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超ムーア則の此岸

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                   御成敗式目は、読んでいくうちに大きな関心を持ってしまった。女性の婚前の所有財の独立性を
                   打ち出したりしている。明治以降の女性解放運動にとっても重要でしょう。

                                        「本を語る 『思想のアンソロジー』の吉本隆明さん」2007.03.18 京都新聞

 

                                                                                                           

                                  Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar, 2012  

  

【再エネ百パーセント時代:スマートシティ】 

● ネット・ゼロ・エネルギー・タウンの実現 

大和ハウス工業が富山県富山市の小学校跡地を活用し、一次エネルギー消費量が差し引きゼロになる「ネット・
ゼロ・エネルギー・タウン」の開発に着手する。分譲住宅全戸に太陽光発電システムと蓄電池、家庭用燃料電池を
設置し、HEMS(ホーム エネルギー マネジメント システム)も導入、17年後半に完成予定。富山市が進めている「セ
ーフ&環境スマートモデル街区整備事業」の内容が固まった。同事業は市内の土地を計画的に活用して、コンパク
トに集約した都市機能、持続可能な省エネルギー性能と防災機能を備えるモデル街区の開発を目指す公民連携プロ
ジェクト。民間事業者を公募型プロポーザル方式で募っていたが、審査の結果、大和ハウス工業が選ばれる。特徴
の1つとして、住宅街区全体の一次エネルギー消費量が差し引きゼロになる「ネット・ゼロ・エネルギー・タウン」
を目指し、まず21戸全ての住宅にリチウムイオン蓄電池と太陽光発電システムを組み合わせたハイブリッドシス
テム「POWER iE 6 HYBRID」を設置。蓄電池の容量は6.2kWh(キロワット時)で、太陽光発電システムの出力は
5.5キロワット。家庭用燃料電池も全戸に採用する。太陽電池、蓄電池、燃料電池の「3つ電池」を連携させるこ
とで、各戸でネット・ゼロ・エネルギー・ハウスを達成するとともに、非常時でも電源を確保できる体制を整える。
2つめは、太陽光発電所――住宅街区に出力10キロワットの太陽光発電所も設置。名称は「まちの太陽光発電所」
―――を設置、また、その活用方法の1に、住宅街区の公園に設置する防災設備として利用。公園内にはリチウム
イオン蓄電池を設置し、発電した電力を充電しておくことで防災時に利用。この他にも公園内に防災備蓄倉庫、コ
トブキ製の「防災パーゴラ(日陰棚)」、非常時には簡易トイレになる「トイレベンチ」なども設置し、公共施設
と連携する街の災害対策拠点としての役割を持たせ、さらに、住宅街区では電柱などの倒壊による二次災害を防ぐ
ため、無電柱化も図り―――公園に防災機能を集約する。

尚、こうしたエネルギー・防災に関する機能の他、防犯面についても配慮した街づくりを行う。街区内での犯罪抑
止のため、外周道路からの進入箇所に防犯カメラを設置するとともに、LED照明の街路灯を設置する。これらの設
備にも太陽光発電で発電した電力を活用する。この他、戸建住宅の電気錠玄関ドアやインターホンと連動して、子
どもの帰宅をメールで通知するシステムなども導入する計画というものである。

また、3つめは 公民館・地区センター・図書館の機能を持つ公共施設は、大和ハウスが建設した後に富山市に売
却。その後の運営は富山市が行い、公共施設においても住宅街区と同じくスマート化を目指し、大和ハウスがオフ
ィスなどの建設で提案している環境配慮型建築「ディーズ スマート オフィス」の技術を採用する。成功例は、世
界展開でスマートシティのモデルとなるだろう(これは面白い)。
 

 

● それでもムーアの法則は止まらない

インテルなどの半導体メーカーは「ムーアの法則」に従うように、ほぼ2年に1度のペースで新たな微細プロセス
テクノロジーの進化遂げてきたが、ここにきて新興メーカーの台頭で変化を見せる(「EE Times Japan」2016.04.26)。
多くの半導体メーカー、ファブレス企業はプロセステクノロジーの微細化/進化を行ってきた。

Intel    :130nm→90nm→65nm→45nm→32nm→22nm→14nm Qualcomm:130nm→90nm→65nm→45nm→28nm→20nm→14nm MediaTek  : 90nm→65nm→40nm→28nm→20nm→16nm

このように、あるプロセステクノロジーで製品を開発しても、ほぼ2年に1回、プロセステクノロジーが微細化す
るので、その製品の仕様はすぐに陳腐化する。このため大手デバイスメーカーは一気に歩留まりの高いプロセステ
クノロジーで製品を立ち上げながら、次世代製品開発を並行着手するため、まるでCPUのパイプラインのように、
45ナノメートルの製品立ち上げを行うチームの横で、28ナノメートル製品の設計を進めるチームが存在し、さ
らに次の世代の評価選定を行うチームも存在する具合に常時複数のプロジェクトが動く。

そのための開発経費は逓増しつづける。プロセッサのような大規模でかつ、ハード、ソフト、開発環境などを整備
しないと使えないものを開発するには、数十億円から数百億円もの費用が必要になり、5世代のプロセステクノロ
ジーの開発費が、各世代百億円とし、5百億円を必要とし、世代交代に要する費用は、ほぼ1.67倍になるとい
も言われ、これをもとに計算すると5世代で数千億円が必要となる。



16年、インテルは開発モデルを「Tick Tock」と呼ぶ「プロセス開発→アーキテクチャ開発」を毎年交互に行うモ
デルから「PAO」と呼ぶ「プロセス開発→アーキテクチャ開発→オプティマイズ(内部調整)開発」の順で繰り返
す開発モデルへと切り替えると宣言。この宣言で、一部ではムーアの法則が終わるのではなくまだ先があることを
意味する。10ナノメートル、7ナノメートルの開発計画をTSMC など製造大手が表明している。

※ Process-Architecture-Optimization(PAO)モデル:Intel Drops Tick-Tock Strategy Once and For All –Now Aims at Process,
  Architecture and Optimization, 3 Year Cadence  WCCF TECH
  Read more: http://wccftech.com/intel-tick-tock-strategy-dead/#ixzz47ZmF3mXj 



※ 参考:シリーズ「この10年で起こったこと、次の10年で起こること」

スマホ台頭の陰で地位を失った“日の丸半導体” アジアの聯発科技が世界の MediaTek に化けるまで デジタル化の中で浮沈を決めた“半導体設計の本質” 「ムーアの法則」を超えた進化

 【ちょっとだけ量子ドット工学講座 7】

今夜は、量子ドット太陽電池のキャリア移動の障害を防止し、変換層の厚みを逓増し、キャリアの消滅を抑制し、
格子結晶の欠陥を逓減させ、変換効率向上させる構造・構成に関するシャープと京セラの2つの最新考案ジレを紹
介・記載する。

上図太陽電池100は、半導体層11と、複数の量子ドットナノワイヤ13を含むワイヤ層12と第1の電極15
と、第2の電極16と、を備える。複数の量子ドットナノワイヤ13の各々は、半導体層11の厚さ方向に離間し
て配置された複数の量子ドット層20と、量子ドット層20を三次元的に囲むと共に、半導体層11と電気的に接
続された第1障壁層211と、第1障壁層211の外周面を覆うと共に、第2の電極と電気的に接続された第2障
壁層212と、を含む。第1障壁層211のうち、量子ドット層20を囲む部分2112のバンドギャップは、第
2障壁層212のバンドギャップよりも大きい、量子ドットを用いた光電変換素子において、優れた光吸収特性を
維持しつつ、良好なキャリア輸送特性を得る。

上図p型半導体層1と、n型半導体層5と、p型半導体層1およびn型半導体層5のうちの少なくとも一方に接し
p型半導体層1およびn型半導体層5に挟まれるように配置された、複数の量子ドット3aを有する量子ドット層
3とを備えており、p型半導体層1およびn型半導体層5のうち、量子ドット層3に接した方の少なくとも一方は、
平板状の基部1Bと、該基部1B上に設けられた複数の凸部1bとを有しており、量子ドット層3は、量子ドット
3aが凸部1b間を満たすように配置・構成し、キャリアの接合層までの伝導性を高め、これにより光電変換効率
を高めることのできる量子ドット太陽電池を提供する。 

以上、このような緻密なナノホトニクス設計に関わる技術蓄積が進み出している。実用化は近いぞ!

  ● 今夜の一品

ダイソン株式会社は、4月27日にダイソン初となる美容家電、『Dyson Supersonic(ダイソンスーパーソニック)
ヘアードライヤー』を世界に先駆けて日本にて発表した。ダイソンの旗艦店「Dyson 表参道」にて発売を開始し、
5月11日より順次、全国の量販店など2百店舗で先行展開するという。

これまでのヘアードライヤーはヘッド部分が大きいため操作性が悪く、強い熱風で髪に過度の熱ダメージを与える
こともある。また、従来品の中には、髪がフィルターに吸い込まれて絡まる危険性なども課題として残っていたが、
ヘアードライヤーの形状は60年代から同じスタイル。高速で狙いを定めやすい風、過度の熱ダメージから髪を守
るインテリジェント・ヒートコントロール、そして、手に持ったときのバランスを考慮して設計されたデザインを
決める。

開発に当たり、ダイソンは『Dyson Supersonic ヘアードライヤー』の開発費に、総額95億円を投資し国や地域、
個人レベルにおいて多種多様。4年間に渡り様々なタイプの毛髪を用いた製品テストを実施し、毛髪の乾燥を機械
的にシミュレーション試験装置を作り、実験ではこれまで、全長1625キロメートルを超える本物の人毛を使用。
勿論、ダイソン デジタルモーター V9で駆動。DDM V9 はダイソンの最新、最小、最軽量のデジタルモーターである。
他のヘアードライヤー用モーターより最大で8倍速く回転し、重量は最大で半分にまで軽量化させている。また、
羽根のない扇風機でエアマルチプライアーテクノロジーを採用したことで、取り込む空気量が3倍で、高圧・高速
気流を生み出し、従来のヘアードライヤーは風量が少なく、効率が悪い、風量は多くすでコントロールが難しいく
なるが、吹き出される風に20°の傾斜をつけ狙った場所に風を送ることが可能となる。さらに、モーター内部に
軸流インペラーを搭載することで空気の流路を単純化し、乱気流・旋回流を抑制、インペラーのブレード数を通常
の11枚から13枚に増やしモーター内で発生する音域を1トーン上げ、人の可聴域の上限を超える高周波に設計
する。これはヘアドライヤーの概念を大きく変えることになるだろう。 


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