第31章 軍隊の本質
「雄」の本質を把握し記うえで「雌」の立場に身を置くならば、万物の源泉となることができよう。
武器は不吉な道具だ。それは、片寄ったはたらきしか待たない。だから「道」を体得した聖人は武器
を使わない。
君子は、ふだんは左を上位とするが、武器を使うときだけは、右を上位とする。武器は不吉な道具
だから、もともと君子の使うべきものではないが、やむを得ずに使うときには、無欲でなければなら
ない。
したがって、戦に勝っても、名誉とは考えない。それを名誉と考える者は、生まれついての人殺し
である。人殺しは、何をもくろんでも、人々に受けいれられるわけがない。祝いの席では左を上位と
し、葬儀の席では右を上位とする。それが世間の資質だ。ところが軍隊では、副将軍が左に坐り、大
将軍は右に坐る。つまり軍隊は、つねに葬儀の作法にならっているわけだ。
人を無致に殺すがために、戦に勝っても、喪に服し、悲しみの涙を注ぐ。これが軍隊本来の姿なのだ。
〈君子〉 治者階級に屑する者のこと。老子は理想的人格を「聖人」ということばで衷わし、「君子」
はそれより一段低い意味に用いている。
〈左を上位とする〉古代において左右いずれを貴んだか、説がわかれていて一定しない。ただ、南方
の楚の国では左を貴んだらしいというので、老子を南方出身と見る学者もいる。
兵は不祥の器 この章は、老子の作といえるかどうか、古来、疑問視する学者が多い。武器は不吉な
道具であるということぱは、「三略」「尉綜子」など兵家の書にも見られるので、兵家言だろうとい
うのである。
「不祥之器」は「凶器」ともいう。武器をさして凶器と呼ぶのは、ここから出ている。わが国では
「凶器」ということばを使うのは、犯罪に関係する場合だけであるが、中国では、武器そのものを不
吉視することが、古来の常識であった。
”Anytime, anywhere ¥1/kWh Era”
【いつでもどこでも1キロワットアワー1円時代】
❂ 特集|ビル・ゲイツが着目するベンチャー企業
Sept. 26, 2018
今年8月、Quartzは「『Form Energy』と『Quidnet Energy』という2つの企業にBEV――さまざまな
慈善事業を行っているMicrosoft創業者のビル・ゲイツは、Breakthrough Energy Ventures(BEV)」という
エネルギー問題に取り組む企業に投資するファンドを設立。10億ドル(約1100億円)規模の巨大なフ
ァンドは、「地球の気候変動に対処する革新的なベンチャー企業に投資する」という方針を掲げる―
―が投資することを決定したと報じ、今回、新たに7つの企業がBEVの投資先として明らかになり、巨
大エネルギーファンド(1100億円規模)の投資先第一陣の内訳リストが公開され話題となっている。
尚、BEVはビル・ゲイツの他にインドの実業家であるムケシュ・アンバニ、Amazon創業者のジェフ・
ベゾス、元ニューヨーク市長であるマイケル・ブルームバーグ、イギリスの実業家であるリチャード・
ブランソン、アリババ創業者のジャック・マー、ソフトバンクグループ創業者の孫正義といった世界
的な億万長者の資金提供によって運営されている。
ゲイツは以前から多くの環境問題に対処するエネルギー関連のスタートアップに投資を行ってきてり
ことをこのブログでも掲載してきた(例えば、核融合発電、コンパクト原子力発電など)たが、その
過程で、エネルギー関連ベンチャー投資は、ソフトウェアベンチャーへ投資とは違う。ということに
気づく。エネルギー関連で革新を起こすには大きなブレークスルーが必要であり、長期間にわたり莫
大な投資を行い、ようやく「タフな技術」を得ることができること。また、重要な技術を持つ研究者
に支援を行うことで、研究者から起業家へと育てるという視点も必要であることに。と、これは業界
常識なことであるが。
BEVのエグゼクティヴ・ディレクターのローディ・グイデロは、我々のファンドは忍耐強く柔軟な思
想を持つ、ユニークなファンド。BEVは投資するに値するベンチャーを探すため、140もの学術機
関や大企業、そして科学者や技術者とのネットワークを築き、重要技術に関する膨大な専門知識を収
集している。BEV から投資を受ける企業は、科学的に可能であると考えられる技術をBEVに開示、少
なくとも>1年間に5億トンの地球温暖化ガス削減できることを示さなければならないと話している。
ベンチャー投資金額は開発の段階やニーズに応じて変化し、1企業あたりおよそ20万ドル(約2200万
円)から2000万ドル(約22億円)。BEV は各企業にどの程度投資を行ったかは秘密にだが、これまでの
総額は1億ドル(約110億円)程度で、10億ドルというファンド全体の規模からすればまだまだとい
ったところ。ベンチャーが必要な全ての金額をBEVの投資ではいが、BEV投資を受けたと報道される
ことでベンチャーへのさらなる投資を促すとだろうと期待を寄せる。
電気自動車で現在主流になっているリチウムイオン電池以上の出力特性を持ち、電気自動車の進化に
欠かせないと多くの研究者が考える「全固体電池」の開発を行うスタートアップ。ここは、リチウム
だけでなく、カリウムや空気-金属電池を含め、30年前では考えられないような熾烈な開発が展開。
が続いている。あたかも全固体電池を制する者は世界を制すである。
material WO2016168691A1 Lithium stuffed garnet setter plates for solid electrolyte fabrication US20170214084A1 Annealed garnet electrolyte separators ● Commonwealth Fusion Systems
高温超伝導を利用した核融合炉の研究を行うスタートアップ
関連特許 US20140301519A1 Heating Plasma for Fusion Power Using Magnetic Field Oscillation US9905317B2 Nuclear fusor apparatus● QuantumScape
従来の窒素肥料に代わる微生物肥料を開発し、窒素流出量とオゾン層を破壊する作用を持つ亜酸化窒
素の排出量を抑えるバイオテクノロジー企業。
関連特許
要約 非マメ科植物における窒素固定を増加させる方法が本明細書中に開示される。この方法は、植
物を複数の細菌に曝露することを含むことができる。 複数の各メンバーは、外来性窒素の存在下で
細菌が大気中の窒素を固定することができるように、細菌の窒素固定または同化遺伝子調節ネットワ
ークの1つまたは複数の遺伝子または非コード化ポリヌクレオチドに導入された1つまたは複数の遺
伝的変異を含む。 細菌は属間の微生物ではない。 さらに、プラナの細菌は、植物中の固定窒素の1
%以上を産生する。
コンクリートに二酸化炭素を注入して、従来のコンクリートよりも強度の高いコンクリートを作る企業。
関連特許
US9221027B2 Curing systems for materials that consume carbon dioxide and method of use thereof WO2014121198A1 System and method of applying carbon dioxide during the production of concrete US9758437B2 Apparatus for delivery of carbon dioxide to a concrete mix in a mixer and determining flow rate US9738562 Methods and compositions for concrete production US9492945 Carbon dioxide treatment of concrete upstream from product mold❏ US9738562 Methods and compositions for concrete productio
要約本発明は、混合中のセメント混合物の炭酸化に関する組成物および方法を提供する。 炭酸化は、固定ミキサ
ーまたはレディーミックストラックのドラムのような運搬可能なミキサー内にあってもよい。
● Fervo Energy
コンピューターモデルと水平掘削技術を駆使し、地熱発電のコスト削減に取り組むスタートアップ。
● DMC Biotechnologies
微生物からバイオ燃料などの、高付加価値を持つ化学物質を作り出す企業。
関連特許
● Zero Mass Water
太陽光とバッテリーの力を利用し、空気中から水を取り出すパネルを販売する企業。
● Form Energy
数週間もしくは数カ月もの長期間にわたり、エネルギーを貯蔵できる2種類のバッテリーの開発を行
うスタートアップ。フォーム・エネルギーは、マサチューセッツ工科大学(MIT)の教授や元テスラ
のエンジニアが率いるスタートアップ。大容量のエネルギーを長期間蓄電できる、超高効率バッテリ
ーを開発している。 バッテリーのコストは一般的に、1キロワット時(kWh)のエネルギーを蓄電す
るコストで測られる。クォーツによると、フォーム・エネルギーは、1kWhあたり10ドルしかかか
らないバッテリーの開発を目指している。現在、最も低コストのバッテリーでも1kWhあたり約200
ドルかかる。
関連技術論文
● Quidnet Energy
地下からくみ上げた水を利用して水力発電を行う技術を開発し、水力発電の革新を目指す企業。
関連特許及び情報
US9481519 Hydraulic geofracture energy storage system with desalinization A Texas startup's big energy idea: storing electricity underground The Guardian Aug 25, 2018
Aug. 25, 2016
以上、「いつでもどこでも1キロワットアワー1円時代」のビル・ゲイツ版である。後は個別実行ということである。
よくぞ、10年間頑張ってきたと、腑に落とすこととなった。 ❦
● 今夜の一枚
台風24号を目前にし、町内のゴミ集積場が過去の台風で倒れたために、事前に雨の降る中、赤い目
印をけて予め倒しておく作業に行った。全国各地推して知るべしである。これは『引き寄せられる混
沌の嵐(=環境リスク本位制)時代』の序章にすぎない。