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量子ドットアレイ工学

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● たこ焼きの世界展開

昨年末、和食がユネスコ無形文化遺産に登録認定されこともあり、日本食の世界的ブームが続き、海外でも
日本料理店が数多く見られるようになったが、東南アジアのインドネシアでは、B級グルメの代表格、たこ
焼きが人気を集めている――インドネシアの首都ジャカルタでは今、日本の「たこ焼き」を売る屋台が見ら
れるとか。具にはたこ以外にも、鶏肉や牛肉などさまざまあり、ソースは現地の味覚にあわせ、辛いものも
用意されている。すしや天ぷら異なり、たこ焼きは値段が4個で百円ほどと、屋台で食べる食事と同じくら
いの手ごろな値段で、気軽に日本食が食べられるため若い人の間で人気を集めている。

たこ焼きのビジネスを始めた現地の創業者は、インターネット上に投稿された「たこ焼きの作り方」の映像
を何度も見ながら研究。イスラム教の戒律で、アルコールが含まれるみりんを口にすることが禁止されてい
るため、イスラム教徒向けの「ハラル」の認証を受けた地元のソースの中で、日本のソースに似た味のもの
を探し、ジャカルタで5年前に1号店を開店し、その後、気軽に日本の味が楽しめると人気になり、今では
40店舗を構えるまでに成長。日本語の「おいしい」にちなんだオイシ・タコのブランドを2009年に立ち上
げたこの創業者は、インターネットでたこ焼きを知り、丸い形に「独特な魅力がある。これは売れる」と感
じたと話す。調理法をネットで学び、料理学校を卒業した妻と開業し、フランチャイズ加盟店はジャワ島以
外にもスマトラ島、マルク諸島にも広がったが、「都市部だけでなく、郊外でも売れるようになった。ビジ
ネスとしては将来有望だよ」と笑顔で語っている。

ところで、「たこ焼き」は英文では "Soft Oqtopas Ball " となるが、何度も日本に来日し、和食の魅力にとり
つかれたインドネシアジョグジャカルタ王室のグスティー・パンバユン王女の依頼により、2007年インドネ
シアにたこ焼店、その名も「TAKOYAKI(たこ焼き)店」がオープンすることになった経緯がある。
このブログ(『透明スピーカーとたこ焼き』2010.09.08)は、<ボール・フード>として、ソフトタイプ、ハ
ードタイプを含めたものとして事業展開することを提案していたり、あるいは「ボールフードこと新的小籠
包」(『今夜の3つのテーマ』 2014.08.29) とした応用展開させた事業提案も掲載していたが、アレンジ
メントは現地でという方針はこのニュースを見る限り正しいようだ。

 


【オールソーラーシステム完結論 21】 

● 量子ドットアレイ工学

昨夜の「量子スケール工学(4)」の括りでは、照準がぼけるであろうと考え、「量子ドットアレイ工学」
として整頓/整理 し直すことに。

平面上に規則的に配置された超微細なドット配置のナノドットは、例えば高密度記録媒体、光学素子、人工
半導体等の基本構造である。その効率的な形成方法が、ナノテクノロジ実用化のために、ナノドット形成の
低コスト化、高効率化は、例えば太陽光発電効率の向上や、量子ドットによる超格子半導体の開発、大容量
の次世代デバイスの開発等に今後不可欠である。従来のナノドットの形成方法は、フォトリソグラフィ法や
EBリソグラフィ法によるものが広く知られている(下図参照)。これらは、基板上にフォトマスクを用い
て露光された部分と露光されていない部分のパターンを生成し、エッチング等で基板表面にナノドットパタ
ーンを形成する。

また、規則的に配置するナノドットを形成方法として、例えば、基板上に金属薄膜が形成された基板を、F
IB(Focused IonBeam)加工を用い、金属薄膜及び基板に格子状の溝を形成し、焼鈍することで、金属属膜
が表面張力により凝集し、ナノドットを形成する技術が開示されている。さらに、基板上に形成した金属薄
膜に、押し込み工具を用いて微細パターンを形成し焼鈍する技術が開示されているが、金属薄膜の溝の部分
に生ずる歪エネルギと表面エネルギが駆動力となり金属薄膜が分離すると共に金属薄膜が分離後に自己組織
化により球状のナノドットが形成する。

しかし、上述の従来技術によるナノドットの形成方法は、何れも例えば半導体基板上にナノドットが形成す
るもので、ナノドットを例えば太陽電池セルの受光効率向上やLEDの発光効率向上に用いようとした場合、
直接太陽電池セルやLEDの半導体基板上にナノドットを形成する必要があったので、ナノドット形成の焼
鈍時の熱処理等により太陽電池セルやLED側に損傷を与える可能性がある。また、直接基板に形成するも
のであるため汎用性も低い。

このように、直径数10ナノメートル以下のドットを規則的に配列させるナノドットアレイの作製が目標とな
る。下図のような「超微細塑性加工と焼鈍融合法」(吉野雅彦東京工業大学准教授)の事例では、従来法の
フォトリゾグラフィ法、電子線リゾグラフィ法や自己組織化法、あるいは焼鈍法と比較し(1)プロセスが
簡便設備が簡便微細なドット寸法に適している、(2)ドット寸法、配置が規則的寸法・配置を自在に制御
できるメリットがあるというもの。 

 
そして、関連特許の「特開2013-176821 ナノドットアレイ板製造方法」によると、アレイ状のナノパターン
が配列されるナノドットアレイ板の製造方法は、基板を提供する過程(ステップS1)と、複数のナノドッ
トを形成する過程(ステップS2)と、転移板を設ける過程(ステップS3)と、転移板を基板から剥離す
る過程(ステップS4)とからなる。ステップS2では、基板と各ナノドットの接触角が90度よりも大き
い複数のナノドットを形成する。ステップS3では、複数のナノドットが形成される基板上に、各ナノドッ
トが付着し転移する転移板を設ける。ステップS4では、転移板にナノドットが付着した状態で転移板を基
板から剥離しナノドットアレイ板とすることで、分子材料等のフィルム上にアレイ状のナノパターンが配置
可能なナノドットアレイ板製造方法である。

 
図1を補足すると、まず、基板10を提供する(ステップS1)。基板10は、例えば石英ガラス、水晶ウ
エハ、サファイア、一般的なガラスが利用可能である。さらに、SiやGe、GaAs等、半導体基板材料
を用いることも可能で、ナノドットアレイ板は、最終的には基板10から剥離されるものであるため、基板
自体はどのようなものであっても良い。但し、ナノドットアレイ板を剥離後、基板を洗浄して再利用するこ
とも可能であり、耐久性や耐洗浄性の高いものが望ましいという。また、基板10上に、アレイ状に立体状
の複数のナノドット50を形成する(ステップ2)。この際、基板10と各ナノドット50の接触角は90
度より大きくなるように形成する。ここで、接触角とは、下図3の基板10とナノドット50の拡大図に示
されるように、ナノドット50の接線と基板10とのなす角で、接触角が90度より大きいと、ナノドット
50の本体に対して基板10との接触面が内側に入り込むようになる。つまり、ナノドット50の上部から
みて負角が生ずるように形成すれば良しとする。

 

図2は、ナノドットアレイ板製造方法の複数のナノドットを形成する過程の一例の説明の概略断面図。まず
図2(a)に示されるように、基板10上に、金属薄膜20を形成する。金属薄膜20は、例えばスパッタ
コーティングを用いて形成すれば良い。なお、金属薄膜20の厚さを略一定に制御可能であれば、これに限
されず、例えば真空蒸着、めっき等の方法を用いて金属薄膜を形成しても良い。また、金属薄膜20の材料
は、例えばAu、Pt、Ag、Ni、Al、Cu、Fe、Co等の金属元素及びその合金、化合物、有機物
等であれば良い。

次に、図2(b)に示されるように、形成すべきナノドットに対応する所望の微細パターン形状を有する押
し込み工具を金属薄膜20が貫通しない程度に金属薄膜20上に押し込み、金属薄膜20上に所望の微細パ
ターンの溝を形成する。溝30は、基板10まで達さないように、金属薄膜20が貫通しない程度に基板10
の表面近くまで形成される。押し込み工具40は、金属薄膜20が貫通しないように、例えば押圧力制御に
より押し込み力が制御されれば良い。

そして、図2(c)に示されるように、基板を焼鈍することで球状のナノドットを形成する。具体的には、
金属薄膜20に溝30が形成された基板10を、金属薄膜20の融点以下の温度で焼鈍(アニール)する。
焼鈍により、金属薄膜20の溝30の部分に生ずる歪エネルギと表面エネルギが駆動力となり金属薄膜20
が分離すると共に金属薄膜20が分離後に自己組織化により球状のナノドット50となる。つまり、格子状
に形成された溝30に沿って金属薄膜20が分裂し、基板10上に所望のパターンに規則的に配置される球
状のナノドットが形成される。

ここで、ナノドットアレイ板製造方法において重要な点は、焼鈍の際、基板10と各ナノドット50の接触
角が90度より大きくなる条件で焼鈍することである。例えば、基板10にSi基板を用い、金属薄膜20
としてAuを用いた場合について具体的に説明する。例えば、5nmの膜厚のAu薄膜に対して、押し込み
工具により押し込み力を0.2N〜0.6Nでスクエア状のグリッドパターンを100nmピッチで形成す
る。その後、600度〜700度で10分間焼鈍する。これにより、接触角が90度よりも大きいナノドッ
ト50が基板10上に形成される。――中略――ここで、焼鈍条件としては、用いられる基板と金属薄膜の
種類に応じて、膜厚や温度等を調整することで決定されれば良い。特に、焼鈍温度が、転移板へのナノドッ
トの転移率を制御するのに効果的である。焼鈍温度が高すぎると、ナノドットがよりフラットとなり得るた
め、接触角が90度以下になってしまう可能性がある。また、焼鈍温度が高すぎると、基板とナノドットの
凝着力も高くなり得るため、転移率が低下する原因にもなる。逆に、焼鈍温度が低すぎると、金属薄膜が十
分に球状のナノドットとならない可能性もある。したがって、膜厚や種類に応じて、ナノドットの接触角が
90度よりも大きくなるよう、最適な焼鈍条件を決定すれば良い。

次に、図2(d)に示されるように、このような複数のナノドット50が形成された基板10上に、各ナノ
ドット50が付着し転移する転移板60を設ける(ステップS3)。ここで、転移板60は、例えばプラス
チックやシリコーン樹脂、PDMS(ポリジメチルシロキサン)等、高分子材料であれば良い。転移板60
として高分子材料を、ナノドット50を包み込むように設ける。ここで、包み込むとは、接触角が90度よ
りも大きくなるように形成されたナノドット50の内側に入り込んだ部分にまで高分子材料が入り込んでい
る状態を言う。これは、例えば硬化前に粘度の低い高分子材料を基板上に塗布し、ナノドットを包み込むま
で安定させた後に硬化させても良い。また、例えば、硬化前の高分子材料を基板上に塗布した後、真空チャ
ンバ内で保持することで高分子材料内の気泡を除去すると共に、密着性を高めた上で硬化させても良い。

そして、図2(e)に示されるように、転移板60にナノドット50が付着した状態で、転移板60を基板
10から剥離する(ステップS4)。これにより、高分子材料かならなるフイルム状のナノドットアレイ板
が完成する。ここで、仮に転移板60がナノドット50の内側まで入り込んでいないような場合では、転移
板への転移率が下がってしまう。しかしながら、本発明の第1実施例のナノドットアレイ板製造方法におい
ては、ナノドット50が接触角が90度よりも大きく形成されると共に、転移板60がナノドット50を包
み込むように設けられている。したがって、転移板60を剥離する際に、ナノドット50が転移板60側に
確実に付着し、基板10から転移板60と共に剥離しやすくなるため、転移板への転移率が大幅に向上する。

また、転移板が、高分子材料のシリコーン樹脂やPDMS等のような、不完全硬化材料の場合、粘着性を有
するため、上述の包み込み効果と相まって、より転移率が向上する。(後略) 

以上、今夜はこの程度にとどめておきたい。


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