Quantcast
Channel: 極東極楽 ごくとうごくらく
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2435

ペロブスカイト太陽電池実用化へ

$
0
0

 

   

         労働力、技術力をうまく組織化することが鍵を握る。規模の拡大を追求せず、小さな形で緻密に
         組織化された産業の復興をめざすべきだ。疲れずに能率よく働くシステムをどうつくっていくか、
                 が問われるだろう。

                それには、技術力のある中小企業を大企業がしっかり取り込む必要がある。外注して使い捨てる
                 のではなく、組織内で生かす知恵が問われている。この震災を、発想転換のまたとない機会とと
                 らえれば、希望はある。

                  「科学に後戻りはない:原発 完璧な安全装置を」2011.8.5 日本経済新聞 


                       ※ 復旧・復興事業で付け加えるとしたら、二・三・四次元的展開図での「穴」(欠陥)を速や
          かに発見し機動性を持って問題解決する「ひと」の有無と数が勝負となるという点である。

                                                                        

                                   Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar, 2012 

  スプリングタイム

● 最新ゼロ廃棄物工学の此岸:切花用活性化/植物水分保持技術

先日頂いたシャシャクナゲは、昔から花木の女王と言われ、その気品に溢れた美しさは多くの人々を魅了。日本に自
生するシャクナゲはそのほとんどが深山幽谷に育つ高山植物で、下界での栽培は非常に難しく、「高嶺の花」とされ
てきたが、市販栽培のシャクナゲは西洋シャクナゲと呼ばれ、世界各地の原種を元に、欧米で品種改良された園芸品
種で、山のシャクナゲより、生長も早く、ずいぶんと作りやすくなっているが、早速飾ってあったのでデジカメする
(角度が悪いから今ひとつっだっが)。そのとき最近の切り花を新鮮に長期間生ける技術水準はどのようにんってい
るのか疑問に思ったのでネットサーフする。

花の咲いている時間が3日~2週間といわれ、つぼみの状態の切り花では、きれいに咲かないこともあり、切り花が
長く楽しめない理由には、(1)花瓶が汚れていたり、(2)花瓶の中の水が汚れてしまったり、(3)はさみの切
れ味が悪くて道管がつぶれるなど。そのために、流通段階ではいわゆる低温流通が実施され、温帯性のバラなどは、
10℃以下、亜熱帯性の花は10~15℃での輸送推奨されている。花の切り口は輸送時にはできるだけ水に漬け、
しかもその水には防菌剤を入れるなどの対応も推奨されている。切り花といえども生きており、栄養分を燃やしてエ
ネルギーを生み出すため、呼吸をし、光合成も行っている。切り花は、栄養分を葉や茎などに蓄えられず、切り花の
鮮度を保つために、低温での流通推奨されている理由である。

そこで、切り花は花瓶に生けてあっても呼吸しており、花瓶の水中では雑菌が繁殖。季節により多少異なり、2~3
日おきに水替えを必要とし、花瓶の水に塩素系の漂白剤や洗剤を少量入れることで、切り花が長持ちする、また水に
つかる部分の葉を取り除き、水切りや湯上げ、焼き込みなどの処理をすると、花は生き生きする。

商品としては、花王株式会社の切花用活性化剤「PAT」は次のような特徴がある。

老化抑制:切り花を枯らす老化ホルモン(エチレンガス)の生成を抑え、 花や葉などを長持ちさせる 防菌・防カビ:花を生けている水に雑菌やカビの繁殖を抑えます。道管の目詰まりを防いで、茎からでた樹液
や雑菌の繁殖による濁りを抑える 栄養成長:切り花が吸収しやすい栄養分入りで、つぼみも育って大きく色鮮やかに咲き、花弁も大きく、色つ
やもよくなる 水揚げ促進:界面現象に関わる技術を応用して、水分や栄養分の吸収を高め、切り花を長持ちさせる

   切花用活性化剤「PAT」

 
特許4819027 植物鮮度保持剤(↑)

 

【最新エネルギー変換工学の此岸】

 AIMR

● ナフタレンで固体リチウムイオン電池用大容量負電極:黒鉛電極の2倍以上

14日、リチウムイオン電池の負電極材料としては、長く黒鉛(グラファイト)が用いられてきた。最近では、黒鉛
よりも電気容量が2~3倍大きくできる可能性のあるナノカーボンやカーボンナノチューブといった新しい炭素材料
に注目が集まり、研究開発が進められているが、ナノカーボンは「いろいろな構造体の混ざり物であるがために、大
容量化の原理、指針を解き明かすことができない。そこで、東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)の磯部
寛之らの研究グループが、黒鉛電極の2倍以上の電気容量を実現する新材料を開発したと発表した。新材料は、ナフ
タレンをもとに作られた「穴あきグラフェン分子」(CNAP)で、充放電を65回繰り返してもその大容量は完全に保た
れたと公表。今回の研究成果の特徴は次の通り。

穴あきグラフェン分子(CNAP):大環状有機分子がリチウムイオン電池の大容量電極材料となる 電気容量・リチウム容量は、実用されている黒鉛電極の2倍以上にも及びます。さらに、その大容量は、65
回の繰り返し充放電を行っても完全に保たれ、電極として、とても優れた材料である 粉末X線回折という手法で穴あきグラフェン分子が積層しながら中央にある孔が揃うことを解明 通常、黒鉛では炭素膜が積層した構造の「隙間」にのみリチウムが蓄積、穴あきグラフェン分子では、精密に
設計されたナノサイズの「隙間」と「細孔」の2つの場所にリチウムが蓄積され、大容量化につながる 「穴あきグラフェン分子」は「ナフタレン」からつくられました。「ナフタレン」は、一般家庭のタンスの中
にある防虫剤などにも活用されている、大変にありふれた分子から合成できる

 

● ペロブスカイト太陽電池製造技術:大型モジュール、効率は約10%

薄膜太陽電池などに関する欧州の技術組合「Solliance」は、ペロブスカイト太陽電池の約15平方センチメートルモ
ジュールを開発。モジュール変換効率は10%、この面積のモジュールの値として高い。開口部面積は、ほぼ13平
方センチメーに相当(168cm2)。開発したモジュールは、ガラス基板にブレードを用いた塗布プロセスで活性層など
を成膜し、レーザー光で25個のセルにパターニングして作製。各セルは、独自の配線技術で直列に接続する。今回の
技術のポイントは、多数のセルを接続することで、変換効率が約10%であれば、ほぼ任意の面積のペロブスカイト
太陽電池モジュールの作製が可能になる。



Solliance: Solliance realizes a first up-scaled Perovskite based PV module with 10% efficiency.

尚、ペロブスカイト太陽電池セルの変換効率の最高値は、韓国化学研究所(KRICT)と韓国の蔚山科学技術大学校
(UNIST)が開発したセルの22.1%、セル面積は0.1cm2と小さい。セルやモジュールを大きくすると、変換効率
は低下する。



● ペロブスカイト太陽電池製造技術:塗布型太陽電池向け材料、変換効率18%超

また、3月28日には、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と物質・材料研究機構(NIMS)が、ペロブス
カイト太陽電池の標準面積(1cm2)のセルで18%を超えるエネルギー変換効率を達成したと発表。ペロブスカイト
太陽電池は、廉価な材料で構成されており、塗布という簡単な方法で大量生産できるため、製造コストを大幅に下げ
られる可能性がある。この成果の特徴は次の通り。

太陽光の吸収効率を上げるため、ペロブスカイト材料における2種類のカチオンの混合比を最適化 一部ヨウ素を臭素に置き換えることで、ペロブスカイト層で欠陥が少なく大きな結晶粒子を得られた 光照射で形成された電子とホールを効率よく取り出せるようになり、短絡電流密度が21mA/cm2以上に向上 ペロブスカイト層、電子輸送層、電子抽出層などの材料と膜厚を最適化することで太陽電池の電気抵抗を低減 太陽電池の曲線因子(FF)を20%程度上げることに成功



● 高効率ペロブスカイト型太陽電池の製造コストが大幅低減

尚、1月19日には、スイスの大学 Ecole Polytechnique Federale de Lausanne(EPFL)の研究者は、変換効率20.2%
と高いペロブスカイト太陽電池をこれまでより大幅に低い製造コストで作製する技術開発したと発表。ベースとなっ
たのは、酸化チタンと色素などから成る従来の色素増感型太陽電池だ。ぺロブスカイト型では、“色素”の代わりに
ペロブスカイト材料を用い、正孔(ホール)輸送(HTL)材料としてのヨウ素溶液の代わりに、Spiro-OMeTADなどの
特殊材料を用いたものが多い。実はこのHTL材料が大きな課題だった。ここで利用するぺロブスカイト材料は鉛(Pb)
と有機材料から成り安価だった一方で、HTL材料は1gでおよそ300ユーロ(4万円弱)するなど非常に高価だが、今回
の材料は1/5と比較的安価な材料「FDT」を用いて変換効率20.2%を実現している。

【最新高変換効率ソーラー技術】

「今夜も新技術がてんこ盛り」(2016.06.12)で紹介したモロッコでの日本製集光型太陽光発電装置の実証プロジェ
クトの住友電気工業株式会社などの保有知財を下記のようにチサーチ。

● 情報を発信する集光型太陽電池


特許5821940 集光型太陽光発電パネル、集光型太陽光発電装置及び集光型太陽光発電システム

上図は、縦横配置した各集光レンズ14aの後側に発電素子12を配置した集光型太陽光発電パネルPを縦横に設け
て集光型太陽光発電装置とする。パネルP内の各発電素子12の周りに複数の画像Wの一部w1、w2、w3、w4が描かれてい
る。この各パネルPが太陽に追日し左右上下に振れると、この装置の前方定位置で見ている人は、集光レンズ14a
の特性から、その集光レンズ14aを通して確認できる画像がパネルPの振れた角度(方位回転角θ、迎え角α)に
よって異なるためれば、例えば、上側に振れれば、「Y」、下側に振れれば、「B」、右側に振れれば、「G」、左側に振れれば、
「R」がそれぞれ表れる。このため、太陽の動きに伴ってその表れる文字等の画像を変化させることができ、その時刻に
応じたメッセージ等を表示することができる、表示性や装飾性を持つ安価な集光型太陽光発電装置とするというもの
である。つまり、発電しながら情報表示できるというものだが、効用がどれほどのものか想像できないから、ここは
「休止符」ですねぇ~(すいません)。

● 基板を重ね合わすことで信頼性の高い集光型太陽電池製造でコスト逓減

特開2016-018991 太陽光発電モジュール、太陽光発電装置および太陽光発電モジュールの製造方法

上図は、太陽光発電モジュールは、フレキシブルプリント基板と、フレキシブルプリント基板に実装された複数の発
電素子とを備え、このフレキシブルプリント基板は、曲がり部を有し、曲がり部の両側に位置するフレキシブルプリント基板の帯
状部分が対向することで、高い信頼性を実現するとともに製造コストを低減できる太陽光発電モジュール、太陽光発電装置お
よび太陽光発電モジュールの製造方法の提案である。

● パネル洗浄を最適角度に制御しクリーニングする集光型太陽電池


特開2016-046950 太陽光発電システム及びパネル洗浄方法

上図は、支持部と、方位角及び仰角のそれぞれについて任意の角度の姿勢をとり得るよう、支持部に支持された太陽
光発電パネルと、パネルの姿勢を変える駆動装置と、発電時には、駆動装置によりパネルを駆動して太陽の光を当て
るとともに、洗浄モードを実行するときは、その受光面への付着物を雨、風、結露、重力を含む自然現象の少なくと
も一部の利用により除去し易い姿勢になるよう制御する装置とを備え、複雑なクリーニング装置を設けることなく、
簡易洗浄するシステムとパネル洗浄方法の提案である。

● 他社の集光型III-V族化合物半導体太陽光発電システムモジュール

US 9331228 Concentrated photovoltaic system modules using III-V :集光型III-V族化合物半導体太陽光発電システムモジュール

上図は、多結晶シリコン系太陽電池モジュールと異なる、集光型III-V族化合物半導体モジュールは、第1の面を有す
るハウジングと、対向する離間した第二の面を含む。複数のレンズは、ハウジングの第1の側に配置することができる、
太陽電池複数の受信機は、ハウジングの第2の側に配置されてもよく、太陽電池の複数の受信機の各々は、III-V族化
合物半導体多接合ソーラーセルを含んでもよく、それぞれはまた、太陽電池に結合されたバイパスダイオードを含ん
でもよく、少なくとも一つの光学素子が、太陽電池上にレンズの一つからの光を導くために、太陽電池の上方に配置
されてもよい。この太陽電池受信機の各々は、レンズの一方の光路に配置されてもよく、レンズと少なくとも一つの
光学素子が、ピーク電力25ワットを過剰に生成し、1000倍以上の係数で各太陽電池上に光を集中できるものである。

多結晶シリコン系と比較して(1)コスト(2)変換効率=集光係数(3)寿命(4)安定性(5)その他に亘る評
価項目の総合比較で実用普及が決定する。変換効率30%超時代がそこまできているのですねぇ~。

さて、次回も今夜掲載もれしたものを掲載する。
                                            この項つづく

     

● 雨乞岳から北上コースの準備

「トレッキングと修景 Ⅳ」(「綿向山から鈴鹿スカイライン」 2016.06.15)を元にいよいよ北に向け縦走すること
になる。下図は近江鉄道「日野駅」を起点としてバスで表参道登山口の駐車場(トイレ在り)から綿向山表参道コー
スを登り、次の目的地の「雨乞岳」に向かう。雨乞岳は、滋賀県の東近江市(旧神崎郡永源寺町)と甲賀市土山町の
境界に位置し、鈴鹿南西部、県境主稜線・御在所岳から西に延び綿向山まで向かう稜線上にあり、鈴鹿第二の高峰(
1238m:標高一位の御池岳1247m)で、御在所岳の西南西にある鈴鹿の主峰。また、北や南から望む、東雨乞岳ととも
に双耳峰である。


武平トンネルからのルート 稲ヶ谷からのルート 甲津畑からのルート 朝明渓谷からのルート 綿向山からのルート

 

通常は上の5つのルートがあり最後の第5ルートをコースインとするがその先のルート、つまり御在所岳経由で釈迦
ヶ岳に向かうのか、直接、向かうのかの選択肢を決めかねたが、前者を選択、いずれにしてもテント泊はさけられな
い。このため野営グッズの装備を準備するということでモンベルの下図の1人用クロノスドームを揃えることする。
下見は「永源寺グリーンランド~杉峠~雨乞岳」で晴天なら21日(土)でピストンの予定。ただ、体力の疲労がピ
ークにきているため28日(土)に変更もありうる。その後、釈迦ヶ岳の日帰り登山となる。

 

 

 

 

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2435

Trending Articles