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Channel: 極東極楽 ごくとうごくらく
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木質バイオマス粘土革命

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            人間は滅亡が近いよなと悲観したくなる中で、一つだけ奇妙に希望を持てる確かなことがあると
             すれば、それは人間の平均寿命についてのことだと思います。人間の寿命は今後短くなることは
             ないんです。不思議なことだと思いますが、人殺しの武器も発達させ、危険極まりないものを作
             っても、平均寿命の伸びが止まる兆候はないんです。

                                                         「これから人類は危ない橋をとぼとぼ渡っていくことになる」 

                                                                         (河出書房新社 2011.06)   

                                                                         

                                   Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar, 2012 

               ※  ひとという生命体に危機に遭遇し、その都度乗り越えてきたとい言い換えることもできるし、
            越えることのできない事象に遭遇することもありうると言い換えることもできる。それが
            「とぼとぼ」という擬態語に集約されている。                            
                
 

  北星鉛筆HP

 「もくねんさん」ねんど教室

 

● ゼロ廃棄物工学の此岸:木質バイオマス粘土革命

たまたま、ネットサーフしているとNHKの「まちかど情報室」の「捨てずに使いました」(2016.05.18)の北星鉛筆
株式会社の「おがくずから作った粘土」が目にとまる。かつて「ドライマウスからスマートキャンティ」(2015.02.06)
で「「" 手のひらサイズの化学プラント”について、スマートキャンティの関連で補足説明を加えた。つまり、『デジ
タル革命』により生命情報科学が進歩し相当量の遺伝子解析が明らかにされつつあり、木質バイオマス原料を効率よく
分解処理できる微生物や酵素が発見や生物工学でつくり出されるが、それは大きな工場でつくられるのではなく、喩え
れば、四畳半程度の小さな研究室から生まれ、製造される時代に入ったことを意味することの説明であった」と掲載し
ている。また、「ゼロ産業廃棄物工学の此岸:シームレスカプセル応用技術」(2016.05.12「今夜も新技術がてんこ盛
り」)でも記載した「シームレスカプセル」はその1つの手法であるが、それでは、木質バイオマス粘土はどのように
して作るのだろうか?

下図の特許は、(1)おが屑3とポリビニルアルコールなどの合成接着剤4とホウ砂、リン酸、ホウ酸の混合水溶液に、
水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、メタルシリコンを水反応させたアルカリ性耐火液を混合した水溶液などの耐火液5
や酸化チタンなどを加え、押し出し機で、加熱しながら混練りし先端の金型より押し出し、(2)これをカットしてペ
レット化する第一の工程と(3)このぺレット20を乾燥させる第二の工程と、(4)乾燥させたペレット20を熱圧
縮金型内35に充填し、この熱圧縮金型により産業廃棄物の有効利用し、不燃性を兼ね備えた木製成形品とする方法が
提案されている。

※ 参考特許

特開2002-137957  木質粘土の製造方法及びその木質粘土を用いた成形鉛筆 林原 きくゑ 他 2002年05月14日
特開2003-200406  木製成形品の成型方法 北星鉛筆株式会社 他  2003年07月15日
特開2004-131607  液状粘土 北星鉛筆株式会社 他 2004年04月30日
特開2003-236943  発泡ブロックの製造方法 北星鉛筆株式会社 他 2003年08月26日

ここで、先ず木質バイオマス粘土の主原料は木質バイオマスを微細(ミリメートル・マイクロメートルサイズ)化した
ものとする。この時、所望のサイズに微細化する工程を(1)機械的破砕(2)生物的破砕(3)その他の最適化が生
じる。次に、生分解性ポリリン酸樹脂、発泡スチロールなどの合成樹脂または竹など主原料以外の木質バイオマス、さ
らセラミックなどを加え、増量剤、あるいは改質剤として加え、ポリビニルアルコール合成のりなどの接着剤、あるい
は、難燃剤・防腐剤などを加え混練りし、(1)テフロン樹脂などの型枠に流し込み、4百数10℃以下で乾燥し取り
出すか、あるいは、三次元プリンタなどで射出形成後、乾燥硬化する、または、シート状・糸状に射出形成乾燥などの
最適化課題が残件する。また、この製造過程は、例えば、耐震性や難燃性、半導体のような微細加工性、耐食性、防音
性など従来の自然木質バイオマスの特性を大きく改変するものであり、あるいは、新しい機能性繊維、機能性フィルム
市場を形成するものであり、陶磁器類にはない、ゼロ廃棄物性や意匠性、質感性を持つ。

ここでは、ゼロ廃棄物性を考えてみる。難燃性といえも木質バイオマス製品は燃焼エネルギーに変換でき、このエネル
ギーをボイラーの形で、あるいはガス化という形で取り出すことができ、燃え殻(滓)は精密バグフィルターや気液接
触方式やシームレスカプセル技術を応用した生物処理として回収しリサイクルできる特徴が魅力である。あとは、市場
経済でのコスト競合で有利な条件で生産するという課題が残るだけで、ここまで書けばわたし(たち)の夢は終わるは
ずである。


 

 ● 高効率太陽電池製造工学の此岸:化合物3接合型で世界最高の変換効率31.17%

シャープは19日、太陽電池モジュールとして世界最高の変換効率31.17%を化合物3接合型太陽電池で達成したと
発表。今回の太陽電池モジュールの開発は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のプロジェクトの一環として
実施。これまでの研究レベルにおける太陽電池モジュールにおける変換効率の世界記録は12年にAlta Devicesが達成し
た24.1%。このモジュールは、インジウムガリウムヒ素をボトム層とする3つの光吸収層を積み上げた構造。この構
造のセルでは、13年4月に小サイズ(面積:1.047cm2)で、37.9%の変換効率を達成。今回、実用可能なサイズ(
面積:27.86cm2)での太陽電池セルで、セルの集合体であるモジュール(面積:968cm2)を作製し達成。NEDOでは、「軽
量かつフレキシブルという特徴を兼ね備え、発電コスト低減だけでなく、高効率化と軽量化が求められる自動車等への展
開も期待でき、発電コスト7円/kWh達成とあわせ、自動車搭載などの高付加価値技術の開発も進める」として話している。


● 高効率太陽電池製造工学の此岸:SiN膜の除去方法

酸化ケイ素(SiO2)やSiN等の無機薄膜は、層間絶縁膜、パッシベーション膜、反射防止膜等として、各種半導体
素子や太陽電池等で使用されている。例えば、太陽電池には変換効率を向上するため、受光面側にSiN膜からなる反
射防止膜を形成し、受光面の反対側の面にパッシベーション膜が形成されているものがある。太陽電池として一般的な結
晶シリコン太陽電池セルの製造では、p型シリコンウェハの表層にn+層となるリン拡散層を形成し、下層のp層との間
にpn接合を形成する。その後、n+層上に反射防止膜を形成した後、受光面側及び裏面側に電極を形成し、必要に応じてパッシベー
ション膜を形成する。太陽電池の製造では、反射防止膜やパッシベーション膜を形成した後で、電極をn+層に接続する
ことが多いため、これら無機薄膜に開口を設ける必要がある。

無機薄膜に開口を設ける方法の1つとして、エッチング法がある。エッチング法としては、フォトレジストを用いた方法
が一般的である。しかしながら、レジスト膜形成、露光、現像、エッチング、レジスト除去の各工程が必要であり、また、使用する資
材が多いため効率的ではない。また、レーザーによって開口を形成する方法がある。しかしながら、加工位置制御が煩雑
であり、加工時間を要するため、生産性が十分ではない。また、レーザーによって下部にあるn+層やウェハ等が損傷す
る可能性がある。また、従来、最も一般的な製造方法としては、電極となる金属と、ケイ素酸化物など、ガラスを構成す
る化合物を含有する導電ペーストを塗布し、加熱によってファイヤースルー(焼成貫通)を起こし、無機薄膜に開口部を
形成すると同時に電極とn+層を接続する方法がある。しかしながら、本方法では250℃以上の高温処理が必要なため、
n+層やウェハがダメージを受け、発電効率の低下が起こる可能性があり、また、機薄膜をはじめからパターン状に形成
する方法が考えられるが、工程が煩雑であることから効率的ではなく、パターン形成の精度の点でも十分ではない。

 一方、エッチングペーストを印刷して無機薄膜上にパターン等を形成し、その後、加熱することにより、エッチングペ
ースト下部に開口を形成する方法が提案されているが、無機薄膜を除去する成分(エッチング成分)としては、例えば、
リン酸又はリン酸塩を含むエッチング媒体があるが、最適なエッチング温度が250℃以上と高いため、n+層やウェハ
等がダメージを受ける可能性があり、また、エッチング成分として、アンモニウム、アルカリ金属、およびアンチモンの
フッ化物、アンモニウム、アルカリ金属、およびカルシウムの酸性フッ化物、アルキル化アンモニウム、ならびにテトラ
フルオロホウ酸カリウムの群より選択される少なくとも1種類のフッ素化合物と、任意に、所定の無機鉱酸及び有機酸を
含むエッチング媒体を用いる方法もあるが、フッ素化合物と酸を混合したエッチング媒体は毒性が極めて高いという問題
があった。この問題を解決するために以下の特徴をもった提案がされている。 

ホウ素及び該ホウ素と結合したハロゲンとを構造中に含むルイス酸、ルイス酸の塩、並びにルイス酸を発生する化
合物から選択される少なくとも1つのホウ素化合物を含有するエッチング材を、印刷法により窒化シリコン(Si
N)膜上に塗布する工程と、 加熱によりSiN膜を除去する工程と、を有する、SiN膜の除去方法 このホウ素化合物が、加熱温度で液状であるか、または加熱温度で液状の物質に溶解する、前記に記載のSiN膜
の除去方法 このホウ素化合物の融点が、加熱温度以下であり、かつ不揮発性である、1または2に記載のSiN膜の除去方法 この印刷法が有版印刷である、1~3のいずれかに記載のSiN膜の除去方法 同じく印刷法が無版印刷である、1~3のいずれかに記載のSiN膜の除去方法。 同じく印刷法が有版印刷及び無版印刷である、1~3のいずれかに記載のSiN膜の除去方法 SiN膜が、シリコン膜上、若しくは酸化シリコン(SiO2膜)上に形成されているか、または、シリコン基板
上若しくは酸化シリコン(SiO2膜)基板上に形成されている1~6のいずれかに記載のSiN膜の除去方法

 

 特開2016-086187  SiN膜の除去方法 日立化成株式会社

 

● 高効率太陽電池製造工学の此岸:配線をすべて裏面に集約

現在、最も多く製造および販売されている太陽電池は、太陽光が入射する側の面である受光面と受光面の反対側である裏
面とにそれぞれ電極が形成された構造だが、受光面に電極を形成した場合には、電極における太陽光の反射および吸収が
あることから、電極の面積分だけ入射する太陽光の量が減少する。そのため、裏面のみに電極を形成した太陽電池の開発
が進められている。

下図(図37)に、太陽電池の模式的な断面図を示す。図示される太陽電池は、n型の単結晶シリコンからなる半導体基板
100の裏面100bの一部に、水素を含むi型のアモルファスシリコンからなるi型非晶質半導体層112iと水素を含むn型
のアモルファスシリコンからなるn型非晶質半導体層112nとのIN積層体112が設けられている。また、n型非晶質半導
体層112n上に酸化ケイ素、窒化ケイ素または酸窒化ケイ素などからなる絶縁層118が設けられている。
しかし、太陽電池においては、短絡電流密度(Jsc)が低かったため、短絡電流密度の向上が求められていた。

特開2012-049193 太陽電池の製造方法三洋電機株式会社

そこで、下図のヘテロ接合型バックコンタクトセルの製造方法は、半導体基板(1)の第1の面(1a)に接するように、
窒素と珪素とを含む誘電体膜(6)を形成する工程と、半導体基板(1)の第1の面(1a)と反対側の第2の面(1b)
側に、第1導電型非晶質半導体膜(3)および第2導電型非晶質半導体膜(5)を形成する工程と、第1導電型非晶質半
導体膜(3)上に第1電極(7)を形成する工程と、第2導電型非晶質半導体膜(5)上に第2電極(8)を形成する工
程と、を含む構造・構成で、短絡電流密度の特性に優れたヘテロ接合型バックコンタクトセルの製造方法を提供する。

【符号の説明】

 1,100  半導体基板、1a  第1の面、1b  第2の面、2  第1のi型非晶質半導体膜、3  第1導電型非晶質
半導体膜、4  第2のi型非晶質半導体膜、5  第2導電型非晶質半導体膜、6  誘電体膜、6a  第1誘電体膜、
6b  第2誘電体膜、7  第1電極、8  第2電極、9  金属膜、31,32,33  エッチングマスク、51,52,
61  積層体、100a  受光面、100b  裏面、112  IN積層体、112i,113i,117i,121,
124  i型非晶質半導体層、112n,117n,122  n型非晶質半導体層、113  IP積層体、113p,
125  p型非晶質半導体層、114  n側電極、115  p側電極、116,118,123  絶縁層、119 
積層体、119a,119b,119c,119d  導電層。 

特開2016-082160 ヘテロバックコンタクト型太陽電池とその製造方法 シャープ株式会社

 


● 再エネ百パーセント工学の此岸:電力自由化、英国の先達語る「再エネ100%」の価値 

電力小売りに新規参入した企業では、東京ガスが24万件以上の申し込みを獲得するなど、これまで地域独占が普通だっ
た電力業界で競争が始まったが、とはいえ、地域新電力や太陽光発電関連事業から電力小売りに参入した企業の存在感は、
託送料金や賦課金の制度改定などもあり、各社ともいまひとつ(日経テクノロジー 2016.04.27)。
この記事によると、電力自由化が進んでいる欧米では「再生可能エネルギー(再エネ)百%」の電力を差異化の武器に、
既存の大手電力事業者との競争にも負けず存在感を見せる企業が存在し、再エネ供給型の一社である英グッドエナジー
(Good Energy)は、風力や太陽光といった再エネ百%の電力供給を売りに、英国で一定数の顧客層の獲得と維持に成功
しているるという(表1)。この企業のビジネスモデルは、再エネによる電力を自社保有の発電所と英国中の1000以上の
再エネ発電事業者のコミュニティから調達。

しかし、グッドエナジーのデュアルフューエル(電気とガスのセット販売)のガスは再エネ由来ではない。そのため、商
用グリーンガスを当社が調達できるような方法は、現在の英国には存在しない。グリーンガスは英国でも新しい市場であ
り、供給も限定的で、市場におけるグリーンガスの大半は、大規模な事業者顧客に直接販売されているので、グリーンガ
ス供給業者の調査中であり、以前は「グリーン」な電力を買いたければ、高い電気料金を払わなければならなかったが、
再エネのコストはどんどん低下し、コストが重要な要素である一方、顧客サービスや当社の電気がどこに由来するのかと
いった環境価値などの要因も重要で、将来的には提供したいという。

その背景に  現在、英国では30社以上の独立系エネルギー供給事業者が存在し、数千社の独立系発電事業者が百%の再
エネを電力網に供給している。独立系エネルギー事業者の市場シェアは、わずか2、3年前のゼロ%から今日の10%に
まで上昇していることがあり、顧客が英国の「ビッグ6(大手6社)」から引き続き離れていくこともあり、このトレン
ドが将来も継続すると考え、将来の成長については野心的な計画を持ち、20年までに顧客数で5倍増まで成長する目標
を掲げている。

また、日本の中小規エネルギー事業者への助言として、固定価格買い取り制度(FIT)によって、英国では15年初めの時
点で21%以上の電力が再エネから作られるようになったが、優れた顧客サービスと革新的な製品の提供に集中し、また
小売り事業者の追い風となる政策変更を追求し、今ある物事の進め方に我慢すべきではない。 同じことが再エネの発電事業
者にも言える。大手事業者から離れてエネルギーの仕組みを変革したい、低炭素化に貢献したい」という地元の人々の支持を着実
に獲得していくことが重要だと指摘しているという。

 

  ● 今夜の一品

携帯可能な電子レンジ、NXPのRFパワートランジスタで実現




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