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ヘラクレスの選択

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    日はしづみ茗荷の花の淡く黄なり夕習はしの畑道ゆけば / 佐々木信綱




 

 




【イスラム国に手を焼く欧米】


最近、かしましく?イスラム国の関するニュースが流れてくるので、ヘラクレス信仰(武闘信
仰)とサイクス・ピコ協定に象徴される植民地主義と、イスラム教・キリスト教・ユダヤ教に
みられる一神教と、石油産出とテチス海(テーテュース神の名を冠した太古の海洋)の地球科
学文明史と、さらには先進国社会の陰影と世代間ギャップについて考えてみたいと思った。

イスラム過激派組織「イスラム国」に参加するためシリアに渡航しようとしたとして、警視庁
公安部は6日、刑法の私戦予備および陰謀の疑いで、北海道大学に在籍し、現在は休学中の学
生ら複数の日本人から任意で事情を聴くとともに、大学生の住居とみられる東京都杉並区の一
軒家など関係先数カ所を家宅捜索したという(毎日新聞 2014.10.07)。

また、過激組織「イスラム国」がシリア北部のトルコ国境沿いの町アインアルアラブへの攻勢
を強め、国際社会に懸念が広がっている。米軍の空爆は目立った効果を上げておらず、国境の
町が陥落すれば、シリアで始まった長い戦いの厳しさを印象付けることになる。アインアルア
ラブは、イスラム国の勢力圏に取り残されたクルド人勢力の拠点。イスラム国は町を手に入れ
ることで、国境を越えて来るヒト、モノの流れを確実に掌握できるようになるとされる。国連
は、中心部に取り残された高齢者や郊外の市民ら計約1万2700人がイスラム国に虐殺される恐れ
があると警告している。危機の高まりを受け、米軍は6日以降、アインアルアラブ周辺での空爆
を強化。イスラム国の拠点ラッカ周辺などでの爆撃は減り、アインアルアラブに迫るイスラム
国部隊への攻撃が急増した。ただ、こうした動きとは裏腹に、米政府は冷めた見方も表明して
いる。ケリー国務長官は「一歩身を引き、戦略的目的を理解することが重要だ」と述べ、アイ
ンアルアラブ救済だけに目を奪われてはならないと指摘したという(時事通信 2014.10.11)。



さらには、ジョンソン・ロンドン市長は、11日付の英紙デーリー・テレグラフのインタビュー
で、イスラム過激派によるテロに警戒感が高まる中、ロンドンで数千人が治安当局の監視対象
になっていると明らかにした。英国は8月、テロ警戒レベルを5段階で上から2番目の「重大」
に引き上げた。情報機関は、主に過激組織「イスラム国」や国際テロ組織アルカイダからの脅
威だとしている。英政府は、約 500人の英国人がイラクやシリアで戦闘に加わっているとみて
いる。ジョンソン市長は「彼らが帰国すれば、われわれは彼らへの対処を真剣に行わなければ
ならない」と指摘したと伝えた(時事通信 2014.10.11)。  

 

また、シリア内戦の和平調停にあたる国連のデミストゥラ特使は10日、シリア北部のトルコ
国境に近い都市アインアルアラブ(クルド名=コバニ)が過激派組織「イスラム国」に制圧さ
れた場合、1万2千人以上の民間人が「虐殺される恐れがある」と警告した。スイス・ジュネ
ーブの国連欧州本部での記者会見で述べた。同特使によると、アインアルアラブには高齢者ら
700人が取り残され、民間人約1万2千人が周囲に逃れているという。同特使は、トルコか
ら「十分な装備」を備えた「義勇兵」が向かうことを認めるべきだと主張したと報じている。
(朝日デジタル 2014.10.12 16:00)





イスラム教、キリスト教、ユダヤ教や一神教の特徴については、ネット上知りうる程度で特別
に掲載することはないので割愛する。また「イスラム国の指導者」のアブー・バクル・アル=
バグダーディーについてもネット上で知りうる情報以外のものもないので同様である。ここで、
触れておきたいのは「外へのジハード」であり、「イスラーム世界を拡大あるいは防衛するた
めの行為、戦い」で、多くの宗門が教徒を拡大包摂する行為――「戦争の家」=非イスラーム
世界を「イスラームの家」に包摂(=討伐)する行動――はその地域特有の、地政学的な特色
により変化するというものであるが、サイクス・ピコ協定までの宗教戦争や欧州列強の植民地
支配、それ以降の第二次大戦以降のイスラエル建国、中東戦争、冷戦時の代理戦争、石油支配
メジャーと産油国の抗争、イラン革命、イ・イ戦争、アフガニスタ紛争、湾岸戦争、イラク戦
争など、極めて戦闘的なジハードを惹起することは不可抗であったろう。




● 欧米のヘラクレスの選択

欧米列強の武力でもって、軍隊を進駐させる、あるいは、デジタル技術を駆使した無人戦闘機
でもって爆撃し脅迫するといった他国民族や文化的な支配、資源略奪が続く限り、イスラーム
のジハード終わらないことは明白であって、ヘラクレス信仰(武闘派・武器取引・唯銃主義な
ど含めた)を捨てる賢明な『ヘラクレスの選択』を決断してもなお、これまでの諸行の罪深さ
を考慮すれば、関係国の完全和解の最終ゴールへの道のりは遙かに遠いものと考えなければな
らない。翻って、中東のイスラーム国家の民主主義の成熟や経済貧困・格差の是正も同時に行
わなければ、不安定なものとなる。もっとも、これは「内なるジハード」に内包されると考え
るから、生活水準の一括的引き上げと民主化の推進は関係国民の努力の成果によるだろう。

その上で、身近な非ヘラクレス信仰的支援を世界各国の若者達の非政府的ボランティアが可能
な機構――虚無的な武力支援に走ることのないような仕組み――の構築に各国政府が積極的援
助することが大切なんだろうと考えてみた。

  

  

   

 

● 近日、映画上映! 

 

 

 

 

今年の夏の異常気象の影響か、 茗荷(みょうが)が豊作。裏庭で大きな茗荷が摘れたと彼女
が盛ってきたのでデジカメするが焦点がぼけもう一つ。それにしても我が家に定着したから、
茗荷ピクルスを創作してみようか? これは残件扱い。 


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