろう。 

 となると、国産材製のCLTも似たような価格になるのではないか。外国製CLTと競合するから
 である。常にCLTも国際価格に連動するだろう。となると、国産材も高く買い取ることは無理で
 ある。もし、本当に立米2000円の材が求められるとしたら、もはや合板どころかチップ価格である。
 とても山主は木を出せない。これを機に国産材価格の暴落を誘う可能性も否定できない。 

 そして、もう一つ考えておくべきことがある。この手の工法による建築に、大工はいらないことだ。
 もとからパネルにしたツーバイフォーなりCLTを組み立てるだけである。そこで必要なのはクレ
 ーンだ。工場で生産した部材を吊り上げて、つないでいくだけだから、大工の出番はなくなるのだ。

  最後に消費者(木造ビルの使用者)はどうだろう。工期が短くてよいなら、建設費用は安く済むか
 もしれない。それは歓迎だ。ただ、ツーバイフォー材もしくはCLTは構造材だから、その上から
 外装や内装をする必要がある。その素材が、石膏ボードとかクロス、あるいは新建材などだったら
 木肌を感じることはない。木材使用感もあるまい。つまり、そのビルディングが木造か否かなんて、
 どうでもよいことになる。(逆に言えば、コンクリートであろうと鉄骨であろうと、内装・外装材
 が木質だったら、木製に見えるわけだ。)

                           『木造ビルを建てて喜ぶのは誰だろう』
                               013.12.06 田中淳夫|森林ジャーナリス

 
 さて、誰が木造ビルを喜ぶのだろう。そして、どんな木造ビルが喜ばれるのだろう。と似たりよっ
 たりの材料で間に合う。木目は気(木)にしないでよいし、傷や曲がりが少々あっても構わない。
 つまり価格も合板用のB材と変わらないだろう。

 だが、ここで問題となるのは、里山の資源は都会や大生産地のような質や量を備えていないことだ。
 ロット(量)が少なくアイテム(種類)が多い、しかも洗練されていず原石のような里山の商品は、
 売買の対象になりにくい。それゆえ、今の自由主義経済では、脱落する。それが里山の地盤沈下を
 もたらした。

 それでも維持したいと思うなら、誰かがどこかで不利益分のコストを負担しなければならない。い
 くら万一に備えたバックアップ、あるいはインキュベーション装置として里山が必要だと唱えても、
 非効率のために生じるコスト負担がなければ維持は難しい。里山の雑木を薪にして炊事に使おうと
 いうのも、薪は買えば高いし自分で調達しようにもその場所(山)を確保して、伐採したり薪割り
 する労力がかかる。燃焼後の掃除など手間もかかる。それはなかなか面倒なコストだ。

 事実、高価な薪ストーブを設置したものの、ほとんど使わず、隣に置かれた灯油ストーブを愛用し
 ている例がいっぱいある。米や野菜の自給も甘くない。片手間に真似で耕作してもうまく育たない
 し、病害虫や獣害にあって全滅することもしばしば。ひん曲がって生長した農作物は、不味いこと
 が多い。肥料や耕作道具の購入などを考えると、結局、購入するより高くつく。

 そして田舎暮らしそのものが、そんなに甘くない。田舎に移り住んだものの、人間関係やら社会の
 インフラの問題、さらに仕事や収入面で悩んだり落胆している人が少なくない。田舎の生活は、意
 外と高くつくのだ。里山資本をもう少し大きく、林業という産業で見てみよう。国産材が外材に押
 されがちなのは、国産材はロットが揃いにくく、効率的な販売網も確立できていないからである。
 だから消費者の手元に届くまでには高くなる。(素材としての価格は、国産材と外材に差はなくな
 っている。)国産材を使おう、という木づかい運動も、割高なコスト負担を消費者に求めることに
 なる。

 木質バイオマス発電も、本気で導入するには熱利用も含めて莫大なインフラが必要だ。そのための
 コストがかかる。現在でも再生可能エネルギーはFIT(固定価格販売制度)によって割高な電気
 料金にしようとしているのは、コスト負担を求められているためだ。それでも、里山はサブシステ
 ム=保険である、と思うなら、必ずしも返って来ない保険の掛け金を払わねばならない。生命保険
 や損害保険は、死んだり損害を受けたときに備えて掛けるものだが、いざという時が訪れるまで払
 い続ける掛け金は、結構な負担だ。収入に余裕がなければ払い続けられない。

 このように見ていくと、里山資本主義を実践するには、結構大きな掛け金を払い続ける覚悟がいる
 わけだ。リスクに備えるためコストを支払い続けられて、初めて「里山資本主義」の世界は築ける。
 さて賛同者は、その覚悟と余裕はあるだろうか。

                    『里山資本主義の実践には、高いコストを覚悟すべし』
                              2014.05.09 田中淳夫|森林ジャーナリス


 世間には木材に対する誤解が多くあるが、最大のものは価格だ。とくに国産材は高いと思われてい
 る。よくニュースでも「安い外材に押されて……」と語られたり、「国産材で家を建てたら高くつ
 く」と思い込んだ声が流布している。

 だが、実際の価格は驚くほど安い。通常のスギなら、立米単価は1万円前後だ。1本当たり4千円
 もしない。少し曲がっていたり傷があろうものなら半値になる。とくに最近は、円安で外材価格は
 上がっているから、外材より安いものも少なくないのだ。 

 問題は流通や製材・加工の過程で価格が上がってしまうことである。だから柱や板材になった時点
 で、北欧など地球の裏側から届いた製材品と比べて高くなってしまいがちだ。それでも、1割高と
 か2割高のレベル。あとは大工の加工賃だが、これは人によって違いがありすぎる。そもそも木材
 の価格は、その材質や使い道によって大きく変動するから、十把一絡げに外材と国産材の価格を比
 べることに意味はない。 

 一般的な木造住宅を建てる際、全体の建築費のうち木材価格が占める割合はどれくらいか知ってい
 るだろうか。通常なら10%程度、ハウスメーカーのものには5%以下の住宅もある。思いっきり木
 材を使いました! という家でも2割に届くケースは稀なのである。仮に木材価格のシェアが10%の
 住宅で、外材より1割高い国産材の製品を使った場合、全体の建築費に与える影響は1%という計
 算になる。建築費が2000万円なら20万円程度だ。そのくらいは交渉の中で揺れ動く範囲ではないか。

   つまり、よほど特殊な木材を多用した数寄屋建築でもないかぎり、木材価格が建築費を圧迫するこ
 とはないはずだ。それなのに家を建てる際は、なんとか安くしようとすると、まず木材部分を削り
 がちになる。世間は、妙に木材を買いかぶっているところがあって、非常に高いものと誤解してい
 る。そしてその誤解に便乗する者もいる。建築業者が国産材を使いたがらないのは、流通が整備さ
 れていず手間が増える、製品アイテムが少ない、仕入れ先を変えるのが面倒などが隠れた理由であ
 るケースが多い。しかし、施主の国産材を使ってという希望を回避する理由に「高いよ」と口にす
 るという。(中略)意外と価格は安いというだけでなく、木材はさまざまな姿に変わって、価格以
 上の魅力があると伝えてくれることを期待する。


                『吉野杉の「おすぎ」を買った女・・・木材の値段は誤解だらけ』
                             2014.12.11 田中淳夫|森林ジャーナリス


しかし、環境リスク(カーボン・リスク)の主課題に対する、地域経済の成長、コスト削減や競争力な
どの従属(あるいは説明)課題の関係が曖昧――例えば、石油と木質バイオマスの直接燃料効率の経済
性の比較など――という印象は拭えない。また、木質バイオマス発電導入などのインフラ整備も批判に
挙げているが、政府が長期・継続的に財政出動(未来国債)すれば解決できる問題である。寧ろ、ペレ
ットの輸入に際しては、カーボン・トレーサビリティの脆弱性をどう克服するのかの課題が大きい。従
って、オールバイオマスシステムを構築ための政府のプラットフォームの定義が大前提――ドイツでは、
半径50キロメートル経済圏(『今夜はグリーンの話』2013.12.18)――といているように地産地消の
経済圏を設定し、同じ経済圏相互運用ルール整備などが必要である。

 

もうひとつ、「クロス・ラミネイテッド・ティンバー・パネル(CLT):直交集成板」への依存と集成板
の多様化という課題である。難癖を付けるわけではないが、下図のような木材の組み合わせで光を透過
させることができるように、副次(従属)的な課題のように金属・非金属などの他の複合化による強度
向上や意匠性の自由度拡大なども考慮しておく必要もある。さらに、個人的には木質バイオマスの先進
的なパウダーの技術開発に興味がある。この件は残件扱いとする。 

 

 

 

Viewing all 2435 articles
Browse latest View live